JPH05322640A - ヘリコプタ音の抽出・識別装置 - Google Patents

ヘリコプタ音の抽出・識別装置

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JPH05322640A
JPH05322640A JP12734492A JP12734492A JPH05322640A JP H05322640 A JPH05322640 A JP H05322640A JP 12734492 A JP12734492 A JP 12734492A JP 12734492 A JP12734492 A JP 12734492A JP H05322640 A JPH05322640 A JP H05322640A
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吉郎 松本
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芳春 多々木
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Oki Electric Industry Co Ltd
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OKI SHISUTETSUKU TOKAI KK
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 音源としてヘリコプタが存在するか否かをヘ
リコプタ以外の音源が存在しても高精度に識別する。 【構成】 車両音等の他の音源からの発生音響にはない
ヘリコプタ音だけが有する特質(安定したレベルが高い
線スペクトルの存在)を利用して識別する。音響分析手
段(15,16)は、音響センサ11が捕捉音響波を電
気信号に変換して得た音響信号のスペクトラムを求め
る。また、音響分析手段(15,16)は、スペクトラ
ムに含まれているレベルが大きい各ピークについて少な
くともその帯域幅と周波数とを求める。レベルが高く帯
域幅が所定値以下の狭いピークはヘリコプタ音では分布
して多数生じるが他の音響ではさほど生じない。判別処
理手段(17)は、帯域幅が所定値以下のピーク情報に
基づいて、音源としてヘリコプタが存在するか否かを判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1以上の音源が発生す
る音響波を捕捉して音源としてヘリコプタが存在するこ
とを識別するヘリコプタ音の抽出・識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特定音源の存在を識別する従来の音源識
別装置として、音響波の周波数帯域、レベル、周波数特
性の特徴等から音源を識別するものがある(例えば、特
開平3−268224号明細書及び図面)。ヘリコプタ
が近傍に存在するか否かを音響信号を処理して判別する
ヘリコプタ音の抽出・識別装置としては、従来開示され
ているものがないが、他の音源を被識別対象とした抽出
・識別装置を適用すると、上述したように音響波の周波
数帯域、レベル、周波数特性の特徴等から音源がヘリコ
プタであるかを識別するものとなる。
【0003】図2は、このような従来技術から推測され
るヘリコプタ音の抽出・識別装置の構成を示すものであ
る。
【0004】図2において、ヘリコプタ音の抽出・識別
装置は、音響センサ1、ハイパスフィルタ2、ローパス
フィルタ3、レベル検出回路4及び表示機5から構成さ
れている。
【0005】音響センサ1は、1以上の音源6a、6
b、6c、…が発生した音響波S1a、S1b、S1
c、…を捕捉し、これを電気信号(音響信号)S2に変
換してハイパスフィルタ2及びローパスフィルタ3でな
る帯域制限構成に与える。ここで、音源6a、6b、6
c、…として被識別対象のヘリコプタが含まれているこ
とは多い。
【0006】ところで、ヘリコプタが発生する音響波
(以下、ヘリコプタ音と呼ぶ)において、レベルが高い
スペクトラムは約200Hz以下に存在することが分か
っている。また、ヘリコプタ音の存在を識別しようとす
る環境下では、風雑音のような可聴音周波数の下限近傍
以下にエネルギーが集中している外来雑音が多く、音響
信号S2にはこの外来雑音成分が多く含まれている。
【0007】ハイパスフィルタ2は音響信号S2に含ま
れている外来雑音成分等を除去するものであり、ローパ
スフィルタ3はヘリコプタ音が存在する場合にレベルが
高くなるスペクトラムの存在範囲に限定するためのもの
である。このようにしてヘリコプタからの音響波のレベ
ルが高い周波数帯域の情報だけを利用できるようにして
いる。
【0008】このようにしてヘリコプタ音が存在する場
合と存在しない場合とでレベルが異なる帯域に絞り込ま
れた音響信号S3はレベル検出回路4に与えられる。レ
ベル検出回路4は、入力された音響信号S3について、
スペクトラムの包絡線について、ピークレベルやレベル
が高いスペクトラムの存在する周波数範囲等を求め、こ
れらを予め格納している対応する基準情報と照合するこ
とにより、音源としてヘリコプタ6aが存在するか否か
を判別する。このようにして得られた判別結果は、レベ
ル検出回路4から表示機5に与えられて記録されたり表
示されたりする。
【0009】図3は、ヘリコプタ音及び他の音源(例え
ばキャタビラを有する車両)からの音響波のスペクトラ
ムの包絡線例である。ヘリコプタが存在し得る環境下に
おいて問題となる他の音源は車両であることが多く、ヘ
リコプタ音と車両音とを識別できるようにすればヘリコ
プタの存在を確認できる。ヘリコプタ音の包絡線は図3
(A)に示すようであり、レベルが高いスペクトラムが
存在する周波数範囲は、上述した帯域制限された周波数
範囲の中で可聴音周波数の下限に近い部分である。これ
に対して、他の音源が発生する音響波の包絡線は図3
(B)に示すようであり、レベルが高いスペクトラムが
存在する周波数範囲は、上述した帯域制限された周波数
範囲の中でほぼ中央部(100Hz近傍)である。
【0010】上述した従来の装置は、このようにヘリコ
プタ音は、他の音源からの音響波に比較して、レベルが
高いスペクトラムが存在する周波数範囲等が異なること
に基づいてなされている。すなわち、レベル検出回路4
には、このような音源によって異なるレベルが高いスペ
クトラムが存在する周波数範囲を区別するための閾値等
の基準情報が格納されており、現時点でレベルが高いス
ペクトラムが存在する周波数範囲を基準情報に基づいて
定めてヘリコプタの存在可否を判定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した装置は、パワ
ーの大きい音響波を発生する音源としてヘリコプタだけ
が存在する場合には、有効に機能するものである。
【0012】しかしながら、ヘリコプタ音を抽出・識別
しようとする情況下においては、背景雑音よりもかなり
パワーの大きい音響波を発生する他の音源(車両等)が
ヘリコプタと共に存在することが実際上多い。このよう
な複数の音源が発生する音響波が混在する場合には、ロ
ーパスフィルタ3から出力された音響信号S3のスペク
トラムの包絡線は、ヘリコプタが単一音源の場合の図3
(A)に示す曲線からかなり異なることも生じ、そのた
め、確実にヘリコプタ音を抽出・識別することは困難で
あった。その結果、判定結果に対する信頼度は低くな
り、技術的に満足できるものではなかった。
【0013】また、ヘリコプタの機種が異なっても、ス
ペクトラムの包絡線は類似した形状であり、上述した装
置によって音響波を発生しているヘリコプタの機種を特
定するようなことはできないものであった。
【0014】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、音源としてヘリコプタが存在するか否かをヘ
リコプタ以外の音源が存在しても高精度に識別すること
ができるヘリコプタ音の抽出・識別装置を提供しようと
するものである。また、本発明は、存在するヘリコプタ
の機種をも識別可能なヘリコプタ音の抽出・識別装置を
提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は、音響センサが音響波電気変換して得た音
響信号に基づいて、音源としてヘリコプタが存在するか
否かを識別するヘリコプタ音の抽出・識別装置であっ
て、(a) 上記音響信号のスペクトラムを求め、スペクト
ラムに含まれているレベルが大きい各ピークについて少
なくともその帯域幅と周波数とを求める音響分析手段
と、(b) 帯域幅が所定値以下の線スペクトルとみなせる
ピークの情報に基づいて、音源としてヘリコプタが存在
するか否かを判定する判別処理手段とを有することを特
徴とする。
【0016】ここで、判別処理手段が、ヘリコプタ音に
対する音響信号でレベルが高くなるスペクトラム範囲に
含まれる複数の周波数範囲の上記ピーク情報の組に基づ
いて、存在するヘリコプタの機種を識別できるか否か、
識別できる場合におけるその機種を決定することが好ま
しい。
【0017】また、判別処理手段が、ヘリコプタ音に対
する音響信号でレベルが高くなるスペクトラム範囲の全
体及び又はこのスペクトラム範囲に含まれる複数の周波
数範囲のそれぞれにおける、帯域幅が所定値以下の線ス
ペクトルとみなせるピークの数を判定に利用することが
好ましい。
【0018】
【作用】ヘリコプタの存在を確認しようとする環境下
で、ヘリコプタ以外のパワーが大きい音響波を発生する
音源としては車両が考えられる。ヘリコプタ音を実測し
て得たスペクトラムを分析すると、ヘリコプタ音の主体
はレベルの高いロータ音で、しかもこのロータ音の成分
周波数は非常に安定した多くの線スペクトラムであるこ
とが分かる。これに対して、車両音を実測して得たスペ
クトラムを分析すると、車両音はエンジン音成分やキャ
タピラ音成分が主体であって成分周波数の安定性が低い
ことが分かる。また、ヘリコプタ音のスペクトラムのピ
ーク帯域幅は、常に車両音のスペクトラムのピーク幅よ
り狭いことが分かる。
【0019】そこで、本発明は、音響信号のスペクトラ
ムの帯域幅が狭い線スペクトルとみなせるピークの情報
に基づいて、ヘリコプタ音を抽出・識別することとし
た。
【0020】本発明において、音響分析手段は、音響セ
ンサが捕捉音響波を電気信号に変換して得た音響信号の
スペクトラムを求め、また、スペクトラムに含まれてい
るレベルが大きい各ピークについて少なくともその帯域
幅と周波数とを求める。上述のように、帯域幅が所定値
以下の狭いピーク(線スペクトル)はヘリコプタ音では
多数生じるが車両音ではさほど生じない。判別処理手段
は、帯域幅が所定値以下のピークの情報(例えば、狭帯
域のピーク数や、狭帯域ピークの周波数の組情報等)に
基づいて、音源としてヘリコプタが存在するか否かを判
定する。
【0021】ここで、ヘリコプタが複数ある場合には、
帯域幅が所定値以下のピークが多数生じて機種を識別し
にくい。しかし、ヘリコプタが1個の場合には、その機
種によって帯域幅が所定値以下のピークの現れ方が異な
ってくる。そこで、判別処理手段が、ヘリコプタ音に対
する音響信号でレベルが高くなるスペクトラム範囲を複
数に分割した各周波数範囲のピーク情報の組に基づい
て、存在するヘリコプタの機種を識別できるか否か、識
別できる場合におけるその機種を決定することが好まし
い。
【0022】また、上述したようなヘリコプタ音の特質
から、判別処理手段が、ヘリコプタ音に対する音響信号
でレベルが高くなるスペクトラム範囲の全体及び又はこ
のスペクトラム範囲内の複数の各周波数範囲に含まれ
る、帯域幅が所定値以下のピーク数を判定に利用するこ
とが好ましく、このようにすると判別処理が高速にでき
る可能性が高い。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳述する。ここで、図1がこの実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【0024】図1において、この実施例のヘリコプタ音
の抽出・識別装置は、音響センサ11、ハイパスフィル
タ12、ローパスフィルタ13、アナログ/デジタル変
換回路14、線形予測演算回路15、ピーク検出回路1
6、判別処理回路17及び表示機18から構成されてい
る。この実施例の各構成要素11〜18は、例えば4か
所に分けて設けられている。すなわち、ハイパスフィル
タ12、ローパスフィルタ13、アナログ/デジタル変
換回路14及び線形予測演算回路15は送端機20に設
けられ、ピーク検出回路16及び判別処理回路17は分
析機21に設けられ、音響センサ11、送端機20、分
析機21及び表示機18は互いに別の位置に設けられ、
有線又は無線によって相互に接続されている。
【0025】音響センサ11は、1以上の音源30a、
30b、30c、…が発生した音響波S11a、S11
b、S11c、…を捕捉し、これを電気信号(アナログ
音響信号)S12に変換してカットオフ周波数が適宜選
定されているハイパスフィルタ12及びローパスフィル
タ13でなる帯域制限構成に与える。なお、この実施例
の装置はヘリコプタ音の抽出・識別機能を有するので、
ヘリコプタが音源として存在する可能性は当然に高い。
【0026】アナログ音響信号S12は送端機20に与
えられる。送端機20のハイパスフィルタ12及びロー
パスフィルタ13は、従来のこれらフィルタと同様な理
由によって設けられたものである。ハイパスフィルタ1
2は音響信号S12に含まれている外来雑音(風雑音)
成分等を除去し、ローパスフィルタ13はヘリコプタ音
が存在する場合にレベルが高くなるスペクトラムの存在
範囲に限定する。このようにしてヘリコプタ音が存在す
る場合と存在しない場合とでレベルが異なる帯域に絞り
込まれたアナログ音響信号S13はアナログ/デジタル
変換回路14に与えられる。アナログ/デジタル変換回
路14はこの信号S13を量子化してデジタル音響信号
S14に変換して線形予測演算回路15に与える。
【0027】図4は、ヘリコプタ音及び車両音のスペク
トラムの一例を模式的に示すものである。ヘリコプタ音
を実測して得たスペクトラムを検討すると、ヘリコプタ
音の主体はレベルの高いロータ音で、しかもこのロータ
音の成分周波数は図4(A)に示すように非常に安定し
た多数の線スペクトラムである。これに対して、車両音
を実測して得たスペクトラムを検討すると、車両音はエ
ンジン音成分やキャタピラ音成分が主体であって図4
(B)に示すように成分周波数の安定性が低い。また、
図4(A)及び(B)の比較から明らかなように、ヘリ
コプタ音のスペクトラムのピーク帯域幅は、常に車両音
のスペクトラムのピーク幅より狭いことが分かった。
【0028】そこで、この実施例は、このようなヘリコ
プタ音が車両音に比較して有する特質を利用してヘリコ
プタ音を抽出・識別することとした。すなわち、音響信
号S14のスペクトラムのピーク情報(線スペクトル情
報)に基づいて、ヘリコプタ音を抽出・識別することと
した。なお、従来の技術の項目でも記載したように、ヘ
リコプタが存在し得る環境下において問題となる他の音
源は車両であることが多く、ヘリコプタ音と車両音とを
識別できるようにすればヘリコプタの存在を識別でき
る。
【0029】線形予測演算回路15はデジタル音響信号
S14に対して線形予測(LPC)演算を施して線形予
測係数データS15を分析機21のピーク検出回路16
に与える。線形予測演算回路15は、例えば、スペクト
ラム推定精度が高くなると共に演算処理時間が短い瞬時
化最大エントロピー法(IMEM法)に従って高次の分
析精度による線形予測係数データS15を得る。なお、
この線形予測係数データS15は、後述するように、ス
ペクトラムのピーク情報を算出するために利用されるも
のである。
【0030】なお、瞬時化最大エントロピー法について
は、論文『瀧澤由美著、「瞬時化最大エントロピー法に
基づく非定常過程のスペクトル推定法」(電子情報通信
学会論文誌 A Vol. J73-a No.6 pp.1083-1093 1990年6
月)』に詳しく記載されている。
【0031】分析機21におけるピーク検出回路16
は、線形予測演算回路15から与えられた線形予測係数
データS15を用いて、正規方程式(線形予測係数デー
タS15から周波数値及びレベル値を求める方程式)に
より音響信号S14のスペクトラムを求める(推定す
る)。例えば、線形予測演算に瞬時化最大エントロピー
法を適用している場合にはこのスペクトラム推定にも瞬
時化最大エントロピー法を適用する。なお、この場合の
正規方程式は、上記論文における(20)式〜(25)式が該当
する。
【0032】また、ピーク検出回路16は、スペクトラ
ムにおける各ピークの周波数と帯域幅(以下、ピーク帯
域幅と呼ぶ)とレベルとを求める。ここで、ピークは、
例えば近傍周波数成分又は帯域制限された全域の周波数
成分の平均レベルに所定レベルを足した第1の基準レベ
ルより大きいものとする。また、ピーク帯域幅は、例え
ば近傍周波数成分又は帯域制限された全域の平均レベル
に所定レベルを足した第2の基準レベルがピーク形状を
横切る帯域幅とする。
【0033】この実施例の場合、線スペクトルであるか
否かを決定するピークの急峻性は、このように定量化さ
れたピーク帯域幅で表すこととしている。すなわち、ピ
ーク帯域幅の値が小さいほどピークは急峻なもの(線ス
ペクトルとみなせるもの)である。各ピーク周波数や各
ピークの帯域幅や各ピークのレベル等でなるピーク情報
S16は判別処理回路17に与えられる。
【0034】判別処理回路17は、与えられたピーク情
報S16に含まれている各ピークについて、線スペクト
ルととらえることができる急峻性を満足するか否か(ピ
ーク帯域幅が所定値以下の狭帯域ピークか否か)を判定
する。そして、判別処理回路17は、急峻性を満足する
各狭帯域幅ピークの情報を総合的に利用して、ヘリコプ
タ音が含まれているか否かを判定し、また、含まれてい
ると判定した場合には各狭帯域幅ピークの情報によって
表されたスペクトラムの分布状態からヘリコプタの機種
の識別をも行なう。なお、ヘリコプタが2以上ある場合
において、ヘリコプタの機種を特定できないことも生じ
る。
【0035】判別処理回路17によるヘリコプタ音が含
まれているか否かを識別する具体的な判別処理をいくつ
か例示すると以下の通りである。なお、以下に例示した
ものを複数組み合わせて判定しても良い。また、各狭帯
域幅ピーク(線スペクトル)の情報を利用して判定する
点に特徴があり、利用の仕方は次に例示したものに限定
されるものではない。
【0036】(1) フィルタ12及び13による通過帯域
全体における狭帯域幅ピークの総数を求めてそれを閾値
と比較して識別する。 (2) 周波数軸上でのピッチに規則性がある狭帯域幅ピー
クの総数を求めてそれを閾値と比較して識別する。 (3) 各狭帯域幅ピークのレベル情報から包絡線を求めて
この包絡線においてレベルが高い周波数範囲を決定して
この周波数範囲の周波数軸上での位置によって識別す
る。 (4) フィルタ12及び13による通過帯域内に複数のウ
ィンドウ周波数範囲を設定し、各ウィンドウ周波数範囲
の狭帯域幅ピーク数を求め、各ウィンドウ周波数範囲に
ついて閾値と比較し、閾値より多くなったウィンドウ周
波数範囲の数に基づいて識別する。 (5) 周波数軸上での狭帯域幅ピークのピッチ規則性を、
基準のピッチ規則性と照合して識別する。
【0037】判別処理回路17によるヘリコプタの機種
を識別する具体的な判別処理をいくつか例示すると以下
の通りである。なお、以下に例示したものを複数組み合
わせて判定しても良い。また、この場合も、各狭帯域幅
ピーク(線スペクトル)の情報を利用して判定する点に
特徴があり、利用の仕方は次に例示したものに限定され
るものではない。
【0038】(1) 各狭帯域幅ピークの周波数でなる組
を、予め機種毎に格納されている基準の周波数の組と照
合して識別する。 (2) フィルタ12及び13による通過帯域内に複数のウ
ィンドウ周波数範囲を設定し、各ウィンドウ周波数範囲
の狭帯域幅ピーク数の組を求め、この組情報を、予め機
種毎に格納されている基準の組情報と照合して識別す
る。 (3) 周波数軸上での狭帯域幅ピークのピッチ規則性を求
め、予め機種毎に格納されている基準のピッチ規則性と
照合して識別する。
【0039】表示機18は、このようにして得られた判
定結果S17を記録したり表示したりするものである。
【0040】以上の構成を有するヘリコプタ音の抽出・
識別装置の近傍に、パワーが大きい音響波を発生するヘ
リコプタや車両がない場合や、車両だけがある場合に
は、ピーク検出回路16によって得られたレベルが高い
狭帯域幅ピークは非常に少なく、判別処理回路17は狭
帯域幅ピークの情報を総合的に利用して判断しても(例
えば上記例示方法による)ヘリコプタが存在しないとい
う結果を得て出力する。
【0041】これに対して、以上の構成を有するヘリコ
プタ音の抽出・識別装置の近傍に、パワーが大きい音響
波を発生する音源としてヘリコプタだけがある場合や、
ヘリコプタと車両とがある場合には、ピーク検出回路1
6によって検出されたレベルが高い狭帯域幅ピークは多
く生じ、判別処理回路17はこのように多く狭帯域幅ピ
ークの情報を総合的に利用して判断することで(例えば
上記例示方法による)ヘリコプタが存在するという結果
を得て出力する。
【0042】従って、上記実施例によれば、車両音等の
他の音源からの発生音響にはないヘリコプタ音だけが有
する特質を考慮し、レベルが大きい狭い帯域幅を有する
ピーク(線スペクトル)の情報に基づいて、ヘリコプタ
音を抽出・識別するようにしたので、他の音源の存在に
かかわらずヘリコプタ音を精度良く抽出・識別すること
ができる。
【0043】また、当該装置の近傍に存在するヘリコプ
タが1,2個程度の場合には、狭帯域幅ピークの分布情
報に基づいて、機種をも判定することができる。
【0044】なお、上記実施例においては、音響信号の
スペクトラムを、音響信号に線形予測演算を施した後そ
の線形予測係数を用いたスペクトラム推定法を適用して
得るものを示したが、高速フーリエ変換等の他のスペク
トラム分析方法を適用して求めても良い。また、線形予
測演算によってスペクトラムを推定する場合であって
も、その推定法が瞬時化最大エントロピー法に限定され
るものではない。
【0045】また、線形予測演算での次数や、音響セン
サ11からの音響信号を帯域制限する通過帯域等は、使
用環境や処理時間等を考慮して適宜選定すれば良い。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、車両音
等の他の音源からの発生音響にはないヘリコプタ音だけ
が有する特質を考慮し、狭い帯域幅を有するレベルが高
いピークの情報に基づいて、ヘリコプタ音を抽出・識別
するようにしたので、他の音源の存在にかかわらずヘリ
コプタ音を精度良く抽出・識別することができる。ま
た、狭い帯域幅を有するレベルが高いピークの分布情報
に基づいて、ヘリコプタの機種をも識別することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の識別方法を説明する音響信号スペクトラ
ムの包絡線を示す図である。
【図4】上記実施例の識別方法を説明する音響信号スペ
クトラムを示す図である。
【符号の説明】
11…音響センサ、12…ハイパスフィルタ、13…ロ
ーパスフィルタ、15…線形予測演算回路、16…ピー
ク検出回路、17…判別処理回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響センサが音響波電気変換して得た音
    響信号に基づいて、音源としてヘリコプタが存在するか
    否かを識別するヘリコプタ音の抽出・識別装置であっ
    て、 上記音響信号のスペクトラムを求め、そのスペクトラム
    に含まれているレベルが大きい各ピークについて少なく
    ともその帯域幅と周波数とを求める音響分析手段と、 帯域幅が所定値以下の線スペクトルとみなせるピークの
    情報に基づいて、音源としてヘリコプタが存在するか否
    かを判定する判別処理手段とを有することを特徴とした
    ヘリコプタ音の抽出・識別装置。
  2. 【請求項2】 上記判別処理手段が、ヘリコプタ音に対
    する音響信号でレベルが高くなるスペクトラム範囲に含
    まれる複数の周波数範囲の上記ピーク情報の組に基づい
    て、存在するヘリコプタの機種を識別できるか否か、識
    別できる場合におけるその機種を決定することを特徴と
    した請求項1に記載のヘリコプタ音の抽出・識別装置。
  3. 【請求項3】 上記判別処理手段が、ヘリコプタ音に対
    する音響信号でレベルが高くなるスペクトラム範囲の全
    体及び又はこのスペクトラム範囲に含まれる複数の周波
    数範囲のそれぞれにおける、帯域幅が所定値以下の線ス
    ペクトルとみなせるピークの数を判定に利用することを
    特徴とした請求項1又は2に記載のヘリコプタ音の抽出
    ・識別装置。
JP04127344A 1992-05-20 1992-05-20 ヘリコプタ音の抽出・識別装置 Expired - Fee Related JP3130369B2 (ja)

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