JPH05321726A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH05321726A
JPH05321726A JP13391692A JP13391692A JPH05321726A JP H05321726 A JPH05321726 A JP H05321726A JP 13391692 A JP13391692 A JP 13391692A JP 13391692 A JP13391692 A JP 13391692A JP H05321726 A JPH05321726 A JP H05321726A
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JP
Japan
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value
air
fuel ratio
internal combustion
torque fluctuation
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Application number
JP13391692A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Shibagaki
信之 柴垣
Atsushi Harada
淳 原田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関のトルク変動量が目標トルク変動量
になるように空燃比をリーンにフィードバック制御する
リーンリミット制御などを行なう内燃機関の制御装置に
関し、補正値の更新機会を増すことにより制御精度を向
上することを目的とする。 【構成】 ステップ203は運転領域の変化範囲が所定
範囲以内かどうか判定する。ステップ203で所定範囲
と判定されたときは、所定回数トルク変動量を積算した
値に基づいてトルク変動値を求める(ステップ205,
209)。このトルク変動値がトルク変動判定値に近付
くように、空燃比補正値が更新される(ステップ21
2)。このとき、空燃比補正値は運転領域が複数に跨が
っていても、その中心(平均値)の運転領域の空燃比補
正値として更新される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の制御装置に係
り、特に内燃機関のトルク変動量が目標トルク変動量と
なるよう空燃比をリーンにフィードバック制御するリー
ンリミット制御などを行なう内燃機関の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の所定運転状態時
に、内燃機関の発生トルクのサイクル間変動に基づきト
ルク変動値を算出し、そのトルク変動値が目標トルク変
動量に一致するように燃料噴射弁の燃料噴射時間を補正
することにより、機関燃焼室に供給される混合気の空燃
比を理論空燃比より極力リーン側にフィードバック制御
(これを「リーンリミット制御」というものとする)
し、燃費の向上や窒素酸化物(NOx )の低減を図るよ
うにした制御装置が提案されている(例えば特願平3−
199521号)。
【0003】かかる従来の内燃機関の制御装置において
は、機関回転数NEと吸気管圧力PM(又は吸入空気量
QN)との二次元マップ上規則的に区切られた運転領域
毎にトルク変動量を積算し、積算値に基づくトルク変動
値と目標トルク変動量との大小関係に応じて、トルク変
動値を目標トルク変動量に一致するように燃料噴射時間
を補正するための空燃比補正値(リーンリミット学習係
数)を更新し、その運転領域に対応させたメモリ領域に
更新された空燃比補正値を格納する。運転領域を区分し
て各運転領域毎に空燃比補正値を更新するのは、目標ト
ルク変動量が運転領域によって異なるからであり、更に
目標トルク変動値と目標トルク変動量との偏差が同じで
も、運転領域の相違によって必要とされる空燃比補正値
が異なるからである。
【0004】従って、上記の従来の内燃機関の制御装置
では、例えば図12に示す如く機関回転数NEと吸気管
圧力PMとの二次元マップを、「イ」から「リ」までの
9つの運転領域に区切り、そのうちの運転領域「ホ」に
おける運転状態のときは、メモリの運転領域「ホ」に対
応するメモリ領域に上記の空燃比補正値を更新記憶す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の内燃機関の制御装置では、所定サイクル間運転領域が
変化しない場合に限り、上記の空燃比補正値の更新が行
なわれるようにしていたため、例えば図13に斜線を付
して示す如く実際の運転領域が予め設定された運転領域
「ホ」,「ニ」,「ト」及び「チ」に夫々跨がっている
ような場合は、運転領域が他の設定運転領域へ変化した
時にトルク変動量の積算値がリセットされてしまい、空
燃比補正値が更新されない。
【0006】このことは、或る第1の運転領域の境界線
を跨いで別の第2の運転領域内に僅かに入り込んだよう
な運転がなされたときには、上記の第1の運転領域にお
けるトルク変動量積算値に基づく空燃比補正値の更新を
しても十分な精度のリーンリミット制御が行なえるにも
拘らず、空燃比補正値の更新が行なわれないことを意味
し、リーンリミット制御の精度向上を阻害している。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
サンプリングする運転領域を予め仕切ることなく、運転
領域の変化範囲が所定範囲内のときは空燃比補正値を更
新することにより、上記課題を解決した内燃機関の制御
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は上記の目的を達成
する本発明の原理ブロック図を示す。同図に示すよう
に、本発明は、内燃機関10の特定の運転パラメータを
所定回数サンプリングするサンプリング手段11と、こ
のサンプリング手段11により得られたサンプリング値
に基づき、所定の機関制御パラメータが目標値に一致す
るように、内燃機関10の燃焼室に供給される混合気の
空燃比を補正するための補正値を運転領域毎に更新する
更新手段12とを備える内燃機関の制御装置において、
検出手段13、制御手段14及び禁止手段15を有する
構成としたものである。
【0009】ここで、上記の検出手段13は、サンプリ
ング手段11によるサンプリング中の運転領域の変化範
囲が所定範囲以内であるかどうかを検出する。制御手段
14は、運転領域の変化範囲が所定範囲以内であると検
出されたときは、前記所定回数のサンプリングによるサ
ンプリング値に基づき、更新手段12により該運転領域
の変化範囲の中心値で決まる運転領域の前記補正値を更
新させる。また、禁止手段15は、運転領域の変化範囲
が所定範囲以上であると検出されたときは、前記サンプ
リング値を無効として更新手段12による前記補正値の
更新を禁止する。
【0010】
【作用】本発明では、検出手段13により運転領域が所
定範囲以内の変化しかないと検出されたときは、制御手
段14により更新手段12による前記補正値を運転領域
の変化範囲の中心値で決まる運転領域の補正値として更
新させるようにしているため、運転領域が所定範囲以内
の変化しかなくても運転領域が異なるときは前記補正値
の更新を禁止していた従来装置に比し、該補正値の更新
頻度を増加させることができる。
【0011】
【実施例】図2は本発明になる内燃機関の制御装置が適
用される多気筒内燃機関の要部の構成図を示す。機関本
体21には4つの点火プラグ221 ,222 ,223
び224 が取り付けられ、また各気筒の燃焼室が4分岐
されたインテークマニホルド23とエキゾーストマニホ
ルド24に夫々連通されている。
【0012】インテークマニホルド23の下流側の各枝
管には別々に燃料噴射弁251 ,252 ,253 及び2
4 が取り付けられている。また、インテークマニホル
ド23の上流側は吸気通路26に連通されている。1番
気筒には燃焼圧センサ27が設けられている。この燃焼
圧センサ27は1番気筒内の筒内圧力を直接計測する耐
熱性の圧電式センサであって、筒内圧力に応じた電気信
号を発生する。
【0013】ディストリビュータ28は点火プラグ22
1 〜224 に夫々高電圧を分配供給する。このディスト
リビュータ28にはクランク角720°毎に基準位置検
出用パルス信号を発生する基準位置センサ29と、クラ
ンク角30°毎にクランク角度検出信号を発生するクラ
ンク角センサ30とが取り付けられている。このクラン
ク角センサ30の出力パルスによって機関回転数NEが
検出される。
【0014】マイクロコンピュータ31は中央処理装置
(CPU)32,メモリ33,入力インターフェイス回
路34及び出力インターフェイス回路35を有し、これ
らを双方向のバス36で接続された構成とされている。
このマイクロコンピュータ31により前記したサンプリ
ング手段11、更新手段12、検出手段13、制御手段
14及び禁止手段15が実現される。
【0015】図3は図2の内燃機関の1番気筒及びその
付近の構造を示す。同図中、図2と同一構成部分には同
一符号を付し、その説明を省略する。図3において、エ
アクリーナ40でろ過された空気は吸気通路26内に設
けられたスロットルバルブ42を通り、更にサージタン
ク43で各気筒のインテークマニホルド23に分配さ
れ、1番気筒の場合はここで燃料噴射弁251 から噴射
される燃料と混合されてから吸気弁44の開弁時、燃焼
室45に吸入される。
【0016】燃焼室45は内部にピストン46を有し、
また排気弁47を介してエキゾーストマニホルド24に
連通されている。前記した燃焼圧センサ27はその先端
が燃焼室45内に貫通突出するように構成されている。
【0017】また、スロットルバルブ42はアクセルペ
ダル(図示せず)に連動して開度が調整される構成とさ
れている。スロットルバルブ42の開度は、スロットル
ポジションセンサ48により検出される。水温センサ4
9はエンジンブロックを貫通して一部がウォータージャ
ケット内に突出され、機関冷却水の水温を検出する。ま
た、エキゾーストマニホルド24の途中に、酸素濃度検
出センサ(O2 センサ)50が、その一部がエキゾース
トマニホルド24内に突出するように設けられ、三元触
媒装置52に入る前の排気ガス中の酸素濃度を検出す
る。また、サージタンク43に取り付けられたバキュー
ムセンサ53により吸気管圧力PMが検出される。これ
らの各センサ48,49,50,51及び53の各検出
信号は前記したマイクロコンピュータ31に入力されメ
モリ33に格納される。
【0018】次にマイクロコンピュータ31による本発
明の一実施例の燃料噴射量制御動作について説明する。
図4は本発明の一実施例の燃料噴射時間計算ルーチンの
フローチャートを示す。マイクロコンピュータ31は、
まずステップ101おいてメモリ33より機関回転数N
E、機関冷却水温、O2 センサ50とリーンセンサ51
の各出力、吸気管圧力PMなどの各データを読み出し、
ストイキフィードバック(F/B)制御条件とリーンリ
ミット制御条件のいずれを満たしているか判定する。
【0019】ストイキF/B制御条件としては、例えば
機関冷却水温が40℃以上、O 2 センサ50が活性
状態、始動状態でない、などがあり、これらを同時に
満足するときはストイキF/B制御を行なうべくステッ
プ102へ進んで、ストイキF/B制御時の燃料噴射時
間TAUを算出する。これにより、燃焼室45に供給さ
れる混合気の空燃比が理論空燃比となるようにされる。
【0020】一方、リーンリミット制御条件としては、
例えば機関冷却水温が70℃以上、機関が軽負荷運
転状態である、などがあり、これらの条件を同時に満足
するときはリーンリミット制御を行なうべくステップ1
03へ進んで、リーンリミット制御時の燃料噴射時間T
AUを算出する。
【0021】上記の燃料噴射時間TAUは基本的には、 TAU=TP×FAF×KG×FLEAN×KGCP×α (1) ただし、上式中、TPは基本燃料噴射時間、FAFは空
燃比フィードバック補正係数、KGは空燃比学習係数、
FLEANはリーン補正係数、KGCPは空燃比補正値
(リーンリミット学習係数)、αはその他の補正係数
(例えば暖機増量補正、吸気温補正、過渡時補正、電源
電圧補正等を行なう係数) である。
【0022】そして、前記したステップ102のストイ
キフィードバック制御時のTAUはリーンリミット制御
時に用いる各係数FLEAN及びKGCPを夫々1.0
とし、またFAFの中心値が1.0となるように、空燃
比学習係数KGを学習するため、(1)式より次式で表
わされる。
【0023】 TAU=TP×FAF×KG×1.0×1.0×α (2) 一方、リーンリミット制御時には、ストイキフィードバ
ック制御時で用いられる空燃比フィードバック補正係数
FAFを1.0とし、空燃比学習係数KGを1.0と
し、更にFLEANは基本目標空燃比で決まる値とし、
別途算出するトルク変動値が目標値と一致するように、
空燃比補正値KGCPを学習するため、燃料噴射時間T
AUはステップ103において(1)式より次式で表わ
される。
【0024】 TAU=TP×1.0×1.0×FLEAN×KGCP×α (3) (2)式及び(3)式中の基本燃料噴射時間TPは、機
関回転数NE及び吸気管圧力PMに基づいて関数テーブ
ルを参照して算出する。また、空燃比フィードバック補
正係数FAF、空燃比学習係数KGは公知の処理ルーチ
ンで算出され、空燃比補正値KGCPは後述の図5のル
ーチンで算出される。
【0025】ステップ102又は103により燃料噴射
時間TAUの算出が終了すると、燃料噴射タイミングが
きたかどうかチェックし(ステップ104)、燃料噴射
タイミングであればステップ105で燃料噴射時間TA
Uの持続時間を有する駆動信号が出力インターフェイス
回路35を介して燃料噴射弁251 〜254 のいずれか
に送出され、燃料噴射をその持続時間実行させる。
【0026】次に本発明の一実施例の制御動作、すなわ
ちリーンリミット制御時の空燃比補正値(リーンリミッ
ト学習係数)KGCPの更新動作について説明する。図
5は本発明の一実施例の制御ルーチンで、例えば720
°CA(クランク角)毎に起動されると、まず別途実行
される筒内圧力取り込みルーチンで燃焼圧センサ27か
ら取り出される電気信号(燃焼圧信号)に基づいて取り
込んだ値VCP0 〜VCP4 を用いて軸トルクPTRQ
を算出する(ステップ201)。
【0027】ここで、上記の燃焼圧信号の値VCP0
VCP4 は図6に示す如く、クランク角度が夫々BTD
C155°CA(上死点前155°),ATDC5°C
A(上死点後5°),ATDC20°CA,ATDC3
5°CA及びATDC50°CAのときの値である。ク
ランク角度がBTDC155°CAのときの燃焼圧信号
VCP0 は、燃焼圧センサ27の温度等による出力ドリ
フト、オフセット電圧のばらつき等を吸収するために、
他のクランク位置での燃焼圧の基準値とするものであ
る。
【0028】なお、図6中、アングルカウンタNAの値
は30°CA割り込み毎にカウントアップし、360°
CA毎にクリアされる。ATDC5°CA,ATDC3
5°CAの位置は30°CA割り込み時点と一致しない
ので、ATDC5°CA,ATDC35°CAのタイミ
ングは、その直前の30°CA割り込み時点(NA=
“0”,“1”)で15°CA時間をタイマに設定し、
タイマの出力で得る。
【0029】図5の上記ステップ201では燃焼圧力C
n を算出し、その燃焼圧力CPnより各気筒毎に軸ト
ルクPTRQを算出する。すなわち、燃焼圧力CPn
VCP0 を基準として次式により算出する(ただし、n
=1〜4)。
【0030】 CPn =K1 ×(VCPn −VCP0 ) (4) 上式中、K1 は燃焼圧信号−燃焼圧換算係数である。そ
して次式により各気筒毎に軸トルクPTRQを算出す
る。 PTRQ=K2 ×(0.5 CP1 +2CP2 +3CP3 +4CP4 )(5) ただし、上式中、K2 は燃焼圧−トルク換算係数であ
る。
【0031】次に図5のステップ202に進み、次式に
基づいて各気筒毎にサイクル間のトルク変動量DTRQ
を算出する。
【0032】 DTRQ=PTRQi-1 −PTRQi (6) (DTRQ≧0) すなわち、前回の軸トルクPTRQi-1 から今回の軸ト
ルクPTRQi を差し引いた値DTRQのうち正の場合
のみ、換言するとトルクが減少するときのみ、トルク変
動が生じたものとみなす。これは、DTRQが負のとき
は加速によるトルクの増加と誤判定するおそれがあるか
らである。
【0033】これにより、前記した軸トルクPTRQが
図7(A)に示した如く変化したものとすると、上記の
トルク変動量DTRQは同図(B)に示す如く変化す
る。
【0034】次にステップ203に進み、機関回転数N
Eと吸気管圧力PMの各偏差が所定値未満かどうか判定
される。機関回転数NEの偏差は、後述のステップ20
5でサイクル間のトルク変動量の積算が行なわれている
間で(後述のステップ207でサイクル数が所定値とな
るまで)サンプリングされる機関回転数NEのうち最大
値と最小値との差である。同様に、吸気管圧力PMの偏
差は上記積算中にサンプリングされる吸気管圧力PMの
最大値と最小値との差である。
【0035】この機関回転数NEと吸気管圧力PMの各
偏差は運転領域の変化範囲を表わしており、この偏差が
所定値未満のときは運転領域の変化範囲が所定範囲以内
と判断されてステップ204へ進む。すなわち、このス
テップ203により前記検出手段13が実現される。
【0036】続いて、ステップ204ではトルク変動積
算を行なう判定条件を満たしているか否か判定される。
トルク変動積算を行なわない条件としては、減速時、ア
イドル運転時、始動中、暖機中、排気ガス再循環システ
ムオン時、フューエルカット時、後述のトルク変動値D
TRQISM算出前、非学習領域での運転時などがあ
る。従って、これらの条件のいずれでもないときに限
り、トルク変動積算判定条件成立とみなして次のステッ
プ205へ進む。
【0037】なお、上記の減速の判定は、前記サイクル
間トルク変動量DTRQが例えば5回以上連続して正の
ときは減速と判定する。減速時には、吸入空気量の減少
に伴うトルク低下と燃焼悪化に伴うトルク低下とが区別
できないため、トルク変動量による機関の制御を停止す
るのである。ステップ205ではサイクル間トルク変動
量(トルク低下量)の積算値DTRQIi を次式に基づ
いて算出する。
【0038】 DTRQIi =DTRQIi-1 +DTRQ (7) すなわち、前回までのトルク変動量積算値DTRQI
i-1 に今回算出したトルク変動量DTRQを加算する。
【0039】続いて、機関回転数NEと吸気管圧力PM
の各積算値NEIi ,PMIi が次式に基づいて算出さ
れる(ステップ206)。
【0040】 NEIi =NEIi-1 +NE (8) PMIi =PMIi-1 +PM (9) NEIi-1 ,PMIi-1 は夫々前回までの積算値で、N
E,PMは今回取り込まれた機関回転数と吸気管圧力で
ある。
【0041】次にサイクル数カウンタCDTRQIが所
定値(例えば8)以上か否か判定し(ステップ20
7)、所定値未満のときはサイクル数カウンタCDTR
QIを“1”インクリメントした後(ステップ20
8)、このルーチンを一旦終了する(ステップ21
4)。
【0042】こうして図5の制御ルーチンが所定回数
(例えば8回)繰り返されることにより、トルク変動量
積算値DTRQIが略正確なトルク変動量に対応してい
るものとみなされるようになってから、ステップ207
から次のステップ209へ進み、トルク変動値DTRQ
ISMが次式に基づいて算出される。
【0043】 DTRQISMi ={(DTRQIi −DTRQISMi-1 )/4} +DTRQISMi-1 (10) (10)式からわかるように、トルク変動値DTRQI
SMi は前回のトルク変動値DTRQISMi-1 に、今
回のトルク変動量積算値DTRQIi から前回のトルク
変動値DTRQISMi-1 を差し引いた値の1/4倍の
値を反映させたなまし値である。なお、トルク変動値D
TRQISMの算出式における定数「4」は、ステップ
209が実行される回数に応じて可変してもよい。
【0044】次に、機関回転数NEの平均値NEAVE
と、吸気管圧力PMの平均値PMAVEとが前記ステッ
プ206で算出した積算値NEI,PMIを用いて次式
により算出される(ステップ210)。
【0045】 NEAVE=NEI/m (11) PMAVE=PMI/m (12) ただし、(11)及び(12)式中、mはステップ20
7における所定値で、ここでは「8」である。この平均
値NEAVE及びPMAVEはトルク変動量積算中にお
ける機関回転数と吸気管圧力の二次元マップ上に示され
る運転領域の中心値(中心位置)を示している。
【0046】続いて、トルク変動判定値LVDTRQが
前記メモリ33内に格納されている、例えば図8に示す
如き回転数NE(単位rpm)と吸気管圧力PM(単位
mmHg)との2次元マップより算出される(ステップ
211)。このトルク変動判定値LVDTRQは目標ト
ルク変動量を示しており、図8からわかるように、同じ
機関回転数NEでは吸気管圧力PMが大なるほど大であ
り、同じ吸気管圧力PMでは機関回転数NEが高いほど
大なる値を示す。
【0047】このトルク変動判定値LVDTRQの算出
が終了すると、続いて空燃比補正値(リーンリミット学
習係数)KGCPが前述のステップ210において算出
された機関回転数の平均値NEAVEと吸気管圧力の平
均値PMAVEとの二次元領域において、図9に示す如
く規則的に区切られた各運転領域に対応するメモリから
読み出され、次式に基づいて更新される(ステップ21
2)。
【0048】 KGCPi =KGCPi-1 +tDLKGCP (13) 上式からわかるように、今回の空燃比補正値KGCPi
は前回算出された空燃比補正値KGCPi-1 に更新幅t
DLKGCPを加算することによって更新される。
【0049】上記の更新幅tDLKGCPは前記トルク
変動値DTRQISMが、複数の判定範囲のうちのどの
判定範囲にあるかによって、前記メモリ33内に格納さ
れている図10に示す如きマップから算出される。図1
0において、LVDTRQH6〜LVDTRQH1,L
VDTRQL6〜LVDTRQL1は判定値であって、
前記メモリ33内に予め格納されている図11に示す如
き一次元マップから、前記トルク変動判定値LVDTR
Qに応じて設定幅KDTRQH,KDTRQLを用いて
計算される。
【0050】図11からわかるように、KDTRQHk
≧KDTRQLk(ただし、k=1〜6)であり、また
KDTRQHkとKDTRQLkとは夫々トルク変動判
定値LVDTRQに略比例している。更に、この設定幅
KDTRQHk,KDTRQLkとトルク変動判定値L
VDTRQとより、次式により図10のマップ中の判定
値LVDTRQHkとLVDTRQLkとが計算される
(ただし、k=1〜6)。
【0051】 LVDTRQHk=LVDTRQ+KDTRQHk (14) LVDTRQLk=LVDTRQ−KDTRQLk (15) 図10からわかるように、トルク変動値DTRQISM
がトルク変動判定値LVDTRQよりも大なるLVDT
RQH側の値となっているときは、空燃比がリーン側に
ずれているため、更新幅tDLKGCPの値を正にして
空燃比補正値KGCPを前回より大なる値に更新する。
これにより、前述した図4のTAU計算ルーチンで燃料
噴射時間TAUが大となることになり、空燃比がリッチ
側へ補正制御される。
【0052】一方、トルク変動値DTRQISMがトル
ク変動判定値LVDTRQよりも小なるLVDTRQL
側の値となっているときは、空燃比がリッチ側にずれて
いるため、更新幅tDLKGCPの値を負にして空燃比
補正値KGCPを前回より小なる値に更新する。これに
より、燃料噴射時間TAUが小にされ、空燃比がリーン
側へ補正制御される。
【0053】なお、ステップ212における(13)式
中の更新幅tDLKGCPの値は図10に示すように、
リッチ補正時の絶対値の方がリーン補正時の絶対値に比
し大であるのは、リッチ補正時にはその時点では空燃比
が所定のリーンを示す値よりも更にリーン側にずれてい
て燃焼が不安定であるため失火し易く、迅速にトルク変
動値DTRQISMを目標トルク変動量であるトルク変
動判定値LVDTRQに近付け、他方、リーン補正時は
その時点では空燃比が所定のリーンを示す値よりもリッ
チ側にずれているが燃焼が安定であるから徐々にトルク
変動値DTRQISMをトルク変動判定値LVDTRQ
に近付けることで、トルク変動急変ショックの発生を防
止するためである。
【0054】このようにして、ステップ212において
トルク変動値DTRQISMとトルク変動判定値LVD
TRQとの相対関係に応じて可変設定された更新幅tD
LKGCP分だけ空燃比補正値KGCPi が更新される
と、その更新後の空燃比補正値KGCPi は、再び前記
メモリ33内の機関回転数平均値NEAVEと吸気管圧
力平均値PMAVEとの二次元領域において図9に示す
如く規則的に区切られた各運転領域に対応する領域に格
納される。
【0055】これにより、例えば図13に斜線で示す如
く、設定運転領域「ホ」,「ニ」,「ト」及び「チ」に
夫々跨がる運転領域Iの場合でも、その機関回転数NE
の偏差Aと吸気管圧力PMの偏差Bとが共に所定値未満
とステップ203で判定されたときは、運転領域の変化
範囲が所定範囲以内であり、平均値NEAVE及びPM
AVEによって示される運転領域Iの中心位置IIが存在
する運転領域「ホ」の空燃比補正値KGCPが更新記憶
される。従って、従来に比べて空燃比補正値KGCPの
更新頻度が増大するため、リーンリミット制御精度を従
来に比し向上することができる。
【0056】上記の如く、図5のステップ212で空燃
比補正値KGCPの更新が行なわれると、前記したトル
ク変動量の積算値DTRQI、機関回転数積算値NE
I、吸気管圧力積算値PMI及びサイクル数カウンタC
DTRQIが夫々“0”にリセットされ(ステップ21
3)、処理を終了する(ステップ214)。
【0057】なお、ステップ203において、NE及び
PMの各偏差の少なくともいずれか一方が所定値以上と
判定されたときは、運転領域の変化範囲が設定範囲を越
えており、正確なリーンリミット制御が困難であると判
断してステップ213へ進み、トルク変動量の積算値D
TRQI、機関回転数の積算値NEI、吸気管圧力の積
算値PMI及びサイクル数カウンタCDTRQIを夫々
“0”にリセットしてこのルーチンを終了する。すなわ
ち、ステップ203は前記禁止手段15を実現する。ま
た、ステップ204でトルク変動積算の判定条件を満た
していないと判定されたときも、ステップ213へ進ん
で上記のDTRQI,NEI,PMI及びCDTRQI
が夫々“0“にリセットされる。
【0058】この図5に示すルーチンにより、サイクル
数カウンタCDTRQIは図7(C)に示す如く変化
し、ステップ203にてNE及びPMの偏差が所定値未
満であり、かつ、ステップ204でトルク変動積算の判
定条件を満たしている状態が継続したまま、ステップ2
07で所定値(同図(C)にIII で示す値で、例えば
「8」)に達すると、前記ステップ213でリセットさ
れる。また、図7(D)はサイクル間トルク変動量DT
RQの積算の様子を示し、このDTRQが8回積算され
た値が図7(E)に示すトルク変動量積算値DTRQI
である。また、図7(F)はステップ209で計算され
るトルク変動値DTRQISMの変化の様子を示す。
【0059】このように、本実施例によれば、図5のス
テップ204〜211の処理によって前記制御手段14
を実現し、前記更新手段12を実現するステップ212
での空燃比補正値KGCPの更新を、運転領域の変化範
囲が所定範囲以内であるときは、運転領域が複数に跨が
っていても8回サンプリングしたトルク変動量の積算値
DTRQIに基づき、トルク変動値DTRQISMがト
ルク変動判定値LVDTRQに近付くように、NEAV
E及びPMAVEで示される運転領域の空燃比補正値と
して更新されるため、従来に比しリーンリミット制御の
精度を向上できる。
【0060】なお、本発明は上記の実施例では図4及び
図5のルーチンにより、トルク変動値DTRQISMが
目標トルク変動量LVDTRQ付近の値になるように燃
料噴射時間を制御しているが、所望のトルク変動量を得
るために排気ガス再循環量(EGR量)を制御してもよ
い。この場合、図3においてエキゾーストマニホルド2
4からスロットルバルブ42の下流側の吸気通路26に
至る排気ガスの還流通路を設けると共に、その還流通路
の途中にマイクロコンピュータ31によって開弁度が制
御されるバキューム・スイッチング・バルブ(VSV)
を設け、トルク変動量を大の方へ補正(リーン補正)す
るときはVSVの開弁度を現在の開弁度より大としてE
GR量を増量すればよく、逆の場合はEGR量を減量す
ればよい。
【0061】また、本発明は実施例の如きリーンリミッ
ト制御に限らず、前述したストイキF/B制御にも適用
することができる。この場合は、例えば運転領域毎に空
燃比学習係数KGが更新されるので、KGに対して実施
例と同様のアルゴリズムを適用すればよい。
【0062】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、運転領域
が複数に跨がっていても、運転領域の変化範囲が所定範
囲以内であるときは、運転領域変化範囲の運転領域の補
正値として更新することにより、補正値の更新頻度を従
来より増加させることができるため、従来に比し補正値
の更新処理によって所定の機関制御パラメータをより精
度良く目標値に一致させることができる等の特長を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例が適用される内燃機関の要部
の構成図である。
【図3】図2の一番気筒及びその付近の構造を示す断面
図である。
【図4】燃料噴射時間計算ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図5】本発明の一実施例の要部の制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図6】図5のフローチャート中の軸トルクの計算のた
めの燃焼圧信号の変化とクランク角度検出信号などとの
関係を示す図である。
【図7】図5の動作説明用タイムチャートである。
【図8】図5のフローチャート中のトルク変動判定値の
算出に用いるマップの説明図である。
【図9】図5のフローチャートで算出される空燃比補正
値が格納される運転領域を示す図である。
【図10】図5のフローチャート中の空燃比補正値算出
に用いるマップの説明図である。
【図11】図5のフローチャート中の空燃比補正値算出
に用いる更新幅の算出用マップを示す図である。
【図12】リーンリミット制御において補正値が更新さ
れる運転領域を説明する図である。
【図13】リーンリミット制御において運転領域が複数
に跨がる場合の説明図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 11 サンプリング手段 12 更新手段 13 検出手段 14 制御手段 15 禁止手段 251 〜254 燃料噴射弁 27 燃焼圧センサ 31 マイクロコンピュータ 49 水温センサ 50 酸素濃度検出センサ(O2 センサ) 51 リーンセンサ 53 バキュームセンサ 102 ストイキF/B制御時の燃料噴射時間算出ステ
ップ 103 リーンリミット制御時の燃料噴射時間算出ステ
ップ 203 運転領域変化範囲検出ステップ 205 トルク変動量の積算処理ステップ 211 トルク変動判定値の算出ステップ 212 空燃比補正値更新処理ステップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の特定の運転パラメータを所定
    回数サンプリングするサンプリング手段と、 該サンプリング手段により得られたサンプリング値に基
    づき、所定の機関制御パラメータが目標値に一致するよ
    うに、内燃機関の燃焼室に供給される混合気の空燃比を
    補正するための補正値を運転領域毎に更新する更新手段
    とを備える内燃機関の制御装置において、 前記サンプリング手段によるサンプリング中の運転領域
    の変化範囲が所定範囲以内であるかどうかを検出する検
    出手段と、 該運転領域の変化範囲が該所定範囲以内であると検出さ
    れたときは、前記所定回数のサンプリングによるサンプ
    リング値に基づき、前記更新手段により該運転領域の変
    化範囲の中心値で決まる運転領域の前記補正値を更新さ
    せる制御手段と、 該運転領域の変化範囲が該所定範囲以上であると検出さ
    れたときは、前記サンプリング値を無効として前記更新
    手段による前記補正値の更新を禁止する禁止手段とを有
    することを特徴とする内燃機関の制御装置。
JP13391692A 1992-05-26 1992-05-26 内燃機関の制御装置 Pending JPH05321726A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6349710B1 (en) * 1999-09-07 2002-02-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine combustion controller
JP2013194627A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Toyota Motor Corp 内燃機関制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6349710B1 (en) * 1999-09-07 2002-02-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine combustion controller
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