JPH05320753A - 高温強度の優れた炭素鋼の製造方法 - Google Patents
高温強度の優れた炭素鋼の製造方法Info
- Publication number
- JPH05320753A JPH05320753A JP15302392A JP15302392A JPH05320753A JP H05320753 A JPH05320753 A JP H05320753A JP 15302392 A JP15302392 A JP 15302392A JP 15302392 A JP15302392 A JP 15302392A JP H05320753 A JPH05320753 A JP H05320753A
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- Japan
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- steel
- carbon steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶接性を損なわない成分範囲の炭素鋼におい
て、優れた高温強度を附与する製造方法を提供するこ
と。 【構成】 C:0.03〜0.15%、Si≦ 1.0%、Mn≦ 0.5〜
1.5%、P≦0.03%、S≦0.03%、Cr:0.1 〜 0.5%、
Mo:0.05〜 0.3%、Al≦0.01%、N: 0.005〜0.03%を
含有する鋼をオーステナイト化温度以上に加熱した後、
冷却途中の Ar3よりも高い温度から Ar1直上の温度域で
連続して熱間加工を行う。
て、優れた高温強度を附与する製造方法を提供するこ
と。 【構成】 C:0.03〜0.15%、Si≦ 1.0%、Mn≦ 0.5〜
1.5%、P≦0.03%、S≦0.03%、Cr:0.1 〜 0.5%、
Mo:0.05〜 0.3%、Al≦0.01%、N: 0.005〜0.03%を
含有する鋼をオーステナイト化温度以上に加熱した後、
冷却途中の Ar3よりも高い温度から Ar1直上の温度域で
連続して熱間加工を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は溶接性を損ねることな
く、高温強度を改善したもので、発電用ボイラや転炉な
どの鉄皮に適用される高温強度の優れた炭素鋼の製造方
法に関するものである。
く、高温強度を改善したもので、発電用ボイラや転炉な
どの鉄皮に適用される高温強度の優れた炭素鋼の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ボイラ用鋼板および転炉などの鉄皮
材としては、引張強さが40〜50kgf /mm2 程度の炭素鋼
(SB42〜49、SM41〜50、SS41〜50)やMoを 0.5%
程度添加したMo鋼(SB46M、SB49M)が使用されて
いる。
材としては、引張強さが40〜50kgf /mm2 程度の炭素鋼
(SB42〜49、SM41〜50、SS41〜50)やMoを 0.5%
程度添加したMo鋼(SB46M、SB49M)が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来鋼を発電用
ボイラおよび転炉などの鉄皮の高温環境下で構造部材に
使用した場合、炭素鋼は、常温および高温での降伏応
力、引張強さおよびクリープ強度が低いために板厚を厚
くしなければならないので設備費がかさむ。また0.5Mo
鋼はクリープ破断強度は炭素鋼に比べて著しく優れてい
るが、クリープ破断伸びが著しく低く、長時間使用中に
亀裂が生じたりするし、溶接性も悪い。本発明の目的
は、溶接性を損なわない成分範囲の炭素鋼において、優
れた高温強度を附与する製造方法を提供することであ
る。
ボイラおよび転炉などの鉄皮の高温環境下で構造部材に
使用した場合、炭素鋼は、常温および高温での降伏応
力、引張強さおよびクリープ強度が低いために板厚を厚
くしなければならないので設備費がかさむ。また0.5Mo
鋼はクリープ破断強度は炭素鋼に比べて著しく優れてい
るが、クリープ破断伸びが著しく低く、長時間使用中に
亀裂が生じたりするし、溶接性も悪い。本発明の目的
は、溶接性を損なわない成分範囲の炭素鋼において、優
れた高温強度を附与する製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%で、
C:0.03〜0.15%、Si≦ 1.0%、Mn:0.5 〜 1.5%、P
≦0.03%、S≦0.03%、Cr:0.1 〜 0.5%、Mo:0.05〜
0.3%、Al≦0.01%、N: 0.005〜0.03%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をオーステナイト
化温度以上に加熱した後、冷却途中のAr3 よりも高い温
度からAr1 直上の温度域で連続して熱間加工してなるこ
とを特徴とする高温強度の優れた炭素鋼の製造方法であ
る。
C:0.03〜0.15%、Si≦ 1.0%、Mn:0.5 〜 1.5%、P
≦0.03%、S≦0.03%、Cr:0.1 〜 0.5%、Mo:0.05〜
0.3%、Al≦0.01%、N: 0.005〜0.03%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をオーステナイト
化温度以上に加熱した後、冷却途中のAr3 よりも高い温
度からAr1 直上の温度域で連続して熱間加工してなるこ
とを特徴とする高温強度の優れた炭素鋼の製造方法であ
る。
【0005】
【作用】まず、本発明における成分限定理由について説
明する。C:CはCr、Moとともに炭化物を形成し、クリ
ープ強度を上昇させる。しかし0.15%を越えると溶接割
れが生じやすく、またかえってクリープ強度を低下させ
ることになる。一方、クリープ強度上昇のためには、0.
03%以上必要であり、従って0.03〜0.15%とした。
明する。C:CはCr、Moとともに炭化物を形成し、クリ
ープ強度を上昇させる。しかし0.15%を越えると溶接割
れが生じやすく、またかえってクリープ強度を低下させ
ることになる。一方、クリープ強度上昇のためには、0.
03%以上必要であり、従って0.03〜0.15%とした。
【0006】Si:Siは脱酸剤として用いられ、強度上
昇、耐酸化性向上に寄与するが1%を越えて添加すると
靭性が低下し、クリープ延性を低下させるので1%以下
とした。Mn:Mnはクリープ強度向上に有効な元素であ
り、0.5 %以上添加するが、 1.5%を越えて添加しても
その効果が少ないので 0.5〜 1.5%とした。P、S:こ
れらPおよびSは不純物元素として靭性を低下させ機械
的性質を劣化させるのでともに0.03%以下とした。好ま
しくはPは0.01%以下、Sは0.005%以下である。
昇、耐酸化性向上に寄与するが1%を越えて添加すると
靭性が低下し、クリープ延性を低下させるので1%以下
とした。Mn:Mnはクリープ強度向上に有効な元素であ
り、0.5 %以上添加するが、 1.5%を越えて添加しても
その効果が少ないので 0.5〜 1.5%とした。P、S:こ
れらPおよびSは不純物元素として靭性を低下させ機械
的性質を劣化させるのでともに0.03%以下とした。好ま
しくはPは0.01%以下、Sは0.005%以下である。
【0007】Cr:Crはクリープ破断強度を高めるので
0.1%以上添加するが、0.5 %を越えて添加してもその
効果は小さいので0.1 〜0.5 %とした。Mo:Moは母地に
固溶するとともに炭化物などの析出物を形成してクリー
プ強度を高めるので、0.05%以上添加するが 0.3%を越
えて添加すると、靱性およびクリープ破断延性が低下す
るので0.05〜 0.3%とした。
0.1%以上添加するが、0.5 %を越えて添加してもその
効果は小さいので0.1 〜0.5 %とした。Mo:Moは母地に
固溶するとともに炭化物などの析出物を形成してクリー
プ強度を高めるので、0.05%以上添加するが 0.3%を越
えて添加すると、靱性およびクリープ破断延性が低下す
るので0.05〜 0.3%とした。
【0008】Al:Alは脱酸剤として有効であるが、0.01
%を越えて多量に添加するとクリープ破断強度を低下さ
せるので0.01%以下とした。N:NはCの代替元素の役
割を果たすとともに、SiおよびMnなどと窒化物を形成し
クリープ破断強度を著しく上昇させるので 0.005%以上
添加するが、0.03%を越えて添加すると溶接性を阻害す
るので 0.005〜0.03%とした。
%を越えて多量に添加するとクリープ破断強度を低下さ
せるので0.01%以下とした。N:NはCの代替元素の役
割を果たすとともに、SiおよびMnなどと窒化物を形成し
クリープ破断強度を著しく上昇させるので 0.005%以上
添加するが、0.03%を越えて添加すると溶接性を阻害す
るので 0.005〜0.03%とした。
【0009】次に本発明鋼の製造条件について説明す
る。上記成分の鋼をオーステナイト化温度以上に加熱
し、冷却途中のAr3 よりも高い温度からAr1 直上まで連
続して熱間加工することによって、転位密度の高い細粒
鋼が得られる。このような鋼は常温および高温での降伏
応力、引張強さおよび靱性が改善される。また細粒であ
りながら高温環境下においても、転位を析出核として微
細な炭窒化物が多数析出するのでクリープ破断強度も改
善される。
る。上記成分の鋼をオーステナイト化温度以上に加熱
し、冷却途中のAr3 よりも高い温度からAr1 直上まで連
続して熱間加工することによって、転位密度の高い細粒
鋼が得られる。このような鋼は常温および高温での降伏
応力、引張強さおよび靱性が改善される。また細粒であ
りながら高温環境下においても、転位を析出核として微
細な炭窒化物が多数析出するのでクリープ破断強度も改
善される。
【0010】なお、本発明と同じ組成のものが特開平2-
310312号公報に開示されているが、これは高強度鋼の製
造方法であって、その目的は鋼片段階での脱水素処理方
法における中心部残留水素値のばらつきと、水素による
脆化割れの問題を解決するもので、本発明とはその目的
を異にし、そのため、圧延方法も本発明とは異なる。
310312号公報に開示されているが、これは高強度鋼の製
造方法であって、その目的は鋼片段階での脱水素処理方
法における中心部残留水素値のばらつきと、水素による
脆化割れの問題を解決するもので、本発明とはその目的
を異にし、そのため、圧延方法も本発明とは異なる。
【0011】
【実施例】表1に示す化学成分の供試材を4チャージ、
高周波溶解炉により各々100kg 溶製し鋼塊とした後、供
試材1〜3については、従来法に従い1150℃に加熱し、
950 〜1100℃の範囲で熱間加工を行い、厚さ20mmの鋼板
を製造し、925 ℃で焼ならし処理を施した。また供試材
1〜4については、本発明法に従い1150℃に加熱し、74
0 ℃の温度まで連続的に熱間加工を行い、厚さ20mmの鋼
板を作製した。なお供試材4はAlの含有量が本発明の範
囲を越えている。
高周波溶解炉により各々100kg 溶製し鋼塊とした後、供
試材1〜3については、従来法に従い1150℃に加熱し、
950 〜1100℃の範囲で熱間加工を行い、厚さ20mmの鋼板
を製造し、925 ℃で焼ならし処理を施した。また供試材
1〜4については、本発明法に従い1150℃に加熱し、74
0 ℃の温度まで連続的に熱間加工を行い、厚さ20mmの鋼
板を作製した。なお供試材4はAlの含有量が本発明の範
囲を越えている。
【0012】これらの供試材を用いて、引張試験、シャ
ルピー衝撃試験およびクリープ試験を行って、ラーソン
・ミラーパラメータ法により450 ℃で105 時間の時の破
断強度と破断伸びを求めた。表2に、これら供試材の常
温および 450℃における引張特性、0℃におけるシャル
ピー吸収エネルギーおよびラーソン・ミラーパラメータ
法によって求めた450 ℃×105 時間での破断応力および
破断伸びを示した。
ルピー衝撃試験およびクリープ試験を行って、ラーソン
・ミラーパラメータ法により450 ℃で105 時間の時の破
断強度と破断伸びを求めた。表2に、これら供試材の常
温および 450℃における引張特性、0℃におけるシャル
ピー吸収エネルギーおよびラーソン・ミラーパラメータ
法によって求めた450 ℃×105 時間での破断応力および
破断伸びを示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】従来例に比べて本発明例は、引張特性、衝
撃特性およびクリープ特性とも優れていることが明らか
である。また比較例は引張特性およびクリープ破断応力
は本発明例と同等であるが、シャルピー吸収エネルギー
およびクリープ脆化によりクリープ破断伸びが小さい。
撃特性およびクリープ特性とも優れていることが明らか
である。また比較例は引張特性およびクリープ破断応力
は本発明例と同等であるが、シャルピー吸収エネルギー
およびクリープ脆化によりクリープ破断伸びが小さい。
【0016】
【発明の効果】本発明により、溶接性を損なわない成分
範囲で、優れた高温強度を有する炭素鋼が容易に得られ
るようになった。
範囲で、優れた高温強度を有する炭素鋼が容易に得られ
るようになった。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.03〜0.15%、Si≦ 1.0
%、Mn:0.5 〜 1.5%、P≦0.03%、S≦0.03%、Cr:
0.1 〜 0.5%、Mo:0.05〜 0.3%、Al≦0.01%、N:
0.005〜0.03%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる鋼をオーステナイト化温度以上に加熱した後、
冷却途中のAr3 よりも高い温度からAr1直上の温度域で
連続して熱間加工してなることを特徴とする高温強度の
優れた炭素鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15302392A JPH05320753A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 高温強度の優れた炭素鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15302392A JPH05320753A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 高温強度の優れた炭素鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320753A true JPH05320753A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15553276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15302392A Pending JPH05320753A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 高温強度の優れた炭素鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320753A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07253285A (ja) * | 1993-12-14 | 1995-10-03 | Abb Sunrod Ab | 熱交換チューブ |
JP2007217783A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Nippon Steel Corp | 熱処理簡略型高強度低合金ボイラ用鋼管およびその製造方法 |
JP2008121068A (ja) * | 2006-11-13 | 2008-05-29 | Jfe Steel Kk | 転炉鉄皮用鋼材 |
-
1992
- 1992-05-21 JP JP15302392A patent/JPH05320753A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07253285A (ja) * | 1993-12-14 | 1995-10-03 | Abb Sunrod Ab | 熱交換チューブ |
JP2007217783A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Nippon Steel Corp | 熱処理簡略型高強度低合金ボイラ用鋼管およびその製造方法 |
JP2008121068A (ja) * | 2006-11-13 | 2008-05-29 | Jfe Steel Kk | 転炉鉄皮用鋼材 |
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