JPH05320734A - ステンレス溶鋼へのイットリウムの添加方法 - Google Patents
ステンレス溶鋼へのイットリウムの添加方法Info
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- JPH05320734A JPH05320734A JP34644991A JP34644991A JPH05320734A JP H05320734 A JPH05320734 A JP H05320734A JP 34644991 A JP34644991 A JP 34644991A JP 34644991 A JP34644991 A JP 34644991A JP H05320734 A JPH05320734 A JP H05320734A
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- steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】Y含有ステンレス鋼製造時のYの添加歩留を安
定化し、鋳造時のノズル詰まりを防止する。 【構成】取鍋またはタンディッシュ内のCr含有量が11重
量%以上のステンレス溶鋼内部にYとCaとを同時に浸漬
添加し、溶鋼中にYとともにCaを30ppm 以上含有させ
る。 【効果】ノズル詰まりが減り耐酸化性Y含有ステンレス
鋼の生産性が向上し、かつ成分調整が容易になる。
定化し、鋳造時のノズル詰まりを防止する。 【構成】取鍋またはタンディッシュ内のCr含有量が11重
量%以上のステンレス溶鋼内部にYとCaとを同時に浸漬
添加し、溶鋼中にYとともにCaを30ppm 以上含有させ
る。 【効果】ノズル詰まりが減り耐酸化性Y含有ステンレス
鋼の生産性が向上し、かつ成分調整が容易になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐酸化鋼として使用
されるイットリウム(以下、Yと記す)含有ステンレス
鋼を製造する際のY添加方法に係わり、特にYの添加歩
留を安定化し、取鍋またはタンディッシュからの出湯時
にノズル詰まりを防止することができるステンレス溶鋼
へのY添加方法に関する。
されるイットリウム(以下、Yと記す)含有ステンレス
鋼を製造する際のY添加方法に係わり、特にYの添加歩
留を安定化し、取鍋またはタンディッシュからの出湯時
にノズル詰まりを防止することができるステンレス溶鋼
へのY添加方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステンレス鋼にYを添加する
と、高温寿命が改善されることはよく知られている。例
えば、Yを1〜2%添加した25〜37.5%Crのステンレス
鋼を酸素中で高温酸化すると、Cr2O3 の表面皮膜の内層
にY2O3あるいはYCrO3 が生成し、Cr2O3 の皮膜の固着性
が改善されて耐高温酸化性が向上するといわれている
(J.Electrochem Soc. 108巻 (1961年)490頁) 。また、
Yを1%添加した25%Crステンレス鋼あるいは20%Cr−
25%Ni−Nbステンレス鋼を CO2中で高温酸化した場合
も、金属層と酸化物層の界面に少量のY2O3が生成し、表
面に形成された酸化物の固着性が改善されると報告され
ている J.Iron Steel Inst. 204 巻 (1966年)355頁、Co
rr. Sci.5巻(1965 年)701頁 。
と、高温寿命が改善されることはよく知られている。例
えば、Yを1〜2%添加した25〜37.5%Crのステンレス
鋼を酸素中で高温酸化すると、Cr2O3 の表面皮膜の内層
にY2O3あるいはYCrO3 が生成し、Cr2O3 の皮膜の固着性
が改善されて耐高温酸化性が向上するといわれている
(J.Electrochem Soc. 108巻 (1961年)490頁) 。また、
Yを1%添加した25%Crステンレス鋼あるいは20%Cr−
25%Ni−Nbステンレス鋼を CO2中で高温酸化した場合
も、金属層と酸化物層の界面に少量のY2O3が生成し、表
面に形成された酸化物の固着性が改善されると報告され
ている J.Iron Steel Inst. 204 巻 (1966年)355頁、Co
rr. Sci.5巻(1965 年)701頁 。
【0003】一方、耐酸化鋼としては、Alを含有するフ
ェライト系ステンレス鋼が従来から用いられている。し
かし、近年自動車排ガスのメタルキャタライザー用素材
のようにさらに高い耐酸化性を有する素材の要求が強ま
り、Y含有ステンレス鋼が実用化されてきた。
ェライト系ステンレス鋼が従来から用いられている。し
かし、近年自動車排ガスのメタルキャタライザー用素材
のようにさらに高い耐酸化性を有する素材の要求が強ま
り、Y含有ステンレス鋼が実用化されてきた。
【0004】しかしながら、Y含有ステンレス鋼を製造
する場合、下記のような製造上の問題がある。すなわ
ち、Yは非常に酸化されやすいので、ステンレス溶鋼
に添加したときの歩留りの変動が大きく、成分調整が困
難である。YはAlより強い脱酸力を有しており、Y添
加時の脱酸生成物は Al2O3より高い比重(4.84)をもつ微
細な固体Y2O3となる。このため、取鍋またはタンディッ
シュ内でのY2O3の浮上除去は Al2O3より困難であり、溶
鋼中に残存したY2O3が出湯時にノズル内に集積してノズ
ル詰まりが発生しやすい。
する場合、下記のような製造上の問題がある。すなわ
ち、Yは非常に酸化されやすいので、ステンレス溶鋼
に添加したときの歩留りの変動が大きく、成分調整が困
難である。YはAlより強い脱酸力を有しており、Y添
加時の脱酸生成物は Al2O3より高い比重(4.84)をもつ微
細な固体Y2O3となる。このため、取鍋またはタンディッ
シュ内でのY2O3の浮上除去は Al2O3より困難であり、溶
鋼中に残存したY2O3が出湯時にノズル内に集積してノズ
ル詰まりが発生しやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決するためになされたものであり、その目的は取鍋ま
たはタンディッシュ内のステンレス溶鋼にYを添加した
ときのYの添加歩留を安定化し、出湯時のノズル詰まり
を防止できるステンレス溶鋼へのY添加方法を提供する
ことにある。
解決するためになされたものであり、その目的は取鍋ま
たはタンディッシュ内のステンレス溶鋼にYを添加した
ときのYの添加歩留を安定化し、出湯時のノズル詰まり
を防止できるステンレス溶鋼へのY添加方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明のステンレス溶
鋼へのY添加方法は、製鋼炉から出鋼されたCrを11重量
%以上を含有するステンレス溶鋼にYを添加する工程に
おいて、取鍋またはタンディッシュ内の上記ステンレス
溶鋼の内部に、YとCaを同時に添加し、溶鋼中にYを0.
01重量%以上含有させるとともに、Caを30ppm 以上含有
させることを特徴としている。
鋼へのY添加方法は、製鋼炉から出鋼されたCrを11重量
%以上を含有するステンレス溶鋼にYを添加する工程に
おいて、取鍋またはタンディッシュ内の上記ステンレス
溶鋼の内部に、YとCaを同時に添加し、溶鋼中にYを0.
01重量%以上含有させるとともに、Caを30ppm 以上含有
させることを特徴としている。
【0007】本発明のY添加方法は、電気炉または転炉
で一次脱炭、還元精錬され、AOD炉またはVOD炉な
どの精錬炉で二次脱炭、還元、仕上精錬されたCrを11重
量%以上を含むフェライト系、オーステナイト系ステン
レス溶鋼に適用することができる。ここで、Cr含有量が
11重量%以上のステンレス鋼を対象とするのは、Cr含有
量がこれより低いものは基本的に耐酸化性が悪く、Y添
加の意義がないからである。
で一次脱炭、還元精錬され、AOD炉またはVOD炉な
どの精錬炉で二次脱炭、還元、仕上精錬されたCrを11重
量%以上を含むフェライト系、オーステナイト系ステン
レス溶鋼に適用することができる。ここで、Cr含有量が
11重量%以上のステンレス鋼を対象とするのは、Cr含有
量がこれより低いものは基本的に耐酸化性が悪く、Y添
加の意義がないからである。
【0008】本発明方法の実施に用いる添加剤として
は、塊状あるいはワイヤー状の金属YまたはFe−Y合金
と、塊状の金属Ca、Fe−Ca合金またはCa−Si合金との混
合物を用いることができる。また、塊状あるいは鉄被覆
を施したワイヤー状のY−Ca合金またはY−Ca−Si合金
を使用してもよい。
は、塊状あるいはワイヤー状の金属YまたはFe−Y合金
と、塊状の金属Ca、Fe−Ca合金またはCa−Si合金との混
合物を用いることができる。また、塊状あるいは鉄被覆
を施したワイヤー状のY−Ca合金またはY−Ca−Si合金
を使用してもよい。
【0009】Y添加工程において、YおよびCaをステン
レス溶鋼内部に同時に浸漬添加するには、通常用いられ
る手段、例えば、浸漬棒の先端に複数の孔を設けた鋼製
容器を取付け、その内部に上記の添加剤を封入し、浸漬
棒を用いて溶鋼内部に浸漬添加するケージ添加法が採用
できる。取鍋添加の場合は製鋼炉からの出鋼流直下の溶
鋼中、タンディッシュ添加の場合は取鍋からの出湯流直
下の溶鋼中に添加するのがよい。また、タンディッシュ
内の溶鋼内部に浸漬添加する場合は取鍋からの出湯流直
下の溶鋼に鉄被覆を施したワイヤー状のY−Ca合金、Y
−Ca−Si合金を、出湯速度に応じた供給速度で連続的に
給線して添加する方法、あるいは取鍋からの出湯流をAr
シールし、出鋼流直下の溶鋼中に連続供給装置から上記
添加材を連続的に供給する方法などを用いてもよい。
レス溶鋼内部に同時に浸漬添加するには、通常用いられ
る手段、例えば、浸漬棒の先端に複数の孔を設けた鋼製
容器を取付け、その内部に上記の添加剤を封入し、浸漬
棒を用いて溶鋼内部に浸漬添加するケージ添加法が採用
できる。取鍋添加の場合は製鋼炉からの出鋼流直下の溶
鋼中、タンディッシュ添加の場合は取鍋からの出湯流直
下の溶鋼中に添加するのがよい。また、タンディッシュ
内の溶鋼内部に浸漬添加する場合は取鍋からの出湯流直
下の溶鋼に鉄被覆を施したワイヤー状のY−Ca合金、Y
−Ca−Si合金を、出湯速度に応じた供給速度で連続的に
給線して添加する方法、あるいは取鍋からの出湯流をAr
シールし、出鋼流直下の溶鋼中に連続供給装置から上記
添加材を連続的に供給する方法などを用いてもよい。
【0010】
【作用】ステンレス溶鋼内部にYを単独添加する従来法
に対し、YとCaとを同時添加した場合の作用効果につい
て試験結果に基づいて説明する。
に対し、YとCaとを同時添加した場合の作用効果につい
て試験結果に基づいて説明する。
【0011】VOD炉で20%Cr−5%Alステンレス鋼を
溶製して取鍋に受け、その溶鋼中にFe−Y(35 %) 合金
単独またはFe−Y(35 %) 合金と金属Caとの混合物を前
述のケージ添加法で浸漬添加して、溶鋼中にYを0.02重
量%含有させた。その後取鍋内の溶鋼をタンディッシ
ュ、浸漬ノズルを介して連続鋳造し、鋳造時の鋳造速度
の変化を調査した。この時、タンディッシュ内の溶鋼ヘ
ッドは一定に保持して連続鋳造を行ったので、浸漬ノズ
ルにノズル詰まりが発生すると、鋳造速度が低下するこ
とになる。
溶製して取鍋に受け、その溶鋼中にFe−Y(35 %) 合金
単独またはFe−Y(35 %) 合金と金属Caとの混合物を前
述のケージ添加法で浸漬添加して、溶鋼中にYを0.02重
量%含有させた。その後取鍋内の溶鋼をタンディッシ
ュ、浸漬ノズルを介して連続鋳造し、鋳造時の鋳造速度
の変化を調査した。この時、タンディッシュ内の溶鋼ヘ
ッドは一定に保持して連続鋳造を行ったので、浸漬ノズ
ルにノズル詰まりが発生すると、鋳造速度が低下するこ
とになる。
【0012】図1に、20%Cr−5%Al−0.02%Y含有ス
テンレス溶鋼中のCa含有量と連続鋳造初期および末期の
鋳造速度との関係を整理して示した。この図に示すよう
に、溶鋼中のCa含有量が 30ppmより少ない場合には、連
続鋳造末期の鋳造速度が大幅に低下しており、浸漬ノズ
ルにノズル詰まりが発生していることが明らかである。
これに対してCa含有量 30ppm以上の領域では、連続鋳造
初期と末期との鋳造速度の差はほとんどなく、ノズル詰
まりの発生傾向は全く認められない。
テンレス溶鋼中のCa含有量と連続鋳造初期および末期の
鋳造速度との関係を整理して示した。この図に示すよう
に、溶鋼中のCa含有量が 30ppmより少ない場合には、連
続鋳造末期の鋳造速度が大幅に低下しており、浸漬ノズ
ルにノズル詰まりが発生していることが明らかである。
これに対してCa含有量 30ppm以上の領域では、連続鋳造
初期と末期との鋳造速度の差はほとんどなく、ノズル詰
まりの発生傾向は全く認められない。
【0013】上記のようにCaによってノズル詰まりが防
止できる理由は、溶鋼中にYと 30ppm 以上のCaが共存
することにより CaO− Al2O3−Y2O3三元系の複合脱酸生
成物( 融体 )が生成し、これが高融点のために固体状の
Y2O3、Al2O3 のような浸漬ノズル内で集積する酸化物が
生じないことによると考えられる。
止できる理由は、溶鋼中にYと 30ppm 以上のCaが共存
することにより CaO− Al2O3−Y2O3三元系の複合脱酸生
成物( 融体 )が生成し、これが高融点のために固体状の
Y2O3、Al2O3 のような浸漬ノズル内で集積する酸化物が
生じないことによると考えられる。
【0014】図2は20%Cr−5%Alステンレス鋼にYを
単独で含有させた場合、およびYとCa30〜40ppm を共存
させた場合における耐酸化性を対比して示す図である。
なお、耐酸化性は1150℃の空気雰囲気中で90時間の高温
酸化を行った後の酸化増量で表した。同図に示すよう
に、Yを含まない20%Cr−5%Alステンレス鋼は異常酸
化が生じているが、Yを0.01%以上含有させることによ
り、従来から知られているように耐酸化性が向上する。
一方、本発明法を実施してCaを 30ppm以上含有させても
耐酸化性が劣化することはなく、優れた耐酸化性が維持
されている。
単独で含有させた場合、およびYとCa30〜40ppm を共存
させた場合における耐酸化性を対比して示す図である。
なお、耐酸化性は1150℃の空気雰囲気中で90時間の高温
酸化を行った後の酸化増量で表した。同図に示すよう
に、Yを含まない20%Cr−5%Alステンレス鋼は異常酸
化が生じているが、Yを0.01%以上含有させることによ
り、従来から知られているように耐酸化性が向上する。
一方、本発明法を実施してCaを 30ppm以上含有させても
耐酸化性が劣化することはなく、優れた耐酸化性が維持
されている。
【0015】以下実施例により本発明法を具体的に説明
する。
する。
【0016】
【実施例1】表1に示す組成のステンレス溶鋼をVOD
炉で溶製して取鍋に出鋼した。つぎに前述したケージ添
加法でFe−Y(35重量%) 合金とFe−Ca合金 (Ca分32
%) との混合物を溶鋼中に同時に浸漬添加した。その後
取鍋内の溶鋼をタンディッシュに受鋼し、浸漬ノズルを
介して鋳型内に注湯し、連続鋳造を行って、表2に示す
組成のY、Ca含有20%Cr−5%Alステンレス鋼を製造し
た。
炉で溶製して取鍋に出鋼した。つぎに前述したケージ添
加法でFe−Y(35重量%) 合金とFe−Ca合金 (Ca分32
%) との混合物を溶鋼中に同時に浸漬添加した。その後
取鍋内の溶鋼をタンディッシュに受鋼し、浸漬ノズルを
介して鋳型内に注湯し、連続鋳造を行って、表2に示す
組成のY、Ca含有20%Cr−5%Alステンレス鋼を製造し
た。
【0017】比較例1はケージ添加に際し、Fe−Y(35
重量%) 合金を単独で添加したものである。表3にFe−
Y合金、Fe−Ca合金のCa換算添加量とYの添加歩留およ
びその標準偏差を示す。
重量%) 合金を単独で添加したものである。表3にFe−
Y合金、Fe−Ca合金のCa換算添加量とYの添加歩留およ
びその標準偏差を示す。
【0018】表3に示すように、Yは酸化されやすいた
め添加歩留りは低い。しかし、実施例1は比較例1に比
べて、添加歩留の標準偏差は半減している。このように
歩留が安定するためYの成分調整が容易になる。添加歩
留のばらつきは、添加前の溶鋼中酸素のばらつきに起因
すると考えられる。本発明法でYの添加歩留が安定する
理由は、まずCaが融解(839 ℃) 、蒸発(1480 ℃) して
脱酸するため、初期酸素の変動が緩和され、その後Yが
融解(1520 ℃) し、溶鋼中に残存するCa、溶鋼中のAlと
の複合脱酸が起こることによると考えられる。
め添加歩留りは低い。しかし、実施例1は比較例1に比
べて、添加歩留の標準偏差は半減している。このように
歩留が安定するためYの成分調整が容易になる。添加歩
留のばらつきは、添加前の溶鋼中酸素のばらつきに起因
すると考えられる。本発明法でYの添加歩留が安定する
理由は、まずCaが融解(839 ℃) 、蒸発(1480 ℃) して
脱酸するため、初期酸素の変動が緩和され、その後Yが
融解(1520 ℃) し、溶鋼中に残存するCa、溶鋼中のAlと
の複合脱酸が起こることによると考えられる。
【0019】表4に浸漬ノズルのノズル詰まりの発生状
況とチャージ当たりの連続鋳造所要時間とを示す。同表
に示すように、実施例1ではノズル詰まりの発生は認め
られず、チャージ当たりの連続鋳造所要時間は比較例1
に比べて約40%短縮され、生産性が向上した。
況とチャージ当たりの連続鋳造所要時間とを示す。同表
に示すように、実施例1ではノズル詰まりの発生は認め
られず、チャージ当たりの連続鋳造所要時間は比較例1
に比べて約40%短縮され、生産性が向上した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【実施例2】VOD炉で溶製した低炭素18−8ステンレ
ス溶鋼を取鍋に出鋼し、その後取鍋内の溶鋼をタンディ
ッシュに受鋼し、浸漬ノズルを介して連続鋳造を行っ
た。連続鋳造時に取鍋からの出鋼流直下のタンディッシ
ュ内溶鋼中に、鉄被覆を施したY(60重量%) −Ca(40
重量%) 合金ワイヤーを鋳造速度に応じた供給速度で送
線して浸漬添加し、表5に示す組成のY−Ca含有18−8
ステンレス鋼を製造した。Y−Ca合金の添加量は 1.2 k
g/溶鋼トンである。
ス溶鋼を取鍋に出鋼し、その後取鍋内の溶鋼をタンディ
ッシュに受鋼し、浸漬ノズルを介して連続鋳造を行っ
た。連続鋳造時に取鍋からの出鋼流直下のタンディッシ
ュ内溶鋼中に、鉄被覆を施したY(60重量%) −Ca(40
重量%) 合金ワイヤーを鋳造速度に応じた供給速度で送
線して浸漬添加し、表5に示す組成のY−Ca含有18−8
ステンレス鋼を製造した。Y−Ca合金の添加量は 1.2 k
g/溶鋼トンである。
【0025】比較例2では、Y(90重量%) −Ca(10 重
量%) 合金ワイヤーを実施例2と同じ添加量で浸漬添加
し、表5に示す組成のY−Ca含有18−8ステンレス鋼を
製造した。
量%) 合金ワイヤーを実施例2と同じ添加量で浸漬添加
し、表5に示す組成のY−Ca含有18−8ステンレス鋼を
製造した。
【0026】表6に連続鋳造初期および末期における鋳
造速度とチャージ当たり連続鋳造所要時間とを示す。
造速度とチャージ当たり連続鋳造所要時間とを示す。
【0027】表5に示すように、実施例2と比較例2は
Y−Ca合金の添加量を等しくしたが、実施例2はY−Ca
合金のCa含有量を高めたので、製造鋼中のCa含有量は 3
0ppm以上が得られている。一方、比較例2はCa含有量5
ppm である。
Y−Ca合金の添加量を等しくしたが、実施例2はY−Ca
合金のCa含有量を高めたので、製造鋼中のCa含有量は 3
0ppm以上が得られている。一方、比較例2はCa含有量5
ppm である。
【0028】表6に示すように、実施例2では連続鋳造
中ほとんど一定の鋳造速度が維持され、浸漬ノズルの詰
まりの発生は認められない。これに対しCa含有量が少な
い比較例2ではノズル詰まりが発生し、連続鋳造所要時
間が大幅に延長し、生産性が低下した。実施例2でノズ
ル詰まりが防止される理由は、溶鋼中に融体のY2O3−Ca
O系複合脱酸生成物が生ずるためと考えられる。
中ほとんど一定の鋳造速度が維持され、浸漬ノズルの詰
まりの発生は認められない。これに対しCa含有量が少な
い比較例2ではノズル詰まりが発生し、連続鋳造所要時
間が大幅に延長し、生産性が低下した。実施例2でノズ
ル詰まりが防止される理由は、溶鋼中に融体のY2O3−Ca
O系複合脱酸生成物が生ずるためと考えられる。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、ステンレス溶鋼中
に安定した添加歩留でYを添加することができ、Yの含
有量調整が容易になる。さらに、連続鋳造時に浸漬ノズ
ルのノズル詰まりを防止できるので、鋳造速度が一定と
なり、Y含有ステンレス鋼の生産性が向上する。
に安定した添加歩留でYを添加することができ、Yの含
有量調整が容易になる。さらに、連続鋳造時に浸漬ノズ
ルのノズル詰まりを防止できるので、鋳造速度が一定と
なり、Y含有ステンレス鋼の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】20%Cr−5%Al−0.02%Y含有ステンレス溶鋼
中のCa含有量と連続鋳造初期および末期の鋳造速度との
関係を示す図である。
中のCa含有量と連続鋳造初期および末期の鋳造速度との
関係を示す図である。
【図2】20%Cr−5%Alステンレス鋼にYを単独で含有
させた場合、およびYとCa30〜40ppm を共存させた場合
とにおける耐酸化性を対比して示す図である。
させた場合、およびYとCa30〜40ppm を共存させた場合
とにおける耐酸化性を対比して示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 33/06
Claims (1)
- 【請求項1】製鋼炉から出鋼されたCrを11重量%以上含
有するステンレス溶鋼にイットリウムを添加する工程に
おいて、取鍋またはタンディッシュ内の上記ステンレス
溶鋼の内部に、イットリウムとCaを同時に添加し、溶鋼
中にイットリウムを0.01重量%以上含有させるとともに
Caを30ppm 以上含有させることを特徴とするステンレス
溶鋼へのイットリウムの添加方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34644991A JPH05320734A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | ステンレス溶鋼へのイットリウムの添加方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34644991A JPH05320734A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | ステンレス溶鋼へのイットリウムの添加方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320734A true JPH05320734A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=18383507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34644991A Pending JPH05320734A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | ステンレス溶鋼へのイットリウムの添加方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320734A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4869439A (en) * | 1987-07-03 | 1989-09-26 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika Denki-Seisakusho | Seat belt system |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP34644991A patent/JPH05320734A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4869439A (en) * | 1987-07-03 | 1989-09-26 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika Denki-Seisakusho | Seat belt system |
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