JPH0532006Y2

JPH0532006Y2 -

Info

Publication number: JPH0532006Y2
Application number: JP1988044949U
Authority: JP
Priority date: 1988-04-01
Filing date: 1988-04-01
Publication date: 1993-08-17
Anticipated expiration: 2003-04-01
Also published as: JPH01155913U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は化粧用パフに関するもので、とりわ
け、パイルの植毛加工により製造されるパフに係
わるものである。

［従来の技術］従来、植毛加工によつて製造される化粧用パフ
は、ウレタンフオームの様なクツシヨン性のすぐ
れた発泡基体などに接着剤を塗布し、ここへ適切
な太さと長さを有するパイルを静電植毛法によつ
て植設して造られている。

この植設に用いられるパイルとしては、主とし
てナイロンパイルやレーヨンパイル等が使用され
ているが、いずれも断面円形のパイルとなつてい
る。

［考案が解決しようとする課題］従来の植毛加工による化粧用パフは、上記の様
に円形断面のパイルが多数植設されてなるもので
あり、その結果、近年の化粧料に対応しにくいも
のとなつて来ているのである。

つまり、化粧料は固形状、粉末状、乳液状、液
体状とあり、近年では粉末化粧料もプレストパウ
ダーと称され粉末を圧縮して硬めたものが用いら
れる様になり、また固形化粧料も良く使用される
様になつて来たが、前記従来の化粧用パフではこ
れらの化粧料をパフに含ませるに際してパフへの
付着量が少なく、すなわち謂ゆる「取れ」と称さ
れる作用効果が低いという欠点を持つているので
ある。

したがつて何回も擦りつけて化粧料をパフに付
けるのであるが、一方、これを顔面に付けるとき
は逆に肌を乗りにくく謂ゆる「薄付き」の状態に
なつてしまい化粧料が伸びにくく化粧性が悪いと
いう問題点を有しているのである。

本考案は上記の欠点や問題点を解決することを
目的としてなされたものであり、化粧料の「取
れ」が良くて１回の擦りつけで多量の化粧料を含
ませることができ、しかも顔面への塗布けも「薄
付き」とはならず適当量付着させることができる
という化粧用パフを提供しようとするものであ
る。

［課題を解決するための手段］上記目的を達成するために種々検討した結果、
従来の植毛加工による化粧用パフは滑りが良すぎ
るために、化粧料の「取れ」が悪く、かつ化粧料
の顔面への移りも悪いのであるという結論に達
し、この滑りを少なくするためには円形断面では
ない異形断面のパイルを植設してやれば、非常に
好適な結果が得られることを見い出したのであ
る。

すなわち本考案は、基体の表面に接着剤を介し
て多数の異形断面パイルを植設してなることを特
徴とする化粧用パフ、を要旨とするものである。

第１図は本考案パフの部分拡大断面図で、やや
上方から見た角度で示している。

第２図は本考案パフの断面図である。

これらの図の様に本考案は、基体１の表面に接
着剤２を介して多数のパイル３が植設されている
ものであるが、このパイル３が第１図の拡大図で
示した様に異形断面になつているというものであ
る。

本考案における基体１は、通常、ポリウレタン
フオームや発泡ゴムよりなるもので、これを適切
なるパフ形状に切断又は研削したものである。

また、本考案における接着剤２は、ポリアクリ
ル酸エステルエマルジヨン、ポリウレタンエマル
ジヨン、合成ゴムラテツクス、天然ゴムラテツク
ス等のような通常の接着剤を塗布したもので、こ
の表面層にパイル３を静電植毛法により植設し乾
燥・加熱処理してやれば良いのである。

本考案における最大の特徴はパイル３にあり、
このパイル３の断面形状が従来の円形とは異なる
異形断面になつているということである。

第１図では断面三角形のパイル３が示されてい
るが、本考案ではこの断面三角形に限定されるも
のではなく、円形以外の断面であれば後述する様
な本考案の作用効果が得られるものとなつてい
る。

第３図は本考案パフにおけるパイルの種々なる
形状を示した横断面拡大図である。

この第３図における(a)図の様にほぼ正三角形に
近い断面で角部にややアールの形成されたもの、
同じく(b)図の様に楕円形の断面、同じく(c)図の様
に長方形断面で角部にアールの形成されたもの、
また(d)図の様に正方形断面で角部にアールの形成
されたもの、などが本考案における異形断面パイ
ル３の好適な実施例としてあげられる。

この異形断面パイル３の太さとしては、１〜５
デニールのものが好ましく、特に1.0，1.5，2.0，
3.0デニール等の断面三角形であつて、ナイロン
製のパイルが優れた結果を得るものとなつてい
る。

またこのパイル３の長さは0.5〜２mmの範囲が
好ましく、特に0.6〜1.5mmのものが望ましいもの
である。

［作用］本考案パフは以上の様な構成からなり、植設さ
れたパイルが円形断面ではないので、滑りが少な
く化粧料をこのパフに含ませるに際して、謂ゆる
「取れ」が良く１回の擦りつけでもつてプレスト
パウダー化粧料であっても、固形化粧料であつて
も、或いはその他の乳液や液状の化粧料等であつ
ても、そのパフへの付着量は充分に多いというす
ぐれた作用を示すのである。

また、この様にして含ませた化粧料を顔面に塗
る場合もパフの滑りが少ないため適切量が肌に移
行し、謂ゆる「薄付き」はなく厚く塗れるので肌
に沿つて伸ばしやすく、したがつてスジが付きに
くく思う様に塗り上げることができ、非常にすぐ
れた化粧効果が達成されるのである。

さらに本考案パフの異形断面パイルは光を乱反
射させるものであるため、光沢が良く非常にすぐ
れた外観を有するものとなつているのである。

［考案の効果］本考案の効果は、［作用］欄で詳述した通りで
あり、簡単にまとめると下記の如くである。

(イ) 化粧用パフのパイルが異形断面であるため滑
りが少なく化粧料のパフへの取れが良く、化粧
料の種類に関係なく多くの量を含ませることが
できるので、取扱いやすく便利なパフである。

(ロ) パフに含ませた化粧料を顔面に塗るときも、
滑りの少ないパフであるため肌への移行性にす
ぐれ、薄付きせず伸ばしやすいのでスジのない
きれいな化粧が達成される。

(ハ) 光沢があり外観的にすぐれたパフである。

以上の様に本考案は非常にすぐれた効果を有
し、従来の化粧用パフと比べてきわめて高い有用
性を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案パフの部分拡大断面図で、やや
上から見た角度で示している。第２図は本考案パ
フの断面図である。第３図は本考案パフにおける
パイルの種々なる形状を示した横断面拡大図であ
る。１……基体、２……接着剤、３……パイル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基体の表面に接着剤を介して多数の異形断面パ
イルを植設してなることを特徴とする化粧用パ
フ。