JPH0531658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ピールアパートタイプのインスタン
トフイルムユニツトに関するものである。

〔従来の技術〕

ピールアパートタイプのインスタントフイルム
ユニツト（以下、フイルムユニツトという）は、
例えば特開昭61−48840号公報に詳しく記載され
ているように、被写体の潜像を記録する感光シー
トと、この感光シートの潜像を受け取つてポジ画
像を形成する受像シートを主要部材としている。
前記感光シートは引出しシートに接続され、また
受像シートは画面サイズに応じた開口が形成され
たマスクシートに接合されており、このマスクシ
ートは前記引出しシートに接合されている。

従来のフイルムユニツトにおける取扱説明等は
引出しシートと引出しシートに取り付けられたタ
ブとに別けて表記している。例えば、タブには気
温に対応した現像処理時間とタブの捨て方とを、
引出しシートには受像シートの剥がし方と剥がし
たあとの不要部分の捨て方とを表記している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

一般にフイルムユニツトは、撮影後ただちに撮
影結果を確認できるという特性から、時間的制約
の多い状況で使用される場合がほとんどである。
しかるに、ピールアパートタイプのフイルムユニ
ツトは、露光後にタブを引き出してから続いて引
出しシートを引き出す２段引出し方式となつてい
る。そのため、最初に引き出されたタブは、引出
しシートから剥離されたあとただちに廃棄される
のが通例である。したがつて、取扱説明の記載が
タブ上になされていても、その記載内容に目の通
されることは稀である。

タブを引き出したあと、続いて引出しシートを
引き出し、所定の現像時間が経過したのち受像シ
ートを引き剥がせば、露光された像がポジ像とし
て得られる。したがつて、上記の所定の現像時間
が経過する間は、テーブル等の上に、受像シート
を上にして置かれるのが通常である。しかし、受
像シートの剥がし方が記載されている引出しシー
トは感光シートに接合されており、上記のような
置き方をした場合には、取扱説明の記載を参照す
ることはできない。

また、これまでのフイルムユニツトでは、タブ
と引出しシートの２カ所に取扱説明等の記載を印
刷しているため、コスト面でも不利である。

〔考案の目的〕

本考案はこのような従来技術の欠点に鑑みてな
されたもので、フイルムユニツトを使用してゆく
過程で、容易にまた確実に取扱方法の記載が参照
できるようにするとともに、ローコスト化にも寄
与するフイルムユニツトを提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、感光シ
ートと受像シートとを重ね合わせたときに、マス
クシートの外側となる面の受像シートを剥離開始
する端の近くに、インスタントフイルムユニツト
の剥離時の取扱いに関する説明の表示を記載する
ようにしたものである。

〔作用〕

以上によれば、露光後のフイルムユニツトは受
像シートを上にして置くのが通常であるから、そ
のまま剥離時の取扱いに関する説明の表示が上面
になり、これを確認しながら確実に受像シートの
剥離操作を行うことができるようになる。また、
記載箇所が一箇所であるため印刷に要する費用を
節約することができるようになる。

以下、本考案の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。

〔実施例〕

本考案のフイルムユニツトを示す第２図におい
て、感光シート１は、その前端側に引出しシート
２が接合され、また後端側に余剰現像処理液を受
け留めるための短いスカート３が接合されてい
る。この引出しシート２は、その後端側で感光シ
ート１の横に、現像処理液を封入したポツド４
と、この現像処理液を感光シート１に向けて案内
するフアンネル５とが取り付けられており、また
その先端側にはタブ６の接合部６ａが接合されて
いる。

受像シート７は、最終的な写真像を記録するた
めのものであり、弱シール層を介してマスクシー
ト８に接合されている。このマスクシート８は、
画面サイズに対応した開口８ａを備え、その先端
が前記引出しシート２に接合されている。マスク
シート８の引出しシート２に接合されている先端
から受像シート７の端辺までの間に図のような取
扱説明表示３０が記載されている。前記開口８ａ
の両サイドには、比較的厚い紙で作つた帯状のレ
ール９，１０が接着されている。このレール９，
１０の後端部には、余剰現像処理液を収容するス
ペースを確保するとともに、後述する展開ローラ
で余剰現像処理液が押し出されないようにするた
め、硬いプラスチツクで作つた２個の仮状突起１
１，１２が接着されている。

第３図はフイルムユニツトをフイルムパツクに
装填した状態を示すものである。フイルムパツク
２０には、10枚のフイルムユニツトが装填されて
いるが、図面を簡単にするために、１枚だけが図
示されている。フイルムパツク２０は、前面下部
と底面とが開口したパツク本体２１と、このパツ
ク本体２１に嵌め込まれたフイルム圧板２２と、
パツク本体２１の下部に嵌着する底板２３とから
構成されている。前記フイルムユニツトは、感光
シート１がフイルム圧板２２の上に位置し、受像
シート７が下に位置している。そして、タブ６が
一対の展開ローラ２５，２６の上にくるようにフ
イルムパツク２０から突き出ている。なお、二点
鎖線で示したものは、第２番目のフイルムユニツ
トのタブ２９であり、その先端を折り曲げた部分
がタブ６に接着されている。また、前記底板２３
は、前記フイルム圧板２２の脚部２２ａを押し上
げるために、バネ板２３ａが設けられており、ま
た受像シート７を上に押すためのスポンジ板２８
が取り付けられている。

前記パツク本体２１は、その上面に露光窓２１
ａが形成されており、これを通つた光で感光シー
ト１が露出される。この感光シート１の露光後
に、タブ６を手で引き出せば、引出しシート２が
タブ６とともに引き出される。この時に、マスク
シート８はその先端側が徐々に反転して引出しシ
ート２に重なりながら、フイルムパツク２０の出
口に向かつて移動する。そして、感光シート１は
パツク本体２１に嵌め込まれたフイルム圧板２２
の後端にガイドされて、その背後に廻り込んで反
転する。

前記タブ６が展開ローラ２５，２６の上側を通
って引き出されることにより、引出しシート２の
先端が展開ローラ２５と２６の間から少し出た時
に、タブ６の後端にある接合部６ａが展開ローラ
２５の楔作用で、引出しシート２から剥離され
る。次に、引出しシート２の先端を手でつかんで
引き出せば、最初に引出しシート２とマスクシー
ト８とが重なつた状態で展開ローラ２５，２６の
間を通過し、その後感光シート１と受像シート７
とが重なつた状態で展開ローラ２５、２６の間を
通過する。

前記引出しシート２が展開ローラ２５，２６を
通過する際に、これに取り付けた前記ポツド４が
押しつぶされるので、ゼリー状をした現像処理液
がフアンネル５を通つて後方に流れ出る。この流
れ出た現像処理液は、展開ローラ２５，２６で展
開されて、レール９，１０を介して対面した感光
シート１と受像シート７との間に均一な厚みとな
り、感光シート１に記録されているネガ像が受像
シート７にポジ像として転写される。

フイルムパツク２０から引き出したフイルムユ
ニツトを第１図に示すように受像シート７を上面
となるようにしてテーブル等の上に置くと、受像
シート７の近傍のマスクシート８上に記載されて
いる前記取扱説明表示３０も上面となつて、引つ
繰り返したりすることなく、そのままの状態で参
照することができる。

この取扱説明表示３０には、「気温に対応した
現像処理時間の表」、「受像シートの剥がし方の
絵」、「不要な部分の捨て方の絵」が一覧されるよ
うに記載されている。この「気温に対応した現像
処理時間の表」を参照して所定の剥離時間（現像
時間）を確認し、この時間の経過後に前記「受像
シートの剥がし方の絵」に従つてマスクシート８
を押さえながら、あるいはマスクシート８と引出
しシート２の両方を同時に持ちながら受像シート
７をその端から剥がすようにすると、受像シート
７の上に写真画像を得ることができる。そして、
前記「不要な部分の捨て方の絵」に従つて、受像
シート７を剥がし終わつた後の不要部分を適当な
塵収納箱に廃棄すればよい。

なお、余分な現像処理液は、スカート３，マス
クシート８、一対の板状突起１１，１２で囲まれ
た部分に捕捉される。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のフイルムユニ
ツトにおいては、感光シートと受像シートとを重
ね合わせたときに、マスクシートの外側となる面
の受像シートを剥離開始する端の近くに、インス
タントフイルムユニツトの剥離時の取扱いに関す
る説明の表示を記載するようにした。これによ
り、引出しシートとタブとの両方に印刷にしてい
た従来の手間が半分になり、ローコスト化に寄与
するとともに、引き出したタブをとつておく必要
がなくなり、取り扱いが簡単になる。また、所定
の現像処理時間の経過中に、受像シートを剥離開
始する端の近くで、インスタントフイルムユニツ
トの剥離時の取扱いに関する説明の表示を容易に
参照することができるようになり、より確実なフ
イルムユニツトの取り扱いを行うことができるよ
うになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のフイルムユニツトをフイル
ムパツクから引き出した状態を示す斜視図であ
る。第２図は本考案の実施例を示す斜視図であ
る。第３図はフイルムパツクの断面図である。 １……感光シート、２……引出しシート、７…
…受像シート、８……マスクシート、３０……取
扱説明表示。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 引出しシートに感光シートが接合され、先端を
   前記引出しシートに取り付けたマスクシートに受
   像シートが接合されており、露光済み感光シート
   と受像シートを重ね合わせ、その間に現像処理液
   を展開して感光シートに現像された画像を受像シ
   ートに転写するインスタントフイルムユニツトに
   おいて、 前記感光シートと受像シートとを重ね合わせた
   ときに、前記マスクシートの外側となる面の受像
   シートを剥離開始する端の近くに、インスタント
   フイルムユニツトの剥離時の取扱いに関する説明
   の表示を記載したことを特徴とするインスタント
   フイルムユニツト。