JPH0531653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、フイルムを巻いたパトローネが収
納されるパトローネ収納ケースに関する。

［従来の技術］ この種のパトローネ収納ケースとして、有底筒
状のケース本体にフイルムを巻いたパトローネが
収納され、このケース本体の開口部にキヤツプを
嵌合して蓋をするものがある。

このパトローネは紙製の箱に収納して販売さ
れ、カメラで撮影する場合には、まず紙製の箱か
らパトローネ収納ケースを取り出し、さらにパト
ローネ収納ケースからパトローネを取り出してカ
メラにセツトし、パトローネから一部露出してい
るフイルムの端部を巻取機構へ係止して撮影可能
な状態にする。

そして、撮影後は巻戻し機構でフイルム全体を
パトローネ内に巻戻し、この撮影済のフイルムが
収納されたパトローネを再びパトローネ収納ケー
スに収納して、写真店へ持参して現像、焼付けを
行なつており、このときの撮影済と未撮影とのフ
イルムの区別はパトローネからフイルム端部が出
ているか否かによつて行なわれている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、海外旅行に出かける場合には、数日
間の撮影が可能なようにフイルムを多数持つて出
かけることがあるが、特に海外旅行の場合にはフ
イルムがかさばるため、箱からパトローネ収納ケ
ースを取り出して、バツグ等に詰めることがあ
る。

さらに、カメラの巻戻し機構によつては、撮影
済のフイルムの端部がパトローネから出た状態に
なるものがあり、このパトローネをパトローネ収
納ケースに収納すると、撮影済のフイルムが収納
されているパトローネか、未撮影のフイルムが収
納されているパトローネかの区別ができなくな
る。このため、紙製の箱がかさばることを犠牲に
して、パトローネを箱に入れたままバツグに詰め
たり、或いは撮影済と未撮影のフイルムが混同し
ないように取扱いや整理を慎重にする必要があり
面倒であつた。

このため、例えばパトローネが収納されるケー
ス本体と、このケース本体の開口部を覆うように
嵌合するキヤツプとをシール等で封印して、シー
ルを開封してキヤツプを開けるようにすることが
考えられるが、この場合シールが外部に出るた
め、取扱時にシールが誤つて剥れることがあると
ともに、シールが外部から見えて体裁が悪い。

この考案はかかる実情を背景にしてなされたも
ので、撮影済と未撮影のフイルムが混同すること
を簡単な構造で確実に防止することが可能で、し
かも体裁が良いパトローネ収納ケースを提供する
ことを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、この考案は、未撮
影のフイルムを巻いたパトローネが収納されるケ
ース本体と、このケース本体の開口部を覆うよう
に嵌合するキヤツプとからなるパトローネ収納ケ
ースにおいて、前記ケース本体の開口部をふさぐ
封印手段を備え、この封印手段を前記キヤツプを
開放して前記ケース本体から未撮影のパトローネ
を取出すとき開封されるように構成したことを特
徴としている。

［作用］ この考案では、ケース本体内にパトローネを未
撮影状態で収納し、この状態で封印手段によつて
ケース本体の開口部を封印してキヤツプで蓋をす
る。このとき、封印手段はキヤツプで蓋をされて
外部に出ていないため、取扱時に封印手段が誤つ
て剥がれることがないとともに、封印手段が外部
から見えないため体裁が良い。

パトローネを取り出すときは、キヤツプをケー
ス本体から外し、ケース本体の開口部を封印する
封印手段を開封してパトローネを取り出す。そし
て、撮影してフイルムのパトローネをケース本体
に収納してキヤツプで蓋をしても、封印手段が開
封されているため、撮影済のパトローネが収納さ
れていることが認識でき、未撮影のパトローネと
混同することが防止される。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。

まず、第１図乃至第３図において、符号１は直
方体形状に形成された紙製の箱で、この箱１内に
パトローネ２を収納したパトローネ収納ケース３
が入つている。

このパトローネ収納ケース３は有底筒状のケー
ス本体４と、キヤツプ５とから構成され、このケ
ース本体４とキヤツプ５はいずれも、例えば、透
明な合成樹脂で成形されている。この合成樹脂と
して、その一例を示すと、通常の射出成形或いは
プレス成形によつて成形されうる合成樹脂であつ
て、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
オレフイン系樹脂、ブタジエン等のオレフイン系
樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系樹
脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の
アクリル系樹脂等で代表される。

また、これら２種以上の共重合体、或いは、そ
れぞれの樹脂に可塑剤等の添加剤を添加すること
も可能である。さらに、ケース本体４とキヤツプ
５とは必ずしも同一の部材で形成される必要はな
く、前記合成樹脂より任意の一種または二種を選
択することも可能である。

ケース本体４とキヤツプ５とは気密に係合され
ることにより、遮光性及び防湿性が良好で内部に
収納されたパトローネ２のフイルム８を保護して
いる。ケース本体４の開口部４ａには、封印手段
である紙又はシートからなるシール部材１０を接
着して封印している。このように、ケース本体４
内にパトローネ２を未撮影状態で収納し、この状
態で封印手段であるシール部材１０によつてケー
ス本体４の開口部４ａを封印してキヤツプ５で蓋
をする。このとき、封印手段であるシール部材１
０はキヤツプ５で蓋をされて外部に出ていないた
め、取扱時にシール部材１０が誤つて剥れること
がないとともに、シール部材１０が外部から見え
ないため体裁が良い。

そして、未撮影のフイルムが巻かれたパトロー
ネ２が収納されている状態では、ケース本体４の
開口部４ａはシール部材１０で封印されているた
め、このパトローネ２を取り出す場合にはシール
部材１０を破り、或いは開口部４ａから外して取
り出す。このため、撮影済のフイルムが巻かれた
パトローネ２が収納されているときには、このシ
ール部材１０での封印がなされていないので、撮
影済のパトローネ２であることを容易に認識する
ことができる。

従つて、海外旅行に出かける場合等には、第１
図に示す紙製の箱１からパトローネ収納ケース３
を取り出してバツク等に詰めると、この紙製の箱
１がかさばらなくなる。

そして、カメラで撮影するとき、キヤツプ５を
ケース本体４から開放してケース本体４の開口部
４ａを封印するシール部材１０をやぶり、パトロ
ーネ２を取り出して図示しないカメラにセツトす
る。撮影が終了するとカメラからパトローネ２を
取り出すが、このときカメラの巻戻し機構によつ
て、撮影されてフイルム８の端部がパトローネ２
から出た未撮影と同じ状態になることがある。

このパトローネ２をケース本体４に収納して、
キヤツプ５をケース本体４の開口部４ａに嵌合す
ると、巻戻されたフイルム８の端部がパトローネ
２から出て、未撮影状態と同じてあつても、シー
ル部材１０が既になくなつており、或いは封印さ
れていることにより、撮影済と未撮影のフイルム
とを容易に識別することができる。

［考案の効果］ 前記のように、この考案は、ケース本体内にパ
トローネを未撮影状態で収納し、この状態で封印
手段によつてケース本体の開口部を封印してキヤ
ツプで蓋をしており、封印手段はキヤツプで蓋を
されて外部に出ていないため、取扱時に封印手段
が誤つて剥がれることがないとともに、封印手段
が外部から見えないため体裁が良い。

また、キヤツプを開放してケース本体から未撮
影のパトローネを取出すとき、封印手段が開封さ
れるから、撮影済のパトローネが未撮影のパトロ
ーネと同じ状態で識別できない場合でも、ケース
本体の開口部を見るだけで撮影済のフイルムが収
納されていることを容易に識別でき、未撮影のフ
イルムが収納されているものとの混同が確実に防
止される。

【図面の簡単な説明】

第１図はパトローネ収納ケースを収容する箱の
斜視図、第２図はパトローネ収納ケースの斜視
図、第３図はパトローネ収納ケースの断面図であ
る。 図中符号１は箱、２はパトローネ、３はパトロ
ーネ収納ケース、４はケース本体、４ａは開口
部、５はキヤツプ、８はフイルム、１０はシール
部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 未撮影のフイルムを巻いたパトローネが収納さ
   れるケース本体と、このケース本体の開口部を覆
   うように嵌合するキヤツプとからなるパトローネ
   収納ケースにおいて、前記ケース本体の開口部を
   ふさぐ封印手段を備え、この封印手段を前記キヤ
   ツプを開放して前記ケース本体から未撮影のパト
   ローネを取出すとき開封されるように構成したこ
   とを特徴とするパトローネ収納ケース。