JPH05314982A - アルカリ蓄電池およびその製造法 - Google Patents

アルカリ蓄電池およびその製造法

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JPH05314982A
JPH05314982A JP4114524A JP11452492A JPH05314982A JP H05314982 A JPH05314982 A JP H05314982A JP 4114524 A JP4114524 A JP 4114524A JP 11452492 A JP11452492 A JP 11452492A JP H05314982 A JPH05314982 A JP H05314982A
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positive electrode
battery
paste
carbon fiber
nickel hydroxide
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JP4114524A
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Yoshinori Toyoguchi
吉徳 豊口
Hiromu Matsuda
宏夢 松田
Kazuhiro Ota
和宏 太田
Katsunori Komori
克典 児守
Tadao Kimura
忠雄 木村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ蓄電池の正極活物質中に炭素繊維を
加えることによりコストダウンし、高率放電特性を改良
する。 【構成】 正極活物質である水酸化ニッケルに導電剤と
してアスペクト比3〜10の炭素繊維と、結着剤として
ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体または水ガラスを
用いて正極板を作成する。 【効果】 高価な水酸化コバルトの量を大幅に低減して
電池の低コスト化が可能となり、また本発明の導電剤と
結着剤を組み合わせて、正極活物質を作成することによ
り、高率放電特性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は負極に水素吸蔵合金やカ
ドミウム、正極活物質に水酸化ニッケルを用い、安価で
高率放電特性に優れたアルカリ蓄電池および製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】負極に水素吸蔵合金やカドミウム、正極
活物質に水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池は、高
率放電に優れた電池として良く知られている。負極の水
素吸蔵合金やカドミウムは、放電時の導電性が良好な物
質である。一方、正極では充電により生成するオキシ水
酸化ニッケルの導電性は良好であるが、放電生成物であ
る水酸化ニッケルは導電性が悪い。そこで正極中の水酸
化ニッケル粒子同士あるいは水酸化ニッケル粒子から集
電体であるニッケル基板、特によく使用されている発泡
ニッケルまでの導電性をよくするために、正極合剤中に
水酸化コバルトが添加される。水酸化コバルトは充電時
に導電性の良好なオキシ水酸化コバルトになり、水酸化
ニッケル粒子同士およびニッケル集電体の間の導電性を
改善し、高率放電が可能となっていた。しかしコバルト
化合物を用いることによる高コスト化と、一層の高率放
電特性の改良が課題となっていた。そこで、正極合剤中
に導電剤として人造黒鉛などのカーボンを添加し、カル
ボキシメチルセルロースを結着剤として水性ペーストに
して、これより正極板を作ることが試みられたが、高率
放電特性の改良にはいたらなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のカルボキシメチルセルロースを結着剤とした水性ペ
ーストでは、カーボンの分散がよく、活物質である水酸
化ニッケルの回りにうまく配置されている。しかしなが
ら、カルボキシメチルセルロースがアルカリ電解液に徐
々に溶解し、分解するため、折角うまく分散配置された
カーボンが活物質のまわりから遊離し、脱落するので、
活物質に導電性を付与できなくなるという問題があっ
た。
【0004】本発明はこの課題を解決するもので、正極
活物質を形成する水性ペーストを改良し、アルカリ蓄電
池の低コスト化とともに、高率放電特性の改良を図るこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、水素吸蔵合金やカドミウムなど可逆性を有
する負極、水酸化ニッケルよりなる正極、電解質にアル
カリ水溶液を用いたアルカリ蓄電池において、正極に導
電剤としてアスペクト比が3〜10の炭素繊維を用いる
ようにしたものである。
【0006】また、正極の製造法として、予め導電剤と
しての炭素繊維と、結着剤としてポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体を用いる場合は有機溶媒を用いてペース
トにし、水ガラスの場合には水を用いてペーストにし、
このペーストに水酸化ニッケルを加え混合したペースト
を活物質保持体に充填乾燥して正極を作成するようにし
たものである。
【0007】
【作用】従来のアルカリ蓄電池用正極合剤は、例えば水
酸化ニッケル100g、金属コバルト8g、水酸化コバ
ルト6g、酸化亜鉛3gからなっており、28.9Ah
/117gつまり0.247Ah/gの理論放電容量と
なる。金属コバルトは負極を正極に較べて余分に充電さ
れた状態すなわち正極容量規制の電池とするために添加
されている。水酸化コバルトは、電池の高率放電特性を
よくするために、酸化亜鉛は水酸化ニッケルのガンマ−
水酸化ニッケルへの構造変化を抑制して長寿命化を図る
ために添加されている。
【0008】本発明では、水酸化コバルトの量を減量し
つつ、高率放電特性を改良するために、正極に導電剤と
してアスペクト比が3〜10の炭素繊維を用いる。従来
の人造黒鉛やアセチレンブラックなどのカーボンはその
形状が球に近いため、活物質である水酸化ニッケル粒子
同士、あるいは水酸化ニッケルとニッケル集電体との導
電接触を良好にするためには、その粒子同士の間にうま
く介在することが必要になる。このため、水酸化コバル
トを使用しないときには水酸化ニッケル100重量部に
対して10重量部を越えるカーボン量が必要であった。
一方、本発明の炭素繊維では、細長い形状により水酸化
ニッケル粒子同士が少し離れて存在していても、あるい
は水酸化ニッケルとニッケル集電体との距離が少しあっ
ても導電接触を良好にすることが可能となり、水酸化コ
バルトを使用しないときでも水酸化ニッケル100重量
部に対して1重量部以上10重量部以下の添加量でよ
い。無論10重量部を越えても高率放電時特性には何等
支障はないが、体積当りの放電容量からみると不利にな
るからである。
【0009】また本発明では、水酸化コバルトの量を減
量しつつ、高率放電特性を改良するために、正極に導電
剤として炭素繊維、結着剤としてポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体または水ガラスを用いている。
【0010】ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を結
着剤とし、有機溶媒を使用したペーストでは炭素繊維は
よく分散する。水ガラスを結着剤とし、水を使用したペ
ーストでも炭素繊維はよく分散する。これらのペースト
に水酸化ニッケルを加えたペーストをニッケル集電体に
充填し乾燥することにより、活物質の周囲に炭素繊維は
強固に固着される。しかも一旦乾燥した結着剤は、従来
のカルボキシメチルセルロースとは異なりアルカリ電解
液に対しても安定であるため炭素繊維は遊離することは
なく、十分な導電性を活物質に付与するため、さらに高
率放電特性を改良できる。
【0011】また本発明では上記物質を用いて正極を作
る際には、予め導電剤としての炭素繊維と結着剤として
のポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体または水ガラス
に溶媒を用いてペーストにし、これに水酸化ニッケルを
加え混合したペーストを充填乾燥して正極を作る。
【0012】水酸化ニッケル、導電剤としての炭素繊
維、結着剤としてのポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体や水ガラスを混合、溶媒を加えて一度にペーストと
し、これを充填乾燥して正極を作るのは好ましくない。
この方法で作った正極を用いた電池では、高率放電特性
の改善の程度が小さくなるからである。活物質である水
酸化ニッケル表面の一部が結着剤により覆われるためと
考えられる。
【0013】一方、本発明の予め導電剤としての炭素繊
維と結着剤に溶媒を加えてペーストにし、これに水酸化
ニッケルを加え混合する方法では、結着剤と活物質との
作用がある程度小さくなり良好な高率放電特性が得られ
ると考えられる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0015】(実施例1)正極の作成は、導電剤として
アスペクト比5.2の炭素繊維1gに結着剤としてカル
ボキシメチルセルロース1gを加え、溶媒として水を加
え混練してペーストを作った。これとは別に水酸化ニッ
ケルと金属コバルト、酸化亜鉛を重量比で100:8:
3に秤量した粉末を良く混合した。混合粉末20gを先
のペーストに加えて混練したのち、横60mm、縦81m
m、重量3.1gの発泡ニッケル中に、このペーストを
充填し45℃で乾燥後、厚み1.74mmに圧縮し正極板
とした。正極板の上部角にリードとしてのニッケル板を
スポット溶接した。この時正極板1枚の水酸化ニッケル
量は18.0gで理論放電容量は5.21Ahである。
試験用電池はこの正極板を5枚用いて構成した。
【0016】負極の水素吸蔵合金としてAB5合金であ
るランタン含量10%のミッシュメタル(Mm)を用い
たMmNi3.55Mn0.4Al0.3Co0.75を使用した。こ
の合金19.4gに水を加えてペーストとした。横60
mm、縦81mm、重量3.1gの発泡ニッケル中に、この
ペーストを充填し乾燥後、厚み1.20mmに圧縮し負極
板とした。負極板の角にリードとしてのに板をスポット
溶接した。この負極板1枚の理論放電容量は5.63A
hである。試験用電池はこの負極板を6枚用いて構成し
た。
【0017】本実施例の電池は、図1のようにスルフォ
ン化処理を行ったポリプロピレン不織布セパレータを介
して、負極、正極の順に外側に負極がくるように配置し
た。負極のリードをニッケル製負極端子に、正極のリー
ドをニッケル製正極端子にスポット溶接した。これらの
極板郡を厚み3mmのアクリロニトリル−スチレン樹脂か
らなる内寸で縦108mm、横69mm、幅18mmのケース
に入れた。比重1.3の水酸化カリウム水溶液を電解質
として54cc加えた。
【0018】2気圧で作動する安全弁を取り付けたアク
リロニトリル−スチレン樹脂からなる封口板をケースに
エポキシ樹脂で接着した。その後正極端子、負極端子を
封口板にオーリングを介して圧接固定し、密閉電池とし
た。この本発明の電池を電池Aとする。
【0019】従来例の電池は、水酸化ニッケルと金属コ
バルト、水酸化コバルト、酸化亜鉛、金属コバルトを重
量比で100:8:6:3に秤量した粉末を良く混合し
た後、混合粉末20gに水を添加しペースト状にした。
電池Aと同様に横60mm、縦81mm、重量3.1gの発
泡ニッケル中に、このペーストを充填し乾燥後、厚み
1.74mmに圧縮し正極板とした。正極板の角にリード
としてのニッケル板をスポット溶接した。この正極板1
枚の理論放電容量は4.94Ahである。比較例の電池
はこの正極板を5枚用いて構成した。また負極は電池A
と同じ極板を用いた。他は発明の電池Aと同様に電池を
構成した。この従来例を電池Bとする。
【0020】また従来例の電池として正極の水酸化ニッ
ケルと金属コバルト、酸化亜鉛の重量比は本発明のAと
同じで、この混合粉20gを、予め同量の1gの人造黒
鉛と1gの結着剤としてのカルボキシメチルセルロース
に水を加えて作成したペースト中に加え、本発明のAと
同様に正極板を作り、電池Aと同じ負極板を用いて作っ
た電池をCとする。正極板1枚当りの理論放電容量は
5.21Ahである。
【0021】これらの電池を封口後、10時間率で15
時間充電し5時間率で電圧が1.0Vになるまで放電し
た。そしてこの充放電を繰り返した。
【0022】放電電流はA,Cの電池で5.21A、B
で4.94Aであった。(表1)にこの電池の正極利用
率と放電容量を示す。
【0023】
【表1】
【0024】(表1に)より、炭素繊維を導電剤に用い
ることにより、高価な水酸化コバルトを使用せず、良好
な放電特性が得られることがわかる。また従来のカーボ
ンを導電剤に使用する場合よりも良好である。
【0025】(実施例2)つぎに、結着剤および正極の
製造法について述べる。
【0026】正極を作成するために、まず、導電剤とし
てのアスペクト比5.2の炭素繊維1gに結着剤として
塩化ビニル成分が75モル%のポリ塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体1gを加え、溶媒としてブチルセソルブル
アセテートを加えペーストを作った。これとは別に水酸
化ニッケルと金属コバルト、酸化亜鉛を重量比で10
0:8:3に秤量した粉末を良く混合した。混合粉末2
0gを先のペーストに加えて混練したのち、横60mm、
縦81mm、重量3.1gの発泡ニッケル中に、このペー
ストを充填し45℃で乾燥後、厚み1.74mmに圧縮し
正極板とした。正極板の上部角にリードとしてのニッケ
ル板をスポット溶接した。このとき、正極板1枚の水酸
化ニッケル量は18.0gで理論放電容量は5.21A
hである。試験用電池にはこの正極板5枚用いた。実施
例1の電池Aと同じ負極を用い、同様な電池を構成し
た。この実施例2の電池をDとする。
【0027】電池Dと同様であるが結着剤として水ガラ
ス1号を使用して固形分である硅酸ナトリウムが1gに
なるようにし、水を加えてペーストを調製し、これに水
酸化ニッケルなどを加えて正極を作成した。この正極板
1枚の理論放電容量も5.21Ahである。電池Dと同
じ負極を用い、同様に電池を構成した。この電池をEと
する。
【0028】電池D,Eの正極とそれぞれ同じ成分、量
に調整し、ただ正極のペーストを作る際に、導電体剤、
結着剤、水酸化ニッケル、金属コバルト、酸化亜鉛、溶
媒を一度に加えて混練してペーストを作成し、このペー
ストを発泡ニッケル中に充填して正極を作成する。この
正極を用いた電池をそれぞれ比較例の電池F,Gとす
る。
【0029】さらに本実施例の比較例として、実施例1
の電池Aと同じ電池を作った。つまり炭素繊維を導電剤
に用い結着剤にカルボキシメチルセルロースを使用した
正極を使った電池である。この電池をHとする。
【0030】また従来例の電池として実施例1の従来例
Bと同じ電池を作った。この電池をIとする。
【0031】これらの電池を封口後、10時間率で15
時間充電し2時間率で電圧が1.0Vになるまで放電す
る初期充放電を5サイクル行った。その後20℃で2時
間率で3時間充電し、0.5時間率で端子間電圧が1V
になるまで放電する充放電サイクルを繰り返した。
【0032】放電電流はD,E,F,G,Hの電池で5
2.1A、Iで49.4Aであった。
【0033】(表2)にこれらの電池の正極利用率と放
電容量を示す。
【0034】
【表2】
【0035】(表2)の結果より、本実施例の電池D,
Eは従来例の電池Iに較べ、高価な水酸化コバルトを用
いなくてもより良好な高率放電特性が得られることがわ
かる。
【0036】また、従来の結着剤カルボキシメチルセル
ロースと本発明の炭素繊維を組み合わせたペーストより
構成した正極を用いた比較例の電池Hでは、実施例1と
異なる本実施例の高率放電で特性は悪いことがわかる。
図2に電池D,E,H,Iの放電曲線を示す。電池Hは
放電電圧が低く、導電剤と活物質の接触が不十分である
ことを示している。これは作用の項で述べたように結着
剤カルボキシメチルセルロースがアルカリ電解液を溶解
してしまったためと考えている。
【0037】さらに比較例の電池F,Gと本実施例の電
池D,Eの比較より、本実施例の製造法、つまり予めペ
ーストを作成しこれに活物質を加える方法の方が、作用
の項で述べた理由により良好な高率放電特性を得られる
ことがわかる。
【0038】(実施例3)つぎに、炭素繊維のアスペク
ト比について検討した。
【0039】アスペクト比の大きい炭素繊維を用いるほ
ど正極の嵩が増して、同じ重量のペーストを充填しても
1.74mmに圧縮できなくなる。そこで、各種アスペク
ト比を変えた炭素繊維を用いて、実施例2の電池Dの組
成になるようにペーストをつくり、同じ大きさの発泡ニ
ッケルに、同じ重量のペーストを充填し、1.74mmに
圧縮できるものは、そのまま1.74mmにして使用し
た。圧縮できないものについてはペースト重量を減らし
て充填し、1.74mmに圧縮できる最大量のペーストを
充填した。これらの正極を用いて実施例2の電池Dと同
じように電池を作成し、充放電を繰り返した後、同じよ
うに高率放電特性を調べた。
【0040】図2に、用いた炭素繊維のアスペクト比と
正極利用率、放電容量の関係を示す。アスペクト比が3
未満では、正極利用率が低く、10を越えると正極利用
率は高いが容量が低下する。これは、嵩が多角なり活物
質の充填量が低下するためである。この結果より、用い
る炭素繊維のアスペクト比は3から10が適当であるこ
とがわかる。
【0041】(実施例4)つぎに、炭素繊維の添加量に
ついて検討した。炭素繊維の添加量が大になると先の実
施例3と同じく、正極が嵩ばり、正極活物質の充填量が
低下する。
【0042】正極の作成するために、導電剤としてアス
ペクト比5.2の炭素繊維1gに結着剤として水ガラス
1号を使用して固形分である硅酸ナトリウムが1gにな
るようにし、水を加えてペーストを調製した。これとは
別に水酸化ニッケルと金属コバルト、酸化亜鉛を重量比
で100:8:3に秤量した粉末を良く混合した。混合
粉末20gを先のペーストに加えて混練したのち、横6
0mm、縦81mm、重量3.1gの発泡ニッケル中に、こ
のペーストを充填し45℃で乾燥後、厚み1.74mmに
圧縮し正極板とした。
【0043】なお、1.74mmに圧縮できないものにつ
いては、実施例3と同様にペースト量を減じて、1.7
4mmに圧縮できる最大量を充填した。この正極板を用い
て実施例3と同様に電池を構成し、10時間率で15時
間充電し5時間率で電圧が1.0Vになるまで放電し
た。そしてこの充放電を繰り返した。
【0044】図3に、正極活物質である水酸化ニッケル
100重量部に対する用いた炭素繊維の重量と正極利用
率、放電容量の関係を示す。
【0045】炭素繊維添加量が1重量部未満では、導電
剤としての量が不十分で利用率は低く、放電容量も小さ
い。10重量部を越えると利用率は高いが、放電容量が
低下するのは充電量が減少するためである。これより炭
素繊維の添加量は1重量部以上、10以下が適当と考え
られる。
【0046】またこの時に加える結着剤の重量としては
炭素繊維の量に比例して1から10重量部が適切であっ
た。結着剤としてポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
を用いるとき、その種類としては、その成分中に塩化ビ
ニルが95ないし60モル%の含むものが良好であっ
た。塩化ビニル成分が95%を越えると結着力が低下
し、より多くの結着剤量が必要となるからである。また
60%未満では、作成した正極板が柔らかくなりすぎ
て、電池を高温に置くと正極合剤が動流するので好まし
くない。
【0047】ペーストを作成するのに使う有機溶媒とし
ては、ブチルセルソルブアセテートやメチルエチルケト
ンなどのカルボニル化合物が良好であった。
【0048】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなように
本発明によれば、水酸化ニッケルを活物質とし、正極に
導電剤としてのアスペクト比が3〜10の炭素繊維を、
結着剤としてポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ま
たは水ガラスを使用することにより、アルカリ蓄電池の
正極に添加する水酸化コバルト量を大幅に減量すること
ができ低コスト化を図れるとともに高率放電特性が良好
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のアルカリ蓄電池の放電特性
を示す図
【図2】同炭素繊維のアスペクト比と正極利用率、放電
容量の関係を示す図
【図3】同炭素繊維の添加量と正極利用率、放電容量の
関係を示す図
【符号の説明】
D 本発明の電池 E 本発明の電池 H 比較例の電池 I 従来例の電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児守 克典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木村 忠雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可逆性を有する負極と、水酸化ニッケルを
    主体とする正極と、アルカリ水溶液を主体とする電解質
    を備え、前記正極の導電剤としてアスペクト比が3〜1
    0の炭素繊維を用いてなるアルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】可逆性を有する負極と、水酸化ニッケルを
    主体とする正極と、アルカリ水溶液を主体とする電解質
    を備え、前記正極の導電剤としてアスペクト比が3〜1
    0の炭素繊維と、結着剤としてポリ塩化ビニル−酢酸ビ
    ニル共重合体または水ガラスを用いてなるアルカリ蓄電
    池。
  3. 【請求項3】ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中の
    塩化ビニル含有率が95〜60モル%である請求項2記
    載のアルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】予め導電剤として炭素繊維を、結着剤とし
    てポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体または水ガラス
    を用いてペーストを作製し、前記ペーストに水酸化ニッ
    ケルを加え混合したペーストを活物質保持体に充填乾燥
    して正極を作製する請求項2記載のアルカリ蓄電池の製
    造法。
  5. 【請求項5】ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中の
    塩化ビニル含有率が95〜60モル%である請求項4記
    載のアルカリ蓄電池の製造法。
JP4114524A 1992-05-07 1992-05-07 アルカリ蓄電池およびその製造法 Pending JPH05314982A (ja)

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JP4114524A JPH05314982A (ja) 1992-05-07 1992-05-07 アルカリ蓄電池およびその製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110165173A (zh) * 2019-05-17 2019-08-23 华南理工大学 一种钠离子电池柔性过渡金属硫化物负极材料的制备方法

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CN110165173B (zh) * 2019-05-17 2022-03-29 华南理工大学 一种钠离子电池柔性过渡金属硫化物负极材料的制备方法

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