JPH05314716A

JPH05314716A - テープカセット

Info

Publication number: JPH05314716A
Application number: JP14502892A
Authority: JP
Inventors: Keisuke Hashimoto; 圭介橋本
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1992-05-12
Filing date: 1992-05-12
Publication date: 1993-11-26

Abstract

(57)【要約】【目的】内外２重構造の蓋を有するテープカセットに
おいて、外蓋の開蓋高さを小さくしながら、カセット本
体の開放量を十分に大きくとれるようにすること。【構成】内蓋を上内蓋１６と下内蓋１７との２つに
分割し、外蓋４と一緒に上内蓋１６を上方に引き上げる
際、下内蓋１７を上内蓋１６とほぼ同じ高さまで回転さ
せて引き上げることができるようにしたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオカセット
に適用するのに最適な内外２重構造の蓋を有するテープ
カセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図６に示すようなビデオカセ
ットがある。これは、カセット本体１の磁気テープ２が
パスされている前面開口３を１重構造の外蓋４で開閉す
るようにしたものである。そして、外蓋４の左右両側板
４ａを一対の支点ピン５によってカセット本体１の左右
両側壁１ａの外側に回転自在に取り付けて、外蓋４を上
下方向である矢印ａ、ａ′方向に回転して前面開口３を
開閉するようにしたものである。なお、磁気テープ２は
前面開口３外に２点鎖線で示すように引き出される。

【０００３】このビデオカセットは、外蓋４の回転角が
小さくても、前面開口３を十分に開放できるので、外蓋
４の開蓋高さＨ₁ を小さくしながら、前面開口３の開放
量Ｈ₂ を十分に大きくとることができる反面、内蓋を有
していないので、磁気テープ２の密封性が悪く、カセッ
ト本体１の底面開口６から侵入した塵埃等が磁気テープ
２に付着し易い等、防塵効果が低かった。

【０００４】そこで、従来から、図７に示すような防塵
効果を高くしたビデオカセットがある。これは、外蓋４
の内側に内蓋７を左右一対の連結ピン８を介して回転自
在に取り付け、内蓋７の後側の左右両端に設けた左右一
対のガイドピン９をカセット本体１の左右一対の内壁１
ｂの内側に形成した左右一対のガイド溝１０によって案
内するようにしたものである。そして、外蓋４を支点ピ
ン５を中心に上下方向である矢印ａ、ａ′方向に回転す
る際、内蓋６のガイドピン９をガイド溝１０によって案
内しながら、内蓋６を外蓋４と一緒に矢印ａ、ａ′方向
に移動させるようにして、前面開口３を開閉するように
したものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】図７に示す従来のビデ
オカセットは、前面開口３の閉蓋時に、外蓋４と内蓋７
との内外２重構造によって、磁気テープ２を内外から密
封することができるので、密封性が良く、防塵効果が高
い。しかし、外蓋４の回転角を大きくとらないと、内蓋
７を十分な高さまで引き上げることができないために、
前面開口３の開放量Ｈ₂ を図７のビデオカセットと同等
にとろうとすると、外蓋４の開蓋高さＨ₁を図７のビデ
オカセットより相当大きくとらなければならないと言う
問題があった。

【０００６】なお、外蓋４の開蓋高さＨ₁ によってＶＴ
Ｒ内でのビデオカセットの占有スペースが制約されるた
め、この開蓋高さＨ₁ が大きくなると、ＶＴＲの小型化
が阻害される不都合がある。

【０００７】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであって、内外２重構造の蓋を有するテープ
カセットにおいて、外蓋の開蓋高さを小さくしながら、
カセット本体の開放量を十分に大きくとれるようにする
ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のテープカセットは、カセット本体に上下に
回転自在に取り付けられた外蓋と、上記外蓋の内側に形
成された上内蓋と、上記上内蓋の下端回転自在に取り付
けられて、上記外蓋の上下の回転に同期して上内蓋に対
して上下に回転される下内蓋とを備えたものである。こ
の際、上記カセット本体にラックを設け、上記下内蓋に
上記ラックによって回転駆動される駆動ピニオンを設
け、上記駆動ピニオンによって上記下内蓋と一体に回転
される従動ピニオンを上記下内蓋に設けるのが好まし
い。また、上記外蓋の上方への回転時に、上記下内蓋を
上記上内蓋に対して磁気テープから離間される方向に回
転されるのが好ましい。また、上記ラック、駆動ピニオ
ン及び従動ピニオンをそれぞれ上内蓋及び下内蓋の長手
方向の両側に配置するのが好ましい。また、上記カセッ
ト本体に摩擦駆動面を設け、上記上内蓋に上記摩擦駆動
面によって回転駆動される摩擦駆動ローラを設け、上記
摩擦駆動ローラによって上記下内蓋と一体に回転される
摩擦従動ローラを下内蓋に設けたものであっても良い。

【０００９】

【作用】上記のように構成された本発明のテープカセッ
トは、内外２重構造の蓋を有するテープカセットにおい
て、内蓋を上内蓋と下内蓋との２つに分割し、外蓋と一
緒に上内蓋を上方に引き上げる際、下内蓋を上内蓋とほ
ぼ同じ高さまで回転させて引き上げることができるの
で、外蓋の回転角を小さくしても、上内蓋及び下内蓋を
十分な高さまで引き上げることができる。この際、外蓋
の上下回転時に、カセット本体に設けたラックで上内蓋
に設けた駆動ピニオンを回転駆動し、その駆動ピニオン
で下内蓋に設けた従動ピニオンを下内蓋と一体に回転さ
せるのが好ましい。また、外蓋を上方に回転させる際
に、下内蓋を上内蓋に対して磁気テープから離間させる
方向に回転するのが好ましい。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を適用したビデオカセットの一
実施例を図１〜図５を参照して説明する。なお、図７と
同一構造部には同一の符号を付して説明の重複を省く。

【００１１】まず、図５に示すように、カセット本体１
の内部には左右一対のリール１２、１３が回転自在に収
納されていて、これらのリール１２、１３に巻装された
磁気テープ２が左右各一対のテープガイド１４、１５に
よって案内されて前面開口３を左右に横断するように配
置されている。そして、カセット本体１の前面開口３に
連続して形成された底面開口６の左右両端に左右一対の
内壁１ｂが一体成形されている。

【００１２】そして、図１〜図５に示すように、外蓋４
は垂直な前面板４ｂと水平な上面板４ｃとによって断面
形状がほぼＬ型に形成されている。そして、外蓋４の左
右両端に直角状に一体成形された左右両側板４ａの内側
に左右一対の支点ピン５が同一軸線状で水平に一体成形
されている。そして、外蓋４はこれら左右一対の支点ピ
ン５によってカセット本体１の左右両側壁１ａの外側に
回転自在に取り付けられていて、この外蓋４は、図１の
（Ｂ）に示すように、前面開口３の磁気テープ２の外側
及び上側を閉塞する閉位置と、図１の（Ａ）に示すよう
に前面開口３の上方に開放された開位置との間で支点ピ
ン５を中心に上下方向である矢印ａ、ａ′方向に回転自
在に構成されている。

【００１３】次に、図１〜図５に示すように、カセット
本体１の左右一対の内壁１ｂの間で、磁気テープ２より
内側の位置に外蓋４の上面板４ｃの下面に垂直状に一体
成形された上内蓋１６と、その下部に配置された下内蓋
１７とが外蓋４の前面板４ｂとほぼ平行に配置されてい
る。

【００１４】そして、上内蓋１６の後面（図１で右側の
面）の下端で長手方向の両端である左右両端に左右一対
の突起１８及び切欠き１９が一体成形されている。そし
て、これら左右一対の切欠き１９内の上側に配置された
左右一対の駆動ピニオン２０がそれぞれ左右一対の支軸
２１を介して左右一対の突起１８の上端側の内側に同一
軸線状で水平に回転自在に取り付けられている。

【００１５】そして、下内蓋１７の左右両端の上端に同
一軸線状で水平に一体成形された左右一対の連結ピン２
２が左右一対の突起１８の下端側に回転自在に連結され
ている。そして、これら左右一対の連結ピン２２と同一
軸線状で下内蓋１７の左右両端の上端に一体成形された
左右一対の従動ピニオン２３が、左右一対の駆動ピニオ
ン２０に噛合されている。

【００１６】そして、左右一対のラック２４が左右一対
の内壁１ｂの内側にこれらの内壁１ｂに対して直角状
で、かつ、左右一対の支点ピン５を中心とする円弧状に
一体成形されている。そして、左右一対の駆動ピニオン
２０が左右一対のラック２４に左右一対の駆動ピニオン
２０が噛合されている。なお、下内蓋１７の左右両端の
上部には、左右一対の突起１８及び駆動ピニオン２０に
対する逃げ用の左右一対の切欠き２５が形成されてい
る。また、外蓋４の上面板４ｃのほぼ中央部には上蓋２
６が左右一対の支点ピン２７を介して回転自在に取り付
けられている。

【００１７】次に、以上のように構成されたビデオカセ
ットの前面開口３の開閉動作を説明する。

【００１８】まず、図１及び図２の各（Ｂ）に示すよう
に、外蓋４を下方の閉位置まで矢印ａ′方向に回転させ
て、前面開口３を閉塞し、外蓋４の前面板４ｂ及び上面
板４ｃで磁気テープ２の外側及び上側を覆った時、上内
蓋１６及び下内蓋１７はほぼ垂直姿勢となっている。な
おこの時、下内蓋１７は左右一対の連結ピン２２を中心
に矢印ｂ′方向に回転されて、その下内蓋１７の下端縁
１７ａが外蓋４の前面板４ｂの下端縁４ｄに後方から当
接される。そして、外蓋４の前面板４ｂ及び上面板４ｃ
と上内蓋１６と下内蓋１７とによって磁気テープ２の前
後及び上下の全周が包み込まれるように完全に密封され
る。またこの時、上蓋２６は左右一対の内壁１ｂ上に水
平に乗り上げている。

【００１９】従って、磁気テープ２の防塵効果が高く、
磁気テープ２に塵埃等が付着しにくい。

【００２０】次に、図１及び図２の各（Ａ）に示すよう
に、外蓋４を上方の開位置まで矢印ａ方向に回転させ
て、前面開口３を開放すると、上内蓋１６が外蓋４と一
緒に上方である矢印ａ方向に引き上げられる。

【００２１】そして、上内蓋１６が外蓋４と一緒に矢印
ａ方向に引き上げられることにより、左右一対の駆動ピ
ニオン２０が左右一対の支軸２１を介して上内蓋１６と
一緒に矢印ａ方向に引き上げられる。

【００２２】するとこの時、左右一対の駆動ピニオン２
０は矢印ａ方向に引き上げられながら左右一対のラック
２４によって回転駆動されて支軸２０の周りで矢印ｃ方
向に自転する。

【００２３】すると、左右一対の駆動ピニオン２０によ
って左右一対の従動ピニオン２３が矢印ｂ方向に回転駆
動されて、その従動ピニオン２３と一体に下内蓋１７が
左右一対の連結ピン２２を中心に上内蓋１７に対して磁
気テープ２から離間される矢印ｂ方向に回転されて、こ
の下内蓋１７が上内蓋１６とほぼ同じ高さまで引き上げ
られる。

【００２４】そして、下内蓋１７の矢印ｂ方向の回転方
向は、この下内蓋１７が磁気テープ２から離間される方
向であるから、下内蓋１７によって磁気テープ２にダメ
ージを与えることは全くない。なおこの時、上蓋２６は
支点ピン２７の周りに外蓋４に対して矢印ｄ方向に回転
されながらカセット本体１の上面１ｃ上に乗り上げる。
そして、磁気テープ２の前後両側が完全開放される。

【００２５】なお、外蓋４を開位置から閉位置まで矢印
ａ′方向に回転する時には、上述した動作の逆動作とな
り、左右一対の駆動ピニオン２０が矢印ａ′方向に引き
上げられながら矢印ｂ′方向に自転駆動されるために、
下内蓋１７が上内蓋１６に対して連結ピン２２を中心に
矢印ｂ′方向に回転されて、下内蓋１７が上内蓋１６か
ら下方に引き出される。

【００２６】そして、外蓋４と一緒に上内蓋１６を矢印
ａ方向に引き上げる際、下内蓋１７を上内蓋１６とほぼ
同じ高さまで矢印ｂ方向に回転させて引き上げることが
できるので、外蓋４の回転角を小さくしても、上内蓋１
６及び下内蓋１７を十分な高さまで引き上げることがで
きる。

【００２７】従って、図１の（Ａ）に示すように、外蓋
４の開蓋高さＨ₁ を小さくしながら、前面開口３の開放
量Ｈ₂ を十分に大きくとることができる。

【００２８】以上、本発明の一実施例に付き述べたが、
本発明は上記の実施例に限定されることなく、本発明の
技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。例え
ば、上記の実施例で示した駆動ピニオン２０及び従動ピ
ニオン２３をゴムローラ等の摩擦駆動ローラ及び摩擦従
動ローラに形成し、ラック２４をゴム板の貼り付け等に
よって形成した摩擦駆動面に形成して、上内蓋１６の矢
印ａ、ａ′方向の上下動に伴い、摩擦駆動面で摩擦ロー
ラを回転駆動し、摩擦駆動ローラで摩擦従動ローラを介
して、下内蓋１７を上内蓋１６に対して矢印ｃ、ｃ′方
向に回転させるように構成しても良い。また、本発明は
ＶＴＲ用のビデオカセットに限定されることなく、各種
の記録再生装置に使用される各種のテープカセットに適
用可能である。

【００２９】

【発明の効果】以上のように構成された本発明のテープ
カセットは、次のような効果を奏する。

【００３０】内外２重構造の蓋を有するテープカセット
において、内蓋を上内蓋と下内蓋との２つに分割し、外
蓋と一緒に上内蓋を上方に引き上げる際、下内蓋を上内
蓋とほぼ同じ高さまで回転させて引き上げることができ
るようにして、外蓋の回転角を小さくしても、上内蓋及
び下内蓋を十分な高さまで引き上げることができるよう
にしたので、外蓋の開蓋高さを小さくしながら、カセッ
ト本体の開放量を十分に大きくとることができる。従っ
て、ＶＴＲ等の記録再生装置内でのテープカセットの占
有スペースを小さくできて、その記録再生装置の小型化
を促進できる。

【００３１】外蓋と、上内蓋及び下内蓋とからなる内外
２重構造の蓋は防塵効果が高く、磁気テープに塵埃等が
付着しにくい。

【００３２】外蓋の上下回転時に、カセット本体に設け
たラックで上内蓋に取り付けられた駆動ピニオンを回転
駆動し、その駆動ピニオンで下内蓋と一体の従動ピニオ
ンを回転駆動するようにすれば、外蓋の上下の回転に同
期して、下内蓋を上内蓋に対してスムーズに回転させる
ことができるので、蓋の開閉動作を軽快に行える。

【００３３】外蓋を上方に回転させる際、下内蓋を上内
蓋に対して磁気テープから離間させる方向に回転させる
ようにすれば、蓋の開閉時に下内蓋で磁気テープにダメ
ージを与える危険が全くなく、安全性及び信頼性が向上
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるビデオカセットの蓋の
開閉動作を説明する図４のＡ−Ａ矢視での断面側面図で
ある。

【図２】図４のＢ−Ｂ矢視での断面側面図である。

【図３】要部の水平断面平面図である。

【図４】上内蓋と下内蓋の一部切欠き斜視図である。

【図５】ビデオカセット全体の水平断面平面図である。

【図６】従来の１重構造の外蓋を有するテープカセット
の斜視図及び要部の断面側面図である。

【図７】従来の内外２重構造の蓋を有するテープカセッ
トの斜視図及び要部の断面側面図である。

【符号の説明】

１カセット本体２磁気テープ３前面開口４外蓋５支点ピン１６上内蓋１７下内蓋１８突起、１９切欠き２０駆動ピニオン２１支軸２２連結ピン２３従動ピニオン２４ラック

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カセット本体に上下に回転自在に取り付け
られた外蓋と、上記外蓋の内側に形成された上内蓋と、上記上内蓋の下端回転自在に取り付けられて、上記外蓋
の上下の回転に同期して上内蓋に対して上下に回転され
る下内蓋とを備えたテープカセット。
【請求項２】上記カセット本体にラックを設け、上記下
内蓋に上記ラックによって回転駆動される駆動ピニオン
を設け、上記駆動ピニオンによって上記下内蓋と一体に
回転される従動ピニオンを上記下内蓋に設けたことを特
徴とする請求項１記載のテープカセット。
【請求項３】上記外蓋の上方への回転時に、上記下内蓋
を上記上内蓋に対して磁気テープから離間される方向に
回転されることを特徴とする請求項１記載のテープカセ
ット。
【請求項４】上記ラック、駆動ピニオン及び従動ピニオ
ンをそれぞれ上内蓋及び下内蓋の長手方向の両側に配置
したことを特徴とする請求項２記載のテープカセット。
【請求項５】上記カセット本体に摩擦駆動面を設け、上
記上内蓋に上記摩擦駆動面によって回転駆動される摩擦
駆動ローラを設け、上記摩擦駆動ローラによって上記下
内蓋と一体に回転される摩擦従動ローラを下内蓋に設け
たことを特徴とする請求項１記載のテープカセット。