JPH05314432A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH05314432A
JPH05314432A JP14880792A JP14880792A JPH05314432A JP H05314432 A JPH05314432 A JP H05314432A JP 14880792 A JP14880792 A JP 14880792A JP 14880792 A JP14880792 A JP 14880792A JP H05314432 A JPH05314432 A JP H05314432A
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magnetoresistive effect
thin
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JP14880792A
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Masahiko Ando
正彦 安藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極層と上部シールド層との間の短絡を生じ
ることなく、上部絶縁層を下部絶縁層と同等に薄くで
き、ギャップ長の狭小化による高密度記録への対応を可
能とする。 【構成】 磁気抵抗効果素子層1の幅方向両側に夫々接
触する電極層 20a,20bを、作用領域TL を挾んで相対向
する第1の部分 21a,21bと、これらの非対向側に連設さ
れ、第1の部分 21a,21bよりも厚い第2の部分 22a,22b
とを備えた構成とする。このような磁気抵抗効果素子層
1及び電極層 20a,20bの上下に、上部絶縁層3及び下部
絶縁層4を夫々介して、上部シールド層5及び下部シー
ルド層6を積層し、これらの全てを、基板7上に形成さ
れた保護層8により被包する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク、磁気テ
ープ等の磁気記録媒体に記録された情報を磁気抵抗効果
を利用して読み取る磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッド、
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの外部記憶装置として広く
用いられている磁気ディスク装置等の磁気記録装置にお
いては、近年、高密度記録に対する要求が強まってお
り、これに伴って磁気記録媒体においては、記録トラッ
ク幅及び線記録幅が益々狭小化する傾向にあり、このよ
うな磁気記録媒体の記録情報を確実に読み取り得る再生
手段として、磁気抵抗効果( magnetoresistive effec
t )を利用した磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドが使用
されつつある。
【0003】図6は、従来の磁気抵抗効果型の薄膜磁気
ヘッドの正面図である。図示の如くこの薄膜磁気ヘッド
は、強い磁気抵抗効果を有する材料からなる磁気抵抗効
果素子層1の長さ方向両側に、導電性材料からなる電極
層2a,2bを夫々接触させ、これらの上下に各別の絶縁層
(上部絶縁層3及び下部絶縁層4)を介して各別の磁気
シールド層(上部シールド層5及び下部シールド層6)
を積層し、更に前記各層の全てを、基板7上に形成され
た保護層8中に被包せしめ、基板7及び保護層8の端面
に前記各層を露出させた構成となっている。
【0004】図7は、磁気抵抗効果素子層1と電極層2
a,2bとの位置関係を示す平面図である。本図に示す如
く磁気抵抗効果素子層1は、長さL、幅Wなる矩形の平
面形状を有し、また電極層2a,2bは、夫々の一端部を磁
気抵抗効果素子層1の長さ方向両側に接触させ、他側を
幅方向に延設した態様をなしており、この延設端に出力
を取り出す構成となっている。
【0005】以上の如く構成された薄膜磁気ヘッドは、
前記各層の露出面を磁気記録媒体の記録トラックに対向
させて用いられる。磁気抵抗効果は、強磁性体の電気抵
抗が周辺磁場の強弱に応じて増減する現象であり、強い
磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果素子層1において
は、対向する記録トラック上での磁場に応じて電気抵抗
が変化することになり、この抵抗変化を電極層2a,2bの
前記出力端において取り出すことにより記録情報の読み
取りが可能となる。このとき、磁気抵抗効果素子層1の
全長Lではなく、前記電極層2a,2bの相対向する端縁間
に挾まれた中央の領域が前記読み取りに関与する作用領
域TL となり、この作用領域Tw に整合された記録トラ
ックの記録情報が、前記作用領域TL の厚みに相当する
長さ範囲に亘って読み取られる。
【0006】なお、前記磁気抵抗効果素子層1は、Ni
Fe合金(パーマロイ)等の強磁性材料からなる薄膜
を、磁界中での蒸着等の適宜の成膜法により形成する
時、前記長さ方向を磁化容易軸とすべく、前記薄膜に一
軸磁気異方性を誘起させることにより得られる。また、
前記電極層2a,2bは、小さい膜厚(0.5μm程度)に
て十分な導電性を確保するため、Cu,Au等の高導電
性を有する金属により形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて以上の如く構成さ
れた磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドにおいては、前記
作用領域TL の長さが記録トラック上での読み取り幅
を、同じく作用領域TL の厚みが記録トラック上での読
み取り幅を夫々支配することから、前述した高密度記録
への対応を可能とするため、電極層2a,2bの対向端縁間
にて定まる作用領域TL の長さ及び厚みの狭小化が求め
られている。
【0008】前記作用領域TL の厚みは、磁気抵抗効果
素子層1の厚みと共に、これの両側に積層された上部絶
縁層3及び下部絶縁層4の厚みの影響を受け、図6に示
す如く、前記両絶縁層3,4の厚みが夫々g1 ,g2
ある場合、これらの和、即ち、(g1 +g2 )を磁気抵
抗効果素子層1の厚みに加えた寸法(ギャップ長)が、
記録トラック上での読み取り長さを決定することが知ら
れている。従って、高密度記録への対応のためには、磁
気抵抗効果素子層1を薄くする一方、両絶縁層3,4を
も薄くする必要があり、近年においては、両絶縁層3,
4の厚みg1 ,g2 を約0.2μm以下とすることが要
求されている。
【0009】前記両絶縁層3,4は、一般的に、SiO
2 ,Al2 3 等の絶縁材料をスパッタリングにより成
膜して得ており、図6に示す如く、平坦な下部シールド
層6上に成膜される下部絶縁層4の薄膜化は比較的容易
である。
【0010】ところが、磁気抵抗効果素子層1の作用領
域TL 及び電極層2a,2bからなる段差を有する面上での
成膜により得られる上部絶縁層3においては、図6の一
部拡大図である図8に示す如く、電極層2a(及び電極層
2b)の上側端縁の角部を覆う部分での厚みg3 が、段差
の上下、即ち電極層2a,2b上、及び磁気抵抗効果素子層
1の作用領域TL 上での厚みg1 よりも薄くなり、読み
取り長さに関与する厚みg1 を過度に薄くした場合、電
極層2a(及び電極層2b)の前記角部において、上部シー
ルド層5との間での電気的短絡が生じ、薄膜磁気ヘッド
において容認できない欠陥を招来するという問題があっ
た。
【0011】この問題は、上部絶縁層3の形成面におけ
る段差を小さくすること、即ち、電極層2a,2bを薄くす
ることにより改善されるが、電極層2a,2bの厚みは、こ
れらにおける導電性を確保するという面から制約され、
実際上、0.5μm程度は必要であって、電極層2a,2b
の厚みを低減することは難しい。また、図9に示す如
く、作用領域TL を挾んで相対向する電極層2a,2bの端
面を、夫々作用領域TLに向けて厚みを減じるテーパ面
とした構造も提案されている。この構造は、上部絶縁層
3の薄い部分をなくし、上部シールド層5との間の短絡
防止のためには有効であるが、特開昭64-35717号公報中
にも述べられている如く、電極層2a,2bの端面間の長さ
として定まる作用領域TL があいまいとなり、再生可能
なトラック幅を正確に決定できないという難点が生じ
る。
【0012】このような事情により従来の磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドにおいては、例えば、「IEEE Transac
tions on Magnetics,Vol.26,No.6,1990,pp.3010-30
15」に示されているように、上部絶縁層3を下部絶縁層
4よりも厚くすることが推奨されており、このことが高
密度記録への対応を阻害する1つの要因となっていた。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、上部シールド層との間の短絡を生じることな
く、上部絶縁層を下部絶縁層と同等に薄くでき、ギャッ
プ長の狭小化による高密度記録への対応が可能となる薄
膜磁気ヘッド、及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドは、所定長さを有して形成された磁気抵抗効果素子
層の長さ方向両側に一対の電極層を夫々接触させ、これ
らの上下に各別の絶縁層及び磁気シールド層を積層して
なり、前記磁気抵抗効果素子層の作用領域に生じる電気
抵抗の変化を利用して磁気記録情報の読み取りを行う磁
気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記一対の電
極層は、夫々との対向端縁を含む第1の部分と、これら
の非対向側に夫々連設され、第1の部分よりも厚い第2
の部分とを具備することを特徴とする。
【0015】更に加えて、前記第2の部分は、前記作用
領域に向けて厚みを減じ、前記第1の部分に連なる傾斜
部を備えること、及び、前記第2の部分上側の絶縁層
が、前記作用領域上側の絶縁層よりも厚いことを夫々特
徴とする。
【0016】また本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法は、前記磁気抵抗効果素子層の上部に導電性を有する
電極材料膜を成膜し、該電極材料膜を前記作用領域とな
すべき長さに亘って除去した後、この除去部分の両側に
残存する電極材料膜を、夫々所定長さに亘って適宜の厚
みだけ除去して前記第1の部分を得ることを特徴とし、
また、前記第1の部分及び前記磁気抵抗効果素子層の作
用領域の上部に第1の絶縁膜を成膜し、これよりも厚い
第2の絶縁膜を前記第2の部分の上部に成膜して、前記
第2の部分上側において、前記作用領域上側におけるよ
りも厚い絶縁層を得ることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、磁気抵抗効果素子層上の電
極層を、夫々の対向端縁側の第1の部分の他側にこれよ
りも厚い第2の部分を連設した構成とし、磁気抵抗効果
素子層と第1の部分との間、第1の部分と第2の部分と
の間に夫々形成される段差を小さくし、これらの段差の
角部における上部絶縁層が薄くなることを防ぎ、上部シ
ールド層との間の短絡の虞れなく可及的に薄い上部絶縁
層を実現する。
【0018】また、第2の部分の第1の部分との連設側
に、作用領域に向けて厚みを減じる傾斜部を設け、第1
の部分と第2の部分との間の段差角部において上部絶縁
層が薄くなることを防ぐ。このとき作用領域の長さは、
両電極層夫々の第1の部分の端縁間の距離により定ま
り、あいまいになることはない。更に、第2の部分上側
の絶縁層と作用領域上側の絶縁層とを別工程により形成
し、ギャップ長に影響を及ぼさない前者を後者よりも厚
くし、上部シールド層との間の短絡の虞れをより確実に
解消する。
【0019】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明の第1発明に係る磁気抵抗
効果型薄膜磁気ヘッドの正面図である。この薄膜磁気ヘ
ッドの基本構成は、従来のそれと同様であり、磁気抵抗
効果素子層1の長さ方向両側に電極層 20a,20bを夫々接
触させ、これらの上下に、上部絶縁層3及び下部絶縁層
4を夫々介して、上部シールド層5及び下部シールド層
6を積層し、更にこれら各層の全てを、基板7上に形成
された保護層8中に被包せしめ、基板7及び保護層8の
端面に前記各層を露出させた構成となっている。
【0020】前記電極層 20a,20bは、磁気抵抗効果素子
層1の長さ方向に所定長離隔して対向させて設けてあ
り、両者間に読み取りのための作用領域TL を形成する
が、一様な厚みを有する従来の電極層2a,2bとは異な
り、夫々の対向側、即ち作用領域TL 側に所定の長さを
有して第1の部分 21a,21bを備えると共に、これらの他
側に連設され、これらよりも厚い第2の部分 22a,22bを
備えた構成となっている。
【0021】以上の如き構成の薄膜磁気ヘッドは、以下
に述べる手順により得られる。まずAl2 3 −TiC
(アルチック)からなる基板7上に、Al2 3 ,Si
2等の絶縁材料のスパッタリングにより所定厚みの絶
縁膜を形成し、この絶縁膜上に、NiFe合金(パーマ
ロイ)からなる下部シールド層6を、同じくスパッタリ
ングにより1μmの厚みを有して形成する。
【0022】次に、SiO2 ,Al2 3 等の絶縁材料
のスパッタリングにより、前記下部シールド層6上に、
0.15μmの厚みを有して下部絶縁層4を形成し、更
にこれの上部に、NiFe合金、NiCo合金等の強磁
性材料からなる磁気抵抗効果膜(0.05μm)、Ti
等からなる非磁性膜(0.02μm)、及びCoZr系
の非晶質合金からなる軟磁性膜(0.03μm)を、磁
界中での連続蒸着により順次形成する。これらの各膜に
より、0.1μmなる厚みを有して磁気抵抗効果素子層
1が形成される。
【0023】下部絶縁層4と磁気抵抗効果素子層1と
は、夫々の成膜後、フォトリソグラフィー法と、イオン
ミリング又はリアクティブイオンエッチング等のドライ
エッチング法とを利用して、所定の平面形状を有して形
成されており、磁気抵抗効果素子層1は、例えば、図7
における長さLが50μm、幅Wが5μmである細長い矩
形状をなして形成される。また磁気抵抗効果素子層1
は、前記形成に際し、長さ方向を磁化容易軸とすべく、
前記磁気抵抗効果膜に一軸磁気異方性を誘起させて完成
する。
【0024】次にこの磁気抵抗効果素子層1の上部に、
前述した構成をなす電極層 20a,20bを形成する。図2
は、電極層 20a,20bの形成手順を示す説明図である。ま
ず前述の如く形成された磁気抵抗効果素子層1の全面に
おいて、電極層 20a,20bの材料となる高導電性を有する
金属、例えば、銅(Cu)のスパッタリングを実施し、
図2(a)に示す如く、厚み0.5μmの導電膜10を成
膜する。
【0025】次いで、導電膜10の表面にレジスト材を塗
布してプリベークしてレジスト膜11を形成し、該レジス
ト膜11を、これの上部に位置決めした図示しないフォト
マスクを介して露光し、更に現像するフォトリソグラフ
ィー法により、磁気抵抗効果素子層1の作用領域TL
なすべき部分を除く導電膜10上に、図2(b)に実線に
て示す如くレジスト膜11を残す。レジスト膜11の除去長
さは、8μmとした。
【0026】そしてこの状態で、イオンミリング又はリ
アクティブイオンエッチング等のドライエッチングを、
厳密な時間管理のもとで実施し、レジスト膜11により覆
われていない部分の導電膜10を、磁気抵抗効果素子層1
の表面に至るまで完全に除去して、更に前記レジスト膜
11を、適宜の有機溶剤を用いて除去する。これにより磁
気抵抗効果素子層1上には、図2(c)に示す如く、作
用領域TL を挾んで相対向する態様にて、均一厚み
(0.5μm)を有する導電膜 10a,10bが残る。
【0027】その後、図2(b)におけると同様のフォ
トリソグラフィー法を実施し、図2(d)に示す如く、
磁気抵抗効果素子層1の露出部(作用領域TL )、及び
この作用領域側の所定長さの部分を除く導電膜 10a,10b
上にレジスト膜12を形成し、次いで、この状態でのドラ
イエッチングを厳密な時間管理のもとで実施して、導電
膜 10a,10bの露出部を所定厚み(0.3μm)だけ除去
し、更に前記レジスト膜12を、適宜の有機溶剤を用いて
除去する。
【0028】以上の如き導電膜 10a,10bの部分除去が行
われた後の磁気抵抗効果素子層1上には、前記作用領域
L を挾んで厚み0.2μmの導電膜が、これらの外側
に厚み0.5μmの導電膜が夫々残ることになり、前者
を第1の部分 21a,21bとし、後者が第2の部分 22a,22b
として夫々有する電極層 20a,20bが、図2(e)に示す
如く得られる。
【0029】このようにして電極層 20a,20bを形成した
後、これらの上部及び磁気抵抗効果素子層1の作用領域
L の上部に、SiO2 ,Al2 3 等の絶縁材料のス
パッタリングにより、0.15μmの厚みを有して上部
絶縁層3を形成し、この上部絶縁層3上に、NiFe合
金(パーマロイ)からなる上部シールド層5を、同じく
スパッタリングにより1μmの厚みを有して形成し、最
後にこれらの上部全体を、Al2 3 ,SiO2 等の絶
縁材料のスパッタリングにより形成された絶縁膜にて被
覆し、基板7上に先に形成された絶縁膜とにより保護層
8を構成して、図1に示す薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0030】以上の如く構成された本発明に係る薄膜磁
気ヘッドにおいては、作用領域TLの両側には、第1の
部分 21a,21bによる高さ0.2μmの段差が、また第1
の部分 21a,21bと第2の部分 22a,22bとの連設部には、
両部分の厚みの差に相当する0.3μmの段差が生じる
のみであり、これらの段差上縁の角部において、前述し
た如く形成される上部絶縁層3の厚みの低減程度が小さ
くなり、前述した如く上部絶縁層3の厚みを0.15μ
mとした場合においても、電極層 20a,20bと上部シール
ド層5との間に短絡が生じないことが確かめられた。ま
た、十分な厚みを有する第2の部分 22a,22bの存在によ
り、電極層 20a,20bの導電性は確保される。
【0031】図3は、本発明の第2発明に係る磁気抵抗
効果型薄膜磁気ヘッドの正面図である。図示の如く、こ
の薄膜磁気ヘッドもまた、磁気抵抗効果素子層1の作用
領域TL を挾んで対向する端縁を有する第1の部分 31
a,31bと、これらの他側に連設され、これらよりも厚い
第2の部分 32a,32bとからなる電極層 30a,30bを備える
ことを特徴としており、更に加えて、第2の部分 32a,3
2bの第1の部分 31a,31bとの連設側に、作用領域TL
向けて厚みを減じる傾斜部 33a,33bを備えることを特徴
とする。
【0032】即ちこの薄膜磁気ヘッドにおいては、第2
の部分 32a,32bの上縁の角部がなだらかとなり、この角
部における上部絶縁層3の厚みの低減程度が、図1に示
す薄膜磁気ヘッドよりも更に小さくなり、電極層 30a,3
0bと上部シールド層5との間の電気的短絡の危険性が低
くなる。なおこの場合、作用領域TL の長さは、第1の
部分 31a,31bの対向端縁間の離隔長さであり、前記傾斜
部 33a,33bの形成が作用領域TL に影響を及ぼすことは
ないから、再生可能なトラック幅は正確に決定できる。
【0033】以上の如き傾斜部 33a,33bは、図2に示す
手順を同様に実施した後、作用領域TL 上、第1の部分
31a,31b上、及び前記傾斜部 33a,33bとなすべき範囲を
除く第2の部分 32a,32b上をレジスト膜にて覆い、レジ
スト膜の膜厚及びミリング角度等を最適化した後、適宜
時間のドライエッチングを実施することにより得られ
る。
【0034】図4は、本発明の第3発明に係る磁気抵抗
効果型薄膜磁気ヘッドの正面図である。図示の如く、こ
の薄膜磁気ヘッドもまた、磁気抵抗効果素子層1の作用
領域TL を挾んで対向する端縁を有する第1の部分 41
a,41bと、これらの他側に連設され、これらよりも厚い
第2の部分 42a,42bとからなる電極層 40a,40bを備える
ことを特徴としており、更に加えて、電極層 40a,40b及
び磁気抵抗効果素子層1の作用領域TL を覆う態様にて
形成された上部絶縁層3が、作用領域TL の上側を覆う
中央領域3aと、電極層 40a,40bの第2の部分 42a,42bの
上側を夫々覆い、前記中央領域3aよりも厚い非中央領域
3bとを備えることを特徴とする。
【0035】即ちこの薄膜磁気ヘッドにおいては、第2
の部分 42a,42bの上縁の角部が大なる厚みを有する非中
央領域3bにより覆われることから、電極層 40a,40bと上
部シールド層5との間の電気的短絡の危険性が極めて低
い上、磁気抵抗効果素子層1の作用領域TL は、薄い中
央領域3aにより覆われることから、ギャップ長を可及的
に小さくすることができ、高密度記録への対応が可能と
なる。
【0036】前述の如く相互に厚みが異なる中央領域3a
及び非中央領域3bを備えた上部絶縁層3は、図5に示す
手順により形成される。前記図2に示す手順により、第
1の部分 41a,41bと第2の部分 42a,42bとを備えた電極
層 40a,40bを得た後、まず図5(a)に示す如く、第2
の部分 42a,42bの上部を覆うレジスト膜13を形成し、こ
の状態でSiO2 ,Al2 3 等の絶縁材料のスパッタ
リングを実施し、前記レジスト膜13により覆われていな
い部分、即ち、磁気抵抗効果素子層1の作用領域T
L 上、及び前記第1の部分 41a,41b上に、厚み0.15
μmの絶縁膜14を成膜する。
【0037】次に、適宜の有機溶剤によりレジスト膜13
を除去し、図5(b)に示す如く、少なくとも作用領域
L の上部全体を覆うレジスト膜15を形成し、この後、
SiO2 ,Al2 3 等の絶縁材料のスパッタリングを
実施し、レジスト膜15により覆われていない部分、即
ち、少なくとも電極層 40a,40bの第2の部分 42a,42bの
上部全体を含む範囲に、厚み0.50μmの絶縁膜16を
成膜する。
【0038】最後に、適宜の有機溶剤によりレジスト膜
15を除去すると、絶縁膜14からなる厚み0.15μmの
中央領域3aを作用領域TL の上側に、また絶縁膜16から
なる厚み0.50μmの非中央領域3bを作用領域TL
上側に夫々備えた上部絶縁層3が、図5(c)に示す如
く得られる。
【0039】なお以上の実施例においては、電極層 20
a,20b、 30a,30b及び 40a,40bの形成における不要部の
除去に際してドライエッチングを用いたが、湿式による
エッチングを採用してもよい。また各層の形成のための
成膜方法としては、実施例中に示すスパッタリング、蒸
着に限らず、他の成膜方法を採用してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る薄膜磁気
ヘッドにおいては、磁気抵抗効果素子層の作用領域を挾
んで対向する第1の部分と、これらよりも厚く、夫々の
非対向側に連設された第2の部分とを備えて電極層を構
成したから、磁気抵抗効果素子層及び電極層を覆う上部
絶縁層が電極層の角部において薄くなる問題を有効に解
消でき、作用領域を覆う上部絶縁層を薄くでき、ギャッ
プ長の狭小化が達成されて、高密度記録への対応が可能
となる。
【0041】また第2の部分の第1の部分との連設側に
作用領域に向けて厚みを減じる傾斜部を設けたから、第
2の部分の端縁の角部がなめらかとなり、この角部での
上部絶縁層の厚み確保が十分になされる一方、第1の部
分により作用領域が決定されることから、再生可能なト
ラック幅の正確な決定を可能としたまま、ギャップ長の
更なる狭小化が達成される。
【0042】更に、作用領域上側の上部絶縁層の厚み
と、第2の部分上側の上部絶縁層厚みとを異ならせ、後
者を前者よりも厚くしたから、第2の部分の上縁角部に
おける電気的短絡の危険性を有効に回避できると共に、
ギャップ長の十分な狭小化が達成できる等、本発明は優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明に係る薄膜磁気ヘッドの正面
図である。
【図2】本発明の第1発明に係る薄膜磁気ヘッドにおけ
る電極層の形成手順の説明図である。
【図3】本発明の第2発明に係る薄膜磁気ヘッドの正面
図である。
【図4】本発明の第3発明に係る薄膜磁気ヘッドの正面
図である。
【図5】本発明の第3発明に係る薄膜磁気ヘッドにおけ
る電極層の形成手順の説明図である。
【図6】従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの正面図
である。
【図7】磁気抵抗効果素子層と電極層との位置関係を示
す平面図である。
【図8】図6の一部拡大図である。
【図9】上部絶縁層の薄肉化の解消を図った従来の磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの正面図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果素子層 3 上部絶縁層 3a 中央領域 3b 非中央領域 4 下部絶縁層 5 上部シールド層 6 下部シールド層 7 基板 8 保護膜 20a,20b 電極層 21a,21b 第1の部分 22a,22b 第2の部分 30a,30b 電極層 31a,31b 第1の部分 32a,32b 第2の部分 40a,40b 電極層 41a,41b 第1の部分 42a,42b 第2の部分 TL 作用領域 L 磁気抵抗効果素子層の長さ W 磁気抵抗効果素子層の幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長さを有して形成された磁気抵抗効
    果素子層の長さ方向両側に一対の電極層を夫々接触さ
    せ、これらの上下に各別の絶縁層及び磁気シールド層を
    積層してなり、前記磁気抵抗効果素子層の作用領域に生
    じる電気抵抗の変化を利用して磁気記録情報の読み取り
    を行う磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
    一対の電極層は、夫々との対向端縁を含む第1の部分
    と、これらの非対向側に夫々連設され、第1の部分より
    も厚い第2の部分とを具備することを特徴とする薄膜磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2の部分は、前記作用領域に向け
    て厚みを減じ、前記第1の部分に連なる傾斜部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2の部分上側の絶縁層が、前記作
    用領域上側の絶縁層よりも厚いことを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁気抵抗効果素子層の上部に導電性
    を有する電極材料膜を成膜し、該電極材料膜を前記作用
    領域となすべき長さに亘って除去した後、該除去部分の
    両側に残存する電極材料膜を、夫々所定長さに亘って適
    宜の厚みだけ除去して前記第1の部分を得ることを特徴
    とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の部分及び前記磁気抵抗効果素
    子層の作用領域の上部に第1の絶縁膜を成膜し、該第1
    の絶縁膜よりも厚い第2の絶縁膜を前記第2の部分の上
    部に成膜することを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5946167A (en) * 1996-03-15 1999-08-31 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive sensor having lead and/or bias layer structure contributing to a narrow gap

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