JPH05312791A - 超音波測定装置 - Google Patents

超音波測定装置

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JPH05312791A
JPH05312791A JP4118915A JP11891592A JPH05312791A JP H05312791 A JPH05312791 A JP H05312791A JP 4118915 A JP4118915 A JP 4118915A JP 11891592 A JP11891592 A JP 11891592A JP H05312791 A JPH05312791 A JP H05312791A
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JP
Japan
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wave
ultrasonic
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Withdrawn
Application number
JP4118915A
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English (en)
Inventor
Tomio Endo
富男 遠藤
Mitsugi Sakai
貢 酒井
Kazumi Abe
千幹 阿部
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はカプラ液体の温度変化を高精度に測定
し、音速測定値の高精度化を図る。 【構成】本発明は、高周波バースト波を超音波に変換
し、該超音波を音響レンズ6で集束させて試料9に送波
し、該試料9からの反射波を受信信号に変換して取込
み、試料の弾性的性質を測定するものにおいて、受信信
号を位相検波する位相検波手段14と、この位相検波手
段14から出力される位相検波信号に基づいて前記受信
信号の位相情報を検出する手段16と、この手段16で
検出された位相情報が示す前記受信信号の位相変化から
超音波伝播媒体7の音速変化を検出する音速変化検出手
段21とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の微小部分の弾性
的性質を超音波を利用して測定する超音波測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、音響レンズで集束させた超音
波を試料に入射すると共に該試料からの反射波を受波
し、その受波信号から超音波画像を作成する超音波顕微
鏡がある。この超音波顕微鏡において、試料の微小部分
の弾性的性質を測定する方法としてV(Z) 曲線法が知ら
れている。図5に従来の超音波顕微鏡の構成を示す。
【0003】同図に示す超音波顕微鏡は、バースト波信
号を発生させる送信部41と超音波送受信部とを備えて
いる。超音波送受信部は、サーキュレータ42と、圧電
トランスデューサ43と、音響レンズ44とから構成さ
れている。
【0004】上記超音波送受信部は、送信部41からの
バースト波信号がサーキュレータ42を介して圧電トラ
ンスデューサ43へ印加されて超音波に変換される。そ
の超音波が音響レンズ44で微小スポットに集束されて
試料45に入射する。そして試料45から音響レンズ4
4に入射する反射波を受波して圧電トランスデューサ4
3で受信信号に変換し、その受信信号をサーキュレータ
42を介して前置増幅器46へ出力している。
【0005】同図において、試料45は水槽47内に載
置されており、超音波を音響レンズ44と試料45との
間で伝播させるためのカプラ液体48が水槽47に満た
されている。また音響レンズ44は、Z走査部49によ
って垂直方向(Z方向)に移動可能になっており、その
移動距離はZ測距部50で測定される。
【0006】一方、超音波送受信部より出力され前置増
幅器46で増幅された受信信号は、ゲート部51により
必要な信号が抽出され、ピーク検波部52でピーク検波
される。ピーク検波部52は受信信号のピーク値をホー
ルドし、その出力はA/D変換部53によりデジタル信
号に変換された後、メモリ54に格納される。上記メモ
リ54に格納されたデータはCPU55によって表示部
56に表示可能となっている。また、送信部41,ゲー
ト部51,A/D変換部53,メモリ54等は制御部5
7によって動作を制御されている。このように構成され
た超音波顕微鏡の動作を図6のタイムチャートを参照し
て説明する。
【0007】まずCPU55から制御部57にトリガが
出力されると、制御部57は図6(a)のように送信ト
リガを送信部41に出力する。送信部41は図6(b)
に示すようなタイミングで数百MHz〜数GHzの周波
数の数十周期の高周波バースト波を発生する。発生した
送信バースト波は、サーキュレータ42を通って圧電ト
ランスデューサ43で超音波に変換される。この超音波
が音響レンズ44によりカプラ液体48の中で微小スポ
ットに集束されて水槽47に載置された試料45に入射
する。
【0008】試料45に入射した超音波は試料45で反
射され再びカプラ液体48、音響レンズ44を通り圧電
トランスデューサ43で電気的な受信信号に変換され
る。サーキュレータ42を通り前置増幅器46で増幅さ
れた受信信号は、図6(c)に示すように送信漏れ、レ
ンズ第1反射、試料反射、レンズ第2反射等を含んでい
る。そこで図6(d)に示すように、制御部57から試
料反射のみを取り出すようなタイミングのゲート信号を
ゲート部51に入力してゲートをあけ、必要な反射信号
のみを抽出する。
【0009】このように抽出された反射信号は、ピーク
検波部52によって図6(e)に示すようにピークホー
ルドされA/D変換部53でデジタル信号に変換されて
メモリ54に記録される。
【0010】一方、Z走査部49により音響レンズ44
と試料45との間の距離を順次変化させ、そのときZ測
距部50から出力される相対移動距離をCPU55で読
み込む。また同時に各Z位置毎にCPU55から制御部
57にトリガを送出して前記動作を試料面上の一点に対
して行ない、音響レンズ44と試料45との各Z距離
と、各Z距離での反射波信号の信号値Vとの関係を示す
V(Z) 曲線が得られる。V(Z) 曲線の一例を図7に示
す。このようにV(Z) 曲線は一定の周期ΔZで強弱をく
り返すので、得られたV(Z) 曲線をCPU55で高速フ
ーリエ変換(FFT処理)し、そのパワースペクトラム
のピークからV(z) 曲線のピークとピークの周期ΔZを
知ることができる。ΔZと弾性表面波VSAW の間には次
の関係がある。 VSAW =VW /{1−(1−VW /2ΔZf)2 1/2 (1) ただし、VW はカプラ液体の音速、fは超音波の周波数
である。f,VW が既知であればΔZから表面波音速V
SAW を計算できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような超音波顕微鏡で測定されるV(Z) 曲線を用いて弾
性表面波の音速測定を行う場合には次のような欠点があ
った。
【0012】(1)式が示すように、弾性表面波の音速
SAW の計算にはΔZの他に周波数fとカプラ液体の音
速VW を必要とする。このうち超音波の周波数fは例え
ば送信部41に基準発振器として水晶発振子等を使用す
れば0.01%以下の安定度で周波数を設定可能であ
る。
【0013】一方、カプラの音速VW はカプラの温度に
よって変化する。例えば、カプラ液体として最も頻繁に
使用されている水では下表のように温度によって水の音
速が変化する。
【0014】
【表1】 従来は、水槽内のカプラ液体の温度を熱電対等で測定
し、その測定温度から計算により間接的に音速を求めて
いた。
【0015】しかし、カプラ液体は、外部の環境(空気
の温度や風等)で温度が変化する。例えば、外部からカ
プラ液体を水槽に入れた時はカプラの温度が安定するま
で放置してからV(Z) 測定を行なわないと、V(Z) 測定
中にカプラの音速が変化し、測定の始めと終わりではΔ
Zが変化することになる。カプラの温度が安定したかど
うかは前に述べた熱電対等を使用しているが、上記した
表にように水では5℃で1%も変化するために非常に高
い感度で温度の変化を測定する必要がある。さらに、こ
の方法では音響レンズと試料の間の数百μmの温度の安
定性を直接測定できない。
【0016】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
音響レンズと試料の間のカプラ液体の温度の安定度を高
い感度で直接測定でき、信頼性の高い音速測定を実現で
きる超音波測定装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の超音波測定装置は、高周波バースト波を発
生させる手段と、この手段で発生させた高周波バースト
波を超音波に変換し、該超音波を音響レンズで集束させ
て試料に送波し、該試料から前記音響レンズに入射する
反射波を電気的な受信信号に変換して出力する超音波送
受信手段と、この超音波送受信手段から出力される受信
信号を位相検波する位相検波手段と、この位相検波手段
から出力される位相検波信号に基づいて前記受信信号の
位相情報を検出する手段と、この手段で検出された位相
情報が示す前記受信信号の位相変化から、前記試料と前
記音響レンズとの間に充填された超音波伝播媒体の音速
変化を検出する音速変化検出手段とを備えてなるものと
した。
【0018】また本発明の超音波測定装置は、高周波バ
ースト波を超音波に変換し、該超音波を音響レンズで集
束させて試料に送波し、該試料からの反射波を電気的な
受信信号に変換して取込み、超音波の入射方向をZ軸と
して、音響レンズ又は試料のZ軸方向の位置Zとその位
置に対応した前記受信信号の信号値Vとの関係を表すV
(z)曲線を測定し、そのV(z)曲線から前記試料の
弾性的性質を測定するものにおいて、前記受信信号を位
相検波する位相検波手段と、この位相検波手段から出力
される位相検波信号に基づいて前記受信信号の位相情報
を検出する位相検出手段と、この位相検出手段で検出さ
れた位相情報が示す前記受信信号の位相変化から、前記
試料と前記音響レンズとの間に充填された超音波伝播媒
体の音速変化を検出する音速変化検出手段と、前記V
(z) 曲線の測定期間における前記受信信号の位相変化
が、前記超音波伝播媒体の音速変化の許容範囲に応じて
予め設定された位相変化の許容範囲に入っているか否か
判断する判断手段とを具備してなるものとした。
【0019】
【作用】本発明の超音波測定装置では、音響レンズと試
料との間の距離を固定したまま試料からの反射波の位相
の測定を繰り返すことにより、その位相変化から音響レ
ンズと試料との間の超音波伝播媒体の音速変化が直接測
定される。
【0020】また本発明の超音波測定装置では、測定さ
れる位相変化が予め設定された許容範囲を超えたか否か
が判断手段によって判断される。従って、測定される位
相変化が許容範囲内に入ってから、V(z) 測定を行うこ
とができるものとなる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0022】図1には、本発明の第1実施例に係る超音
波測定装置の構成が示されている。本実施例の超音波測
定装置は、一定の周波数を持った連続波(以下基準信号
と呼ぶ)を発生する送信部1に、その基準信号の一部を
切りとりバースト波とするための半導体スイッチ2が接
続されている。その半導体スイッチ2の出力端は、第
1,第2の端子からなり、第1の端子にサーキュレータ
3及び圧電トランスデューサ4が直列に接続され、第2
の端子に例えば50Ωの抵抗R1が終端抵抗として接続
されている。
【0023】上記圧電トランスデューサ4は、音響レン
ズ6に取付けられており、該音響レンズ6の焦点付近に
試料9が配置されている。この試料9は、カプラ液体7
で満たされた水槽8の中に載置されている。また圧電ト
ランスデューサ4は、試料9から音響レンズ6に入射し
た反射波を電気的な受信信号に変換して前置増幅器5へ
出力している。この前置増幅器5の出力端には3つの乗
算部10a,10b,11がそれぞれ接続される。
【0024】第1の乗算部10aには、送信部1が直接
接続されており、上記基準信号が参照信号(第1参照符
号)として与えられる。また第2の乗算部10bには、
移相部12を介して送信部1が接続されており、移相部
12で第1参照信号の位相を90°変化させた第2参照
信号が入力するようになっている。
【0025】これら2つの乗算部10a,10bの出力
端には、高周波成分を除去するローパスフィルタ(LP
F)13a,13bが接続される。2つのLPF13
a,13bは、送信部1の出力する連続波が有する周波
数の少なくとも2倍の周波数を除去する特性を持ってい
るものとする。
【0026】2つのLPF13a,13bの出力端には
それぞれS/H部14a,14bが接続されパルス制御
部15から送出されるトリガ信号に同期して、LPF1
3a,13bから出力された信号をサンプルホールドす
るようになっている。
【0027】各S/H部14a,14bでサンプルホー
ルドされた信号はアークタンジェント回路16にそれぞ
れ入力され、各入力信号の位相に比例する電圧が出力さ
れる。その出力はA/D変換部17に入力されてデジタ
ル信号に変換され、そのデジタル信号がメモリ18に読
み込まれる。
【0028】また、第3の乗算部11には、パルス制御
部15からゲート信号が所定のタイミングで与えられ、
受信信号から必要な反射信号を抽出するようになってい
る。その抽出された反射信号はピーク検波部19に入力
され、そこでピーク値をホールドされる。そのピークホ
ールド値はA/D変換部20でデジタル信号に変換され
てからメモリ18に格納される。メモリ18内のデータ
はコンピュータ21によりI/O制御される。
【0029】前記コンピュータ21にはメモリ18、表
示部22の他に全体のタイミングを制御するパルス制御
部15、試料と音響レンズの距離をZ軸方向に変化させ
るZ走査部23、前記音響レンズと試料の間の距離の相
対変化を測定するZ測距部24が接続されている。
【0030】コンピュータ21は、必要な構成要素を動
作させて、V(z) 曲線の測定を行い試料9の微小部分の
弾性的性質を検出する機能を備えている。また試料9と
音響レンズ6との間隔を一定に保持したまま、試料反射
波の位相を測定し、その位相変化からカプラ液体7の温
度変化に応じた音速変化を検出する機能を備えている。
さらにメモリ18から読出したデータを表示部22に表
示させる等の制御を行っている。次に、以上のように構
成された本実施例の動作について図2に示すタイムチャ
ートを参照して説明する。
【0031】送信部1は、図2(a)に示すように、常
時一定周波数の連続波を出力している。そしてコンピュ
ータ21からパルス制御部15に送信トリガが入力され
ると、図2(b)に示すように、その送信トリガに同期
してパルス制御部15は基準信号の周波数の数十周期分
の時間幅(例えば基準信号の周波数が400MHz程度
の場合には時間幅150nsec程度)の矩形波を切換
信号として半導体スイッチ2の切換端に印加させる。
【0032】半導体スイッチ2は、切換端に入力した前
記矩形信号に応答して切替え動作を行ない、切換信号が
オンしている間だけ基準信号をサーキュレータ3に出力
する。このようにして図2(c)に示すバースト波信号
が発生する。
【0033】以上のようにして発生させたバースト波信
号は、サーキュレータ3を矢印I方向に通って圧電トラ
ンスデューサ4に印加され、そこで電気音響変換されて
超音波となり音響レンズ6を伝播し、カプラ液体7の中
で収束されて試料9に入射する。
【0034】試料9に入射した超音波は試料9で反射
し、再びカプラ液体7、音響レンズ6を伝播し、圧電ト
ランスデューサ4で電気的な受信信号に変換される。こ
の受信信号はサーキュレータ3を矢印K方向に通って前
置増幅器5で増幅され、3つの乗算部10a,10b,
11に入力される。
【0035】第1の乗算部10aでは、送信部1からの
基準信号と前置増幅器5からの受信信号との乗算を行
う。第2の乗算部10bでは、基準信号を移相部12で
90°位相を変化させた信号と受信信号との乗算を行
う。第1の乗算部10aの出力と第2の乗算部10bの
出力はそれぞれLPF13a,13bによって基準信号
の2倍の周波数が除去される。
【0036】これにより、受信信号の基準信号に対する
位相差をφとすると、受信信号が連続波であればLPF
13aの出力はcosφに比例する直流電圧となり、L
PF13bの出力はsinφに比例する直流電圧とな
る。
【0037】しかし、実際には受信信号はバースト波で
あって、図2(d)に示すように試料反射波の他に送信
もれ、レンズ内第1反射、第2反射等含まれているの
で、LPF13a,13bの出力はそれぞれ図2
(e),図2(f)のような多数の矩形波となる。
【0038】これら各反射波から試料反射波のみを取り
出すために、図2(g)に示すように送信トリガに対し
てTd だけ遅れたタイミングのトリガ信号をパルス制御
部15で生成し、そのトリガ信号でS/H部14a,1
4bを駆動して、図2(h),(i)のように試料反射
信号をホールドする。ホールドされた信号はアークタン
ジェント回路16に入力する。
【0039】アークタンジェント回路16では、一方の
S/H部14aの出力電圧で他方のS/H部14bの出
力電圧を除算し、そのアークタンジェント演算値に比例
する電圧を出力する。アークタンジェント回路16の出
力はA/D変換部17でデジタル信号に変換されてメモ
リ18に保存される。
【0040】また第3の乗算部11に入力された受信信
号は、乗算部11において図2(j)のゲート信号によ
り図2(d)のうちの試料反射のみが抽出される。そし
て抽出された反射波信号のピーク値がピーク検波部19
で保持される。このピーク値はA/D変換部20でデジ
タル信号に変換されてメモリ18に保存される。
【0041】ここで、送信部1の参照信号に対する試料
反射の位相遅れをφとすれば、S/H部14a,14b
によってホールドされた電圧はそれぞれcosφとsi
nφに比例している。従って、アークタンジェント回路
16の出力が前記位相φのデータとしてメモリ18に保
存される。カプラ液体の温度安定度を測定する時はアー
クタンジェント回路16から出力される位相を利用す
る。
【0042】試料反射の位相遅れは、電気回路によるも
の、音響レンズ6内を音波が伝播する時間によるもの、
音波が音響レンズ6と試料9の間のカプラ液体7を伝播
する時間によるものがあるが、このうち、カプラ液体7
の温度による音速変化以外は定数とみなせるのでここで
は無視する。音響レンズ6と試料9の距離をd、カプラ
液体の音速をVe、超音波の周波数をfとすると、 φ=2・df/Ve (2) であるから、今、音響レンズと試料の距離dと周波数f
が一定ならば、位相φの変化はカプラ液体の音速変化に
のみ依存している。
【0043】以上のこととから、音響レンズ6と試料9
の距離を一定に固定したまま、アークタンジェント回路
16の出力をメモリ18に格納するといった前記位相測
定動作を一定時間ごとにくり返し行なえば、時間に対す
るカプラ液体7の音速変化に関するデータがメモリ18
に格納される。その測定例を図3に示す。(2)式にお
いて、対数をとって微分し絶対値をとれば Δφ/φ=|ΔVe/Ve| (3) より、位相変化の比と音速変化の比は等しいことが示さ
れる。
【0044】今、カプラ液体を水とし、d=500μ
m、f=400MHzとしたとき、水の音速は1500
m/s前後であるから、φはφ=260×360°程度
である。V(Z) 測定に必要な時間を10分とし、その間
の音速変化を0.05%にしたい時は、(3)より10
分間の位相変化が約45°になってからV(Z) 測定を従
来例と同様にして行なえば良い。測定可能な温度安定性
は、周波数400MHz、音響レンズの焦点距離が50
0μm、位相測定精度が5°とすれば約0.005%で
ある。
【0045】従って本発明の第1実施例によれば、試料
反射波の位相情報からカプラ液体の温度変化を検出する
ようにしたので、音響レンズと試料の間に充填されるカ
プラ液体の温度安定度を非常に高精度に測定できる。
【0046】次に本発明の第2実施例の超音波測定装置
について図4を参照して説明する。なお、図1に示した
装置と同一機能を有する部分には同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0047】本実施例は、第1実施例の構成においてア
ークタンジェント回路に代えて2つのA/D変換部を設
け、上記したアークタンジェント回路の機能をコンピュ
ータのソフトウエアで実現するものである。
【0048】すなわち本実施例は、S/H部14a,1
4bの出力にそれぞれA/D変換部31a,31bを接
続し、そこで変換されたデジタル信号をメモリ18に読
み込むようにしている。そしてA/D変換部31a,3
1bにパルス制御部15を接続している。他の構成は第
1実施例と同じである。以上のように構成された第2実
施例の動作について説明する。
【0049】S/H部14a,14bでサンプルホール
ドされた試料からの反射信号は、A/D変換部31a,
31bでデジタル信号に変換される。このA/D変換の
タイミング信号はパルス制御部15からA/D変換部3
1a,31bに入力され、そのタイミングは、S/H部
14a,14bのホールド信号が十分安定するような時
間遅れになるように設定する。
【0050】例えば、100MHz程度の帯域を持つS
/H回路であれば、A/D変換のトリガは図2(g)に
示すホールドタイミングTd より50nsec程度遅れ
たトリガタイミングでパルス制御部15からA/D変換
部31a,31bに出力される。A/D変換部31a,
31bの出力するデジタル信号はメモリ18に読み込ま
れる。
【0051】ここで、反射信号の強度をB、位相をφと
すれば、A/D変換部31aからは(B/2)cos
φ、A/D変換部31bからは(B/2)sinφの値
が出力されることになる。
【0052】コンピュータ21ではメモリ18のデータ
を読み出して、(B/2)cosφを(B/2)sin
φで割り、ソフト的にtan-1を演算することで反射信
号の位相φを求める。この様な処理を行うことにより、
第1実施例に示したのと同様にカプラ液体の温度安定度
を測定できる。
【0053】さらに(B/2)cosφと(B/2)s
inφを2乗して加えてから、その値の平方根をとれば
反射波の強度を位相と共に測定でき、ピーク検波をする
部分が不用になる。また反射波の強度と位相がわかるの
で複素V(Z) 測定が可能になる。
【0054】K.K.Ling,G.S.Kino,B.T.Khuri-Yakubu“Ma
terial Characterization by the Invention of V
(z)”、IEEE Trans.Sonics Ultrason.SU-32,2,(1985)21
3に示されているように、複素V(Z) を逆フーリエ変換
して反射関数を演算し表面波音速の他に横波や縦波音速
を知ることが可能である。
【0055】従って本発明の第2実施例によれば、音響
レンズと試料間に存在するカプラ液体の音速の安定性を
直接測定可能であることに加えて、複素V(Z) が測定可
能であり、試料の表面波音速の他に縦波音速、横波音速
を知ることが可能となる。
【0056】本発明は前述した実施例に限定されるもの
ではない。例えば移相部は基準波の変化を90°に限定
するものでなく何度でも良い。また基準波を一定時間遅
延させる遅延素子を用いても良いし、参照波としてレン
ズ内の第1反射を使用すれば、送信部をバースト波発振
器にすることも考えられる。
【0057】また位相測定を連続して行い、測定された
位相変化が上記V(z) 測定に必要な時間内に予め設定さ
れた許容範囲に入っていたら、自動的にV(z) 測定を開
始するようなソフトウェアをつけ加えた構成とすること
もできる。この構成とすることにより、カプラ液体の温
度が、許容範囲内に入ったら自動的にV(z) 測定に移る
ので、人が水の安定度を管理する必要はない。
【0058】本発明は前述した実施例に限定されるもの
では無い。例えば移相部は90°基準波を変化させる必
要は無く何度でも良いので基準波を一定時間遅延させる
遅延素子を用いても良いし、参照波としてレンズ内の第
1反射を使用すれば、送信部をバースト波発振器にする
ことも考えられる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、試
料からの反射波の位相を利用して音響レンズと試料の間
に存在するカプラ液体の温度変化を測定するようにした
ので、非常に高い精度で温度安定性を測定することがで
き、V(Z) 曲線法による音速測定の精度を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る超音波測定装置の機
能ブロック図。
【図2】第1実施例に係る超音波測定装置の動作を説明
するためのタイミング図。
【図3】第1実施例における測定例を示す図。
【図4】本発明の第2実施例に係る超音波測定装置の要
部の機能ブロック図。
【図5】従来よりある超音波測定装置の機能ブロック
図。
【図6】図5に示す超音波測定装置の動作を説明するた
めのタイミング図。
【図7】V(Z)曲線を示す図。
【符号の説明】
1…送信部、2…半導体スイッチ、3…サーキュレー
タ、4…圧電トランスデューサ、6…音響レンズ、7…
カプラ液体、9…試料、10,11…乗算器、12…移
相部、13…ローパスフィルタ、14…サンプルホール
ド部、15…パルス制御部、16…アークタンジェント
回路、18…メモリ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波バースト波を発生させる手段と、
    この手段で発生させた高周波バースト波を超音波に変換
    し、該超音波を音響レンズで集束させて試料に送波し、
    該試料から前記音響レンズに入射する反射波を電気的な
    受信信号に変換して出力する超音波送受信手段と、この
    超音波送受信手段から出力される受信信号を位相検波す
    る位相検波手段と、この位相検波手段から出力される位
    相検波信号に基づいて前記受信信号の位相情報を検出す
    る手段と、この手段で検出された位相情報が示す前記受
    信信号の位相変化から、前記試料と前記音響レンズとの
    間に充填された超音波伝播媒体の音速変化を検出する音
    速変化検出手段とを備えたことを特徴とする超音波測定
    装置。
  2. 【請求項2】 高周波バースト波を超音波に変換し、該
    超音波を音響レンズで集束させて試料に送波し、該試料
    からの反射波を電気的な受信信号に変換して取込み、超
    音波の入射方向をZ軸として、音響レンズ又は試料のZ
    軸方向の位置Zとその位置に対応した前記受信信号の信
    号値Vとの関係を表すV(z)曲線を測定し、そのV
    (z)曲線から前記試料の弾性的性質を測定する超音波
    測定装置において、 前記受信信号を位相検波する位相検波手段と、この位相
    検波手段から出力される位相検波信号に基づいて前記受
    信信号の位相情報を検出する位相検出手段と、この位相
    検出手段で検出された位相情報が示す前記受信信号の位
    相変化から、前記試料と前記音響レンズとの間に充填さ
    れた超音波伝播媒体の音速変化を検出する音速変化検出
    手段と、前記V(z) 曲線の測定に要する期間における前
    記受信信号の位相変化が、前記超音波伝播媒体の音速変
    化の許容範囲に応じて予め設定された位相変化の許容範
    囲に入っているか否か判断する判断手段とを具備したこ
    とを特徴とする超音波測定装置。
JP4118915A 1992-05-12 1992-05-12 超音波測定装置 Withdrawn JPH05312791A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151520A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Toppan Printing Co Ltd 球状表面弾性波素子を用いた計測装置
KR101656185B1 (ko) * 2015-06-02 2016-09-09 서울과학기술대학교 산학협력단 초음파 현미경의 신호 분석 방법

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