JP3037810B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JP3037810B2
JP3037810B2 JP4020114A JP2011492A JP3037810B2 JP 3037810 B2 JP3037810 B2 JP 3037810B2 JP 4020114 A JP4020114 A JP 4020114A JP 2011492 A JP2011492 A JP 2011492A JP 3037810 B2 JP3037810 B2 JP 3037810B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波探傷装置に係り、
特に、試料からの反射信号が含有する位相および振幅の
情報を抽出し、この位相および振幅の情報に基づき試料
表面および試料内部の欠陥の有無を検出したり、あるい
は、試料特有の物性値等を計測する超音波探傷装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の超音波探傷装置に関しては、例
えば実開平2−140466号等既出願のものに散見さ
れる。これらを総括したものの一例を、図6および図7
を用い説明する。図6は従来の超音波探傷装置の構成
図、図7は同装置に用いられる探触子と試料との関係を
示す図である。
【0003】図6に示すようにこの超音波探傷装置は、
探触子20と、この探触子20を励振する信号を出力す
る発振手段すなわち発振器1と、この発振器1からの信
号を入力し探触子20を励振する信号に変換する励振手
段を形成するRFスイッチ3、および、このRFスイッ
チ3からの信号を増幅する増幅器4と、探触子20の電
気的な接続関係を増幅器4の接続に、または、受信手段
すなわちA/D変換器10の接続に切り換える方向性結
合器例えばサーキュレータ5と、探触子20の検出信号
を演算処理する演算装置11が設けられている。また、
図示しない試料を搭載する試料台を有し、探触子20と
試料との位置合わせを行うための上下、左右、前後に移
動可能な位置決め装置12を備えている。
【0004】このように構成した超音波探傷装置では、
発振器1から出力される連続波は、RFスイッチ3によ
り所定の周期毎に探触子20を励振するようにバースト
波に変換される。このRFスイッチ3からのバースト波
は、増幅器4により増幅される。この増幅されたバース
ト波は、RFスイッチ3に設定した周期と同期するよう
に切り換えのタイミングが設定されたサーキュレータ5
により、周期的に探触子20に備えられる圧電素子に印
加される。図7に示すように、圧電素子20bにバース
ト波電圧が印加されると、探触子20に備えられる音響
レンズ20aを介し、超音波が試料19に照射される。
その際、超音波は同図7に示すように音響レンズ20a
の有する曲率により、点Oの位置で集束する。探触子2
0により検出される信号レベルは、音響レンズ20a上
の点Pから射出され試料19の表面Q−Tを伝搬し、音
響レンズ20a上の点Uに戻る経路をたどるものと、点
Rから試料19に対し垂直に射出され試料19上の点S
で反射し、再び音響レンズ上の点Rに戻るものとに代表
させることができる。上述した点Pと点Qとを結ぶライ
ンと試料19表面の垂線とのなす角度θR は、レ−リ−
の臨界角と呼ばれ試料19の表面に表面波が生じる角度
であり、試料19に固有の値となる。試料19の内部に
欠陥、あるいは、音響特性の異なる2種類以上の物体が
存在しなければ、圧電素子20bが検出する信号レベル
は、点P−Q−T−Uラインの信号VIと、点R−S−
Rラインの信号VLとの和となる。この信号VIおよび
信号VLは、超音波の反射強度すなわち反射波の振幅に
依存したものである。この圧電素子20bが検出した信
号は、図6に示すようにサーキュレータ5によりA/D
変換器10を介し、演算装置11へ格納される。この演
算装置11では所定の演算処理が実行され、試料19の
内部欠陥の有無を判断したり、あるいは、試料19特有
の物性値等を算出する。
【0005】上述した超音波探傷装置を用い、試料表面
を伝搬する超音波の伝搬速度すなわち表面波の音速を測
定するときの例を図6〜図8を用い説明する。図8は、
一般にV(Z)曲線図と呼ばれ、位置決め装置12によ
り試料19と探触子20との距離Z0を変化させたと
き、すなわち、図6に示すZ方向に試料19を移動させ
たとき探触子20が検出する反射波の振幅の変化を示す
図である。横軸が探触子20と試料19との距離、縦軸
が反射波の振幅である。同図8から明かなように、探触
子20と試料19との距離Z0を変化させていくと、ほ
ぼ一定の周期ΔZで極大点が生じている。すなわち、Z
方向の変化に伴い前述した反射波の信号レベルVI+V
Lが、一定周期ΔZで極大、極小を繰り返す現象を示し
ている。通常、この波形に対しFFT処理を施すことに
より、周期ΔZを求めている。この周期ΔZが得られる
と、下記する(1)式により試料19の表面波の音速を
算出することができる。
【0006】 Cr=Cw/sqrt[1−{1−Cw/(2・f・ΔZ)}**2] ・・・・ (1) ここで、Crは表面波の音速、Cwは水の音速、fは使
用した超音波の周波数である。また、sqrtは平方根
を、**2は2乗を示す。
【0007】したがって、前記した演算装置11は、位
置決め装置12により試料19と探触子20とのZ方向
距離を所定のピッチで変化させていったとき、各々の距
離における探触子20からの信号をデータとして記憶
し、これらのデータに対しFFT処理を行い周期△Zを
算出し、(1)式により表面波を算出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
超音波探傷装置では、探触子20により検出される試料
19からの反射強度に依存する信号、すなわち、反射波
の振幅を読み込むことによって試料19の内部欠陥の有
無の検出、あるいは、試料19に特有の物性値の計測を
行っていた。しかし、上述した従来技術による超音波探
傷装置では、下記の問題点がある。すなわち、 1).表面波を発生する信号VIは、探触子と試料との
Z方向距離によって位相が変化するのに対し、V(Z)
曲線図を用いた方法では他の信号VLとVIとを干渉さ
せることにより位相変化を振幅変化として測定する。し
たがって、検出精度の向上を期待することができない。
【0009】2).上述したように探触子から得られる
反射波信号には、信号VLに示すように試料19の表面
からの反射波が含まれており、試料19の内部の測定を
行う際、試料19表面からの反射波が測定精度に対し悪
影響を及ぼす。
【0010】また、特に上述した従来の超音波探傷装置
を用い試料19の表面の音速を測定する場合、前記した
V(Z)曲線から周期を精度良く求めるためには、V
(Z)曲線上の山数を数多く得る必要があり、さらに、
各極大位置を正確に求めるためには一山当たりの測定点
数を多くする必要がある。これに伴い、Z方向に対し広
範囲の移動が可能で、かつ、微小ピッチでの移動が可能
な位置決め装置が必要となる。このため、測定時間が長
くなるとともに、高価な位置決め装置が必要となり超音
波探傷装置全体が高価なものとなってしまう。
【0011】本発明は上記した従来技術の実情に鑑みて
なされたもので、その目的は、試料からの反射信号が含
有する振幅、および、位相の両情報を抽出することがで
きる超音波探傷装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、試料に対し超音波を照射す
るとともに前記試料からの反射波を検出する探触子と、
この探触子を励振させる信号を出力する発振手段と、こ
の発振手段からの出力信号を前記探触子へ所定の周期で
出力する励振手段と、前記探触子からの信号を受信する
受信手段と、この受信手段からの信号を演算処理する演
算装置と、前記励振手段と前記受信手段とを選択的に前
記探触子に結合する方向性結合器と、前記試料と前記探
触子との位置決めを行う位置決め手段とを備えた超音波
探傷装置において、前記発振手段からの信号を入力し、
この入力信号に対し所定量ずつ位相を変え、前記励振手
段へ出力する位相シフト手段と、前記探触子からの信号
と前記発振手段からの信号とを入力し両信号をかけ合わ
せる乗算器と、この乗算器からの信号を入力し所定の周
波数以上の周波数成分を除去し結果を前記受信手段へ出
力する濾過手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
前記演算装置が、前記探触子と前記試料との距離が所定
量異なる少なくとも2以上のケースについて、前記位相
シフト手段により所定量ずつ位相を変えた信号を前記探
触子へ付与したとき前記受信手段を介し得られる信号を
順次入力し、これらの入力信号に対し所定の処理を施
し、前記各ケース毎の前記試料による照射された超音波
信号の位相の変化を算出し、前記探触子と前記試料との
距離が異なるケースに対し求めた各位相差に基づき前記
試料の表面を伝搬する音速を算出することを特徴とす
る。
【0014】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
前記発振手段から出力される信号の周波数を変換する周
波数変換手段を設け、前記乗算器および前記励振手段へ
出力することを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の演算装置が、前記探触子と前記試料と
の距離が所定量異なる少なくとも2以上のケースについ
て、さらに、前記周波数変換手段により前記探触子へ付
与する超音波の周波数を変えたケースについて、前記位
相シフト手段により所定量ずつ位相を変えた信号を前記
探触子へ付与したとき前記受信手段を介し得られる信号
を順次入力し、これらの入力信号に対し所定の処理を施
し、前記各ケース毎の前記試料に照射された超音波信号
の位相の変化を算出し、前記探触子と前記試料との距
離、および、前記探触子へ付与する超音波の周波数が異
なる各ケースについて求めた各位相差に基づき、前記試
料の表面を伝搬する音速を算出することを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項5に記載の発明は、
請求項2または4に記載の探触子に備えられる圧電素子
を、前記試料に対し表面波のみ発生する角度で設置した
ことを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明は上記のように構成してい
るので、位相シフト手段により発振手段から出力される
信号に対し所定量だけ位相のずれた信号が、励振手段お
よび方向性結合器を介し探触子に印加され、試料に対し
照射される超音波の位相も所定量変化する。位相および
振幅の両情報を含有する試料からの反射波と発振手段か
らの信号とを乗算器により乗算し、この結果に対し濾過
手段により所定の周波数以上の周波数成分を除去する
と、発振手段からの出力信号が有する発振周波数に依存
する成分が除かれ、発振手段から出力された信号と、探
触子により検出される試料からの反射波との位相差、お
よび、両信号の振幅に依存する信号が抽出され、受信手
段を介し演算装置へ取り込まれる。
【0018】また、請求項2に記載の発明では、位相シ
フト手段により所定量ずつ位相を変化させときの、探触
子からの信号を所定の数だけ順次演算装置内に取り込
む。この演算装置は、取り込んだデータに対し所定の処
理を施し、試料による探触子から照射された超音波信号
の位相変化分を算出する。次に、位置決め装置により探
触子と試料との距離を所定量だけずらし、演算装置では
上記と同様の処理を繰り返し実行する。このような操作
および処理を少なくとも2回繰り返し、探触子と試料と
の距離に応じた試料による位相の変化分を求める。次に
演算装置では、この位相の変化分、および、探触子と試
料との距離の変化に基づき既知の手法を施すことにより
試料表面を伝搬する超音波の音速を算出する。
【0019】また、請求項3に記載の発明では、周波数
変換手段により発振手段から出力される信号の周波数を
変えると、探触子に印加される信号の周波数が変化す
る。これにより、演算装置には周波数の変化に起因する
位相の変化を含有する情報が取り込まれる。
【0020】また、請求項4に記載の発明では、周波数
を変えたとき、および、探触子と試料との距離を変えた
ときの、各々の条件での位相差に関するデータが演算装
置内に格納される。このデータに対し、演算装置では、
既知の手法を施すことにより試料表面を伝搬する超音波
の音速を算出する。
【0021】また、請求項5に記載の発明では、探触子
から試料に照射した超音波により試料には表面波のみ生
ずる。これにより、演算装置には表面波に関する情報だ
けが取り込まれる。
【0022】したがって、上記請求項1および3に記載
の発明によれば、演算装置内に取り込まれるデータは、
振幅に関する情報だけでなく、位相に関する情報をも含
んだものとなる。これにより、超音波探傷装置としての
種々の検出に対し検出精度の向上が図れるとともに、適
用範囲の拡大を図ることができる。
【0023】また、請求項2および4に記載の発明によ
れば、探触子と試料との距離を大きく変えることなく多
数のデータを取り込むことができ、これにより動作範囲
が狭い位置決め装置であっても、表面波の音速を精度良
く求めることができる。また、特に、請求項4に記載の
発明では、移動ピッチの粗い位置決め装置であっても、
表面波の音速を精度良く求めることができる。
【0024】また、請求項5に記載の発明によれば、表
面波に関する情報のみが得られるため、表面波の音速を
精度良く求めることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用い説明する。
【0026】図1および図2は本発明の請求項1、2、
5に対応し、試料表面を伝搬する超音波の音速を測定す
るために好適な超音波探傷装置の第1の実施例の説明図
で、図1は全体構成を示す回路図、図2はこの第1の実
施例に用いる探触子の構造を示す図である。なお、図6
に示した従来技術の構成図と共通する部分については同
一符号を付している。
【0027】この第1の実施例では、図1に示すように
発振手段、すなわち、発振器1からの信号を探触子6へ
と導く測定信号50と、乗算器8へと導く参照信号51
とに分岐している。測定信号50のライン上には、発振
器1からの信号の位相を所定量ずつ変化させる位相シフ
ト手段として分周回路2を備えている。この分周回路2
はこの第1の実施例では10分周と11分周に切り換え
可能なものを用いている。また、参照信号51のライン
上には、分周回路2に対応し10分周に設定できる分周
回路7を備えている。また、測定信号50のライン上に
は励振手段を形成するRFスイッチ3および増幅器4
と、探触子6の電気的な接続関係を増幅器4側、また
は、乗算器8側に切り換える方向性結合器、例えば、サ
ーキュレータ5が備えられている。また、探触子6から
の検出信号は、サーキュレータ5を介して乗算器8へ導
かれるようになっている。探触子6からの検出信号と参
照信号51とは乗算器8により乗算され、この乗算結果
は、濾過手段すなわちローパスフィルタ9、および、受
信手段例えばA/D変換器10を介し、演算装置11へ
導かれるようになっている。さらに、探触子6と図示し
ない試料との位置決めを行うための上下、前後、左右に
移動可能な位置決め装置12を備えている。
【0028】以上のように構成した第1の実施例では、
発振器1から出力される信号が、測定信号50と参照信
号51とに分岐される。測定信号50は、分周回路2を
10分周および11分周に切り換えることにより、位相
が1/10波長すなわち2π/10(rad)ずつ変化
する。また、参照信号51は、分周回路7により10分
周されるため、測定信号50と比べ1/10波長ずつ位
相がずれたものとなる。分周回路2から出力された測定
信号50は、RFスイッチ3によりバースト波として所
定の周期毎に増幅器4側に送られ、増幅される。このバ
ースト波は、RFスイッチ3と同期して探触子6の電気
的な接続関係を切り換えるサーキュレータ5を介し、探
触子6に印加される。この第1の実施例に用いられてい
る探触子6は、図2の探触子6の構造図に示すように、
試料19に対し臨界角θR となるように音響レンズ6a
の曲面上に圧電素子6bが設置されている。ただし、物
性が定かではない試料を対象とするときには、正確な臨
界角θR を予め把握することができないため、概略値を
用いることが多い。このため、圧電素子6bから照射さ
れた超音波により、試料19に表面波が生じ、この表面
波に関する情報が探触子6に戻るようになっている。こ
の探触子6により検出された信号は、図1に示すサーキ
ュレータ5を介し乗算器8へと導かれる。一方、参照信
号51も乗算器8へ入力されるため、乗算器8では探触
子6による検出信号と参照信号51との乗算が行われ
る。この両信号の乗算結果は、ローパスフィルタ9によ
り高周波成分が除去される。これにより、探触子6によ
る検出信号と参照信号51との位相差、および、両信号
の振幅に依存した信号が抽出される。以下に乗算器8か
らローパスフィルタ9までの信号処理について説明す
る。
【0029】参照信号51の波形は、一般に(2)式で
表すことができる。また、探触子6による検出信号は、
参照信号51と同じ周波数で扱うことができるため、
(3)式のようになる。すなわち、 参照信号 a・sin(ωt) ・・・・ (2) 検出信号 b・sin(ωt+φ) ・・・・ (3) 上式において、aおよびbはそれぞれの信号のレベルす
なわち振幅を、ωは角周波数を、φは参照信号51と検
出信号との位相差を、tは時間を示す。
【0030】乗算器8により、両信号の乗算を行うと以
下のようになる。すなわち、 {a・sin(ωt)}・{b・sin(ωt+φ)} =−A・cos(2・ωt+φ)+A・cos(φ) ・・・・(4) ただし、A=a・bである。
【0031】ローパスフィルタ9により角周波数ω以上
の成分、すなわち、周波数に換算しf=ω/(2・π)
以上の周波数成分を除去すると、(4)式に示す一項目
が除去されるため、検出信号の振幅aおよび参照信号5
1の振幅bと、両信号の位相差φに依存する信号A・c
os(φ)だけが抽出される。
【0032】このA・cos(φ)に相当する信号は、
A/D変換器10を介し、演算装置11内の記憶部に格
納される。一方、前述したように分周回路2により、探
触子6に印加される測定信号50は、所定量ずつ位相が
変化していくため、これに伴い探触子6からの検出信号
の位相もずれていく。この第1の実施例では、1/10
波長ずつ位相が変化していくため、一周期当たり10個
のデータを得ることができる。ところで、探触子6と試
料19との距離が同一であれば、探触子6からの検出信
号レベルすなわち振幅は一定であり、これに伴い(4)
式のAは一定値となるため、これらのデータから振幅に
関する情報を除き位相差に関する情報だけを抽出するこ
とができる。すなわち、演算装置11に格納される10
個のデータは、(5)式のように振幅情報Aを含むco
s関数の形で表現されるが、cos関数は一般に復素数
で表現することができ、入力波の位相シフト量を考慮し
た上で(6)、(7)式によりcos関数の実数部Re
と虚数部Im値を算出することができる。すなわち、 g(i)=A・cos(φi) ・・・・ (5) 実数部 Re=(1/N)・Σ{g(i)・cos(2・π・i/N)} ・・・・ (6) 虚数部 Im=(1/N)・Σ{g(i)・sin(2・π・i/N)} ・・・・ (7) ただし、i=0、1、・・・、N−1 ここで、g(i)、φiは、所定量ずつ位相を変化させ
たとき、探触子6から得られる各検出データおよび検出
信号と参照信号51との位相差を示す。また、この第1
の実施例ではN=10である。また、一般に位相は虚数
部と実数部との比の逆正接となるため(8)式により、
試料19からの反射波の位相のずれφを算出することが
できる。
【0033】 φ=arctan(Im/Re) ・・・・ (8) ここで、arctanは逆正接を示す。
【0034】次に、演算装置11は位置決め装置12に
対しZ方向へ微小距離Δhだけ移動するように指令信号
を出力し、上述した一連の操作および処理を繰り返す。
これにより、演算装置11は前述よりもΔhだけ試料1
9と探触子6との距離が変化した状態での、試料19か
らの反射波の位相のずれφ’を得る。次に演算装置11
では、以下に示す処理を順次行い試料19の表面を伝搬
する超音波の音速を算出する。すなわち、一般に、試料
19と探触子6との距離をΔhだけ変化させたとき、両
者で測定される位相の変化Δφは(9)式で示され、 Δφ=φ−φ’ =4・π・f・Δh・cos(θR')/Cw ・・・・(9) となる。この(9)式におけるθR'は、前述した試料1
9に表面波を生じさせるレ−リ−の臨界角と同等のもの
を意味する。この(9)式より臨界角θR'を逆算するこ
とができる。このθR'の値から、スネルの法則により、 表面波 Cr=Cw/sin(θR') ・・・・ (10) が得られる。
【0035】したがって、この第1の実施例によれば、
試料19からの反射波の位相に関する情報を抽出するこ
とができる。さらに、試料19と探触子6との距離に関
して最低2箇所のデータを採取することで、試料19の
表面を伝搬する超音波の音速を測定することができるた
め、動作範囲の狭い位置決め装置であっても測定可能と
いう利点を有する。また、探触子6は臨界角θR に近い
角度で超音波が照射されるように、圧電素子6bが音響
レンズ6a上に設置しているため、表面波以外の不要な
信号が探触子6により検出されず精度の高い測定ができ
る。
【0036】また、図3および図4は本発明の請求項3
および4に対応し、試料表面を伝搬する超音波の音速を
測定するために好適な超音波探傷装置の第2の実施例の
説明図で、図3は全体構成を示す回路図、図4は探触子
と試料との距離に対する位相変化を示す説明図である。
なお、図1に示した第1の実施例と共通する部分につい
ては同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0037】この第2の実施例では、前記した第1の実
施例における発振器1の出力端に、周波数変換手段例え
ば周波数変換器13を設け、発振器1から出力される信
号の周波数を可変にしている。
【0038】このように構成した第2の実施例では、最
初に探触子6に印加する信号の周波数をf1とし、探触
子6と試料との距離をh1の状態で、上述した第1の実
施例と同様の操作および演算を行い、演算装置11によ
り試料からの反射波の位相差Φ11が算出される。次
に、周波数変換器13により、探触子6に印加する信号
の周波数をf2とし、同様の操作および演算を行い、演
算装置11により試料からの反射波の位相差Φ12が算
出される。次に、位置決め装置12移動させ、探触子6
と試料との距離がh2の状態で、探触子6へ印加する信
号の周波数をf1とし、同様の操作および演算を行い、
演算装置11により試料からの反射波の位相差Φ21が
算出される。次に、周波数変換器13により、探触子6
に印加する信号の周波数をf2とし、同様の操作および
演算を行い、演算装置11により試料からの反射波の位
相差Φ22が算出される。このような操作を、探触子6
と試料との距離h3、h4、・・・、hNのようにN段
階に対し、繰り返し行う。これにより、位相差Φ31、
Φ32、Φ41、Φ42・・・、ΦN1、Φ42の2・
N個、算出することができる。演算装置11では、以上
のような多くの位相差データを用い、上述した(9)式
により、表面波の音速を精度良く算出することができ
る。この際、探触子6と試料との距離h1とh2との
差、h2とh3との差、・・・、h(N−1)とhNと
の差は、全て一定値ΔHであり、第1の実施例に比べ、
大きくとることができる。以下、この理由について説明
する。
【0039】表面波の音速を精度良く算出するために
は、探触子6と試料間距離を所定ピッチで変化させ、そ
のときの位相の変化を数多く測定する必要がある。その
際、位相の変化が一波長分すなわち2πを超えると、正
確な計算ができなくなる。すなわち、一波長を超えない
範囲内で探触子と試料との距離を変化させる必要があ
る。このため、位置決め装置12の送りピッチが粗い場
合には、測定点数が少なくなり計算精度が悪くなる。こ
れを補うには、低周波数の超音波を使用すれば良いこと
になるが、周波数の低い超音波では照射範囲の拡大を招
き、微小領域での測定には適さない。これに対し、この
第2の実施例では、上述した位相差Φ11、Φ12、・
・・、ΦN1、ΦN2から、(9)式より、 ΔΦ11=Φ11−Φ21=α・f1 ・・・・(11)−1 ΔΦ21=Φ21−Φ31=α・f1 ・・・・(11)−2 ・・・ ・・・ ・・・ ΔΦ(N−1)1=Φ(N−1)1−ΦN1 =α・f1 ・・・・(11)−(N−1) ΔΦ12=Φ12−Φ22=α・f2 ・・・・(12)−1 ΔΦ22=Φ22−Φ32=α・f2 ・・・・(12)−2 ・・・ ・・・ ・・・ ΔΦ(N−1)2=Φ(N−1)2−ΦN2 =α・f2 ・・・・(12)−(N−1) のように得ることができ、さらに、例えば(11)−1
式と(12)−1式との差をとると、 ΔΦ11−ΔΦ12=α・(f1−f2) ・・・・(13) として求めることができる。なお、上式において、α=
4・π・ΔH・cosθR'/Cwである。(13)式か
ら明かなように、異なる周波数f1、f2で算出された
位相差の差は、f1−f2の周波数、すなわち、波長の
長い低周波数で測定したものと同等となる。ここで、以
上の説明を補足する意味で図4を説明する。同図4は、
周波数の相違による探触子と試料との距離と、位相の変
化の関係を示すものである。同図4(a)は、周波数の
高いf1の場合を、(b)はf1よりも低い周波数f2
の場合を、(c)はf1−f2の周波数の場合を示す。
横軸が、探触子6と試料との距離Zを、縦軸が位相の変
化を示す。同図4から明かなように、低周波数であるほ
ど位相の変化2πに相当するZ方向距離が長くなる。
【0040】したがって、この第2の実施例によれば、
第1の実施例と同等の効果が得られる他、移動ピッチの
粗い位置決め装置を用いても、試料表面を伝搬する超音
波の音速を正確に測定することができる。
【0041】また、図5は、本発明の請求項1および3
に対応する第3の実施例の説明図で、実験結果を示す図
である。装置全体の構成は、前述した第2の実施例に用
いた図3に示すものと同じである。
【0042】この第3の実施例は、図5(a)に示すよ
うに板材60に深さの異なる貫通しない3個の穴
(イ)、(ロ)、(ハ)を設け、この板材60の穴のあ
いていない面より、超音波を照射し板材60の内部を観
察したものである。最初に、位置決め装置12を前後・
左右、すなわち、XおよびY方向へ2次元に走査させ、
所定のピッチで各測定点での探触子6の検出データと参
照信号51との乗算結果をローパスフィルタ9およびA
/D変換器10を介し、演算装置11内に格納する。演
算装置11では、これらのデータに対し、以下のような
演算処理を行う。
【0043】すなわち、X−Y平面を2次元走査し得ら
れたデータをg(X,Y;Z1)とすると、このデータ
は以下の(14)式で表される。
【0044】 g(X,Y;Z1)=n(X,Y;Z1)+s(X,Y;Z1) ・・・・ (14) ここで、n(X,Y;Z1) :試料内部の情報 s(X,Y;Z1) :試料表面の情報 Z1 :所定の基準点から超音波集束点までのZ方
向距離 (14)式から明かなように、X−Y方向の2次元走査
により得られたデータには、試料表面からの反射波の影
響が包含されている。演算装置11では、予め測定して
おいた探触子6のビーム音場特性と、試料表面に焦点を
合わせ得たデータとを用い、(15)式により、試料内
部の情報のみ抽出する。すなわち、 n(X,Y;Z1)=g(X,Y;Z1) −F-1{H(X,Y;Z1)・S(X,Y;Z0) /H(X,Y;Z0)} ・・・・ (15) ここで、大文字はFFT演算を、F-1は逆FFT演算を
表す。また、H(X,Y;Z)は、Z方向の位置におけ
る探触子6のビーム音場特性を表す。Z0は、探触子6
を焦点位置が試料の表面となるときの、基準点から試料
表面までのZ方向距離である。この(15)式に示され
る処理を行うことにより、試料表面の影響を除去し試料
内部のみの情報を抽出する。図5(b)は、従来の振幅
情報のみによりこの試料の内部観察を行った際得られる
データを、画像化したものを示し、同図5(c)は、こ
の第3の実施例によって得た表面の影響を除去した際の
データを画像化したものである。両図を比較すると、従
来法すなわち同図5(b)では観察できない疑似欠陥
(ハ)が、この第3の実施例を用いたものすなわち同図
5(c)には表されている。
【0045】したがって、この第3の実施例にあって
は、試料の表面の影響を除去することができ、従来より
も精度良く試料内部の状況を検出することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1および3に記載の発明
によれば、試料からの反射信号には振幅のみならず、位
相に関する情報も含まれるため、試料内部の状態を従来
よりも正確に検出することができる。すなわち、検出精
度の向上を図ることができる。また、請求項2および4
に記載の発明によれば、動作範囲が狭い位置決め装置で
あっても、表面波の音速を精度良く求めることができ
る。また、特に、請求項4に記載の発明では、移動ピッ
チの粗い位置決め装置であっても、表面波の音速を精度
良く求めることができる。
【0047】また、請求項5に記載の発明によれば、表
面波に関する情報のみが得られるため、表面波の音速を
精度良く求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波探傷装置の第1の実施例の構成
を示す回路図である。
【図2】本発明における第1の実施例に用いられる探触
子の構造図ある。
【図3】本発明の超音波探傷装置の第2の実施例の構成
を示す回路図である。
【図4】探触子・試料間距離と位相および周波数との関
係を説明する図である。
【図5】本発明の超音波探傷装置の第3の実施例による
実験結果を示す図である。
【図6】従来の超音波探傷装置の構成を示す回路図であ
る。。
【図7】従来の探触子の構造図である。
【図8】従来試料表面の音速の測定に用いられてきたV
(Z)曲線の説明図。
【符号の説明】 1 発振器(発振手段) 2 分周回路(位相シフト手段) 3 RFスイッチ(励振手段) 4 増幅器(励振手段) 5 サーキュレータ(方向性結合器) 6 探触子 8 乗算器 9 ローパスフィルタ(濾過手段) 10 A/D変換器(受信手段) 11 演算装置 12 位置決め装置 13 周波数変換器(周波数変換手段) 19 試料

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対し超音波を照射するとともに前
    記試料からの反射波を検出する探触子と、この探触子を
    励振させるための信号を出力する発振手段と、この発振
    手段からの出力信号を前記探触子へ所定の周期で出力す
    る励振手段と、前記探触子からの信号を受信する受信手
    段と、この受信手段からの信号を演算処理する演算装置
    と、前記励振手段と前記受信手段とを選択的に前記探触
    子に結合する方向性結合器と、前記試料と前記探触子と
    の位置決めを行う位置決め手段とを備えた超音波探傷装
    置において、前記発振手段からの信号を入力し、この入
    力信号に対し所定量ずつ位相を変え、前記励振手段へ出
    力する位相シフト手段と、前記探触子からの信号と前記
    発振手段からの信号とを入力し両信号をかけ合わせる乗
    算器と、この乗算器からの信号を入力し所定の周波数以
    上の周波数成分を除去し結果を前記受信手段へ出力する
    濾過手段とを設けたことを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 【請求項2】 前記演算装置は、前記探触子と前記試料
    との距離が所定量異なる少なくとも2以上のケースにつ
    いて、前記位相シフト手段により所定量ずつ位相を変え
    た信号を前記探触子へ付与したとき前記受信手段を介し
    得られる信号を順次入力し、これらの入力信号に対し所
    定の処理を施し、前記各ケース毎の前記試料による照射
    された超音波信号の位相の変化を算出し、前記探触子と
    前記試料との距離が異なるケースに対し求めた各位相差
    に基づき前記試料の表面を伝搬する音速を算出すること
    を特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 【請求項3】 前記発振手段から出力される信号の周波
    数を変換する周波数変換手段を設け、前記乗算器および
    前記励振手段へ出力することを特徴とする請求項1記載
    の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】 前記演算装置は、前記探触子と前記試料
    との距離が所定量異なる少なくとも2以上のケースにつ
    いて、さらに、前記周波数変換手段により前記探触子へ
    付与する超音波の周波数を変えたケースについて、前記
    位相シフト手段により所定量ずつ位相を変えた信号を前
    記探触子へ付与したとき前記受信手段を介し得られる信
    号を順次入力し、これらの入力信号に対し所定の処理を
    施し、前記各ケース毎の前記試料に照射された超音波信
    号の位相の変化を算出し、前記探触子と前記試料との距
    離、および、前記探触子へ付与する超音波の周波数が異
    なる各ケースについて求めた各位相差に基づき、前記試
    料の表面を伝搬する音速を算出することを特徴とする請
    求項3記載の超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】 前記探触子に備えられる圧電素子を、前
    記試料に対し表面波のみ発生する角度で設置したことを
    特徴とする請求項2または4に記載の超音波探傷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101845156B1 (ko) * 2016-07-04 2018-04-04 조혁상 왕복식 날 연마장치

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