JP3019510B2 - 超音波による被検体の厚み測定方法およびその装置 - Google Patents
超音波による被検体の厚み測定方法およびその装置Info
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- JP3019510B2 JP3019510B2 JP3206012A JP20601291A JP3019510B2 JP 3019510 B2 JP3019510 B2 JP 3019510B2 JP 3206012 A JP3206012 A JP 3206012A JP 20601291 A JP20601291 A JP 20601291A JP 3019510 B2 JP3019510 B2 JP 3019510B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を用いて被検体
の厚みを測定する方法およびその装置に関する。
の厚みを測定する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を用いて被検体の厚みを測定する
方法として、共振法(前者)と呼ばれる方法とパルス反
射法(後者)と呼ばれる方法がある。前者の方法は、例
えば特公昭52−18591号公報に示されているよう
に、超音波探触子を被検体に接触させて超音波を連続的
に被検体に入射し、超音波の波長と被検体の厚さとで決
まる共振周波数にて探触子の電気的インピーダンスが変
化することを利用して共振周波数を求め、この共振周波
数を被検体の厚みに換算する方法である。
方法として、共振法(前者)と呼ばれる方法とパルス反
射法(後者)と呼ばれる方法がある。前者の方法は、例
えば特公昭52−18591号公報に示されているよう
に、超音波探触子を被検体に接触させて超音波を連続的
に被検体に入射し、超音波の波長と被検体の厚さとで決
まる共振周波数にて探触子の電気的インピーダンスが変
化することを利用して共振周波数を求め、この共振周波
数を被検体の厚みに換算する方法である。
【0003】また、後者の方法は超音波探触子からパル
ス状の超音波を被検体に入射し、被検体から反射してき
た超音波パルスを同一の探触子で受信し、超音波が被検
体を往復した時間から被検体の厚みを求める方法であ
る。
ス状の超音波を被検体に入射し、被検体から反射してき
た超音波パルスを同一の探触子で受信し、超音波が被検
体を往復した時間から被検体の厚みを求める方法であ
る。
【0004】どちらの方法も超音波を用いた被検体の厚
み測定方法としては、例えば丹羽登著、超音波計測(昭
昇堂出版)P.70.にも記載されているように良く知
られている技術である。
み測定方法としては、例えば丹羽登著、超音波計測(昭
昇堂出版)P.70.にも記載されているように良く知
られている技術である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの方法においても次のような問題点があった。
ずれの方法においても次のような問題点があった。
【0006】すなわち、前者の共振法では、共振周波数
を求めるために被検体に対して連続的に入射する超音波
の周波数を掃引しなければならないため、測定時間が長
くなる。さらには、超音波探触子と被検体とを直接接触
しなければならないので、自動測定には適していない。
を求めるために被検体に対して連続的に入射する超音波
の周波数を掃引しなければならないため、測定時間が長
くなる。さらには、超音波探触子と被検体とを直接接触
しなければならないので、自動測定には適していない。
【0007】また、後者のパルス反射法は、超音波が被
検体を往復する時間から厚みを求めているため、被検体
の厚みが薄い場合には往復する時間が極めて短く(数1
0nsec)、また往復した超音波パルスが重なり合っ
て測定精度が悪くなる。
検体を往復する時間から厚みを求めているため、被検体
の厚みが薄い場合には往復する時間が極めて短く(数1
0nsec)、また往復した超音波パルスが重なり合っ
て測定精度が悪くなる。
【0008】そこで、この測定精度を上げる方法として
は、複数回の測定を行なってその平均値から被検体の厚
みを求める方法が知られているが、この方法を用いても
超音波パルスは幅を持っているので、被検体の厚みが特
に薄いものに対しては測定できない。
は、複数回の測定を行なってその平均値から被検体の厚
みを求める方法が知られているが、この方法を用いても
超音波パルスは幅を持っているので、被検体の厚みが特
に薄いものに対しては測定できない。
【0009】本発明は、短時間で被検体の厚みを高精度
に測定することができる超音波による被検体の厚み測定
方法およびその装置を提供することを目的とする。
に測定することができる超音波による被検体の厚み測定
方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による超音波による被検体の厚み測定方法
は、被検体に超音波パルスを送信し、前記被検体にて反
射した超音波信号の共振から被検体の厚みを測定する方
法において、被検体を透過して反射体より反射された二
重透過波を周波数解析して前記被検体の厚みを求めてい
る。また、本発明の他の厚み測定方法は、被検体に超音
波パルスを送信し、前記被検体にて反射した超音波信号
の共振から被検体の厚みを測定する方法において、受信
信号から表面反射波を除いて多重反射波だけを抽出する
ようにし、この多重反射波を周波数解析して前記被検体
の厚みを求めている。
め、本発明による超音波による被検体の厚み測定方法
は、被検体に超音波パルスを送信し、前記被検体にて反
射した超音波信号の共振から被検体の厚みを測定する方
法において、被検体を透過して反射体より反射された二
重透過波を周波数解析して前記被検体の厚みを求めてい
る。また、本発明の他の厚み測定方法は、被検体に超音
波パルスを送信し、前記被検体にて反射した超音波信号
の共振から被検体の厚みを測定する方法において、受信
信号から表面反射波を除いて多重反射波だけを抽出する
ようにし、この多重反射波を周波数解析して前記被検体
の厚みを求めている。
【0011】超音波を用いて被検体の厚みを測定する方
法において、超音波探触子から超音波パルスを被検体に
送信することにより、前記被検体から反射される超音波
パルスを再度前記超音波探触子で受信し、この受信信号
に定周波の搬送信号を重畳し、これを周波数解析して前
記被検体の厚みを求めている。
法において、超音波探触子から超音波パルスを被検体に
送信することにより、前記被検体から反射される超音波
パルスを再度前記超音波探触子で受信し、この受信信号
に定周波の搬送信号を重畳し、これを周波数解析して前
記被検体の厚みを求めている。
【0012】本発明による超音波による被検体の厚み測
定装置は、被検体に超音波パルスを送信し、且つ前記被
検体から反射される超音波パルスを受信するとこれを電
気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を透過す
る超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超音波探
触子に反射させる反射体と、前記超音波探触子で受信さ
れた二重透過波の電気信号の周波数スペクトルを解析す
る周波数解析手段と、この周波数解析手段により解析さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク
周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚み
に換算する厚み換算手段とを備えた構成としている。
定装置は、被検体に超音波パルスを送信し、且つ前記被
検体から反射される超音波パルスを受信するとこれを電
気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を透過す
る超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超音波探
触子に反射させる反射体と、前記超音波探触子で受信さ
れた二重透過波の電気信号の周波数スペクトルを解析す
る周波数解析手段と、この周波数解析手段により解析さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク
周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚み
に換算する厚み換算手段とを備えた構成としている。
【0013】また、被検体に超音波パルスを送信し、且
つ前記被検体から反射される超音波パルスを受信すると
これを電気信号に変換する超音波探触子と、前記前記超
音波探触子で受信された電気信号の内、表面反射波を除
いて多重反射波だけを抽出するゲートと、このゲートに
より抽出された多重反射波のスペクトルを解析する周波
数解析手段と、この周波数解析手段により解析された周
波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク周波数
検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出された周
波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚みに換算
する厚み換算手段とを備えた構成としている。
つ前記被検体から反射される超音波パルスを受信すると
これを電気信号に変換する超音波探触子と、前記前記超
音波探触子で受信された電気信号の内、表面反射波を除
いて多重反射波だけを抽出するゲートと、このゲートに
より抽出された多重反射波のスペクトルを解析する周波
数解析手段と、この周波数解析手段により解析された周
波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク周波数
検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出された周
波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚みに換算
する厚み換算手段とを備えた構成としている。
【0014】さらに、被検体に超音波パルスを送信し、
且つ前記被検体から反射される超音波パルスを受信する
とこれを電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検
体を透過する超音波パルスを再度前記被検体を通して前
記超音波探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信
号を発生する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受
信された二重透過波の電気信号に前記定周波発生手段よ
り発生する定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波
数変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段によ
り変換された周波数スペクトルのピーク周波数を検出す
るピーク周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段
で検出された周波数スペクトルのピーク周波数から被検
体の厚みに換算する厚み換算手段とを備えた構成として
いる。
且つ前記被検体から反射される超音波パルスを受信する
とこれを電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検
体を透過する超音波パルスを再度前記被検体を通して前
記超音波探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信
号を発生する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受
信された二重透過波の電気信号に前記定周波発生手段よ
り発生する定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波
数変換する周波数変換手段と、この周波数変換手段によ
り変換された周波数スペクトルのピーク周波数を検出す
るピーク周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段
で検出された周波数スペクトルのピーク周波数から被検
体の厚みに換算する厚み換算手段とを備えた構成として
いる。
【0015】被検体に超音波パルスを送信し、且つ前記
被検体から反射される超音波パルスを受信するとこれを
電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を透過
する超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超音波
探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信号を発生
する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受信された
多重透過波の電気信号に前記定周波発生手段より発生す
る定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波数変換す
る周波数変換手段と、この周波数変換手段により変換さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク
周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚み
に換算する厚み換算手段とを備えた構成としている。
被検体から反射される超音波パルスを受信するとこれを
電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を透過
する超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超音波
探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信号を発生
する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受信された
多重透過波の電気信号に前記定周波発生手段より発生す
る定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波数変換す
る周波数変換手段と、この周波数変換手段により変換さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピーク
周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検出さ
れた周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の厚み
に換算する厚み換算手段とを備えた構成としている。
【0016】一方、レーザ光を用いて超音波を送受信
し、前記被検体にて反射した超音波信号の共振から被検
体の厚みを測定する装置において、被検体中で多重反射
した超音波信号を取出すゲート機能と、このゲート機能
により取出された多重反射波を周波数解析してスペクト
ルを求める周波数解析器と、この周波数解析器で求めら
れたスペクトルのピーク周波数から板厚を求める板厚算
出器とを設けた構成としている。また、レーザ光を用い
て超音波を送受信し、前記被検体にて反射した超音波信
号の共振から被検体の厚みを測定する装置において、被
検体中で多重反射した超音波信号を取出すゲート機能
と、定周波信号を連続的に発生する信号発生器と、この
信号発生器の出力信号を前記ゲート機能により取出され
た多重反射波に乗算する乗算器と、この乗算器の出力信
号から低周波成分を取出す低域通過フィルタと、この低
域通過フィルタの出力信号の周波数を解析してスペクト
ルを求める周波数解析器と、この周波数解析器で求めら
れたスペクトルのピーク周波数と信号発生器の発振周波
数から板厚を求める板厚算出器とを備えた構成としてい
る。
し、前記被検体にて反射した超音波信号の共振から被検
体の厚みを測定する装置において、被検体中で多重反射
した超音波信号を取出すゲート機能と、このゲート機能
により取出された多重反射波を周波数解析してスペクト
ルを求める周波数解析器と、この周波数解析器で求めら
れたスペクトルのピーク周波数から板厚を求める板厚算
出器とを設けた構成としている。また、レーザ光を用い
て超音波を送受信し、前記被検体にて反射した超音波信
号の共振から被検体の厚みを測定する装置において、被
検体中で多重反射した超音波信号を取出すゲート機能
と、定周波信号を連続的に発生する信号発生器と、この
信号発生器の出力信号を前記ゲート機能により取出され
た多重反射波に乗算する乗算器と、この乗算器の出力信
号から低周波成分を取出す低域通過フィルタと、この低
域通過フィルタの出力信号の周波数を解析してスペクト
ルを求める周波数解析器と、この周波数解析器で求めら
れたスペクトルのピーク周波数と信号発生器の発振周波
数から板厚を求める板厚算出器とを備えた構成としてい
る。
【0017】
【作用】このような本発明方法および装置にあっては、
超音波探触子から被検体に送信された超音波パルスの反
射波が再度超音波探触子で受信されると、その受信信号
の周波数を解析して超音波波長と被検体の厚みとで決ま
る共振周波数を求めているので、従来のように超音波周
波数を掃引しながら共振周波数を求める必要がなくな
り、測定時間を短縮することが可能となる。
超音波探触子から被検体に送信された超音波パルスの反
射波が再度超音波探触子で受信されると、その受信信号
の周波数を解析して超音波波長と被検体の厚みとで決ま
る共振周波数を求めているので、従来のように超音波周
波数を掃引しながら共振周波数を求める必要がなくな
り、測定時間を短縮することが可能となる。
【0018】本発明装置にあっては、被検体を透過した
超音波パルスは反射体により反射させて超音波探触子で
独立して受信することができるので、被検体の厚さが薄
くても超音波パルスが重なるようなことがなく、高い測
定精度を得ることが可能となる。
超音波パルスは反射体により反射させて超音波探触子で
独立して受信することができるので、被検体の厚さが薄
くても超音波パルスが重なるようなことがなく、高い測
定精度を得ることが可能となる。
【0019】また、本発明装置にあっては、超音波探触
子で受信された電気信号の内、多重反射波に相当する信
号の周波数スペクトルを解析してその周波数スペクトル
のピーク周波数から被検体の厚みを求めることにより、
反射体を用いなくても被検体の厚みを高精度で測定する
ことが可能となる。
子で受信された電気信号の内、多重反射波に相当する信
号の周波数スペクトルを解析してその周波数スペクトル
のピーク周波数から被検体の厚みを求めることにより、
反射体を用いなくても被検体の厚みを高精度で測定する
ことが可能となる。
【0020】さらに、本発明装置にあっては、超音波探
触子で受信された電気信号に定周波発生手段より発生す
る定周波の連続波を乗算することにより周波数変換して
ピーク周波数を検出することで被検体の厚みが測定可能
となる。
触子で受信された電気信号に定周波発生手段より発生す
る定周波の連続波を乗算することにより周波数変換して
ピーク周波数を検出することで被検体の厚みが測定可能
となる。
【0021】なお、本発明にあっては、超音波探触子と
被検体とを直接接触させる場合は勿論、直接接触させな
い場合であっても、水などの伝搬媒質を用いれば、被検
体が動くものに対しても適用が可能である。
被検体とを直接接触させる場合は勿論、直接接触させな
い場合であっても、水などの伝搬媒質を用いれば、被検
体が動くものに対しても適用が可能である。
【0022】一方、本発明のレーザ超音波法による被検
体の厚み測定装置にあっては、パルスレーザ光源より発
光時間の短いパルス状のレーザ光を被検体に照射すると
被検体に超音波パルスが励起し、また干渉計の連続レー
ザ光源より連続レーザ光を被検体に照射すると超音波パ
ルスの多重反射による被検体表面の変位により変調され
た連続レーザ光の反射光から表面変位の時間変化を検出
することにより、その出力信号から被検体の板厚を求め
ることができるので、超音波パルス共振法による板厚測
定装置のように接触媒質が必要なく、非接触で超音波の
送受が可能となり、圧延製造ラインのように被検体が高
速に移動する場合でも容易に板厚を測定すること可能と
なる。
体の厚み測定装置にあっては、パルスレーザ光源より発
光時間の短いパルス状のレーザ光を被検体に照射すると
被検体に超音波パルスが励起し、また干渉計の連続レー
ザ光源より連続レーザ光を被検体に照射すると超音波パ
ルスの多重反射による被検体表面の変位により変調され
た連続レーザ光の反射光から表面変位の時間変化を検出
することにより、その出力信号から被検体の板厚を求め
ることができるので、超音波パルス共振法による板厚測
定装置のように接触媒質が必要なく、非接触で超音波の
送受が可能となり、圧延製造ラインのように被検体が高
速に移動する場合でも容易に板厚を測定すること可能と
なる。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
る。
【0024】図1は本発明による被検体の厚み測定方法
およびその装置を説明するための第1の実施例を示すブ
ロック回路である。図1において、1a,1bは被検体
として例えば板2の上下面を挟んで設けられた水等の超
音波伝搬媒質で、この超音波伝搬媒質1a,1bは超音
波を伝搬させるためのものである。3は超音波伝搬媒質
1bの下面に接触させて設けられた金属、プラスチッ
ク、ゴム等の反射板、4は超音波伝搬媒質1aに接触さ
せて設けられた圧電素子からなる超音波探触子で、この
超音波探触子4はパルス発生器5からパルス信号が入力
されると超音波パルスを出力し、またその反射波を受け
るとこれを電気信号に変換する機能を有している。また
6はパルス発生器5にトリガ信号を加えてパルス信号を
発生させるトリガ回路、7は超音波探触子4により受信
された超音波パルスの反射波の電気信号が入力される広
帯域増幅器、8はこの広帯域増幅器7で増幅された電気
信号をトリガ回路6より出されるトリガ信号に同期して
ゲートを開くゲート回路である。さらに、9はゲート回
路8を通して入力される電気信号の周波数を解析する周
波数解析器、10は周波数解析器9により解析された周
波数のピーク周波数を検出するピーク周波数検出器、1
1はこのピーク周波数検出器10で検出されたピーク周
波数から板厚に換算する板厚換算器である。
およびその装置を説明するための第1の実施例を示すブ
ロック回路である。図1において、1a,1bは被検体
として例えば板2の上下面を挟んで設けられた水等の超
音波伝搬媒質で、この超音波伝搬媒質1a,1bは超音
波を伝搬させるためのものである。3は超音波伝搬媒質
1bの下面に接触させて設けられた金属、プラスチッ
ク、ゴム等の反射板、4は超音波伝搬媒質1aに接触さ
せて設けられた圧電素子からなる超音波探触子で、この
超音波探触子4はパルス発生器5からパルス信号が入力
されると超音波パルスを出力し、またその反射波を受け
るとこれを電気信号に変換する機能を有している。また
6はパルス発生器5にトリガ信号を加えてパルス信号を
発生させるトリガ回路、7は超音波探触子4により受信
された超音波パルスの反射波の電気信号が入力される広
帯域増幅器、8はこの広帯域増幅器7で増幅された電気
信号をトリガ回路6より出されるトリガ信号に同期して
ゲートを開くゲート回路である。さらに、9はゲート回
路8を通して入力される電気信号の周波数を解析する周
波数解析器、10は周波数解析器9により解析された周
波数のピーク周波数を検出するピーク周波数検出器、1
1はこのピーク周波数検出器10で検出されたピーク周
波数から板厚に換算する板厚換算器である。
【0025】次に上記のように構成された被検体の厚み
測定回路の作用を述べる。
測定回路の作用を述べる。
【0026】いま、トリガ回路6より発生するトリガ信
号に同期してパルス発生器5から超音波探触子4にパル
ス信号が加えられると、超音波探触子4より超音波パル
スが超音波伝搬媒質1aを通して板2に伝送される。こ
の超音波パルスは広帯域な周波数成分を有しており、板
2に伝送された超音波パルスの一部は板2を透過し超音
波伝搬媒質1bを経て反射板3に到達し、この反射板3
にて反射した後同じ経路を辿って超音波探触子4に到達
する。以下このようにして得られる超音波パルスを二重
透過波と呼ぶ。この超音波探触子4により超音波パルス
の反射波が受信されると、その反射波は電気信号に変換
されて広帯域増幅器7に加えられる。広帯域増幅器7で
は超音波探触子4より入力される電気信号を増幅し、ゲ
ート回路8に与える。ゲート回路8ではトリガ回路6か
ら入力されるトリガ信号によってパルス発生器5と同期
してゲートを開き、二重透過波の電気信号を選択して周
波数解析器9に与える。この周波数解析器9ではゲート
回路8により選択された二重透過波の電気信号より周波
数スペクトルを求め、これをピーク周波数検出器10に
入力する。ピーク周波数検出器10では周波数スペクト
ルからピーク周波数を求めて板厚換算器11に与え、こ
の板厚換算器11により最終的に板厚に換算される。
号に同期してパルス発生器5から超音波探触子4にパル
ス信号が加えられると、超音波探触子4より超音波パル
スが超音波伝搬媒質1aを通して板2に伝送される。こ
の超音波パルスは広帯域な周波数成分を有しており、板
2に伝送された超音波パルスの一部は板2を透過し超音
波伝搬媒質1bを経て反射板3に到達し、この反射板3
にて反射した後同じ経路を辿って超音波探触子4に到達
する。以下このようにして得られる超音波パルスを二重
透過波と呼ぶ。この超音波探触子4により超音波パルス
の反射波が受信されると、その反射波は電気信号に変換
されて広帯域増幅器7に加えられる。広帯域増幅器7で
は超音波探触子4より入力される電気信号を増幅し、ゲ
ート回路8に与える。ゲート回路8ではトリガ回路6か
ら入力されるトリガ信号によってパルス発生器5と同期
してゲートを開き、二重透過波の電気信号を選択して周
波数解析器9に与える。この周波数解析器9ではゲート
回路8により選択された二重透過波の電気信号より周波
数スペクトルを求め、これをピーク周波数検出器10に
入力する。ピーク周波数検出器10では周波数スペクト
ルからピーク周波数を求めて板厚換算器11に与え、こ
の板厚換算器11により最終的に板厚に換算される。
【0027】さて、超音波が板2を透過するときの周波
数特性G(ω)は次式で表される。
数特性G(ω)は次式で表される。
【0028】 G(ω)=2/{2Cos(ωd/c)+J(Z/Zd+Zd/Z)Sin( ωd/c)} …(1) 但し、ωは角周波数、d は被検体の厚さ、c は被検体の
音速、Zdは被検体の音響インピーダンス、Z は超音波伝
搬媒質の音響インピーダンスである。
音速、Zdは被検体の音響インピーダンス、Z は超音波伝
搬媒質の音響インピーダンスである。
【0029】上記(1)式は次の(2)式の周波数でピ
ークを持つことを意味する。
ークを持つことを意味する。
【0030】fn=nc/(2d) …(2) 但し、n は整数である。
【0031】超音波探触子4より送出される超音波パル
スの周波数スペクトルは、G(ω)に比べるとほぼ平坦
であり、反射板3での周波数スペクトルの変化はないの
で、二重透過波は上記(2)式の周波数でピークを持
つ。そこで、二重透過波の超音波パルスのピーク周波数
と板2の音速を用いて上記(2)式を逆算することで、
板厚を求めることができる。
スの周波数スペクトルは、G(ω)に比べるとほぼ平坦
であり、反射板3での周波数スペクトルの変化はないの
で、二重透過波は上記(2)式の周波数でピークを持
つ。そこで、二重透過波の超音波パルスのピーク周波数
と板2の音速を用いて上記(2)式を逆算することで、
板厚を求めることができる。
【0032】図2は公称周波数50MHz の超音波探触子
を0.2mmの厚さを持つアルミニュウム板である被検体
と25mm離して配置し、被検体と反射板の距離を5mmと
したときの超音波受信波形である。第2図において、1
2は被検体の表面で反射した超音波パルスであり、13
は被検体を透過し反射板で反射後再度被検体を透過した
二重透過波である。
を0.2mmの厚さを持つアルミニュウム板である被検体
と25mm離して配置し、被検体と反射板の距離を5mmと
したときの超音波受信波形である。第2図において、1
2は被検体の表面で反射した超音波パルスであり、13
は被検体を透過し反射板で反射後再度被検体を透過した
二重透過波である。
【0033】また、図3は図2中二重透過波13を周波
数解析した結果であり、上記(2)式で表される周波数
にピークが表れている。このピークが出ている周波数は
15MHZ であり、板の音速が6250m/s なので、板厚は上
記(2)式より208 μm と換算できる。
数解析した結果であり、上記(2)式で表される周波数
にピークが表れている。このピークが出ている周波数は
15MHZ であり、板の音速が6250m/s なので、板厚は上
記(2)式より208 μm と換算できる。
【0034】このように本実施例では、超音波探触子4
から超音波パルスが被検体として用いられた板2の板厚
方向に超音波伝搬媒質1aを介して送信されると、超音
波探触子4で受信された二重透過波の超音波パルスの受
信信号が選択されて周波数解析器9により周波数スペク
トルを解析し、さらにピーク検出器10により周波数ス
ペクトルのピーク周波数を検出すると共に、板厚換算器
11により板厚を求めるようにしたものである。
から超音波パルスが被検体として用いられた板2の板厚
方向に超音波伝搬媒質1aを介して送信されると、超音
波探触子4で受信された二重透過波の超音波パルスの受
信信号が選択されて周波数解析器9により周波数スペク
トルを解析し、さらにピーク検出器10により周波数ス
ペクトルのピーク周波数を検出すると共に、板厚換算器
11により板厚を求めるようにしたものである。
【0035】したがって、超音波探触子4から水等の超
音波伝搬媒質1aを介して板2に超音波パルスを入射す
ることができるので、超音波探触子4を板2に接触させ
なくても測定精度を上げることができる。また、板2を
透過した超音波パルスの周波数スペクトルを解析して超
音波波長と板厚とで決まる共振周波数を求めるようにし
ているので、超音波周波数を掃引しながら共振周波数を
求める必要がなく、測定時間を短縮することができる。
さらに、板2を透過した超音波パルスを独立して受信す
ることができるので、パルスの重なりが生じるようなこ
とがなく、薄い板厚の板であっても高精度に測定するこ
とができる。
音波伝搬媒質1aを介して板2に超音波パルスを入射す
ることができるので、超音波探触子4を板2に接触させ
なくても測定精度を上げることができる。また、板2を
透過した超音波パルスの周波数スペクトルを解析して超
音波波長と板厚とで決まる共振周波数を求めるようにし
ているので、超音波周波数を掃引しながら共振周波数を
求める必要がなく、測定時間を短縮することができる。
さらに、板2を透過した超音波パルスを独立して受信す
ることができるので、パルスの重なりが生じるようなこ
とがなく、薄い板厚の板であっても高精度に測定するこ
とができる。
【0036】なお、上記実施例では超音波探触子4にト
リガ回路6によりトリガされるパルス発生器5、超音波
探触子4で受信された超音波パルスの受信信号を増幅す
る広帯域増幅器7およびトリガ回路6によりパルス発生
器5と同期させてゲート開され、広帯域増幅器7で増幅
された受信信号を周波数解析器9に入力するゲート回路
8を用いたが、これらの部分を超音波探傷器で代用させ
るようにしてもよい。この場合、超音波探傷器の受信出
力波形をA/D変換した後、メモリに格納しておき、必
要な波形を読み出し可能とすることにより、ゲート回路
8と同様の機能を持たせることができる。さらに、上記
実施例では周波数解析器9により受信信号の周波数スペ
クトルを解析するようにしたが、受信信号をA/D変換
した波形からFFT等のディジタル処理で周波数を求め
るようにしても良い。
リガ回路6によりトリガされるパルス発生器5、超音波
探触子4で受信された超音波パルスの受信信号を増幅す
る広帯域増幅器7およびトリガ回路6によりパルス発生
器5と同期させてゲート開され、広帯域増幅器7で増幅
された受信信号を周波数解析器9に入力するゲート回路
8を用いたが、これらの部分を超音波探傷器で代用させ
るようにしてもよい。この場合、超音波探傷器の受信出
力波形をA/D変換した後、メモリに格納しておき、必
要な波形を読み出し可能とすることにより、ゲート回路
8と同様の機能を持たせることができる。さらに、上記
実施例では周波数解析器9により受信信号の周波数スペ
クトルを解析するようにしたが、受信信号をA/D変換
した波形からFFT等のディジタル処理で周波数を求め
るようにしても良い。
【0037】次にこのFFT等のディジタル処理で周波
数を求める方式で、厚さ約100 μmの黄銅からなる材料
の板厚を実際に測定した場合の具体例について述べる
に、まずその測定条件について考察する。
数を求める方式で、厚さ約100 μmの黄銅からなる材料
の板厚を実際に測定した場合の具体例について述べる
に、まずその測定条件について考察する。
【0038】(a)超音波探触子 超音波探触子としては、集束型探触子の場合、超音波の
向きが一旦絞られる方向に集束する傾向にあるため、超
音波探触子4と板2との間に存する超音波伝搬媒質1a
の距離w1 と板2と反射板3との間に存する超音波伝搬
媒質1aの距離w2 を変えると、板の測定厚が変化する
傾向があることから非集束型探触子を用いることにし
た。そして、検出特性としては、予め板厚dが分かって
いる場合には共振周波数fp =c/2dに中心周波数を持つ
探触子を選ぶことにより、エコー強度を強めることが可
能である。また板厚が分からない場合にはできる限り広
帯域な探触子を選ぶことにより、どの周波数域にピーク
が出ても検出できる。さらに、探触子の測定角度として
はその超音波の送受面を板に対して平行にした方がよ
い。これは探触子の送受面が板に対してΘだけ傾いてい
ると、板厚をd/cos Θとして測定しなければならない
ためである。
向きが一旦絞られる方向に集束する傾向にあるため、超
音波探触子4と板2との間に存する超音波伝搬媒質1a
の距離w1 と板2と反射板3との間に存する超音波伝搬
媒質1aの距離w2 を変えると、板の測定厚が変化する
傾向があることから非集束型探触子を用いることにし
た。そして、検出特性としては、予め板厚dが分かって
いる場合には共振周波数fp =c/2dに中心周波数を持つ
探触子を選ぶことにより、エコー強度を強めることが可
能である。また板厚が分からない場合にはできる限り広
帯域な探触子を選ぶことにより、どの周波数域にピーク
が出ても検出できる。さらに、探触子の測定角度として
はその超音波の送受面を板に対して平行にした方がよ
い。これは探触子の送受面が板に対してΘだけ傾いてい
ると、板厚をd/cos Θとして測定しなければならない
ためである。
【0039】(b)超音波伝搬媒質 超音波伝搬媒質としては粘性減衰の少ない水が良いが、
金属が錆びるという問題があるため、アルコールが適当
である。
金属が錆びるという問題があるため、アルコールが適当
である。
【0040】因みに、減衰定数は 水 αf2 =25.3×10-17 sec 2 /cm (20度Cにて) エチルアルコール αf2 =46.7×10-17 sec 2 /cm (22度Cにて) シリコーンオイル αf2 =580 ×10-17 sec 2 /cm (20.5度Cにて) である。
【0041】(c)反射板 反射板としては超音波伝搬媒質(水など)と音響インピ
ーダンスに差があればある程良い。これは差がないと反
射量が減って弱くなるためである。
ーダンスに差があればある程良い。これは差がないと反
射量が減って弱くなるためである。
【0042】ここで、縦波垂直入射時の音圧反射率rに
ついて示すと図4に示す通りである。例えば、アクリル
と銅とを比較して見ると、音圧反射率からも明らかなよ
うに銅の方がよく反射するので、二重透過波は強くな
り、ノイズの影響を受けにくく測定再現性が良くなる。
ついて示すと図4に示す通りである。例えば、アクリル
と銅とを比較して見ると、音圧反射率からも明らかなよ
うに銅の方がよく反射するので、二重透過波は強くな
り、ノイズの影響を受けにくく測定再現性が良くなる。
【0043】(d)超音波伝搬媒質(水など)1a,1
bの距離w1 ,w2 距離w1 ,w2 としては、二重透過法の場合、板表面か
ら直接反射される表面反射エコーSn(Sn=2w1 ・
n/Cw)と、板を透過して反射板より反射され、さら
に板を透過する二重透過エコーTn(Tn=Sn+2w
2 /Cw)と、板と反射板との間を2往復以上する多重
反射エコー(T1n=S1 +2w2 ・n/Cw)があ
り、これらのエコーの内板厚測定に寄与するエコーは、
S1 とS2との中間に存在するT11を捕らえればよい。
したがって、T11=(S1 +S2 )/2より、w1 =2
w2 の関係にする。この場合、W1 が近いとエコーが強
くなってノイズに対して良いが、エコーは間延びしてい
るので近過ぎはよくない。このエコーの間延びは材料に
よって違うので、その都度調整する必要がある。
bの距離w1 ,w2 距離w1 ,w2 としては、二重透過法の場合、板表面か
ら直接反射される表面反射エコーSn(Sn=2w1 ・
n/Cw)と、板を透過して反射板より反射され、さら
に板を透過する二重透過エコーTn(Tn=Sn+2w
2 /Cw)と、板と反射板との間を2往復以上する多重
反射エコー(T1n=S1 +2w2 ・n/Cw)があ
り、これらのエコーの内板厚測定に寄与するエコーは、
S1 とS2との中間に存在するT11を捕らえればよい。
したがって、T11=(S1 +S2 )/2より、w1 =2
w2 の関係にする。この場合、W1 が近いとエコーが強
くなってノイズに対して良いが、エコーは間延びしてい
るので近過ぎはよくない。このエコーの間延びは材料に
よって違うので、その都度調整する必要がある。
【0044】(e)A/D変換器 A/D変換器としては、共振ピーク周波数がfp=10MHZ
の場合、サンプリング周波数が2fp (2×10MHZ)より少し
高め(2.5fp 程度)に選ぶ。仮に2fp より低いと、サン
プリング定理を満たさないので、エイリアシリング(折
り返し)が発生し、FFT後のスペクトル解析が難しく
なる。例えばfp=10MHZ を15MHZ でサンプリングし、F
FTするとfpとして5MHZと10MHZ の2つが出てしまう。
の場合、サンプリング周波数が2fp (2×10MHZ)より少し
高め(2.5fp 程度)に選ぶ。仮に2fp より低いと、サン
プリング定理を満たさないので、エイリアシリング(折
り返し)が発生し、FFT後のスペクトル解析が難しく
なる。例えばfp=10MHZ を15MHZ でサンプリングし、F
FTするとfpとして5MHZと10MHZ の2つが出てしまう。
【0045】また、共振ピーク周波数fpが1次、2次、
3次として現れる場合には、2次、3次の共振ピーク周
波数をローパスフィルタで取除けば良い。
3次として現れる場合には、2次、3次の共振ピーク周
波数をローパスフィルタで取除けば良い。
【0046】なお、超音波探触子に代えて超音波探傷器
を用いる場合には送信パルスの周波数スペクトルが十分
広く、板の共振周波数を含んでいること、また受信アン
プの周波数帯域も板の共振周波数を含んでいることが必
要である。
を用いる場合には送信パルスの周波数スペクトルが十分
広く、板の共振周波数を含んでいること、また受信アン
プの周波数帯域も板の共振周波数を含んでいることが必
要である。
【0047】このような測定条件を考慮して厚さ約100
μm の黄銅(L=4640m)を測定したところ次のような
結果が得られた。この場合、共振周波数fp1は4640/2・
100=約23MHz である。そこで、中心周波数20MHZ の非
集束型の超音波探触子を選択し、また水距離をw1 =1
0mm、w2 =5mmとした。
μm の黄銅(L=4640m)を測定したところ次のような
結果が得られた。この場合、共振周波数fp1は4640/2・
100=約23MHz である。そこで、中心周波数20MHZ の非
集束型の超音波探触子を選択し、また水距離をw1 =1
0mm、w2 =5mmとした。
【0048】まず、板をセットしない状態での反射板か
らのエコーのスペクトルは図5のようになり、板をセッ
トすると図6(a)に示すような二重透過波が得られ、
そのスペクトルは図6(b)となった。図6(b)に示
すスペクトルからも分かるようにピークが3つあり、そ
の内一番大きいピークの周波数と右側のピークの周波数
はおよそ1:2なので、このピーク周波数が板厚の共振
ピークであると考えられる。そこで、板厚は1次の共振
周波数より、4640/2・22.27MHZ=104.18μm と計算され
る。図示左側で一番大きいピークはノイズの影響と思わ
れる。
らのエコーのスペクトルは図5のようになり、板をセッ
トすると図6(a)に示すような二重透過波が得られ、
そのスペクトルは図6(b)となった。図6(b)に示
すスペクトルからも分かるようにピークが3つあり、そ
の内一番大きいピークの周波数と右側のピークの周波数
はおよそ1:2なので、このピーク周波数が板厚の共振
ピークであると考えられる。そこで、板厚は1次の共振
周波数より、4640/2・22.27MHZ=104.18μm と計算され
る。図示左側で一番大きいピークはノイズの影響と思わ
れる。
【0049】なお、超音波探傷器を用いて、その受信信
号をA/D変換した波形からFFT等のディジタル処理
で周波数を求める場合、A/Dのサンプリング周波数を
100MHZ、FFT点数は4096点とすることにより、板厚の
分解能は約0.11%で、約0.11μm である。
号をA/D変換した波形からFFT等のディジタル処理
で周波数を求める場合、A/Dのサンプリング周波数を
100MHZ、FFT点数は4096点とすることにより、板厚の
分解能は約0.11%で、約0.11μm である。
【0050】因みに、この結果を市販の最高性能の板厚
計と比較すると、市販;100 μm が測れるぎりぎりの薄
さであり、分解能は1μm である。
計と比較すると、市販;100 μm が測れるぎりぎりの薄
さであり、分解能は1μm である。
【0051】本例;少なくとも50μm 位まで測ることが
可能であり、分解能は1μm 以下である。
可能であり、分解能は1μm 以下である。
【0052】次に本発明の他の実施例について説明す
る。
る。
【0053】第1の実施例では、図1に示すように被検
体として例えば板2の上下面を挟んで水等の超音波伝搬
媒質1a,1bを設け、さらに超音波伝搬媒質1bの下
面に反射板3を設けるようにしたが、例えば圧延鋼板の
ように走行移動する被検体2の板厚を測定する場合には
被検体2、反射板3の全てを水中に浸し、且つ反射板3
を被検体2の走行移動方向に沿って平行に配設する以外
は困難である。
体として例えば板2の上下面を挟んで水等の超音波伝搬
媒質1a,1bを設け、さらに超音波伝搬媒質1bの下
面に反射板3を設けるようにしたが、例えば圧延鋼板の
ように走行移動する被検体2の板厚を測定する場合には
被検体2、反射板3の全てを水中に浸し、且つ反射板3
を被検体2の走行移動方向に沿って平行に配設する以外
は困難である。
【0054】そこで、第2の実施例ではかかる走行移動
する被検体に対して反射体の構成を次のようにするもの
である。すなわち、図7に示すように図示矢印方向に走
行移動する被検体、例えば圧延鋼板21の裏面側にゴム
からなるタイヤ31を反射体として設けると共に、この
タイヤ31を圧延鋼板21の走行に応じて転動可能に図
示しない支持体に支持させる構成とするものである。
する被検体に対して反射体の構成を次のようにするもの
である。すなわち、図7に示すように図示矢印方向に走
行移動する被検体、例えば圧延鋼板21の裏面側にゴム
からなるタイヤ31を反射体として設けると共に、この
タイヤ31を圧延鋼板21の走行に応じて転動可能に図
示しない支持体に支持させる構成とするものである。
【0055】このように反射体としてタイヤ31を用い
ることにより、反射体の配置が簡単になると共に圧延鋼
板21および反射体を全没水浸状態にしなくても、局部
水浸状態だけで板厚の測定が可能となる。また、タイヤ
31は圧延鋼板21の走行に応じて転動するので、圧延
工程が実施されているオンラインの状態でも使用するこ
とができる。
ることにより、反射体の配置が簡単になると共に圧延鋼
板21および反射体を全没水浸状態にしなくても、局部
水浸状態だけで板厚の測定が可能となる。また、タイヤ
31は圧延鋼板21の走行に応じて転動するので、圧延
工程が実施されているオンラインの状態でも使用するこ
とができる。
【0056】ここで、圧延鋼板31の板厚測定は図1と
同様に行われる。つまり、超音波探触子4から出力され
た超音波パルスは超音波伝搬媒質として用いられる水1
1を通り、鋼板21を透過してタイヤ31に到達する。
このタイヤ31に到達した超音波パルスはその内面で反
射し、その反射波(二重透過波)は圧延鋼板31、水1
1の順で超音波探触子4に戻り、この超音波探触子4で
二重透過波を受信後前記実施例と同様に信号処理されて
板厚が計測される。
同様に行われる。つまり、超音波探触子4から出力され
た超音波パルスは超音波伝搬媒質として用いられる水1
1を通り、鋼板21を透過してタイヤ31に到達する。
このタイヤ31に到達した超音波パルスはその内面で反
射し、その反射波(二重透過波)は圧延鋼板31、水1
1の順で超音波探触子4に戻り、この超音波探触子4で
二重透過波を受信後前記実施例と同様に信号処理されて
板厚が計測される。
【0057】因みに、いま超音波探触子4として公称周
波数15MHZ の広帯域探触子を用い、水11と圧延鋼板
31との間隔を30mm、圧延鋼板31の板厚0.2mmと
し、タイヤ31の肉厚5mmで直径30mmのゴム製を用い
て板厚を測定したところ、二重透過波のスペクトルのピ
ークは、14.8MHZ となり、これを板厚に換算する
と、 d=5190/2・14.8×106 =0.201mm が得られた。
波数15MHZ の広帯域探触子を用い、水11と圧延鋼板
31との間隔を30mm、圧延鋼板31の板厚0.2mmと
し、タイヤ31の肉厚5mmで直径30mmのゴム製を用い
て板厚を測定したところ、二重透過波のスペクトルのピ
ークは、14.8MHZ となり、これを板厚に換算する
と、 d=5190/2・14.8×106 =0.201mm が得られた。
【0058】なお、上記第2の実施例ではタイヤ31と
してゴム製のものを用いたが、木、鉄、合成樹脂(例え
ばアクリル)等、超音波が透過し且つ反射するものであ
れば、何れの材質であっても良い。また、上記第2の実
施例では反射体としてタイヤの場合について述べたが、
ローラ、その他の回転体として構成したものであっても
良い。さらに、上記実施例では被検体の走行に応じて転
動するタイヤを反射体として用いたが、シュー構造の反
射体であっても良い。
してゴム製のものを用いたが、木、鉄、合成樹脂(例え
ばアクリル)等、超音波が透過し且つ反射するものであ
れば、何れの材質であっても良い。また、上記第2の実
施例では反射体としてタイヤの場合について述べたが、
ローラ、その他の回転体として構成したものであっても
良い。さらに、上記実施例では被検体の走行に応じて転
動するタイヤを反射体として用いたが、シュー構造の反
射体であっても良い。
【0059】図8は本発明の第3の実施例を示すブロッ
ク回路図で、第1図と同一部分には同一記号を付して示
す。図8において、1は被検体として例えば板2の上面
部に設けられた超音波伝搬媒質で、この超音波伝搬媒質
1に接触させて超音波探触子4が設けられている。この
超音波探触子4は圧電素子からなり、パルス発生器5か
らパルス信号が入力されると超音波パルスを出力し、ま
たその反射波を受けるとこれを電気信号に変換する機能
を有している。また、6はパルス発生器5にトリガ信号
を加えてパルス信号を発生させるトリガ回路、7は超音
波探触子4により受信された板2からの反射波の電気信
号が入力される広帯域増幅器である。さらに、12はこ
の広帯域増幅器7で増幅された反射波に相当するアナロ
グ信号をトリガ回路6より出されるトリガ信号に同期し
てディジタル信号に変換するA/D変換器、13はその
ディジタル信号を記憶する波形メモリ、14はこの波形
メモリ13に記憶されたディジタル信号の内、被検体内
部の多重反射波に相当するディジタル信号を読み出して
記憶する波形メモリ、15は波形メモリ14に記憶され
た被検体内部の多重反射波に相当するディジタル信号を
演算処理して周波数スペクトルを解析する演算処理部で
ある。そして、10はこの演算処理部15により解析さ
れた周波数のピーク周波数を検出するピーク周波数検出
器、11はこのピーク周波数検出器10で検出されたピ
ーク周波数から板厚に換算する板厚換算器である。
ク回路図で、第1図と同一部分には同一記号を付して示
す。図8において、1は被検体として例えば板2の上面
部に設けられた超音波伝搬媒質で、この超音波伝搬媒質
1に接触させて超音波探触子4が設けられている。この
超音波探触子4は圧電素子からなり、パルス発生器5か
らパルス信号が入力されると超音波パルスを出力し、ま
たその反射波を受けるとこれを電気信号に変換する機能
を有している。また、6はパルス発生器5にトリガ信号
を加えてパルス信号を発生させるトリガ回路、7は超音
波探触子4により受信された板2からの反射波の電気信
号が入力される広帯域増幅器である。さらに、12はこ
の広帯域増幅器7で増幅された反射波に相当するアナロ
グ信号をトリガ回路6より出されるトリガ信号に同期し
てディジタル信号に変換するA/D変換器、13はその
ディジタル信号を記憶する波形メモリ、14はこの波形
メモリ13に記憶されたディジタル信号の内、被検体内
部の多重反射波に相当するディジタル信号を読み出して
記憶する波形メモリ、15は波形メモリ14に記憶され
た被検体内部の多重反射波に相当するディジタル信号を
演算処理して周波数スペクトルを解析する演算処理部で
ある。そして、10はこの演算処理部15により解析さ
れた周波数のピーク周波数を検出するピーク周波数検出
器、11はこのピーク周波数検出器10で検出されたピ
ーク周波数から板厚に換算する板厚換算器である。
【0060】次にこのように構成された板の厚み測定回
路の作用を述べる。
路の作用を述べる。
【0061】いま、トリガ回路6より発生するトリガ信
号に同期してパルス発生器5から超音波探触子4にパル
ス信号が加えられると、この超音波探触子4より超音波
パルスが超音波伝搬媒質1を通して板2に伝送される。
この板2に伝送された超音波パルスは図9に示すように
板表面で反射したエコーと被検体内部の多重反射波を含
むエコーS1 と、板2と超音波探触子4との間を反射し
て2往復したエコーS2 などが超音波探触子4に到達す
る。このような超音波パルスの反射波が超音波探触子4
により受信されると、その反射波は電気信号に変換され
て広帯域増幅器7に加えられる。広帯域増幅器7では超
音波探触子4から入力される電気信号を増幅し、そのア
ナログ信号をA/D変換器12に与える。このA/D変
換器12ではトリガ回路6から入力されるトリガー信号
に同期してアナログ信号をディジタル信号に変換し、波
形メモリ13に記憶される。そして、波形メモリ13に
記憶されたディジタル信号の内、被検体内部の多重反射
波に相当するディジタル信号が読み出され、波形メモリ
14に記憶される。この波形メモリ14に記憶された被
検体内部の多重反射波に相当するディジタル信号は演算
処理部15に取込まれ、この演算処理部15でその周波
数スペクトルを求めてピーク周波数検出器10に入力す
る。このピーク周波数検出器10では図10に示す周波
数スペクトルからピーク周波数f1 を求めて板厚換算器
11に与え、この板厚換算器11により最終的に板厚に
換算される。
号に同期してパルス発生器5から超音波探触子4にパル
ス信号が加えられると、この超音波探触子4より超音波
パルスが超音波伝搬媒質1を通して板2に伝送される。
この板2に伝送された超音波パルスは図9に示すように
板表面で反射したエコーと被検体内部の多重反射波を含
むエコーS1 と、板2と超音波探触子4との間を反射し
て2往復したエコーS2 などが超音波探触子4に到達す
る。このような超音波パルスの反射波が超音波探触子4
により受信されると、その反射波は電気信号に変換され
て広帯域増幅器7に加えられる。広帯域増幅器7では超
音波探触子4から入力される電気信号を増幅し、そのア
ナログ信号をA/D変換器12に与える。このA/D変
換器12ではトリガ回路6から入力されるトリガー信号
に同期してアナログ信号をディジタル信号に変換し、波
形メモリ13に記憶される。そして、波形メモリ13に
記憶されたディジタル信号の内、被検体内部の多重反射
波に相当するディジタル信号が読み出され、波形メモリ
14に記憶される。この波形メモリ14に記憶された被
検体内部の多重反射波に相当するディジタル信号は演算
処理部15に取込まれ、この演算処理部15でその周波
数スペクトルを求めてピーク周波数検出器10に入力す
る。このピーク周波数検出器10では図10に示す周波
数スペクトルからピーク周波数f1 を求めて板厚換算器
11に与え、この板厚換算器11により最終的に板厚に
換算される。
【0062】ここで、板2から反射される多重反射波を
y(t) とし、入射波をx(t) とすると、 y(t) =ax(t) −(1−a2 )x(t−2d/c)−a(1−a2 )x(t− 2 ・2d/c)−a2 (1−a2 )x(t−3 ・2d/c) −…… として表される。但し、aは音圧反射率であり、超音波
伝搬媒質の音響インピーダンスZ1 と被検体の音響イン
ピーダンスZ2 より次式で求められる。
y(t) とし、入射波をx(t) とすると、 y(t) =ax(t) −(1−a2 )x(t−2d/c)−a(1−a2 )x(t− 2 ・2d/c)−a2 (1−a2 )x(t−3 ・2d/c) −…… として表される。但し、aは音圧反射率であり、超音波
伝搬媒質の音響インピーダンスZ1 と被検体の音響イン
ピーダンスZ2 より次式で求められる。
【0063】a=(Z2 −Z1 )/(Z1 +Z2 ) 例えば、超音波伝搬媒質が水、被検体が鋼板とすると、 Z1 =1.48×106 kg/m2 sより、Z2 =45.4×106 kg/m
2 sより、 a=0.93686 である。
2 sより、 a=0.93686 である。
【0064】この実施例では、被検体表面の反射波ax
(t) を除いた被検体内部の多重反射波y' (t) を周波数
解析の対象とする。
(t) を除いた被検体内部の多重反射波y' (t) を周波数
解析の対象とする。
【0065】 y'(t)=−(1−a2 )・x(t−2d/c)−a(1−a2 )・x(t2 ・− 2d/c)−a2 (1−a2 )・x(t−3 ・2d/c) −…… 波形メモリ13に記憶されたディジタル信号からy'(t)
を取出すためには次の手順による。
を取出すためには次の手順による。
【0066】図11は多重反射波y(t) である。y(t)
の式で導かれているように表面反射の反射強度aは、被
検体内部の第1反射波(1−a2 )に比べてa/(1−
a2 )倍大きい。そこで、図11において、きわだって
大きいAの部分を外したBの部分を取出せば、被検体内
部の多重反射波y'(t)を取出すことができる。なお、こ
の時必ずしも被検体内部の第1反射波から取出せなくて
もピーク周波数は変化しないので、y'(t)を取出すにあ
たって正確さは必要としない。
の式で導かれているように表面反射の反射強度aは、被
検体内部の第1反射波(1−a2 )に比べてa/(1−
a2 )倍大きい。そこで、図11において、きわだって
大きいAの部分を外したBの部分を取出せば、被検体内
部の多重反射波y'(t)を取出すことができる。なお、こ
の時必ずしも被検体内部の第1反射波から取出せなくて
もピーク周波数は変化しないので、y'(t)を取出すにあ
たって正確さは必要としない。
【0067】さて、y'(t)をフーリエ変換すると、 |y'(ω )|=|−(1−a2 )・X ( ω )・1/(1−a2 e-Jωd/c | となる。ただし、ω=2πfである。
【0068】上式は、 fn =n ・c/(2d) 但しn =整数
の周波数でピークを持つことを示している。
の周波数でピークを持つことを示している。
【0069】例えば、公称周波数50MHz、φ=3m
m、非収束型の超音波探触子を厚さ約50μm のモリブ
デン板に対して10mm離し、接触触媒に水を用いて被検
体の反射波を測定したところ、図12のような波形を得
た。図12の内被検体内部の多重反射波であるBの部分
をフーリエ変換したところ図13のようになり、そのピ
ーク周波数f1は67.32 MHzであった。ここで、板の
音速がc=6750m/s とすると、 d =6750/2・1/67.32 ×106 =50.13 ×10-6=50.13 μ
m となり、実際の値に近似した測定値が得られた。
m、非収束型の超音波探触子を厚さ約50μm のモリブ
デン板に対して10mm離し、接触触媒に水を用いて被検
体の反射波を測定したところ、図12のような波形を得
た。図12の内被検体内部の多重反射波であるBの部分
をフーリエ変換したところ図13のようになり、そのピ
ーク周波数f1は67.32 MHzであった。ここで、板の
音速がc=6750m/s とすると、 d =6750/2・1/67.32 ×106 =50.13 ×10-6=50.13 μ
m となり、実際の値に近似した測定値が得られた。
【0070】このように第3の実施例では超音波探触子
4から板2に超音波パルスを入射し、その反射波を超音
波探触子4で受信してその電気信号をA/D変換器12
によりディジタル信号に変換して波形メモリ13に記憶
し、この波形メモリ13の記憶信号の内、被検体内部の
多重反射波に相当する信号を取出して演算処理部14に
より周波数スペクトルを解析し、さらにこの周波数スペ
クトルのピーク周波数をピーク検出器10で検出して板
厚換算器11により板厚を求めるようにしたものであ
る。
4から板2に超音波パルスを入射し、その反射波を超音
波探触子4で受信してその電気信号をA/D変換器12
によりディジタル信号に変換して波形メモリ13に記憶
し、この波形メモリ13の記憶信号の内、被検体内部の
多重反射波に相当する信号を取出して演算処理部14に
より周波数スペクトルを解析し、さらにこの周波数スペ
クトルのピーク周波数をピーク検出器10で検出して板
厚換算器11により板厚を求めるようにしたものであ
る。
【0071】したがって、前述した第1の実施例と同様
に超音波探触子4を板2に接触させなくても測定精度を
上げることができ、また超音波周波数を掃引しながら共
振周波数を求める必要がないので、測定時間を短縮する
ことができる。さらにパルスが重なりあっていても、そ
の重なりあった被検体内部の多重反射波に相当する信号
を周波数解析することで、薄い板の厚みを高精度に測定
することができる。
に超音波探触子4を板2に接触させなくても測定精度を
上げることができ、また超音波周波数を掃引しながら共
振周波数を求める必要がないので、測定時間を短縮する
ことができる。さらにパルスが重なりあっていても、そ
の重なりあった被検体内部の多重反射波に相当する信号
を周波数解析することで、薄い板の厚みを高精度に測定
することができる。
【0072】特に本実施例では多重反射波から板厚を測
定しているので、反射板が不要になり、それだけ構成が
簡単になると共に反射板の設定位置を求める必要もない
ことから、例えば圧延鋼板のようなオンラインでの板厚
測定に適したものとなる。
定しているので、反射板が不要になり、それだけ構成が
簡単になると共に反射板の設定位置を求める必要もない
ことから、例えば圧延鋼板のようなオンラインでの板厚
測定に適したものとなる。
【0073】次に前記実施例同様の測定条件下のもとで
FFT等のディジタル処理により周波数を求める方式
で、厚さ約100 μm の黄銅からなる材料の板厚を実際に
測定した場合の具体例について述べる。なお、被検体内
部の多重反射波の場合には超音波伝搬媒質(水など)1
aの測定条件としては、エコーS1 とS2 とが重ならな
い位まで近付けた方がよい。
FFT等のディジタル処理により周波数を求める方式
で、厚さ約100 μm の黄銅からなる材料の板厚を実際に
測定した場合の具体例について述べる。なお、被検体内
部の多重反射波の場合には超音波伝搬媒質(水など)1
aの測定条件としては、エコーS1 とS2 とが重ならな
い位まで近付けた方がよい。
【0074】ここで、前述したように厚さ約100 μm の
黄銅(L=4640m)を測定したところ次のような結果が
得られた。この場合、共振周波数fp1は4640/2・100=約
23MHz である。そこで、中心周波数20MHZ の非集束型
の超音波探触子を選択し、また水距離をw1 =10mmと
した。
黄銅(L=4640m)を測定したところ次のような結果が
得られた。この場合、共振周波数fp1は4640/2・100=約
23MHz である。そこで、中心周波数20MHZ の非集束型
の超音波探触子を選択し、また水距離をw1 =10mmと
した。
【0075】前記第3の実施例と同様の測定手順で、被
検体からの反射波を測定したところ、図14(a)に示
すような多重反射波が得られ、そのスペクトルは図14
(b)となった。図14(b)に示すスペクトルからも
分かるように一番大きいピークの周波数と右側のピーク
の周波数はおよそ1:2なので、このピーク周波数が板
厚の共振ピークであると考えられる。そこで、板厚は1
次の共振周波数より、4640/2・22.27MHZ=104.18μmと
計算される。
検体からの反射波を測定したところ、図14(a)に示
すような多重反射波が得られ、そのスペクトルは図14
(b)となった。図14(b)に示すスペクトルからも
分かるように一番大きいピークの周波数と右側のピーク
の周波数はおよそ1:2なので、このピーク周波数が板
厚の共振ピークであると考えられる。そこで、板厚は1
次の共振周波数より、4640/2・22.27MHZ=104.18μmと
計算される。
【0076】次に本発明の第4の実施例について述べ
る。
る。
【0077】第3の実施例において、FFTのスペクト
ル推定精度は(周波数分解能)はΔf(HZ)=Fs/Nで決ま
る。ただし、Fs:サンプリング周波数、N :点数であ
る。
ル推定精度は(周波数分解能)はΔf(HZ)=Fs/Nで決ま
る。ただし、Fs:サンプリング周波数、N :点数であ
る。
【0078】ここで、板厚の測定分解能(%)は Δf/Δp =(2d/c)・Fs/N となる。
【0079】したがって、Fsは低い程良く、またN は多
い程良い。しかし、Fsが低すぎるとエイリアシングの問
題があり、またN が多すぎると計算時間がかかるという
問題がある。
い程良い。しかし、Fsが低すぎるとエイリアシングの問
題があり、またN が多すぎると計算時間がかかるという
問題がある。
【0080】そこで、第4の実施例では板厚測定分解能
を細かくすると計算時間が長くなるという問題点を解決
し、さらにA/D変換器も低いサンプリング周波数で済
むようにしたものである。
を細かくすると計算時間が長くなるという問題点を解決
し、さらにA/D変換器も低いサンプリング周波数で済
むようにしたものである。
【0081】図15は本発明の第4の実施例を示すブロ
ック回路図である。このブロック図は二重透過波に限ら
ず、多重反射波を利用する場合にも適用できるので、両
者を図示しておいた。図15において、41a,41b
は被検体として例えば板42の上下面を挟んで設けられ
た超音波伝搬媒質、43は超音波伝搬媒質41bの下面
に接触させて設けられた反射板、44は超音波伝搬媒質
41aの上面に接触させて設けられた超音波探触子であ
る。この超音波探触子44は圧電素子からなり、超音波
探傷器45からパルス信号が入力されると超音波パルス
を出力し、またその反射波を受けるとこれを電気信号に
変換して超音波探傷器44に伝送する機能を有してい
る。超音波探傷器44は超音波探触子43から電気信号
が加えられると、その反射波に相当するアナログ信号を
ダイオード・バランスド・ミキサー(DBM)又は差動
アンプによる平衡変調器等からなる乗算器46に加えら
れ、正弦波発振器47から発生する定周波の連続信号と
乗算されてローパスフィルタ48に入力される。このロ
ーパスフィルタ48は乗算器により周波数変換された被
解析信号のうち、低い周波数例に変換されたアナログ信
号のみを取り出してA/D変換器49に加えられる。こ
のA/D変換器49では低い周波数に変換された被解析
信号をディジタル信号に変換し、これをFFT等のディ
ジタル信号処理部50に入力する。このディジタル信号
処理部49では入力信号をフーリエ変換処理して中心周
波数を求め、これを板厚に換算した後表示器51に与え
て表示させる。
ック回路図である。このブロック図は二重透過波に限ら
ず、多重反射波を利用する場合にも適用できるので、両
者を図示しておいた。図15において、41a,41b
は被検体として例えば板42の上下面を挟んで設けられ
た超音波伝搬媒質、43は超音波伝搬媒質41bの下面
に接触させて設けられた反射板、44は超音波伝搬媒質
41aの上面に接触させて設けられた超音波探触子であ
る。この超音波探触子44は圧電素子からなり、超音波
探傷器45からパルス信号が入力されると超音波パルス
を出力し、またその反射波を受けるとこれを電気信号に
変換して超音波探傷器44に伝送する機能を有してい
る。超音波探傷器44は超音波探触子43から電気信号
が加えられると、その反射波に相当するアナログ信号を
ダイオード・バランスド・ミキサー(DBM)又は差動
アンプによる平衡変調器等からなる乗算器46に加えら
れ、正弦波発振器47から発生する定周波の連続信号と
乗算されてローパスフィルタ48に入力される。このロ
ーパスフィルタ48は乗算器により周波数変換された被
解析信号のうち、低い周波数例に変換されたアナログ信
号のみを取り出してA/D変換器49に加えられる。こ
のA/D変換器49では低い周波数に変換された被解析
信号をディジタル信号に変換し、これをFFT等のディ
ジタル信号処理部50に入力する。このディジタル信号
処理部49では入力信号をフーリエ変換処理して中心周
波数を求め、これを板厚に換算した後表示器51に与え
て表示させる。
【0082】次にこのように構成された被検体の厚み測
定回路の作用について第1の実施例に加えて実施した結
果について述べる。
定回路の作用について第1の実施例に加えて実施した結
果について述べる。
【0083】いま、超音波探触子44で受信された反射
波の電気信号が超音波探傷器45に入力され、この超音
波探傷器45の出力信号が乗算器46に与えられている
ものとする。このとき正弦波発振器47の発振周波数が
20MHZ とすれば、乗算器46の出力は超音波探傷器4
5の出力が基準正弦波(キャリア信号)に重畳されるこ
とにより、周波数変調が起こり、入力±20MHZ となる
ので、出力のスペクトルは図16に示すようになる。こ
のようなスペクトルを持つ出力はローパスフィルタ48
に入力され、二重透過波を取出してA/D変換器49に
入力される。この場合、ローパスフィルタ48は−3d
Bの周波数が3MHZ のものを使用し、またA/D変換器
49としては5MHZ でA/D変換するものが用いられて
いる。このA/D変換器49でA/D変換されて出力さ
れるディジタル信号はFFT等のディジタル信号処理部
50に入力され、フーリエ変換処理して中心周波数が求
められ、これを板厚に換算した後表示器51に表示され
る。
波の電気信号が超音波探傷器45に入力され、この超音
波探傷器45の出力信号が乗算器46に与えられている
ものとする。このとき正弦波発振器47の発振周波数が
20MHZ とすれば、乗算器46の出力は超音波探傷器4
5の出力が基準正弦波(キャリア信号)に重畳されるこ
とにより、周波数変調が起こり、入力±20MHZ となる
ので、出力のスペクトルは図16に示すようになる。こ
のようなスペクトルを持つ出力はローパスフィルタ48
に入力され、二重透過波を取出してA/D変換器49に
入力される。この場合、ローパスフィルタ48は−3d
Bの周波数が3MHZ のものを使用し、またA/D変換器
49としては5MHZ でA/D変換するものが用いられて
いる。このA/D変換器49でA/D変換されて出力さ
れるディジタル信号はFFT等のディジタル信号処理部
50に入力され、フーリエ変換処理して中心周波数が求
められ、これを板厚に換算した後表示器51に表示され
る。
【0084】この場合、第1の実施例で具体的な数値を
挙げたのと同じ周波数分解能(約0.024MHZ) を得るた
め、点数 N を256点位にすると、周波数分解能Δf
はΔf=5/256 で、約0.02MHZ となり、板厚分解能は約
0.1 μm となる。
挙げたのと同じ周波数分解能(約0.024MHZ) を得るた
め、点数 N を256点位にすると、周波数分解能Δf
はΔf=5/256 で、約0.02MHZ となり、板厚分解能は約
0.1 μm となる。
【0085】このように正弦波発振器46の発振周波数
を20MHZ とし、ローパスフィルタ47の出力をA/D
変換してFFTしたところ、2.27MHZ のところにピーク
があった。そこで、本来のピークは2.27+20=22.27 MH
Z であり、板厚はd=4640/2 ・22.27MHZ=104.18μm
と計算された。
を20MHZ とし、ローパスフィルタ47の出力をA/D
変換してFFTしたところ、2.27MHZ のところにピーク
があった。そこで、本来のピークは2.27+20=22.27 MH
Z であり、板厚はd=4640/2 ・22.27MHZ=104.18μm
と計算された。
【0086】ここで、第1の実施例の具体的数値による
板厚測定手順と第4の実施例の具体的数値による板厚測
定手順について対比してみると次の通りである。
板厚測定手順と第4の実施例の具体的数値による板厚測
定手順について対比してみると次の通りである。
【0087】 (イ)サンプリング周波数:第1の実施例の場合、100 MHZ 第4の実施例の場合、 5 MHZ (ロ)FFT点数 :第1の実施例の場合、4096 第4の実施例の場合、 256 (ハ)周波数分解能 :第1の実施例の場合、0.024 MHZ 第4の実施例の場合、0.020 MHZ (ニ)その他 :第1の実施例の場合、無し 第4の実施例の場合、正弦波と乗算後、LPFを通 過させる。
【0088】このように第4の実施例では、板厚測定分
解能が細かくても計算時間が短くでき、またA/D変換
器も低いサンプリング周波数で済むという効果が得られ
る。なお、前述した各実施例では被検体として板2の厚
みを測定する場合について述べたが、これに限定される
ものではなく、他の被検体の厚みを測定する場合にも同
様に適用することができる。
解能が細かくても計算時間が短くでき、またA/D変換
器も低いサンプリング周波数で済むという効果が得られ
る。なお、前述した各実施例では被検体として板2の厚
みを測定する場合について述べたが、これに限定される
ものではなく、他の被検体の厚みを測定する場合にも同
様に適用することができる。
【0089】以上述べた各実施例は超音波パルス共振法
による板厚測定装置であるが、次にレーザ−超音波法に
よる板厚測定装置について説明する。図17は本発明の
レーザ−超音波法による板厚測定装置の構成例を示すブ
ロック回路図である。図17において、61はパルスレ
ーザ光源で、このパルスレーザ光源61はトリガー回路
62より発生するトリガー信号に同期して発光時間の短
いパルス状のレーザ光を板または管等の被検体63に照
射するものである。被検体63はパルスレーザ光源61
よりレーザ光が照射されると超音波パルスを励起し、こ
の超音波パルスは被検体63の表面と裏面間で多重反射
し、それに伴って被検体63の表面が変位する。64は
連続レーザ光源を用いたレーザ干渉計で、このレーザ干
渉計64は被検体3の表面変位の時間変化を検出し、こ
れを電気信号として出力するものである。65はゲート
回路で、このゲート回路65はトリガー回路62よりト
リガー信号が入力されるとゲートを開いてレーザ干渉計
64より電気信号として出力される被検体63における
多重反射波を取出すものである。
による板厚測定装置であるが、次にレーザ−超音波法に
よる板厚測定装置について説明する。図17は本発明の
レーザ−超音波法による板厚測定装置の構成例を示すブ
ロック回路図である。図17において、61はパルスレ
ーザ光源で、このパルスレーザ光源61はトリガー回路
62より発生するトリガー信号に同期して発光時間の短
いパルス状のレーザ光を板または管等の被検体63に照
射するものである。被検体63はパルスレーザ光源61
よりレーザ光が照射されると超音波パルスを励起し、こ
の超音波パルスは被検体63の表面と裏面間で多重反射
し、それに伴って被検体63の表面が変位する。64は
連続レーザ光源を用いたレーザ干渉計で、このレーザ干
渉計64は被検体3の表面変位の時間変化を検出し、こ
れを電気信号として出力するものである。65はゲート
回路で、このゲート回路65はトリガー回路62よりト
リガー信号が入力されるとゲートを開いてレーザ干渉計
64より電気信号として出力される被検体63における
多重反射波を取出すものである。
【0090】また、66はこのゲート回路65より取出
される多重反射波と発振器67の発振出力信号(低周波
の連続信号)とが入力される乗算器で、この乗算器66
は多重反射波と発振出力信号とを乗算し、多重反射波を
±fだけ周波数変換するものである。68は乗算器66
で周波数変換された出力信号が入力される低域通過フィ
ルタで、この低域通過フィルタ68は乗算器66の出力
信号のうち、低周波成分の出力信号を取出すものであ
る。
される多重反射波と発振器67の発振出力信号(低周波
の連続信号)とが入力される乗算器で、この乗算器66
は多重反射波と発振出力信号とを乗算し、多重反射波を
±fだけ周波数変換するものである。68は乗算器66
で周波数変換された出力信号が入力される低域通過フィ
ルタで、この低域通過フィルタ68は乗算器66の出力
信号のうち、低周波成分の出力信号を取出すものであ
る。
【0091】さらに、69は周波数解析器で、この周波
数解析器69は低域通過フィルタ68により取出された
出力信号を周波数解析して多重反射波のスペクトルを求
めるものである。70は周波数解析器で求められた多重
反射波のスペクトルが入力される板厚算出器で、この板
厚算出器70はスペクトルのピーク周波数を求め、これ
と被検体63の音速から板厚を算出するものである。
数解析器69は低域通過フィルタ68により取出された
出力信号を周波数解析して多重反射波のスペクトルを求
めるものである。70は周波数解析器で求められた多重
反射波のスペクトルが入力される板厚算出器で、この板
厚算出器70はスペクトルのピーク周波数を求め、これ
と被検体63の音速から板厚を算出するものである。
【0092】なお、発振器67の出力信号がf=0、す
なわち直流の場合には低域通過フィルタ68をバイパス
して周波数解析器69に直接入力される。
なわち直流の場合には低域通過フィルタ68をバイパス
して周波数解析器69に直接入力される。
【0093】次に上記のような構成のレーザ−超音波法
による板厚測定装置の作用について述べる。いま、トリ
ガー回路62よりパルスレーザ光源61にトリガー信号
が発せられると、パルスレーザ光が被検体63に照射さ
れ、被検体63に超音波パルスが励起される。この超音
波パルスは被検体63の表面から裏面に伝搬され、裏面
にて反射すると表面に戻り、再び表面で反射されるとい
う多重反射が超音波パルスが減衰して消滅するまで行わ
れる。
による板厚測定装置の作用について述べる。いま、トリ
ガー回路62よりパルスレーザ光源61にトリガー信号
が発せられると、パルスレーザ光が被検体63に照射さ
れ、被検体63に超音波パルスが励起される。この超音
波パルスは被検体63の表面から裏面に伝搬され、裏面
にて反射すると表面に戻り、再び表面で反射されるとい
う多重反射が超音波パルスが減衰して消滅するまで行わ
れる。
【0094】このとき超音波パルスが被検体63の表面
に達する毎に、被検体63の表面は僅かに変位する。こ
の被検体63の表面変位は、連続レーザ光源を用いたレ
ーザ干渉計64によりその時間変化として検出され、こ
れを電気信号としてゲート回路65を通して乗算器66
に与える。この場合、ゲート回路65はトリガー回路6
2のトリガー信号に基づいて多重反射波に相当する部分
が取出される。乗算器66では多重反射波と発振器67
の発振出力信号とを乗算して多重反射波を±fだけ周波
数変換する。
に達する毎に、被検体63の表面は僅かに変位する。こ
の被検体63の表面変位は、連続レーザ光源を用いたレ
ーザ干渉計64によりその時間変化として検出され、こ
れを電気信号としてゲート回路65を通して乗算器66
に与える。この場合、ゲート回路65はトリガー回路6
2のトリガー信号に基づいて多重反射波に相当する部分
が取出される。乗算器66では多重反射波と発振器67
の発振出力信号とを乗算して多重反射波を±fだけ周波
数変換する。
【0095】ここで、f=0、即ち直流の場合は低域通
過フィルタ8をバイパスして周波数解析器9に加えら
れ、この周波数解析器9で多重反射波のスペクトルが求
められて板厚算出器70に入力される。この板厚算出器
70ではスペクトルのピーク周波数fn を求め、このf
n と被検体63の音速cからd=c/2fn ・n (n=1,
2,3 …)の関係より板厚dを算出する。
過フィルタ8をバイパスして周波数解析器9に加えら
れ、この周波数解析器9で多重反射波のスペクトルが求
められて板厚算出器70に入力される。この板厚算出器
70ではスペクトルのピーク周波数fn を求め、このf
n と被検体63の音速cからd=c/2fn ・n (n=1,
2,3 …)の関係より板厚dを算出する。
【0096】また、f>0の時は、乗算器66の出力の
内、低周波成分が低域通過フィルタ68により取出され
て周波数解析器66に与えられ、この周波数解析器9で
多重反射波のスペクトルが求められて板厚算出器70に
入力される。この板厚算出器70ではスペクトルのピー
ク周波数fm (m=1,2,3…)と発振器67の周波数fから
真のピーク周波数fn (fn = fm +f) を求め、このf
n と被検体63の音速cからd=c/2fn ・n ( n=1,
2,3 …)の関係より板厚dを算出する。
内、低周波成分が低域通過フィルタ68により取出され
て周波数解析器66に与えられ、この周波数解析器9で
多重反射波のスペクトルが求められて板厚算出器70に
入力される。この板厚算出器70ではスペクトルのピー
ク周波数fm (m=1,2,3…)と発振器67の周波数fから
真のピーク周波数fn (fn = fm +f) を求め、このf
n と被検体63の音速cからd=c/2fn ・n ( n=1,
2,3 …)の関係より板厚dを算出する。
【0097】図18は上記構成のレーザ超音波法による
板厚測定装置の具体的な実施例を示す回路構成図で、図
17と同一部品には同一記号を付して示す。図18にお
いて、パルスレーザ光源61としてはQ SWitch YAGレー
ザ光源が用いられ、トリガー回路62より発生するトリ
ガー信号に同期してパルス幅10nsの高出力レーザ光を板
または管等の被検体63に照射する機能を有している。
板厚測定装置の具体的な実施例を示す回路構成図で、図
17と同一部品には同一記号を付して示す。図18にお
いて、パルスレーザ光源61としてはQ SWitch YAGレー
ザ光源が用いられ、トリガー回路62より発生するトリ
ガー信号に同期してパルス幅10nsの高出力レーザ光を板
または管等の被検体63に照射する機能を有している。
【0098】また、レーザ干渉計64はHe-Ne レーザ光
源64a、このレーザ光源64aから発せられる連続レ
ーザ光をレンズ64bを通して被検体63の表面に導く
方向性ビームスプリッタ64c、被検体63で反射した
連続レーザ光が方向性ビームスプリッタ64cを通して
導かれ、その共振周波数とその近傍の周波数のみを通す
ファブリペロー共振器64d、このファブリペロー共振
器64dの出力光を電気信号に変換する光検出器64e
およびこの光検出器64eの出力信号を増幅する増幅器
64fから構成されている。
源64a、このレーザ光源64aから発せられる連続レ
ーザ光をレンズ64bを通して被検体63の表面に導く
方向性ビームスプリッタ64c、被検体63で反射した
連続レーザ光が方向性ビームスプリッタ64cを通して
導かれ、その共振周波数とその近傍の周波数のみを通す
ファブリペロー共振器64d、このファブリペロー共振
器64dの出力光を電気信号に変換する光検出器64e
およびこの光検出器64eの出力信号を増幅する増幅器
64fから構成されている。
【0099】ゲート回路65はトリガー回路62よりト
リガー信号が入力されるとレーザ干渉計64の増幅器6
4fで増幅された出力信号から超音波多重反射波に相当
する部分を取出して乗算器66に与える。乗算器66は
多重反射波と発振器67の発振出力信号とを乗算し、多
重反射波を±fだけ周波数変換して低域通過フィルタ6
8に入力する。この低周波通過フィルタ68は乗算器6
6の出力信号のうち、低周波成分のみを取出してこれを
A/D変換器71を介して計算機72に入力する。
リガー信号が入力されるとレーザ干渉計64の増幅器6
4fで増幅された出力信号から超音波多重反射波に相当
する部分を取出して乗算器66に与える。乗算器66は
多重反射波と発振器67の発振出力信号とを乗算し、多
重反射波を±fだけ周波数変換して低域通過フィルタ6
8に入力する。この低周波通過フィルタ68は乗算器6
6の出力信号のうち、低周波成分のみを取出してこれを
A/D変換器71を介して計算機72に入力する。
【0100】この計算機72はA/D変換器71を介し
て取込まれた乗算器66の低周波成分の出力信号を周波
数解析して多重反射波のスペクトルを求める周波数解析
機能と、このスペクトルのピーク周波数を検出して板厚
を算出する板厚算出機能を有している。そして、この計
算機72で求められた板厚は表示器73に表示されるよ
うになっている。
て取込まれた乗算器66の低周波成分の出力信号を周波
数解析して多重反射波のスペクトルを求める周波数解析
機能と、このスペクトルのピーク周波数を検出して板厚
を算出する板厚算出機能を有している。そして、この計
算機72で求められた板厚は表示器73に表示されるよ
うになっている。
【0101】次にこのように構成されたレーザ超音波法
による板厚測定装置の作用について述べる。いま、トリ
ガー回路62よりトリガー信号が発せられると、Q SWit
ch YAGレーザ光源61からパルス幅10nsの高出力レーザ
光が被検体63に照射され、被検体63に超音波パルス
を励起する。この超音波パルスは、被検体63の表面か
ら裏面に伝搬し、裏面にて反射すると表面に戻り、再び
表面で反射するので、超音波パルスが減衰して消滅する
まで被検体中を多重反射する。この場合、超音波パルス
が被検体63の表面に達する毎に被検体表面は僅かに変
位する。
による板厚測定装置の作用について述べる。いま、トリ
ガー回路62よりトリガー信号が発せられると、Q SWit
ch YAGレーザ光源61からパルス幅10nsの高出力レーザ
光が被検体63に照射され、被検体63に超音波パルス
を励起する。この超音波パルスは、被検体63の表面か
ら裏面に伝搬し、裏面にて反射すると表面に戻り、再び
表面で反射するので、超音波パルスが減衰して消滅する
まで被検体中を多重反射する。この場合、超音波パルス
が被検体63の表面に達する毎に被検体表面は僅かに変
位する。
【0102】一方、He-Ne レーザ光源64aより連続レ
ーザ光が方向性ビームスプリッタ64cおよびレンズ6
4bを通して被検体63の表面に照射される。すると、
被検体63の表面で反射した連続レーザ光は、方向性ビ
ームスプリッタ64cを通り、ファブリペロー共振器6
4dに導かれる。このファブリペロー共振器64dで
は、共振周波数とその近傍の周波数のみを選択的に出力
する。したがって、被検体63の表面が変位して連続レ
ーザ光の周波数がドップラーシフトすると、ファブリペ
ロー共振器64dの出力光の強度が変化する。このファ
ブリペロー共振器64dの出力光は光検出器64dにて
電気信号に変換されるが、この電気信号の強弱は被検体
表面の変位を表している。
ーザ光が方向性ビームスプリッタ64cおよびレンズ6
4bを通して被検体63の表面に照射される。すると、
被検体63の表面で反射した連続レーザ光は、方向性ビ
ームスプリッタ64cを通り、ファブリペロー共振器6
4dに導かれる。このファブリペロー共振器64dで
は、共振周波数とその近傍の周波数のみを選択的に出力
する。したがって、被検体63の表面が変位して連続レ
ーザ光の周波数がドップラーシフトすると、ファブリペ
ロー共振器64dの出力光の強度が変化する。このファ
ブリペロー共振器64dの出力光は光検出器64dにて
電気信号に変換されるが、この電気信号の強弱は被検体
表面の変位を表している。
【0103】光検出器64dの出力電気信号は、増幅器
64fで増幅された後、トリガー信号に基づいて超音波
多重反射波に相当する部分がゲート回路65により取出
され、乗算器66にて発振器67の発振出力信号と乗算
される。この乗算器66の出力信号は、低域通過フィル
タ68を通過してA/D変換器71にてディジタル信号
に変換され、計算機72に取込まれる。この計算機72
では超音波多重反射波のスペクトルをFFT で求め、さら
にこのスペクトルのピーク周波数を検出して板厚を算出
する。
64fで増幅された後、トリガー信号に基づいて超音波
多重反射波に相当する部分がゲート回路65により取出
され、乗算器66にて発振器67の発振出力信号と乗算
される。この乗算器66の出力信号は、低域通過フィル
タ68を通過してA/D変換器71にてディジタル信号
に変換され、計算機72に取込まれる。この計算機72
では超音波多重反射波のスペクトルをFFT で求め、さら
にこのスペクトルのピーク周波数を検出して板厚を算出
する。
【0104】図19は、被検体63として厚さ10mmの鋼
板を用いた場合のゲート回路65の出力を観察した波形
である。この波形からも分かるように第1底面エコーと
第2底面エコーが完全に分離されており、その時間差か
ら容易に板厚を求めることができる。
板を用いた場合のゲート回路65の出力を観察した波形
である。この波形からも分かるように第1底面エコーと
第2底面エコーが完全に分離されており、その時間差か
ら容易に板厚を求めることができる。
【0105】また、厚さ約55μm の鋼板について同様に
ゲート回路10の出力を観察した所、図20に示すような
波形結果となった。しかし、この波形は底面エコーが重
合っているため、底面エコーの時間間隔が測定できず、
そのままでは板厚を求めることはできない。
ゲート回路10の出力を観察した所、図20に示すような
波形結果となった。しかし、この波形は底面エコーが重
合っているため、底面エコーの時間間隔が測定できず、
そのままでは板厚を求めることはできない。
【0106】そこで、多重反射波である図20の枠内の
部分をゲート回路65により取出し、発振器67の周波
数を0、低域通過フィルタ68をバイパスしてサンプリ
ング周波数200 MHZ のA/D変換器71でディジタル変
換し、計算機72でFFT によりスペクトルを求めた結
果、図21に示すような波形が得られた。したがって、
図21に示す波形からも明らかなように53MHZ にピー
クが出ており、d=5900/( 2・53×106 )より、板厚を
55.66 μm と算出することができた。
部分をゲート回路65により取出し、発振器67の周波
数を0、低域通過フィルタ68をバイパスしてサンプリ
ング周波数200 MHZ のA/D変換器71でディジタル変
換し、計算機72でFFT によりスペクトルを求めた結
果、図21に示すような波形が得られた。したがって、
図21に示す波形からも明らかなように53MHZ にピー
クが出ており、d=5900/( 2・53×106 )より、板厚を
55.66 μm と算出することができた。
【0107】一方、多重反射波である図20の枠内の部
分をゲート回路65により取出し、発振器67の発振周
波数を50MHZ にすると、多重反射波は+50MHZおよび-50M
HZで周波数変換される。いま、低域通過フィルタ68の
カットオフ周波数を 5MHZ として、-50MHZで周波数変換
された信号のみを取出し、サンプリング周波数20MHZの
A/D変換器71でディジタル変換して計算機72に与
え、計算機72でFFTによりスペクトルを求めることに
より、図22に示すような波形が得られた。
分をゲート回路65により取出し、発振器67の発振周
波数を50MHZ にすると、多重反射波は+50MHZおよび-50M
HZで周波数変換される。いま、低域通過フィルタ68の
カットオフ周波数を 5MHZ として、-50MHZで周波数変換
された信号のみを取出し、サンプリング周波数20MHZの
A/D変換器71でディジタル変換して計算機72に与
え、計算機72でFFTによりスペクトルを求めることに
より、図22に示すような波形が得られた。
【0108】この波形からも明らかなように3MHZ 付近
にピークが出ていることが分かる。したがって、-50MHZ
で周波数変換をしていることから、真のピーク周波数は
53MHZ であり、d=5900/( 2・53×106 )より、板厚
を55.66 μm と算出することができた。
にピークが出ていることが分かる。したがって、-50MHZ
で周波数変換をしていることから、真のピーク周波数は
53MHZ であり、d=5900/( 2・53×106 )より、板厚
を55.66 μm と算出することができた。
【0109】このように本実施例によるレーザ超音波法
による板厚測定装置においては、パルスレーザ光源61
より発光時間の短いパルス状のレーザ光を被検体63に
照射し、また干渉計64の連続レーザ光源64aより連
続レーザ光を被検体63に照射して被検体表面の変位で
変調された連続レーザ光の反射光から表面変位の時間変
化を検出し、その出力信号から被検体の板厚を求めるよ
うにしたので、超音波パルス共振法による板厚測定装置
のように接触媒質が必要なく、非接触で超音波の送受が
可能となり、圧延製造ラインのように被検体が高速に移
動する場合でも容易に板厚を測定することができる。
による板厚測定装置においては、パルスレーザ光源61
より発光時間の短いパルス状のレーザ光を被検体63に
照射し、また干渉計64の連続レーザ光源64aより連
続レーザ光を被検体63に照射して被検体表面の変位で
変調された連続レーザ光の反射光から表面変位の時間変
化を検出し、その出力信号から被検体の板厚を求めるよ
うにしたので、超音波パルス共振法による板厚測定装置
のように接触媒質が必要なく、非接触で超音波の送受が
可能となり、圧延製造ラインのように被検体が高速に移
動する場合でも容易に板厚を測定することができる。
【0110】また、板厚の算出にあたっては干渉計64
の出力信号の内、被検体で多重反射した超音波信号をゲ
ート回路65で取出し、さらにこの多重反射波を周波数
解析器69により周波数解析してスペクトルを求め、こ
のスペクトルのピーク周波数から板厚を求めているの
で、被検体の板厚が薄くて被検体の表面、裏面で多重反
射した超音波パルス列が分離できなくても、スペクトル
を求めることで周期性を容易に検出することが可能とな
り、板厚の薄い被検体でも測定することができる。ま
た、超音波パルス列の時間間隔が短くてもスペクトルの
ピーク周波数から板厚を求めていることから、サンプリ
ング周波数が低い周波数解析器69でも板厚を分解能良
く測定することができる。
の出力信号の内、被検体で多重反射した超音波信号をゲ
ート回路65で取出し、さらにこの多重反射波を周波数
解析器69により周波数解析してスペクトルを求め、こ
のスペクトルのピーク周波数から板厚を求めているの
で、被検体の板厚が薄くて被検体の表面、裏面で多重反
射した超音波パルス列が分離できなくても、スペクトル
を求めることで周期性を容易に検出することが可能とな
り、板厚の薄い被検体でも測定することができる。ま
た、超音波パルス列の時間間隔が短くてもスペクトルの
ピーク周波数から板厚を求めていることから、サンプリ
ング周波数が低い周波数解析器69でも板厚を分解能良
く測定することができる。
【0111】さらに、ゲート回路65で取出された出力
信号は、乗算器66により発振器67より出力される高
周波信号と乗算してその出力信号を低域通過フィルタ6
8を通すことにより、多重反射した超音波パルス列のス
ペクトルのピーク周波数を低い周波数に周波数変換でき
るので、サンプリング周波数の低い周波数解析器69で
もピーク周波数を求めることかでき、周波数解析の分解
能を高めて板厚を測定することができる。
信号は、乗算器66により発振器67より出力される高
周波信号と乗算してその出力信号を低域通過フィルタ6
8を通すことにより、多重反射した超音波パルス列のス
ペクトルのピーク周波数を低い周波数に周波数変換でき
るので、サンプリング周波数の低い周波数解析器69で
もピーク周波数を求めることかでき、周波数解析の分解
能を高めて板厚を測定することができる。
【0112】なお、図18に示す実施例では超音波検出
のための干渉計としてファブリペロー干渉計を用いた
が、他の干渉計を用いても前述同様に実施できることは
いうまでもない。
のための干渉計としてファブリペロー干渉計を用いた
が、他の干渉計を用いても前述同様に実施できることは
いうまでもない。
【0113】また、本発明は上記し、且つ図面に示す実
施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない
範囲内で種々変形して実施できるものである。
施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない
範囲内で種々変形して実施できるものである。
【0114】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、短時
間で被検体の厚みを高精度に測定することができる超音
波による被検体の厚み測定方法およびその装置を提供で
きる。
間で被検体の厚みを高精度に測定することができる超音
波による被検体の厚み測定方法およびその装置を提供で
きる。
【図1】本発明による超音波による被検体の厚み測定方
法およびその装置を説明するための第1の実施例を示す
ブロック回路図。
法およびその装置を説明するための第1の実施例を示す
ブロック回路図。
【図2】同実施例において、超音波探触子から被検体に
超音波パルスを伝送した後に受信される超音波波形を示
す図。
超音波パルスを伝送した後に受信される超音波波形を示
す図。
【図3】同実施例において、超音波パルスの受信信号か
ら選択された二重透過波の周波数スペクトルを示す図。
ら選択された二重透過波の周波数スペクトルを示す図。
【図4】物質と縦波垂直入射時の音圧反射率との関係の
説明図。
説明図。
【図5】第1の実施例において、板をセットしない状態
での反射板からのエコーのスペクトルを示す図。
での反射板からのエコーのスペクトルを示す図。
【図6】第1の実施例において、板をセットしたときの
二重透過波とそのスペクトルを示す図。
二重透過波とそのスペクトルを示す図。
【図7】本発明の第2の実施例における反射体の構成例
を示す側面図。
を示す側面図。
【図8】本発明の第3の実施例を示すブロック回路図。
【図9】同実施例において超音波探触子から被検体に超
音波パルスを伝送した後に受信される超音波波形を示す
図。
音波パルスを伝送した後に受信される超音波波形を示す
図。
【図10】同じく超音波パルスの受信信号から取出され
た多重反射波の周波数スペクトルを示す図。
た多重反射波の周波数スペクトルを示す図。
【図11】第3の実施例の具体的な作用を説明するため
の多重反射波を示す図。
の多重反射波を示す図。
【図12】同じく受信波形を示す図。
【図13】同じく図3の受信波形のBの部分をフーリエ
変換したときのスペクトルを示す図。
変換したときのスペクトルを示す図。
【図14】第3の実施例において、厚さ約100 μm の黄
銅(L=4640m)を測定したときの多重反射波とスペク
トルを示す図。
銅(L=4640m)を測定したときの多重反射波とスペク
トルを示す図。
【図15】本発明の第4の実施例を示すブロック回路
図。
図。
【図16】同実施例における出力スペクトルを示す図。
【図17】本発明のレーザ超音波法による板厚測定装置
の構成を示すブロック回路図。
の構成を示すブロック回路図。
【図18】本発明のレーザ超音波法による板厚測定装置
の具体的な実施例を示すブロック回路図。
の具体的な実施例を示すブロック回路図。
【図19】同実施例において、厚さ10mmの鋼板の超音波
反射波の検出結果を示す波形図。
反射波の検出結果を示す波形図。
【図20】同実施例において、厚さ55μm 鋼板の超音波
反射波の検出結果を示す波形図。
反射波の検出結果を示す波形図。
【図21】同実施例において、厚さ55μm の鋼板の多重
反射波のスペクトルを示す図。
反射波のスペクトルを示す図。
【図22】同実施例において、周波数変換後の多重反射
波のスペクトルを示す図。
波のスペクトルを示す図。
1,1a,1b…超音波探触子、2…被検体、3…反射
板、4…超音波探触子、5…パルス発生器、6…トリガ
回路、7…広帯域増幅器、8…ゲート回路、9…周波数
解析器、10…ピーク周波数検出器、11…板厚換算
器、12…A/D変換器、13,14…波形メモリ、1
5…演算処理部、61…パルスレーザ光源、62…トリ
ガー回路、63…被検体、64…連続レーザ光源・レー
ザ干渉計、65…ゲート回路、66…乗算器、67…発
振器、68…低域通過フィルタ、69…周波数解析器、
70…板厚算出器。
板、4…超音波探触子、5…パルス発生器、6…トリガ
回路、7…広帯域増幅器、8…ゲート回路、9…周波数
解析器、10…ピーク周波数検出器、11…板厚換算
器、12…A/D変換器、13,14…波形メモリ、1
5…演算処理部、61…パルスレーザ光源、62…トリ
ガー回路、63…被検体、64…連続レーザ光源・レー
ザ干渉計、65…ゲート回路、66…乗算器、67…発
振器、68…低域通過フィルタ、69…周波数解析器、
70…板厚算出器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−262909(JP,A) 特開 昭64−65407(JP,A) 特開 昭61−20803(JP,A) 特開 昭46−7046(JP,A) 特開 平2−102408(JP,A) 実開 昭63−51209(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 17/00 - 17/08
Claims (15)
- 【請求項1】 被検体に超音波パルスを送信し、前記被
検体にて反射した超音波信号の共振から被検体の厚みを
測定する方法において、 被検体を透過して反射体より反射された二重透過波を周
波数解析して前記被検体の厚みを求めることを特徴とす
る被検体の厚み測定方法。 - 【請求項2】 被検体に超音波パルスを送信し、前記被
検体にて反射した超音波信号の共振から被検体の厚みを
測定する方法において、 受信信号からゲートにより表面反射波を除いて多重反射
波だけを抽出するようにし、この多重反射波を周波数解
析して前記被検体の厚みを求めることを特徴とする被検
体の厚み測定方法。 - 【請求項3】 超音波を用いて被検体の厚みを測定する
方法において、 超音波探触子から超音波パルスを被検体に送信すること
により、前記被検体から反射される超音波パルスを再度
前記超音波探触子で受信し、この受信信号に定周波の搬
送信号を重畳し、これを周波数解析して前記被検体の厚
みを求めることを特徴とする被検体の厚み測定方法。 - 【請求項4】 周波数解析は、被検体を透過して反射体
により反射された二重透過波について行なう請求項3記
載の超音波による被検体の厚み測定方法。 - 【請求項5】 周波数解析は、被検体内部から反射され
た多重反射波について行なう請求項3記載の被検体の厚
み測定方法。 - 【請求項6】 被検体に超音波パルスを送信し、且つ前
記被検体から反射される超音波パルスを受信するとこれ
を電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を透
過する超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超音
波探触子に反射させる反射体と、前記超音波探触子で受
信された二重透過波の電気信号の周波数スペクトルを解
析する周波数解析手段と、この周波数解析手段により解
析された周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピ
ーク周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検
出された周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の
厚みに換算する厚み換算手段とを備えたことを特徴とす
る超音波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項7】 超音波探触子と被検体との間に存する超
音波伝搬媒質の距離をW1、被検体と反射板との間に存す
る超音波伝搬媒質の距離をW2としたとき、これらの距
離をW1が約2W2なる関係にした請求項6記載の超音波
による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項8】 反射体は、移動可能な被検体の移動に応
じて転動する回転体により構成した請求項6記載の超音
波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項9】 被検体に超音波パルスを送信し、且つ前
記被検体から反射される超音波パルスを受信するとこれ
を電気信号に変換する超音波探触子と、前記前記超音波
探触子で受信された電気信号の内、表面反射波を除いて
多重反射波だけを抽出するゲートと、このゲートにより
抽出された多重反射波のスペクトルを解析する周波数解
析手段と、この周波数解析手段により解析された周波数
スペクトルのピーク周波数を検出するピーク周波数検出
手段と、このピーク周波数検出手段で検出された周波数
スペクトルのピーク周波数から被検体の厚みに換算する
厚み換算手段とを備えたことを特徴とする超音波による
被検体の厚み測定装置。 - 【請求項10】 被検体に超音波パルスを送信し、且つ
前記被検体から反射される超音波パルスを受信するとこ
れを電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を
透過する超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超
音波探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信号を
発生する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受信さ
れた二重透過波の電気信号に前記定周波発生手段より発
生する定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波数変
換する周波数変換手段と、この周波数変換手段により変
換された周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピ
ーク周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検
出された周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の
厚みに換算する厚み換算手段とを備えたことを特徴とす
る超音波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項11】 超音波探触子と被検体との間に存する
超音波伝搬媒質の距離をW1、被検体と反射板との間に存
する超音波伝搬媒質の距離をW2としたとき、これらの
距離をW1が約2W2なる関係にした請求項10記載の超
音波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項12】 被検体に超音波パルスを送信し、且つ
前記被検体から反射される超音波パルスを受信するとこ
れを電気信号に変換する超音波探触子と、前記被検体を
透過する超音波パルスを再度前記被検体を通して前記超
音波探触子に反射させる反射体と、定周波の連続信号を
発生する定周波発生手段と、前記超音波探触子で受信さ
れた多重透過波の電気信号に前記定周波発生手段より発
生する定周波の連続信号を乗算して電気信号を周波数変
換する周波数変換手段と、この周波数変換手段により変
換された周波数スペクトルのピーク周波数を検出するピ
ーク周波数検出手段と、このピーク周波数検出手段で検
出された周波数スペクトルのピーク周波数から被検体の
厚みに換算する厚み換算手段とを備えたことを特徴とす
る超音波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項13】 ピーク周波数検出手段によりピーク周
波数を検出する際、このピーク周波数の前後のエコーが
重ならないことを条件にピーク周波数を検出するように
した請求項12記載の超音波による被検体の厚み測定装
置。 - 【請求項14】 レーザ光を用いて超音波を送受信し、
前記被検体にて反射した超音波信号の共振から被検体の
厚みを測定する装置において、 被検体中で多重反射した超音波信号を取出すゲート機能
と、このゲート機能により取出された多重反射波を周波
数解析してスペクトルを求める周波数解析器と、この周
波数解析器で求められたスペクトルのピーク周波数から
板厚を求める板厚算出器とを設けたことを特徴とする超
音波による被検体の厚み測定装置。 - 【請求項15】 レーザ光を用いて超音波を送受信し、
前記被検体にて反射した超音波信号の共振から被検体の
厚みを測定する装置において、 被検体中で多重反射した超音波信号を取出すゲート機能
と、定周波信号を連続的に発生する信号発生器と、この
信号発生器の出力信号を前記ゲート機能により取出され
た多重反射波に乗算する乗算器と、この乗算器の出力信
号から低周波成分を取出す低域通過フィルタと、この低
域通過フィルタの出力信号の周波数を解析してスペクト
ルを求める周波数解析器と、この周波数解析器で求めら
れたスペクトルのピーク周波数と信号発生器の発振周波
数から板厚を求める板厚算出器とを備えたことを特徴と
する超音波による被検体の厚み測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3206012A JP3019510B2 (ja) | 1990-08-17 | 1991-08-16 | 超音波による被検体の厚み測定方法およびその装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21671390 | 1990-08-17 | ||
JP28746790 | 1990-10-24 | ||
JP2-287467 | 1991-01-24 | ||
JP2413491 | 1991-01-24 | ||
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JP3206012A JP3019510B2 (ja) | 1990-08-17 | 1991-08-16 | 超音波による被検体の厚み測定方法およびその装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051910A JPH051910A (ja) | 1993-01-08 |
JP3019510B2 true JP3019510B2 (ja) | 2000-03-13 |
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ID=27458089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3206012A Expired - Fee Related JP3019510B2 (ja) | 1990-08-17 | 1991-08-16 | 超音波による被検体の厚み測定方法およびその装置 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101738989B1 (ko) * | 2016-04-27 | 2017-05-23 | 한국해양과학기술원 | 미확인 물체 음파 탐지 시스템 |
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JP2009103459A (ja) * | 2007-10-19 | 2009-05-14 | Ricoh Elemex Corp | 超音波板厚測定装置 |
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-
1991
- 1991-08-16 JP JP3206012A patent/JP3019510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH051910A (ja) | 1993-01-08 |
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