JPH05312697A - 標本の作製装置 - Google Patents

標本の作製装置

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JPH05312697A
JPH05312697A JP11502692A JP11502692A JPH05312697A JP H05312697 A JPH05312697 A JP H05312697A JP 11502692 A JP11502692 A JP 11502692A JP 11502692 A JP11502692 A JP 11502692A JP H05312697 A JPH05312697 A JP H05312697A
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cover glass
holder
conveyor
ultraviolet
resin
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勝美 木村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 顕微鏡標本を、自動的に効率よく作製できる
装置を提供する。 【構成】 窓孔を有し、粘着面に観察対象物を貼着した
粘着テープをこの窓孔に対応させて保持するホルダーを
搬送するコンベアに、前記ホルダーの窓孔内に紫外線硬
化性樹脂を注入する紫外線硬化性樹脂注入手段30と、
ホルダー内に注入された紫外線硬化性樹脂の上にカバー
ガラスを載せるカバーガラス載置手段40と、この紫外
線硬化性樹脂の上に載せたカバーガラスと粘着テープと
樹脂とを平坦面で挟圧しつつ紫外線硬化性樹脂に紫外線
を照射する紫外線照射手段50とをこの順で一定間隔で
配置し、ホルダーをコンベアにより前記各手段の位置に
順次搬送して一定時間静止させ、この間に前記各手段を
作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、標本の作製装置に関す
るものであり、詳しくは、動物や植物の細胞、皮膚角
質、爪、毛髪等の顕微鏡標本を自動的に作製する装置を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚性状・肌質などを把握するた
めの皮膚表面形態を知るための標本の作製方法の1つと
して、粘着テープを皮膚表面に貼着、剥離して粘着テー
プの粘着面に皮膚角質を移し取る方法がある。この方法
では、必要に応じて染色した後、顕微鏡での観察性をよ
くするために、試料とカバーガラスとの間に空気が入ら
ないようにするためにシリコン材を封入することが行わ
れている。この作業は以下の理由から手作業で行われて
いる。
【0003】第1に、上記の方法では、粘着テープを平
らに保つために、カバーガラスの上から適当な圧力を加
える必要があり、カバーガラスを割らないようにするた
めに相当の注意を必要とするが、シリコン剤が固化する
のに長時間を要するために圧力の調整が困難である。
【0004】第2に、カバーガラスを一枚づつ供給する
手段で実用的に利用できるものが知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手作業
で上記作業を行うには、カバーガラスに指紋が付着しな
いようにスポイトで吸い取り、カバーガラスを割らない
ように加える圧力を指先でコントロールしなければなら
ず、作業者の疲労が激しく長時間の作業は困難であっ
た。また、作業効率もよくない。したがって顕微鏡標本
作製の自動化が望まれている。
【0006】本発明は、かかる観点からなされたもので
あり、顕微鏡標本の作製を自動化するのに適した標本の
作製方法を開発し、効率よく標本の作製を行うことがで
きる装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、粘着テープとカ
バーガラスとの間に封入するシリコン剤の代わりに紫外
線硬化性樹脂を用いると、工程に要する時間が著しく短
縮されることを見出し、さらにカバーガラスを確実に供
給できる手段を開発し、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、窓孔を有し、粘着面に
観察対象物を貼着した粘着テープをこの窓孔に対応させ
て保持するホルダーを搬送するコンベアと、前記ホルダ
ーの窓孔内に紫外線硬化性樹脂を注入する紫外線硬化性
樹脂注入手段と、ホルダー内に注入された紫外線硬化性
樹脂の上にカバーガラスを載せるカバーガラス載置手段
と、この紫外線硬化性樹脂の上に載せたカバーガラスと
粘着テープと樹脂とを平坦面で挟圧しつつ紫外線硬化性
樹脂に紫外線を照射する紫外線照射手段とを備え、前記
各手段は前記の順でコンベア上に一定間隔で配置され、
コンベアはホルダーを固定するためのホルダー受けを有
し、ホルダーを前記各手段の位置に順次搬送して一定時
間静止し、この間に前記各手段を作動させることを特徴
とする標本の作製装置である。
【0009】以下本発明を、詳細に説明する。本発明の
装置は、樹脂フィルムを基材とした粘着テープに観察対
象物を貼着し、この粘着テープの粘着面に紫外線硬化性
樹脂を塗布し、その上にカバーガラスをのせ、カバーガ
ラス及び粘着テープを平坦面で挟圧しつつ紫外線を照射
して紫外線硬化性樹脂を硬化させて標本を作製するため
の装置である。ここで、観察対象物とは、顕微鏡観察に
用いる対象物であり、動植物細胞、皮膚角質、爪、毛髪
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】観察対象物を貼着した粘着テープは、紫外
線硬化性樹脂が広がらないようにするため、及び本装置
における取扱をしやすくするために、それ自身で枠体を
形成するホルダーに貼着して保持する。このホルダーは
窓孔を有し、観察対象物が窓孔に対応するように粘着テ
ープを貼着する。観察対象物は、粘着テープをホルダー
に貼着した後に粘着面に貼着してもよい。
【0011】次に、本発明の装置の構成を説明する。
【0012】<1>標本の載置及び搬送 コンベアは、前記ホルダーを以下に説明する各手段が配
置されている位置に搬送するためのものであり、直線ラ
インであってもターンテーブルであってもよい。このコ
ンベアのライン上には、紫外線硬化性樹脂注入手段、カ
バーガラス載置手段、紫外線照射手段がこの順に、一定
間隔あるいは一定角度で配置され、さらに紫外線硬化性
樹脂注入手段の前にはホルダーをコンベア上に載置する
ためのホルダー載置ステーションを、ホルダー載置ステ
ーションの前にはホルダー排出ステーションを設け、コ
ンベア上に載置された複数のホルダーがそれぞれ各手段
あるいはステーションの位置で一定時間停止し、停止し
ている間に各手段が作動するようにする。
【0013】又、コンベアの作動、停止は自動にしない
で、ホルダー載置ステーションでホルダーをコンベアに
載せる作業者が手動で行ってもよい。これは、例えばコ
ンベアの移動面に、前記各手段の間隔あるいは角度と同
一の間隔あるいは角度でホルダーを固定するための複数
のホルダー受けを設置し、コンベアがこの間隔あるいは
角度で一定時間ごとに移動するようにすればよい。ま
た、ある手段と次の手段との間に空ステーションを設け
てもよい。例えば、コンベアをターンテーブルとする場
合には、紫外線硬化性樹脂注入手段の前に、排出ステー
ションとホルダー設置ステーションとを設け、さらに紫
外線照射手段と排出ステーションとの間に空ステーショ
ンを設け、各手段あるいはステーションを60度の角度
で配置する。
【0014】前記ホルダー受けは、コンベアの移動面に
ホルダーを固定する凹部を形成することで、コンベアと
一体にしてもよい。コンベアの移動面及びホルダー受け
のホルダーの窓孔に対応する位置には、窓孔の大きさ以
上の孔を穿け、ホルダー窓孔部分の試料を上下から挟圧
できるようにするのが好ましい。
【0015】各手段は、それぞれ2連、3連等の多連に
すると、1工程での処理効率を高めることができる。
【0016】<2>紫外線硬化性樹脂注入手段 紫外線硬化性樹脂注入手段は、ホルダーの窓孔内に紫外
線硬化性樹脂を注入するための手段である。ホルダー載
置ステーションでコンベアに載置されたホルダーが、本
手段の位置まで搬送されたときにコンベアが停止し、こ
の間にホルダーの窓孔内に一定量の紫外線硬化性樹脂を
注入する。ここで、紫外線硬化性樹脂を用いるのは、作
業能率を高めるためであり、使用する樹脂としては、硬
化する際の収縮を防ぐために無溶剤型のものが適してい
る。また、使用時に混合・調製する必要のない一液性の
樹脂が好ましい。注入する樹脂の量は、この上に載せる
カバーガラスの上面がホルダー上面に達する程度までと
するのがよい。
【0017】本手段は、前記樹脂を一定量計量し、これ
をホルダーの窓孔内に注入することができるものであれ
ばよい。
【0018】<3>カバーガラス載置手段 カバーガラス載置手段は、カバーガラスをホルダーに注
入された樹脂の上に載せるための手段であり、カバーガ
ラスを一枚づつ供給する手段と、これを取り上げてホル
ダー上に移動させる手段からなる。
【0019】カバーガラスを供給する手段としては、カ
バーガラスを重ねて収容するとともにこのカバーガラス
を排出するカバーガラス出口を有する収容部と、この収
容部のカバーガラス出口の下方に設置されるとともに前
記収容部の前記カバーガラス出口から搬出されるカバー
ガラスを受けるスライダとを備え、前記スライダは、前
記収容部の前記カバーガラス出口端に対してカバーガラ
スの厚さ以上でカバーガラスの厚さの2倍より短い距離
をもって離れて設置され、前記収容部に対する距離を保
持した状態で進退移動自在で、かつ、このスライダには
カバーガラスの受台部と、この受台部の周囲に刻設した
溝とを設けた装置が挙げられる。
【0020】前記受台部の上面の高さは前記スライダ上
面よりカバーガラスの厚さ以下低く設定され、受台部上
面の面積はカバーガラスより小さく、受台部には上面に
開口する吸引口を設けられていることが好ましい。
【0021】前記収容部は、断面がカバーガラスと同じ
形状を有する筒状体を例示できる。この収容部の下部は
開口しており、カバーガラスは自重により排出される。
カバーガラスの排出を確実にするために上方にバネを設
置し、カバーガラスを下方に付勢してもよい。
【0022】前記スライダは収容部から排出されるカバ
ーガラスを一枚づつ受けて搬出するものであり、収容部
の下方にカバーガラスの厚さ以上でカバーガラスの厚さ
の2倍より短い距離をもって、カバーガラスの面と平行
方向にスライド可能に設定される。
【0023】このスライダにはカバーガラスを受ける受
台部と、この受台部の周囲に刻設され外周がカバーガラ
スとほぼ同一の型状を有する溝が設けられている。受台
部上面をスライダ上面よりも低く設定すると、カバーガ
ラスは受台部に落ち込むので搬出しやすくなり、さらに
カバーガラスが搬出される位置が正確になるので好まし
い。受台部の高さはカバーガラスが一枚だけ落ち込むよ
うに、スライダ上面と受台部上面との高低差がカバーガ
ラスの厚さ以下になるように設定する。
【0024】カバーガラスが受台部に落ち込む際に、カ
バーガラスと受台部との間に空気が溜りカバーガラスの
一部が浮き上がるのを防ぐために、溝を受台部よりも低
くし、さらに受台部上面の面積をカバーガラスよりも小
さくすることが好ましい。また、空気が抜け易くするた
めに、溝の外周に空気抜きを設けるとよい。例えば、カ
バーガラスが四角形の場合は、四角形の溝の各角に外側
に張り出す凹部を刻設する。
【0025】受台部の形状は特に問わないが、受台部の
面積はカバーガラスよりも小さいことが好ましい。受台
部をカバーガラスよりも小さくし、溝の外周をカバーガ
ラスよりもわずかに大きくすることによってカバーガラ
スのスライダ上の位置を確実にすることができる。
【0026】受台部には、受台部上面からスライダ下面
に通じる吸引口を設けて真空吸引すると、受台部にカバ
ーガラスが確実に密着し、カバーガラスの位置を安定さ
せることができる。
【0027】このようにして供給されるカバーガラス
を、ホルダーの窓孔に注入された樹脂の上に移動させる
には、真空吸引によりカバーガラスを取り上げ、樹脂の
上に移動させた後に真空吸引を停止すればよい。尚、カ
バーガラスを取り上げる際には、前記スライダ受台部で
の真空吸引は停止させる。
【0028】<4>紫外線照射手段 紫外線照射手段は、カバーガラス及び粘着テープを平坦
面で挟圧しつつ紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬
化させるための手段であり、紫外線を発生する紫外線発
生部と、カバーガラス及び粘着テープを両面から挟圧す
る挟圧部とを備える。挟圧しながら紫外線を照射するの
は、粘着テープにしわが寄ったまま樹脂が硬化するのを
防ぎ、粘着テープの平面性をよくするためである。
【0029】紫外線発生部は、樹脂を硬化させるのに適
した波長の紫外線を発生するものであればよいが、樹脂
を短時間で硬化させるためには照度の点で優れるスポッ
ト型のものを使用し、紫外線出射部からライトガイドで
導光して照射するのが好ましい。
【0030】挟圧部は、カバーガラス及び粘着テープに
平均的に圧力が加わるようにする。例えば、カバーガラ
ス側にはカバーガラス全体を押圧する挟圧体を、粘着テ
ープ側にはホルダー窓孔に対応してコンベア及びホルダ
ー受けに開けた穴よりもわずかに小さい平面を有する挟
圧体を配し、これらをシリンダー等で両側から挟圧す
る。カバーガラスを押圧する挟圧体には、押圧面にスボ
ンジゴムを貼付すると密着性がよくなり、平均的に加圧
することができる。圧力は、挟圧体同士の距離の設定等
により、適宜選択する。
【0031】この挟圧部で試料を挟圧しながら紫外線を
照射するには、粘着テープ側の挟圧体を樹脂あるいはガ
ラス等の透明体で作製し、この内部に紫外線照射部の出
射部あるいは出射部に接続したライドガイドを埋め込
み、挟圧体で標本を上下方向から挟圧しつつ紫外線照射
部を作動させて、挟圧体内部から樹脂に紫外線が照射さ
れるようにする方法が挙げられる。
【0032】また、標本を押圧する際にホルダーのずれ
を防止し、あるいは挟圧によりはみ出した樹脂がカバー
ガラス側の挟圧体に付着してホルダーが持ち上がるのを
防ぐために、挟圧体が標本に接触、離脱する間、ホルダ
ーをホルダー受けに固定するように仮押えをするとよ
い。
【0033】紫外線の照射は、標本の挟圧を始めてから
行うことが、平面製のよい標本を得る上で好ましい。
【0034】<5>標本の排出 ホルダーのコンベアからの排出は、手作業あるいは排出
手段により行う。コンベアをターンテーブルとした場合
には、ホルダー載置ステーションと排出ステーションと
を隣接させると、一人の作業者で載置と排出を行うこと
ができる。
【0035】排出を自動化する場合には、排出手段とし
て、真空吸着装置が挙げられる。真空吸着装置で吸着さ
せたホルダーを、本発明の装置の外側に配置したホルダ
ーあるいはホルダー排出用のコンベア上に移動させてか
ら吸着を停止し、箱内又はコンベア上に落下させればよ
い。
【0036】
【作用】ホルダー載置ステーションで、コンベア上のホ
ルダー受けにホルダーを載せる。これは手作業で行って
もよい。コンベアを作動させてホルダーを紫外線硬化性
樹脂注入手段の位置まで搬送して停止させる。次に紫外
線硬化性樹脂注入手段を作動させて樹脂をホルダーの窓
孔内に注入する。
【0037】続いてホルダーはカバーガラス載置手段の
位置に搬送される。カバーガラス載置手段のカバーガラ
ス供給装置から供給されたカバーガラスは、真空吸着部
材により吸着され、ホルダー上に運ばれる。次に吸着を
停止し、カバーガラスはホルダーの樹脂上に載置され
る。
【0038】さらに、ホルダーは紫外線照射手段の位置
に搬送される。仮押えを用いる場合には先ず仮押えによ
りホルダーがホルダー受けに固定される。続いて挟圧部
が作動し、標本が上下から挟圧され、さらに紫外線が照
射される。次に挟圧部が標本から離脱し、さらに仮押え
が離脱する。
【0039】こうして樹脂が硬化した標本は、排出ステ
ーションで排出される。各ステーションでは、上記の工
程が同時に進行し、ホルダー載置ステーションで本発明
の装置に載せたホルダー上の観察対象物は、自動的に紫
外線硬化性樹脂とカバーガラスで平面性よく固定され、
排出ステーションに搬送される。
【0040】空ステーションを設けた場合には、標本は
ここで静置される。また、作製された標本に番号等を付
けるには、この空ステーションを使用することができ
る。本発明の装置により作製される標本は、粘着テープ
側から観察するのが好ましい。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。本実施例ではコンベアをターンテーブルとし、
紫外線照射手段と排出手段との間に空ステーションを、
排出手段と紫外線硬化性樹脂注入手段との間にホルダー
設置ステーションを設け、各手段あるいはステーション
を60度の角度で配置したものを説明する(図1)。
又、本実施例の装置は、各手段を2連にして1工程で同
時に2枚のホルダーの処理を行うが、本発明はこれに限
られない。
【0042】初めに、本実施例の装置に適用するホルダ
ーを説明する。このホルダー1は長方形形状の樹脂板で
あり、正方形の窓孔2を、取扱いに便利なように一方の
端部に近い部位に穿けてある(図2)。窓孔2の大きさ
は、使用するカバーガラス7よりもわずかに大きく設定
する。ホルダー1の厚さは、観察対象物5、カバーガラ
ス7の厚さを含め、紫外線硬化性樹脂6の量によって適
宜設定すればよい。このホルダー1の窓孔2に観察対象
物を添付した粘着テープ3を貼着する(図3)。あるい
はホルダーに粘着テープを予め貼着しておき、後に粘着
面に観察対象物を貼着してもよい。
【0043】ターンテーブル10のほぼ外周部には、前
記ホルダー1がはまるように凹部を設け、ホルダー受け
11をターンテーブルと一体に形成してある。ターンテ
ーブル10のホルダーの窓孔2に対応する位置には、後
述する紫外線照射部の下方挟圧体53よりも大きい正方
形の穴12を開けてある。このターンテーブルは、一定
時間停止した後に60度回転するようにしてあるが、手
動で作動させてもよい。
【0044】紫外線硬化性樹脂注入手段30は、スリー
ボンド社製のミニコータCII型装置を使用した(図
4)。紫外線硬化性樹脂としては、株式会社スリーボン
ドから販売されている光硬化性樹脂3042Cを使用し
た。これをホルダーの窓孔に0.02ml注入されるよ
うに調整する。
【0045】カバーガラス載置手段40は、以下の構成
とする(図5)。尚、本実施例では、各手段を2連とし
たので、カバーガラス載置手段も2連にしてある。カバ
ーガラス収容部31は断面が正方形の筒であり、上部、
下部ともに開口しており、ここからカバーガラスを積み
重ねて供給することができるとともに、収容部41の下
部はカバーガラス出口を形成する。また、側面にはカバ
ーガラスの収容量を確認するための窓が開けてある。
【0046】この収容部41の下方に、長方形のスライ
ダ42がカバーガラスの厚さより長く2倍の厚さより短
い距離を保ったままで、水平方向にスライド可能に設定
されている。このスライダ42の前方部には、カバーガ
ラスよりも小さい正方形の受台部43と、この周囲に刻
設されカバーガラスよりもわずかに小さい溝44が設け
てある。受台部43の上面は、スライダ42の上面より
も低く、その高低差はカバーガラスの厚さよりも短かく
設定されている(図6)。
【0047】また、溝44の四隅には空気抜き45が設
けてあるので、カバーガラスは浮き上がることなく受台
部に密着する。さらに、受台部43の中央には吸引口4
6を、受台部上面からスライダ下面に通じるように設け
てあるので、真空吸引により、カバーガラスを安定させ
ることができる。
【0048】スライダ42を、受台部43が収容部41
の下方に位置するようにスライドさせると、カバーガラ
スが受台部に落ち込む。さらにスライダ42をスライド
させると、カバーガラスはスライダ42とともに搬出さ
れる。一方、スライダ42上面には次のカバーガラスが
当接され、再びスライダ42の受台部43が収容部41
の下方に位置するようにスライダ42をもとの位置にス
ライドさせると、カバーガラスが受台部に落ち込む。こ
の工程を繰り返すと次々にカバーガラスを供給すること
ができる。
【0049】このようにして供給するカバーガラスを真
空吸着部材47でスライダ42上から吸い上げ、コンベ
ア上のホルダーの窓孔内に移動させ、窓孔内の樹脂上に
載せる。
【0050】紫外線照射手段50は、紫外線発生部51
と、カバーガラスを上方から加圧する上方挟圧体52と
粘着テープの下方から加圧する下方挟圧体53からなる
挟圧部とを備えている(図7)。この上方挟圧体52
は、カバーガラス全体を加圧する棒状体であり、下面に
はスポンジゴムを接着してあり、圧力が分散されて均一
に加圧することができる。
【0051】下方挟圧体53は透明アクリル製であり、
上面はホルダー窓孔2に対応して開けてあるホルダー受
け11の穴12よりもわずかに小さく、ホルダー窓孔2
よりも大きい平面を有している。これらの挟圧体はシリ
ンダで各々上下に作動し、前記ホルダー受けの穴12を
通して試料を挟圧する。下方挟圧体53の内部には、紫
外線発生部51の出射部に接続されたライトガイド54
の末端を埋め込んであり、下方挟圧体を通して紫外線を
上方に照射することができる。
【0052】本実施例では、紫外線発生部には株式会社
オーク製作所製のHMW−623−8型スポットUV装
置を使用し、紫外線照度140mW/cm2、光源と試
料との距離50mm、照射時間6秒の条件で照射する。
この条件は、使用する樹脂の種類、厚さ、あるいは下方
挟圧体の素材等により適宜設定する。本実施例では、紫
外線照射手段の周囲を紫外線を透過しない透明体からな
る紫外線防護箱55で囲ってあり、作業者が紫外線を被
爆しないようにしてある。
【0053】排出手段70は、ホルダーを真空吸着によ
り取り上げ、これをコンベア外に移動させる真空吸着部
材71と、移動したホルダーを受けるための標本コンベ
ア72とを備えている(図8)。真空吸着により取り上
げられた標本は、標本コンベア72の上に移動され、真
空吸着を停止すると標本コンベア72の上に落下し、標
本溜め73に運ばれる。
【0054】本実施例の標本の作製装置は、ターンテー
ブルが6〜7秒停止した後に60度回転する。空のホル
ダー受け11がホルダー載置ステーション20の位置で
停止したときに、ホルダー1をホルダー受け11に手作
業で載せる。
【0055】ターンテーブルが60度回転する毎にホル
ダーは各手段の位置に搬送され、ターンテーブルが停止
している間に各手段は作動する。空ステーション60で
は樹脂が硬化した標本が静置され、続いて排出ステーシ
ョンに搬送された標本は排出手段により排出される。排
出手段70とホルダー載置ステーション20は並んで配
置されているので、排出を手動として1人の作業者が行
ってもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明の装置は、標本の作製に必要な工
程の内煩雑な工程を自動化したことで、作業者に負担を
かけずに標本を作製することができる。また、観察対象
物の固定に使用する樹脂を紫外線硬化性樹脂としたこと
で、短時間で硬化させることができ、作業効率がよい。
さらに、紫外線硬化性樹脂は従来使用されているシリコ
ン材に比べて充分に硬化するので、硬化後に粘着テープ
がたるむことがなく、平面性のよい標本が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一例を示す概念図。
【図2】本発明の装置に適用するホルダーの一例を示す
斜視図。
【図3】ホルダーに貼着された粘着テープ及び観察対象
物の状態を示す正面図。
【図4】紫外線硬化性樹脂注入手段の一例を示す斜視
図。
【図5】カバーガラス載置手段の一例を示す側面図。
【図6】カバーガラス載置手段のスライダの一例を示す
側面図。
【図7】紫外線照射手段の一例を示す側面図。
【図8】排出手段の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1.ホルダー 2.窓孔 3.粘着テープ 4.透明粘着剤 5.観察対象物 6.紫外線硬化性樹脂 7.カバーガラス 10.ターンテーブル 11.ホルダー受け 12.ホルダー窓孔に対応する穴 20.ホルダー載置ステーション 30.紫外線硬化性樹脂注入手段 40.カバーガラス載置手段 41.カバーガラス収容部 42.スライダ 43.受台部 44.溝 45.空気抜き 46.吸引口 47.真空吸着部材 50.紫外線照射手段 51.紫外線発生部 52.上方挟圧体 53.下方挟圧体 54.ライトガイド 55.仮押え 56.紫外線防護箱 60.空ステーション 70.排出手段 71.真空吸着部材 72.標本コンベア 73.標本溜め

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓孔を有し、粘着面に観察対象物を貼着
    した粘着テープをこの窓孔に対応させて保持するホルダ
    ーを搬送するコンベアと、前記ホルダーの窓孔内に紫外
    線硬化性樹脂を注入する紫外線硬化性樹脂注入手段と、
    ホルダー内に注入された紫外線硬化性樹脂の上にカバー
    ガラスを載せるカバーガラス載置手段と、この紫外線硬
    化性樹脂の上に載せたカバーガラスと粘着テープと樹脂
    とを平坦面で挟圧しつつ紫外線硬化性樹脂に紫外線を照
    射する紫外線照射手段とを備え、 前記各手段は前記の順でコンベア上に一定間隔で配置さ
    れ、コンベアはホルダーを固定するためのホルダー受け
    を有し、ホルダーを前記各手段の位置に順次搬送して一
    定時間静止し、この間に前記各手段を作動させることを
    特徴とする標本の作製装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の標本の作製装置におい
    て、前記カバーガラス載置手段は、カバーガラスを重ね
    て収容するとともにこのカバーガラスを排出するカバー
    ガラス出口を有する収容部と、この収容部のカバーガラ
    ス出口の下方に設置されるとともに前記収容部の前記カ
    バーガラス出口から搬出されるカバーガラスを受けるス
    ライダとを備え、前記スライダは、前記収容部の前記カ
    バーガラス出口端に対してカバーガラスの厚さ以上でカ
    バーガラスの厚さの2倍より短い距離をもって離れて設
    置され、前記収容部に対する距離を保持した状態で進退
    移動自在で、かつ、このスライダにはカバーガラスの受
    台部と、この受台部の周囲に刻設した溝とを設けたカバ
    ーガラス供給装置を備えたことを特徴とする標本の作製
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の標本の作製装置に
    おいて、コンベアのホルダー受けのホルダーの窓孔に対
    応する部分には孔が開けてあり、前記紫外線照射手段
    は、コンベアの下面側にあって内部に紫外線光源を有し
    上面が平らな透明樹脂体からなる下方挟圧体と、コンベ
    アの上面側にあってカバーガラスを押圧する上方挟圧体
    とを備え、粘着テープと樹脂とカバーガラスとを上方挟
    圧体と下方挟圧体とで挟圧しつつ、前記光源から発生す
    る紫外線を粘着テープ側から樹脂に照射させることを特
    徴とする標本の作製装置。
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