JPH05311651A - アンカー構造 - Google Patents

アンカー構造

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JPH05311651A
JPH05311651A JP244292A JP244292A JPH05311651A JP H05311651 A JPH05311651 A JP H05311651A JP 244292 A JP244292 A JP 244292A JP 244292 A JP244292 A JP 244292A JP H05311651 A JPH05311651 A JP H05311651A
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steel material
coating
epoxy resin
anchor
polyethylene
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JP244292A
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Inventor
Yuuji Samaru
雄治 佐丸
Kunio Naito
邦夫 内藤
Izumi Hasegawa
泉 長谷川
Koji Sugiyama
好司 杉山
Hiroshi Iwasa
弘 岩佐
Wataru Ariga
度 有賀
Koichi Kamata
浩一 鎌田
Masamitsu Takei
雅光 武井
Noriyuki Matsunaga
則之 松永
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Raito Kogyo Co Ltd
JFE Techno Wire Corp
Original Assignee
Kawatetsu Wire Products Co Ltd
Raito Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防食性および付着性等に優れるとともに、構造
が簡単で、製作性および施工性等に良好なアンカー構造
を提供する。 【構成】地盤中に埋設された引張鋼材の少なくともアン
カー体造成部分については、引張鋼材の表面にポリエチ
レン系ポリオレフィン被膜層1Bを形成するとともに、
このポリエチレン系ポリオレフィン被膜層1Bの上層に
エポキシ樹脂層1Cを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に防食性および付着
性に優れるとともに、構造が簡単で、製作性および施工
性等に良好なアンカー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、仮設工法から始まったアンカー工
法も、種々の改良が加えられ、近年、永久アンカーとし
て、構造物の転倒や滑動防止、浮き上がり防止、地滑り
防止、地下空洞掘削時の安定などの多くの用途に用いら
れるようになってきた。前記永久アンカーは、構造物が
存在している間は、その機能を長期間維持しなければな
らないため、仮設アンカー工法に比べると、格別に防錆
に対する配慮がなされなければいけない。
【0003】たとえば、永久アンカーの代表例として挙
げられる図13に示す「VSL永久アンカー工法」の場
合は、アンカーを腐食から守るためアンカーテンドン4
0の定着長部B、自由長部Aを合成樹脂製(高密度ポリ
エチレン)のコルゲートシース41で被覆し、また緊張
定着部ではアンカーヘッド44からコルゲートシース4
1間にアコーディオンコネクター42を配設し、この内
部を防錆油で充填してアンカーテンドン40の防錆を図
り、さらにアンカーヘッドにヘッドキャップ43を被
せ、内部に防錆油を充填するなど、アンカーテンドン4
0の腐食には格別の配慮がなされている。
【0004】一方、防錆上の配慮とともに、施工性を向
上させるために、たとえばゲビンデスターブPC鋼棒等
を用いたアンカー工法においては、鋼材表面にエポキシ
樹脂を被膜したものが実用に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最も簡易に使用鋼材の
防食性を高めようとした場合には、前述したエポキシゲ
ビンデスターブのように、鋼材表面に、たとえばポリエ
チレンまたはエポキシ樹脂等の防錆被膜を形成すること
が有効な手段である。
【0006】しかしながら、ポリエチレンは耐アルカリ
性には優れるがコンクリートとの付着性が悪いという欠
点を有し、またエポキシ樹脂はコンクリートとの付着性
には優れるが耐アルカリ性は乏しい欠点を有する。耐ア
ルカリ性に乏しい場合、コンクリート中のアルカリ分が
溶出したクラック浸透水によって、著しく耐食性が弱め
られる。またコンクリートとの付着性が小さい場合に
は、長期に渡って安定した緊張力が確保されないため、
特に引張鋼材に防錆被膜を施す場合には、前記した二つ
の条件を同時に満足させる必要がある。また、エポキシ
樹脂は、耐衝撃性および変形追随性が小さいため、運搬
時やアンカーテンドン組立時にヒビ割れが発生し易いな
どの問題点の他、エポキシ被膜形成時の瑕疵やハンドリ
ング液、ピンホールが点在する場合もあり、完全な防錆
も望みずらい。
【0007】また、前記した「VSL永久アンカー工
法」の場合には、長期に安定した防食性が得られるもの
の、組立加工に多くの手間を要するとともに、組立部材
が多く製作単価も高いものとなっている。また、コルゲ
ートシースのために削孔径が通常より大きくなるため削
孔費も高くなる。さらに、アンカー体造成時のグラウト
注入管理および緊張定着部の防錆処理にも手間がかかり
施工費も高いものとなっている。
【0008】そこで、本発明の主たる課題は、特に防食
性および付着性等に優れるとともに、構造が簡単で製作
費も廉価で、さらに施工性等も良好なアンカー構造を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、地盤中に埋
設された引張鋼材の先方部分に、グラウト注入によって
引張鋼材と直接的に固結したアンカー体を有し、かつ前
記引張鋼材の頭部が構造物に対して固定され、前記引張
鋼材に導入された引張力がこの引張鋼材を通じて前記ア
ンカー体に伝達されるアンカー構造において、少なくと
も前記引張鋼材のアンカー体造成部分については、引張
鋼材の表面にポリエチレン系ポリオレフィン被膜層を形
成するとともに、このポリエチレン系ポリオレフィン被
膜層の上層にエポキシ樹脂層を形成したことで解決でき
る。
【0010】
【作用】たとえば、前述したポリエチレンおよびエポキ
シ樹脂の両者の長所短所を互いにカバーする目的で、単
純に鋼材表面にポリエチレン層を形成し、さらにこの上
層にエポキシ樹脂層を形成すれば、両者の短所を互いに
補い得ることになるが、実際の製造において、普通に使
用されている一般的なポリエチレンは地鉄との付着性が
悪いという問題を有するとともに、ポリエチレン樹脂は
熱可塑性物質であり、前記エポキシ樹脂層を形成するた
めにはエポキシ樹脂を約180℃以上に加熱することを
要するが、普通に使用されるポリエチレンは約150℃
で軟化するため、エポキシ樹脂層の形成時にポリエチレ
ン層を崩してしまい、ポリエチレン被膜層の上にエポキ
シ樹脂層を形成できないという問題点があった。本発明
者等は、前記問題点を解決すべく、種々のポリエチレン
樹脂について研究した結果、特殊な官能基を導入したポ
リエチレン系のポリオレフィンを用いることによって、
前述した問題点を解決し得たものである。
【0011】ポリエチレン系のポリオレフィンの特性に
ついて列記すると、以下のように整理される。 コンクリートとの付着性は、鋼材を350〜400℃
に予熱し、この樹脂粉末を260〜300℃に加熱して
鋼材に被膜させると、熱反応によって地鉄と付着し、鋼
材の緊張作業に要する強度を満足させる程度の地鉄との
付着強度を有している。 軟化点も高く、240〜250℃に加熱しても原形を
十分に保っている。 電気抵抗(体積抵抗)は1016Ωcm以上であるが、2
00〜250℃以上に加熱すると電気抵抗が下がりエポ
キシ樹脂の静電粉体塗装が可能となる。 エポキシ樹脂との付着性が良好で、鋼材の緊張作業に
要する強度を満足する程度の相互付着強度を有してい
る。 上記のように、ポリエチレン系ポリオレフィンは、耐ア
ルカリ性および耐酸性に優れ、地鉄およびエポキシ樹脂
との密着性がよい。また、軟化温度が240〜250℃
であるから、その上層にエポキシ樹脂被膜を形成させる
時にも原形を留めるため、良好な樹脂被膜を形成するこ
とが可能となる。さらに、200℃以上においては電気
伝導率がよいため、エポキシ樹脂の静電粉体塗装が可能
となる。なお、引張鋼材を被膜する前記ポリエチレン系
ポリオレフィンの被覆厚は、図11に示す付着試験よ
り、1.5mm以下、好ましくは0.05〜0.8mmとす
るのがよい。膜厚が0.05mmより薄いと加工工程にお
いて疵や欠陥を生じる恐れがあり、1.5mmを超えると
コンクリートの付着性能が低下するとともに不経済とな
る。また、前記エポキシ樹脂膜層の膜厚は、1.0mmを
超えると不経済となるため、図10より、1.0mm以
下、好ましくは0.05〜0.6mmとするのがよい。
【0012】一方、前記二重防錆樹脂被膜をアンカー頭
部の定着部分にも施す場合には、図12に示されるよう
に、チャック体13の歯形の隙間部分が樹脂によって埋
め尽くされるため、該部分においても高い防錆効果を期
待することができる。
【0013】以上のように、上記知見に基づき成され
た、本発明においては、引張鋼材に対して下層にポリエ
チレン系ポリオレフィンを用いることによって、その上
層にエポキシ樹脂を形成することが可能となる。形成さ
れた二層の樹脂被膜のそれぞれは、互いの短所を相互に
補うように機能するため、耐アルカリ性、耐酸性、耐衝
撃性、追随性、付着性に富み、二重樹脂被膜のためピン
ホール等の被膜瑕疵も無くなる。さらに、防食構造が簡
単になり、手間がかからず施工が容易になるとともに、
製作単価、工費等の節減を図り得る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳述する。本
発明においては、使用される引張鋼材の防食被膜構成に
特徴を有するものであり、先ず本発明に係る二重防錆樹
脂被膜鋼材の製造方法について詳述する。エポキシ樹脂
の膜厚を精度よくコントロールするためには、静電塗装
を行うことが望ましい。静電塗装を行う場合、ポリオレ
フィンの体積固有抵抗値が300KΩ・cm以下である必
要がある。これに対して上記ポリオレフィンの体積固有
抵抗値は1016Ω・cm以上であり、このままでは使用で
きないが、200℃に加熱することにより静電塗装可能
な電気抵抗値となり、静電塗装が可能となる。本発明に
係る二重防錆樹脂被膜鋼材は、先ず官能基を有するポリ
エチレン系ポリオレフィンを260〜300℃に加熱
し、これを350〜400℃に予熱した鋼材表面に被覆
し、次いでこの被膜上に200〜250℃の温度域でエ
ポキシ樹脂粉末を静電塗装することによって製造するこ
とができる。実際の製造に当たっては、ポリエチレン系
の接着性ポリオレフィン(商品名「アドマー」三井石油
化学工業株式会社)を温度280℃に加熱して真空加熱
式押出被覆装置に入れ、一方、温度370〜390℃に
余熱した裸の7本撚りPC鋼撚線を、この被覆装置に通
して真空押出被覆し、一旦コイル巻きする。次いで、P
Cストランドのブルーイング装置をベースに改造した、
図9に示されるエポキシ樹脂粉体静電塗装機によりエポ
キシ樹脂静電塗装を施した。図8において、コイル30
に巻かれたポリエチレン系ポリオレフィン被膜鋼線は、
ターンロール31において巻回されてバックテンション
の調整がなされ、サイリスタ32において、220℃に
加熱された後、静電塗装機33によりエポキシ樹脂膜が
形成される。そして、工業用ドライヤーを装備した保温
カバー34部において60秒以内の作業時間で焼付けが
行われ、水冷槽35によって常温まで冷却された後、コ
イル36によって巻き取られる。前記実施例において用
いられるエポキシ樹脂は、生産性の観点より、硬化時間
の短縮を図った改良品を用いた。具体的には、エポキシ
樹脂のグレードを変更しエポキシ基含有率の高いハイグ
レードの樹脂とするとともに、硬化時間の短縮のために
イミダゾール系の促進剤を加えたものを使用した。表1
に従来品との比較の上で本実施例に用いたエポキシ樹脂
の成分を示す。
【0015】
【表1】
【0016】〔物性試験〕7本撚りPC鋼撚線12.7
φmmの鋼線に対し、前述した方法により、本発明に係る
二重防錆樹脂被膜を形成し、各種試験に供した。 (1)コンクリートとの付着試験 コンクリート中に前記7本撚りPC鋼撚線12.7φmm
鋼線の一部を埋設し、この状態からストランドを引き抜
いて、滑り始める荷重を調べた。なお、下層のポリエチ
レン系ポリオレフィン膜厚を200〜700μmの範囲
で変化させるとともに、その上層のエポキシ樹脂を10
0〜500μmの範囲で種々変化させて、コンクリート
との付着強度を調べた。その結果を図10および図11
に示す。
【0017】図10は試験結果をエポキシベースでグラ
フに表したものであり、図10は、同一の試験結果をポ
リオレフィンベースで表したものである。図10および
図11より明らかなように、いずれの場合も「グランド
アンカー設計・施工基準・同解説(土質工学会)」の規
定値8kgf/cm2 以上を満足するとともに、設計値の10
kgf/cm2 以上を満足する良好な結果が得られた。
【0018】(2)アルカリ耐食性試験 50℃、3規定のNaOH水溶液に1000時間以上浸
漬し、前記二重防錆被膜に塗膜剥離状況について調べ
た。外観観察では、浸漬後14日で外層のエポキシ樹脂
被膜にヒビ割れが発生し、その後日数の経過に従って塗
膜の剥離が続き、49日経過時点では、一部に付着した
エポキシ被膜を残す状態でエポキシ樹脂についてはほと
んど剥離した。しかし、下層のポリオレフィン被覆につ
いては、49日経過時点でも浸漬前とほぼ変わらない外
観状態を維持していた。
【0019】(3)塩水噴霧試験 JIS Z2371に従い、塩化ナトリウム(5±0.
5%、35±2%)で1500時間(62日間)以上晒
し、その外観状態を観察したが、原形の外観状況を保
ち、錆の発生は見られなかった。
【0020】(4)被膜の歪追随性 本発明に係る二重防錆被膜を施した鋼線を許容引張荷重
まで引張り、この歪状態での被膜の剥離状況について調
べたが、樹脂層には剥離、ヒビ割れ等の損傷は見られな
かった。
【0021】(5)曲げ剥離試験 直径300mmのパイプにPC鋼撚線を巻き付けて、剥
離、ヒビ割れ等の状況を観察したが、樹脂には剥離、ヒ
ビ割れ等の損傷は見られなかった。
【0022】(6)チャッキング試験 クサビ形グリッパを用いてチャキング緊張時の滑りにつ
いて測定したが、所定緊張力で滑りの発生は見られなか
った。
【0023】以上詳説のように、本発明に係る二重防錆
樹脂被膜を施したPC鋼材は、耐アルカリ性、耐酸性、
耐衝撃性、追随性、付着性等に富み、たとえば引張鋼材
として好適に用いられることが判明される。
【0024】〔実施例〕次に、前述した二重防錆被膜を
施したPC鋼材(7本撚PC鋼撚線12.7φmm)を用
いたアンカー構造について詳述する。図1は、本発明に
係る二重防錆樹脂被覆PC鋼材1の横断面図であり、P
C鋼より線1Aの外面全周に前述した被膜形成方法に従
って、密着したポリエチレン系ポリオレフィン被膜1B
が形成され、さらにその上層に密着したエポキシ樹脂被
膜1Cが形成されている。前記ポリエチレン系ポリオレ
フィン被膜1Bおよびエポキシ樹脂被膜1Cからなる二
重防錆樹脂被覆の形成範囲は、少なくとも図2における
定着長部分A、好ましくはPC鋼材1の全長に渡って形
成される。
【0025】本実施例においては、第1の例として、前
記二重防錆樹脂被覆PC鋼材1を、ソレタンシュアンカ
ー工法におけるアンカーテンドンとする場合について詳
述する。図2にアンカーの全体概略図であり、図3にそ
の要部詳細を示す。前記アンカーテンドンの組立構造
は、その中心部にマンシェットチューブ2が配設され、
その外周部に前記マンシェットチューブ2に沿って本発
明に係る二重防錆樹脂被覆PC鋼材1、1…が配設され
ている。アンカー上方の自由長部Bにおいては、非接着
性シース6内に前記マンシェットチューブ2および二重
防錆樹脂被覆PC鋼材1、1…が挿入され、該部分にお
いてはグラウト注入時および緊張力導入時には滑動でき
るようになっており、これらの作業を終えた後、防錆の
ために固結剤が充填される。一方、アンカー先方の定着
長部Aにおいては、前記マンシェットチューブ2および
二重防錆樹脂被覆PC鋼材1、1…がシース材で覆われ
ることなく露出している。前記二重防錆樹脂被覆PC鋼
材1、1…のマンシェットチューブ2に対する組立に当
たっては、マンシェットチューブ2の軸方向に適宜の間
隔をおいて、図3に示されるように、スペーサリング7
が前記マンシェットチューブ2を包着するように取付け
られ、図4に示されるように、スペーサリング7によっ
て前記二重防錆樹脂被覆PC鋼材1、1…がマンシェッ
トチューブ2との間に所定の離間をもって位置決めされ
るとともに、前記スペーサリング7、7間において締付
けバンド8によって締め付けられるように結束されてい
る。このように、前記二重防錆樹脂被覆PC鋼材1、1
…がマンシェットチューブ2の外周に接離し、沿うよう
に配設されることにより、注入されるグラウト材との付
着性が良好となる。
【0026】ソレタンシュアンカー工法においては、図
3に示されるように、前記マッシェットチューブ2に
は、部材方向に適宜の間隔(数十cm)をもって注入孔2
a、2aが形成されるとともに、この注入孔2a、2a
を覆うゴムスリーブ4が包着するように取付けられ、か
つ前記マンシェットチューブ2の内部には、中間部の吐
出孔3c,3c…を挟んで上下部に前記マンシェットチ
ューブ2の内壁と摺る程に大径のパッカー部3a、3b
を有するインナーロッド3が挿入されており、前記イン
ナーロッド3の吐出孔3c、3c…より所定の圧力をも
ってグラウト材が吐出された際、前記パッカー部3a、
3bによって封鎖されることにより、グラウト材がゴム
スリーブ4を押し広げるようにして前記注入孔2a、2
aから外部の地盤中に注入される。注入されたグラウト
材は、パッカー5によって、自由長部分Aへの流入が防
止され、放射方向に地盤に向かって注入される。前記イ
ンナーロッド3は、マンシェットチューブ2内を自由に
移動させ、それぞれゴムスリーブ4の配設位置におい
て、地盤深さ方向の各地層状況に応じて、管理された注
入量、注入圧のグラウトを送り込むことによって、定着
長部分Aの全体に渡って強固なアンカー体を形成するこ
とが可能となる。
【0027】次に、第2の例として、図5にVSLアン
カーにおける本発明の適用について説明する。図1に示
される本発明に係る二重防錆樹脂被覆PC鋼材1が、注
入管9に沿うように全長に渡って、その外周部分に配設
されている。アンカー上方の自由長部Bにおいては、ポ
リシース12によって前記注入管9と二重防錆樹脂被覆
PC鋼材1、1…が覆われており、定着長部Aとの境界
部分はコーキング材によって止水処理がなされている。
一方、アンカー先方の定着長部Aにおいては、二重防錆
樹脂被覆PC鋼材1、1…がシースによって覆われるこ
となく露出しており、注入管9に沿って一定間隔で配置
されるスペーサリング7、7…と、その中間部で結束さ
れた締付けバンド8によって、注入管9の外面に対して
接離しながら配設されている。また、先端部は、パイロ
ットキャップ11によって固結処理されている。
【0028】以上詳説したとおり、定着長部がコルゲー
トシース等によって覆われていないアンカー工法に対
し、本発明は最も好適に採用することができ、本発明に
適用によって、少なくともアンカーの定着長部分におい
て、PC鋼材の高い防食性が確保されるため、長期的使
用に対する信頼性が向上する。また、本発明は、特に従
来工法の構造を特に変更することなく、使用するPC鋼
材に特殊防錆被膜を形成することで、高い防食性を高め
るものであるため、従前と同等の施工性を確保すること
ができる。
【0029】一方、本発明に係る二重防錆樹脂被膜の適
用は、前記PC鋼材に限定されるものではなく、たとえ
ば、本出願人等で成された先の特願昭63−15471
号、特願昭63−15472号、特願昭63−1547
3号等において開示される帯状補強材による斜面補強に
対しても好適に採用することができる。前記帯状補強材
による斜面補強工法は、図7に示される鋼材等からなる
帯状補強材10を、図6に示されるように、自然地山斜
面または切土斜面から地山中に挿入設置して地山安定を
図るものである。用いる前記帯状補強材10の寸法は、
厚さt;0.6〜20mm、好ましくは1〜10mm、幅
W;50mm〜1000mm、好ましくは100〜300m
m、長さL;10m以内、とされる。挿入設置に当たっ
ては、たとえば図8のように千鳥配置の他、高さ方向に
層状に配列する。補強材の配列ピッチ水平間隔Pは0.
5〜2m程度、また高さ間隔Dは0.5〜3m程度に配
置される。
【0030】本発明においては、前記帯状補強材10の
全面に、本発明に係るポリエチレン系ポリオレフィンと
エポキシ樹脂からなる二重防錆樹脂被膜を施した後、地
山中に埋設することによって、地山との付着強度を確保
しながら、飛躍的に防食性を高めることができる。
【0031】なお、前記帯状補強材10の地山挿入方法
について、前記各公報において開示される方法に従って
行うことができる。
【0032】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、鋼
材の表面に形成されたポリエチレン系ポリオレフィンと
エポキシ樹脂からなる二層の樹脂被膜のそれぞれが、互
いの短所を相互に補うように機能するため、耐アルカリ
性、耐酸性、耐衝撃性、追随性、付着性に富み、二重樹
脂被膜のためピンホール等の被膜瑕疵も無くなる。さら
に、防食構造が簡単になり、手間がかからず施工が容易
になるとともに、製作単価、工費等の節減を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPC鋼材の横断面図である。
【図2】ソレタンシュアンカーの全体概略構造図であ
る。
【図3】図2の要部詳細縦断面図である。
【図4】図2の要部詳細横断面図である。
【図5】VSLアンカー工法における本発明の適用を説
明するための図である。
【図6】帯状補強材の斜面への設置要領図である。
【図7】帯状補強材の斜視図である。
【図8】図5の正面からの視図である。
【図9】エポキシ樹脂被膜の形成ライン工程図である。
【図10】実施例における付着性能試験結果である。
【図11】実施例における付着性能試験結果である。
【図12】本発明に係るアンカー体頭部の定着部縦断面
図である。
【図13】VSL永久アンカーの全体構造図である。
【符号の説明】
1…PC鋼材、1A…PC鋼より線、1B…ポリエチレ
ン系ポリオレフィン、1C…エポキシ樹脂被膜、2…マ
ンシェットチューブ、3…インナーロッド、4…ゴムス
リーブ、5…パッカー、6…非接触性シース、7…スペ
ーサリング、8…締付けバンド、10…帯状補強材
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 泉 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 杉山 好司 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 岩佐 弘 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 有賀 度 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 鎌田 浩一 東京都千代田区九段北4丁目2番35号 ラ イト工業株式会社内 (72)発明者 武井 雅光 千葉市新浜町1番地 川鉄テクノワイヤ株 式会社内 (72)発明者 松永 則之 千葉市新浜町1番地 川鉄テクノワイヤ株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤中に埋設された引張鋼材の先方部分
    に、グラウト注入によって引張鋼材と直接的に固結した
    アンカー体を有し、かつ前記引張鋼材の頭部が構造物に
    対して固定され、前記引張鋼材に導入された引張力がこ
    の引張鋼材を通じて前記アンカー体に伝達されるアンカ
    ー構造において、 少なくとも前記引張鋼材のアンカー体造成部分について
    は、引張鋼材の表面にポリエチレン系ポリオレフィン被
    膜層を形成するとともに、このポリエチレン系ポリオレ
    フィン被膜層の上層にエポキシ樹脂層を形成したことを
    特徴とするアンカー構造。
JP244292A 1992-01-09 1992-01-09 アンカー構造 Pending JPH05311651A (ja)

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JP244292A JPH05311651A (ja) 1992-01-09 1992-01-09 アンカー構造

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JP244292A Pending JPH05311651A (ja) 1992-01-09 1992-01-09 アンカー構造

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JP (1) JPH05311651A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100473789B1 (ko) * 2002-08-07 2005-03-10 (주) 코리아에스이 수지 코팅된 강연선을 이용한 마찰인장형 영구앵커
JP2008121304A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Tokyo Seiko Co Ltd 耐酸性強力アンカー

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