JPH0531116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ICハンドラに設置されるICシユー
トレール、及び、ICハンドラに用いられるICマ
ガジンに関するものである。

〔従来の技術〕

ICハンドラは、多数のICを順次に搬送してIC
測定ソケツトに装着して電気的性能の検査に供
し、かつ、上記測定ソケツトから離脱せしめた
ICを検査結果に従つて級別に分類して搬出する
自動機器である。

ICハンドラ内におけるICの搬送には、主とし
てシユートレールが用いられ、ICハンドラに対
してICを供給したり搬出したりする場合はICマ
ガジンが用いられる。

第７図はシユートレール１によつてIC２を搬
送している状態の斜視図、第８図は同じく側面図
である。

第９図はIC２とマガジン３とを対比せしめて
描いた斜視図である。

そして、上記のマガジン３の多数をICハンド
ラに順次供給する為に、本図に示すようなマガジ
ンストツカが用いられる。マガジンストツカは一
対の断面コの字形の柱状部材であるガイドコラム
４を植設して、該コの字形の凹部を対向せしめこ
の凹部にマガジン３の両端を嵌め合わせ、積み上
げて収納される。そして、最下段のマガジンを次
工程に送り出すと、その上方のマガジンは自重で
滑降する。

取扱対象であるICの寸法が異なると、これに
対応してシユートレール及びマガジンも、それぞ
れ適合した寸法のものを用いなければならない。

こうした不便の１部分を解消するため、第１０
図に示す如く、３本の平行な突条５ａ，５ｂ，５
ｃを備えた、断面Ｅ形のICシユートレール５が
公知である。

第１１図は上記Ｅ形シユートレールによつて大
形のIC２Ｌを搬送している状態を示す。第１２
図は同じく中形IC２Ｍを搬送している状態、第
１３図は小形のIC２Ｓを搬送している状態を示
す。

ICの寸法は、第１１図に示す如く、対向して
いるリードの肩幅寸法ｌを以て公称される。本従
来例における大形IC２Ｌは600ミル、中形IC２Ｍ
は400ミル、小形IC２Ｓは300ミル（ただし１ミ
ル＝1/1000インチ）である。

第１４図は大形IC２Ｌ用の大形マガジン３Ｌ
を示す。この大形マガジン３Ｌは、大形IC２Ｌ
に適合する案内用の突条３Laと、該大形IC２Ｌ
の周囲を取り囲む筒状の該筐体３Lbとを備えて
いる。本考案において筒状とは、必ずしも立体幾
何学的に完全な筒であることを要せず、第１４図
に示すような点検用溝孔３Lcを有する形状（い
わゆる口を開いた巻筒状）であつても良い。

第１５図，第１６図に表わされているように、
中形マガジン３Ｍ、小形マガジン３Ｓは、それぞ
れ収納すべきICの寸法に適応した突条や外筐体
を備えている。

このため、同一のマガジンを複数種類の大きさ
のICに流用することができない。即ち、取扱う
ICの型式寸法（呼び寸法）が変わると、それぞ
れに専用のマガジンを用いなければならない。

取扱いICの寸法変化に応じて異なるマガジン
３Ｌ，３Ｍ，３Ｓを使い分けること自体は大きい
不具合ではないが、マガジンの変更に伴つて、先
ず、第９図に示したガイドコラム４を取り替えな
ければならなくなる。その他、マガジン内にIC
を送り込むための支持部材（マガジンチヤツク）
やマガジン内のICを取り出す為の部材なども取
り替えなければならなくなる。このようにして、
ICハンドラのロード機構，アンロード機構の大
幅な段取り替えが必要となり、作業能率を著しく
低下させる。

こうした不具合を解消して、大，中，小３種類
のICをそれぞれ取り扱うことが出来、ICの種類
に応じてマガジンを使い分けてもICハンドラ本
体側の段取り替えを必要としないIC搬送用のシ
ユートレール及びマガジンとして、 (イ) 大，中，小３種類のICに適合するシユート
レールは、例えば第１０図に示した従来例のＥ
形シユートレールと同様の部材を用い、 (ロ) 大形IC専用マガジンは、例えば第１４図に
示した大形マガジン３Ｌと同様の部材を用い、 (ハ) 中形IC専用マガジンは、例えば第１４図に
示した大形IC用の外筐体３Lbの中に、第１５
図に示した中形IC用の突条３Maを設けたもの
を構成し、 (ニ) 小形IC専用マガジンは、例えば第１４図に
示した大形IC用の外筐体３Lbの中に、第１６
図に示した小形IC用の突条３Saを設けたもの
を構成することが考えられる。

上記(イ)〜(ニ)の構成は、本考案者らは創作して別
途出願中の考案（実願昭62−158695）である。
（以下、先願の考案と呼ぶ）。

上記先願の構成によれば、大形IC用，中形IC
用，小形IC用のそれぞれのマガジンは共通形状，
共通寸法の外筐体を有しているので、マガジン種
別を交換しても該マガジンをハンドリングするガ
イドコラム其他ICハンドラ本体構成部材の段取
り替えを必要としない。

また、大形IC用マガジン，中形IC用マガジン，
小形IC用マガジンの何れかをＥ形シユートレー
ルに正対せしめると、該Ｅ形シユートレールから
送り出されるICを、それぞれのマガジンの突条
の上に円滑に受け入れることが出来る。

第１７図乃至第１９図は前記先願に係る考案の
一実施例における中形マガジンの説明図である。

第１７図に１点鎖線で示した５は前記従来例に
おけるＥ形シユートレールである。

実線で描いた２Ｌは、上記Ｅ形シユートレール
５に搭載された状態の大形ICである。

２点鎖線で描いた３Lbは、上記大形ICを収納
した状態における大形マガジンの外筐体である。

前記Ｅ形シユートレール（１点鎖線）上に搭載
された状態の中形IC２Ｍを破線で描き、斑点を
付して示す。

上記第１７図の中の中形IC２Ｍと、大形IC用
外筐体３Lbとを抽出して第１８図に示す。

第１８図の位置の中形IC２Ｍを支承して案内
する突条６Maを第１９図の如く構成すると共
に、上記大形IC用外筐体３Lbと略同形同寸の外
筐体６Mbを構成し、両者６Ma，６Mbを一体に
連設して中形IC用マガジン６Ｍを構成する。こ
れが先願の考案における組合せ部材の１である前
記(ハ)項の中形マガジンである。

先願の考案は、第１４図に示した従来例の大形
マガジン３Ｌ、及び、第１０図に示した従来例の
Ｅ形シユートレールをそれぞれそのまま適用す
る。

第２０図及び第２１図は小形IC用マガジンの
説明図である。第２０図は、中形マガジンにおけ
る第１７図（先願）に対応する図で、第１７図の
中形IC２Ｍを小形IC２Ｓに置き変えて描いたも
のである。

前記第１７図→第１８図→第１９図と同様の設
計手順により、先願の考案に係る小形IC用のマ
ガジン６Ｓ（第２１図）が得られる。

上記第２１図は構成説明の為の模式図であり、
第２２図はこれに対応する実物の小形IC用マガ
ジン６S′の断面投影図である。

実物断面図（第２２図）が、模式図（第２１
図）に比して異なるところは次の如くである。

模式図（第２１図）の外筐体６Sbは第１４図
に示した大形マガジンの外筐体３Lbと全く同形
同寸であるのに比し、先願に係る小形マガジンの
実物投影図（第２２図）においては、 (i) 溝孔６Sc′の位置を、小形IC２Ｓの点検に便
利なような該小形IC２Ｓの真上の位置に設け
てある。

(ii) 小形IC２Ｓが、突条６Sa′上から矢印ｆの如
く転落しないようにガイド６Sd′を設けてある。

(iii) その他、偶角部の丸味や肉厚の配分などを若
干変えてある。

先願の考案および本考案において、「中，小形
IC用のマガジンが大形IC用マガジンの外筐体と
同じ外筐体を有する」とは、「寸分違わぬ同形同
寸の外筐体を有する」との意ではなく、「マガジ
ンをハンドリングする関係部材との対応におい
て、機能的に等価なる形状，寸法を有する」意で
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記先願に係る考案のシユートレール及びマガ
ジンを適用すると、ICハンドラにおける取扱い
ICの呼称寸法の変化に応じて大，中，小３種類
のマガジンを使い分けても、ICハンドラ本体の
部品交換や寸法調整など一切の段取り替えを必要
としないという優れた実用的効果を奏することが
確認された。しかし、本考案者らが更に実用化試
験研究を進めた結果、次記のような困難に直面し
た。

第２３図は上記困難の説明図であつて、前記の
小形マガジン６S′（第２２図）の断面を示してい
る。

前掲の第２２図に示した矢印ｆ方向の転落を完
全に防止しようとすると、第２３図に実線で示し
たガイド６Sd′を、仮想線で示した６Sd′程度に延
長しなければならない。

ところが、このガイド６Sd″によつて仕切られ
た空間S₁，S₂の連通部の幅寸法Ｗが小さいと、こ
のマガジンを押出し成形する場合に型が強度的に
耐え得ない。

型の強度を上げようとして前記幅寸法Ｗを拡大
すると、ICの転落（第２２図の矢印ｆ）が防止
できなくなる。

本考案は上述の事情に鑑みて為されたもので、
前記先願に係る考案に更に改良を加え、先願の長
所（IC型式寸法の変化に際してICハンドラの本
体部分の段取り替え不要）を損うことなく、マガ
ジン内のICの姿勢が安定に保持され、しかも、
マガジンの製造が容易な、IC搬送用のシユート
レール及びマガジンを提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

第２図及び第３図は本考案の着想、及びその実
地への適用を説明するための図であつて、仮想の
説明図である。

第２図に実線で描いた部分は従来例の中形マガ
ジン３Ｍ内に中形IC２Ｍを収納した状態を表わ
しており、前掲の第１５図と同様である。仮想線
で描いた３L′は、従来例の大形マガジン（第１４
図）の１部を重ね合わせたものである。

第２図の仮想線部分３L′と実線部分３Ｍとを一
体に連設すると第３図の中形マガジン３M′が得
られる。この仮想の中形マガジン３M′であれば
中形IC２Ｍを安定状態で収納し得ることが明ら
かであり、しかも、外形的には大形マガジン３Ｌ
と同様に取り扱うことが出来る。

しかし乍ら、断面図において取り囲まれた空間
S₃が出来る。このような空間S₃が有つては押し出
し成形による加工は不可能に近い。

そこで本考案は、第３図に示したＵ部を切り欠
いて、前記密閉空間S₃を外部に連通させる（ただ
し、第３図に関する以上の説明は、図面上での検
討であつて、用語も図面に表われた形状を譬論的
に表わしている。例えば空間S₃を立体的に考えれ
ば、元来、紙面と直角方向に大気と連通してお
り、密封空間とは言えない）。

上記Ｕ部を溝孔状に切り欠くと、第１図に示し
た中形マガジン７Ｍが得られる。

この中形マガジン７Ｍの構成を特定すると、次
の如くである。

(イ) Ｅ形シユートレール（第１０図）のうち、中
形IC２Ｍを搭載する部分に担当する突条３Ma
を有し、 (ロ) 上記中形IC２Ｍを取り囲む筒状の外筐体と、 (ハ) （第１４図参照）Ｅ形シユートレールに搭載
した大形ICを取り囲む筒状の外筐体（即ち大
形マガジン３Ｌ）の肩部ｉと、側壁の下半部ｊ
と、底面の一部ｋとを、一体に連設した形状。

〔作用〕

前記のＵ部を溝孔状に切り欠くことにより、第
３図で説明した孤立空間S₃は、幅寸法W₁の溝孔
状切欠によつて外部と連通される。この幅寸法
W₁は任意に設定することが出来、マガジンの高
さ寸法Ｈの1/3程度とすることに別段の困難は無
い。このため、この中形マガジン７Ｍは、中形
IC２Ｍを安定した状態で保持することができ、
しかも押出し成形による工業的生産が容易で、特
に型の強度についての困難を生じない。而して、
大形IC用マガジンと略等しい外形を有している
ので、大形IC用マガジンのハンドリング部材よ
つて搬送することが出来る。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る中形マガジン７Ｍの１実
施例の断面図であつて、中形IC２Ｍを搭載して
摺動せしめ得る突条３MAと、この突条に乗せら
れた中形IC２Ｍを取り囲む筒状の部分と、大形
マガジンの肩部と同形の部分ｉと、大形マガジン
の側壁の下半部と同形の部分ｊと、大形マガジン
の底面の一部と同形のｋ部とを一体に連設した形
状をなし、その側面に間隔寸法W₁の溝孔状開口
が形成されている。

以上に説明した、第２図→第３図→第１図の設
計的手順と同様にして、第４図→第５図→第６図
の如く、本考案の一実施例としての小形マガジン
７Ｓを得ることが出来る。

〔考案の効果〕

本考案のシユートレール及びマガジンを適用す
ると、ICハンドラにおける取扱いICの呼称寸法
の変化に応じて大，中，小３種類のマガジンを使
い分けても、ICハンドラ本体の部品交換や寸法
調整など一切の段取り替えを必要としない上に、
収納したICの姿勢が安定して保持され、しかも
工業的生産に適しているという優れた実用的効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における中形IC用
マガジンの断面図である。第２図及び第３図は上
記実施例における中形IC用マガジンの説明図、
第４図乃至第６図は同じく小形IC用マガジンの
説明図である。第７図及び第８図はシユートレー
ルによつてICを搬送している状態の説明図、第
９図はマガジンとガイドコラムとの説明図であ
る。第１０図乃至第１３図は公知のＥ形シユート
レールの説明図である。第１４図乃至第１６図は
従来例のマガジンの説明図である。第１７図乃至
第２３図は先願に係るマガジンの説明図である。 １……シユートレール、２……IC、２Ｌ……
大形IC、２Ｍ……中形IC、２Ｓ……小形IC、３
……マガジン、３Ｌ……大形マガジン、３L′……
大形マガジンの一部、３Ｍ……中形マガジン、３
Ｓ……小形マガジン、６，６′……小形マガジン、
６Sa，６Sa′……突条、６Sb，６Sb′……外筐体、
６Sc，６Sc′……点検用の溝孔、６Sd′……ガイ
ド、７Ｍ……中形マガジン、７Ｓ……小形マガジ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 大，中，小、３種類のICを搬送するシユート
   レール及び該３種類のICを収納するマガジンに
   おいて、 (a) 上記３種類のICそれぞれに適合するように
   ３本の平行な突条を設けたＥ形シユートレール
   と、 (b) 上記Ｅ形シユートレールに正対した状態にお
   いて、該Ｅ形シユートレールによつて搬送され
   て送り出された大形ICを、その搬送方向の延
   長線に沿つて案内する突条を有し、かつ、上記
   の突条に搭載された大形ICの外周を取り囲む
   筒状の外筐体を有する大形IC用マガジンと、 (c) 前記Ｅ形シユートレールに正対した状態にお
   いて、該Ｅ形シユートレールによつて搬送され
   て送り出された中形ICを、その搬送方向の延
   長線に沿つて案内する突条を有し、かつ、上記
   Ｅ形シユートレールに搭載された中形ICの外
   周を取り囲む筒状の外筐体に、前記(b)項の筒状
   の外筐体の肩部と、側壁の下半部と、底面の一
   部とを一体に連設してなる中形IC用マガジン
   と、 (d) 前記Ｅ形シユートレールに正対した状態にお
   いて、該Ｅ形シユートレールによつて搬送され
   て送り出された小形ICを、その搬送方向の延
   長線に沿つて案内する突条を有し、かつ、上記
   Ｅ形シユートレールに搭載された小形ICの外
   周を取り囲む筒状の外筐体に、前記(b)項の筒状
   の外筐体の肩部と、側壁の下半部と、底面の一
   部とを一体に連設してなる小形IC用マガジン
   と、 の組合せよりなることを特徴とする、IC搬送用
   のシユートレール用及びマガジン。