JPH05310638A - 不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造法 - Google Patents

不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造法

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JPH05310638A
JPH05310638A JP11271192A JP11271192A JPH05310638A JP H05310638 A JPH05310638 A JP H05310638A JP 11271192 A JP11271192 A JP 11271192A JP 11271192 A JP11271192 A JP 11271192A JP H05310638 A JPH05310638 A JP H05310638A
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unsaturated fatty
fatty acid
solvent
glycerin
acid triglyceride
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Masao Ueno
正夫 上埜
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジグリセライドの割合が低く、純度の高い不
飽和脂肪酸トリグリセライドの製造法を提供する。 【構成】 グリセリンと活性化不飽和脂肪酸とを、グリ
セリンが実質的に溶解しない溶媒を用い、不均一系で反
応させることにより不飽和脂肪酸トリグリセライドを製
造する。必要に応じて、粗生成物を、室温からその沸点
までの温度では不飽和脂肪酸トリグリセライドが溶解
し、これよりも低い温度では固化あるいは粘度の高い液
体となる溶媒に溶解した後、低温にして固化あるは粘度
の高い液体となった不飽和脂肪酸トリグリセライドを分
離して精製を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純度の高い不飽和脂肪
酸トリグリセライドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、試薬、工業原料等として広い用
途を有する不飽和脂肪酸トリグリセライド(トリアシル
グリセロール、以下「TG」という。)は、グリセロー
ルに3分子の不飽和脂肪酸がエステル結合した中性脂肪
の1種である。
【0003】TGの製造法としては、活性化不飽和脂肪
酸(無水物、酸ハライド、イミダゾール化物)とグリセ
リンを均一溶媒系で反応させる方法と、不飽和脂肪酸の
低級アルキルエステルとトリアセチンを無溶媒系でエス
テル交換させる方法が知られている。
【0004】例えば前者の方法としては、グリセリンと
エイコサペンタエン酸ハライド(モル比1:3以上)を
クロロホルム等の溶媒中、ピリジン等の塩基触媒存在下
で反応を行う方法が開示されている(特開昭61−24
6146)。
【0005】また、後者の方法は最近汎用されいてる方
法であり、例えばエイコサペンタエン酸エチルエステル
とトリアセチンをナトリウムメチラートを触媒として、
減圧下80〜100℃で1時間反応させ、この反応液を
酢酸エチル/水系で2層分離し、酢酸エチル層を水洗、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離す
る方法が開示されている(特開昭61−43143)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法で
得られるエイコサペンタエン酸トリグリセリドは、副産
物であるジグリセリドとの比が1:1である。また、後
者の方法では、副産物である2−アセチル−1,3−ジ
エイコサペンタエノイルグリセライドを目的のTGと分
離することは困難であることが知られており(JAOC
S61(1),83(1984)あるいはLipi
Res,135(1961))、TGの純粋は
高くないと考えられる。
【0007】このように、上記の方法ではジグリセライ
ド(DG)やモノアセチルジアシル型のTGが副生する
が、これらの分離が困難であることが問題となってい
る。従来、これらの副生物の生成を抑えるために、グリ
セリンに対し活性化不飽和脂肪酸を大過剰として反応を
行っていたが、十分副生を押さえる為には大量の不飽和
脂肪酸が必要となり、不飽和脂肪酸が高価な場合は特に
効率が良くない。
【0008】一方、DGとTGの分離はシリカゲルカラ
ムを用いれば可能ではあるが、TG/DG比が小さい場
合には、純粋なTGを得るためにはTGのロスが多くな
る。したがって、反応副生物の少ないTGの製造法が望
まれている。
【0009】本発明は、上記問題を解決するために、D
G等の副生物が少なく、純度の高い不飽和脂肪酸トリグ
リセライドの製造法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、グリセリンが実
質的に溶解しない溶媒中で反応させると純度の高いTG
が得られることを見出し、本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、グリセリンと活性化不
飽和脂肪酸とを、グリセリンが実質的に溶解しない溶媒
中で反応させることを特徴とする不飽和脂肪酸トリグリ
セライドの製造法である。さらに本発明は、前記の方法
で得られる不飽和脂肪酸トリグリセライド粗生成物を低
温再溶出法で精製することを特徴とする製造法を提供す
る。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>グリセリン及び活性化不飽和脂肪酸 本発明に使用するグリセリンは、乾燥したものを用いる
のが反応効率を高める上で好ましい。
【0013】本発明に用いる活性化不飽和脂肪酸は、グ
リセリンの水酸基と効率よくエステル結合を生じる官能
基を有する不飽和脂肪酸であり、例えば、一般式(RC
O) 2O(式中、Rは不飽和炭化水素基を表す。以下同
じ。)で表される酸無水物、一般式RCOX(Rは前記
と同じ、Xはハロゲン)で表される酸ハライド、化1の
一般式(Rは前記と同じ)で表されるイミダゾール化物
等が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】前記Rで示される炭化水素基は、二重結合
を少なくとも一つ有していればよく、直鎖状、分枝状い
ずれのものも使用できる。また、炭素数としては、通常
2〜30程度が好ましく、8〜24がさらに好ましい。
【0016】前記酸無水物、酸ハライド、イミダゾール
化合物等の活性化不飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸を公知
の方法で活性化させることにより得られる。例えば、酸
無水物はジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジ
イミド系脱水縮合剤を用いて不飽和脂肪酸を無水物とす
るのが好ましい。
【0017】酸ハライドは、例えばオキサリルクロリド
等を用いて不飽和脂肪酸を処理して製造することが好ま
しい。イミダゾール化物は、N,N’−カルボニルジイ
ミダゾールと不飽和脂肪酸を反応させることにより得ら
れる。
【0018】ここで用いる不飽和脂肪酸としては、リノ
ール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、ジホモ−γ
−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、
ドコサヘキサエン酸、パルミトレイン酸、6,9,1
2,15−オクタデカテトラエン酸、8,11,14,
17−エイコサテトラエン酸、7,10,13,16,
19−ドコサペンタエン酸、6,9,12,15−ヘキ
サデカテトラエン酸等が挙げられるが、目的とするTG
に応じて適宜選択すればよい。
【0019】活性化不飽和脂肪酸1モルを得るために必
要な不飽和脂肪酸は、理論量で、酸無水物の場合2モ
ル、酸ハライド及びイミダゾール化合物の場合1モルで
ある。
【0020】<2>本発明に使用する溶媒 溶媒には、グリセリンを実質的に溶解しない無極性溶媒
を使用する。このような溶媒としては、四塩化炭素、ヘ
キサン、シクロヘキサン等が例示できる。このような溶
媒を用いることにより、グリセリンを溶解する溶媒を用
いる従来法よりも純度の高いTGが得られる。
【0021】<3>本発明に使用する触媒 本発明に使用する触媒は、グリセリンと活性化不飽和脂
肪酸とを反応させてトリグリセライドを生成させる為の
触媒であり、不飽和結合に影響をおよぼさない穏やかな
作用を有するものが好ましい。
【0022】例えば、活性化不飽和脂肪酸として酸無水
物を使用する場合には、ジメチルアミノピリジンやピロ
リジノピリジン(PP)が、酸ハライドの場合にはピリ
ジンが、イミダゾール化物の場合にはイミダゾールアル
カリ金属塩をそれぞれ使用するのが好ましい。
【0023】<4>本発明のTGの製造法 (1)TGの合成 前記のグリセリン、活性化不飽和脂肪酸とをグリセリン
を溶解しない溶媒中で、前記触媒存在化で反応させるこ
とにより、純度の高いTGが得られる。活性化不飽和脂
肪酸は、異なる炭化水素基を有するものの混合物として
用いてもよい。
【0024】反応系に加えるグリセリンと活性化不飽和
脂肪酸とのモル比は、理論的必要量すなわち1:3以上
であるが、活性化不飽和脂肪酸の使用量が過剰である
と、原料としての活性化不飽和脂肪酸が無駄となること
から1:3であることが好ましい。
【0025】触媒は、グリセリンに対し0.01〜10
モル倍程度、好ましくは0.1〜2モル倍程度の量を使
用する。溶媒量としては、グリセリンに対し1〜100
0重量倍が好ましく、20〜500重量倍程度がさらに
好ましい。
【0026】反応温度は、0〜100℃程度、好ましく
は15〜45℃程度、さらに好ましくは常温である。こ
の範囲内で反応を行うと操作がやりやすい。反応時間
は、通常1分〜100時間、好ましくは10〜20時間
程度とし、不飽和脂肪酸の不飽和部分の酸化を押さえる
為に、N2雰囲気下で行うのが好ましい。
【0027】活性化不飽和脂肪酸として酸無水物を用い
てTGを製造すると、3モルの不飽和脂肪酸無水物と1
モルのグリセリンから、理論的には3モルのTGと3モ
ルの不飽和脂肪酸ができる。したがって、不飽和脂肪酸
原料の半分が反応に関与しないので高価な不飽和脂肪酸
を用いる際には経済的でない。
【0028】しかし、ピロリジノピリジン等の有機塩基
触媒は、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合
剤とは反応しないことが知られており(特開昭64−1
6794)、酸無水物合成反応とTG合成反応を同じ反
応系内で行い、生成する不飽和脂肪酸を繰り返し酸無水
物に導くことによりこの問題は解決される(化2)。
【0029】
【化2】
【0030】(2)TGの精製 前記の反応で得られるTG粗製物は、精製を必要する場
合にはクロマトグラフィー等で精製する。また、必要に
応じて酸洗、アルカリ洗、水洗等の前処理を行う。
【0031】以下に、精製法の一例として、低温再溶出
溶媒を使用した低温再溶出法を説明する。この方法は、
TG粗製物を後述する低温再溶出溶媒に溶解し、これを
低温にして固化あるいは粘度の高い液体となったTGを
濾過等により分離する方法である。
【0032】用いる低温再溶出溶媒としては、常温から
溶媒沸点までの温度ではTGが溶解又は分散し、低温下
ではTGが固化あるいは粘度が高い液体となる極性の溶
媒を用いる。このような溶媒として、アセトン、メタノ
ール等、あるいはこれらの混合系が例示できる。
【0033】ここでいう低温とは、溶媒凝固点〜0℃の
範囲の温度をいい、アセトン、メタノール等、あるいは
これらの混合系では−90℃〜0℃程度であるが、これ
らの溶媒を用いて再溶出したTGを濾過回収する際に、
凝固あるいは粘度が十分高くなるようにするために−8
0℃程度が好ましい。
【0034】TG粗製物と溶媒量の比は1:(1〜20
0)、好ましくは1:(30〜50)が適当である。こ
の範囲内にあると、TGの溶解温度と再溶出量のバラン
スがよい。
【0035】
【作用】グリセリンからTGができる反応は化3に示す
通りである。
【0036】
【化3】
【0037】グリセリンを溶解する溶媒を用いた均一溶
媒系の反応では、立体障害のために、k3≦k2≦k1
なり、反応初期よりMG(モノグリセライド)、DGが
副生する。また、反応終了時においても、有効にグリセ
リンに結合しなかった不飽和脂肪酸が存在するためDG
が残る。
【0038】一方、グリセリンを溶解しない溶媒を用い
た不均一溶媒系では、グリセリン→MGの反応は界面反
応となり非常に遅くなるため(k2≧k3>>k1)、この
反応が律速段階となり、MG、DGは生成しにくくなる
と推定される。
【0039】したがって、グリセリンを実質的に溶解し
ない溶媒を反応系に用いることにより、純度の高い不飽
和脂肪酸TGを得ることが可能となる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、以
下に示す原料不飽和脂肪酸の純度は、常法に従ってメチ
ルエステル化したものを、下記の条件でガスクロマトグ
ラフィーにより分析した結果である。
【0041】カラム : Unisole 3000カラム(G
Lサイエンス社製) 3m 温度 : 200℃又は220℃ キャリアー : N2ガス 試料注入温度 : 250℃ 検出温度 : 250℃ 検出器 : 水素炎イオン化検出器((株)島津製
作所製) TGの純度は、試料を適宜希釈して、以下の条件でガス
クロマトグラフィーにより分析した結果である。
【0042】カラム : GS-1カラム(GLサイエ
ンス社製) 0.5m 温度 : 80〜350℃ 10℃/分 キャリアー : N2ガス 試料注入温度 : 350℃ 検出温度 : 350℃ 検出器 : 水素炎イオン化検出器((株)日立製
作所製) また、TG/DG比はTGの純度の測定と同じ条件でガ
スクロマトグラフ分析を行ったときのTG/DGの面積
比を表す。
【0043】
【実施例1】はじめに本発明の実施例として、トリリノ
レインの製造法を説明する。 (1)トリリノレインの製造 撹拌装置を装着したフラスコに、リノール酸(純度94
%)5.61g(20mmol)ジシクロヘキシルカル
ボジイミド4.13g(20mmol)、グリセリン
0.61g(6.67mmol)、ピロリジノピリジン
0.99g(6.67mmol)、四塩化炭素200m
lを入れ、N2雰囲気下20℃で10時間、撹拌しなが
ら反応させた。
【0044】尚、この反応では、不飽和脂肪酸とグリセ
リンとのモル比は3:1、触媒量及び溶媒量は、各々グ
リセリンに対して1:1(モル比)、1:328(重量
比)である。この段階でのTG/DG比は27、TGの
収率は66%であった。
【0045】(2)精製 前記で得られた反応液を濾紙を用いて濾過した後、希塩
酸、0.5規定Na2CO3水溶液、水で順次洗浄した
後、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応生成物を2
00mlのアセトンに20℃で溶解し、−80℃で一晩
放置後、トリリノレインを濾過回収した(TGの収量
4.61g、収率79%、純度84%)。
【0046】さらに、これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーによりTG画分を分取し、トリリノレイン
3.74gを得た(収率64%、純度99%)。
【0047】
【実施例2】次に、トリγ−リノレニンにおける実施例
を説明する。γ−リノレン酸(純度99%)5.57g
(20mmol)を用い、以下実施例1と同様に12時
間反応させ、酸洗、アルカリ洗、水洗後溶媒を留去し
た。その後10mlアセトンに溶解し、100mlメタ
ノールを加え、−80℃で一晩放置後、トリγ−リノレ
ニンを濾過回収した(4.58g、収率79%、純度9
7%)。
【0048】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにかけトリγ−リノレニン3.38g(収率58%、
純度99%)を得た。反応粗製物中のTG/DG比は1
00であった。
【0049】
【実施例3】さらに、トリジホモγ−リノレニンの製造
例を説明する。ジホモγ−リノレン酸(純度99%)5
0.8g(166mmol)、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド34.3g(166mmol)、グリセリン
5.10g(55.3mmol)、ピロリジノピリジン
8.2g(55.3mmol)、四塩化炭素350ml
を用い、実施例1と同様に24時間反応させた。
【0050】その後実施例1と同様にして精製し、低温
再溶出後トリジホモγ−リノレニン34.4gを得た
(収率65%、純度80%)。これをシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにかけTG画分を回収し、トリジホ
モγ−リノレニン27.0g(収率51%、純度97
%)を得た。
【0051】この実施例では、不飽和脂肪酸とグリセリ
ンとのモル比は3:1、触媒量及び溶媒量は、各々グリ
セリンに対して1:1(モル比)、1:69(重量比)
である。
【0052】
【実施例4】トリオクタデカテトラエノインの製造例を
説明する。6,9,12,15−オクタデカテトラエン
酸(純度96%)2.48g(8.99mmol)、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド2.04g(9.90m
mol)、グリセリン0.27g(3.0mmol)、
ピロリジノピリジン0.45g(3.0mmol)、四
塩化炭素100mlを用い、実施例1と同様に14時間
反応させた。この反応粗製物中のTG/DG比は110
であった。
【0053】この反応液を酸洗、アルカリ洗、水洗した
後、溶媒を留去し、メタノール100mlに分散し、−
80℃で低温再溶出させ、トリオクタデカテトラエノイ
ン1.75gを得た(収率68%、純度91%)。さら
に、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ
TG画分を回収し、トリオクタデカテトラエノイン1.
21g(収率47%、純度99%)を得た。
【0054】この実施例では、不飽和脂肪酸とグリセリ
ンとのモル比は3:1、触媒量及び溶媒量は、各々グリ
セリンに対して1:1(モル比)、1:370(重量
比)である。
【0055】
【実施例5】次に、トリエイコサペンタエノインの製造
例を説明する。エイコサペンタエン酸3.02g(10
mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.28
g(11mmol)、グリセリン0.30g(3.33
mmol)、ピロリジノピリジン0.50g(3.33
mmol)、四塩化炭素100mlを用い、実施例1と
同様に20時間反応させた。この反応粗製物中のTG/
DG比は18であった。
【0056】前記反応液を酸洗、アルカリ洗、水洗した
後溶媒を留去し、25mlアセトンに溶解した後100
mlのメタノールを加え、−80℃で低温再溶出させ、
トリエイコサペンタエノイン1.53gを得た(収率5
0%、純度96%)を得た。
【0057】さらに、これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにかけTG画分を回収し、トリエイコサペン
タエノイン1.36g(収率44%、純度99%)を得
た。この実施例では、不飽和脂肪酸とグリセリンとのモ
ル比は3:1、触媒量及び溶媒量は、各々グリセリンに
対して1:1(モル比)、1:370(重量比)であ
る。
【0058】
【比較例1】反応溶媒を、グリセリンを溶解する無水ク
ロロホルムとする以外は実施例1と同様に反応させた。
反応粗製物中のTG/DG比は1.8であった。その後
実施例1と同様に精製し、低温再溶出後、油状物4.6
3gを得た(純度42%)。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにかけたがDGを十分除去できなかっ
た。
【0059】以上の各実施例及び比較例の結果から、本
発明の方法によると、純度の高いTGが得られることが
明らかとなった。
【0060】
【発明の効果】本発明によると、従来の方法で副産物と
して生成していたDGがほとんど生成しない為、純度の
高いTGを製造することができる。
【0061】さらに、本発明により製造されたTGは副
生物との分離が容易であり、副生するDGが少量である
ために、これを分離するのに使用するシリカゲルカラム
が小さいものでよい。
【0062】また、生成したTGを低温再溶出すること
により、さらに純度の高いTGを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリンと活性化不飽和脂肪酸とを、
    グリセリンが実質的に溶解しない溶媒中で反応させるこ
    とを特徴とする不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造
    法。
  2. 【請求項2】 前記活性化不飽和脂肪酸は、炭素数8〜
    24である天然もしくは合成の不飽和脂肪酸の酸無水
    物、酸ハライドあるいはイミダゾール化物であることを
    特徴とする請求項1記載の不飽和脂肪酸トリグリセライ
    ドの製造法。
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸トリグリセライド粗精物
    を、室温からその沸点までの温度では不飽和脂肪酸トリ
    グリセライドが溶解又は分散し、これよりも低い温度で
    は該トリグリセライドが固化あるいは粘度の高い液体と
    なる溶媒に溶解又は分散した後、低温にして固化あるい
    は粘度の高い液体となった不飽和脂肪酸トリグリセライ
    ドを分離して精製を行うことを特徴とする不飽和脂肪酸
    トリグリセライドの製造法。
  4. 【請求項4】 前記溶媒が、アセトン、メタノール又は
    これらの混合溶媒であることを特徴とする請求項3記載
    の不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2324828A1 (en) 2003-08-18 2011-05-25 BTG International Limited Treatment for neurodegenerative conditions
CN110305015A (zh) * 2019-07-30 2019-10-08 广州白云山汉方现代药业有限公司 一种天然偏甘油酯的分离方法

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