JPH05310519A - 抗菌性カーペット、悪臭抑制ペットフード、抗菌性ワックス - Google Patents

抗菌性カーペット、悪臭抑制ペットフード、抗菌性ワックス

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JPH05310519A
JPH05310519A JP4116154A JP11615492A JPH05310519A JP H05310519 A JPH05310519 A JP H05310519A JP 4116154 A JP4116154 A JP 4116154A JP 11615492 A JP11615492 A JP 11615492A JP H05310519 A JPH05310519 A JP H05310519A
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Kenji Hoshino
賢二 星野
Toshiichi Tomioka
冨岡  敏一
Katsumi Tomita
冨田  勝己
Atsushi Nishino
西野  敦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に対する安全性が高く、抗菌効果を持続
させることができる抗菌性カーペット、安全性が高く、
ペットの排せつ物から発生する悪臭を抑制することがで
きる悪臭抑制ペットフード、細菌汚染が起こりにくく、
安全性が高い抗菌性ワックスを提供すること。 【構成】 パイル縫い込み糸3の繊維及びコーティング
樹脂2に無機系抗菌剤が含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーペット、ペットフ
ード、抗菌性ワックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カーペットのパイルに有機系抗菌
剤を含有せしめたもの、あるいはパイルに安定性を与え
るためにカーペットの裏側に塗布されたコーティング樹
脂に、気化性の抗菌剤や殺虫剤を徐放させるように分散
せしめたものがある。又電気による発熱体を具備してい
る前述のような抗菌剤を含有させたカーペットがある。
【0003】また、近年来、多くの家庭でペットとして
様々な動物が飼育されており、犬、猫、小鳥、鑑賞魚用
等として多種多様なペットフードが市販されている。
【0004】また、ワックスは、床材、タイルおよび木
材等の建材あるいは自動車などの表面の保護、つや出し
を目的として使用されている。しかし、ワックスの塗布
表面では、付着した水滴を生息場所として細菌の繁殖が
起こり、悪臭や黒ずみ、ぬめり等が発生していた。そこ
で、フェノール等の有機系抗菌剤をワックスに混合して
使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような、カーペットのパイルに有機系抗菌剤を含有せし
めたものについては幼児が直接肌を接する、あるいは嘗
めるなどしたときに危険性があり、さらに薬剤を含有す
るパイルは弗素加工などの防汚処理を施すと、抗菌効果
が発揮されないので防汚処理ができず、汚れ易いなどの
実用面での課題がある。
【0006】また、カーペットのコーティング樹脂に薬
剤を気体として徐放させるように分散せしめたものにつ
いては用いる薬剤が室温において気化性を有する必要が
あり、いくつかの適合する薬剤があるがいずれも有機系
抗菌剤であり、密閉した室内で使用する際に人体に対す
る安全性に問題があり、さらに気化性であることから抗
菌性の寿命は1年程度の短期間であるという課題があ
る。
【0007】また、近年、電気による発熱体を有するカ
ーペットが暖房用電気カーペットとして普及しつつある
が、これは使用時においては常に一定温度に保たれてい
て、細菌の繁殖しやすい温度であり、特にカーペットの
パイル層と樹脂層(裏面材)の間に人体に有害な微生
物、細菌が繁殖し、室内の環境衛生上の問題があった。
これを防止するため上記従来例にように気化性の有機系
抗菌剤をカーペットに使用した場合、短期間の抗菌効果
は認められるものの抗菌剤自体の人体に対する安全性、
抗菌効果の持続性について課題がある。
【0008】また、ペットの飼育においては、排せつ物
の腐敗などを原因とする悪臭が問題となっている。そこ
で、消臭剤等が数多く提案されてきたが、これらの物
は、発生した後の悪臭の除去あるいはマスキングによる
悪臭の軽減しかできないという課題がある。
【0009】また、ワックスに混合される有機系の抗菌
剤は、人体および環境に対する安全性に不安があるとい
う課題がある。
【0010】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、人体及び環境に対する安全性が高く、抗菌効果を持
続させることができる抗菌性カーペットを提供すること
を目的とするものである。
【0011】また、ペットの排せつ物から発生する悪臭
を抑制することができ、ペットや人体や環境に対して安
全である悪臭抑制ペットフードを提供することを目的と
するものである。
【0012】また、細菌汚染が起こりにくく、人体およ
び環境に対する安全性が高い抗菌性ワックスを提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、パ
イル縫い込み糸の繊維に無機系抗菌剤が含有されている
抗菌性カーペットである。
【0014】請求項2の本発明は、無機系抗菌剤が含有
された樹脂が、断熱層のパイル層側にコーティングされ
ている抗菌性カーペットである。
【0015】請求項3の本発明は、ペットフードに、無
機系抗菌剤が混練されている悪臭抑制ペットフードであ
る。
【0016】請求項4の本発明は、ペースト状ワック
ス、液体状ワックスおよび乳化形ワックスに、無機系抗
菌剤が混合されている抗菌性ワックスである。
【0017】
【作用】請求項1の本発明は、パイル縫い込み糸の繊維
に含有されている無機系抗菌剤が、カーペットに付着す
る微生物の繁殖を抑制し、更に無機系抗菌剤であるので
人体及び環境に対して安全性が高い。
【0018】請求項3の本発明は、ペットフードに混練
された無機系抗菌剤が、ペットの排せつ物の腐敗による
悪臭を抑制し、更に無機系抗菌剤であるので人体及び環
境に対して安全性が高い。
【0019】請求項4の本発明は、ワックスに混合され
た無機系抗菌剤が、ワックスに付着する微生物の繁殖を
抑制し、更に無機系抗菌剤であるので人体及び環境に対
して安全性が高い。
【0020】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0021】(実施例1)図1は、本発明にかかる一実
施例の抗菌性カーペットの切断部を示す図である。すな
わち、抗菌性カーペットは、熱を保温するための断熱材
5の上に電気による暖房を行うための発熱部材1が配置
され、その上からコーティング樹脂2が塗布されてい
る。コーティング樹脂2の上にはパイル縫い込み糸3に
より縫い込まれたパイル4が設けられている。
【0022】上述のパイル縫い込み糸3の繊維素材7に
は、図2に示すように銀系抗菌剤粒子6が混合され、
又、コーティング樹脂2には図3に示すように銀系抗菌
剤粒子6が混合されている。
【0023】次に前述の銀系抗菌剤粒子6の製法につい
て説明する。
【0024】まず、酢酸銀などの水溶性銀塩100重量
部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、亜硫酸ナトリ
ウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混合物450重量
部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性塩300重量部
を順次、充分撹拌しながら混合し溶解させ、チオスルフ
ァト銀錯塩水溶液を得た。なお、チオ硫酸ナトリウムの
重量は、その水和物Na223・5H2Oの重量として
示される。
【0025】上記実施例の銀系抗菌剤粒子6に用いる担
体は、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾燥
剤」に記載のB型のシリカゲル粉末である。このB型シ
リカゲル粉末は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度では
吸湿率が高く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシリ
カゲル粉末であり、その平均粒径は8μm程度である。
【0026】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。シリカゲル100重量部に対し、銀成分
として2重量部になるように上記チオスルファト銀錯塩
水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担体中
に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定の粒
径に粉砕して、抗菌性材料が担持されたシリカゲルを得
た。
【0027】次に、コーティング材料としてテトラエト
キシシラン100重量部をエチルアルコール100重量
部に希釈混合させた溶液に、上記シリカゲル100重量
部を分散させた後、これに純水20重量部を加えてテト
ラエトキシシランを加水分解させ、シリカゲルの表面の
少なくとも1部をコーティングした。次いでこれを乾燥
させて銀系抗菌剤粒子6を得た。
【0028】以上の銀系抗菌剤粒子6をパイル縫い込み
糸3の繊維素材7及びコーティング樹脂2に混合する。
【0029】パイル縫い込み糸3はチオスルファト銀錯
塩を担持するシリカゲル粒子を1.5重量%含有するナ
イロン6のフィラメント糸70デニール/24フィラメ
ントを3本と綿糸40番糸1本とを、ナイロンフィラメ
ント糸には張力を付与しつつ、綿糸は無張力に近い状態
のまま、撚数200T/Mで合撚して得た複合糸であ
る。 また、図3に示すコーティング樹脂2は例えばS
BR樹脂である。
【0030】コーティング樹脂2の配合は次の通りであ
る。
【0031】 カルボキシル変性SBR樹脂ラテックス 100部 水酸化アルミニウム 300部 カルボキシメチルセルロース 1.5部 抗菌剤 20部 安定剤 3部 このラテックス組成物を充分撹拌して、比重1.50、
粘度19500CP(センチポイズ)固形分濃度80%
の粘稠なものを得た。此をリバースコーターにより、含
水重量で1.3kg/m2 になるように塗布し、7オン
ス/平方ヤードの目付のジュート布を張り合わせて熱風
乾燥機にて140℃で5分間処理して仕上げた。
【0032】上記パイル縫い込み糸3を密度22本×1
6本の平織にして基布とし、此に1225デニール/6
8フィラメントナイロン3色異染糸の3プライした糸を
使用して、1/101/10インチタフティング密度
で、レベルループパイルのカーペットを製造した。目付
は1.1kg/m2 、パイル長は5mmとした。連続染
色機にて常法により染色し、乾燥後、上記のコーティン
グ樹脂2をリバースコーターで塗布した。
【0033】上記に示されるような方法で製造した、抗
菌性カーペットの抗菌性能をシェークフラスコ法により
評価した結果を表1に示す。
【0034】上記の抗菌性カーペットの切取り片(2c
m×3cm)をリン酸緩衝液100ml中に入れ、さら
にこれに大腸菌を 約105(生菌数/ml)となるよう
に入れる。これを約30〜35℃に保温して振謄した場
合の生菌数の時間変化を測定した結果を表1に示す。こ
の結果から本発明の抗菌性カーペットは抗菌性が発揮さ
れ、清浄性が保たれる。
【0035】
【表1】
【0036】なお、上記実施例では、無機系抗菌剤をパ
イル縫い込み糸3の繊維及びコーティング樹脂2の両方
に混合したが、これに限らず、パイル縫い込み糸3の繊
維のみ、あるいはコーティング樹脂2のみに混合して用
いてもよい。
【0037】また、上記実施例では、無機系抗菌剤にチ
オスルファト銀錯塩を用いたが、これに限らず、他の銀
系抗菌剤を用いてもよい。あるいは又銅系、亜鉛系等の
抗菌剤を用いてもよい。
【0038】また、上記実施例では、シリカゲルのコー
ティング材料としてテトラエトキシシランの加水分解物
を用いたが、これに限らず、例えばテトラメトキシシラ
ン等他のテトラアルコシキシランの加水分解物であって
もよい。あるいは又他のコーティング材料を用いてもよ
い。
【0039】以上のように無機系抗菌剤を含有させた繊
維をカーペットのパイル縫い込み糸とするか、あるいは
無機系抗菌剤を含有させた樹脂を断熱層のパイル層側に
コーティングすることによってカーペットのパイル層と
樹脂層(裏面材)の間にたまりやすい微生物、細菌の増
殖を抑制し、カーペット自体に抗菌作用をもたらす特性
を得る。
【0040】無機系抗菌剤を含有させた繊維は、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ポリキシレンア
ジバミド、ポリヘキサメチレンフタラミド等の脂肪族、
芳香族等、ポリアミド重合体に無機系抗菌剤を添加し、
紡糸することなどにより得られる。それら繊維は繊維内
部、および繊維表面に抗菌剤を含有し、表面に露出した
抗菌剤粒子から銀イオンが溶出することにより抗菌作用
が発揮される。無機系抗菌剤としては銀錯塩を担持した
粒径が10μm以下のシリカゲル粒子とし、さらにその
粒子をポリアミド重合体中に0.05〜10重量%程度
含有せしめることにより、充分な抗菌能力を付与するこ
とができ、その上、以上の如き抗菌剤を含有するポリア
ミドフィラメントは従来と同じく70〜240デニール
程度のものとすることができる。銀イオンの溶出量が極
めて微量であっても抗菌作用が発揮されるため、効果は
耐久性のあるものとなる。
【0041】上述のコーティング用の樹脂としてはSB
R樹脂、塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂等が使用
できる。コーティング樹脂には無機系抗菌剤を0.5〜
20重量%含有することにより充分な抗菌能力を付与さ
せることができる。
【0042】以上の構成により、パイル層と樹脂層(裏
面材)の間に蓄積した微生物、細菌は抗菌剤含有繊維、
抗菌剤含有樹脂に接触し、死滅、あるいは増殖の抑制が
なされ抗菌作用をもたらす。
【0043】(実施例2)本実施例の悪臭抑制ペットフ
ードに用いる無機系抗菌剤の製法を説明する。
【0044】まず、酢酸銀などの水溶性銀塩100重量
部、亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混
合物450重量部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性
塩300重量部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、
充分撹拌しながら混合しチオスルファト銀錯塩水溶液を
得た。
【0045】本実施例に用いる抗菌剤用担体は、「JI
S Z 0701包装用シリカゲル乾燥剤」に記載のB
型のシリカゲル粉末である。このB型シリカゲル粉末
は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度では吸湿率が高
く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシリカゲル粉末
であり、その平均粒径は3μm程度である。
【0046】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。シリカゲル100重量部に対し、銀成分
として2重量部になるように上記チオスルファト銀錯塩
水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担体中
に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定の粒
径に粉砕して、抗菌性材料が担持したシリカゲルを得
た。
【0047】反応性有機珪素化合物としてテトラエトキ
シシラン100重量部をエチルアルコールに希釈混合さ
せた溶液に、上記シリカゲル100重量部を分散させた
後、これに純水を加えてテトラエトキシシランを加水分
解させ、シリカゲルの表面の少なくとも1部をコーティ
ングした。次いでこれを乾燥させて銀シリカゲル系抗菌
剤を得た。
【0048】次に、ビーフ、レバー、チキン、ゼリーを
原料とする半生タイプの市販ドッグフード(商品名:ペ
ディグリーチャム”ビーフ”、輸入元:マスターフーズ
リミテッド)に、上記銀シリカゲル系抗菌剤を3wt
%添加混合し、悪臭抑制ドッグフードを得る。このドッ
グフードを、ビーグル成犬に1日量600gで1週間給
餌し、1週間後の排せつ物100gからのアンモニア発
生量を、1日毎3日間調べた。また、比較のために同じ
ビーグル犬で、抗菌剤を添加混合しないドッグフードに
ついても同様の試験を行った。排せつ物は、1/8m3
の容器に入れ、容器内の気体を抜き取って検査した。そ
の結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例3)白身魚、まぐろ、ミネラル、
ビタミンを原料とする半生タイプの市販キャットフード
(商品名:モンプチ”白身魚&まぐろ”、発売元:フリ
スキー株式会社)に、実施例2と同様の方法で作成した
銀シリカゲル系抗菌剤を3wt%添加混合し、悪臭抑制
キャットフードを得る。このキャットフードを、三毛猫
に1食に付き90g、1日2食で1週間給餌し、1週間
後の排せつ物100gからのアンモニア発生量を、1日
毎3日間調べた。また、比較のために同じ三毛猫で、抗
菌剤を添加混合しないキャットフードについても同様の
試験を行った。排せつ物は、1/8m3の容器に入れ、
容器内の気体を抜き取って検査した。その結果を表3に
示す。
【0051】
【表3】
【0052】(実施例4)実施例4では、担持体として
実施例2のシリカゲルの代わりにゼオライトを用いて同
様の方法で銀ゼオライト系抗菌剤を作成し、抗菌剤とし
て使用した。
【0053】川魚(フナ)、炒り糠、しん粉、ほうれん
草をすり混ぜたすり餌に、上記銀ゼオライト系抗菌剤を
3wt%添加混合し、悪臭抑制すり餌を得る。このすり
餌を、九官鳥に1週間給餌し、1週間後排せつ物の付着
した鳥かごの下敷紙からのアンモニア発生量を、1日毎
3日間調べた。また、比較のために同じ九官鳥で、抗菌
剤を添加混合しないすり餌についても同様の試験を行っ
た。鳥かごの下敷紙は、1/8m3の容器に入れ、容器
内の気体を抜き取って検査した。その結果を表4に示
す。
【0054】
【表4】
【0055】(実施例5)ホワイトフィッシュミール、
小麦粉、脱脂大豆、脱脂ヌカ、ビタミン・ミネラル剤を
原料とする市販の金魚餌(商品名:エンゼル、製造販売
元:日本ペットフード株式会社)に、実施例4と同様の
方法で作成した銀ゼオライト系抗菌剤を3wt%添加混
合し、抗菌性金魚餌を得る。この金魚餌を、らんちゅう
10尾を入れた水槽に1週間給餌し、3週間後の水槽内
の水の濁りを調べた。また、比較のために同じ条件で、
抗菌剤を添加混合しない金魚餌についても同様の試験を
行った。その結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】なお、上記実施例では、無機系抗菌剤にチ
オスルファト銀錯塩を用いたが、これに限らず、他の銀
系抗菌剤を用いてもよい。あるいは又銅系、亜鉛系等の
抗菌剤を用いてもよい。
【0058】また、上記実施例では、シリカゲルのコー
ティング材料としてテトラエトキシシランの加水分解物
を用いたが、これに限らず、例えばテトラメトキシシラ
ン等他のテトラアルコシキシランの加水分解物であって
もよい。あるいは又他のコーティング材料を用いてもよ
い。
【0059】また、ペットの種類及びペットフードの種
類は、上記実施例のペット及びペットフードに限定され
ないことは勿論である。
【0060】上記実施例の悪臭抑制ペットフードは、ペ
ットとなる動物や人体や環境に対して安全性の高い銀塩
をチオスルファト銀錯塩としてシリカゲル等に担持さ
せ、長期間安定して効果を持続させるようにその表面の
一部をテトラエトキシシランの加水分解物で被覆した抗
菌剤を添加混合しているので、ペットに食べられた後消
化されずに排せつされ、ペットの排せつ物中に混合され
た状態で存在する。添加混合された抗菌剤中の抗菌成分
である銀塩は、細菌の代謝酵素に作用し、酵素活性を失
活させるはたらきを持つ。従って、ペットとなる動物や
人体や環境に対して安全性が高く、かつ排せつ物の悪臭
の発生を軽減することが可能となる。
【0061】一般に、ペットの排せつ物の悪臭は、排せ
つ直後の悪臭、すなわち排せつ物そのものの臭気を原因
とするものと、排せつ後の発酵腐敗による臭気、すなわ
ち排せつ物中に存在する有機物を細菌が代謝することに
よって発生する臭気を原因とするものがある。本発明で
ある悪臭抑制ペットフードは、ペットに食べられること
によってその排せつ物に抗菌剤が自然に混合され、排せ
つ物中の細菌の代謝を抑制し、その結果悪臭の発生が軽
減できる。
【0062】また、無機系抗菌剤を鑑賞魚の餌に添加混
合した場合は、鑑賞魚の排せつ物での細菌の繁殖を原因
とする水槽の水の濁りや、鑑賞魚の病気の発生を抑える
ことができることから、水の取り替えの手間や回数の軽
減、および鑑賞魚の健康維持が可能となる。
【0063】(実施例6)本実施例の抗菌性ワックスに
用いる無機系抗菌剤は、実施例2と同様の方法で作成し
た銀シリカゲル系抗菌剤である。
【0064】カーナバろう12量部、漂白モンタンろう
5量部、セレシン3量部、パラフィン11量部、ミネラ
ルスピリット60量部、ミネラルターペン9量部に銀シ
リカゲル系抗菌剤1量部を混合、ペースト状に固めて抗
菌性ワックスを得る。この抗菌性ワックスを床用木材合
板表面に塗り、下記の方法で試験を行った。
【0065】抗菌試験は、大腸菌(Escherichia col
i), 黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用
い、菌液滴下法に準じた。評価は3日後に行った。その
結果を表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】この抗菌性ワックスについて、従来の有機
系抗菌性ワックスおよび抗菌剤の添加されていないワッ
クスと比較し、紫外線暴露による変色試験、塩素系洗剤
浸漬による変色試験のそれぞれの結果を表7に示す。な
お、紫外線暴露試験についてはサンシャインウエザロメ
ーター2000時間暴露後のワックス表面色変化を、塩
素系洗剤浸漬試験については次亜塩素酸ナトリウム5%
水溶液100時間浸漬後のワックス表面色変化を調べ
た。
【0068】
【表7】
【0069】また、汚れの付着した床用木材合板表面に
上記抗菌性ワックスおよび抗菌剤無添加ワックスを塗布
し、汚れの除去能力を調べた。その結果を表8に示す。
【0070】
【表8】
【0071】表6より、本実施例の抗菌性ワックスは実
用的な抗菌性能を有することがわかる。
【0072】表7より、本実施例の抗菌性ワックスは実
用的な耐変色性能を有することがわかる。
【0073】表8より、本実施例の抗菌性ワックスは実
用的な汚れ除去性能を有することがわかる。
【0074】(実施例7)カーナバろう37量部、パラ
フィン38量部、ステアリン酸バリウム25量部、ミネ
ラルスピリット800量部、ミネラルターペン100量
部に実施例6と同様の銀シリカゲル系抗菌剤1重量部、
ステアリン酸カルシウム3重量部を混合、充分に撹拌し
抗菌性ワックスを得る。
【0075】この抗菌性ワックスを床張り用リノリウム
の表面に塗布し、実施例6と同様の方法で抗菌試験を行
った。その結果は実施例6と同様で、実用的な抗菌性能
を有することがわかる。
【0076】また、抗菌性ワックスについて、従来の抗
菌性ワックスおよび抗菌剤の添加されていないワックス
と比較し、紫外線暴露による変色試験、塩素系洗剤浸漬
による変色試験についても実施例6と同様の方法で行っ
た。その結果も実施例6と同様で実用的な耐変色性能を
有することがわかる。
【0077】さらに、汚れ除去能力についても、実施例
6と同様の結果を得た。
【0078】(実施例8)実施例8では、担持体として
シリカゲルの代わりにゼオライトを用いて同様の方法で
銀ゼオライト系抗菌剤を作成し、抗菌剤として使用し
た。
【0079】カーナバろう132量部、オレイン酸13
量部、トリエタノールアミン22量部、ホウ砂10量
部、水990量部、セラミックアンモニア20%溶液2
00量部に上記銀ゼオライト系抗菌剤2重量部、ステア
リン酸カルシウム3重量部を混合、充分に撹拌し抗菌性
ワックスを得る。
【0080】この抗菌性ワックスを陶製タイルの表面に
塗布し、実施例6と同様の方法で抗菌試験を行った。そ
の結果は実施例6と同様で、実用的な抗菌性能を有する
ことがわかる。
【0081】また、抗菌性ワックスについて、従来の抗
菌性ワックスおよび抗菌剤の添加されていないワックス
と比較し、紫外線暴露による変色試験、塩素系洗剤浸漬
による変色試験についても実施例6と同様の方法で行っ
た。その結果も実施例6と同様で実用的な耐変色性能を
有することがわかる。
【0082】さらに、汚れ除去能力についても、実施例
6と同様の結果を得た。
【0083】なお、上記実施例では、無機系抗菌剤にチ
オスルファト銀錯塩を用いたが、これに限らず、他の銀
系抗菌剤を用いてもよい。あるいは又銅系、亜鉛系等の
抗菌剤を用いてもよい。
【0084】また、上記実施例では、シリカゲルのコー
ティング材料としてテトラエトキシシランの加水分解物
を用いたが、これに限らず、例えばテトラメトキシシラ
ン等他のテトラアルコシキシランの加水分解物であって
もよい。あるいは又他のコーティング材料を用いてもよ
い。
【0085】以上のように本発明の抗菌性ワックスは、
人体や環境に対して安全性の高い抗菌作用を有する銀
を、チオスルファト銀錯塩としてシリカゲル等に担持さ
せ長期間安定して効果を持続させるようにした抗菌剤を
ワックス中に分散させた構造を有する。ワックス中に添
加された抗菌剤は、その表面に接触した細菌に対して抗
菌作用をおよぼし、ワックス塗布前に基材表面に存在し
た細菌に対しては、塗布によってワックス内に混ざり込
むことにより、ワックス内部で抗菌作用をおよぼす。
【0086】また、ワックス塗布表面は、各種洗剤や太
陽光の当たる場所でも使用されるため塩素系薬品や紫外
線の暴露を受けるが、ワックス中の抗菌剤は、テトラア
ルコキシシランの加水分解物の被覆により抗菌成分が直
接塩素や紫外線の影響を受け難くなっているため、安定
した抗菌作用および耐変色性を有することが可能とな
る。
【0087】さらに、抗菌剤を添加したペースト状ワッ
クス、液体状ワックスおよび乳化形ワックスは、上記抗
菌性材料を吸着させる担体に、ワックスと同程度の屈折
率を有する光透過性のある材料としてシリカゲル等の粉
末を用いることから、透明性を維持することができる。
【0088】抗菌性ワックス中に混合した無機系抗菌剤
は、モース硬度にして4−5の硬さの数μmの微粒子で
あることから、金属面、木材、樹脂、陶製タイル等に塗
布使用した場合、下地に傷をつけることなく表面の汚れ
のみを磨きとることができる。
【0089】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、無機系抗菌剤を使用しているので、人体及び環
境に対する安全性が高く、抗菌効果を持続させることが
できるという長所を有する。
【0090】また、無機系抗菌剤をペットフードに混練
しているので、ペットの排せつ物からの悪臭を抑制でき
るという利点がある。
【0091】また、無機系抗菌剤をワックスに混合して
いるので、汚れ除去能力が高いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の抗菌性カーペットの
切断部を示す図である。
【図2】同実施例のパイル縫い込み糸の繊維の切断部を
示す図である。
【図3】同実施例のコーティング樹脂の切断部を示す図
である。
【符号の説明】
1 発熱部材 2 コーティング樹脂 3 パイル縫い込み糸 4 パイル 5 断熱材 6 銀系抗菌材粒子 7 繊維素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A47G 27/02 B 7137−3K C09G 1/00 A 6917−4H D01F 1/10 7199−3B D06M 11/79 23/00 7199−3B D06M 11/00 G 7199−3B 21/00 B (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル縫い込み糸の繊維に無機系抗菌剤
    が含有されていることを特徴とする抗菌性カーペット。
  2. 【請求項2】 無機系抗菌剤が含有された樹脂が、断熱
    層のパイル層側にコーティングされていることを特徴と
    する抗菌性カーペット。
  3. 【請求項3】 ペットフードに、無機系抗菌剤が混練さ
    れていることを特徴とする悪臭抑制ペットフード。
  4. 【請求項4】 ペースト状ワックス、液体状ワックスお
    よび乳化形ワックスに、無機系抗菌剤が混合されている
    ことを特徴とする抗菌性ワックス。
  5. 【請求項5】 無機系抗菌剤は、シリカゲルにチオスル
    ファト銀錯塩を担持させた後少なくともその表面の一部
    をテトラアルコキシシランの加水分解物で被覆した抗菌
    剤であることを特徴とする請求項4記載の抗菌性ワック
    ス。
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