JPH0530948B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、例えば、コンクリートの如き被圧送
物を圧送するための圧送装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の圧送装置としては、例えば、実
公昭58−54978号公報に記録されているようなコ
ンクリート送出機等がある。これは、筒体内を摺
動するピストンで、受入口からの筒体内の収容空
間へのコンクリートの充填、及びこの充填された
コンクリートの送出口への送出を交互に行うと共
に、前記筒体を回転させて受入口と送出口とも交
互に収容空間に連通せしめられるようにしたもの
である。

又、実開昭48−13803号公報（実願昭46−
541323号のマイクロフイルム）にてセメントモル
タル昇降用押出装置が提案されている。

この押出装置は、カム軸に適当な位相でカム作
動ズレを生じさせるべく複数のカムを配し、これ
らのカムに押圧体をそれぞれ連携させてこれらの
押圧体をセメントモルタルの送給管の片側に配
し、順次カムの作動ズレを利用してセメントモル
タルを送給管内で移送するように形成したもので
ある。

更には、上記セメントモルタル昇降用押出装置
における押圧体を、片側ではなく両側から同じ位
置で挟圧するように一対にしたものも、特開昭49
−132610号公報にて提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） ＜従来の技術の問題点＞ ところが、前記圧送装置にあつては、ピストン
を駆動させるための動力と筒体を回動させるため
の動力とを別々に設けなければならない難点や、
コンクリートの送出しをピストンで行うため、こ
のピストンを駆動させる動力として比較的出力の
大きなものを使用しなければならない問題点等が
あつた。

又、前記セメントモルタル昇降用押出装置の場
合には、押圧体をセメントモルタルの送給管の片
側に配してあるから、送給管の内部における押圧
体により押される側の反対側の部分においてセメ
ントモルタルの流れが悪くなつてしまう問題点が
あつた。

更に、片側での流れの悪さをカバーするため
に、特開昭49−132610号公報にて両側から同じ位
置で挟圧するように一対にした構造が開示されて
いる。

この構造の場合、確かに両側から押すタイプの
ものであるから、前記セメントモルタル昇降用押
出装置の場合よりは流れはよくなるものの、その
押圧する部分が小径のピンチローラーであるか
ら、その移送する力はその先端の小さい曲率の円
弧面による円筒状管挟持だけによつて発生するの
みであり、円筒状管を潰した分は確かに移送でき
るもののスムーズな移送を行うまでにはいたつて
いないのが現状であつた。

＜技術的課題＞ そこでこの発明は、上述した問題点等に鑑み、
構成を簡素化し、しかも、故障のない確実且つス
ムーズな圧送を実現すると共に、小型化を図り易
い装置を提供することを課題として創出されたも
のである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） この発明は、適宜弾性を備えた筒状の弾性筒体
を配置し、この弾性筒体の左右に、弾性筒体の筒
心に対して直交する方向に摺動自在で且つ弾性筒
体を挾圧可能な先端が曲面状の略断面かまぼこ状
となつている一対の圧迫体を筒心方向に沿つて複
数組配設し、夫々の一対の圧迫体は、前記筒心方
向で若干ズラした状態に位置せしめ、各圧迫体に
は、圧迫体を弾性筒体に向つて夫々進退せしめる
べく作動させる、油圧、或いは、空圧による駆動
装置を夫々取付け、駆動装置の駆動力を、一対の
圧迫体夫々が弾性筒体を順次挾圧する力となし、
この挟圧力を、挟圧する圧迫体同士の最も近接し
ている曲面の共通な接線方向での圧送力として弾
性筒体内のコンクリート等の被圧送物を弾性筒体
の送出口に向つて順次圧送できるように形成した
ことにより上述した問題点を解決するものであ
る。

（作用） しかして、油圧、或いは、空圧による駆動装置
により、弾性筒体の左右に筒心に対して直交する
方向に摺動自在で且つ弾性筒体を挾圧可能で先端
が曲面状の略断面かまぼこ状となつていて筒心方
向に沿つて複数組配設した一対の圧迫体を、前記
筒心方向で若干ズラした状態に位置せしめて弾性
筒体に向つて夫々進退せしめるべく作動させる。

そして、駆動装置の駆動力を、一対の圧迫体
夫々が弾性筒体を順次挾圧する力となし、この挟
圧力を、挟圧する圧迫体同士の最も近接している
曲面の共通な接線方向での圧送力とし、前記弾性
筒体を適宜弾性を備えた筒状に形成しておくこと
で、一対の圧迫体を、前記筒心方向で若干ズラし
た状態に位置せしめて挟圧する圧迫体の前記共通
の接線方向での圧送力としているから、弾性筒体
を両側から潰すだけの圧送力だけでなく弾性筒体
内の被圧送物を圧迫体の前記共通の接線方向であ
る斜めに向つて絞りだすように作用するため、弾
性筒体内のコンクリート等の被圧送物を弾性筒体
の送出口に向つてスムーズに順次圧送する。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明
すると次の通りである。

すなわち、図中の符号１は、機枠Ａに取付けら
れる駆動装置としての駆動用油圧シリンダーで、
この駆動用油圧シリンダー１には、取付杆６を介
して圧迫体２が取り付けてある。

また、機枠Ａには、適宜ゴム材、或いは適宜合
成樹脂材等によつて比較的大きな弾性を備えた円
筒状に形成される弾性筒体１０が、その上下端部
が保持された状態で鉛直に配設されている。

この弾性筒体１０の左右には、水平方向に摺動
自在で且つ弾性筒体１０の挾圧可能となるように
機枠Ａに装着される一対の略断面かまぼこ形状の
圧迫体２（２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，４ａ，４
ｂ，５ａ，５ｂ）複数組が上下方向に沿つて等間
隔に配設されている。そうすれば、前記駆動用油
圧シリンダー１も圧迫体２に伴つて弾性筒体１０
の左右にそれぞれ配されることになる。

そして、このそれぞれの駆動用油圧シリンダー
１によつて圧迫体２夫々を、例えば、第４図に示
すように進退せしめて、一対の圧迫体２夫々が弾
性筒体１０を順次挾圧して、弾性筒体１０内のコ
ンクリート等の被圧送物２０を弾性筒体１０の送
出口２２に向つて順次圧送できるように形成され
ている。

しかも、左右一対の圧迫体２にあつては、一方
の圧迫体２，２ａ，３ａ，４ａ，５ａと他方の圧
迫体２，２ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂとの高さを若干
ズラせておき、弾性筒体１０を挾圧したときに、
弾性筒体１０内のコンクリート等の被圧送物２０
を圧迫体２同士の先端部分の最も近接している曲
面の共通の接線方向にスムーズに圧送できるよう
にすると共に、挾圧による弾性筒体１０や圧迫体
２や駆動用油圧シリンダー１等の損傷が防げるよ
うに形成されている。

又、第２図及び第３図に示すように、対峙する
一対の圧迫体２，２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，４
ａ，４ｂ，５ａ，５ｂには、その両端各々にリン
ク機構７の夫々の一端が回動自在に枢着されて設
けてある。このリンク機構７は、中央を滑節にし
た二つの杆にて形成され、この二つの解放両端を
圧迫体２の両端に夫々枢着する。そして、このリ
ンク機構７の滑節部分に側面押圧体８を摺動自在
に枢着して配し、圧迫体２が弾性筒体１０に対し
て進退する際に、その進退動を圧迫体２の移動方
向に対して直交する方向の往復動に変換し、側面
押圧体を弾性筒体の側方から押圧可能に形成す
る。

そうすることで、第３図に示すように、一対の
圧迫体２夫々が進んで弾性筒体１０を圧迫して潰
す時には側面押圧体８が弾性筒体１０から離れ、
第２図に示すように、圧迫体２が弾性筒体１０か
ら退く時には側面押圧体８が弾性筒体１０の側方
から押圧して弾性筒体１０を拡げるように作動す
る。その結果、圧迫体２の進退で弾性筒体１０の
内部の空間が閉じたり拡がつたりする動作を確実
に行なわせることができるものである。

この場合に、図中２３は、弾性筒体１０の受入
口２１に連通するホツパーで、２４は、弾性筒体
１０の送出口２２に連通するローターである。

尚、前述した駆動用油圧シリンダー１は、空圧
シリンダーでも良く、また、その他の機構も、前
述した構造に限定されるものではないことを言う
までもない。

又、前記弾性筒体１０は、適宜弾性材料で構成
されるが、その補強として適宜金属製線材が埋設
状に配設されたものを使用しても良い。

本発明は以上の如く構成されており、次に、第
４図を参照しながらその作動状態を説明する。

すなわち、先ず、第４図Ａに示すように、駆動
用油圧シリンダー１を作動させて中位の圧迫体３
ａ，３ｂ、圧迫体４ａ，４ｂにより弾性筒体１０
の略中間部分を挾圧して潰す。

その時点で被圧送物２０を第１図に示すホツパ
ー１３から投入する。そうすると、弾性筒体１０
の上部は拡がつたままなので重力によつてこの空
間に被圧送物２０が満たされる。

次に、第４図Ｂに示すように、駆動用油圧シリ
ンダー１を作動させて上位の圧迫体２ａ，２ｂ、
下位の圧迫体５ａ，５ｂにより弾性筒体１０の上
部と下部とを挾圧して潰すと共に、圧迫体３ａ，
３ｂ、圧迫体４ａ，４ｂを退かせて弾性筒体１０
の中間部分を拡げる。

そうすると、被圧送物２０は、弾性筒体１０の
上部から中間部分に移動すると共に、弾性筒体１
０において、圧迫体２ａ，２ｂによつて上部が潰
されたとしてもその最上部には空間ができてい
て、その空間に前述と同様にホツパー１３から被
圧送物２０が下降して充填される。

そして、第４図Ｃに示すように、再び駆動用油
圧シリンダー１を作動させて中位の圧迫体３ａ，
３ｂ、圧迫体４ａ，４ｂにより弾性筒体１０の略
中間部分を挾圧して潰すと共に、上位の圧迫体２
ａ，２ｂと下位の圧迫体５ａ，５ｂを弾性筒体１
０から後退させる。

そうすると、弾性筒体１０における上部と下部
とは拡がり中間部分は潰される。そのため、弾性
筒体１０の中間部分の被圧送物２０は、弾性筒体
１０の下部に移動し、弾性筒体１０の上部の空間
には被圧送物２０が充填される。

そして、次に、第４図Ｄに示すように、再び、
第４図Ｂに示す工程を繰返し、これらの各工程を
順次繰返すことで、被圧送物２０をホツパー１３
からローター１４まで順次圧送するものである。
尚、圧迫体２の作動状態は、これに限定されるも
のではなく、圧迫体２の数や弾性筒体１０の長
さ、形状等によつて適宜自由に設定できる。

その他に、このように形成した圧送装置を複数
配列しても良く、又、側面押圧体の場合に、リン
ク機構でなくとも、その他の駆動機構であつても
良く、他の構造にあつても前述した実施例に限定
されることがないということは言うまでもない。

［発明の効果］ 従つて、本発明の圧送装置は、適宜弾性を備え
た筒状の弾性筒体１０を配置し、この弾性筒体１
０の左右に、弾性筒体１０の筒心に対して直交す
る方向に摺動自在で且つ弾性筒体１０を挾圧可能
な先端が曲面状の略断面かまぼこ状となつている
一対の圧迫体２を筒心方向に沿つて複数組配設
し、夫々の一対の圧迫体２，２は、前記筒心方向
で若干ズラした状態に位置せしめ、各圧迫体２に
は、圧迫体を弾性筒体１０に向つて夫々進退せし
めるべく作動させる、油圧、或いは、空圧による
駆動装置を夫々取付け、駆動装置の駆動力を、一
対の圧迫体２夫々が弾性筒体１０を順次挾圧する
力となし、この挟圧力を、挟圧する圧迫体２同士
の最も近接している曲面の共通の接線方向での圧
送力として弾性筒体１０内のコンクリート等の被
圧送物２０を弾性筒体１０の送出口１２に向つて
順次圧送できるように形成したことにより、油
圧、或いは空圧による駆動装置、つまり、駆動用
油圧シリンダー１或いは空圧シリンダーだけで、
コンクリート等の被圧送物２０を確実且つ円滑に
圧送できると共に、比較的小さな駆動用油圧シリ
ンダー１等の作動で大きな被圧送物２０の圧送力
が得られるようになる。

しかも、その時に、一対の圧迫体２を、前記筒
心方向で若干ズラした状態に位置せしめて挟圧す
る圧迫体２の曲面の共通の接線方向での圧送力と
しているから、弾性筒体１０を両側から潰すだけ
の圧送力だけでなく弾性筒体１０内の被圧送物２
０を圧迫体２同士の最も近接している曲面の共通
な接線方向である斜めに向つて絞りだすように作
用するため、弾性筒体１０内のコンクリート等の
被圧送物２０を弾性筒体１０の送出口に向つてス
ムーズに順次圧送することができるもので、この
効果、従来例にあつては全く考えられない優れた
圧送力を生む優れたものである。

そして、駆動用油圧シリンダー１等は、制御が
非常に簡単であるから圧送を適確に行わせること
ができ、また、圧送装置自体の構成が簡素で、故
障し難いものとなると共に、圧送装置自体の小型
コンパクト化が図り易いものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は要部
正断面図、第２図及び第３図は圧迫体と側面押圧
体とによる弾性筒体の押圧状態を示す要部平断面
図、第４図は弾性筒体が圧迫される状態の工程を
示す縦断正面図である。 Ａ……機枠、１……駆動用油圧シリンダー、２
……圧迫体、２ａ……圧迫体、２ｂ……圧迫体、
３ａ……圧迫体、３ｂ……圧迫体、４ａ……圧迫
体、４ｂ……圧迫体、５ａ……圧迫体、５ｂ……
圧迫体、６……取付杆、７……リンク機構、８…
…側面押圧体、１０……弾性筒体、１１……受入
口、１２……送出口、１３……ホツパー、１４…
…ローター、２０……被圧送物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適宜弾性を備えた筒状の弾性筒体を配置し、
   この弾性筒体の左右に、弾性筒体の筒心に対して
   直交する方向に摺動自在で且つ弾性筒体を挾圧可
   能な先端が曲面状の略断面かまぼこ状となつてい
   る一対の圧迫体を筒心方向に沿つて複数組配設
   し、夫々の一対の圧迫体は、前記筒心方向で若干
   ズラした状態に位置せしめ、各圧迫体には、圧迫
   体を弾性筒体に向つて夫々進退せしめるべく作動
   させる、油圧、或いは、空圧による駆動装置を
   夫々取付け、駆動装置の駆動力を、一対の圧迫体
   夫々が弾性筒体を順次挾圧する力となし、この挾
   圧力を、挾圧する圧迫体同士の最も近接している
   曲面の共通な接線方向での圧送力として弾性筒体
   内のコンクリート等の被圧送物を弾性筒体の送出
   口に向つて順次圧送できるように形成したことを
   特徴とする圧送装置。 ２ 一対の圧迫体夫々には、圧迫体が前記弾性筒
   体に対して進退する際に、その進退動を圧迫体の
   移動方向に対して直交する方向の往復動に変換す
   るリンク機構によつて側面押圧体を弾性筒体の側
   方から押圧可能に形成した特許請求の範囲第１項
   記載の圧送装置。