JPH05309316A - ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法 - Google Patents
ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法Info
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- JPH05309316A JPH05309316A JP4119184A JP11918492A JPH05309316A JP H05309316 A JPH05309316 A JP H05309316A JP 4119184 A JP4119184 A JP 4119184A JP 11918492 A JP11918492 A JP 11918492A JP H05309316 A JPH05309316 A JP H05309316A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、基板に対する水の接触角を制御する
とともに、LB膜の累積型を制御できることを主要な目
的とする。 【構成】気水界面上に両親媒性化合物の単分子膜を形成
させ、基板に移しとることによって累積膜を得るラング
ミュア・ブロジェット膜の作製方法において、前記基板
の水に対する接触角が所定の接触角になるとともに、基
板に対する単分子膜の累積型が所定の累積型となるよう
にシラン処理剤を選択して前記基板に種々のシラン処理
を施した後、前記単分子膜を基板に移しとって累積膜を
得ることを特徴とするラングミュア・ブロジェット膜の
作製方法。
とともに、LB膜の累積型を制御できることを主要な目
的とする。 【構成】気水界面上に両親媒性化合物の単分子膜を形成
させ、基板に移しとることによって累積膜を得るラング
ミュア・ブロジェット膜の作製方法において、前記基板
の水に対する接触角が所定の接触角になるとともに、基
板に対する単分子膜の累積型が所定の累積型となるよう
にシラン処理剤を選択して前記基板に種々のシラン処理
を施した後、前記単分子膜を基板に移しとって累積膜を
得ることを特徴とするラングミュア・ブロジェット膜の
作製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラングミュア・ブロジ
ェット膜の作製方法に関する。
ェット膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、ラングミュア・ブロジェット膜
(以下、LB膜と呼ぶ)の作製技術が発展し、種々の薄
膜設計が可能となってきている。LB膜は均一で、か
つ、単分子単位での膜厚の制御が可能であることがその
最大の特徴で、分子素子のようなデバイス、センサー
等、その応用範囲は広く、多くの研究が進められてい
る。LB膜作製技術については、岡田正和也編「分子設
計技術」(株サイエンスフォーラム刊)、89ないし101
頁に詳しく説明されており、LB膜構成物質としては両
親媒性物質が用いられている。
(以下、LB膜と呼ぶ)の作製技術が発展し、種々の薄
膜設計が可能となってきている。LB膜は均一で、か
つ、単分子単位での膜厚の制御が可能であることがその
最大の特徴で、分子素子のようなデバイス、センサー
等、その応用範囲は広く、多くの研究が進められてい
る。LB膜作製技術については、岡田正和也編「分子設
計技術」(株サイエンスフォーラム刊)、89ないし101
頁に詳しく説明されており、LB膜構成物質としては両
親媒性物質が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その超
薄膜の特性を利用するにはLB膜構成物質自体の特性も
非常に重要であり、LB膜構成物質を変えてしまうとL
B膜の特性も変化してしまう可能性が高いため、その両
親媒性物質特有の性質を利用するために使用できる種類
は限られてしまう。また、一般的に、X,Y,Z型に分
類される累積型は両親媒性物質の種類,累積時の表面圧
によって決まるといわれており、同一物質を同一圧力で
累積し、しかも累積型を制御するに関しては考慮されな
かった。
薄膜の特性を利用するにはLB膜構成物質自体の特性も
非常に重要であり、LB膜構成物質を変えてしまうとL
B膜の特性も変化してしまう可能性が高いため、その両
親媒性物質特有の性質を利用するために使用できる種類
は限られてしまう。また、一般的に、X,Y,Z型に分
類される累積型は両親媒性物質の種類,累積時の表面圧
によって決まるといわれており、同一物質を同一圧力で
累積し、しかも累積型を制御するに関しては考慮されな
かった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、累積性を制御し、両親媒性物質の活性を生かしたラ
ングミュア・ブロジェット膜の作製方法を提供すること
を目的とする。
で、累積性を制御し、両親媒性物質の活性を生かしたラ
ングミュア・ブロジェット膜の作製方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、気水界面上に
両親媒性化合物の単分子膜を形成させ、基板に移しとる
ことによって累積膜を得るラングミュア・ブロジェット
膜の作製方法において、前記基板の水に対する接触角が
所定の接触角になるとともに、基板に対する単分子膜の
累積型が所定の累積型となるようにシラン処理剤を選択
して前記基板に種々のシラン処理を施した後、前記単分
子膜を基板に移しとって累積膜を得るようにしたもので
ある。
両親媒性化合物の単分子膜を形成させ、基板に移しとる
ことによって累積膜を得るラングミュア・ブロジェット
膜の作製方法において、前記基板の水に対する接触角が
所定の接触角になるとともに、基板に対する単分子膜の
累積型が所定の累積型となるようにシラン処理剤を選択
して前記基板に種々のシラン処理を施した後、前記単分
子膜を基板に移しとって累積膜を得るようにしたもので
ある。
【0006】
【作用】本発明によれば、LB膜の累積性が制御可能に
なる。
なる。
【0007】気水界面上に展開した両親媒性化合物を基
板に累積するとき累積性は基板との相互作用が大きく影
響を及ぼすと考えらている。ここで、相互作用とは親
水,疎水性の親和力や、化学的吸着、又は物理的なアン
カリング等である。そこで、累積性を制御するためには
基板の表面状態を制御するか、両親媒性化合物の種類を
変えるか又は両方を同時に行うかをしなければならな
い。しかし、両親媒性化合物の種類を変えるとLB膜の
性質まで大きく変わってしまう可能性が高く、LB膜構
成物特有の機能を利用したい場合、膜材料を変えること
はできない。そこで、基板の表面状態を制御することに
よってLB膜構成物質特有の機能を維持しながら、累積
性を制御する。
板に累積するとき累積性は基板との相互作用が大きく影
響を及ぼすと考えらている。ここで、相互作用とは親
水,疎水性の親和力や、化学的吸着、又は物理的なアン
カリング等である。そこで、累積性を制御するためには
基板の表面状態を制御するか、両親媒性化合物の種類を
変えるか又は両方を同時に行うかをしなければならな
い。しかし、両親媒性化合物の種類を変えるとLB膜の
性質まで大きく変わってしまう可能性が高く、LB膜構
成物特有の機能を利用したい場合、膜材料を変えること
はできない。そこで、基板の表面状態を制御することに
よってLB膜構成物質特有の機能を維持しながら、累積
性を制御する。
【0008】そのための具体的な方法として本発明者ら
はシラン化合物でガラス基板の表面を化学集成し、表面
状態を変えることを考えた。シラン化合物は例えば下記
「化1」の構造で、Rはクロル基,メトキシ基,エトキ
シ基等の加水分解可能な基を表し、Xは基板の最表面状
態を変化させる基を表している。
はシラン化合物でガラス基板の表面を化学集成し、表面
状態を変えることを考えた。シラン化合物は例えば下記
「化1」の構造で、Rはクロル基,メトキシ基,エトキ
シ基等の加水分解可能な基を表し、Xは基板の最表面状
態を変化させる基を表している。
【0009】
【化1】
【0010】上記「化1」中のRで表されている加水分
解可能な基はガラス基板の表面にある水酸基と加水分解
反応し、図1に示すような共有結合で、基板に強固に固
定される。上述した説明ではRが3つ,Xが1つである
がRが2つ,Xが2つ、またはRが1つ,Xが3つの場
合でも同様の反応が生じる。
解可能な基はガラス基板の表面にある水酸基と加水分解
反応し、図1に示すような共有結合で、基板に強固に固
定される。上述した説明ではRが3つ,Xが1つである
がRが2つ,Xが2つ、またはRが1つ,Xが3つの場
合でも同様の反応が生じる。
【0011】Xはアルキル基,アリール基,ビニル基,
フェニル基,アミノ基,エポキシ基,メルカプト基等が
含まれるが、LB膜の累積性を制御するためにはどの官
能基でもよいのではなく、目的とする累積性を実現させ
るには官能基の選択は非常に重要な要因となる。
フェニル基,アミノ基,エポキシ基,メルカプト基等が
含まれるが、LB膜の累積性を制御するためにはどの官
能基でもよいのではなく、目的とする累積性を実現させ
るには官能基の選択は非常に重要な要因となる。
【0012】本発明で利用するLB膜構成物質は両親媒
性物質、電位感受性色素、及び物質選択能を有する分子
からなる。ここで、電位感受性色素、物質選択能を有す
る分子が両親媒性物質としての性質を有していてもよ
い。両親媒性物質はジアルキルリン酸であるが、ジアル
キルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム塩、直鎖脂
肪酸等でも効果ある。また、電位感受性色素と物質選択
能を有する分子を入れず、ジアルキルリン酸単独でLB
膜を構成してもよい。
性物質、電位感受性色素、及び物質選択能を有する分子
からなる。ここで、電位感受性色素、物質選択能を有す
る分子が両親媒性物質としての性質を有していてもよ
い。両親媒性物質はジアルキルリン酸であるが、ジアル
キルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム塩、直鎖脂
肪酸等でも効果ある。また、電位感受性色素と物質選択
能を有する分子を入れず、ジアルキルリン酸単独でLB
膜を構成してもよい。
【0013】ガラス基板のシラン処理方法はシラン化合
物をトルエン、ベンゼン、ヘキサン等の単独又は混合し
た有機溶媒に溶解させ、良く洗浄し、ゴミ、油脂等の汚
れを取り除いたガラスを溶液中に浸す。所定時間浸した
後、余分のシラン化合物を取り除くために同様の有機溶
媒で洗浄し、反応を完了させるために加熱処理をする。
物をトルエン、ベンゼン、ヘキサン等の単独又は混合し
た有機溶媒に溶解させ、良く洗浄し、ゴミ、油脂等の汚
れを取り除いたガラスを溶液中に浸す。所定時間浸した
後、余分のシラン化合物を取り除くために同様の有機溶
媒で洗浄し、反応を完了させるために加熱処理をする。
【0014】シラン化合物で表面処理をした基板を評価
するときにその基板の接触角を測定することは浸水,疎
水性が定量できることから重要である。接触角の評価は
水平においた基板に純水を滴下し、水滴と基板との境界
をなす角度を求める滴下法を用いて行なった。
するときにその基板の接触角を測定することは浸水,疎
水性が定量できることから重要である。接触角の評価は
水平においた基板に純水を滴下し、水滴と基板との境界
をなす角度を求める滴下法を用いて行なった。
【0015】本発明によれば、LB膜累積基板をシラン
化合物で表面処理することにより、同一の両親媒性物質
よりなるLB膜の累積性を累積圧を変えることなく制御
することができる。また、LB膜構成物質事態の機能性
を活かしたLB膜を作製することが可能となる。
化合物で表面処理することにより、同一の両親媒性物質
よりなるLB膜の累積性を累積圧を変えることなく制御
することができる。また、LB膜構成物質事態の機能性
を活かしたLB膜を作製することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)メチルトリクロロシランをトルエン中に1
vol%の濃度になる様に調整し、この溶液中に、洗浄
し、汚れを取り除いたガラス基板を浸漬させた。12時間
後基板を取りだし、トルエン中で2回、更にクロロホル
ム中で2回洗浄し、乾燥器で乾燥させ、LB膜累積基板
とした。この基板の接触角を測定したところ、95.3
°であった。
vol%の濃度になる様に調整し、この溶液中に、洗浄
し、汚れを取り除いたガラス基板を浸漬させた。12時間
後基板を取りだし、トルエン中で2回、更にクロロホル
ム中で2回洗浄し、乾燥器で乾燥させ、LB膜累積基板
とした。この基板の接触角を測定したところ、95.3
°であった。
【0017】LB膜はジドデシルリン酸、オクタデシル
ローダミンB、バリノマイシンを各々88,2,10の
モル比に調整し、クロロホルムに溶解し、トラフに入れ
た水面上に展開し、17mN/mの表面圧で4層累積し
た。ビニルトリクロロシランで処理した基板を用いてL
B膜を累積すると、Y型の累積になることが分かる。
ローダミンB、バリノマイシンを各々88,2,10の
モル比に調整し、クロロホルムに溶解し、トラフに入れ
た水面上に展開し、17mN/mの表面圧で4層累積し
た。ビニルトリクロロシランで処理した基板を用いてL
B膜を累積すると、Y型の累積になることが分かる。
【0018】(実施例2)ビニルトリクロロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92°であった。更に、実施例1の
同一の条件でLB膜を累積した。メチルトリクロロシラ
ンで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Y型の
累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92°であった。更に、実施例1の
同一の条件でLB膜を累積した。メチルトリクロロシラ
ンで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Y型の
累積になることが分かる。
【0019】(実施例3)エチルトリクロロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92.9°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。エチルトリクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Y
型の累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92.9°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。エチルトリクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Y
型の累積になることが分かる。
【0020】(実施例4)フェニルトリクロロシランを
トルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実
施例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触
角を測定したところ、85.6°であった。更に、実施
例1の同一の条件でLB膜を累積した。フェニルトリク
ロロシランで処理した基板を用いてLB膜を累積する
と、Y型の累積になることが分かる。
トルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実
施例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触
角を測定したところ、85.6°であった。更に、実施
例1の同一の条件でLB膜を累積した。フェニルトリク
ロロシランで処理した基板を用いてLB膜を累積する
と、Y型の累積になることが分かる。
【0021】(実施例5)オクタデシルトリクロロシラ
ンをトルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整
し、実施例1と同様の操作で処理を行なった。この基板
の接触角を測定したところ、128.8°であった。
ンをトルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整
し、実施例1と同様の操作で処理を行なった。この基板
の接触角を測定したところ、128.8°であった。
【0022】更に、実施例1の同一の条件でLB膜を累
積した。オクダデシルトリクロロシランで処理した基板
を用いてLB膜を累積すると、X型の累積になることが
分かる。
積した。オクダデシルトリクロロシランで処理した基板
を用いてLB膜を累積すると、X型の累積になることが
分かる。
【0023】(実施例6)トリメチルクロロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92.7°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。トリメチルクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、92.7°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。トリメチルクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
【0024】(実施例7)オクチルトリクロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、113.2°であった。更に、実施
例1の同一の条件でLB膜を累積した。オクチルトリク
ロロシランで処理した基板を用いてLB膜を累積する
と、X型の累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、113.2°であった。更に、実施
例1の同一の条件でLB膜を累積した。オクチルトリク
ロロシランで処理した基板を用いてLB膜を累積する
と、X型の累積になることが分かる。
【0025】(実施例8)ブチルトリクロロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、97.6°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。ブチルトリクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、97.6°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。ブチルトリクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
【0026】(実施例9)ジメチルジクロロシランをト
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、94.8°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。ジメチルジクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
ルエン中に2.5 vol%の濃度になる様に調整し、実施
例1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角
を測定したところ、94.8°であった。更に、実施例
1の同一の条件でLB膜を累積した。ジメチルジクロロ
シランで処理した基板を用いてLB膜を累積すると、X
型の累積になることが分かる。
【0027】(実施例10)ビニルトリクロロシランをト
ルエン中に1 vol%の濃度になる様に調整し、基板の浸
漬時間を12時間から10秒間に変えた以外は、実施例
1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角を
測定したところ、61°であった。更に、実施例1の同
一の条件でLB膜を累積した。ビニルトリクロロシラン
で処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Z型の累
積になることが分かる。
ルエン中に1 vol%の濃度になる様に調整し、基板の浸
漬時間を12時間から10秒間に変えた以外は、実施例
1と同様の操作で処理を行なった。この基板の接触角を
測定したところ、61°であった。更に、実施例1の同
一の条件でLB膜を累積した。ビニルトリクロロシラン
で処理した基板を用いてLB膜を累積すると、Z型の累
積になることが分かる。
【0028】(比較例)シランを処理を行なわず、洗浄
し、汚れを取り除いたガラス基板をLB膜累積基板とし
た。この基板の接触角を測定したところ、7.5°であ
った。
し、汚れを取り除いたガラス基板をLB膜累積基板とし
た。この基板の接触角を測定したところ、7.5°であ
った。
【0029】LB膜はジドデシルリン酸、オクタデシル
ローダミンB、バリノマイシンを各々88,2,10の
モル比に調整し、クロロホルムに溶解し、トラフに入れ
た水面上に展開し、17mN/mの表面圧で4層累積し
た。シラン処理を行なわず、洗浄し、汚れを取り除いた
ガラス基板を用いてLB膜を累積すると、Z型の累積に
なることが分かる。図2は以上の実施例及び比較例の結
果をまとめたグラフである。このグラフから次のような
ことが分かる。
ローダミンB、バリノマイシンを各々88,2,10の
モル比に調整し、クロロホルムに溶解し、トラフに入れ
た水面上に展開し、17mN/mの表面圧で4層累積し
た。シラン処理を行なわず、洗浄し、汚れを取り除いた
ガラス基板を用いてLB膜を累積すると、Z型の累積に
なることが分かる。図2は以上の実施例及び比較例の結
果をまとめたグラフである。このグラフから次のような
ことが分かる。
【0030】シラン処理剤をモノフェニルシランである
フェニルトリクロロシラン(実施例4)としたときは、
水に対する接触角が80度以上90度未満(85.6
度)であり、Y型の累積膜が得られた。
フェニルトリクロロシラン(実施例4)としたときは、
水に対する接触角が80度以上90度未満(85.6
度)であり、Y型の累積膜が得られた。
【0031】また、シラン処理剤を炭素数が8以上のモ
ノアルキルシランであるオクタデシルトリクロロシラン
(実施例5)及び、オクチルトリクロロシラン(実施例
7)としたときは、水に対する接触角が100度以上
(それぞれ、128.8度、113.2度)であり、X
型の累積膜が得られた。
ノアルキルシランであるオクタデシルトリクロロシラン
(実施例5)及び、オクチルトリクロロシラン(実施例
7)としたときは、水に対する接触角が100度以上
(それぞれ、128.8度、113.2度)であり、X
型の累積膜が得られた。
【0032】さらに、接触角が90度以上100度未満
となるシラン処理剤の場合には、炭素数が2のモノビニ
ルシランであるビニルトリクロロシラン(実施例1:接
触角95.3度)、炭素数が1〜3のモノアルキルシラ
ンであるメチルトリクロロシラン(実施例2:接触角9
2度)、エチルトリクロロシラン(実施例3:接触角9
2.9度)を選択したときはいずれもY型の累積膜が得
られ、炭素数が4以上のモノアルキルシランであるブチ
ルトリクロロシラン(実施例8:接触角97.6度)、
炭素数が1以上のジアルキルシランであるジメチルジク
ロロシラン(実施例9:接触角94.8度)、炭素数が
1以上のトリアルキルシランであるトリメチルクロロシ
ラン(実施例6:接触角92.7度)を選択したときは
X型の累積膜を得られた。
となるシラン処理剤の場合には、炭素数が2のモノビニ
ルシランであるビニルトリクロロシラン(実施例1:接
触角95.3度)、炭素数が1〜3のモノアルキルシラ
ンであるメチルトリクロロシラン(実施例2:接触角9
2度)、エチルトリクロロシラン(実施例3:接触角9
2.9度)を選択したときはいずれもY型の累積膜が得
られ、炭素数が4以上のモノアルキルシランであるブチ
ルトリクロロシラン(実施例8:接触角97.6度)、
炭素数が1以上のジアルキルシランであるジメチルジク
ロロシラン(実施例9:接触角94.8度)、炭素数が
1以上のトリアルキルシランであるトリメチルクロロシ
ラン(実施例6:接触角92.7度)を選択したときは
X型の累積膜を得られた。
【0033】なお、上記実施例では、シラン処理剤に浸
漬させる時間を全て12時間としているが、この浸漬さ
せる時間は12時間に限定されるものではなく、基板に
対するシラン処理剤に対する反応が飽和する定常状態に
達する時間であればよい。
漬させる時間を全て12時間としているが、この浸漬さ
せる時間は12時間に限定されるものではなく、基板に
対するシラン処理剤に対する反応が飽和する定常状態に
達する時間であればよい。
【0034】また、実施例1と同様のビニルトリクロロ
シランを用いてシラン処理の時間を10秒間と短くして
未定常状態としたとき(実施例10)は、接触角が61
度と小さく、Z型の累積膜となった。また、シラン処理
を施さない場合(比較例)では、接触角が7.5度と最
も小さく、Z型の累積膜となった。
シランを用いてシラン処理の時間を10秒間と短くして
未定常状態としたとき(実施例10)は、接触角が61
度と小さく、Z型の累積膜となった。また、シラン処理
を施さない場合(比較例)では、接触角が7.5度と最
も小さく、Z型の累積膜となった。
【0035】このように、基板をシラン処理剤により、
ほぼ定常状態に達するように処理すると、基板の水に対
する接触角によって、または、この接触角とシラン処理
剤の種類によって、得られる累積型がX型又はY型に決
まることがわかる。
ほぼ定常状態に達するように処理すると、基板の水に対
する接触角によって、または、この接触角とシラン処理
剤の種類によって、得られる累積型がX型又はY型に決
まることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、LB
膜累積基板に対しシラン化合物で表面処理を施したこと
により、この基板に対する水の接触角を制御するととも
に、LB膜の累積型を制御することができる。
膜累積基板に対しシラン化合物で表面処理を施したこと
により、この基板に対する水の接触角を制御するととも
に、LB膜の累積型を制御することができる。
【図1】加水分解可能な基とガラス基板の表面にある水
酸基と加水分解反応を示す説明図。
酸基と加水分解反応を示す説明図。
【図2】本発明方法に係る基板の接触角の特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 政嗣 東京都小金井市中町2−24−48−103
Claims (1)
- 【請求項1】 気水界面上に両親媒性化合物の単分子膜
を形成させ、基板に移しとることによって累積膜を得る
ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法において、前
記基板の水に対する接触角が所定の接触角になるととも
に、基板に対する単分子膜の累積型が所定の累積型とな
るようにシラン処理剤を選択して前記基板に種々のシラ
ン処理を施した後、前記単分子膜を基板に移しとって累
積膜を得ることを特徴とするラングミュア・ブロジェッ
ト膜の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4119184A JPH05309316A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4119184A JPH05309316A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05309316A true JPH05309316A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14754995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4119184A Withdrawn JPH05309316A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | ラングミュア・ブロジェット膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05309316A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007523959A (ja) * | 2003-06-23 | 2007-08-23 | チューリッヒ大学 | 超疎水性コーティング |
-
1992
- 1992-05-12 JP JP4119184A patent/JPH05309316A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007523959A (ja) * | 2003-06-23 | 2007-08-23 | チューリッヒ大学 | 超疎水性コーティング |
JP2013256672A (ja) * | 2003-06-23 | 2013-12-26 | Univ Zuerich | 超疎水性コーティング |
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Legal Events
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