JPH05307941A - 回転陽極x線管 - Google Patents

回転陽極x線管

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JPH05307941A
JPH05307941A JP11050792A JP11050792A JPH05307941A JP H05307941 A JPH05307941 A JP H05307941A JP 11050792 A JP11050792 A JP 11050792A JP 11050792 A JP11050792 A JP 11050792A JP H05307941 A JPH05307941 A JP H05307941A
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JP
Japan
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ceramics
ray tube
rotary anode
thermal conductivity
heat radiation
Prior art date
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Pending
Application number
JP11050792A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kuroda
晋一 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 苛酷な熱負荷に対し安定で、高速回転におけ
る機械的強度が強くしかも熱放射性の良好な理想の回転
陽極X線管を提供する。 【構成】 熱伝導性の良好なセラミックからなる回転陽
極基体1に高融点金属からなる中間層3を形成し、さら
に前記中間層3に熱放射膜4を形成したX線管陽極を備
えたことを特徴とする回転陽極X線管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として医療用X線
装置例えばX線CT装置などに用いる回転陽極X線管に
関する。
【0002】
【従来の技術】X線診断法、例えばデイジタル化X線写
真法またはX線コンピュータ断層撮影法(X線CT法)
では、長時間に亘って強力なX線曝射を必要とするの
で、X線管陽極の熱負荷が極めて大きくなり、その値が
規定値を越えるとX線管が破壊し装置自体が使用不可能
となる場合がある。このため、実際の使用に際してはX
線管陽極の熱負荷状態を常時計算し、熱負荷が予め定め
られた基準値を越えた時点で次の撮影可能時まで装置の
動作を強制的に中止させることが行われている。従っ
て、前記基準値が大きくかつ、この基準値を越えた場合
の次の撮影可能時までの時間の短いX線管が望まれる。
即ち、熱容量が大きく、X線管陽極の熱放射効率の高い
X線管が必要となる。
【0003】そこで、従来から熱容量を大きくする手段
としてX線管陽極の大型化が図られている。しかし、X
線管陽極の回転陽極基体は、モリブデン合金やタングス
テンなど比較的比重の大きい高融点材料からなるため、
重量との関係でその大型化には限界がある。このため、
回転陽極基体として低比重、高比熱であり、熱伝導性の
良好な窒化アルミニウム等の窒化物あるいは炭化珪素等
の炭化物を主体としたものや、それらの混合物の炭窒化
物等の非酸化系セラミックスを用いることが提案されて
いる(特開昭61−143929、特開昭56−141
153)。
【0004】一方、熱放射率を良くする手段としては、
陽極表面を黒い被膜で覆うなどの手段が提案されてい
る。通常の回転陽極基体であるモリブデン、タングステ
ンの熱放射率は表面の粗さに応じて0.35ないし0.
5(1000℃において)であるが、この表面を例えば
チタニアTiO2 ・アルミナAl2 3 の二元系金属酸
化物あるいはTiO2 ・Al2 3 ・ZrO3 の三元系
金属酸化物(いづれもセラミックス)を混合した黒色被
膜、遷移金属の炭化物と窒化物、ホウ素と酸化物、グラ
ファイトなどで被覆することにより、その熱放射率は
0.6ないし0.9位まで向上させることが知られてい
る。具体的な被覆の方法としては溶射またはろう付け法
ならびに予め塗付けられた金属粉末の焼結による方法が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の熱放射膜の形成は、回転陽極基体および被膜材料のい
ずれもが金属材料を対象としたものであり、非酸化系セ
ラミックス例えば前記窒化アルミニウムを回転陽極基体
に用いたものは存在しない。これは非酸化系セラミック
スを前記金属酸化物からなる熱放射膜で被膜することの
困難性によるものである。即ち、非酸化系セラミックス
は、濡れ性(接合性)が悪くろう材による被膜の接合に
は困難が伴い、また溶射法では溶射前にブラスト処理が
行れ汚れなどの酸化膜を除去し同時に粗面化するのであ
るが、粗面化と同時にセラミックス基体にマイクロクラ
ックが発生する問題が生じる。さらに炭化物や酸化物は
その小さな熱伝導率(例えば炭化タンタルはタングステ
ンの約20分の1)のためセラミックス基体に直接被覆
すれば、電子線照射時に生じる局部的な著しい温度上昇
に伴い被膜の断面方向に大きな温度勾配が発生して剥離
や割れが生じるという問題がある。
【0006】本発明はこれらの問題点に鑑み、回転陽極
基体の構成材料として熱伝導性の良好な非酸化系セラミ
ックスに対し熱放射性を高める被膜を形成し、しかも高
速回転及び繰り返し熱負荷においても剥離しない密着度
の高い被膜を形成することで熱容量が大きく高強度なX
線管陽極を備えた回転陽極X線管を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】熱伝導性の良好なセラミ
ックからなる回転陽極基体に高融点金属からなる中間層
を形成し、その中間層に対して熱放射膜を形成した。
【0008】
【作用】熱伝導性の良好なセラミックスからなる回転陽
極基体に高融点金属からなる中間層を形成したことによ
り、濡れ性の悪い非酸化系セラミックスに対し熱放射膜
を形成することが可能となる。これにより低比重、高比
熱であり、熱伝導性の良好な窒化アルミニュム等の非酸
化系セラミックスからなる回転陽極基体の熱放射効率を
向上させることができるため、苛酷な熱負荷に対し安定
で高速回転における機械的強度が強くしかも熱放射性の
良好な理想のX線管陽極を備えた回転陽極X線管を提供
することが可能となる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る回転陽極X線
管の陽極部分の断面を示したもので、1は回転陽極部、
2は回転陽極基体で本実施例では窒化アルミニウムで構
成される。3は高融点金属部材からなる前記中間層で本
実施例ではタングステンで構成される。4は中間層3に
形成した熱放射膜で本実施例ではチタニアTiO2・ア
ルミナAl2 3 の二元系金属酸化物で構成される熱放
射膜をX線照射面の裏面に形成する場合を示す。
【0010】この高融点金属部材からなる中間層3をこ
こでは最適な手法と考られるCVD(Chemical Vaper D
eposition)法によって形成する場合の実施例を示す。こ
の中間層3の形成方法およびその装置を第2図によって
説明すると、5はCVD反応管で、この内部に回転陽極
基体2をターゲット挿入棒6を介して載置する。7は反
応管加熱コイルでこれによって反応管内温度を400℃
〜800℃に加熱する。8はWF6 ボンベ、9はその加
熱ヒータ、10はH2 ボンベ、11はArボンベで、各
ボンベはバルブVおよびマスフローメータ12またはフ
ローメータ13を介して反応管5に接続される。14は
排気ガス流路で、15は排気ガス処理部である。
【0011】以上の装置において反応管5内のターゲッ
ト棒6上に回転陽極基体2を図のごとくセットし、その
電子衝撃面を適当な物質でマスクしたのち、管内を0.
5〜760Torr程度に減圧し、H2 ボンベ10のバルブ
を開いてH2 ガスを流しながら、加熱コイル7に通電し
て管内を所望の温度に設定する。この状態でWF6 ボン
ベ8のバルブを開いてWF6 ガスを管内に流通させる。
これにより管内では次式(1) に示す水素還元反応が起
り、回転陽極基体2の表面にタングステンの膜が生成す
る。
【0012】 WF6 +3H2 →W+6HF …………… (1) 生成したHFガスは排気ガス流路14を通って、排気ガ
ス処理装置部15で処理される。所定時間この反応を継
続させた後、加熱を停止しWF6 ガス、H2 ガスボンベ
のバルブを閉じ、Arガスボンベ11のバルブを開いて
反応管内をArガスで置換し、管内を大気圧に戻して冷
却する。タングステンの膜はX線発生層では0.2〜
1.0mm程度の膜厚が必要であるが、熱放射膜を設け
る裏面側においては0.01mm以上あればよい。
【0013】次に熱放射膜4の形成方法について説明す
る。熱放射膜はプラズマ溶射法によって形成することが
でき、その形成方法及びプラズマ溶射装置を第3図を用
いて説明する。第3図において21は陰極、22はノズ
ル形状の陽極、23は被膜材料である容射材料粉末、2
4は作動ガスを示す。
【0014】以上の装置で、熱放射膜の形成に際してま
ずタングステン中間層を形成した窒化アルミニウムの回
転陽極基体2をX線照射面の裏面をプラズマ容射装置と
対向して配設する。そして、陰極21と陽極22の間に
高電圧をかけ両極間に直流ア−クを発生させ、後方から
供給される作動ガス24をこれによって熱し、高温プラ
ズマジェットとしてノズルから噴出させ、同時に溶射粉
末材料23を作動ガス24に載せて加熱、加速して回転
陽極基体の裏面に衝突させ熱放射膜を形成する。本実施
例では作動ガスとしてアルゴン等の不活性ガスを用い、
溶射粉末材料としてチタニアTiO2 ・アルミナAl2
3 の粉末(組成比4:6)を用いて溶射膜を形成し
た。熱放射膜としては数十μm程度の溶射膜が必要とさ
れるが、最適値としては約50μmである。
【0015】本発明の有効性を確認するために2個の窒
化アルミニウム回転陽極基体について、その一方のX線
照射面裏面に高融点金属中間層としてCVDによりタン
グステン約20μmの中間層を形成し、他方はそのまま
としてそれらの表面に同一条件でチタニウムTiO2
アルミナAl2 3 (組成比4:6)の熱放射膜を形成
し比較した。実験は真空中(10-5Torr)で温度を11
00℃として5時間の熱処理を行った。その結果、窒化
アルミニウムに直接熱放射膜を形成した方には一部に剥
離が認められたのに対し、タングステンによる中間層を
形成した方には全く剥離は認められず強固な密着性を示
した。
【0016】また、上記熱処理後の熱放射膜の全使用温
度帯での平均輻射率を測定した結果、輻射率0.9以上
が得られた。
【0017】以上によって得られた回転陽極基体を実際
にX線管に封じ込めた状態でX線を発生させた。具体的
には、X線透視装置や、X線コンピュータ断層撮影装置
(X線CT)で現実に撮影を行う条件でX線発生試験を
多数回行ったが、熱放射膜は剥離をすることなく放熱特
性に変化は認められなかった。
【0018】なお、前記中間層の形成手段としてCVD
法を用いることにより濡れ性の不足を解消しセラミック
ス表面に隙間なく、そして前記熱放射膜の形成に最適な
表面粗さの中間層を必要な厚さに形成することを可能と
した。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば苛酷な熱負荷に対し安定
で、高速回転における機械的強度が強くしかも熱放射性
の良好な理想の回転陽極X線管を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づくX線管回転陽極の1実施例の
断面図。
【図2】回転陽極基体にタングステン中間層を形成する
ためのCVD装置。
【図3】回転陽極基体に形成したタングステン中間層に
熱放射膜を形成するためのプラズマ容射装置
【符号の説明】
2…回転陽極基体 3…タングステン中間
層 4…熱放射膜 5…CVD反応管 7…加熱コイル 8…WF6 ボンベ
10…H2 ボンベ 11…Arボンベ 15…排気ガス処理

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性の良好なセラミックスからなる
    回転陽極基体に高融点金属からなる中間層を形成し、さ
    らに前記中間層に熱放射膜を形成したX線管陽極を備え
    たことを特徴とする回転陽極X線管。
JP11050792A 1992-04-28 1992-04-28 回転陽極x線管 Pending JPH05307941A (ja)

Priority Applications (1)

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JP11050792A JPH05307941A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 回転陽極x線管

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JP11050792A JPH05307941A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 回転陽極x線管

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JPH05307941A true JPH05307941A (ja) 1993-11-19

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ID=14537533

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JP11050792A Pending JPH05307941A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 回転陽極x線管

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JP (1) JPH05307941A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122101A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Tomohei Sakabe 画像測定方法及び画像測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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