JPH05305802A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH05305802A
JPH05305802A JP4110212A JP11021292A JPH05305802A JP H05305802 A JPH05305802 A JP H05305802A JP 4110212 A JP4110212 A JP 4110212A JP 11021292 A JP11021292 A JP 11021292A JP H05305802 A JPH05305802 A JP H05305802A
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slit
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small
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Kenichi Ueda
健一 上田
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トレッドパターンのスリットの傾き方向と角
度を特定して直進性を確保し、さらに使用条件等による
接地形状の変化が及ぼす各ブロックのPRCF成分の変
化を小さくしたタイヤを提供する。 【構成】 トレッド部センターCと接地面両端Eとの間
を2等分する線L上に存する主溝5aもしくは前記線L
に最も近い主溝5aを境に内域9aと外域9bとに区分
し、内外両域9a,9bに存するスリット6a,6bの
タイヤ幅方向に対する傾き角度を、内域9aのスリット
角度32°〜40°、外域9bのスリット角度0°〜4
0°にするか、または内域9aのスリット角度−32°
〜−40°、外域9bのスリット角度0°〜−40°の
範囲に設定する。さらに内外両域9a,9bのブロック
7に有するサイプもしくはノッチ等の小溝8a,8b
を、各々が存するブロック列におけるスリット角度に対
し絶対値が略同じ(5°以下)で逆傾斜の傾き角度に形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に乗用車用の空気入
りタイヤ、特にタイヤ幅方向のスリット(横溝)および
サイプもしくはノッチ等の小溝を含むトレッドパターン
を有するタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】乗用車等
の車両は、車種によっても異なるが、タイヤのベルト層
の曲率やコード角度、カーカス構造、あるいはタイヤ周
面の形状等によって、タイヤにドリフトフォースが働い
て、斜行する現象、所謂片流れ現象が発生し、車の直進
性を損なうことがある。
【0003】このような車両の片流れ現象は、前車輪の
タイヤの残留コーナリングフォース(以下、RCFと略
称する)と非常に高い相関があることが知られている。
一般的なタイヤのRCFと片流れ量(手離し走行時の横
ずれ量)との関係を示すと、主として図12のようにな
る。これを式で表わすと、 Y=a×RCF+b である。
【0004】前記において、aおよびbは車両によって
異なる定数であって、bは0に近い値である。したがっ
て、片流れ量(Y)は0に近いことが直進性の良いタイ
ヤの条件になり、それゆえRCFは0に近い値であるこ
とが望ましい。ただし、路面は雨水の排水性のために傾
き(カント)を有しており、それゆえ、この路面カント
に逆らって車を直進させるためには、右側通行地域向け
はRCFが負(−)、左側通行地域向けでは正(+)で
あることが望ましい。
【0005】前記のRCFはベルト層のコード角度や方
向によって調整可能であり、従来一般には、例えば仕向
け地によってベルト層のコード方向を変えることによ
り、直進性を確保するようにしていた。
【0006】しかしながら、トレッドパターンの形状に
よっては、そのパターンの方向性によりRCFのパター
ン成分が発生し、ベルト構造の調整のみでは片流れ量が
大きく現われる場合があった。すなわち、ベルト構造を
右側通行地域向けにしたタイヤでも、トレッドパターン
の形状によってはRCFが正(+)に出る場合があっ
た。
【0007】そこで、この出願の発明者は、トレッドパ
ターンの方向性によるRCFのパターン成分を考慮し
て、車の直進性を確保するために、トレッドパターンの
方向性、すなわちタイヤ幅方向のスリット(いわゆる横
溝)の傾き方向および角度とRCFとの関係について種
々検討を行ない、トレッドパターンの特にタイヤ幅方向
のスリットの傾き角度の範囲を特定し、車の直進性を確
保するようにした空気入りタイヤを先に提案した(特願
平3−227328号)。
【0008】ところが、上記提案のパターンによるタイ
ヤは、ある一定の条件のもとでは効果的であるが、その
使用条件が変れば、片流れの問題が残ることがある。こ
れについて説明する。
【0009】一般に、RCFは次の式で現わされる。 RCF=a×Fc+PRCF PRCF:RCFのプライステア成分 Fc :コニシティ a :タイヤによって変る係数で、1.5〜3の範囲
【0010】前記において、Fcは製造工程のバラつき
によって生じるものであり、また係数aを設計的にコン
トロールすることは難しい。したがってタイヤを設計す
る際にはPRCFを管理すれば良いのであるが、上記提
案のトレッドパターンでは、タイヤ構造(ベルト構造
等)を変更したとき、あるいはモールド形状を変えたと
き、摩耗したとき、さらに使用条件を変えたとき等の場
合に、片流れ量が大きく変ることがある。
【0011】この原因は、タイヤの接地形状が変ること
によるものと考えられる。
【0012】例えば、図11に示すトレッドパターンに
おいて、主溝(15a)を境に区分された内域(19
a)のブロック列のスリット(16a)の角度を−40
°、外域(19b)のブロック列のスリット(16b)
の角度を−30°とすると、そのPRCF成分は、内域
(19a)のブロック列では(+)側に、外域(19
b)のブロック列では(−)側に作用する。
【0013】ここで、図10において(A)で示す略矩
形の接地形状と、(B)で示す略丸形の接地形状との2
種類について考えてみる。略矩形の接地形状(A)の場
合、外域の接地圧が高く、この外域のブロック列の
(−)側に作用するPRCF成分の影響が大きくなる。
一方、略丸形の接地形状Bでは、接地圧が外域で低く、
内域で高くなって、この内域のブロック列の(+)側に
作用するPRCF成分の影響が大きくなる。それゆえ、
上記パターンにおいて仮に接地形状が略矩形から略丸形
に変化すると、PRCF成分は(+)側に変化すること
になる。
【0014】そして、ベルト構造として、図9の(A)
に示すように、ベルト層(2)の外側に略全面を覆うキ
ャッププライと称する補強層(4a)を設けた場合と、
同図の(B)のように、ベルト層(2)の両端部を覆う
エッジプライと称する補強層(4b)を設けた場合とで
接地形状が異なり、(A)構造の場合には図10中のA
のように略矩形になり、また同(B)構造の場合には同
図中のBのように略丸形になる。
【0015】また、荷重の増減によってもタイヤの接地
形状が変化するもので、例えば荷重が増大すると、接地
形状が図11の破線から実線に変化するもので、このと
き特に外域(19b)の接地面積が大きく増えるため、
この外域のブロック列のPRCF成分の影響が大きくな
る。
【0016】このように、タイヤの接地形状は、タイヤ
構造(ベルト構造等)のほか、モールド形状、摩耗やバ
フ修正、あるいは荷重や空気圧、速度等の使用条件によ
っても変化するもので、この接地形状の変化によって内
外両域それぞれのブロック列のPRCF成分も変化する
ことになる。
【0017】したがって、内外両域それぞれのブロック
列のPRCF成分をもともと小さくしておけば、荷重そ
の他の使用条件あるいは構造等によって接地形状が変っ
ても、PRCF成分が変化し難くなり、使用条件や構造
の変化に対する制約が少なく特に望ましいものとなる。
【0018】本発明は、上記に鑑みて、トレッドパター
ンのブロック列のPRCF成分を小さくし、構造や使用
条件等による接地形状の変化が及ぼすPRCF成分の変
化を小さくしたタイヤを提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッドパタ
ーンが、複数本のタイヤ周方向に連続する主溝と、該主
溝からタイヤ幅方向に延びる多数のスリットと、サイプ
もしくはノッチ等の小溝とを有してなる空気入りタイヤ
において、上記の課題を解決するために、トレッド部に
おけるセンターと接地面両端との間を2等分する線上に
存する主溝もしくは前記線に最も近い主溝を境に内域と
外域とに区分し、内外両域に存するスリットのタイヤ幅
方向に対する傾き角度を下記(a)または(b)の範囲
に設定するとともに、内外両域のブロックに有するサイ
プもしくはノッチ等の小溝を、各々が存するブロック列
におけるスリット角度に対し絶対値が略同じで逆傾斜の
傾き角度に形成してあることを特徴とする。
【0020】(a) 内側域のスリット角度 32°
〜40° 外側域のスリット角度 0°〜40° (b) 内側域のスリット角度 −32°〜−40° 外側域のスリット角度 0°〜−40° (ただし、+は右上がりの角度、−は左上がりの角度)
【0021】すなわち、前記の内外両域のスリット角度
が40°より大きい角度になると、RCFに大きなパタ
ーン成分が発生し、片流れ量に影響を与え好ましくな
い。また内域のスリット角度が32°より小さい角度に
なると、RCFのパターン成分は小さいものの、パター
ンノイズの発生が顕著になり好ましくない。外域のスリ
ット角度は、内側域のスリット角度より小さく設定して
おくのが、偏摩耗防止の点から特に好ましい。
【0022】また、前記において、内外両域の各ブロッ
ク列におけるサイプもしくはノッチ等の小溝の傾き角度
とスリット角度の絶対値の差は5°以下の略同程度とす
るのが好ましい。すなわち、前記の角度差が5°より大
きくなると、接地形状の変化によるPRCF成分の変化
も大きくなり、接地形状の変化に対して十分な効果が得
られなくなる。
【0023】さらに、内域のブロック列における小溝の
総長さと、外域のブロック列における小溝の総長さとを
略同程度にするのが望ましい。すなわち、前記総長さに
大きな差があると、総長さが長いほうのブロック列の小
溝によるPRCF成分の影響が大きくなり好ましくな
い。
【0024】なお、前記における内外両域のブロック列
におけるスリット角度および小溝の角度はそれぞれのス
リット平均および小溝平均の傾き角度である。
【0025】
【作用】上記の構成よりなる本発明の空気入りタイヤに
よれば、トレッドパターンにおけるスリットの傾き角
度、すなわち内外両域のスリット角度を特定の角度範囲
にして同一傾き方向にしているために、直進性に影響を
与えるRCFのパターン成分が小さく、パターンの方向
性が原因とする片流れ量が大きくなることがない。しか
も、パターンノイズを低く抑えることができ、また偏摩
耗の発生も抑制できる。
【0026】特に、本発明の場合、内外両域のブロック
列にそれぞれ有するサイプもしくはノッチ等の小溝を、
各々が存するブロック列におけるスリット角度に対し絶
対値が略同じでかつ逆傾斜の傾き角度に形成してあるた
め、スリットの傾きによる方向性がサイプやノッチ等の
小溝によって適度に抑えられ、そのため、仮に荷重や空
気圧および速度等の使用条件あるいはタイヤ構造等が変
化して接地形状が変り、これによって内外両域のブロッ
ク列の接地圧や接地面積が変ったとしても、内外両域の
ブロック列のPRCF成分の変化が小さく、その影響も
小さくなる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0028】図1はタイヤ(T)の断面構造を示してい
る。図において、(1)はカーカスプライ、(2)はカ
ーカスプライ(1)の外側のトレッド部(3)との間に
配設された2層のベルト層であり、スチールコードまた
は各種の工業用繊維のコードからなる両ベルト(2a)
(2b)をタイヤ周方向に対し所要の傾き角度、方向に
積層してなる。このベルトは3層以上の場合もあり、ま
た必要に応じて、図9(A)(B)のようにベルト層
(2)の外側全面を覆うキャッププライ、あるいは両側
端部を覆うエッジプライと称するナイロン繊維コード等
よりなる補強層(4a)(4b)を配する場合もある。
【0029】トレッド部(3)の表面におけるトレッド
パターンは、図2に示すようにタイヤ周方向に連続する
複数本(図の場合4本)の主溝(5)と、この主溝
(5)からタイヤ幅方向(横方向)に延びたスリット
(6a)(6b)、さらに前記主溝(5)とスリット
(6a)(6b)によって画成されるブロック(7)に
有するサイプもしくはノッチ等の小溝(8a)(8b)
とによってパターン形成されている。
【0030】図2は小溝(8a)(8b)としてのサイ
プを各ブロック(7)に1個づつ入れた場合を示し、図
3は前記のサイプを各ブロック(7)に2個づつ入れた
場合を示し、また図4は小溝(8a)(8b)としての
ノッチを各ブロック(7)に2個づつ入れた場合を示し
ている。
【0031】なお、この発明において、スリット(6
a)(6b))は、幅が1,5mmより大きい溝で両端
が開口しているものを言い、また小溝(8a)(8b)
としてのサイプはごく細幅(1.5mm以下)の溝であ
り、またノッチは溝幅が1.5mm以上で少なくとも一
端が閉塞している溝を言う。
【0032】そして、トレッド部(3)のセンター
(C)と接地面両端(E)の間を2等分するタイヤ周方
向の線(L)上に存する主溝(5a)、もしくは該線
(L)に最も近い位置の主溝(5a)を境にして、トレ
ッドパターンを内域(9a)と外側域(9b)とに区分
する。
【0033】そして、前記の内域(9a)のブロック
(7)の列に存するスリツト(6a)と、外域(9b)
のブロック(7)の列に存するスリット(6b)とのタ
イヤ幅方向に対する傾き角度(θ1 )(θ2 )を、それ
ぞれ下記表1における(a)または(b)の角度範囲に
設定する。
【0034】また、内外両域(9a)(9b)の各ブロ
ック(7)列に存するサイプ等の小溝(8a)(8b)
については、下記表1の(a)および(b)にそれぞれ
併せて示すように、各々が存するブロック(7)の列に
おけるスリット角度(θ1 )(θ2 )に対し絶対値が略
同じでかつプラスとマイナスの符号が逆、つまり逆傾斜
の傾き角度(β1 )(β2 )に形成する。この小溝(8
a)(8b)の角度(β1 )(β2 )と前記スリット角
度(θ1 )(θ2 )との絶対値の差はせいぜい5°以下
とする。
【0035】
【表1】 ここで、(+)は右上がりの角度、(−)は左上がりの
角度を示しており、図2〜図4は全て表1中の(b)構
造に相当する。
【0036】上記において、スリット角度(θ1 )(θ
2 )は、図2〜図4のように一定の角度の直線状をなす
場合は、スリット中心線のタイヤ幅方向直線に対してな
す角度とする。
【0037】またスリット(6a)(6b)は、図5に
例示するように部分的に屈曲している場合が多い。この
場合、スリット角度は、ブロック(7)側端における周
方向直線とスリット中心線の交点と交点とを結ぶ直線
が、タイヤ幅方向直線に対してなす角度とし、内域(9
a)および外域(9b)のそれぞれのスリット(6a)
(6b)についての平均角度とする。ただし、外域(9
b)のスリット(6b)の最外側端の交点はスリット中
心線と最大接地面側端(E)との交点として、この交点
と前記交点とを結ぶ直線が、タイヤ幅方向に対してなす
角度とする。
【0038】さらに、通常パターンノイズの低減を目的
として、スリット角度の異なる3〜5種類のスリットを
周方向にそれぞれ異なったピッチで配して構成するのが
一般的である。この場合は、それぞれの複数のスリット
角度の平均とする。
【0039】さらにまた、各ブロック(7)の小溝(8
a)(8b)についても、上記のスリット角度と同様
に、一定の角度の直線状をなす場合は小溝中心線のタイ
ヤ幅方向直線に対してなす角度とし、また屈曲している
場合は、その小溝中心線とのブロック側端におけるタイ
ヤ周方向直線との交点を結ぶ直線がタイヤ幅方向直線に
対してなす角度とし、さらに異なる数種を類内外両域そ
れぞれの平均の角度とする。
【0040】内域(9a)のブロック列における小溝
(8a)の総長さと、外域(9b)のブロック列におけ
る小溝(8b)の総長さを略同程度にする。
【0041】上記のように、内外両域(9a)(9b)
の各ブロック(7)にそれぞれサイプもしくはノッチ等
の小溝(8a)(8b)を形成してあると、スリット
(6a)(6b)の傾きによる方向性がこの小溝(8
a)(8b)によって適度に抑えられる。そのため、仮
に荷重や空気圧および速度等の使用条件あるいはタイヤ
構造等の変化により接地形状が変り、内外両域(9a)
(9b)のブロック列の接地面積が変ったとしても、内
外両域(9a)(9b)それぞれにおけるPRCF成分
の変化、特に外域(9b)のPRCF成分の変化が小さ
く、その影響も小さくなる。
【0042】(実施例1)上記の効果を確認するため、
スチールベルト2層による図9の(B)に示すタイヤ構
造をなし、図2に示すトレッドパターンによる右側通行
地域向けのタイヤ(タイヤサイズ:185/60 R1
4)について、荷重変化とPRCF成分の関係を調べ
た。その結果を図6に示す。なお、速度(7km/h)
およびタイヤ内圧(2.0kgf/cm2 )は一定とし
た。
【0043】また、前記同様のタイヤについて、タイヤ
内圧の変化とPRCF成分の関係を調べた。その結果を
図7に示す。なおこのとき、荷重(300kgf)およ
び速度(7km/h)は一定とした。
【0044】さらに、前記同様のタイヤについて、速度
変化とPRCF成分との関係を調べた。その結果を図8
に示す。なおこのとき、荷重(300kgf)およびタ
イヤ内圧(2.0kgf/cm2 )は一定とした。
【0045】なお、上記いずれの場合についても、比較
のためにサイプ等の小溝を有さないパターンのタイヤ
(比較品)についても、同様にPRCF成分の変化を調
べ、その結果を図6〜図8において併せて破線で示し
た。
【0046】上記から明らかなように、本発明品は荷
重、タイヤ内圧(空気圧)、速度等の使用条件の変化に
よるPRCF成分の変化は比較品に比して小さく、殆ど
変化しないものとなり、接地形状の変化によるPRCF
成分の変化が小さく、その影響を受け難いものとなっ
た。
【0047】すなわち、一般には荷重が小、空気圧力が
大になるにつれて接地面積は減るが、特に内域より外域
のほうが接地面積は減少する。そのため、前記の比較品
は、荷重小、空気圧大になるにつれて、外域のブロック
列によるPRCF成分(−)側の寄与が小さくなり、内
域のブロック列によるPRCF成分(+)側の寄与が大
きくなる。これに対し、本発明品の場合、スリット角度
と絶対値が略同じで逆傾斜の傾き角度によるサイプ等の
小溝が形成されているために、スリット角度による各ブ
ロックのPRCF成分が抑えられて、内外両域のブロッ
クのPRCF成分の寄与がいずれも小さくなるのであ
る。
【0048】(実施例2)また、上記と同じパターン構
造で、ベルト構造を図9(A)構造と(B)構造とした
2種のタイヤ(タイヤサイズ:185/60 R14)
について、それぞれPRCF成分を測定した。その結果
を下記表2に示す。また、併せてサイプ等の小溝を有さ
ないパターン構造のタイヤ(比較例)についても同様に
PRCF成分を測定した。
【0049】
【表2】
【0050】上記の結果によると、比較例はPRCF成
分が大きく変化するが、実施例のパターン構造による
と、ベルト構造違いでもPRCF成分の変化が小さいも
のとなった。
【0051】
【発明の効果】上記したように本発明の空気入りタイヤ
によれば、直進性に影響を与えるRCFのパターン成分
が小さく、パターンの方向性が原因とする片流れ量が大
きくなることがない。特に本発明の場合、内外両域それ
ぞれのブロック列にスリット角度に対応した特定のサイ
プ等の小溝を形成したことにより、各ブロックのPRC
F成分がもともと小さく、荷重その他の使用条件によっ
て接地形状が変っても、接地形状の変化が及ぼすPRC
F成分の変化が小さく、その影響が小さくなる。したが
って、接地形状が変化してもPRCF成分が変化し難い
パターンとなり、使用条件や構造の変化に対する制約も
少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す一部のタイヤの略示断
面図である。
【図2】同上のベルト構造とトレッドパターン形状を略
示する一部の平面図である。
【図3】他のトレッドパターンを例示する一部平面図で
ある。
【図4】さらに他のトレッドパターンを例示する一部平
面図である。
【図5】同上のスリット角度および小溝の説明図であ
る。
【図6】RCFのプライステア成分(PRCF)と荷重
との関係を示すグラフである。
【図7】RCFのプライステア成分(PRCF)とタイ
ヤ内圧との関係を示すグラフである。
【図8】RCFのプライステア成分(PRCF)と速度
との関係を示すグラフである。
【図9】ベルト層外側にキッププライを配したベルト構
造(A)と、エッジプライを配したベルト構造(B)と
を示す略示断面図である。
【図10】前図のベルト構造によるタイヤ接地形状を示
す略示平面図である。
【図11】サイプ等の小溝を設けないパターン形状を示
す略示平面図である。
【図12】残留コーナリングフォース(RCF)と片流
れ量との相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
(1) カーカスプライ (2) ベルト層 (3) トレッド部 (5) 主溝 (6a) 内域のスリット (6b) 外域のスリット (7) ブロック (8a) 内域のサイプ等の小溝 (8b) 外域のサイブ等の小溝 (9a) 内域 (9b) 外域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッドパターンが、複数本のタイヤ周
    方向に連続する主溝と、該主溝からタイヤ幅方向に延び
    る多数のスリットと、サイプもしくはノッチ等の小溝と
    を有してなる空気入りタイヤにおいて、 トレッド部におけるセンターと接地面両端との間を2等
    分する線上に存する主溝もしくは前記線に最も近い主溝
    を境に内域と外域とに区分し、内外両域に存するスリッ
    トのタイヤ幅方向に対する傾き角度を下記(a)または
    (b)の範囲に設定するとともに、内外両域のブロック
    に有するサイプもしくはノッチ等の小溝を、各々が存す
    るブロック列におけるスリット角度に対し絶対値が略同
    じで逆傾斜の傾き角度に形成してあることを特徴とする
    空気入りタイヤ。 (a) 内側域のスリット角度 32°〜40° 外側域のスリット角度 0°〜40° (b) 内側域のスリット角度 −32°〜−40° 外側域のスリット角度 0°〜−40° (ただし、+は右上がりの角度、−は左上がりの角度)
  2. 【請求項2】 内外両域の各ブロック列におけるサイプ
    もしくはノッチ等の小溝の傾き角度とスリット角度の絶
    対値の差は5°以下である請求項1に記載の空気入りタ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 内域のブロック列における小溝の総長さ
    と、外域のブロック列における小溝の総長さを略同程度
    にした請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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