JPH05305465A - 炭素鋼等のレーザクラッド法 - Google Patents

炭素鋼等のレーザクラッド法

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JPH05305465A
JPH05305465A JP4110474A JP11047492A JPH05305465A JP H05305465 A JPH05305465 A JP H05305465A JP 4110474 A JP4110474 A JP 4110474A JP 11047492 A JP11047492 A JP 11047492A JP H05305465 A JPH05305465 A JP H05305465A
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JP
Japan
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laser beam
clad layer
laser
annealing
hardened part
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Withdrawn
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JP4110474A
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English (en)
Inventor
Tadahiro Umemoto
忠宏 梅本
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素鋼等のレーザクラッド法に係るもので、
クラッド層を炭素鋼及び低合金鋼等に形成して耐食性を
向上させながら硬化部を除去する。 【構成】 母材表面にレーザ焼成によってクラッド層を
形成し、その形成後に焦点を外したレーザービームによ
りクラッド層を照射して、クラッド層形成時の硬化部を
再加熱して焼鈍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素鋼等のレーザクラ
ッド法に係り、特に、レーザ照射によって形成したクラ
ッド層の直下に生じた硬化部を除去するものである。
【0002】
【従来技術】従来、ステンレス鋼の耐食性を向上させる
技術として、特開平1−199919号公報(ステンレ
ス鋼のクラッド用材料)、特開平1−199920号公
報(ステンレス鋼の耐食性改善方法)、特開平1−19
9921号公報(耐食性ステンレス鋼)が提案されてい
る。これらの先行技術では、ステンレス鋼の表面にクロ
ム系複合材からなるクラッド層をレーザ焼成することに
よって、ステンレス鋼が本来有している耐食性を飛躍的
に向上させるようにしている。
【0003】これらの先行技術にあっては、レーザービ
ームによる急速加熱によって、クロム系複合材を短時間
で溶解させ、レーザービームによる加熱範囲が小さいこ
とに基づき、比較的限定された所望の範囲にクラッド層
を形成することができるものであるが、クラッド層の近
傍の母材組織中にレーザービームによる熱影響部が発生
し、該熱影響部の一部に当初の金属組織よりも硬度の高
くなった硬化部が形成されて、金属組織の靭性の低下を
招くとともに、該硬化部が水素割れ、応力腐食割れの要
因の一つとなることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる場合には、応力
除去焼鈍を実施して引っ張り残留応力の除去と硬化部の
軟化処理とを行なうことが有力であるが、クラッド層が
形成される母材が小さな部品である特殊な場合を除き、
クラッド層を大型構造物の一部表面に対して適用する場
合等にあっては、例えば焼鈍炉の中に大型構造物を装填
して焼鈍処理する等の手法を採用することができない。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、クラッド層を炭素鋼及び低合金鋼等に形成して
耐食性を向上させること、クラッド層の形成に連動し
て硬化部を除去することを目的としているものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明に係る炭素鋼等のレーザクラッド法にあって
は、母材表面にレーザ焼成によってクラッド層を形成
し、該クラッド層の形成後に焦点を外したレーザービー
ムによりクラッド層を照射して、クラッド層形成時の硬
化部を再加熱して焼鈍する構成を採用している。
【0007】
【作用】レーザ焼成によってクラッド層を形成すると、
比較的狭い範囲の加熱が行なわれて、クラッド層の直下
位置に、母材組織中に、硬化部が発生する。クラッド層
を焦点を外したレーザービームにより照射すると、比較
的広い範囲の加熱が行なわれて、母材の温度上昇が抑制
され、レーザービームによる熱影響部が当初の硬化部に
及び、硬化部を軟化組織とする処理が行なわれる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る炭素鋼等のレーザクラッ
ド法の一実施例について、図1に基づいて説明する。図
中、符号1は母材、2は被焼成被膜、3はクラッド層、
4は溶融池、5はレンズ、5aは焼成用レーザビーム、
5bは焼鈍用レーザービーム、Aは焼成時熱影響部、B
は焼鈍時熱影響部、Cは硬化部である。
【0009】該一実施例にあっては、前記母材1が、例
えば炭素鋼や低合金鋼とされる。
【0010】前記被焼成被膜2は、クラッド層3におけ
る所望金属成分に対応して金属成分が設定され、前述し
た先行技術に準じて、クロム系複合材からなる金属粉末
とバインダとを混合したものを主成分とするペースト状
の混合塗料を塗装することにより塗膜化してなるもので
ある。
【0011】以下、レーザクラッド法について工程順に
説明する。
【0012】前述した先行技術に準じて、例えばYAG
レーザを利用したレーザービームを二つの離間するレン
ズ5によって集光させて、スポット化した焼成用レーザ
ビーム5aと、焦点をずらして加熱範囲を大きくした焼
鈍用レーザービーム5bとを発生させる。
【0013】レーザ焼成処理にあっては、焼成用レーザ
ビーム5aによって被焼成塗膜2を加熱して溶解させな
がら、図1に矢印で示すように、焼成用レーザビーム5
aを進行させることによって、被焼成塗膜2の焼成を行
なう。この加熱によって、母材1の一部と被焼成塗膜2
とが溶融状態に導かれる。
【0014】レーザ焼成によって、母材1の一部と被焼
成塗膜2とが溶融した状態となると、被焼成塗膜2のバ
インダ、耐熱塗料等が蒸着して溶融池4から除去され、
溶融池4の部分で母材1の金属成分の一部を取り込む現
象も生じるため、母材1と被焼成塗膜2との両構成金属
材料が相互に混ざり合い、中間的な成分配合となる。
【0015】焼成用レーザビーム5aの後方位置では、
溶融池4の溶融金属が冷却状態に導かれて固化状態とな
ることによって、所望の成分配合のクラッド層3が形成
されるものとなる。
【0016】前述したように、クラッド層3の近傍にお
ける母材1の組織中には、熱影響部(焼成時熱影響部)
Aが形成されるとともに、焼成用レーザビーム5aによ
る加熱範囲から外れた部分で、焼成時熱影響部Aのクラ
ッド層3の近接位置には、当初の金属組織よりも硬度の
高くなった硬化部Cが形成される。該硬化部Cは、焼成
用レーザビーム5aによる加熱温度が、例えば2000
℃程度まで上昇することと、加熱範囲が小さく、かつ、
その加熱範囲から外れると熱容量の大きな母材1への熱
伝達によって急冷されることに基づき、焼成されたクラ
ッド層3に沿って形成されることになる。
【0017】レーザ焼鈍処理にあっては、焼成用レーザ
ビーム5aによる加熱箇所の後方位置に、焼鈍用レーザ
ービーム5bによる加熱箇所を設定するとともに、レン
ズ5をクラッド層3に近づけること等によって、焦点を
外した焼鈍用レーザービーム(レーザービーム)5bで
クラッド層3を加熱する。
【0018】焦点を外した焼鈍用レーザービーム5bを
使用すると、その加熱範囲が比較的広くなるとともに、
単位面積当たりの熱供給量が少なくなって、クラッド層
3の温度上昇が抑制され、クラッド層3の直下に発生す
る焼鈍時熱影響部Bの深さが浅くなるとともに、クラッ
ド層3については溶解されない温度、硬化部Cについて
は例えば700〜800℃の焼鈍温度に設定される。こ
のように、焼鈍用レーザービーム5bによる焼鈍時熱影
響部Bが、当初の硬化部Cに及ぶことによって、硬化部
Cを軟化組織とする処理が行なわれる。
【0019】〔他の実施態様〕なお、本発明にあって
は、次の技術を採用することができる。 焼成用レーザビーム5a及び焼鈍用レーザービーム5
bを同期させた状態で、平行移動させること。 その場合にあって、同一の移動機器等にレーザ発生手
段を搭載すること。 焼鈍用レーザービーム5bについて、レンズ5をクラ
ッド層3から遠ざけることによって、焦点を外すこと。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る炭素鋼等のレーザクラッド
法にあっては、母材表面にレーザ焼成によってクラッド
層を形成し、その形成後に焦点を外したレーザービーム
によりクラッド層を照射して、クラッド層形成時の硬化
部を再加熱して焼鈍するものであるから、以下の効果を
奏する。 (1) クラッド層を炭素鋼及び低合金鋼等に形成して
耐食性を向上させ、その後に、硬化部を除去することに
より、クラッド層形成の信頼性を向上させることができ
る。 (2) 大型構造物の表面にクラッド層を形成する場合
の硬化部の除去を簡単に実施して、適用性を拡大するこ
とができる。 (3) 二つのレーザービームを同時に移動させながら
処理することにより、クラッド層の形成工程に連動して
硬化部を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭素鋼等のレーザクラッド法の実
施状況例を示す正断面図である。
【符号の説明】
1 母材 2 被焼成被膜 3 クラッド層 4 溶融池 5 レンズ 5a 焼成用レーザビーム(レーザービーム) 5b 焼鈍用レーザービーム(レーザービーム) A 焼成時熱影響部 B 焼鈍時熱影響部 C 硬化部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材表面にレーザ焼成によってクラッド
    層を形成し、該クラッド層の形成後に焦点を外したレー
    ザービームによりクラッド層を照射して、クラッド層形
    成時の硬化部を再加熱して焼鈍することを特徴とする炭
    素鋼等のレーザクラッド法。
JP4110474A 1992-04-28 1992-04-28 炭素鋼等のレーザクラッド法 Withdrawn JPH05305465A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013237930A (ja) * 2013-07-04 2013-11-28 Panasonic Corp 三次元形状造形物の製造方法およびそれから得られる三次元形状造形物
JP5956650B1 (ja) * 2015-06-03 2016-07-27 株式会社Ihi 表面処理装置
JP2017154159A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 公立大学法人大阪府立大学 金属間化合物合金、金属部材及びクラッド層の製造方法
CN109622615A (zh) * 2018-11-23 2019-04-16 南京理工大学 一种利用激光加热获得可控软硬层状结构金属板材的工艺

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JP2013237930A (ja) * 2013-07-04 2013-11-28 Panasonic Corp 三次元形状造形物の製造方法およびそれから得られる三次元形状造形物
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Effective date: 19990706