JPH05304976A - ペプチドの製造法 - Google Patents

ペプチドの製造法

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JPH05304976A
JPH05304976A JP4030635A JP3063592A JPH05304976A JP H05304976 A JPH05304976 A JP H05304976A JP 4030635 A JP4030635 A JP 4030635A JP 3063592 A JP3063592 A JP 3063592A JP H05304976 A JPH05304976 A JP H05304976A
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leu
cysteine
lys
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紀 西村
Nobuyuki Koyama
信行 小山
Masato Kuriyama
正人 栗山
Tsunehiko Fukuda
常彦 福田
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】蛋白質やペプチドを分解を受けることなく製造
する方法を確立する。 【構成】N末端にシステインを有する蛋白質またはペプ
チドのN末端にシステインを含まないペプチドを連結し
た融合蛋白質またはペプチドを製造し、次いでこれをペ
プチド結合を切断する反応に付すことにより、システイ
ンを含まない目的とするペプチドを製造する。 【効果】システインを含まないペプチドを分解を受ける
ことなく大量に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、融合蛋白質またはポリ
ペプチドを製造し、次いで該融合蛋白質またはポリペプ
チドをペプチド結合の切断反応に付すことにより、シス
テインを含まないペプチドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子組換え技術を用いて、ペプチドを
製造するに際しては、ペプチドが細胞内で、分解を受け
やすいために、融合蛋白質の形で発現させることがしば
しば行なわれている。融合蛋白質からの目的ペプチドの
切り出しには、ブロムシアンを用い化学的に切断する方
法(イタクラら、Science, 198, 1056(1977))、ファフ
ターXaを用い酵素的に切断する方法(ナガイら、Metho
ds in Enzymology, 153,46(1987))が知られている。さ
らに、蛋白質中のペプチド結合を切断する方法として、
2−ニトロ−5−チオシアノ安息香酸によるアシルシス
テイン結合の切断が知られている(「生化学実験講座」
1,タンパク質の化学II,日本生化学会編,東京化学同
人発行,第247〜250頁1976年)。しかしなが
ら、蛋白質からの目的ペプチドの切り出しについては、
開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来知られている技術
において、ブロムシアンを用いる場合には、メチオニン
を含有するペプチドの製造には適用することはできない
し、ファクターXaを使用する場合には、切り出し時の
収率等に問題が多い。このように、融合蛋白質またはポ
リペプチドから目的とするペプチドを効率良く切り出す
方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
点に鑑み、ブロムシアン,ファクターXaを用いること
なく、融合蛋白質から、目的ペプチドを効率的に切り出
す方法について、鋭意検討を加えたところ、N末端にシ
ステインを有する蛋白質またはポリペプチドのN末端に
システインを含まないペプチドを連結した融合蛋白質ま
たはポリペプチドを製造し、次いでこれをペプチド結合
を切断する反応に付すことにより、システインを含まな
い目的とするペプチドを効率良く製造できることを見い
出し、これに基づいてさらに研究した結果、本発明を完
成した。
【0005】本発明は、(1)N末端にシステインを有す
る蛋白質またはペプチドのN末端にシステインを含まな
いペプチドを連結した融合蛋白質またはペプチドをコー
ドする遺伝子を含有するベクターを保持する形質転換体
を培養して融合蛋白質またはペプチドを発現させ、発現
された融合蛋白質またはペプチドをシステイン残基のア
ミノ基側のペプチド結合の切断反応に付すことを特徴と
するシステインを含まないペプチドの製造法; (2)N末端にシステインを有する蛋白質またはペプチド
のN末端にシステインを含まないペプチドを連結した融
合蛋白質またはペプチドをコードする遺伝子を構築し、
該遺伝子を有するベクターを保持する形質転換体を作製
し、該形質転換体を培養して融合蛋白質またはペプチド
を発現させ、発現された融合蛋白質またはペプチドをシ
ステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に
付すことを特徴とするシステインを含まないペプチドの
製造法; (3)N末端にシステインを有するペプチドのN末端にシ
ステインを含まないペプチドを連結したポリペプチドを
化学的に合成し、合成されたポリペプチドをシステイン
残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に付すこと
を特徴とするシステインを含まないペプチドの製造法; (4)システイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断
反応がシアノ化反応、次いでアミノ化合物または置換ア
ミノ化合物を用いて、システインを含まないペプチドの
アミドまたは置換アミドを製造する上記1,2または3
項の製造法;および
【0006】(5)一般式 R1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-R2-His-Asn-R3-R4-R5-His
-Leu-Asn-Ser-R6-R7-Arg-R8-Glu-R9-Leu-R10-R11-R12-L
eu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R13 〔I〕 〔式中R1はSerまたはAibを、R2はMetまたは天然型の脂
溶性アミノ酸を、R3はLeu,Ser,Lysまたは芳香族アミ
ノ酸を、R4はGly,またはD-アミノ酸を、R5はLysまたは
Leuを、R6はMetまたは天然型の脂溶性アミノ酸を、R7
Glu,または塩基性アミノ酸を、R8はVal,または塩基性
アミノ酸を、R9はTrpまたは2-(1,3-ジチオラン-2-イル)
Trpを、R10はArgまたはHisを、R11はLysまたはHisを、
R12はLys,GlnまたはLeuを、R13はフェニルアラニン置
換アミドで表されるペプチドまたはその塩である。
【0007】上記式(I)において、R2またはR6で示さ
れる脂溶性アミノ酸としては、動物,植物または微生物
を起源とする天然の蛋白質からなるものが挙げられ、具
体的には、Leu,Ile,Val,PheまたはTrpが挙げられ
る。R3で示される芳香族アミノ酸としては、Phe,β−
ナフチルAla,Trp,Tyrが挙げられる。R4で示されるD
−α−アミノ酸としては、特に限定されるものではな
く、具体的にはD-Leu, D-Ile, D-Nle, D-Val, D-Ser, D
-Ser(But), D-Abu, D-Thr, D-Nva, D-Met, β-ナフチル
-D-Ala, D-Trp, D-Tyr, D-Lys, D-Lys(Fmoc), D-Phe, D
-Asnなどが挙げられるが、に中性アミノ酸が好ましく、
例えばD-Ser,D-Leu,D-ナフチルAla,D-Trp,D-Asn,D
-Asn等が挙げられる。R7およびR8で示される塩基性ア
ミノ酸としては、Arg,Lys,AsnおよびHisが挙げられ
る。
【0008】置換アミノまたは置換アミドとしては、た
とえば、モノ−またはジ−置換体が挙げられる。該置換
基としては、(i)C1-20アルキル,C3-8シクロアルキ
ル,アリール(aryl)またはアリール−C1-3アルキルで
あって、これらは置換基を有していないかあるいは1〜
3個のアミノ基,水酸基を炭素原子に有していてもよい
もの、(ii)アミノ,または置換アミノ、(iii)水酸基
またはC1-6アルキル基などが挙げられる。上記C1-20
アルキルの例としては、たとえば、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピル,ブチル,sec-ブチル,ペンチ
ル,イソペンチル,ネオペンチル,1−エチルペンチ
ル,ヘキシル,イソヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノ
ナニル,デカニル,ウンデカニル,ドデカニル,テトラ
デカニル,ペンタデカニル,ヘキサデカニル,ヘプタデ
カニル,オクタデカニル,ノナデカニルおよびエイコサ
ニルなどが挙げられる。上記C3-8シクロアルキルの例
としては、たとえば、シクロプロピル,シクロブチル,
シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シ
クロオクチルなどが挙げられる。上記アリールの例とし
ては、フェニル,ナフチル,アンスリル,フェナンスリ
ル,アセナフチレニルなどが挙げられる。上記アリール
−C1-3アルキルの例としては、たとえばベンジル,フ
ェネチル,3−フェニルプロピル,(1−ナフチル)メチ
ル,(2−ナフチル)メチルなどが挙げられる。上記C
1-6アルコキシの例としては、たとえばメトキシ,エト
キシ,プロポキシ,ブトキシ,ペンチルオキシ,ヘキシ
ルオキシなどが挙げられる。
【0009】上記(ii)の置換アミノの置換基の例として
は、たとえばアミノ酸,2〜10個のアミノ酸からなる
ペプチドが挙げられる。上記アミノ酸としては、L−体
でもD−体でもよく、その例としては、例えば、Ala,A
rg,Asp,Asn,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Met,Leu,P
he,Pro, Ser,Thr, Trp, Tyr, Valが挙げられる。上記
ペプチドの例としては、たとえば、H-D-Leu-Leu-Arg-Pr
o-NH-C2H5(配列表:配列番号1),H-Val-Ala-Leu-D-Ala
-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg-OH(配列表:配列番号2)な
どが挙げられる。上述の塩の例としては、無機塩基
(例、ナトリウム,アンモニウムなど)との塩,有機塩
基(例、トリエチルアミン,エチルアミン,メチルアミ
ンなど)との塩,無機塩(例、塩酸塩,硫酸塩,硝酸塩
など),有機塩(例、ギ酸塩,酢酸塩,プロピオネー
ト,酒石酒塩,クエン酸塩など)が挙げられる。
【0010】本発明方法において目的とするペプチドと
しては、システインを含まないペプチドであれば、いず
れのペプチドでもよい。該システインを含まないペプチ
ドとしては、分子量が100〜12000のものが好ま
しく、200〜7000のものがさらに好ましい。さら
に、該システインを含まないペプチドとしては、たとえ
ば、2〜100個のアミノ酸からなるものが好ましく、
さらに、3〜70個のアミノ酸からなるものが好まし
い。その具体例としては例えば、副腎皮質刺激ホルモン
(ACTH),副甲状腺ホルモン(PTH),エンケファリ
ン類,エンドルフィン類,各種オピオイドペプチド類,
β−メラニン細胞刺激ホルモン,Glucose-dependent In
sulinotropic Polypeptide(GIP),グルカゴン,Gluc
agon-likePeptide(GLP−IおよびII),モチリン,サ
イモポエチン,サイモシン類,ユビキチン,血清胸腺因
子,胸腺液性因子,各種キニン類,ニューロテンシン,
タフトシン,および上記のペプチドのフラグメント等が
挙げられる。
【0011】ペプチドの中には、C末端にアミドを有す
るもの、分子内に−S−S−結合を有するものも数多く
存在する。これらも上記目的とするペプチドに含まれ
る。例えば、ガストリン,カルシトニン,カルシトニン
遺伝子関連ペプチド,コレシストキニン−パンクレオザ
イミン(CCK−PZ),エレドイシン,上皮細胞増殖因
子(EGF),腫瘍増殖因子(TGF−α),パンクレアス
タチン,インスリン,インスリン様成長因子類,黄体形
成ホルモン放出ホルモン(LH−RH),メリチン,オキ
シトシン,バソプレシン類,Pancreatic Polypeptide,
トリプシンインヒビター,リラキシン,セクレチン,ソ
マトスタチン類,ソマトメジン類,サブスタンスP,ニ
ューロテンシン,セルレイン,サイロトロピン放出ホル
モン(TRH),Vasoactive Intestinal Polypeptide(V
IP),Pituitary Adenyl CyclaseActivating Polypept
ide(PACAP)類,Gastnin Releasing Peptide(GR
P),エンドセリン類,Corticotropin
Releasiug Factor,(CRF),Growth
Hormone Releasing Factor(GRF),PTH−Related
Protein、ガラニン,ペプチドYY,ニューロペプチド
Y,パンクレアスタチン,心房性ナトリウム利尿ペプチ
ド類,および上記ペプチドのフラグメント等が挙げられ
る。
【0012】本発明の方法に用いられるN末端にシステ
インを有する蛋白質としては、特定されるものではな
い。そのN末端にシステインを有しない蛋白質の場合
は、N末端にシステインを有するようにすればよい。該
N末端にシステインを有するペプチドとしては、分子量
が100〜100000のものが好ましく、さらに、分
子量が300〜50000のものが好ましい。また、N
末端にシステインを有するペプチドとしては、1〜10
00個のアミノ酸を有するものが好ましく、さらに3〜
500個のアミノ酸を有するものが好ましい。該蛋白質
としては、たとえばインターフエロン類,インターロイ
キン類,線維芽細胞成長因子(FGF)等各種成長因子
類,(プロ)ウロキナーゼ類,リンホトキシン,Tumor Ne
crosis factor(TNF),β−ガラクトシターゼなどの
酵素タンパク類,貯蔵タンパク類,ストレプトアビシ
ン,プロテインA,プロテインG,Tissue Plasminogen
Activator(TPA),又はこれらの一部などのN末端に
システインを有するものが挙げられる。
【0013】本発明方法で用いられる融合蛋白質をコー
ドする遺伝子は、(1)全塩基配列を化学的に合成しても
よいし、(2)蛋白質をコードする塩基配列のN末端側に
システインをコードする塩基配列を配置しさらにそのN
末端側にシステインを含まないペプチドをコードする塩
基配列を配置することにより該遺伝子を構築してもよ
い。また、 (3)該ペプチドのフラグメントを得るのが
目的の場合には、所望のフラグメントの直後のアミノ酸
残基を site-directed mutagenesis 等の手法で、システ
インに置換した該遺伝子を構築すればよい。
【0014】上記の(1)の場合の製造法としてはたとえ
ば、ホスホアミダイド法,リン酸トリエステル法,ジエ
ステル法,ハイドロジェンホスホネート法などを用い
て、短いものなら一度に、長いものでは分割して合成し
た後にT4DNAリガーゼを用いて連結して作成するこ
とが可能である。
【0015】上記の(2)の場合の製造法としてはたとえ
ば、C末端の蛋白をコードする遺伝子は、染色体から適
当な制限酵素で切断し、ベクターに連結して得るか、も
しくはcDNAを取得する。しかる後にN末端がシステ
インになるように制限酵素で切断するか、もしくは、合
成DNAを全蛋白もしくはその一部の遺伝子の5′−末
端に結合しN末端がシステインになるように改変する。
その5′−末端に目的の蛋白質をコードする遺伝子(化
学合成したものでも、生体よりクローニングしてきたも
のでもよい)をつなげる。などが考えられる。該DNA
の具体例としては、たとえば (1) TACGCGGAAGGGACTTTCATCAGTGACTACAGTATTGCCATGGACAAGATTCACCAACAAGACTTTGTGAAC TGGCTGCTGGCCCAAAAGGGGAAGAAGAATGACTGGAAACACAACATCACCCAGTGC又はTGTR (配列表:配列番号3および4) (2) TCTGTGAGTGAAATACAGCTTATGCATAACCTGGGAAAACATCTGAACTCGATGGAGAGAGTAGAATGGCTG CGTAAGAAGCTGCAGGATGTGCACAATTTTTGC又はTGTR (配列表:配列番号5および6) (3) CATGCTGAAGGGACCTTTACCAGTGATGTAAGTTCTTATTTGGAAGGCCAAGCTGCCAAGGAATTCATTGCT TGGCTGGTGAAAGGCCGAGGATGC又はTGTR (配列表:配列番号7および8)
【0016】(1)はGlucose-dependent Insulinotropic
Polypeptide(GIP)(図2;配列表:配列番号11)
をコードするDNA,(2)はParathyroid Hormoneの1
〜34位のアミノ酸配列に対応するペプチド,PTH
(1−34)(図4;配列表:配列番号13),をコード
するDNA,および、(3)はGlucogon-like Peptide I
(7−37),〔GLP−I(7−37)(インスリノトロ
ピン)〕(図3;配列表:配列番号12),をコードす
るDNAである。〔式中、Rは CCCGAGGATGGCGGCAGCGGCGCCTTCCCGCCCGGCCACTTCAAGGAC CCCAAGCGGCTGTACTGCAAAAACGGGGGCTTCTTCCTGCGCATCCACCCCGACGGCCGA GTTGACGGGGTCCGGGAGAAGAGCGACCCTCACATCAAGCTACAACTTCAAGCAGAAGAG AGAGGAGTTGTGTCTATCAAAGGAGTGAGCGCTAATCGTTACCTGGCTATGAAGGAAGAT GGAAGATTACTAGCTTCTAAGTCTGTTACGGATGAGTGTTTCTTTTTTGAACGATTGGAA TCTAATAACTACAATACTTACCGGTCAAGGAAATACACCAGTTGGTATGTGGCACTGAAA CGAACTGGGCAGTATAAACTTGGATCCAAAACAGGACCTGGGCAGAAAGCTATACTTTTT CTTCCAATGTCTGCTAAGAGCTGC (hbFGFの断片) からなる塩基配列を示す。〕で表わされるDNAが挙げ
られる。目的ペプチドがC末端にアミドを有する場合に
は、アミドに変換可能なグリシンをコードするGGT,
GGC,GGA,GGGのいずれもの配列をTGT又は
TGCの5′側に挿入してもよい。
【0017】5′末端にATGを有し、その下流に該融
合蛋白質をコードする領域、ついで翻訳終止コドンを有
するDNA(プラスミド)は、化学合成で、あるいは遺伝
子工学的に製造された公知の該蛋白質のcDNA、もし
くは、染色体由来の該蛋白質DNAを加工することによ
り製造することができる。
【0018】本発明のN末端にシステインを有する蛋白
質またはペプチドのN末端にシステインを含まないペプ
チドを連結した融合蛋白質またはペプチドをコードする
遺伝子を、従来のDNA技術、例えば特定部位指向性変
異誘発技術を用いて目的のムテインをコードする遺伝子
に変換することができる。特定部位指向性変異誘発技術
は周知であり、アール・エフ・レイサー(Lather,R. F.)
及びジェイ・ピー・レコック(lecoq, J. P.)、ジェネ
ティック・エンジニアリング(Genetic Engineering)、
アカデミックプレス社(1983年)第31−50頁に示
されている。オリゴヌクレオチドに指示された変異誘発
はエム・スミス(Smith, M.) 及びエス・ギ
ラム(Gillam, S.)、ジェネティック・エンジニアリン
グ:原理と方法、プレナムプムス社(1981年)3巻
1−32頁に示されている。
【0019】本発明で用いられる融合蛋白質またはペプ
チドをコードする構造遺伝子を製造するためには、たと
えば、(a)1本鎖からなる1本鎖DNAを突然変異オリ
ゴヌクレオチドプライマーと雑種形成させる、(b)DN
Aポリメラーゼによりプライマーを伸長させ、突然変異
性ヘテロ二量体(heteroduplex)を形成させる、続いて
(c)この突然変異性ヘテロ二量体を複製する、等の方法
が挙げられる。オリゴヌクレオチドプライマーの大きさ
は、突然変異を導入すべき遺伝子領域へのプライマーの
安定な雑種形成に必要な条件により、また現在利用可能
なオリゴヌクレオチド合成法の限界によって決まる。オ
リゴヌクレオチドで指示される突然変異誘発に使用する
オリゴヌクレオチドを設計するに当たって、考慮すべき
因子(例えば全体の大きさ、突然変異サイトを迂回する
部分の大きさ)は、エム・スミス及びエム・ギラム(前
掲)によって記載されている。概して、オリゴヌクレオ
チドの全長は、突然変異サイトでの安定でユニークな雑
種形成を最適化するような長さであり、突然変異サイト
から5'及び3'末端までの伸長部分(extensions)は、
DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性による突
然変異の編集をさけるのに十分な大きさとする。本発明
に従って突然変異誘発に使用されるオリゴヌクレオチド
は、通常、約12個ないし約24個の塩基、好ましくは
約14個ないし約20個の塩基を含有する。さらに好ま
しくは14個ないし18個の塩基を含有する。これらは
通常、変異されるコドンの少なくとも約3個の塩基3'
側を含有する。
【0020】上記式(I)で示されるペプチドは、ヒトP
THの誘導体である。元のヒトPTHのアミノ酸配列を
次に示す。 Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met- 1 5 10 15 Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-Phe-Val-Ala- 20 25 30 35 Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg-Asp-Ala-Gly-Ser-Gln-Arg-Pro-Arg-Lys-Lys- 40 45 50 Glu-Asp-Asn-Val-Leu-Val-Glu-Ser-His-Glu-Lys-Ser-Leu-Gly-Glu-Ala-Asp-Lys- 55 60 65 70 Ala-Asp-Val-Asn-Val-Leu-Thr-Lys-Ala-Lys-Ser-Gln 75 80 (配列表:配列番号9)
【0021】例えば、ヒトPTH(1−84)をコードす
る遺伝子から、式(I)で表わされるペプチドをコードす
る遺伝子を特定部位指向性変異誘導技術により製造する
ことができる。たとえば、ヒトPTHのバリンがシステ
インに置換されたムテインを得る場合には、合成ヌクレ
オチドプライマーを用いる方法を該変異誘導技術により
製造することができる。たとえば、ヒトPTHの35−
位のバリンをシステインに置換する場合の好ましいプラ
イマーとしては、 CACAATTTTTGCGCCTTAGG−3′ (オリゴヌクレオチド プライマーA) (配列表:配列番
号10)が挙げられる。
【0022】プライマーは、ヒトPTH遺伝子の1本鎖
がクローン化されたM13〔Yanisch-Perror, C., Viei
ra, J. Messing, ジーン(Gene), 33 109-119(1985); M
essing J. メソッズ・イン・エンザイモロジー(Method
s in Enzymology), 101 20-78(1983)〕,fd〔R. Herrma
n et al. モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネ
ティック(Mol. Gen. Genet.), 177 231(1980)〕,又は
φ×174〔M. Snith and S. Gillam, ジェネティック・
エンジニアリング(Genetic Engineering), Plenum Pres
s, Vol. 3, pp 1-32(1981)〕のような1本鎖ファージあ
るいは、pUC118、pUC119〔J. Vieira, J.
Messing, メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in
Enzymology), 153, 3-11(1987)〕といったファージとプ
ラスミドのキメラベクターへ雑種形成される。ファージ
が遺伝子のセンス鎖、アンチセンス鎖のいずれでも運搬
できることは認められる。ファージがアンチセンス鎖を
運搬する時には、別のアミノ酸を暗号づけたトリプレッ
トを決定するこのコドンとの不一致以外にもプライマー
は突然変異させるコドンを含有するセンス鎖の領域とコ
ドンの縮退のために同一でない場合があってもよい。同
様にファージがセンス鎖を運搬する時には、欠損させる
コドンと対合をつくるトリプレット中の適当な不一致以
外は、突然変異させるコドンを含有するセンス鎖の領域
に対して相補的でない場合があってもよい。雑種形成に
使用される条件はエム・スミス及びエム・ギラム(前
掲)によって記載されている。温度は通常、約0℃ない
し70℃、もっと一般的には約10℃ないし50℃の範
囲にある。雑種形成後、プライマーは大腸菌DNAポリ
メラーゼI、T4DNAポリメラーゼ、逆転写酵素又は
他の適当なDNAポリメラーゼとの反応によってファー
ジDNA上で伸長される。生ずる二重鎖DNA(dsDN
A)は、T4DNAリガーゼのようなDNAリガーゼで
の処理によって閉鎖環dsDNAへ変換される。1本鎖領
域を含有するDNA分子はS1エンドヌクレアー処理に
よって破壊できる。
【0023】生ずる突然変異成形ヘテロ二量体は、被感
染能力をもつ宿主生物又は細胞を形質転換するのに使用
される。宿主によるヘテロ二量体の複製では、双方の鎖
から子孫ができる。複製に続いて、突然変異株の鎖の子
孫から突然変異株遺伝子を単離し、適当なベクターへ挿
入し、このベクターを適当な宿主生物又は細胞の形質転
換に使用する。次に、突然変異化された遺伝子を運搬す
るファージDNAを単離し、プラスミドへ組み込む。
【0024】該融合蛋白質をコードする領域を有するD
NAを有するプラスミドを製造するにあたって、ベクタ
ーとして用いられるプラスミドとしては、例えばColE
I由来のpBR322〔ジーン(Gene),,95(197
7)〕,pBR313〔ジーン, ,75(197
7)〕,pBR324,pBR325〔ジーン,124
(1978)〕,pBR327,pBR328〔ジーン
287(1980)〕,pBR329〔ジ ーン17,79
(1982)〕,pKY2289〔ジーン,1(197
8)〕,pKY 2700〔生化学52,770(198
0)〕,pACYC177,pACYC184〔ジャーナ
ル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacteriolog
y)134,1141(1978)〕,pRK248,pR
K646,pDF〔メソッズ・イン・エン ジーモロジー
(Methods in Enzymology)68,268(1979)〕,p
UC18,pUC19〔ヤニシューペロンら,ジーン(Ge
ne),33,103(1985)〕などが挙げられる。ま
た、バクテリオファージ、たとえばλファージを使用し
たλgt系のλgt・λC〔Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.
A. 71,4579(1974)〕,λgt・λB〔Proc.
Nat. Acad. Sci. U.S.A. 72,3461(197
5)〕,λDam〔ジーン,255(1977)〕やシャ
ロンベクター〔サイエンス(Science)196,161(1
977);ジャーナル・オブ・ビーロロジー(Journal of
Virology)29,555(1979)〕,繊維状ファー
ジを使用したmp系のmp18,mp19〔ヤニシューペロン
ら,ジーン(Gene),33,103(1985)〕ベクター
なども挙げられる。
【0025】上記DNAは、ATGの上流にプロモータ
ーを有しているのが好ましく、該プロモーターは、形質
転換体の製造に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。たとえば大腸菌(Esc
herichia coli)ではtrpプロモーター,lacプロモータ
ー,rec Aプロモーター,λPLプロモーター,lppプ
ロモーター,T−7プロモーターなど、枯草菌(Bacillu
s subtilis)ではSPO1プロモーター,SPO2プロ
モーター,penPプロモーターなど、酵母(Saccharomyce
s cerevisiae)ではPHO5プロモーター,PGKプロ
モーター,GAPプロモーター,ADHプロモーターな
ど、動物細胞ではSV40由来のプロモーターなどが挙
げられる。必要によりSD(シヤインアンドダルガーノ)
配列をプロモーターの下流に挿入してもよい。T−7プ
ロモーターの系を用いる場合には、T−7プロモーター
としては、T7DNA上で見い出されている17種のプ
ロモーター〔J. L. Oakley ら,Proc. Natl. Acad. Sc
i, U.S.A,74:4266−4270(1977),
M. D.Rosa, Cell :815−825(1979),N.
Panayotatos ら,Nature 28 :35(1979),
J. J. Dunn ら,J. Mol. Biol. 166:477−53
5(1983)〕のいずれでもよいがφ10プロモーター
〔A. H. Rosenberg ら,Gene 56:125−135(1
987)〕が好ましい。
【0026】転写ターミネーターとしては、大腸菌の系
で作動するターミネーターならいずれでもよいが、好ま
しくはTφターミネーター〔F. W. Studier ら,J. Mo
l. Biol. 189:113−130(1986)〕が用い
られる。T7RNAポリメラーゼ遺伝子としてはT7遺
伝子〔F. W. Studier ら,J. Mol. Biol. 189:11
3−130(1986)〕をあげることが出来る。ベクタ
ーは上記ベクターにT7プロモーター,T7ターミネー
ターを組み込んで構築される。このようなベクターとし
ては、pET−1,pET−2,pET−3,pET−4,
pET−5〔A. H. Rosenberg, Gene 56:125−1
35(1987)〕をあげることができるが、好ましくは
pET−3c〔A. H. Rosenberg〕が用いられる。
【0027】本発明の形質転換体は、上記方法で得られ
る発現用プラスミドを自体公知の方法〔例、コーエンS,
N, ら,プロシージング・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンス(Pro. Natl. Acad. Sci. U.S.
A.),69,2110(1972)〕で宿主を形質転換す
ることにより製造することができる。形質転換される微
生物の宿主としては、たとえば、エシエリシア(Escheri
chia)属菌,バチリス(Bacillus)属菌,酵母,動物細胞
などが挙げられる。
【0028】上記エシエリシア属菌の例としては、エシ
エリシア・コリ(E. coli)が挙げられ、具体的にはエシ
エリシア・コリ(Escherichia coli)K12DH1〔プロ
シーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシズ(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)
,160(1968)〕,JM−103〔ヌクレイック
・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research)
309(1981)〕,J A221〔ジャーナル・オブ
・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular
Biology)120,517(1978)〕,HB101〔ジ
ャーナル・オブ・モレ キュラー・バイオロジー,
,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス
(Genetics),39,440(1954)〕,N4830
〔セル(Cell)5,713(1981)〕,K−12MM
294〔プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ73,4174(197
6)〕BL−21などが挙 げられる。
【0029】上記バチルス属菌としては、たとえばバチ
ルス・サチルス(Bacillus subtilis)が挙げられ、具体
的にはバチルス・サチルスMI114(ジーン,24
255(1983)),207−21〔ジャーナル・オブ
・バイオケミストリー(Journalof Biochemistry)95
87(1984)〕などが挙げられる。
【0030】上記酵母としては、たとえばサッカロマイ
セス・セレビシアエ(Saccharomycescerevisiae)が挙げ
られ、具体的には、サッカロマイセス・セレビシアエA
H22〔Proc. Natl. Acid. Sci. USA,75,19
29(1978)〕,XSB52 −23C〔Proc. Natl.
Acid. Sci. USA,77 2173(1980)〕,B
H −641A(ATCC 28339),20B−12
〔Genetics 85,23(19 76)〕,GM3C−2
〔Proc. Natl. Acid. Sci. USA,78 2258(1
9 81)〕などが挙げられる。
【0031】動物細胞としては、たとえばサル細胞CO
S−7〔セル(Cell)23,175(1981)〕,Vero
〔(日本臨床 21,1209(1963)〕,チャイニ
ーズハムス ター細胞CHO〔ジャーナル・オブ・エク
スペリメンタル・メデイシン(J.Exp. Med.)108,9
45(1985)〕,マウスL細胞〔ジャーナル・オブ・
ナショナル・キャンサー・インスティチュート(J. Nat.
Cancer Inst.),165(19 43)〕,ヒトFL細
胞〔プロシーディングス・オブ・ザ・ソサエティ・ フ
ォー・ エキスペリメンタル・バイオロジー・アンド・
メディシン(Proc. Sco. Etp. Biol. Med.)94,532
(1957)〕,ハムスターC細胞などが挙げら れる。
【0032】T−7プロモーターの系を用いる場合に
は、その形質転換体の宿主としては、T7RNAポリメ
ラーゼ遺伝子(T7遺伝子1)〔F. W. Studierら,J. Mo
l. Biol. 189:113−130(1986)〕を組み
込んだ大腸菌株、例えばMM294,DH−1,C60
0,JM109,BL21,あるいはT7RNAポリメ
ラーゼ遺伝子(T7遺伝子1)を他のプラスミドと共に組
込んだ大腸菌株など、ならいずれでもよい。好ましくは
T7遺伝子1を組み込んだλファージが溶原化したMM
294株およびBL21株が用いられる。この場合T7
遺伝子1のプロモーターとしては、イソプロピル−1−
チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTGと略する
ことがある。)で発現が誘導されるlacプロモーターが用
いられる。
【0033】バチルス属菌を宿主として形質転換するに
は、たとえばモレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェ
ネティックス(Molecular and General Genetics), 16
8, 111(1979)など公知の方法に従って行なうことができ
る。酵母菌を宿主として形質転換するには、たとえばPr
oc. Natl. Acad. Sci. USA,75, 1929(1978)などの公知
の方法に従って行なうことができる。動物細胞を宿主と
して形質転換するには、たとえばヴィーロロジー(Virol
ogy,52, 456(1973)などの公知の方法に従って行なうこ
とができる。融合蛋白は、上述の形質転換体を培地に培
養し、産生された融合蛋白を採取することにより製造す
ることができる。培地のpHは約6〜8が望ましい。
【0034】エシェリキア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔Miller, ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン
・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experi
ments in Molecular Genetics), 431-433, Cold Spring
Harbor Laboratory, New York 1972)〕が好ましい。こ
こに必要によりプロモーターを効率よく働かせるため
に、たとえば3β−インドリル アクリル酸やイソプロ
ピルβD−チオガラクトピラノシドのような薬剤を加え
ることができる。
【0035】宿主がエシェリキア属菌の場合、培養は通
常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、
通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌
の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行
い、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主
が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、
たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bost
ian, K. L. ら、プロシージングス・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. S
ci.) USA,77, 4505(1980)〕が挙げられる。培地のpHは
約5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常約20
℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気
や撹拌を加える。
【0036】宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、たとえば約0.2〜20%好まし
くは約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイ
エンス(Science) 122, 501(1952)〕,DME培地〔ヴィ
ロロジー(Virology), 8, 396(1959)〕,RPMI 16
40培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディ
カル・アソシエーション(The Journal of the American
Medical Association) 199, 519(1967)〕,199培地
〔プロシーディング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー
・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the
Society for the Biologcal Medicine) 73, 1 (195
0)〕などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30〜40℃、培養時間は約15〜
60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0037】融合蛋白質は、上記形質転換体を培養し、
培養物中に該融合蛋白質を生成,蓄積せしめ、これを採
取することにより製造することができる。培地として
は、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミ
ラー,J.,エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジ
ェネテイクス(Experiments in Molecular Genetics),
431−433(Cold Spring Horbor Laboratort,New
York1972)〕,2×YT培地〔メシング,メソッド
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),
101,20(1983)〕LB培地などが挙げられる。
【0038】培養は通常約15〜43℃で約3〜24時
間行い、必要により、通気や撹拌を加えてもよい。λc
Itsリプレッサーと、λPL−プロモーターを含有する
発現ベクターとを有する組換え体を使用する場合には、
培養は約15〜36℃好ましくは約30℃〜36℃の温
度で行い、λc Itsリプレッサーの不活化は約37℃〜
42℃で行うのが好ましい。またrecAプロモーターを
より効率良く働かせるため、すなわちrecA遺伝子発現
抑制機能 を低下せしめるため、必要によりマイトマイ
シンC,ナルジキシン酸などのような薬剤を添加した
り、紫外線を照射する、あるいは培養液のpHをアルカ
リ側に変化させてもよい。T−7プロモーターの系を用
いている場合には、(1)lacプ ロモーターの下流に連結
されているT7遺伝子(RNAポリメラーゼ遺伝子)を発
現させる時はIPTGなどを添加する、もしくは(2)λ
Lプロモーターの下流に連結されているT7遺伝子
(RNAポリメラーゼ遺伝子)を発現させる時は培養の
温度を上昇させることなどにより、生成するT7ファー
ジRNAポリメラーゼ1により特異的にT7プロモータ
ーを作動させる。
【0039】培養後、公知の方法で菌体を集め、たとえ
ば緩衝液に懸濁したのち、たとえば、蛋白変性剤処理,
超音波処理やリゾチームなどの酵素処理,グラスビーズ
処理,フレンチプレス処理,凍結融解処理などを行って
菌体を破砕し、遠心分離など公知の方法によって上清を
得る。上記により得られた上清から、融合蛋白質をより
単離するには、通常知られている蛋白質の精製法に従え
ばよい。例えば、ゲル濾過法,イオン交換クロマトグラ
フィー,吸着クロマトグラフィー,高速液体クロマトグ
ラフィー,アフイニティークロマトグラフィー,疎水ク
ロマトグラフィー,電気泳動等を適切に組み合せて行う
ことができる。ここに得られる該融合蛋白質のN末端に
は翻訳開始コドンに由来するメチオニンが付加している
場合がある。また、該融合蛋白質は、精製することな
く、あるいは部分精製の状態で、次の反応工程に進んで
もよい。
【0040】本発明の原料化合物を化学的に合成するに
は、ペプチド自動合成装置によって行うことができる。
基本的な合成過程等はR. B. Merrifield〔アドバンシズ
・イン・エンザイモロジー(Advances in Enzymology) 3
2, 221-296(1969)〕の方法に順じて行なうことができ
る。この方法は、カルボキシル末端のアミノ酸を樹脂担
体に共有結合させておき、α−アミノ基の保護基の除
去、保護アミノ酸の縮合を順次繰り返して、アミノ末端
に向けてペプチド鎖を延長させ目的のアミノ酸配列を有
する保護ペプチド樹脂を得る事をその原理としている。
各アミノ酸の縮合やα−アミノ基の保護基の除去など
は、ほぼ同一の条件でなされ、中間体の精製も行なわな
い為、合成に際しては一般に高度な熟練は要求されな
い。しかもこの方法は迅速であり、種々のペプチドを合
成するに際し、非常に便利な方法である。こうして得ら
れた保護ペプチド樹脂を、例えば無水フッ化水素、トリ
フルオロメタンスルホン酸もしくはトリフルオロ酢酸と
種々の添加物の共存下に反応させる事により、ペプチド
の樹脂からの脱離と全保護基の除去を一段階で行うこと
ができる。得られたペプチド粗精製物は、ペプチドまた
は蛋白質を精製する公知の手段で精製することができ
る。例えばゲル濾過、陽イオン交換、もしくは陰イオン
交換樹脂を用いるイオン交換クロマトグラフィー、さら
には疎水クロマトグラフィー、分配吸着クロマトグラフ
ィー等、種々の原理によるカラムクロマトグラフィーや
高速液体クロマトグラフィーが挙げられる。
【0041】次に、このようにして得られる融合蛋白質
やペプチドをシステイン残基のアミノ基側のペプチド結
合の切断反応に付す。該切断反応としては、たとえば、
シアノ化反応次いで加水分解反応またはアミノリシスが
挙げられる。該シアノ化反応は、原料化合物に、S−シ
アノ化試薬を作用させることにより行なう。
【0042】S−シアノ化試薬としてはたとえば2−ニ
トロ−5−チオシアノ安息香酸(NTCB),1−シアノ
−4−ジメチルアミノピリジウム塩(DMAP−CN),
CN-イオンなどが挙げられる。該S−シアノ化試薬の
量は、全チオール基の約2倍から50倍量であればよ
い。より好ましくは約5倍〜10倍量であればよい。反
応温度は約0゜〜80℃の間であれば、いずれでもよ
く、約0゜〜50℃の間がより好ましい。用いる溶媒と
しては、シアノ化試薬と反応しないものであれば、いず
れの緩衝液でもよいが、例えば、トリス−塩酸緩衝液,
トリス−酢酸緩衝液,リン酸緩衝液,ホウ酸緩衝液,な
どがあげられる。また、有機溶媒は、シアノ化試薬と反
応しないものであれば、存在していてもよい。該反応
は、pH1〜12の間で行なうのが良い。特に、NTC
Bを用いる場合にはpH7〜10,DMAP−CNを用
いる場合にはS−S交換反応を防止するため、pH2〜
7の間が好ましい。また、反応液中には、塩酸グアニジ
ン等の変性剤が存在していてもよい。
【0043】上記加水分解反応またはアミノリシスとし
ては、たとえばアルカリ処理に付すことが挙げられる。
該アルカリ処理としては、原料化合物を含有する水溶液
のpHを7〜14に、調整することにより行なわれる。
該pHの調整は、例えば水酸化ナトリウム,アンモニ
ア,置換アミノ化合物,トリツマベース(トリス〔ヒド
ロキシメチル〕−アミノメタン),リン酸第2ナトリウ
ム,水酸化カリウム,水酸化バリウム等の溶液を原料化
合物を含有する水溶液に適当量加えて行う。該置換アミ
ノ化合物としては、上述したものが挙げられる。上記反
応の際の溶液の濃度としては、たとえば水酸化ナトリウ
ムの場合は約0.01〜2N好ましくは約0.1〜1N、
アンモニアまたは置換アミノ化合物の場合は約0.01
〜15N好ましくは約0.1〜3N、トリツマベースの
場合は約1mM〜1M好ましくは約20mM〜200m
M、リン酸第2ナトリウムの場合は約1mM〜1M好ま
しくは約10mM〜100mM、水酸化カリウムの場合は
約0.01〜4N好ましくは約0.1〜2N、水酸化カリ
ウムの場合は約0.01〜0.2M好ましくは約0.1〜
0.2Mが挙げられる。反応温度は約0゜〜80℃の間
であればいずれでもよく、約0゜〜50℃の間がより好
ましい。
【0044】反応時間は、好ましくは、シアノ化反応は
約1〜60分好ましくは約15〜30分が、加水分解反
応は約5分〜100時間好ましくは10分〜15時間
が、アミノリシスは約5分〜24時間好ましくは約10
〜180分が挙げられる。上記のシアノ化および加水分
解またはアミノリシスにより、図1に示される反応が起
こると考えられる。図1において、XはOHまたはR−
NH−(R−NH−はアミノまたは置換アミノ基を示
す。)を示す。該反応において、アンモニアまたは置換
アミノ化合物を用いた場合には、対応するアミド化合物
または置換アミド化合物が得られる。
【0045】切り出された目的ペプチドを単離するに
は、通常知られているペプチドの精製法に従がえばよ
い。例えば、ゲル濾過法,イオン交換クロマトグラフィ
ー,高速液体クロマトグラフィー,アフイニティークロ
マトグラフィー,疎水クロマトグラフィー,薄層クロマ
トグラフィー,電気泳動等を適宜組み合せて行うことが
できる。ここで得られる目的ペプチドのN末端には翻訳
開始コドンに由来するメチオニンが付加している場合が
ある。また、得られる目的ペプチドは、必要によりこれ
を凍結乾燥により粉末とすることもできる。凍結乾燥に
際しては、ソルビトール,マンニトール,デキストロー
ス,マルトース,トレハロース,グリセロールなどの安
定化剤を加えることができる。
【0046】この方法を用いれば、種々の生理活性を有
するペプチドを任意に製造することができる。例えば本
発明の方法で製造されるGIP(Glucose-dependent ins
ulinotropic Polypeptide)(アミノ酸配列を〔図2〕に
示す。配列表:配列番号11)やGLPI(7−37)
(アミノ酸配列を〔図3〕に示す。配列表:配列番号1
2)は、生理的濃度のグルコースの存在下に、インスリ
ンの分泌を促進するので、安全度の高い糖尿病治療薬と
して用いることができる。また、本法を用いて調製され
る副甲状腺ホルモン(PTH),はそのN末端より34個
のペプチドよりなる活性フラグメント,PTH(1−3
4)(アミノ酸配列を〔図4〕に示す。配列表: 配列番
号13)は骨の新陳代謝を高めるので、骨粗鬆症の治療
薬として有用である。
【0047】本発明の方法で製造されるペプチドは滅菌
水,ヒト血清アルブミン(HSA),生理食塩水その他公
知の生理学的に許容される担体と混合することができ、
非経口的に又は局所に投与することができる。たとえ
ば、その1日投与量は、約2千〜200万ユニット/k
g、好ましくは、約8万〜80万ユニット/kgを、静注
または筋注などにより非経口的に投与することができ
る。本発明の方法で製造されるペプチドを含有する製剤
は、塩,希釈剤,アジュバント,他の担体,バッファ
ー,結合剤,界面活性剤,保存剤のような生理的に許容
される他の活性成分も含有していてもよい。非経口的投
与製剤は、滅菌水溶液又は生理学的に許容される溶媒と
の懸濁液アンプル、または生理学的に許容される希釈液
で用事希釈して使用しうる滅菌粉末(通常ペプチド溶液
を凍結乾燥して得られる)アンプルとして提供される。
【0048】本発明の一般式(I)で表わされるヒトPT
H(1−34)誘導体ペプチドは、骨粗鬆症治療剤、副甲
状腺機能低下症の治療剤、高血圧治療剤として用いるこ
とができる。そしてその剤型としては、注射剤、経鼻吸
収剤、直腸吸収剤、膣吸収剤、経皮吸収剤もしくは点眼
剤のようなものが挙げられるが、場合により経口投与さ
れることもある。該ペプチドをこのような治療剤として
用いる場合、哺乳動物に対してその有効量が用いられ
る。一般的には1ng〜100μg/体重kgの範囲で用い
られる。このペプチドを治療剤として用いる場合には、
注意深く精製を行ない細菌や発熱物質が存在しないよう
に注意しなければならない。このペプチドを骨粗鬆症な
どの治療薬として用いる場合、そのままあるいは薬理学
的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合したのち、
上記注射剤、経鼻吸収剤、直腸吸収剤、膣吸収剤、経皮
吸収剤もしくは点眼剤などの剤型で非経口的に投与する
ことができる。投与量は成人の場合、注射剤の場合、1
回あたり50ng〜5mg、好ましくは1〜500μgで1
〜3日に1回の投与が適当である。治療剤の濃度は注射
剤では10〜100μg/mlが適当である。
【0049】本明細書および図面において、アミノ酸,
ペプチド,保護基,活性基,その他に関し略号で表示す
る場合、それらはIUPAC−IUB(Commission on B
iochemical Nomenclature)による略号あるいは当該分野
における慣用略号に基づくものであり、その例を次に挙
げる。また、アミノ酸などに関し光学異性体がありうる
場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Aib :アミノイソブチル酸 Nle :ノルロイシン β−Ala :β−アラニン hPTH :ヒトPTH Fmoc :9−フルオレニルメトキシカルボニル Nva :ノルバリン Abu :α−アミノブチリル酸
【0050】後述の実施例5(2)で得られた形質転換体
Escherichia coli MM294(DE3)/pTB960
−3は、1991年10月16日から財団法人発酵研究
所(IFO)にIFO 15241として寄託されてお
り、また該微生物は1991年10月19日から通商産
業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)にFER
M BP−3615としてブダペスト条約に基づく寄託
がなされている。また、後述の実施例6(1)で得られた
形質転換体 Escherichia coli MM294(DE3)/p
TB960−7は、1991年12月17日からIFO
にIFO15254として寄託されており、また該微生
物は1991年12月24日からFRIにFERM B
P−3690としてブダペスト条約に基づく寄託がなさ
れている。
【0051】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明する。 参考例1 テトラサイクリン耐性マーカーを持つrhbF
GFムテインCS23産生組換え体の調製 hbFGFに存在する4つのシステイン残基のうち第6
9位および第87位のシステイン残基をセリン残基に置
換したrhbFGFムテインCS23をコードする遺伝子
が組込まれたプラスミドpTB762(妹尾等,ビオケミ
カル,アンド,ビオフィジカル・リサーチ・コミュニケ
ーション,151巻 701−708頁,1988年,
ヨーロッパ特許出願公開第281,822号公報)を、A
vaIおよびPstIで完全消化し、rhbFGFムテインC
S23の大部分を含む約0.45キロ塩基対の断片を得
た。この断片と合成DNA GATCTGC (ACGTCTAGACG)をT4DNAリガーゼで接続
後、AvaI,PstIで消化し、PstI切断部位をBgl I
I切断部位に改変したフラグメントAを得た。次にhbF
GFのC末端の欠失したrhbFGFムテインC128を
コードする遺伝子が組込まれたプラスミドpTB955
(妹尾等,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー188巻 239−245頁,1990年)
をSalI,BamHIで完全消化し、約4.1キロ塩基対
のフラグメントBを得た。また、pTB955を、Ava
I,SalIで完全消化し、約390塩基対のフラグメン
トCを得た。3つのフラグメントA,B,Cを、T4D
NAリガーゼで接続し、アンピシリン耐性をマーカーに
持つ、発現プラスミドpHP901を得た。〔図5〕 pHP901を、EcoRI,Bgl IIで完全消化し、rhb
FGFムテインCS23をコードする遺伝子とT7プロ
モーターとT7ターミネーターを含む約1.1キロ塩基
対のフラグメントを得た。EcoRI,BamHIで完全消
化したpUC18に、このフラグメントを、T4DNA
リガーゼで接続し、プラスミドpME901を得た。
〔図6〕 pME901を、EcoRV,Hind IIIで完全消化し、rh
bFGFムテインCS23をコードする遺伝子とT7プ
ロモーターとT7ターミネーターを含む約0.77キロ
塩基対のフラグメントを得、T4DNAポリメラーゼ
で、末端を平滑化した。このフラグメントを、ScaIで
消化したpBR322に、T4DNAリガ ーゼで接続
し、テトラサイクリン耐性をマーカーに持つ、発現プラ
スミドpCM 901を得た。〔図7〕
【0052】実施例1 (GIP−CS23融合蛋白質
産生組換え体の調製) 参考例1で得られたrhbFGFムテインCS23発現プ
ラスミドpCM901を制限酵素EcoRI,AbaIで消
化し、CS−23遺伝子部分とT7−プロモーターを含
む断片を分取する。この断片と〔図8〕に示すDNAシ
ンセサイザー(ABI社,381A)により合成された
5′末端に:XbaI切断部位,3′末端にAbaI切断部
位をもつGIP遺伝子断片(〔図8〕,配列表:配列番
号14)とをT4DNAリガーゼを用いて結合し、GI
P−CS23融合遺伝子断片を調製する。この断片を制
限酵素EcoRI,XbaIで消化したpCM901にT4
DNAリ ガーゼを用いて組み込み、pCM901−1を
作製する。このプラスミドのXba I切断部位に制限酵
素XbaIを用いてpCM−901から切り出されたT7
−プ ロモーターを組み込み、作製される発現プラスミ
ド,pGS23〔図9および図 10〕を用いて大腸菌M
M294(DE3)株を形質転換させることにより、rhG
IP−CS23融合蛋白(〔図11〕および〔図12〕
に示す。配列表:配列番号16)遺伝子を保持する組換
え体,大腸菌MM294(DE3)/pGS23を得る。
【0053】実施例2 (組換え体の培養) LB培地(バクトトリプトン10g/l,バクトイース
トエキス5g/l,食塩5g/l)にテトラサイクリン
5mg/lを添加した培地30mlに、組換え大腸菌MM2
94(DE3)/pGS23を1白金耳接種し、37℃に
て一夜振盪培養する。この培養液をM−9培地(Na2
PO4・12H2O 16.8g/l,KH2PO43g/
l,NH4Cl 1g/l,食塩0.5g/l,MgSO4
・7H2O0.246g/l)にグルコース15g/l,
カザミノ酸15g/l,塩酸チアミン1mg/l,テトラ
サイクリン5mg/lを添加した培地30mlへ、1.5ml
宛移植し、37℃にて振盪培養を行なう。濁度が100
〜120クレット単位まで生育した時点でIPTGを添
加し、さらに4時間培養を続ける。遠心分離により菌体
を集め、−20℃にて保存する。
【0054】実施例3 (GIP−CS23融合蛋白質
の精製) 実施例2で得られる−20℃に凍結保存した菌体(大腸
菌MM294(DE23)/pGS23)を25mMリン酸
緩衝液(pH6.0)+0.1mM APMSF(p−アミジ
ノフェニルメタンスルホニルフルオロライド塩酸)+2m
M DTT(ジチオスレイトール)抽出用緩衝液に懸濁す
る。ガラスビーズを用いてダイノミル(KD−S型,ウ
ィリーバッフォフェン社,スイス)で氷冷下破砕操作を
行なう。その抽出液を遠心分離(21型,ベックマン
社,米国)し、得られる上澄液を50mMリン酸緩衝液(p
H6.0)で平衡化したペパリン−5PW(7.5mmID×
75mm,東ソー社)に吸着し、50mMリン酸緩衝液(pH
6.0)と50mMリン酸緩衝液(pH6.0)+2M塩化ナ
トリウムとの間で、直線濃度勾配をかけて溶出を行な
う。主要溶出画分を0.1%トリフルオロ酢酸で平衡化
したODP−50(4.6mmI D×150mm,旭化成社)
に吸着し、0.1%トリフルオロ酢酸と0.1%トリフ
ルオロ酢酸+80%アセトニトリルとの間で、直線濃度
勾配をかけて溶出を行なう。主要溶出画分を遠心減圧式
濃縮器(凍結乾燥機)(サーバント社,米国)を用いてGI
P−CS23融合蛋白質精製乾燥標品を得る。
【0055】実施例4 (GIP−CS23融合蛋白質
からGIPの分離) GIP−CS23融合蛋白質を6Mグアニジン塩酸塩を
含む0.2Mトリス−酢酸緩衝液(pH8.0)+10mMジ
チオトレイトールに溶解し、1〜2時間、37℃に加温
する。2−ニトロ−5−チオシアノ安息香酸を全チオー
ル基の5〜10倍量加え、水酸化ナトリウムでpHを8.
0に再調製する。その後、37℃で15分間反応させ
る。酢酸を加えてpHを4以下として、4℃に冷却後、
透析あるいはゲルろ過(50%酢酸)で脱塩を行なう。主
要溶出画分を遠心減圧式濃縮器(サーバント社,米国)を
用いて凍結乾燥した後、0.01N酢酸に溶解し、5%
アンモニアでpH6.4に調整する。それをCM−5PW
(7.5mmID×75mm,東ソー社)に吸着させ、0.01
M酢酸アンモニウムと0.2M酢酸アンモニウムの間
で、直線濃度勾配により溶出する。主要溶出画分を遠心
減圧式濃縮器(サーバン ト社,米国)を用いて凍結乾燥
した後、0.1%TFAに溶解し、ヌクレオシル5C1
8(10mmID×2.5cm)に吸着させ、0.1%TFAと
0.1%TFA+8 0アセトニトリルの間で、直線濃度
勾配により溶出する。主要溶出画分を遠心減圧式濃縮器
(サーバント社,米国)を用いて凍結乾燥し、精製GIP
乾燥標品を得る。
【0056】実施例5 (1)テトラサイクリン耐性マーカーを持つrhbFGFム
テインCS23産生組換え体の調製:PCT国際公開第
WO91/09126号公報に記載の方法により得られ
たpTB960を、EcoRV,Bgl IIで切断し、得られ
たrhbFGFムテインCS23構造遺伝子を含む断片を
T4DNAポリメラーゼで末端を平滑化した。この断片
をScaIで消化したpBR322にT4DNAリガーゼ
で接続し、pTB960−1を得た。〔図13〕 更にpTB960−1をBsmI,Pvu IIで切断し、T4
DNAポリメラーゼで平滑末端化した後、T4DNAリ
ガーゼで接続し、テトラサイクリン耐性マーカーに持
つ、発現プラスミドpTB960−2を得た。〔図1
4〕 (2)GIP−CS23融合蛋白質産生組換え体の調製:
上記(1)で得られたrhbFGFムテインCS23発現プ
ラスミドpTB960−2をXbaI,AvaIで消化し
た。この断片と、〔図8〕に示されたDNA配列の
「5′TCTAG」が「5′TCT AGA AAG
GAG ATA TACACT」となった、DNAシン
セサイザー(ABI社,381A)により合成された5′
末端にXbaI切断部位,3′末端にAvaI切断部位をも
つGIP遺伝子断片(配列表:配列番号15)とをT4
DNAリガーゼを用いて結合し、プラスミドpTB96
0−3を作成した(〔図15〕)。発現プラスミドpTB
960−3を用いて大腸菌MM294(DE3)株を形質
転換させることにより、rhGIP−hbFGFムテイン
CS23(以下、GIP−CS23と略称することもあ
る。)融合蛋白(〔図11〕および〔図12〕に示す。
配列表:配列番号16)遺伝子を保持する組換え体、大
腸菌MM294(DE3)/pTB960−3(IFO1
5241,FERM BP−3615)を得た。 (3)組換え体の培養:LB培地(バクトトリプトン10
g/l,バクトイーストエキス5g/l,食塩5g/
l)にテトラサイクリン5mg/lを添加した培地30ml
に、上記(2)で得られた組換え大腸菌MM294(DE
3)/pTB960−3を1白金耳接種し、37℃にて一
夜振盪培養した。この培養液をM−9培地(Na2HPO4
・12H2 O 16.8g/l,KH2PO43g/l,
NH4Cl 1g/l,食塩0.5g/l,MgSO4・7
2O 0.246g/l)にグルコース15g/l,カ
ザミノ 酸15g/l,塩酸チアミン1mg/l,テトラ
サイクリン5mg/lを添加した培地30mlへ、1.5ml
宛移植し、37℃にて振盪培養を行なった。濁度が10
0 〜120クレット単位まで生育した時点でIPTG
を添加し、さらに4時間培養を続けた。遠心分離により
菌体を集め、−20℃にて保存した。
【0057】(4)GIP−CS23融合蛋白質の精製:
上記(3)で得られた−20℃に凍結保存した形質転換体
大腸菌MM294(DE23)/pTB960−3を25
mMリン酸緩衝液(pH6.0)+0.1mM APMSF(p
−アミジノフェニルメタンスルホニルフルオロライド塩
酸)+2mM DTT(ジチオスレイトール)+50μg/m
l濃度のリゾチームを含む抽出用緩衝液に懸濁し、氷冷
下1時間放置した後、超音波細胞破砕機(インソネータ
ー,モデル200M,クボタ社製)を用いて、氷冷下1
0分間処理した。得られた粗抽出液を遠心分離機(ベッ
クマン社製,モデルJ2−21,米国)を用いて遠心
し、得られた沈殿物(GIP−CS23融合蛋白質の封
入体)を25mMリン酸緩衝液で洗浄した後、2%SDS
または6Mグアニジン塩酸塩,100mM DTTを含
む0.2M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、
100℃で5分間処理して可溶化した。得られた可溶化
蛋白質を0.1%トリフルオロ酢酸で平衡化したフェニ
ル5PW RP(4.5mm ID×7.5cm,東ソー社製)
に吸着し、0.1%トリフルオロ酢酸と0.1%トリフル
オロ酢酸+80%アセトニトリルとの間で直線濃度勾配
をかけて溶出を行なった。主要溶出画分を遠心減圧式濃
縮器(凍結乾燥機)(サーバント社,米国)を用いて減圧乾
固し、GIP−CS23融合蛋白質精製乾燥品を得た。
【0058】(5)GIP−CS23融合蛋白質からGI
Pの分離:GIP−CS23融合蛋白質を6Mグアニジ
ン塩酸塩を含む0.2Mトリス−酢酸緩衝液(pH8.0)
+10mMジチオトレイトールに溶解し、1〜2時間、
37℃に加温した。2−ニトロ−5−チオシアノ安息香
酸を全チオール基の5〜10倍量加え、水酸化ナトリウ
ムでpHを8.0に再調製した。その後、37℃で15分
間反応させた。酢酸を加えてpHを4以下として、4℃
に冷却後、透析あるいはゲルろ過(50%酢酸)で脱塩を
行なった。主要溶出画分を遠心減圧式濃縮器(サーバン
ト社,米国)を用いて凍結乾燥した後、6Mグアニジン
塩酸塩を含む、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)
に溶解し、12時間,37℃に加温した後、10KD膜
(セントリコン,アミコン社製)でろ過し、10KD以
下の画分を0.1%TFA+2%アセトニトリルで平衡
化したphenyl 5PW RP(4.5mmID×7.5cm,東
ソー社製)に吸着させ、0.1%TFA+2%アセトニト
リルと0.1%TFA+80%アセトニトリルの間で直
線濃度勾配により溶出した。主要溶出画分を遠心減圧式
濃縮器(サーバント社,米国)を用いて凍結乾燥した後、
20mMリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解した。得られ
た粗精製GIP溶液を、20mMリン酸緩衝液で平衡化
したCM−5PW(7.5mmID×7.5cm,東ソ ー社
製)に吸着させ、20mMリン酸緩衝液(pH6.5)と2
0mMリン酸緩衝液 (pH6.5)+1.0M NaClの
間で直線濃度勾配により溶出した。得られた 主要溶出
画分を0.1%TFAで平衡化したODS−120T
(7.8mmID×30cm,東ソー社製)に吸着させ、0.
1%TFAと0.1%TFA+80%アセトニトリルの
間で直線濃度勾配により溶出した。主要溶出画分を遠心
減圧式濃縮器(サーバント社,米国)を用いて凍結乾燥
し、精製hGIP乾燥品を得た。
【0059】(6)rhGIPのアミノ酸分析:上記(5)で
得られたrhGIPのN末端アミノ酸配列分析を477A
型プロティンシーケンサー(アプライドバイオシステム
社)で分析した結果、N末端にMetが付加されたhGIP
の配列が検出された(〔表1〕)。又アミノ酸組成分析を
6330型アミノ酸分析計(ベックマン社)で分析した結
果、理論値と一致していた(〔表2〕)。
【表1】 N末端アミノ酸配列分析 ────────────────────────── サイクル アミノ酸配列 塩基配列から予想 数 GIP されるアミノ酸 ────────────────────────── 1 Met Met 2 Tyr Tyr 3 Ala Ala 4 Glu Glu 5 Gly Gly 6 Thr Thr 7 Phe Phe 8 Ile Ile 9 Ser Ser 10 Asp Asp 11 Tyr Tyr 12 Ser Ser 13 Ile Ile 14 Ala Ala 15 Met Met 16 Asp Asp 17 Lys Lys 18 Ile Ile 19 His His 20 Gln Gln ────────────────────────── 477A型プロティンシーケンサー(アプライドバイオ
システム社)で分析
【表2】 アミノ酸組成分析 ───────────────────── アミノ酸 rhGIP 理論値 ───────────────────── Asp/Asn 6.8 7 Thr 1.9 2 Ser 1.7 2 Glu/Gln 5.1 5 Gly 1.9 2 Ala 2.8 3 Val 0.8 1 Met 2.0 2 Ile 3.8 4 Leu 1.8 2 Tyr 1.7 2 Phe 2.0 2 His 2.1 2 Lys 4.9 5 Trp1) 1.9 2 ───────────────────── 塩酸加水分解法(6N塩酸,110℃,24時間) 6330型アミノ酸分析計(ベックマン社)で分析1) Edelhoch 法
【0060】(7)rhGIPの薄層クロマトグラフィー分
析:上記(5)で得られたrhGIPをシリカゲル(Kieselg
el, メルク社製)とセルロース薄層プレート(アビセルS
F,フナコシ薬品(株)製)で分析した。展開溶媒として
n−ブタノール:ピリジン:酢酸:水=4:1:1:2
を用いて行なった結果Rf1値(シリカゲル)=0.30,
Rf2値(セルロース)=0.43であった。
【0061】実施例6 (1)Insulinotropin(GLP−I(7−37))−CS2
3融合蛋白質産生組換え体の調製:実施例5(1)で得ら
れたrhbFGFムテインCS23発現プラスミドpTB9
60−2をXbaI,AvaIで消化した。この断片と〔図
16〕(配列表:配列番号17)に示すDNAシンセサ
イザー(ABI社,381A)により合成された5′末
端にXbaI切断部位,3′末端にAvaI切断部位をもつ
GLP−I(7−37)(Insulinotropinと称することも
ある)遺伝子断片とをT4DNAリガーゼを用いて結合
し、プラスミドpTB960−7を作成した(〔図1
7〕)。発現プラスミドpTB960−7を用いて大腸
菌MM294(DE3)株を形質転換させることにより
GLP−I(7−37)−hbFGFムテインCS23(In
sulinotropin−CS23と称することもある。)融合蛋
白(〔図18〕に示す。配列表:配列番号18)遺伝子
を保持する組換え体、大腸菌MM294(DE3)/p
TB960−7(IFO 15254,FERM BP
−3690)を得た。 (2)組換え体の培養:LB培地(バクトトリプトン10
g/l,バクトイーストエキス5g/l,食塩5g/
l)にテトラサイクリン5mg/lを添加した培地30ml
に、上記(1)で得られた組換え大腸菌MM294(DE
3)/pTB960−7を1白金耳接種し、37℃にて
一夜振盪培養した。この培養液をM−9培地(Na2HP
4・12H2O 16.8g/l,KH2PO43g/l,
NH4Cl 1g/l,食塩0.5g/l,MgSO4・7
2O 0.246g/l)にグルコース15g/l,カ
ザミノ酸15g/l,塩酸チアミン1mg/l,テトラサ
イクリン5mg/lを添加した培地30mlへ、1.5ml宛
移植し、37℃にて振盪培養を行なった。濁度が100
〜120クレット単位まで生育した時点でIPTGを添
加し、さらに4時間培養を続けた。遠心分離により菌体
を集め、−20℃にて保存した。
【0062】(3)Insulinotropin−CS23融合蛋白質
の精製:上記(2)で得られた−20℃に凍結保存した形
質転換体大腸菌MM294(DE23)/pTB960−
7を25mMリン酸緩衝液(pH6.0)+0.1mM AP
MSF(p−アミジノフェニルメタンスルホニルフルオロ
ライド塩酸)+2mM DTT(ジチオスレイトール)+5
0μg/ml濃度のリゾチームを含む抽出用緩衝液に懸濁
し、氷冷下1時間放置した後、超音波細胞破砕機(イン
ソネーター,モデル200M,クボタ社製)を用いて、
氷冷下10分間処理した。得られた粗抽出液を遠心分離
機(ベックマン社製,モデルJ2−21,米国)を用いて
遠心し、得られた沈殿物(Insulinotropin−CS23融
合蛋白質の封入体)を25mMリン酸緩衝液で洗浄した
後、2%SDSまたは6Mグアニジン塩酸塩,100m
M DTTを含む0.2M Tris−HCl緩衝液(pH8.
0)に懸濁し、100℃で5分間処理して可溶化した。
得られた可溶化蛋白質を0.1%トリフルオロ酢酸で平
衡化したフェニル5PW RP(4.5mmID×7.5c
m,東ソー社製)に吸着し、0.1%トリフルオロ酢酸と
0.1%トリフルオロ酢酸+80%アセトニトリルとの
間で直線濃度勾配をかけて溶出を行なった。主要溶出画
分を遠心減圧式濃縮器(凍結乾燥機)(サーバント社,米
国)を用いて減圧乾固し、Insulinotropin−CS23融
合蛋白質精製乾燥品を得た。
【0063】(4)Insulinotropin−CS23融合蛋白質
からInsulinotropinの分離:Insulinotropin−CS23
融合蛋白質を6Mグアニジン塩酸塩を含む0.2Mトリ
ス−酢酸緩衝液(pH8.0)+10mMジチオトレイトー
ルに溶解し、1〜2時間、37℃に加温した。2−ニト
ロ−5−チオシアノ安息香酸を全チオール基の5〜10
倍量加え、水酸化ナトリウムでpHを8.0に再調製し
た。その後、37℃で15分間反応させた。酢酸を加え
てpHを4以下として、4℃に冷却後、透析あるいはゲ
ルろ過(50%酢酸)で脱塩を行なった。主要溶出画分を
遠心減圧式濃縮器(サーバント社,米国)を用いて凍結乾
燥した後、6Mグアニジン塩酸塩を含む、0.2Mトリ
ス−塩酸緩衝液(pH9.0)に溶解し、12時間,37℃
に加温した後、10KD膜(セントリコン,アミコン社
製)でろ過し、10KD以下の画分を0.1%TFA+
20%アセトニトリルで平衡化したphenyl 5PWRP
(4.5mmID×7.5cm,東ソー社製)に吸着させ、0.
1%TFA+20%アセトニトリルと0.1%TFA+
80%アセトニトリルの間で直線濃度勾配により溶出
した。主要溶出画分を遠心減圧式濃縮器(サーバント
社,米国)を用いて凍結乾燥した後、20mMリン酸緩衝
液(pH6.5)に溶解した。得られた粗精製Insulinotr
opin溶液を、20mMリン酸緩衝液で平衡化したCM−
5PW(7.5mmID×7.5cm,東ソー社製)に吸着さ
せ、20mMリン酸緩衝液(pH6.5)+1.0M Na
Clの間で直線濃度勾配により溶出した。得られた主要
溶出画 分を0.1%TFAで平衡化したODS−120
T(7.8mmID×30cm,東ソー社製)に吸着させ、
0.1%TFAと0.1%TFA+80%アセトニトリル
の間で直線濃度勾配により溶出した。主要溶出画分を遠
心減圧式濃縮器(サーバン ト社,米国)を用いて凍結乾
燥し、精製Insulinotropin乾燥品を得た。
【0064】(5)Insulinotropinのアミノ酸分析:上記
(4)で得られたrhInsulinotropinのN末端アミノ酸配列
分析を477A型プロティンシーケンサー(アプライド
バイオシステム社)で分析した結果、N末端にMetが付
加されたInsulinotropinの配列が検出された(〔表
3〕)。又アミノ酸組成分析を63 30型アミノ酸分析
計(ベックマン社)で分析した結果、理論値と一致してい
た(〔表4〕)。
【表3】 InsulinotropinのN末端アミノ酸配列 ────────────────────────── サイクル アミノ酸配列 塩基配列から予想 数 Insulinotropin されたアミノ酸 ────────────────────────── 1 Met Met 2 His His 3 Ala Ala 4 Glu Glu 5 Gly Gly 6 Thr Thr 7 Phe Phe 8 Thr Thr 9 Ser Ser 10 Asp Asp 11 Val Val 12 Ser Ser 13 Ser Ser 14 Tyr Tyr 15 Leu Leu 16 Glu Glu 17 Gly Gly 18 Gln Gln 19 Ala Ala 20 Ala Ala ────────────────────────── 477A型プロティンシーケンサー(アプライドバイオ
システム社)で分析
【0065】
【表4】 N.D. :Not Determined 塩酸加水分解法 6330型アミノ酸分析計(ベックマン社)で分析
【0066】実施例7 (I)ヒトPTHをコードする遺伝子の製造 (a)DNA断片の合成 図19に示す14種のDNA断片(#1〜#14)(配
列表:配列番号19〜32)は適当に保護されたDNA
β−シアノエチルホスホアミダイドを原料とし、アプ
ライドバイオシステムズ社、モデル380A・DNA自
動合成装置を用いて合成した。合成のプロトコールはア
プライドバイオシステムズ社指定のものを用いた。合成
した保護DNAオリゴマー・樹脂を0.2μmoleの樹脂
に対し濃アンモニア水2ml中で60℃、6時間加熱し
た。得られた生成物を逆相高速液体クロマトグラフィー
(以下HPLCと略記)で精製し、5’末端水酸基のみ
がジメトキシトリチル基で保護されたDNAオリゴマー
を得た。これを80%酢酸2ml、20分間処理し5’末
端ジメトキシトリチル基を除去し、生成物を逆相HPL
C、イオン交換HPLCで精製した。この様にして合成
した14種のDNAオリゴマーは図19(配列番号:1
6〜29)に示した通りである。
【0067】(b)DNAオリゴマーのリン酸化 5’末端になるべき#1(配列表:配列番号19),#
14(配列表:配列番号32)を除いた12種のDNA
オリゴマー(#2〜#13)(配列表:配列番号20〜
31)各々を25μlのリン酸化反応液〔DNAオリゴ
マー10μg,50mM Tris−HCl,pH7.6, 10mM
MgCl2, 1mMスペルミジン,10mMジチオスレイト
ール(以後DTTと略記),0.1mg/mlウシ血清アル
ブミン(以後BSAと略記),1mM ATP,10ユニ
ットT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)〕中で3
7℃ 1時間反応させ、5’末端リン酸化した。この反
応液を65℃で10分間処理し、次いで凍結、融解後、
次の反応に用いた。 (c)DNAフラグメントの連結(図20,図21参照) (c−1)hPTH遺伝子の2重鎖構成の1連の段階は図2
0に示した通りである(図中左端に突起のある(・−)
印は5’末端水酸基がリン酸化されていることを示
す)。たとえばブロックIの連結は次の様にした。5種
(DNAフラグメント#2〜#6(配列表:配列番号2
0〜24)に各々対応する)の上記(b)の操作で得たD
NAフラグメントのリン酸化反応液を7.5μlずつと
5’末端に相当するDNAフラグメント#1(配列表:
配列番号19)の2.5μgとを合わせ、50μlとし
た。これに5ユニットのT4DNAリガーゼ(ニューイ
ングランド・バイオラボ社)を加え、14℃で5時間イ
ンキュベートした後、65℃で10分間処理し、反応を
止めてブロックIを得た。同様にしてブロックII、III
を得た。これらブロックI〜IIIを各々20μlずつ混合
し、ここに5ユニットのT4DNAリガーゼを加え14
℃で20時間インキュベートし、65℃で10分間処理
し、反応を止めた。これを7.5%アクリルアミドゲル
を用いて、緩衝液(pH8.3)〔100mM Tris−HC
l,100mMホウ酸、2mM EDTA〕中、160Vで
1.5時間電気泳動にかけた。泳動後、0.6mg/lのエ
チジウムブロマイド(EtBr)でゲルを染色し、263
bpのDNA断片を含むゲル片を透析チューブ内に封入
し、泳動用緩衝液内に沈め、DNA断片をゲルから電気
的に溶出した〔ジャーナル オブモレキュラー バイオ
ロジー(J. Mol. Biol), 110, 119(1977)〕。この透析
チューブ内液を回収し、これを0.2M NaCl,20m
M Tris−HCl(pH7.4),10mM EDTA溶液であ
らかじめ緩衝化したElutip-d・カラム(Schleicher &
Schnell社)に注いでDNAを吸着させ、次いで、1.0
M NaCl、20mM Tris−HCl(pH7.4)、1.0mM
EDTA緩衝液で溶出させた。溶出液に2倍量のエタ
ノールを加え、−20℃に冷却した後、遠心でDNAを
沈殿させた。
【0068】(c−2)hPTH遺伝子の2重鎖構成の1連
の段階は図21に示した方法でも達成できる(図中左端
に突起のある棒(・−)印は5’末端水酸基がリン酸化
されていることを示す)。12種(DNAフラグメント
#2から#13(配列表:配列番号20〜31)に各々
対応する)のDNAフラグメントのリン酸化反応液(上
記(b)で得られた)5μlずつと5’末端に相当するD
NAフラグメント#1(配列表:配列番号19),#1
4(配列表:配列番号32)各々2μgを混ぜ、70μl
とした。これに5ユニットのT4DNAリガーゼ(宝酒
造)を加え、1 5℃で20時間インキュベートした。
これを8%アクリルアミドゲルを用いて、緩衝液(pH
8.3)〔100mM Tris−HCl,100mMホウ酸、2
mM EDTA〕中、125Vで2時間電気泳動にかけ
た。泳動後、0.6mg/lのEtBrでゲ ルを染色し、2
63bpのDNA断片を含むゲル片を透析チューブ内に封
入し、泳動用緩衝液内に沈め、DNA断片をゲルから電
気的に溶出した。この透析チューブ内液についてフェノ
ール処理を2回行ったのち、水層(上層)を回収し、2
倍量のエタノールを加え、−70℃に冷却した後、遠心
でDNAを沈殿させた。このようにして約1μgのDN
Aフラグメントが得られ、T4ポリヌクレオチドキ ナ
ーゼ(宝酒造)によるリン酸化を行った後、以下の(d
−2)に供した。 (d)hPTH遺伝子のクローニング(図22) (d−1)クローニングベクターには大腸菌のプラスミドp
BR322由来のpUC19〔Messing. J., ジーン(Gen
e), 33 103-109(1985)〕を使用した。pUC19DNA
を20μlの反応液〔20mM Tris−HCl,pH7.6,
7mM MgCl2,150mM NaCl, 10mM 2−メルカ
プトエタノール,20ユニットのNdeI(ニューイング
ランド・バイオラボ社),15ユニットのBamHI(宝
酒造)〕中、37℃、24時間反応させた後、水で5倍
希釈し、65℃で20分間処理し、酵素を失活させた。
この反応液5μlと約5当量のDNAフラグメント(上
記c−1)を混合し、50mM Tris−HCl(pH7.
5),10mM MgCl2,10mM DTT,1mMスペル
ミジン,0.1mg/ml BSAおよび1mM ATPを含む
20μlの反応液として、14℃、15時間T4DNA
リガーゼ(ニューイングランド・バイオラボ社製)を作
用させて、hPTH遺伝子をプラスミドに結合させた。
【0069】この反応液を用い、既知の方法に従い、大
腸菌JM109株〔Messing. J. ジーン(Gene), 33 103
-119(1985)〕を形質転換させた。すなわち、−70℃で
保存していた50μlのコンピテントセル〔Hanahan,
D., ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー
(J. Mol. Biol.),166, 557(1983)〕を0℃、15分
間インキュベートした後、10μlの上記反応液を添加
した。さらに0℃、30分間インキュベートした後、4
2℃で1.5分間、さらに0℃で2分間インキュベート
した。この反応液に200μlのLB培地(1リットル
当りバクトトリプトン10g、バクトイースト抽出物5
g、NaCl 5gを含む)を加え、37℃、1時間イン
キュベートした。この大腸菌を50μg/mlのアンピシ
リン,100μg/ml X−Gal, 0.1mM IPTGを
含むLB寒天培地上にまき、37℃で1晩培養した。生
じたアンピシリン耐性コロニー中、β−ガラクトシダー
ゼ欠損の14株を選び、この転換体のプラスミドDNA
をアルカリ法〔Maniatis, T.ら、モレキュラー クロー
ニング(Molecular Cloning (Cold Spring Harbour)、36
8-369(1982)〕により粗精製し、NcoIおよびBamHI
消化、さらにNdeIおよびBamHI消化した。これら消
化物の1.7%アガロースゲルでの泳動パターンから、
1株が正しくhPTH遺伝子の挿入されている転換株で
あることがわかった。
【0070】(d−2)hPTH遺伝子のクローニングは以
下の方法でも行った。クローニングベクターにはpUC
19(宝酒造)を使用した。pUC19DNA 0.5μg
を10μlの反応液〔50mM Tris−HCl,pH7.
5,10mM MgCl2,100mMNaCl2, 1mMジチオ
スレイトール、20UのNdeI(ニューイングランド・
バイオラボ社),10UのBamHI(宝酒造)〕中、37
℃、5時間反応させた後、65℃で15分間処理し、酵
素を失活させた。この反応液1μlと約10当量のDN
Aフラグメント(上記c−2)とを混合し、DNAライ
ゲーションキット(宝酒造)を用い、hPTH遺伝子をプ
ラスミドに結合させた。大腸菌JM109株への形質転
換は上記d−1と同じ方法で行った。生じたアンピシリ
ン耐性コロニー中、β−ガラクトシダーゼ欠損の17株
を選び、この転換株のプラスミドDNAをアルカリ法に
より粗精製し、NcoIおよびBamHI消化、さらにNde
IおよびBamHI消化した。これら消化物の1.5%ア
ガロースゲルでの泳動パターンから、3株が正しくhP
TH遺伝子の挿入されている転換株であることがわかっ
た。
【0071】上記d−1およびd−2で得たクローニング
ベクターをpU・PTH・C19と名付けた。このプラ
スミドpU・PTH・C19を持つ大腸菌JM109組
換え体の1白金耳を、50μg/mlのアンピシリンを含
むLB培地20mlに接種し、37℃で一夜、振盪培養し
た。この培養液からプラスミドDNAを粗精製し、20
μg/mlのRNaseを含むTE緩衝液(10mM Tris−H
Cl pH8.0,1mMEDTA)80μlに溶かした。 (e)hPTHの発現用プラスミドの構築ならびに形質転換
体の製造(図22) 1) 上記d項で得られた約10μgのpU・PTH・C1
9を反応液〔150mMNaCl,20mM Tris−HCl
(pH7.8),7mM MgCl2,10mM 2−メルカプ
トエタノール,40ユニットNdeI,20ユニットBam
HI(宝酒造)〕中、37℃、5時間反応させた後、1.
7%アガロースゲル電気泳動により263bpDNA断片
を常法に従って精製した。一方、発現用ベクターにはp
ET3c〔Stadier, F. W. ら、メソッズ インエンザイ
モロジー(Methods in Enzymology),195 60-89(199
0)〕を使用した。pET3c DNAを上記と同様にし
て、NdeI及びBamHI消化し、この反応液に4倍量の
水を加え、65℃で20分間加熱し、酵素を失活させ
た。この様にして得た263bp DNAおよびプラスミ
ドDNAは各々、両端にNdeI消化およびBamHI消化
により生じた単鎖の付着端を有する。これら両者を混合
し、50mM Tris−HCl,pH7.6,10mM MgC
l2,10mM DTT,1mMスペルミジン0.1mg/ml
BSAおよび1mM ATP存在下、14℃,16時間T
4DNAリガーゼ(ニューイングランド・バイオラボ
社)を作用させてDNAを結合し、前出と同様な方法で
大腸菌JM109株を形質転換させた。次にこの大腸菌
を50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地上に
まき、37℃で1日培養した。生じたアンピシリン耐性
コロニーを選んだ。さらに転換株のプラスミドDNAを
NdeI−BamHI,Bgl II−BamHI,EcoRI−Nd
eI,Avr II−Bgl IIなどの制限酵素の組み合わせで
消化し、ポリアクリルアミド電気泳動のパターンから、
正しくhPTH遺伝子を含む形質転換体を選択した。こ
の様にして得た発現用プラスミドをPE−PTHと、ま
た形質転換体をエシエリヒアコリJM109/pE−P
THと名づけた。
【0072】(II)〔Cys35〕ヒトPTH(1−84)の製
造 (i)特定部位指向性変異誘発を行うためのヒトPTH遺
伝子を含むプラスミドpU−PTHの構築 ヒトPTHのDNAが組み込まれたプラスミドpE−P
TH(上記(I)で得られたもの)からBamHIとXbaI
とで消化することによりヒトPTHのDNAおよびpE
T3cの発現プロモーターを含む0.3キロベースのD
NA断片を得た。次に、一本鎖調製用プラスミドベクタ
ーpUC118をBamHIとXbaIにより消化し、上述
のヒトPTH遺伝子を含むDNA断片と混ぜ、T4DN
Aリガーゼにより連結した。連結したDNAを用いて大
腸菌MV1184を形質転換し、XgaIを指示種とする
プレート上に播き、正しくヒトPTH遺伝子がpUC1
18に挿入された組換えプラスミドpU−PTHをファ
ージ粒子の形で培地に放出する。この一本鎖DNAを精
製して、部位指向性変異誘発の鋳型として用いた。な
お、ここで用いた大腸菌MV1184、ヘルパーファー
ジK07は、J. Vieira,J. Messing, メソッズ・イン・
エンザイモロジー(Methods in Enzymology),153, 3-
11(1987)に記載されている。
【0073】(ii)〔Cys35〕ヒトPTH(1−84)をコ
ードする遺伝子の製造とその発現 (a)〔Cys35〕ヒトPTH(1−84)をコードする遺伝
子の製造(図23参照) まず、35位のValのコドンをCysのコドンに変換する
ためオリゴヌクレオチドプライマーA:CACAATT
TTTGCGCCTTAGGTGC(配列表:配列番号
33)を合成した。T4キナーゼ処理により5’OH末
端をリン酸化した上記合成オリゴヌクレオチド(4ピコ
モル)と、先に記した一本鎖状のpU−PTH(5μg)
を用いて、特定部位指向性変異誘発キット(アマシャム
社:オリゴヌクレオチド・ディレクテッド・インビトロ
・ミュータジェネシス・システム・バージョン2)によ
り、変異を導入したプラスミドを得た。このプラスミド
で常法により大腸菌MV1184を形質転換し、150
μg/mlのアンピシリンを含む2倍YT培地寒天プレー
トに播いて37℃、15時間培養し、多数のコロニーを
得た。そのうち10個のコロニーから少量の菌体を取っ
て0.3mlの2倍YT培地で約5時間培養した。この培
養液30μlとヘルパーファージK07を含む溶液30
μlを混合して37℃に1時間静置し、3mlの2倍YT
培地を加えて一晩培養した。培養液を遠心操作で上清と
菌体に分け、菌体からはプラスミドをアルカリ法で粗精
製し、上清からは、常法によりファージ粒子として存在
する一本鎖DNAを回収した。
【0074】前述のオリゴヌクレオチドプライマーAに
は、鋳型となるヒトPTHをコードする遺伝子中に存在
しなかった制限酵素HhaI認識部位が含まれている。し
たがって、正しく変異が導入されたプラスミドにHhaI
を作用させると、変異により新たに生じたHhaI部位と
pUC118に始めから存在するHhaI部位の25ケ所
で切断され、260塩基対の断片が生じるはずである。
前述の10個のコロニーから得たプラスミドをHhaIで
消化し、アガロースゲル電気泳動で分析したところ、4
つのクローンで正しい大きさの断片が見られた。さら
に、この2つのクローンの一本鎖状プラスミドを鋳型と
して、アプライドバイオシステムズ社、モデル373A
DNAシークエンサーにより塩基配列を分析した結
果、目的とする変異が導入されていることを確認した
(図25)(配列表:配列番号33)。
【0075】こうして得られた〔Cys35〕ヒトPTHを
コードする遺伝子(図25)を含むプラスミドをpU−
C35PTHと称する。 (b)大腸菌での発現用プラスミドpE−35PTHの構築
(図24参照) (a)で得られたpU−C35PTHを制限酵素XbaIおよ
びBamHIで消化して、ムテイン〔Cys35〕ヒトPTH
をコードする約0.3kbpの断片を得た。これをアガロー
スゲル電気泳動で精製した後、前もって制限酵素XbaI
とBamHIで消化しておいた発現用プラスミドベクター
pET3c〔F. W. Stadier ら、メソッズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymology),195, 60-89
(1990)〕に、T4リガーゼにより結合させた。こうして
得られた発現用プラスミドをpE−C35PTHと称す
る。大腸菌MM294株に、T7ファージのRANポリ
メラーゼ遺伝子を組み込んだλファージDE3〔F. W.
Stadier ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオ
ロジー(J. Mol. Biol.)189, 113-130(1986)〕を溶原
化させ、大腸菌MM294(DE3)株を作成した。該
プラスミドpE−C35PTHを用いて大腸菌MM29
4(DE3)を形質転換することにより、図25に示す
ムテインをコードする遺伝子を含有するプラスミドを持
つ菌体MM294(DE3)/pE−C35PTHを得
た。
【0076】(c)〔Cys35〕ヒトPTHの製造 i) エシエリヒア コリMM294(DE3)/pE−
C35PTHを50μg/mlのアンピシリンを含むLB
培地3ml中、37℃で一晩振盪培養した。この培養液1
00μlを200mlのフラスコに分注した10mlの同じ
培地に加え、37℃でクレット値が約170になるまで
培養した後、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシド(IPTG)を加えて、0.1mMとなるようにし
た。さらに2時間培養を続けた後、この培養液1mlを1
5000rpm、4℃、5分間遠心分離し、得られた菌体
を、0.5M Tris・HCl(pH6.8)、10%グリセロ
ール、10%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)、β−メルカプトエタノール0.1%(W/V)、ブ
ロモフェノールブルーの入った水溶液100μl〔Laemm
li, U. K, ネイチャー(Nature), 227 680(1970)〕に溶
かし3分間煮沸後、16%SDSポリアクリルアミド電
気泳動(PAGE)に付した。泳動の後ゲルをクマシー
ブリリアントブルーで染色したところ、標準品ヒトPT
Hと同じ移動度を示す濃いバンドが観察された(図26
参照)。図26における各レーンは各々、レーン1:ヒ
トPTH(1μg)、レーン2:IPTGを添加後のプ
ラスミドpE−C35PTHを保持しない大腸菌株の培
養液(10μl)、レーン3:IPTGを添加後のプラ
スミドpE−C35PTHを保持する大腸菌株培養液
(10μl)のものを示す。また別のゲルをヒトPTH
抗体を用いたウエスタンブロッティングに付した結果、
ここでも標準ヒトPTHと同じ染色パターンが得られた
(図27参照)。図27における各レーンの対象は図2
6のものと同様である。ゲルの染色における標準品との
量的比較より、〔Cys35〕ヒトPTHは1リットル培養
液に換算して約200mg発現していた。
【0077】ii) E. coli内に蓄積された〔Cys35〕ヒ
トPTHを以下のようにして精製した。上記と同様にし
て得られた培養液200mlからの菌体を8M尿素、50
mM Tris・HCl(pH7.5)、50mM EDTA、2
0mM 2−メルカプトエタノール (以下2−MEと略
す)1mM α−トルエンスルホニルフルオライドを含有
する緩衝液(5ml)に懸濁し、氷冷下で激しく撹拌し
(約1時間)、菌体を破壊した。15000rpm、4
℃、20分間遠心分離し、上清を集め、沈殿について同
じ 組織の緩衝液(3mlずつ)で同様の抽出操作を2度
行なった。上清液を合わせ、2倍に希釈し、この液を、
4M尿素と10mM 2−MEを含む50mM酢酸アン モ
ニウム緩衝液(pH5)で平衡化した、TSK−ゲル、
CM−トーヨーパール のカラム(東ソー)(10ml)
に通し、目的物を吸着させた、4M尿素と10m M 2
−MEを含む、50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH
5)でカラムを洗浄 し(約10mlを要した)、280n
mにおける吸収がなくなったら、10mM 2−MEを含
む50mM酢酸アンモニウム(pH5)緩衝液50ml−
0.5M酢酸アン モニウム(pH6)緩衝液50mlを用
いた直線濃度勾配法でカラムを展開した(流速:10ml
/時間、1フラクション2ml)。フラクション35−4
3を集め、これを凍結乾燥した。これを以下の条件の逆
相高速液体クロマトグラフィーに付した。カラム、YM
C−パック A−325 S−5 120A ODS(1×
30cm)(ワイ・エム・シー製);溶媒,0.1%トリ
フルオロ酢酸を含む、25%か ら50%までのアセト
ニトリルによる直線濃度勾配法(30分間);流速、3
ml/分。目的物のピーク(保持時間17.0分)を分取
した。得られた溶出液をBio−Rad AGl×8(酢酸
型)(Bio−Rad Laboratory)のカラムに通し洗液も合
わせアセトニトリルを留去した後、凍結乾燥した。目的
のhPTHが白色粉末と して3.6mg得られた。
【0078】本標品は以下の諸分析結果より、高純度の
〔Cys35〕ヒトPTHであることが示された。 a) 逆相HPLCにて鋭い単一ピークを示した(図28
参照)。カラム:YMC−パックA−303 S−5 O
DS 120A φ4.6×250mm;溶出液:A(0.1
%トリフルオロ酢酸)、B(0.1%トリフルオロ酢酸
を含むアセトニトリル);濃度勾配:0−30分(30
−38%,B)、流速1ml/分。 b) SDS−PAGEでもヒトPTHと同じ移動度の単
一バンドを示した(図29参照)。各レーンは、レーン
1:分子量マーカー、レーン2:ヒトPTH、レーン
3:〔Cys35〕ヒトPTHのものを示す。 c) アミノ酸分析(チオグリコール酸存在下、減圧封管
中、110℃、24時間、5.7N塩酸加水分解、カッ
コ内は理論値を示す):Asp(10), 10.33;Thr
(1), 0.91;Ser(7), 6.10;Glu(11), 11.8
2;Pro(3), 3.00; Gly(4), 4.44;Ala(7),
6.91;Cys(1), 1.11;Val(7), 6.60;Met
(2), 2.11;Ile(1), 1.01;Leu(10), 10.8
3;Phe(1), 1.1 0;Lys(9), 9.32;His(4),
3.75;Arg(5), 5.21;Trp(1),0.93(回収率
84.2%、Cysは過蟻酸酸化後の加水分解物の分析
値) d) アプライドバイオシステムズ社 気相シークエンサー
モデル470AによりN末端アミノ酸配列分析で、1
位Serから15位Leuまでの配列が正しいものである事
が示された。このようにして35位バリンがシステイン
に置換された図25に示すアミノ酸配列(配列表:配列
番号34)を有するムテインが得られた。
【0079】(III)〔Cys35〕hPTH(1−84)からh
PTH(1−34)OHの製造 〔Cys35〕hPTH(1−84)のCys35のS−シアノ化
は実施例5(5)に示した方法に順じて以下のように行っ
た。〔Cys35〕hPTH(1−84)4.76mgを2.4ml
の6M・Gu−HCl−0.2M−トリス−酢酸(pH8.
0)に溶解し、上記緩衝液0.1mlに溶かした0.154
mgのジチオスレイトールを加えて、室温で30分放置し
た。これに0.1mlの同緩衝液に溶かした1.646mgの
NTCBを加え、直ちにpHを8.0に調整し、室温で1
5分間反応させた。反応終了後、2.5mlの酢酸を加
え、セファデックスG−25(Sephadex G−25)を
用いるゲルろ過により脱塩した。ゲルろ過条件は、カラ
ムサイズ,2.6×37cm, 検出波長280nm;溶媒,
10%酢酸;流速20ml/hであった〔SCN−Cy
s35〕hPTH(1−84)を含む画分を集め、凍結乾燥後
切断反応に使用した。hPTH(1−34)OHを得るた
めの切断反応は以下のように行った。200μgの〔S
CN−Cys35〕hPTH(1−84)を200μlの6M−
Gu−HCl−0.1Mホウ酸緩衝液中、37℃,17時
間反応させ、等量の氷酢酸を加えて反応を停止させた。
得られた反応液について逆相高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析した(図30)。分析条件は、カラム,Y
MC A−303 ODS 4.6×250mm;カラム温
度,25℃;溶出溶媒A,0.1%トリフルオロ酢酸−
99.9%蒸留水;溶出溶媒B,0.1%トリフルオロ酢
酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログラム0分
(75%A+25%B),40分(60%A+40%
B),45分(20%A+80%B);溶出速度0.7m
l/min;検出波長230nmであった。図中、矢印で示し
た保持時間約35分のピークがペプチド研究所(日本)
から購入した標準hPTH(1−34)OHの溶出時間と
一致した。このピーク画分を分取し、種々の蛋白化学的
分析を実施した。なお、本逆相高速液体クロマトグラフ
ィーの溶出条件では切断産物のうちC末端側フラグメン
トは素通り画分に溶出された。
【0080】上述の方法に従って分析したhPTH(1−
34)OHのアミノ酸組成値は表5のとおりであり、こ
れらの値はhPTH(1−34)OHの理論値とよく一致
していた。さらに、得られたhPTH(1−34)OHの
カルボキシル末端アミノ酸、Phe34がラセミ化していな
い事を以下の方法で確めた。アミノ酸分析に用いた加水
分析物を試料として用い、オルトフタルアルデヒドによ
り、加水分析物中の全てのアミノ酸をプレラベルした。
カラムにはYMCA−303 ODS(4.6×250m
m)を用い、逆相高速液体クロマトグラフィーにより分
析した。溶出溶媒は50mM酢酸ナトリウム−40%メ
タノールであった。その結果、加水分解物中のPheは全
てL−Pheとして検出され、D−Pheのピークは全く検
出されなかった。また、得られたhPTH(1−34)O
Hの分子量をFAB−MS(fast atom bombardment ma
ss spectrometry)により測定した結果、mass (m/z):
(M+H)+=4116.8が観測され、理論値4118.
1との差は誤差範囲であった。
【表5】
【0081】実施例8 〔Cys35〕hPTH(1−84)からhPTH(1−34)−
NH2の製造 〔Cys35〕hPTH(1−84)のCys35のS−シアノ化
はジャーナル オブ ケミカル ササイエテイ ケミカ
ル コミュニケイション(J. C. S. Chem. Comm.)196
7, 21〜22に順じて、以下のように行った。8.40
mgの〔Cys35〕hPTH(1−84)を3.78mlの7M
Urea−0.1M 酢酸アンモニウム(pH3.5)に溶解
し、25℃,15分間放置したのち、592μgの1−
シアノ−4−ジメチルアミノ ピリジニウム フルオロ
ボレイトを0.42mlの上記緩衝液に溶かして加えた。
室温で15分間反応させ、反応終了後、直ちにセファデ
ックスG−25(Sephadex G−25)カラムを用いて
脱塩した。カラム条件は、カラムサイズ,2.6×37c
m;溶出溶媒,10%酢酸;流速20ml/hr;検出波
長,280nmであった。〔SCN−Cys35〕hPTH(1
−84)を含む画分を集め、 凍結乾燥した。収量は7.
5mgであった。これを用いて以下の切断反応を行った。
200μgの〔SCN−Cys35〕hPTH(1−84)を2
00μlの3M−アンモニア水に溶解し、37℃で10
分反応させた。得られた反応液について、実施例7で示
した分析条件で逆相高速液体クロマトグラフィーを行っ
た。図31に示したように、〔SCN−Cys35〕hPT
H(1−84)は完全に消失し、保持時間32分にショル
ダーを持つ1つのピークが観察された。このピークのう
ち主ピーク部分が固相合成した標準hPTH(1−34)
NH2の溶出位置と一致した。なお、切断産物のうちC
末端側フラグメントはこの分析条件では素通り画分に溶
出された。
【0082】実施例9 〔Cys35〕hPTH(1−84)からhPTH(1−34)−
NHC25の製造 実施例8で得られた〔SCN−Cys35〕hPTH(1−8
4)200μgを500μlの3.1Mエチルアミンに溶解
し、37℃で20分間反応させ、反応終了後等量の氷酢
酸を加えて反応を停止させた。得られた反応液について
逆相高速液体クロマトグラフィーにより分析した。分析
条件は実施例7に示した。図32に示したように〔SC
N−Cys35〕hPTH(1−84)はほぼ消失し、主に2
つのピークが検出された。保持時間31分および36分
に溶出されたピークをそれぞれピーク7およびピーク8
と名ずけ、分取し、蛋白化学的分析を実施した。実施例
7に述べた方法に従って分析したピーク8画分のアミノ
酸組成値は表6のとおりであり、これらの値はhPTH
(1−34)NHC25の理論値とよく一致していた。さ
らに、ピーク8のカルボキシ末端アミノ酸Phe34につい
て、アミノ酸分析に用いた加水分解物を試料として用
い、D,L体のいずれであるかを分析した。分析はオル
トフタルアルデヒドにより全てのアミノ酸をプレラベル
したのち、YMC A−303 ODS(4.6×250m
m)カラムを用いる逆相高速液体クロマトグラフィーに
より行った。溶出溶媒は50mM酢酸ナトリウム−40
%メタノールであった。その結果、加水分解物中のPhe
は全てL−Pheとして検出され、D−Pheのピークは全
く検出されなかった。また、得られたhPTH(1−3
4)NHC25の分子量をFAB−MSにより測定した
結果、mass(m/z):(M+H)+=4144.9が観測さ
れ、理論値4143.2との差は誤差範囲であった。ピ
ーク7画分についても同様にアミノ酸分析を行った。得
られた値は〔SCN−Cys35〕hPTH(1−84)の組
成比とほぼ一致していた。原料である〔SCN−Cy
s35〕hPTH(1−84)は保持時間約35分に溶出され
ることから、ピーク7は〔SCN−Cys35〕hPTH(1
−84)のS−シアノ基がβ脱離して生じた〔デヒドロ
アラニン35〕hPTH(1−84)であることが示唆され
た。β脱離反応は切断反応と競争して起こることがY. D
egani, A. Patchornik らによって報告されている。バ
イオケミストリー(Biochemistry)13, 1〜11(1974)。
【0083】なお、切断産物のうちのC末端側フラグメ
ントは、本分析条件では素通り画分に溶出された。
【表6】 得られたhPTH(1−34)NHC25のアミノ酸組成
【0084】実施例10 (1) H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-
NH2(ペプチドA)の製造 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH
2(ペプチドA)(配列表:配列番号35)の合成は自動
ペプチド合成機430A(アプライドバイオシステムズ
社)を用いてメリーフィールド アール ビー(Merrif
ield, R. B.)(1969)アドバンズ オブ エイザイモロ
ジー(Adv. Enzymol.)32, 221-296の方法に順じて、固
相法で行なった。担体にはp−Methyl−BHA−レジン
を用い、カルボキシル末端から順次合成した。Boc−ア
ミノ酸として、Boc−Pro,Boc−Tyr(Br−Z),
Boc−Gly,Boc−Cys(4−CH3Bzl),Boc−Gl
u(OBzl),Boc−Asn,Boc−Leu,Boc−Valを
用いた。アミノ末端Proまで合成したのちペプチドレジ
ンを合成機から取り出した。ペプチドレジン450mgに
p−クレゾール0.45ml エタンジチオール0.45ml
2−メルカプトピリジン50mg,さらに約3.6mlの
液体フッ化水素を加えて、0℃で1.5hr反応させた。
反応終了後、フッ化水素を減圧除去し、0.1%の2−
メルカプトエタノールを含むジエチルエーテルで洗い、
大部分の混在試薬を除去した。ペプチドを10mlの3%
酢酸で抽出し、遠心分離してレジンを除き、上清液につ
いてセファデックスG−25(Sephadex−G−25)を
用いるゲルろ過により精製した。ゲルろ過条件は、カラ
ムサイズ,2.8×60cm;検出波長,280nm;溶
媒,3%酢酸;流速30ml/hrであった。ペプチドを含
む画分を集め、逆相高速液体クロマトグラフィーにより
さらに精製した。カラム、YMC A−303 ODS
4.6×250mm;カラム温度,25℃;溶出溶媒A,
6.1%トリフルオロ酢酸−99%蒸留水;溶出溶媒
B,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニトリ
ル;溶出プログラム0分(95%A+5%B),30分
(55%A+45%B),35分(20%A+80%
B);流速0.7ml/min;検出波長,280nm。本条件
下で保持時間約27分に溶出した主ピーク画分を集めて
凍結乾燥した。 アミノ酸分析値:Asp(1), 1.03;Glu(2), 2.1
5;Gly(2), 1.89;Val(1), 0.89;Leu(1),
1.00;Tyr(2), 1.96;Pro(1), 1.00
【0085】(2) H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-
Leu-Val-Tyr-NH2からH-Pro-Tyr-Gly-OH(配列表;配列
番号36)の製造 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH
2(ペプチドA)のCys4のS−シアノ化はメソッド イン
エイザイモロジー(Methods in Enzymol.)47,129-13
2(1977)に順じて以下のように行った。677μg(0.
546μモル)のペプチドAに2.4mlの6Mグアニジ
ン塩酸(Gu・HCl)−0.2M トリス酢酸緩衝液(p
H8.0)を加えて溶解し、0.1mlの同緩衝液に溶解し
た154μg(1μモル)のジチオスレイトールを加
え、室温で30分間放置した。これに0.1mlの同緩衝
液に溶解した2−ニトロ−5−チオシアノ安息香酸(N
TCB)1.65mg(7.5μモル)を加え、pHを8.0
に再調整後室温で15分間反応させたのち、1mlの氷酢
酸を加えて反応を停止させた。このようにして得られた
反応液について逆相高速液体クロマトグラフィーにより
脱塩精製し、〔S−シアノ−Cys4〕−ペプチドA〔S
CN−Cys4〕ペプチドA)を得た。逆相高速液体クロ
マトグラフィーの条件はカラム、YMC A−303 O
DS 4.6×250nm;カラム温度,25℃;溶出溶媒
A,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%蒸留水;溶出
溶媒B,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニ
トリル;溶出プログラム0分(95%A+5%B),3
7分(55%A+45%B),35分(20%A+80
%B);溶出速度,0.7ml/min;検出波長,280n
m。本条件下で〔SCN−Cys4〕ペプチドAは主ピーク
として保持時間28分に溶出された。本画分を分取し以
下の切断反応に使用した。
【0086】H-Pro−Tyr−Gly−OH を得るための切断反
応は、メソッド イン エイザイモロジー(Methods in
Enzymol.)47, 129-132(1977)に順じ、6M Gu・HC
l・0.1M−ホウ酸緩衝液(pH9.2)中で行った。す
なわち、62μgの〔SCN−Cys4〕ペプチドAを2ml
の6M−Gu・HCl−0.1M−ホウ酸緩衝液(pH9.
2)に溶解し、37℃で20時間反応させ、0.2mlの
氷酢酸を加えて反応を停止させた。得られた反応液を逆
相高速液体クロマトグラフィーにより分析した(図33
−B)。逆相高速液体クロマトグラフィーの分析条件は
[SCN−Cys4]ペプチドAの取得のための条件と同じ
であった。保持時間28分に溶出された〔SCN−Cys
4〕ペプチドA(図33−A)は切断反応後完全に消失
し、代わりに主に2つのピークが認められた。保持時間
17分のピークをピーク1,25分のピークをピーク2
となずけ、それぞれ分取し、蛋白化学的分析を行った。
アミノ酸組成分析は定沸点塩酸を加えて減圧下に封管
後、110℃で24時間加水分解し、日立製835型ア
ミノ酸分析計により実施した。その結果、ピーク1のア
ミノ酸組成比は、Pro 0.88(1), Gly 1.00(1),
Tyr 0.88(1)であり、目的物であるPro−Tyr−Gl
y−OHの理論アミノ酸組成比とよく一致した。ピーク
2のアミノ酸組成比はAsp 1.00(1), Glu 1.86
(2), Gly0.84(1), Val 1.00(1), Leu 1.03
(1), Tyr 0.97(1)であり、切断産物のC末端側フラ
グメントの理論アミノ酸組成比とよく一致した。ピーク
1の分子量とSIMS(Secondary ion mass spectrome
try)により測定した結果、mass(m/z):(M+H)+=3
36が検出され、H−Pro−Tyr−Gly−OH の理論
分子量335.14と一致した。
【0087】実施例11 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH2
からH-Pro-Tyr-Gly-NH2の製造 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH
2(ペプチドA)のCys4のS−シアノ化および〔SCN−
Cys4〕ペプチドAの分取は実施例10に示した。 H-P
ro−Tyr−Gly−NH2 を得るため、希アンモニア水中で切
断反応を行った。 すなわち〔SCN−Cys4〕ペプチド
A62μgを0.5mlの3M−アンモニア水 中37℃で
10分間反応させ、等量の氷酢酸を加えて反応を停止さ
せた。得られた反応液について、実施例10に示した条
件で逆相高速液体クロマトグラフィーを行い、反応液を
分析した(図33−C)。切断反応後、原料の〔SCN
−Cys4〕ペプチドAのピークは完全に消失し、代わり
に主として2つのピークが観察 された。保持時間1
4.8分に溶出されたピークをピーク3、保持時間25
分に溶出されたピークをピーク4と名ずけ、それぞれ分
取した。両ピークのアミノ酸組成値を実施例10に示し
た方法に従って分析した結果、ピーク3のアミノ酸組成
比はGly 1.00(1), Tyr 0.98(1), Pro 0.96
(1)であり、これらの 値は目的物であるH−Pro−Tyr
−Gly−NH2の理論アミノ酸組成比とよく一 致した。
ピーク4のアミノ酸組成値はAsp 1.00(1), Glu
1.92(2), Gly 0.99(1), Val 0.84(1), Leu
0.95(1), Tyr 0.99(1)であり、切断産物のうち
のC末端側フラグメントの理論アミノ酸組成値と一致し
た。ピーク3の分子量をSIMSにより測定した結果、
mass(m/z):(M+H)+=335が 検出され、H−Pro
−Tyr−Gly−NH2の理論分子量334.16と一致し
た。
【0088】実施例12 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH2
からH-Pro-Tyr-Gly-NHC2H5の製造 H-Pro-Tyr-Gly-Cys-Gly-Glu-Glu-Asn-Leu-Val-Tyr-NH
2(ペプチドA)のS−シアノ化および〔SCN−Cys4
ペプチドAの分取は実施例10に示した方法に従った。
H−Pro−Tyr−Gly−NHC25 取得のための切断
反応は以下のように行った。62μgの〔SCN−Cy
s4〕ペプチドAを500μlの3.1Mエチルアミン溶液
中37℃,10分間反応させた。等量の氷酢酸を加えて
反応を停止させ、得られた反応液を逆相高速液体クロマ
トグラフィーにより分析した。(図33−D)。カラム
条件は実施例10に示した分析条件と同じであった。切
断反応後、原料の〔SCN−Cys4〕ペプチドAのピー
クは完全に消失し、代わりに2つのピークが認められ
た。保持時間18.6分に検出されたピークをピーク
5,25分に検出されたピークをピーク6とし、それぞ
れ分取した。両ピークのアミノ酸組成値を実施例10に
示した方法に従って分析した結果、ピーク5はGly1.
00(1), Tyr 0.95(1), Pro 1.02(1), エチル
アミン 0.95(1),(ニンヒドリン発色率をGlyと同じ
として算出)であり目的物H−Pro−Tyr−Gly−NH
25の理論アミノ酸組成値と一致した。ピーク6はA
sp 1.00(1), Glu 1.89(2), Gly 0.99(1),
Val 0.84(1), Leu 0.94(1),Tyr 1.00(1)で
あり、切断産物のうち、C末端側フラグメントの理論ア
ミノ 酸組成値と一致した。ピーク5の分子量をSIM
Sにより測定した結果、mass(m/z):(M+H)+=36
3が検出され、H−Pro−Tyr−Gly・NHC25の理
論分子量362.20と一致した。
【0089】
【発明の効果】本発明方法によると、目的とする蛋白質
やペプチドを分解を受けないで製造することができるの
で、医薬用等のペプチドを工業的大量に製造する際に有
利である。
【0090】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0091】配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0092】配列番号:3 配列の長さ:561 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TACGCGGAAG GGACTTTCAT CAGTGACTAC AGTATTGCCA TGGACAAGAT TCACCAACAA 60 GACTTTGTGA ACTGGCTGCT GGCCCAAAAG GGGAAGAAGA ATGACTGGAA ACACAACATC 120 ACCCAGTGCC CCGAGGATGG CGGCAGCGGC GCCTTCCCGC CCGGCCACTT CAAGGACCCC 180 AAGCGGCTGT ACTGCAAAAA CGGGGGCTTC TTCCTGCGCA TCCACCCCGA CGGCCGAGTT 240 GACGGGGTCC GGGAGAAGAG CGACCCTCAC ATCAAGCTAC AACTTCAAGC AGAAGAGAGA 300 GGAGTTGTGT CTATCAAAGG AGTGAGCGCT AATCGTTACC TGGCTATGAA GGAAGATGGA 360 AGATTACTAG CTTCTAAGTC TGTTACGGAT GAGTGTTTCT TTTTTGAACG ATTGGAATCT 420 AATAACTACA ATACTTACCG GTCAAGGAAA TACACCAGTT GGTATGTGGC ACTGAAACGA 480 ACTGGGCAGT ATAAACTTGG ATCCAAAACA GGACCTGGGC AGAAAGCTAT ACTTTTTCTT 540 CCAATGTCTG CTAAGAGCTG C 561
【0093】配列番号:4 配列の長さ:561 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TACGCGGAAG GGACTTTCAT CAGTGACTAC AGTATTGCCA TGGACAAGAT TCACCAACAA 60 GACTTTGTGA ACTGGCTGCT GGCCCAAAAG GGGAAGAAGA ATGACTGGAA ACACAACATC 120 ACCCAGTGTC CCGAGGATGG CGGCAGCGGC GCCTTCCCGC CCGGCCACTT CAAGGACCCC 180 AAGCGGCTGT ACTGCAAAAA CGGGGGCTTC TTCCTGCGCA TCCACCCCGA CGGCCGAGTT 240 GACGGGGTCC GGGAGAAGAG CGACCCTCAC ATCAAGCTAC AACTTCAAGC AGAAGAGAGA 300 GGAGTTGTGT CTATCAAAGG AGTGAGCGCT AATCGTTACC TGGCTATGAA GGAAGATGGA 360 AGATTACTAG CTTCTAAGTC TGTTACGGAT GAGTGTTTCT TTTTTGAACG ATTGGAATCT 420 AATAACTACA ATACTTACCG GTCAAGGAAA TACACCAGTT GGTATGTGGC ACTGAAACGA 480 ACTGGGCAGT ATAAACTTGG ATCCAAAACA GGACCTGGGC AGAAAGCTAT ACTTTTTCTT 540 CCAATGTCTG CTAAGAGCTG C 561
【0094】配列番号:5 配列の長さ:537 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TCTGTGAGTG AAATACAGCT TATGCATAAC CTGGGAAAAC ATCTGAACTC GATGGAGAGA 60 GTAGAATGGC TGCGTAAGAA GCTGCAGGAT GTGCACAATT TTTGCCCCGA GGATGGCGGC 120 AGCGGCGCCT TCCCGCCCGG CCACTTCAAG GACCCCAAGC GGCTGTACTG CAAAAACGGG 180 GGCTTCTTCC TGCGCATCCA CCCCGACGGC CGAGTTGACG GGGTCCGGGA GAAGAGCGAC 240 CCTCACATCA AGCTACAACT TCAAGCAGAA GAGAGAGGAG TTGTGTCTAT CAAAGGAGTG 300 AGCGCTAATC GTTACCTGGC TATGAAGGAA GATGGAAGAT TACTAGCTTC TAAGTCTGTT 360 ACGGATGAGT GTTTCTTTTT TGAACGATTG GAATCTAATA ACTACAATAC TTACCGGTCA 420 AGGAAATACA CCAGTTGGTA TGTGGCACTG AAACGAACTG GGCAGTATAA ACTTGGATCC 480 AAAACAGGAC CTGGGCAGAA AGCTATACTT TTTCTTCCAA TGTCTGCTAA GAGCTGC 537
【0095】配列番号:6 配列の長さ:537 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TCTGTGAGTG AAATACAGCT TATGCATAAC CTGGGAAAAC ATCTGAACTC GATGGAGAGA 60 GTAGAATGGC TGCGTAAGAA GCTGCAGGAT GTGCACAATT TTTGTCCCGA GGATGGCGGC 120 AGCGGCGCCT TCCCGCCCGG CCACTTCAAG GACCCCAAGC GGCTGTACTG CAAAAACGGG 180 GGCTTCTTCC TGCGCATCCA CCCCGACGGC CGAGTTGACG GGGTCCGGGA GAAGAGCGAC 240 CCTCACATCA AGCTACAACT TCAAGCAGAA GAGAGAGGAG TTGTGTCTAT CAAAGGAGTG 300 AGCGCTAATC GTTACCTGGC TATGAAGGAA GATGGAAGAT TACTAGCTTC TAAGTCTGTT 360 ACGGATGAGT GTTTCTTTTT TGAACGATTG GAATCTAATA ACTACAATAC TTACCGGTCA 420 AGGAAATACA CCAGTTGGTA TGTGGCACTG AAACGAACTG GGCAGTATAA ACTTGGATCC 480 AAAACAGGAC CTGGGCAGAA AGCTATACTT TTTCTTCCAA TGTCTGCTAA GAGCTGC 537
【0096】配列番号:7 配列の長さ:528 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CATGCTGAAG GGACCTTTAC CAGTGATGTA AGTTCTTATT TGGAAGGCCA AGCTGCCAAG 60 GAATTCATTG CTTGGCTGGT GAAAGGCCGA GGATGCCCCG AGGATGGCGG CAGCGGCGCC 120 TTCCCGCCCG GCCACTTCAA GGACCCCAAG CGGCTGTACT GCAAAAACGG GGGCTTCTTC 180 CTGCGCATCC ACCCCGACGG CCGAGTTGAC GGGGTCCGGG AGAAGAGCGA CCCTCACATC 240 AAGCTACAAC TTCAAGCAGA AGAGAGAGGA GTTGTGTCTA TCAAAGGAGT GAGCGCTAAT 300 CGTTACCTGG CTATGAAGGA AGATGGAAGA TTACTAGCTT CTAAGTCTGT TACGGATGAG 360 TGTTTCTTTT TTGAACGATT GGAATCTAAT AACTACAATA CTTACCGGTC AAGGAAATAC 420 ACCAGTTGGT ATGTGGCACT GAAACGAACT GGGCAGTATA AACTTGGATC CAAAACAGGA 480 CCTGGGCAGA AAGCTATACT TTTTCTTCCA ATGTCTGCTA AGAGCTGC 528
【0097】配列番号:8 配列の長さ:528 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CATGCTGAAG GGACCTTTAC CAGTGATGTA AGTTCTTATT TGGAAGGCCA AGCTGCCAAG 60 GAATTCATTG CTTGGCTGGT GAAAGGCCGA GGATGTCCCG AGGATGGCGG CAGCGGCGCC 120 TTCCCGCCCG GCCACTTCAA GGACCCCAAG CGGCTGTACT GCAAAAACGG GGGCTTCTTC 180 CTGCGCATCC ACCCCGACGG CCGAGTTGAC GGGGTCCGGG AGAAGAGCGA CCCTCACATC 240 AAGCTACAAC TTCAAGCAGA AGAGAGAGGA GTTGTGTCTA TCAAAGGAGT GAGCGCTAAT 300 CGTTACCTGG CTATGAAGGA AGATGGAAGA TTACTAGCTT CTAAGTCTGT TACGGATGAG 360 TGTTTCTTTT TTGAACGATT GGAATCTAAT AACTACAATA CTTACCGGTC AAGGAAATAC 420 ACCAGTTGGT ATGTGGCACT GAAACGAACT GGGCAGTATA AACTTGGATC CAAAACAGGA 480 CCTGGGCAGA AAGCTATACT TTTTCTTCCA ATGTCTGCTA AGAGCTGC 528
【0098】配列番号:9 配列の長さ:84 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn- 1 5 10 15 Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-His- 20 25 30 Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg-Asp-Ala-Gly-Ser- 35 40 45 Gln-Arg-Pro-Arg-Lys-Lys-Glu-Asp-Asn-Val-Leu-Val-Glu-Ser-His-Glu- 50 55 60 Lys-Ser-Leu-Gly-Glu-Ala-Asp-Lys-Ala-Asp-Val-Asn-Val-Leu-Thr-Lys- 65 70 75 80 Ala-Lys-Ser-Gln 84
【0099】配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CACAATTTTT GCGCCTTAGG 20
【0100】配列番号:11 配列の長さ:42 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Tyr Ala Glu Gly Thr Phe Ile Ser Asp Tyr Ser Ile Ala Met Asp Lys 1 5 10 15 Ile His Gln Gln Asp Phe Val Asn Trp Leu Leu Alg Gln Lys Gly Lys 20 25 30 Lys Asn Asp Trp Lys His Asn Ile Thr Gln 35 40 42
【0101】配列番号:12 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly 1 5 10 15 Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly 20 25 30
【0102】配列番号:13 配列の長さ:34 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Ser Val Ser Glu Ile Gln Leu Met His Asn Leu Gly Lys His Leu Asn 1 5 10 15 Ser Met Glu Arg Val Glu Trp Leu Arg Lys Lys Leu Gln Asp Val His 20 25 30 Asn Phe 34
【0103】配列番号:14 配列の長さ:143 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TCTAG ATG TAC GCG GAA GGG ACT TTC ATC AGT GAC TAC AGT ATT GCC 47 Met Tyr Ala Glu Gly Thr Phe Ile Ser Asp Tyr Ser Ile Ala 1 5 10 ATG GAC AAG ATT CAC CAA CAA GAC TTT GTG AAC TGG CTG CTG GCC CAA 95 Met Asp Lys Ile His Gln Gln Asp Phe Val Asn Trp Leu Leu Ala Gln 15 20 25 30 AAG GGG AAG AAG AAT GAC TGG AAA CAC AAC ATC ACC CAG TGC CCC GAG 143 Lys Gly Lys Lys Asn Asp Trp Lys His Asn Ile Thr Gln Cys 35 40
【0104】配列番号:15 配列の長さ:173 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TCT AGA AAG GAG ATA TAC ACT ATG TAC GCG GAA GGG ACT TTC ATC AGT 48 Met Tyr Ala Glu Gly Thr Phe Ile Ser 1 5 GAC TAC AGT ATT GCC ATG GAC AAG ATT CAC CAA CAA GAC TTT GTG AAC 96 Asp Tyr Ser Ile Ala Met Asp Lys Ile His Gln Gln Asp Phe Val Asn 10 15 20 25 TGG CTG CTG GCC CAA AAG GGG AAG AAG AAT GAC TGG AAA CAC AAC ATC 144 Trp Leu Leu Ala Gln Lys Gly Lys Lys Asn Asp Trp Lys His Asn Ile 30 35 40 ACC CAG TGC CCC GAG 159 Thr Gln Cys
【0105】配列番号:16 配列の長さ:187 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Met Tyr Ala Glu Gly Thr Phe Ile Ser Asp Tyr Ser Ile Ala Met Asp 1 5 10 15 Lys Ile His Gln Gln Asp Phe Val Asn Trp Leu Leu Ala Gln Lys Gly 20 25 30 Lys Lys Asn Asp Trp Lys His Asn Ile Thr Gln Cys Pro Glu Asp Gly 35 40 45 Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu 50 55 60 Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg 65 70 75 80 Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu 85 90 95 Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn 100 105 110 Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Ser 115 120 125 Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr 130 135 140 Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys 145 150 155 160 Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys 165 170 175 Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser Ala Lys Ser 180 185 187
【0106】配列番号:17 配列の長さ:97 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TCT AGA AAG GAG ATA TAC ACT ATG CAC GAT GAA TTT GAA AGA CAT GCT 48 Met His Asp Glu Phe Glu Arg His Ala 1 5 GAA GGC ACC TTT ACC AGC GAT GTA AGC TCT TAT CTG GAA GGC CAG GCT 96 Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala 10 15 20 25 GCC AAA GAA TTC ATT GCT TGG CTG GTG AAA GGC CGT GGC TGC CCC GAG 144 Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly Cys Pro Glu 30 35 40
【0107】配列番号:18 配列の長さ:176 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Met His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln 1 5 10 15 Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly Cys Pro Glu Asp 20 25 30 35 Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr 40 45 50 Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly 55 60 65 70 Val Arg Glu Lys Ser Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg 75 80 85 Gly Val Val Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu 90 95 100 105 Asp Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Ser Val Tyr Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu 110 115 120 125 Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr Thr Ser Trp 130 135 140 Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly Ser Lys Thr Gly Pro 145 150 155 160 Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser Ala Lys Ser-OH 165 170 175
【0108】配列番号:19 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:2・・・30 特徴を決定した方法:E 配列: TATGTCTGTG TCCGAGATTC AGTTAATGCA 30
【0109】配列番号:20 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・34 特徴を決定した方法:E 配列: AGGTTATGCA TTAACTGAAT CTCGGACACA GAC
A 34
【0110】配列番号:21 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・45 特徴を決定した方法:E 配列: TAACCTTGGC AAACATTTGA ACTCCATGGA GCGTGTAGAA TGGCT 45
【0111】配列番号:22 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・45 特徴を決定した方法:E 配列: TTACGCAGCC ATTCTACACG CTCCATGGAG TTCAAATGTT TGCCA 45
【0112】配列番号:23 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・30 特徴を決定した方法:E 配列: GCGTAAGAAG TTGCAGGATG TGCACAATTT 30
【0113】配列番号:24 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・30 特徴を決定した方法:E 配列: GCAACAAAAT TGTGCACATC CTGCAACTTC 30
【0114】配列番号:25 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・46 特徴を決定した方法:E 配列: TGTTGCCTTA GGTGCCCCAT TGGCTCCTCG TGATGCTGGT TCCCAA 46
【0115】配列番号:26 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・46 特徴を決定した方法:E 配列: TGGTCTTTGG GAACCAGCAT CACGAGGAGC CAA
TGGGGCA CCTAAG 46
【0116】配列番号:27 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・41 特徴を決定した方法:E 配列: AGACCACGTA AAAAGGAAGA CAATGTCTTA GTT
GAGAGCC A 41
【0117】配列番号:28 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・41 特徴を決定した方法:E 配列: TTTTCATGGC TCTCAACTAA GACATTGTCT TCCTTTTTAC G 41
【0118】配列番号:29 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・42 特徴を決定した方法:E 配列: TGAAAAATCC CTAGGCGAGG CAGACAAGGC CGATGTGAAT GT 42
【0119】配列番号:30 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・42 特徴を決定した方法:E 配列: GTTAATACAT TCACATCGGC CTTGTCTGCC TCGCCTAGGG AT 42
【0120】配列番号:31 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1・・・28 特徴を決定した方法:E 配列: ATTAACTAAA GCTAAATCCC AGTAATGAG 29
【0121】配列番号:32 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 アンチセンス:Yes 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:6・・・27 特徴を決定した方法:E 配列: GATCCTCATT ACTGGGATTT AGCTTTA 27
【0122】配列番号:33 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: CACAATTTTT GCGCCTTAGG TGC 23
【0123】配列番号:34 配列の長さ:252 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:103・・・105 特徴を決定した方法:E 配列: TCT GTG TCC GAG ATT CAG TTA ATG CAT AAC CTT GGC AAA CAT TTG AAC 48 Ser Val Ser Glu Ile Gln Leu Met His Asn Leu Gly Lys His Leu Asn 1 5 10 15 TCC ATG GAG CGT GTA GAA TGG CTG CGT AAG AAG TTG CAG GAT GTG CAC 96 Ser Met Glu Arg Val Glu Trp Leu Arg Lys Lys Leu Gln Asp Val His 20 25 30 AAT TTT TGC GCC TTA GGT GCC CCA TTG GCT CCT CGT GAT GCT GGT TCC 144 Asn Phe Cys Ala Leu Gly Ala Pro Leu Ala Pro Arg Asp Ala Gly Ser 35 40 45 CAA AGA CCA CGT AAA AAG GAA GAC AAT GTC TTA GTT GAG AGC CAT GAA 192 Gln Arg Pro Arg Lys Lys Glu Asp Asn Val Leu Val Glu Ser His Glu 50 55 60 AAA TCC CTA GGC GAG GCA GAC AAG GCC GAT GTG AAT GTA TTA ACT AAA 240 Lys Ser Leu Gly Glu Ala Asp Lys Ala Asp Val Asn Val Leu Thr Lys 65 70 75 80 GCT AAA TCC CAG 252 Ala Lys Ser Gln 84
【0124】配列番号:35 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:36 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応工程における反応メカニズムを示
す。
【図2】GIPのアミノ酸配列を示す。
【図3】GLPI(7−37)のアミノ酸配列を示す。
【図4】PTH(1−34)のアミノ酸配列を示す。
【図5】参考例1で得られた、プラスミドpHP901
の構築図を示す。
【図6】参考例1で得られた、プラスミドpME901
の構築図を示す。
【図7】参考例1で得られた、プラスミドpCM901
の構築図を示す。
【図8】実施例1および実施例5(2)で用いられる遺伝
子断片を示す。
【図9】実施例1で得られる、プラスミドpGS23の
構築図を示す。
【図10】実施例1で得られる、プラスミドpGS23
の構築図を示す。
【図11】実施例1で得られるおよび実施例5(2)で得
られた融合蛋白質の全アミノ酸配列を示す。
【図12】実施例1で得られるおよび実施例5(2)で得
られた融合蛋白質の全アミノ酸配列を示す。
【図13】実施例5(1)で得られた、プラスミドpTB
960−1の構築図を示 す。
【図14】実施例5(1)で得られた、プラスミドpTB
960−2の構築図を示 す。
【図15】実施例5(2)で得られた、プラスミドpTB
960−3の構築図を示 す。
【図16】実施例6で得られた、Insulinotropin をコ
ードするDNA配列を示す。
【図17】実施例6で得られた、プラスミドpTB96
0−7の構築図を示す。
【図18】実施例6で得られた、GLP−I(7−3
7)−hbFGFムテインCS23のアミノ酸配列を示
す。
【図19】実施例7で得られた、DNAフラグメントを
示す。
【図20】実施例7で得られた、2重鎖構成のhPTH
遺伝子を製造する模式図を示す。
【図21】実施例7で得られた、2重鎖構成のhPTH
DNAを製造する模式図を示す。
【図22】実施例7で得られた、プラスミドpE−PT
Hの構築図を示す。
【図23】実施例7で得られた、プラスミドpU・C3
5PTHの構築図を示す。
【図24】実施例7で得られた、プラスミドpE・C3
5PTHの構築図を示す。
【図25】実施例7で得られた、〔Cys35〕ヒトPT
H対応するDNA配列およびアミノ酸配列を示す。
【図26】実施例7で得られた、SDS−PAGEの結
果を示す。
【図27】実施例7で得られた、ウエスタンブロッティ
ングの結果を示す。
【図28】実施例7で得られた、逆相HPLCの結果を
示す。
【図29】実施例7で得られた、SDS−PAGEの結
果を示す。
【図30】実施例7で得られた、逆相高速液体カラムク
ロマトグラフィーの結果を示す。
【図31】実施例8で得られた、逆相高速液体カラムク
ロマトグラフィーの結果を示す。
【図32】実施例9で得られた、逆相高速液体カラムク
ロマトグラフィーの結果を示す。
【図33】実施例10,11および12で得られた、逆
相高速液体カラムクロマトグラフィーの結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 H 8214−4B (C12P 21/00 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 福田 常彦 京都府京都市西京区大原野西境谷町2丁目 9番10−202号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N末端にシステインを有する蛋白質または
    ペプチドのN末端にシステインを含まないペプチドを連
    結した融合蛋白質まペプチドをコードする遺伝子を含有
    するベクターを保持する形質転換体を培養して融合蛋白
    質またはペプチドを発現させ、発現された融合蛋白質ま
    たはペプチドをシステイン残基のアミノ基側のペプチド
    結合の切断反応に付すことを特徴とするシステインを含
    まないペプチドの製造法。
  2. 【請求項2】N末端にシステインを有する蛋白質または
    ペプチドのN末端にシステインを含まないペプチドを連
    結した融合蛋白質またはペプチドをコードする遺伝子を
    構築し、該遺伝子を有するベクターを保持する形質転換
    体を作製し、該形質転換体を培養して融合蛋白質または
    ペプチドを発現させ、発現された融合蛋白質またはペプ
    チドをシステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切
    断反応に付すことを特徴とするシステインを含まないペ
    プチドの製造法。
  3. 【請求項3】N末端にシステインを有するペプチドのN
    末端にシステインを含まないペプチドを連結したポリペ
    プチドを化学的に合成し、合成されたポリペプチドをシ
    ステイン残基のアミノ基側のペプチド結合の切断反応に
    付すことを特徴とするシステインを含まないペプチドの
    製造法。
  4. 【請求項4】システイン残基のアミノ基側のペプチド結
    合の切断反応がシアノ化反応、次いでアミノ化合物また
    は置換アミノ化合物を用いて、システインを含まないペ
    プチドのアミドまたは置換アミドを製造する請求項1,
    2または3記載の製造法。
  5. 【請求項5】一般式 R1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-R2-His-Asn-R3-R4-R5-His
    -Leu-Asn-Ser-R6-R7-Arg-R8-Glu-R9-Leu-R10-R11-R12-L
    eu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R13 〔I〕 〔式中R1はSerまたはAibを、R2はMetまたは天然型の脂
    溶性アミノ酸を、R3はLeu,Ser,Lysまたは芳香族アミ
    ノ酸を、R4はGly,またはD-アミノ酸を、R5はLysまたは
    Leuを、R6はMetまたは天然型の脂溶性アミノ酸を、R7
    Glu,または塩基性アミノ酸を、RはVal,または塩基
    性アミノ酸を、R9はTrpまたは2-(1,3-ジチオラン-2-イ
    ル) Trpを、R10はArgまたはHisを、R11はLysまたはHis
    を、R12はLys,GlnまたはLeuを、R13はフェニルアラニ
    ン置換アミドを示す。〕で表されるペプチドまたはその
    塩。
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