JPH05302906A - アルコールセンサ - Google Patents
アルコールセンサInfo
- Publication number
- JPH05302906A JPH05302906A JP13603992A JP13603992A JPH05302906A JP H05302906 A JPH05302906 A JP H05302906A JP 13603992 A JP13603992 A JP 13603992A JP 13603992 A JP13603992 A JP 13603992A JP H05302906 A JPH05302906 A JP H05302906A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alcohol
- oxide
- content
- chromium
- tungsten
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルコール選択性が高く、加熱開始時の安定
化時間が短く、湿度依存性の小さなアルコールセンサを
提供する。 【構成】 Cr酸化物とW酸化物を、CrとWの原子比
で79/21〜71/29の割合で混合した薄膜を用い
る。
化時間が短く、湿度依存性の小さなアルコールセンサを
提供する。 【構成】 Cr酸化物とW酸化物を、CrとWの原子比
で79/21〜71/29の割合で混合した薄膜を用い
る。
Description
【0001】
【発明の利用分野】この発明はアルコールセンサに関
し、特にアルコール選択性や湿度依存性、加熱開始時の
安定化時間を改良した、アルコールセンサに関する。
し、特にアルコール選択性や湿度依存性、加熱開始時の
安定化時間を改良した、アルコールセンサに関する。
【0002】
【従来技術】Cr2O3等のクロム酸化物がp形半導体
で、WO3等のタングステン酸化物がn形半導体である
ことは、よく知られている。発明者は、クロム酸化物と
タングステン酸化物を所定の割合で混合すると、アルコ
ール選択性が高く、湿度依存性が小さく、加熱開始時の
安定化時間が短い、アルコールセンサが得られることを
見い出した。
で、WO3等のタングステン酸化物がn形半導体である
ことは、よく知られている。発明者は、クロム酸化物と
タングステン酸化物を所定の割合で混合すると、アルコ
ール選択性が高く、湿度依存性が小さく、加熱開始時の
安定化時間が短い、アルコールセンサが得られることを
見い出した。
【0003】
【発明の課題】この発明の課題は、(1) アルコール選
択性が高く、(2) 湿度依存性が小さく、(3) 加熱開始
時の安定化時間が短い、アルコールセンサを提供するこ
とにある。
択性が高く、(2) 湿度依存性が小さく、(3) 加熱開始
時の安定化時間が短い、アルコールセンサを提供するこ
とにある。
【0004】
【発明の構成】この発明は、クロム酸化物とタングステ
ン酸化物を、クロムとタングステンとの原子比で、9
5:5〜60:40の範囲で混合した金属酸化物半導体
を主成分とする、アルコールセンサにある。ここでクロ
ムとタングステンとの原子比は、好ましくは82:18
〜60:40、より好ましくは79:21〜71:29
とする。
ン酸化物を、クロムとタングステンとの原子比で、9
5:5〜60:40の範囲で混合した金属酸化物半導体
を主成分とする、アルコールセンサにある。ここでクロ
ムとタングステンとの原子比は、好ましくは82:18
〜60:40、より好ましくは79:21〜71:29
とする。
【0005】
【実施例】Crのメトキシド化合物とWのメトキシド化
合物とをメタノールに溶解し、アルミナ基板に塗布し、
650℃で熱分解した。CrとWとの原子比を変え、種
々の組成のものを調整した。膜厚は約0.1μmであ
る。基板には一対の電極を設けてCr/Wの複合酸化物
の抵抗値を測定できるようにし、ヒータを設けてCr/
Wの複合酸化物を加熱した。加熱温度は、特に断わらな
い限り380℃である。ここではCr酸化物とW酸化物
の2成分系の半導体を用いたが、Pt,Pd,Rh等の
貴金属や、原子価制御用の不純物等を添加した、3成分
系等でも良い。例えばCr/Wの複合酸化物は高抵抗で
あるが、Crに2価のMgを添加すると抵抗値が減少す
る。即ちCr/Wの複合酸化物にMgOを加えて、原子
価制御しても良い。またCr/W複合酸化物の薄膜に変
えて、Cr/W複合酸化物の厚膜(例えば膜厚20μm
以下)を用いても良い。さらにCr酸化物やW酸化物の
出発材料は任意である。
合物とをメタノールに溶解し、アルミナ基板に塗布し、
650℃で熱分解した。CrとWとの原子比を変え、種
々の組成のものを調整した。膜厚は約0.1μmであ
る。基板には一対の電極を設けてCr/Wの複合酸化物
の抵抗値を測定できるようにし、ヒータを設けてCr/
Wの複合酸化物を加熱した。加熱温度は、特に断わらな
い限り380℃である。ここではCr酸化物とW酸化物
の2成分系の半導体を用いたが、Pt,Pd,Rh等の
貴金属や、原子価制御用の不純物等を添加した、3成分
系等でも良い。例えばCr/Wの複合酸化物は高抵抗で
あるが、Crに2価のMgを添加すると抵抗値が減少す
る。即ちCr/Wの複合酸化物にMgOを加えて、原子
価制御しても良い。またCr/W複合酸化物の薄膜に変
えて、Cr/W複合酸化物の厚膜(例えば膜厚20μm
以下)を用いても良い。さらにCr酸化物やW酸化物の
出発材料は任意である。
【0006】製造後のガスセンサを1週間380℃で加
熱し、初期的な特性のドリフトを除いた後に評価を行っ
た。センサは380℃で使用したが、他の温度で使用し
ても良い。得られた特性を図1〜図4に示す。
熱し、初期的な特性のドリフトを除いた後に評価を行っ
た。センサは380℃で使用したが、他の温度で使用し
ても良い。得られた特性を図1〜図4に示す。
【0007】図1に、単味のWO3と、Cr/Wの複合
酸化物(CrとWの原子比75/25)の特性を示す。
なお単味のCr2O3ではアルコール感度は得られなかっ
た。またこの明細書では、混合比をCrとWとの原子比
で示す。図の棒グラフは、各1000ppmのH2,C
O,イソブタンへの感度をエタノール感度に換算したも
ので、この値が小さい程エタノール選択性が高い。縦軸
の実線は空気中での抵抗値を示し、点線は湿度依存性を
示す。雰囲気として−10℃/結露から40℃/相対湿
度85%までの雰囲気を用意する。Cr/W複合酸化物
はp形半導体であり、高温高湿雰囲気で抵抗値が増加す
る。そこで40℃/相対湿度85%での抵抗値と−10
℃での抵抗値の比を求め、この抵抗値の増加が−10℃
においてどれだけのエタノール濃度に対応するかを求め
る。この値を温湿度依存性として、(主として湿度依存
性である)、示す。これは−10℃で校正した検出装置
を40℃/85%で用いた際の誤差を示すもので、実際
には有り得ない程度に湿度依存性を大きく示している。
図1から明らかなように、Cr/W複合酸化物では、ア
ルコール選択性が向上し、湿度依存性が減少する。
酸化物(CrとWの原子比75/25)の特性を示す。
なお単味のCr2O3ではアルコール感度は得られなかっ
た。またこの明細書では、混合比をCrとWとの原子比
で示す。図の棒グラフは、各1000ppmのH2,C
O,イソブタンへの感度をエタノール感度に換算したも
ので、この値が小さい程エタノール選択性が高い。縦軸
の実線は空気中での抵抗値を示し、点線は湿度依存性を
示す。雰囲気として−10℃/結露から40℃/相対湿
度85%までの雰囲気を用意する。Cr/W複合酸化物
はp形半導体であり、高温高湿雰囲気で抵抗値が増加す
る。そこで40℃/相対湿度85%での抵抗値と−10
℃での抵抗値の比を求め、この抵抗値の増加が−10℃
においてどれだけのエタノール濃度に対応するかを求め
る。この値を温湿度依存性として、(主として湿度依存
性である)、示す。これは−10℃で校正した検出装置
を40℃/85%で用いた際の誤差を示すもので、実際
には有り得ない程度に湿度依存性を大きく示している。
図1から明らかなように、Cr/W複合酸化物では、ア
ルコール選択性が向上し、湿度依存性が減少する。
【0008】図2に、Cr/Wの原子比を変えた際の、
空気中の抵抗値、各100ppmのH2,CO,イソブ
タンへの相対感度、350℃と380℃との温湿度依存
性を示す。温湿度依存性の意味は、図1の場合と同様で
ある。Cr単味ではアルコール感度が無いが、Cr含有
量95atom%、W含有量5atom%でエタノール感度が発
現する。Cr含有量85atom%と80atom%の間に臨界
的値があり、Cr80atom%以下でエタノール選択性が
改善され、抵抗値が減少し、湿度依存性も改善される。
なおこれらの半導体はp形半導体であり、エタノール中
での抵抗値は空気中での抵抗値よりも高い。またCr含
有量65atom%までアルコール選択性が高く、湿度依存
性が小さく、空気中の抵抗値が低い状態が続いている。
これらのことからCr/Wの原子比を、95:5〜6
0:40、好ましくは82:18〜60:40の範囲と
した。図2をさらに検討すると、Cr含有量80atom%
と70atom%とが特異なデータを示しており、72〜7
8atom%の範囲では組成への依存性が小さい。このこと
から組成依存性が小さな、Cr/Wの原子比が79:2
1〜71:29の範囲を用いることがより好ましい。
空気中の抵抗値、各100ppmのH2,CO,イソブ
タンへの相対感度、350℃と380℃との温湿度依存
性を示す。温湿度依存性の意味は、図1の場合と同様で
ある。Cr単味ではアルコール感度が無いが、Cr含有
量95atom%、W含有量5atom%でエタノール感度が発
現する。Cr含有量85atom%と80atom%の間に臨界
的値があり、Cr80atom%以下でエタノール選択性が
改善され、抵抗値が減少し、湿度依存性も改善される。
なおこれらの半導体はp形半導体であり、エタノール中
での抵抗値は空気中での抵抗値よりも高い。またCr含
有量65atom%までアルコール選択性が高く、湿度依存
性が小さく、空気中の抵抗値が低い状態が続いている。
これらのことからCr/Wの原子比を、95:5〜6
0:40、好ましくは82:18〜60:40の範囲と
した。図2をさらに検討すると、Cr含有量80atom%
と70atom%とが特異なデータを示しており、72〜7
8atom%の範囲では組成への依存性が小さい。このこと
から組成依存性が小さな、Cr/Wの原子比が79:2
1〜71:29の範囲を用いることがより好ましい。
【0009】図3に、2週間室温に放置したアルコール
センサの、加熱開始時の特性と、50ppmのエタノー
ルへの応答波形(380℃)を示す。加熱開始時の安定
化時間は短く、放置した検出装置の使用を再開した際の
待ち時間が短い。
センサの、加熱開始時の特性と、50ppmのエタノー
ルへの応答波形(380℃)を示す。加熱開始時の安定
化時間は短く、放置した検出装置の使用を再開した際の
待ち時間が短い。
【0010】図4に、Cr/Wの原子比を25:75か
ら75:25の範囲で変えた際の、エタノール感度を示
す。データは、エタノール100ppm中の抵抗値を1
として、規格化して示す。Cr/Wが25:75ではn
形半導体で、50:50ではp形半導体となり、75:
25ではp形半導体でアルコール感度が高い。図の下部
に、Cr/Wが75:25での空気中の抵抗値を示す。
ら75:25の範囲で変えた際の、エタノール感度を示
す。データは、エタノール100ppm中の抵抗値を1
として、規格化して示す。Cr/Wが25:75ではn
形半導体で、50:50ではp形半導体となり、75:
25ではp形半導体でアルコール感度が高い。図の下部
に、Cr/Wが75:25での空気中の抵抗値を示す。
【0011】実施例ではエタノールへの特性を示した
が、メタノール、プロパノール等の他のアルコールに対
しても、同様の特性が得られた。
が、メタノール、プロパノール等の他のアルコールに対
しても、同様の特性が得られた。
【0012】
【発明の効果】この発明のアルコールセンサでは、(1)
アルコール選択性が高く、(2) 湿度依存性が小さ
く、(3) 加熱開始時の安定化時間が短いので、アルコ
ール検出装置の使用開始時の待ち時間が短い。
アルコール選択性が高く、(2) 湿度依存性が小さ
く、(3) 加熱開始時の安定化時間が短いので、アルコ
ール検出装置の使用開始時の待ち時間が短い。
【図1】 空気中の抵抗値、湿度依存性、ガス選択性を
示す、実施例の特性図
示す、実施例の特性図
【図2】 Cr/W組成による、選択性、抵抗値、湿度
依存性の変化を示す、実施例の特性図
依存性の変化を示す、実施例の特性図
【図3】 Cr/w=75/25(原子比)での、加熱
開始時の安定化時間と50ppmのエタノールへの応答
波形を示す、実施例の特性図
開始時の安定化時間と50ppmのエタノールへの応答
波形を示す、実施例の特性図
【図4】 Cr/W組成によるn形金属酸化物半導体か
らp形金属酸化物半導体への転換を示す実施例の特性図
らp形金属酸化物半導体への転換を示す実施例の特性図
Claims (1)
- 【請求項1】 クロム酸化物とタングステン酸化物を、
クロムとタングステンとの原子比で、95:5〜60:
40の範囲で混合した金属酸化物半導体を主成分とす
る、アルコールセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13603992A JPH05302906A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アルコールセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13603992A JPH05302906A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アルコールセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05302906A true JPH05302906A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=15165753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13603992A Pending JPH05302906A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | アルコールセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05302906A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008046926A1 (fr) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Société De Chimie Inorganique Et Organique En Abrégé 'sochinor' | Capteur de gaz émis par une combustion |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP13603992A patent/JPH05302906A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008046926A1 (fr) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Société De Chimie Inorganique Et Organique En Abrégé 'sochinor' | Capteur de gaz émis par une combustion |
JP2010507088A (ja) * | 2006-10-19 | 2010-03-04 | ソシエテ ド シミ イノルガニク エ オルガニク アン アブレジェ “ソシノール” | 燃焼ガスセンサ |
US8234906B2 (en) | 2006-10-19 | 2012-08-07 | Societe de Chimie Inorganique et Organique en abrege “Sochinor” | Sensor for gases emitted by combustion |
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