JPH05302574A - 油圧ポンプの制御装置 - Google Patents

油圧ポンプの制御装置

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JPH05302574A
JPH05302574A JP4104740A JP10474092A JPH05302574A JP H05302574 A JPH05302574 A JP H05302574A JP 4104740 A JP4104740 A JP 4104740A JP 10474092 A JP10474092 A JP 10474092A JP H05302574 A JPH05302574 A JP H05302574A
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pump
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Toichi Hirata
東一 平田
Genroku Sugiyama
玄六 杉山
Yutaka Onoe
裕 尾上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプのトルクの制限値を元の基準制限値に
戻す際の、操作し忘れを防止することができる油圧ポン
プの制御装置の提供。 【構成】 可変容量式油圧ポンプ1の吐出圧を検出する
圧力検出器16と、斜軸1aの傾転角を検出する角度検
出器15と、原動機7の回転数を検出する回転計14
と、ポンプ1のトルクの制限値を指示する操作レバー上
に設けられた指示スイッチ4と、この指示スイッチ4か
らの信号および圧力検出器16、角度検出器15、回転
計14からの信号を入力し、斜軸1aの傾転角を演算
し、これに応じた信号を出力する演算手段3とこの演算
手段3からの信号を入力し、電磁弁11、12、および
シリンダ10によって斜軸1aの傾転角を制御するレギ
ュレータ装置2とからなる制御手段101とを備え、作
業者は操作レバーから手を離すことなくポンプ1のトル
クの制限値を変更することができると共に、自動的に元
の制限値に戻すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル等
の建設機械に備えられる油圧ポンプの制御装置に係り、
特に、原動機によって駆動される可変容量式油圧ポンプ
のトルクが、原動機の出力トルクを超えないように制御
する油圧ポンプの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術を油圧ショベルの油圧
ポンプの制御装置に適用した例を図15、図16を用い
説明する。
【0003】図15はこの従来技術における油圧ポンプ
の制御装置を含む油圧回路図、図16は油圧ショベルの
運転室の平面図である。
【0004】図15に示すように、この従来技術による
油圧ポンプの制御装置は、原動機7の回転力を伝達する
回転軸7aに接続され駆動する可変容量式油圧ポンプ
(以下ポンプと記す)1と、このポンプ1の有する斜軸
1aの傾転角θを検出する角度検出器15と、ポンプ1
の吐出圧力Pを検出する圧力検出器16と、作業内容に
応じて、ポンプ1のトルクの制限値を予め設定される基
準制限値から別の制限値に変更するためのトルク指示手
段、例えば指示スイッチ4と、角度検出器15と圧力検
出器16と指示スイッチ4からの信号を入力し、斜軸1
aの傾転角θを算出する演算手段3、および、この算出
結果に応じて斜軸1aの傾転角θを制御するレギュレー
タ装置2とからなる制御手段100とを備えている。な
お、指示スイッチ4は、図16に示すコンソール71に
設置されている。また、アクチュエータとしての油圧シ
リンダ6は、制御弁5を介し、ポンプ1から供給される
圧油により作動するようになっている。
【0005】このように構成された従来技術による油圧
ポンプの制御装置では、ポンプ1の吐出圧力Pが圧力検
出器16により、斜軸1aの傾転角θが角度検出器15
により検出され、制御手段100を形成する演算手段3
に送られる。演算手段3では、ポンプ1の吐出圧力Pが
所定圧以上になったとき、この吐出圧力Pとポンプ1の
トルクの基準制限値とから、斜軸1aの目標傾転角を算
出する。次に、角度検出器16により検出した斜軸1a
の傾転角θと、目標傾転角との差を算出し、この差に応
じた信号をレギュレータ2に出力する。すなわち、油圧
シリンダ6に高負荷が加わり、これによりポンプ1の吐
出圧力Pが所定圧を超えたとき、斜軸1aの傾転角θを
小さくし、圧油の吐出量を減らすように制御装置を形成
するレギュレータ装置2に対し信号を出力する。レギュ
レータ装置2は、演算手段3からの信号を入力し、ポン
プ1の斜軸1aが目標傾転角となるように動作する。こ
れにより、ポンプ1の吐出量が減少し、これに伴いポン
プ1のトルクが低下する。したがって、ポンプ1のトル
クが基準制限値を超えないように制御されることにな
る。
【0006】ところで、ポンプ1のトルクの基準制限値
を常時原動機7の定格トルクに近い値に設定しておく
と、原動機7の冷却水温度が上昇し、オーバーヒートし
たり、あるいは、他の機器へ悪影響を及ぼすため、信頼
性の低下を招く恐れがある。さらに、エネルギ損失にも
つながるため、通常はポンプ1のトルクの基準制限値を
低めの値とし、負荷の大きなものを対象とする作業を行
うような場合には、トルクの制限値を前述の基準制限値
よりも一時的に高めにすることが望ましい。このような
観点から、指示スイッチ4、および、制御手段2を形成
する演算手段3によって、トルクの制限値を基準制限値
と別の制限値との間で変更することができるようになっ
ている。すなわち、図16に示したコンソール71上に
備えられた指示スイッチ4により、ポンプ1のトルクの
制限値を別の制限値に変更するように指示されたとき、
演算手段3では、トルクの制限値を予め入力された高め
の別の制限値に置き換える。この変更されたトルクの別
の制限値に基づき、上述と同様の動作を行うことによ
り、ポンプ1のトルクは変更された別の制限値となるよ
うに制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
技術による油圧ポンプの制御装置を用いれば、ポンプ1
のトルクは、作業内容によって指示スイッチ4から指示
されたトルクの制限値に応じ、この制限値を超えないよ
うに制御される。
【0008】しかし、上述したようにこの従来技術で
は、ポンプ1のトルクの制限値を基準制限値から別の制
限値に変更する際、および、元の基準制限値に戻す際に
は、その都度指示スイッチ4を操作する必要がある。こ
のため、特に元の基準制限値に戻すための指示スイッチ
4の操作し忘れの懸念があり、このような操作し忘れを
生じると、エネルギロスを招く。
【0009】なお、従来技術にあっては、上述したよう
に指示スイッチ4が図16に示すコンソール71上に設
置されているため、指示スイッチ4を操作する度に、操
作レバー70aから手を離さなくてはならず、作業効率
の低下を招いている。
【0010】本発明は、上記した従来技術の実状に鑑み
てなされたもので、請求項1〜3に記載の発明の目的
は、ポンプのトルクの制限値を元の基準制限値に戻す際
の、トルク指示手段の操作し忘れを防止できる油圧ポン
プの制御装置を提供することにある。
【0011】また、請求項4、5に記載の発明の目的
は、上記の目的に加え、操作レバーから手を離すことな
くポンプのトルクの制限値を変更することができる油圧
ポンプの制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の発明は、原動機により駆
動される可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値を指示
するトルク指示手段と、このトルク指示手段からの信号
と前記可変容量式油圧ポンプの吐出圧とに基づき、前記
可変容量式油圧ポンプのトルクが前記制限値を超えない
ように可変容量式油圧ポンプの吐出量を制御する制御手
段とを有する油圧ポンプの制御装置において、前記制御
手段は、前記トルク指示手段より前記可変容量式油圧ポ
ンプのトルクの制限値を基準制限値から別の制限値に変
更する指示信号を入力した時点を基準として、その時点
から所定時間経過した後に前記可変容量式油圧ポンプの
トルクの制限値を前記基準制限値に復帰させる復帰手段
を備えたことを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、原動機に
より駆動される可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値
を指示するトルク指示手段と、このトルク指示手段から
の信号と前記可変容量式油圧ポンプの吐出圧とに基づ
き、前記可変容量式油圧ポンプのトルクが前記制限値を
超えないように可変容量式油圧ポンプの吐出量を制御す
る制御手段とを有する油圧ポンプの制御装置において、
前記制御手段は、前記トルク指示手段からの信号が、前
記可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値を基準制限値
から別の制限値に変更する指示信号の場合にトルクの制
限値を別の制限値に変更し、それ以外は前記基準制限値
をトルクの制限値として選択する切換手段を備えたこと
を特徴とする。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、原動機に
より駆動される可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値
を指示するトルク指示手段と、このトルク指示手段から
の信号と前記可変容量式油圧ポンプの吐出圧とに基づ
き、前記可変容量式油圧ポンプのトルクが前記制限値を
超えないように可変容量式油圧ポンプの吐出量を制御す
る制御手段とを有する油圧ポンプの制御装置において、
前記制御手段は、前記トルク指示手段からの信号が、前
記可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値を基準制限値
から別の制限値に変更する指示信号の場合にトルクの制
限値を別の制限値に変更し、それ以外は前記基準制限値
をトルクの制限値として選択する切換手段と、前記可変
容量式油圧ポンプのトルクの制限値を前記基準制限値か
ら前記別の制限値に変更する指示信号を入力した時点を
基準として、その時点から所定時間経過した後にトルク
の制限値を前記基準制限値に復帰させる復帰手段とを備
えたことを特徴とする。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載のトルク指示手段が、前記制
御弁の動作を指示する操作レバーに備えられることを特
徴とする。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載のトルク指示手段が、足踏み
ペダルによって操作されることを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明は、上記のように構成し
ているので、制御手段は、ポンプのトルクの制限値とポ
ンプ吐出圧とに基づき、ポンプのトルクの制限値を超え
ないようにポンプ吐出量を制御するように動作する。一
方、この制御手段内に備えた復帰手段は、トルク指示手
段からポンプのトルクの制限値を基準制限値から別の制
限値に変更する指示信号を入力した時点から所定時間の
間だけポンプのトルクの制限値を別の制限値にする信号
を出力する。そして、所定時間経過後には変更前の基準
制限値にする信号を出力する。
【0018】したがって、請求項1の発明によれば、変
更されたポンプトルクの制限値、すなわち、別の制限値
を、作業者が意識しなくても変更前のもとの基準制限値
に自動的に戻すことができ、これにより、基準制限値に
戻す際のトルク指示手段の操作し忘れを防止することが
できる。
【0019】また、請求項2に記載の発明では、制御手
段内に備えた切換手段によりトルク指示手段からの信号
がポンプのトルクの制限値を別の制限値に変更する指示
信号の場合、すなわち、トルク指示手段が作業者によっ
て操作されている間だけ別の制限値が選択され、それ以
外は元の基準制限値が選択される。制御手段では、切換
手段によって選択された制限値に基づき、ポンプのトル
クの制限値を超えないようにポンプ吐出量を制御する。
したがって、請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明と同様に、基準制限値に戻す際のトルク指
示手段の操作し忘れを防止することができる。
【0020】また、請求項3に記載の発明では、制御手
段内に備えた復帰手段がトルク指示手段よりポンプのト
ルクの制限値を別の制限値に変更する指示信号を受けて
から所定時間内であって、切換手段によりトルク指示手
段がポンプのトルクの制限値を別の制限値に変更するよ
うに指示している間、すなわち、トルク指示手段が作業
者によって操作されている間のみ、ポンプのトルクの別
の制限値が選択される。逆に、両条件が一方でも満たさ
れない場合には、元の基準制限値が選択される。 した
がって、請求項3に記載の発明によれば、変更されたポ
ンプのトルクの制限値を作業者が意識しなくても変更前
の元の基準制限値に自動的に戻すことができ、請求項1
に記載の発明と同様、基準制限値に戻す際のトルク指示
手段の操作し忘れを防止することができる。
【0021】また、請求項4に記載の発明によれば、作
業者が操作レバーに備えられたトルク指示手段を操作す
ることにより、ポンプのトルクの制限値を基準制限値と
別の制限値との間で変更することができる。
【0022】また、請求項5に記載の発明によれば、作
業者が足踏みペダルを踏み込むことにより、ポンプトル
クの制限値を基準制限値と別の制限値との間で変更する
ことができる。
【0023】したがって、請求項4、または、請求項5
の発明によれば、作業者は操作レバーから手を離さずに
ポンプトルクの制限値を変更することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用い説明する。
【0025】図1〜図6は本発明の請求項1、および、
請求項4に係る第1の実施例の説明図で、図1はこの第
1の実施例による油圧回路図、図2はこの第1の実施例
に備えられる演算手段の構成図、図3は演算手段を形成
する演算部のブロック図、図4(a)は原動機の特性
図、(b)はポンプの特性図、図5は油圧ショベルの運
転室の平面図、図6はこの第1の実施例によるタイムチ
ャートを示す図である。なお、この第1の実施例は油圧
ショベルの油圧ポンプの制御装置に適用した例を示す。
また、図15に示した従来技術と共通する部分について
は同一符号を付している。
【0026】図1に示す油圧回路は、原動機7と、この
原動機7の回転力を伝達する回転軸7aに接続され駆動
されるポンプ1と、このポンプ1から供給される圧油に
より作動するアクチュエータとしての油圧シリンダ6
と、圧油の流れを制御する方向切換弁5と、第1の実施
例であるポンプ1の制御装置とからなる。
【0027】このポンプ1の制御装置は、ポンプ1の吐
出圧力Pを検出する圧力検出器16と、ポンプ1の有す
る斜軸1aの傾転角θを検出する角度検出器15と、原
動機7の回転数Nを検出する回転計14と、ポンプ1の
トルクの制限値を指示するトルク指示手段、例えば、指
示スイッチ4とを備えるとともに、圧力検出器16、角
度検出器15、回転計14からの信号と指示スイッチ4
からの信号を入力し、これらの信号に基づきポンプ1の
圧油の吐出量を制御する制御手段101とからなる。こ
の制御手段101は、斜軸1aの目標傾転角を算出し、
この算出結果に応じた信号を出力する演算手段3と、演
算手段3からの信号を入力し、斜軸1aの傾転角θを制
御するレギュレータ装置2とを備えている。なお、ポン
プ1の吐出量は斜軸1aの傾転角θによって制御され
る。また、指示スイッチ4は、図5に示すように操作レ
バー70aの頭部に設置している。
【0028】また、レギュレータ装置2は、ピストン1
0bが斜軸1aに連結するシリンダ10と、演算手段3
からの信号によりシリンダ10を作動する2個の電磁弁
11、12とからなる。
【0029】さらに、制御手段101内に設けられる演
算手段3は、図2に示すように、指示スイッチ4からポ
ンプ1のトルクの制限値の変更を指示する信号を入力し
た際、この入力時点から所定時間経過した後、トルクの
制限値を予め設定される比較的低い基準制限値に復帰さ
せる復帰手段26と、この復帰手段26からの信号およ
び圧力検出器16、角度検出器15、回転計14からの
各信号を入力し、ポンプ1の斜軸1aの目標傾転角を演
算し、その結果に応じた信号を出力する演算部25とか
らなる。また、復帰手段26はタイマー24、切換スイ
ッチ23、スイッチ操作回路20、ポンプ1のトルクの
制限値を格納する記憶部21、22とを備えている。
【0030】以上のように構成された第1の実施例で
は、通常低負荷での作業を対象としポンプ1のトルクの
制限値が値の小さい基準制限値Tr’に設定される。こ
れは、トルクの制限値を高い値に設定すると、高負荷が
加わったとき、原動機7の回転数Nが急激に低下し、極
端な場合にはエンジンストールに陥ることがあるためで
ある。このため、図2に示すように、指示スイッチ4か
らポンプ1のトルクの制限値を値の大きな別の制限値T
rに変更する信号が入力されない状態では、記憶部21
に記憶される基準制限値Tr’がポンプ1のトルクの制
限値として選択され、演算部25へ伝送される。演算部
25では、ポンプ1の吐出圧力Pが所定圧以上になった
とき、後述する演算を実行し、斜軸1aの目標傾転角を
算出し、目標傾転角と角度検出器15からの信号に基づ
き電磁弁11、12に対する動作信号を出力する。例え
ば、演算手段3から、斜軸1aの傾転角θを小さくする
ように、すなわち、ポンプ1の吐出量を少なくするよう
に指示されたとき、これに応じ電磁弁11、12の切換
位置が切換わる。すなわち、電磁弁11は、図1の
(イ)の位置を保持し、電磁弁12は(ニ)の切換位置
となり、シリンダ10の油室10dに作動油を供給し、
油室10c内の作動油をタンク8に戻すようになってい
る。
【0031】一方、指示スイッチ4によって、ポンプ1
のトルクの制限値を別の制限値Trに変更するように指
示されたとき、図2に示すタイマー24が作動し、スイ
ッチ切換回路20に作動指令が送られる。スイッチ切換
回路20はこの信号を受け、切換スイッチ23を図2の
(ホ)の位置から(ヘ)の位置に切換える。これによ
り、記憶部22に格納されている別の制限値Trが、ポ
ンプ1のトルクの制限値として選択され、演算部25へ
送られる。演算部25では、この変更された別の制限値
Trに基づき斜軸1aの目標傾転角を演算し、演算結果
に応じた信号を出力する。
【0032】次に、演算部25による演算内容を図3、
図4を用い説明する。演算部25では、切換スイッチ2
3で選択されたポンプ1のトルクの基準制限値Tr’、
または、別の制限値Trに対応する原動機7の回転数を
記憶部36から読み込む。すなわち、図4(a)に示す
ように基準制限値Tr’に対応する回転数Nr’、また
は、別の制限値Trに対応する回転数Nrを読み込む。
例えば、切換スイッチ23からの信号が、基準制限値T
r’の場合には回転数Nr’が選択される。この回転数
Nr’と、回転計14により検出された原動機7の回転
数Nとの差△Nを比較器30により算出する。図4
(a)からわかるように、原動機7の定格点Qよりも回
転数Nが高くなると回転数Nの微小な変化に対するトル
クの変化をほぼ比例関係として扱うことができる。この
ため、回転数差△Nの値よるトルク変化分△Tを、予め
設定しておいた関数31によって求めることができる。
加算器32では、ポンプ1のトルクの基準制限値Tr’
とトルク変化分△Tとの和Tr’+△Tを算出し、以
降、このトルクを目標値とし、演算を進めすようになっ
ている。
【0033】ところで、図4(b)に示すようにポンプ
1のトルクが一定であるとき、吐出圧力力Pと斜軸1a
の傾転角θとは、反比例の関係が成り立つ。これは以下
に示す理由による。すなわち、ポンプ1のトルクをTp
とし、1(rad)当たりの回転数に対する吐出量をD
p、吐出圧力をPとすると、 Tp=Dp×P ・・・・(1) という既知の関係が成り立つ。一方、吐出量Dpと斜軸
1aの傾転角θとの間には、 Dp=c×θ ・・・・(2) という関係がある。ここで、cは比例定数である。
(1)、(2)式より、ポンプ1のトルクを一定値、す
なわち、基準制限値Tr’とすると、 θ=Tr’/(c×P) ・・・・(3) となり、吐出圧力Pと斜軸1aの傾転角θとは反比例す
ることになる。
【0034】この(3)式から明かなように、ポンプ1
のトルクを上述した基準制限値Tr’となるようにする
ためには、吐出圧力Pに応じ斜軸1aの傾転角θを制御
すれば良いことになる。なお、斜軸1aの傾転角θを制
御することは、(2)式よりポンプ1の吐出量を制御す
ることと同様のことになる。
【0035】上述した理由から、目標とするトルクT
r’+△Tに対応するポンプ1の斜軸1aの目標傾転角
θrは、目標トルクをポンプ1の吐出圧力Pで除算する
ことにより求めることができることになる。除算器33
では、目標トルクTr’+△Tを圧力検出器16により
検出した吐出圧力Pで除し、目標傾転角θrを出力す
る。次に、比較器34では、この目標傾転角θrと角度
検出器15からの斜軸1aの傾転角θとの差△θを演算
し、結果を判定回路35へ出力する。判定回路35で
は、圧力検出器16からの信号によってポンプ1の吐出
圧力Pが所定圧以上と判断したとき、上記△θとシリン
ダ10の油室10dおよび10cの断面積とから、シリ
ンダ10への作動油の供給量を演算し、電磁弁11、1
2の切換位置に対応した信号を出力する。電磁弁11、
12は、この演算手段3からの信号に応じた切換位置に
切換わり、シリンダ10を作動させ、ポンプ1の斜軸1
aの傾転角θを目標傾転角θrに制御する。
【0036】一方、操作レバー70aに設置された指示
スイッチ4によりポンプ1のトルクの制限値が原動機7
の定格点Qに近い値である別の制限値Trに変更するよ
うに指示されたとき、図2に示すタイマー24が作動
し、これによりスイッチ切換回路20も作動し、切換ス
イッチ23は(ヘ)の位置に切換わる。このため、切換
スイッチ23によりポンプ1のトルクの制限値として記
憶部22に格納される別の制限値Trが選択され、演算
部25に転送される。演算部25では、別の制限値Tr
に基づき上記同様の演算を行う。さらに、タイマー24
は、指示スイッチ4から変更指示信号を入力した後所定
時間経過すると、入力以前の信号を出力するようになっ
ているため、所定時間経過後には、切換スイッチ23
は、元の位置(ホ)に切換わる。これにより、演算部2
5には再び値の小さな基準制限値Tr’が、ポンプ1の
制限値として転送される。
【0037】図6は、この第1の実施例による制御装置
の動作のタイムチャートを示し、指示スイッチ4と切換
スイッチ23の動作の関係を示す。同図Gが切換スイッ
チ23の動作を、Hが指示スイッチ4の動作を示す。同
図6に示すように、指示スイッチ4からポンプ1のトル
クの制限値を別の制限値Trに変更するように指示信号
を入力すると同時に切換スイッチ23は(イ)の位置か
ら(ロ)の位置に切換わる。その後、指示スイッチ4
が、変更を指示する信号を継続しても、同図(I)に示
すように所定時間tnを経過すると元の位置(イ)に切
換わる。逆に、変更指示入力後、所定時間tnが経過し
ない間に指示スイッチ4からの変更指示が解除されて
も、同図6の(II)に示すように、切換スイッチ23
は(ロ)の位置を所定時間tnだけ保持するようになっ
ている。
【0038】以上説明したように、この第1の実施例の
油圧ポンプの制御装置によれば、操作レバー70aに設
置した指示スイッチ4を操作し、ポンプ1のトルクの制
限値を変更する際、作業者は操作レバー70aから手を
離す必要がなくなり、作業能率を向上させることができ
る。さらに、別の制限値Trに変更指示後、所定時間経
過すると、自動的に元の基準制限値Tr’に復帰するた
めに、変更値の解除し忘れによるエネルギロス等を防止
することができる。
【0039】図7および図8は、本発明の油圧ポンプの
制御装置の請求項1および請求項5に係る第2の実施例
の説明図で、図7は演算手段103のブロック図、図8
は油圧ショベルの運転室の平面図を示す。なお、上述し
た第1の実施例の説明図と共通する部分については同一
符号を付しており、その説明は省略する。
【0040】この第2の実施例における制御手段を形成
する演算手段103は、図7に示すように、演算部25
と復帰手段26とからなる。復帰手段26は、図8に示
す足踏みペダルすなわちフートペダル72によって操作
される指示スイッチ4からの信号を入力すると、これに
応じた信号を出力すると共に、所定時間経過後に元の信
号を出力するタイマー24と、タイマー24からの信号
によって切換スイッチ20の位置を操作するスイッチ操
作回路20と、切換スイッチ23とからなる。この切換
スイッチ23は、スイッチ操作回路20からの信号によ
り、通常はOFF信号を出力する位置(ハ)と、ポンプ
トルクの変更が指示されたときON信号出力する位置
(ニ)を備えている。
【0041】演算部25は、切換スイッチ23からの信
号と圧力検出器16からの信号に応じ、ポンプ特性を選
択するための関数40a、40bを備える関数部40
と、この関数部40から算出された斜軸の目標傾転角θ
rと角度検出器15からの信号とを比較する比較器37
と、判定回路35とからなる。
【0042】このように構成された第2の実施例では、
通常負荷の小さい作業を対象とする作業の場合には、切
換スイッチ23は(ハ)の位置が選択され、これに応じ
演算部25にはOFF信号が出力される。関数部40で
は、切換スイッチ23よりOFF信号を入力すると関数
40aを選択し、圧力検出器16からの圧力信号に応じ
斜軸の目標傾転角θrを出力する。次に、比較器37で
は斜軸の傾転角θと目標傾転角θrとの差△θを算出
し、結果を判定回路35に出力する。判定回路35で
は、第1の実施例同様の処理を行い、結果を電磁弁1
1、12へ出力する。一方、負荷の高い作業を行う際、
指示スイッチ4によってポンプのトルクの変更が指示さ
れたときには、タイマー24からスイッチ操作回路20
へ信号が送られ、スイッチ操作回路20は、切換スイッ
チ23の位置を(ハ)から(ニ)に切換えるように作用
する。これにより、関数部40にはON信号が出力さ
れ、関数40bが選択され、変更されたトルクの別の制
限値Trを用い斜軸の目標傾転角θrが算出される。次
に、ポンプのトルクの制限値の変更が指示されてから所
定時間経過すると、タイマー24からの信号が変更前の
信号となって、スイッチ操作回路20によって切換スイ
ッチ23は、(ハ)の位置から(ニ)の位置に復帰す
る。
【0043】したがって、この第2の実施例によれば、
フートペダル72aによって操作される指示スイッチ4
により、ポンプ1のトルクの制限値を変更する際、作業
者は操作レバー70aから手を離す必要がなくなり、作
業能率を向上させることができる。さらに、第1の実施
例同様、別の制限値Trに変更指示後、所定時間経過す
ると、自動的に元の基準制限値Tr’に復帰するため
に、変更値の解除し忘れによるエネルギロス等を防止す
ることができる。
【0044】図9および図10は、本発明の請求項2お
よび請求項4に係る第3の実施例の説明図で、図9は演
算手段の構成を示す構成図、図10はこの第3の実施例
のタイムチャート図である。なお、第1の実施例と共通
する部分については同一の符号を付しており、その説明
は省略する。
【0045】図9に示すように、この第3の実施例によ
る制御手段を形成する演算手段203は、切換手段80
と演算部25とからなる。また、切換手段80は、スイ
ッチ操作回路50と、切換スイッチ23と記憶部21、
22とを備えている。スイッチ操作回路50は、図示し
ない操作レバーに設けられた指示スイッチ4からの信号
によって、切換スイッチ23の位置を(イ)、または、
(ロ)に切換えるように作用する。切換スイッチ23
は、スイッチ操作回路50からの信号に応じ(イ)、ま
たは、(ロ)のいずれかを選択し、記憶部21、22に
格納されているポンプのトルクの基準制限値Tr’、ま
たは、別の制限値Trのいずれかを選択する。演算部2
5では、切換手段80からの信号、および、圧力検出器
16、角度検出器15、回転計14からの信号に基づき
第1の実施例同様の演算を行う。
【0046】このように構成された第3の実施例では、
操作レバーに設けられた指示スイッチ4によりポンプト
ルクの制限値を別の制限値Trに変更する指示がされた
とき、スイッチ操作回路50の作用によって切換スイッ
チが、(イ)の位置から(ロ)の位置に切換えられる。
これにより、記憶部22に格納される値の大きな別の制
限値Trが、ポンプのトルクの制限値として演算部25
に出力される。演算部25では、この別の制限値Trに
基づき上述した第1の実施例同様の演算処理を行い、結
果を電磁弁11、12に出力する。
【0047】次に、図示しない操作レバーに設けられた
指示スイッチ4によってポンプのトルクの制限値を元の
基準制限値Tr’に戻すように指示されたとき、スイッ
チ操作回路50は切換スイッチ23の位置を、(ロ)か
ら(イ)に戻すように作用する。これにより、記憶部2
1内に格納される値の小さな基準制限値Tr’がポンプ
のトルクの制限値として選択され、演算部25に出力さ
れる。演算部25では、この基準制限値値Tr’に基づ
き演算処理する。
【0048】この第3の実施例による、図示しない操作
レバーに設けられた指示スイッチ4と切換スイッチ23
の関係を図10に示すタイムチャート図により説明す
る。指示スイッチ4から、ポンプのトルクの制限値を別
の制限値Trに変更するように指示されると、切換スイ
ッチ23の位置が(イ)の位置から(ロ)の位置に切換
わる。次に、指示スイッチ4からポンプのトルクの制限
値を元の基準制限値Tr’に戻すように、すなわち、O
FF信号に切換わると、これに応じて切換スイッチ23
も(ロ)の位置から(イ)の位置に切換わる。すなわ
ち、指示スイッチ4と切換スイッチとは同調して作動す
るようになっている。
【0049】したがって、この第3の実施例によれば、
作業者が作業内容によりポンプのトルクの制限値を容易
に選択することができる。また、指示スイッチ4を操作
し続けている間だけポンプのトルクの制限値が別の制限
値Trに変更されるため、元の基準制限値Tr’への戻
し忘れという不具合を回避できる。これにより、エネル
ギロスの低下が実現でき、燃料消費等を考慮すると作業
効率の向上に寄与することができる。また、操作レバー
に設けられた指示スイッチ4を操作することによって、
作業者は操作レバーから手を離すことなくポンプのトル
クの制限値を自由に変更することができる。また、指示
スイッチ4によって変更値が選択され続いたとしても、
何らかの異常に気が付いたときこの指示スイッチ4から
手を離すだけで元の基準制限値Tr’に戻すことができ
るため、エネルギロスを最小限にとどめることができ
る。
【0050】図11および図12は、本発明の請求項3
に係る第4の実施例の説明図で、図11は演算手段の構
成を示す構成図、図12はこの第4の実施例におけるタ
イムチャートを示す図である。なお、第1の実施例と共
通する部分については同一の符号を付しており、その説
明は省略する。
【0051】図11に示すように、この第4の実施例に
おける制御手段内に備えられる演算手段303は、切換
手段を形成するスイッチ操作回路60と、切換スイッチ
23と、記憶部21、22と、復帰手段を形成するタイ
マー24と、このタイマー24および指示スイッチ4か
らの信号を入力しその論理積を出力するアンド回路61
と、演算部25とからなる。
【0052】このように構成された第4の実施例では、
タイマー24は、指示スイッチ4からポンプのトルクの
制限値を別の制限値Trに変更する指示がされたとき、
アンド回路61にON信号を出力する。アンド回路61
は、タイマー24および指示スイッチ4からの信号が両
方共ONとなったとき、スイッチ操作回路60にON信
号を出力する。スイッチ回路60はアンド回路61から
ON信号を入力すると、切換スイッチ23の位置を
(イ)から(ロ)に切換えるように作用する。切換スイ
ッチ23は、スイッチ操作回路60からの信号に応じ
(ロ)の位置に切換わり、記憶部22に記憶されている
ポンプのトルクの別の制限値Trを選択する。演算部2
5では、切換スイッチ23を介し入力される別の制限値
Tr、および、圧力検出器16、角度検出器15、回転
計14からの信号に基づき第1の実施例同様の演算を行
う。
【0053】次に、指示スイッチ4によってポンプのト
ルクの制限値を元の基準制限値Tr’に戻すように指示
されたとき、すなわち、OFF信号が入力されるとアン
ド回路61の出力はOFFとなり、スイッチ操作回路6
0は切換スイッチ23の位置を(ロ)から(イ)に切換
えるように作用する。これにより、記憶部21に格納さ
れる元の基準制限値Tr’が選択され演算部25に出力
される。
【0054】また、指示スイッチ4によって、ポンプの
トルクの制限値が別の制限値Trに変更するように指示
され、すなわち、指示スイッチ4からON信号が入力さ
れた後、所定時間経過するとタイマー24からの信号が
自動的にOFF信号に切換わり、アンド回路61の出力
はOFFに切換わる。その際、指示スイッチ4が操作さ
れ続けていてもタイマー24からの信号がOFFに切換
わるため、作業者が誤って指示スイッチ4を操作し続け
たとしても所定時間後には、元のポンプのトルクの基準
制限値Tr’が自動的に選択されるようになっている。
【0055】図12に示すタイムチャート図により、指
示スイッチ4と切換スイッチ23の動作の関係を説明す
る。指示スイッチ4によりポンプのトルクの制限値を別
の制限値Trに変更するように指示されると、切換スイ
ッチ23は(イ)の位置から(ロ)の位置に切換わる。
この切換信号入力後、所定時間tn経過すると切換スイ
ッチ23は、同図(I)に示すように、自動的に(イ)
の位置から(ロ)の位置に切換わる。また、同図12の
(II)に示すように、所定時間tn内に元の基準制限
値Tr’に戻すように指示されると、この信号に応じて
切換スイッチ23は(ロ)から(イ)に位置を切換える
ようになっている。
【0056】したがって、この第4の実施例によれば、
作業者が作業内容によりポンプのトルクの制限値を容易
に選択することができる。また、別の制限値Trに変更
指示後、所定時間経過すると、自動的に元の基準制限値
Tr’に復帰するために、変更値の解除し忘れによるエ
ネルギロス等を防止することができる。
【0057】図13および図14は、本発明の請求項
1、および、請求項4に係る第5の実施例の説明図で、
制御手段の構成を示す図である。なお、図1に第1の実
施例と共通する部分については同一符号を付しておりそ
の説明は省略する。
【0058】同図13に示すように、この第5の実施例
による制御手段500は、ポンプ1の斜軸1aに連結し
この斜軸1aの動作に関与するシリンダ10と、このシ
リンダ10の有するピストン10bの位置を制御するた
めの制御弁501と、この制御弁501に対しポンプ1
の吐出圧力を導出する管路505と、この制御弁501
に対しパイロット圧を供給する電磁比例弁504と、図
示しない操作レバーに設けられポンプ1のトルクの制限
値を指示する指示スイッチ4からの信号を入力し、この
信号に応じた信号を電磁比例弁504に出力する演算手
段503とを備えている。なお、電磁比例弁504から
のパイロット圧は、制御弁501に設けられる油室50
2aに導かれ、ばね502bを介し制御弁501を同図
13右方向に押し付けるように作用する。一方、管路5
05により制御弁501に導かれるポンプ1の吐出圧力
は、制御弁501を同図13左方向に押し付けるように
作用する。したがって、制御弁501は、電磁比例弁5
04から供給されるパイロット圧による押付力と、管路
505によって導かれるポンプ1の吐出圧力による押付
力とがバランスする位置に制御される。
【0059】また、演算手段503は、図14に示すよ
うに、指示スイッチ4からポンプ1のトルクの制限値の
変更を指示する信号を入力した際、この入力時点から所
定時間経過した後、トルクの制限値を予め設定される比
較的低い基準制限値に復帰させる復帰手段26と、この
復帰手段26からの信号に応じた信号を出力する演算部
511とからなる。また、復帰手段26はタイマー2
4、切換スイッチ23、スイッチ操作回路20、ポンプ
1のトルクの制限値を格納する記憶部21、22とを備
えている。
【0060】以上のように構成された第5の実施例で
は、指示スイッチ4よりポンプ1のトルクの制限値を別
の制限値に変更するように指示されない状態では、切換
スイッチ23により記憶部21に格納されている基準制
限値Tr’が選択される。演算部511では基準制限値
Tr’に応じてポンプ1の吐出圧力の最大値を規定し、
この吐出圧力に応じたパイロット圧となるように電磁比
例弁504に対し信号を出力する。電磁比例弁504
は、この演算部511からの信号に応じパイロット圧を
制御弁501の油室502aに供給する。なお、電磁比
例弁504は、吐出圧力をフィードバックすることによ
り、演算部511からの指示信号に応じたパイロット圧
力となるように制御する。これにより制御弁501の油
室502aには、基準制限値Tr’に相当するパイロッ
ト圧が供給され、制御弁511に対しばね502bを介
しこのパイロット圧に相当する押付力FRを同図13右
方向に作用させる。一方、ポンプ1の吐出圧力が、基準
制限値Tr’に応じて規定された最大値を超えたとき、
管路505を介し制御弁501に対し同図13左方向に
作用する押付力FLが、パイロット圧による押付力FR
を上回り、制御弁501は(ト)の位置から(リ)の位
置に切換わる。これにより、シリンダ10の油室10c
と油室10dとが連通状態となり、各油室10c、10
d内の圧力が等しくなり、受圧面積差によってピストン
10bは同図13左方向へ移動する。これに伴い、ポン
プ1の斜軸1aの傾転角が小さくなり、ポンプ1の吐出
量が減少するため、吐出圧力も低下する。このポンプ1
の吐出圧力が上述した基準制限値Tr’に応じて規定さ
れる最大圧力となったとき制御弁501に作用する押付
力FRとFLとがバランスし、制御弁501は中立位置
(ト)に切換わる。このような動作により、ポンプ1の
吐出圧力は基準制限値Tr’に応じて規定される最大圧
力を超えないように制御される。
【0061】また、指示スイッチ4により、ポンプ1の
トルクの制限値を別の制限値Trに変更するように指示
されると、図14に示すスイッチ切換回路によって切換
スイッチ23が(ヘ)の位置に切換わり、記憶部22に
格納される別の制限値Trが選択されて演算部511へ
出力される。演算部511では、この別の制限値Trに
応じたパイロット圧を制御弁501に供給するように電
磁比例弁504に信号を出力する。前述したように別の
制限値Trは、基準制限値Tr’よりも値が大きいた
め、別の制限値Trに基づき規定されるポンプ1の最大
吐出圧も大きな値となる。これに伴い制御弁501の油
室502aに供給するパイロット圧も、基準制限値T
r’の場合よりも高い値が設定される。したがって、制
御弁501に作用する右方向の押付力FRも大きな値と
なり、制御弁501の位置が(チ)に切換わる。このた
め、シリンダ10の油室10cとタンク8とが連通し、
油室10c内の作動油がタンクへと戻され、ピストン1
0bが右方向に移動する。このピストン10bの移動に
より、ポンプ1の斜軸1aの傾転角が大きくなり、ポン
プ1の吐出量が増加する。このポンプ1の増加に伴うポ
ンプ1の吐出圧力の高圧化により、制御弁501を左方
向に押し付ける押付力FLも増加し、右方向の押付力F
Rとバランスしたとき制御弁501は中立位置(ト)に
切換わる。また、負荷圧が増加すると上述した動作によ
り、別の制限値Trに応じて規定される最大圧力を超え
ないように制御される。
【0062】ところで、指示スイッチ4から別の制限値
Trに変更するように指示された時点から、タイマー2
4が作動し始め、所定時間を経過するとスイッチ操作回
路20への信号が遮断されるため、切換スイッチ23は
図14(ホ)の位置から再び(ヘ)の位置に切換わり、
ポンプ1のトルクの制限値は記憶部21に格納されてい
る基準制限値Tr’が選択され演算部511に出力され
る。
【0063】したがって、この第5の実施例によれば、
第1の実施例同様に、操作レバーに設置した指示スイッ
チ4を操作し、ポンプ1のトルクの制限値を変更する
際、作業者は操作レバーから手を離す必要がなくなり、
作業能率を向上させることができる。さらに、別の制限
値Trに変更指示後、所定時間経過すると、自動的に元
の基準制限値Tr’に復帰するために、変更値の解除し
忘れによるエネルギロス等を防止することができる
【0064】
【発明の効果】本発明の請求項1および請求項3に記載
の発明によれば、ポンプのトルクの制限値を変更した
後、所定時間経過すると自動的に元の制限値に変更され
るため、エネルギロスを最小限にとどめることができ
る。
【0065】また、請求項2および3に記載の発明によ
れば、作業者が作業内容によってポンプのトルクの制限
値を容易に切換え、選択することができる。また、トル
ク指示手段を操作し続けている間だけポンプのトルクの
制限値が変更されるため、元の基準制限値への戻し忘れ
という不具合を回避できる。これにより、エネルギロス
の低下が実現できる。
【0066】これらにより、請求項1〜3に記載の発明
によれば、燃料消費等を考慮すると作業効率の向上に寄
与することができる。
【0067】また、請求項4および請求項5に記載の発
明によれば、作業者は操作レバーに設置したトルク指示
手段、または、足踏みペダルによって操作されるトルク
指示手段によって、操作レバーから手を離さずにポンプ
のトルクの制限値の変更を行うことができるため、作業
効率の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧ポンプの制御装置を備えた第1の
実施例の油圧回路図である。
【図2】本発明における第1の実施例に備えられる演算
手段の構成図である。
【図3】本発明における第1の実施例に備えられる演算
手段の有する演算部のブロック図である。
【図4】原動機のトルク特性を示す図、および、ポンプ
のトルク特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例のトルク指示手段を備え
た油圧ショベルの運転室の平面図である。
【図6】本発明の第1の実施例による指示スイッチと切
換スイッチの動作の関係を示すタイムチャート図であ
る。
【図7】本発明における第2の実施例に備えられる演算
手段の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施例のトルク指示手段を備え
た油圧ショベルの運転室の平面図である。
【図9】本発明における第3の実施例に備えられる演算
手段の構成図である。
【図10】本発明の第3の実施例による指示スイッチと
切換スイッチの動作の関係を示すタイムチャート図であ
る。
【図11】本発明における第4の実施例に備えられる演
算手段の構成図である。
【図12】本発明の第4の実施例による指示スイッチと
切換スイッチの動作の関係を示すタイムチャート図であ
る。
【図13】本発明の油圧ポンプの制御装置を備えた第5
の実施例の全体構成図である。
【図14】本発明における第5の実施例に備えられる演
算手段の構成図である。
【図15】従来の油圧ポンプの制御装置を備えた油圧回
路図である。
【図16】従来のトルク指示手段を備えた油圧ショベル
の運転室の平面図である。
【符号の説明】
1 可変容量式油圧ポンプ 1a 斜軸 2 レギュレータ装置(制御手段) 3 演算手段 4 指示スイッチ(トルク指示手段) 7 原動機 10 シリンダ 11、12 電磁弁 14 回転計 15 角度検出器 16 圧力検出器(圧力検出手段) 20 スイッチ操作回路 21、22 記憶部 23 切換スイッチ 24 タイマー 25 演算部 26 復帰手段 50 スイッチ操作回路 60 スイッチ操作回路 61 アンド回路 70a、70b 操作レバー 71 コンソール 72a フートペダル(足踏みペダル) 80 切換手段 101 制御手段 103 演算手段(制御手段) 203 演算手段(制御手段) 303 演算手段(制御手段) 500 制御手段 501 制御弁(制御手段) 503 演算手段(制御手段) 504 電磁比例弁(制御手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機により駆動される可変容量式油圧
    ポンプのトルクの制限値を指示するトルク指示手段と、
    このトルク指示手段からの信号と前記可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出圧とに基づき、前記可変容量式油圧ポンプの
    トルクが前記制限値を超えないように可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出量を制御する制御手段とを有する油圧ポンプ
    の制御装置において、前記制御手段は、前記トルク指示
    手段より前記可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値を
    基準制限値から別の制限値に変更する指示信号を入力し
    た時点を基準として、その時点から所定時間経過した後
    に前記可変容量式油圧ポンプのトルクの制限値を前記基
    準制限値に復帰させる復帰手段を備えたことを特徴とす
    る油圧ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】 原動機により駆動される可変容量式油圧
    ポンプのトルクの制限値を指示するトルク指示手段と、
    このトルク指示手段からの信号と前記可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出圧とに基づき、前記可変容量式油圧ポンプの
    トルクが前記制限値を超えないように可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出量を制御する制御手段とを有する油圧ポンプ
    の制御装置において、前記制御手段は、前記トルク指示
    手段からの信号が、前記可変容量式油圧ポンプのトルク
    の制限値を基準制限値から別の制限値に変更する指示信
    号の場合にトルクの制限値を別の制限値に変更し、それ
    以外は前記基準制限値をトルクの制限値として選択する
    切換手段を備えたことを特徴とする油圧ポンプの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 原動機により駆動される可変容量式油圧
    ポンプのトルクの制限値を指示するトルク指示手段と、
    このトルク指示手段からの信号と前記可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出圧とに基づき、前記可変容量式油圧ポンプの
    トルクが前記制限値を超えないように可変容量式油圧ポ
    ンプの吐出量を制御する制御手段とを有する油圧ポンプ
    の制御装置において、前記制御手段は、前記トルク指示
    手段からの信号が、前記可変容量式油圧ポンプのトルク
    の制限値を基準制限値から別の制限値に変更する指示信
    号の場合にトルクの制限値を別の制限値に変更し、それ
    以外は前記基準制限値をトルクの制限値として選択する
    切換手段と、前記可変容量式油圧ポンプのトルクの制限
    値を前記基準制限値から前記別の制限値に変更する指示
    信号を入力した時点を基準として、その時点から所定時
    間経過した後にトルクの制限値を前記基準制限値に復帰
    させる復帰手段とを備えたことを特徴とする油圧ポンプ
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記トルク指示手段は、前記制御弁の動
    作を指示する操作レバーに備えられることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧ポンプの制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記トルク指示手段は、足踏みペダルに
    よって操作されることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の油圧ポンプの制御装置。
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