JPH05302100A - 廃食用油の処理方法 - Google Patents

廃食用油の処理方法

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JPH05302100A
JPH05302100A JP13437192A JP13437192A JPH05302100A JP H05302100 A JPH05302100 A JP H05302100A JP 13437192 A JP13437192 A JP 13437192A JP 13437192 A JP13437192 A JP 13437192A JP H05302100 A JPH05302100 A JP H05302100A
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edible oil
lipase
waste edible
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acid
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JP13437192A
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Keiichi Oyama
慶一 大山
Yukie Murata
幸江 村田
Fumiyoshi Inaba
文美 稲葉
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単で安全な廃食用油の処理 【構成】 家庭、各種団体、自治体等の廃食用油の処理
方法において、水、乳化剤の存在下で、廃食用油にリパ
ーゼもしくはリパーゼ生産菌を作用させ加水分解した
後、アルカリ性物質で中和することにより、脂肪酸石鹸
をつくる。 【効果】 一般家庭、外食産業、各種団体、自治体等に
おいて、性能の良い攪拌機や加熱操作、劇物的強アルカ
リ物質を要さなくとも、廃食用油を簡単に安全に品質の
良い石鹸となすことができ、再利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭・外食産業・各種
団体・自治体等において廃食用油を簡単かつ安全に石鹸
化することにより、廃食用油を再利用できる処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭あるいは産業的に排出さ
れる廃棄物であるゴミの生産量が増加するにつれて、各
種自治体でも処理しきれず廃棄に困るという事態が多
い。ゴミの処理手段としては、焼却、埋め立て・投棄、
再生という方法が一般にとらている。ゴミの増加に伴っ
て、各自治体でも焼却能力を上げるため、焼却炉の改良
や焼却場の増設などの対策を施しているが、経費や場所
の問題があり追いつかないのが現状である。また、ゴミ
の焼却による、有害ガスの発生や二酸化炭素の発生によ
る地球の温暖化現象等の環境への影響もあり、一概に焼
却能力を上げればゴミ問題が解決するという訳ではな
い。焼却しきれないゴミは、埋め立て・投棄という方法
がとられるが、場所の設定、ゴミの中からの溶出物の環
境汚染への懸念という課題がある。このような中、ゴミ
の減量化やリサイクルの動きが盛んになりつつある。
【0003】ゴミ処理の中でも、特に廃食用油の処理方
法については1つの大きな課題となっている。使用済み
の食用油をそのまま排水口に流すことは河川や海の水を
汚す原因となる。また、排水管の壁に付着し、詰まりや
悪臭の原因となり下水管を痛めるばかりでなく衛生的に
も問題がある。そのため、廃食用油の処理方法として様
々な対策が講じられている。
【0004】その方法として、固化剤で固めてゴミと
して処理する。吸油剤に吸わせてゴミとして処理す
る。活性汚泥により生分解する。燃料として使用す
る。アルカリでけん化し、石鹸として利用する。
水、界面活性剤、アルカリ剤で乳化液とし、洗浄剤とし
て使用するか、もしくはそのまま排水口に流す。など、
が挙げられる。
【0005】このうちおよびの方法は、廃油処理と
しては手軽で簡単な方法であるが、ゴミの量を増やすと
いう点でなお課題を残すことになる。また、の方法
は、一般に排水処理場で行われているが、設備やコスト
など規模的に家庭、各種団体、自治体が廃食用油を簡単
に処理できるという方法ではないので不向きである。さ
らにの方法は、資源の再利用という点では良い方法で
あり、ボイラーなどの熱源として利用されることもある
が、精製の必要性や回収費用などの点から利用できる場
面は限定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、資源
の有効利用の点では良い方法であり、特に石鹸は他の界
面活性剤に比べて非常に生分解性が良く、排水として流
しても環境の生態系に及ぼす影響が少ない。しかしなが
ら従来法は、一般には廃食用油に対して水、苛性ソーダ
もしくは苛性カリを加えて鹸化し、石鹸を得るという方
法(例えば特開平3−124799号公報)を採用して
おり、家庭・各種団体・自治体等などのいわゆる工業的
・商業的レベルでない廃食用油の石鹸化操作において劇
物的な強アルカリである苛性ソーダ、苛性カリを使用す
ることは作業上、非常に危険を伴い、誤操作により手肌
や衣類を侵すだけでなく失明の恐れさえあり、安全で簡
単な方法であるとはいえない。まして、加熱操作を行っ
たり、熱湯を使用する場合はなおさらである。
【0007】実質的に家庭・各種団体・自治体等におい
て温和な条件で廃食用油の鹸化を行うには、通常、水酸
化物もしくはアルカリ金属含有量の多い珪酸塩等の使用
が必要である。水酸化物としては水酸化ナトリウムある
いは水酸化カリウムが挙げられるが、この場合は適量の
水と、反応を行う容器を振盪し続けるか攪拌機により攪
拌し続けることにより数日間で反応は完了する。短時間
で反応を完了させるためには系を加熱するか均一化する
ための乳化剤の添加、強い攪拌力等が必要となる。
【0008】また珪酸塩の場合は、一般的に、Na塩と
してはNa2 O・nSiO2 ・xH2 O(nはNa2
とSiO2 のモル比、xは0以上の数)、K塩としては
2O・mSiO2 ・yH2 O(mはK2 OとSiO2
のモル比、yは0以上の数)が挙げられるが、水酸化物
に比べて総じて鹸化反応速度は遅くなる。n、mは小さ
い方が反応性は高く、大きくなるにつれて反応性は落ち
る。この中で、実用的なものはn、mがいずれも0.5
以下のもので、0.5より大きいものは反応性が低く実
用に値しない。nおよびmが0.5以下のものを使用し
た場合、実質的に数日内で鹸化反応を進めるためには、
適量の水以外に系を均一化するための乳化剤や反応容器
を激しく振盪する振盪機かもしくはミキサーなどの強い
混合力のある攪拌機あるいは反応容器への直火による加
熱操作が必要となってくる。そのため、家庭・各種団体
・自治体等における実用化の可能性は非常に乏しい。よ
って、特開昭61−116000号、特開平1−252
700号、特開平2−228397号公報等で開示され
ているような珪酸塩による鹸化の方法は実現性が低い。
なお、上記の水酸化物、珪酸塩(n、mが0.5以下)
のいずれにしても劇物的な強アルカリ性物質であり、作
業上非常に危険を伴うことは言うまでもない。
【0009】水酸化物および珪酸塩(n、mが0.5以
下)以外のアルカリ性物質としては珪酸塩(n、mが
0.5より大きい)、炭酸塩、硼酸塩、燐酸塩、有機酸
塩、アミン類、塩基性アミノ酸等があるが、これらを単
独で使用するか、例えば、特開昭61−116000
号、特開昭63−168499号公報で示されているよ
うに界面活性剤と併用するなどしても、水酸化物、珪酸
塩(n、mが0.5以下)よりも反応性は低く実用に値
しない。これらの反応性の低いアルカリ性物質は、例え
ば特開昭61−116000号、特開昭62−2959
99号、特開昭63−168499号各公報で開示され
ているように、水酸化物および/または珪酸塩(n、m
が0.5以下)と併用してアルカリ性物質を総量として
理論上の廃食用油の鹸化当量使用した場合ですら、強い
攪拌力、乳化剤の添加、加熱操作を附しても、使用する
水酸化物および/または珪酸塩(n、mが0.5以下)
相当分の鹸化反応しか起きず、そのほとんどが未反応の
アルカリ性物質として反応系中に残存する。したがって
かかる反応物を、石鹸として使用する場合、手肌や衣類
などを侵すことになり、また未反応の廃食用油が系中に
残存することになり洗浄力、泡立ちの低い石鹸が得ら
れ、ひいては廃食用油を排水中に流すことにほかならな
い。
【0010】また、特開昭63−243199号、特開
平1−252700号、特開平2−52031号、特開
平2−135298号各公報で開示されているような
の方法は、以上述べたような理由から、廃食用油はほと
んど鹸化されず未反応のまま系中に残存するので、廃食
用油を排水とともに処理しなければならず、環境汚染の
原因となる。以上に述べたように、操作が面倒で危険あ
るいは鹸化が不充分で品質の悪い石鹸しか得られなかっ
た従来の方法は、一部の家庭や環境保護に熱心な各種団
体等でしか行われなかった。
【0011】したがって、本発明の目的は、上記のよう
な欠点がなく、家庭・各種団体・自治体等において廃食
用油を簡単に安全に石鹸化することにより、再利用でき
る処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水、
乳化剤の存在下で廃食用油にリパーゼもしくはリパーゼ
生産菌を作用させて加水分解した後、これをアルカリ性
物質で中和することにより、脂肪酸石鹸をつくる廃食用
油の処理方法である。
【0013】本発明では、まず容器に廃食用油とともに
水、乳化剤およびリパーゼもしくはリパーゼ生産菌を入
れ、通常5〜60℃、好ましくは20〜50℃で軽く振
盪あるいは攪拌して、1時間〜数日間好ましくは5時間
〜3日間静置し油脂分を加水分解させ、生じた遊離脂肪
酸をアルカリ性物質で中和させることによって脂肪酸石
鹸を得ることができる。リパーゼもしくはリパーゼ生産
菌による廃食用油の加水分解反応においては、水と廃食
用油の比率は特に限定されないが、効率よく反応を促進
するために1:10〜10:1(重量比)が好ましい。
【0014】本発明で用いられる乳化剤は、主として水
と油の接触面積を拡大することによりリパーゼの廃食用
油中のグリセリドの加水分解効率を上げるために使用す
るものであり、リパーゼを変性させることなく、リパー
ゼ活性もしくはリパーゼ生産菌の増殖を妨げない乳化剤
であれば特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
の合成高分子、キサンタンガム、アラビアガム、グアガ
ム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アラビノガ
ラクタン、ガッティガム、化工澱粉等の水溶性多糖類、
ゼラチン、カゼイン、アルブミン、脱脂大豆加水分解
物、卵白等の蛋白質に代表される親水性高分子化合物、
コール酸、レシチン、サポニン等の天然系界面活性剤等
がある。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂
肪酸塩、アルキルグルコシド等の合成界面活性剤も使用
可能だが、使用量によっては活性を阻害することがある
ことと、環境面、省資源の点からなるべく少量の使用に
止めることと、生分解性の良い乳化剤を選択することが
望ましい。かかる乳化剤は、通常、廃食用油に対して
0.01〜10重量%好ましくは0.05〜8重量%使
用する。なお親水性高分子化合物の場合、上記乳化剤中
1〜100重量%でよい。
【0015】また、本発明で用いるリパーゼもしくはリ
パーゼ生産菌は、その起源は動物、植物、微生物などの
限定は特にない。効率良く質の良い石鹸を生成するため
には、油脂に対する位置選択性、基質特異性が小さいも
のが好ましい。その給源としては、例えば、ジオトリク
ム キャンディダム(Geotrichum candidum )、シュー
ドモナス エスピー(Pseudomonas sp. )、アクロモバ
クター リポリティカム(Achromobacter lipolyticum
)、プロピオニバクテリウム アクネス(Propionibac
terium acnes )、シュードモナス フルオレッセンス
(Pseudomonas fluorescens )、スタフィロコッカス
アウレウス(Staphylococcus aureus )、アルカリゲネ
ス エスピー(Alcaligenes sp. )、アルスロバクター
ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)、
バチルス エスピー(Bacillus sp.)、アスペルギルス
ニガー(Aspergillus niger )、ペニシリウム オキ
サリカム(Penicillium oxalicum)、プシニア グラミ
ニス(Puccinia graminis )、キャンディダ シリンド
ラセ(Candida cylindracea )、キャンディダ リポリ
ティカ(Candida lipolytica)、キャンディダ ルゴサ
(Candida rugosa)、キャンディダ クルベート(Cand
ida curvate )、トルロプシス エモビ(Torulopsis e
mobii )、米ヌカ、ヒマの種子、エンバク等が挙げられ
る。
【0016】なお本発明の実施に際しては、これらの給
源から得られる市販のリパーゼを使用するのが簡便であ
る。かかるリパーゼを作用させる際には使用するリパー
ゼの至適温度、至適pHに近い条件で作用させ、活性、
安定性を低下させないことが望ましい。リパーゼの使用
量は廃食用油に対して0.01〜10重量%好ましくは
0.03〜5重量%である。また、上記に例示したよう
なリパーゼ生産菌を使用する場合は、必要に応じてグル
コース、ショ糖、硝酸アンモニウム、酵母エキス、麦芽
エキス、硝酸塩、各種金属イオン等を培地成分とし、常
法により廃食用油と共存させ培養すればよい。
【0017】本発明で用いられるアルカリ性物質として
は水溶液中でアルカリ性を示すものであれば制限はない
が、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、一般式Na2 O・nS
iO2 ・xH2 O(xは0以上の数)でnが0.5より
大きい珪酸ナトリウム、一般式K2 O・mSiO2 ・y
2 O(yは0以上の数)でmが0.5より大きい珪酸
カリウム、硼酸三ナトリウム、硼酸三カリウム、ホウ
砂、燐酸三ナトリウム等の無機塩、クエン酸、リンゴ
酸、コハク酸、乳酸の各ナトリウム又はカリウム塩等の
有機酸塩、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロ
パノール等のアミン誘導体、アルギニン、リジン等の塩
基性アミノ酸等が好適である。水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、珪酸ナトリウム(nが0.5以下)、珪酸
カリウム(mが0.5以下)は劇物的なアルカリ性物質
であり、一般家庭、各種団体、自治体等において取り扱
う際、危険を伴う場合が多いので、使用する場合には弱
アルカリ性物質と併用するなどして、少量にとどめるこ
とが望ましい。また、より質の良い石鹸を得るには、廃
食用油の理論上の鹸化必要量以上のアルカリ性物質で中
和することが望ましい。なお系中の粘度が高すぎる場合
は、適宜、水を添加すればよい。この水はアルカリ性物
質を溶解させた水溶液でも何ら差し支えない。
【0018】本発明で、得られた石鹸には、一般的な洗
剤で用いられる成分の配合が可能であり、例えばラウリ
ン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、エタノール、
グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、
1.3−ブタンジオール、エチルカルビトール、エチル
セロソルブ、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、n−ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルベタイン、
ゼオライト、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、EDTA(エチレンジアミン四酢酸塩)、ポリアク
リル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、エチレングリコールジステアレー
ト、ステアリン酸、セタノール、シリコーン油、トコフ
ェロール、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン
酸、アロエエキス、スクワラン、安息香酸、パラベン、
オキシベンゾン、色素、香料等を配合することができる
が、環境面、省資源の点から、得られた石鹸を改質する
程度の最低量の配合にとどめること、生分解性の良いも
のを選定することが望ましい。
【0019】また、本発明の特徴の一つである透明ない
し半透明状の均一な液状石鹸を得るためには、上記の例
示のような1価アルコールおよび/ないしは多価アルコ
ールを、廃食用油の加水分解前もしくは後に、好ましく
は系中の1〜30重量%添加すればよい。さらに本発明
においては、廃食用油を加水分解し石鹸化する工程で廃
食用油を加水分解する蓋付き容器を用い、加水分解処理
した後に、反応物をアルカリ性物質を含む容器に移して
中和処理するか又はアルカリ性物質を反応物の入った容
器に移して中和処理すればよい。また、アルカリ性物質
を含む水溶液を封入した袋を内包する単一の蓋付き容器
内で、加水分解と中和処理を行なってもよい。なお、本
発明はこれらの方法に限定されないことは言うまでもな
い。
【0020】
【実施例】
〔石鹸の製造〕 実施例1〜8 表1に示す乳化剤およびアルカリ性物質を用いて、実施
例1〜8を行った。すなわち、500ml容量の蓋付きの
容器内に、20℃の水100g、乳化剤、キャンディダ
シリンドラセ(Candida cylindracea )由来のリパー
ゼ「リパーゼOF」(名糖産業(株)製)0.1g、廃
食用油(大豆白絞油)100gを入れ蓋をした後、数回
容器を振り、20℃で1日静置した。その後、軽く容器
を振り、蓋を開けてアルカリ性物質を加え、再び蓋をし
て数回、容器を振り1日静置し、本発明品を得た。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1〜4 表2に示すアルカリ性物質を用いて、乳化剤を使用せ
ず、比較例1〜4を実施した。すなわち、500ml容量
の蓋付きの容器内に、20℃の水100g、「リパーゼ
OF」(名糖産業(株)製)0.1g、廃食用油(大豆
白絞油)100gを入れ蓋をした後、数回容器を振り、
20℃で1日静置した。その後、軽く容器を振り、蓋を
開けてアルカリ性物質を加え、再び蓋をして数回容器を
振り1日静置し、比較品を得た。
【0023】
【表2】
【0024】比較例5〜12 表3に示す乳化剤、アルカリ性物質を用いて、リパーゼ
を使用せず、比較例5〜12を実施した。すなわち、5
00ml容量の蓋付きの容器内に、20℃の水100g、
乳化剤、廃食用油(大豆白絞油)100g、アルカリ性
物質を入れ蓋をした後、数回容器を振り、20℃で1日
静置した。その後、さらに数回容器を振り1日静置し、
比較品を得た。
【0025】
【表3】
【0026】〔評価〕上記の本発明品および比較品を以
下に示す方法で評価した。その評価結果を表4、5に示
す。 性状 肉眼で観察し、その状態を次に示す基準で評価した。す
なわち、1:白い固形もしくはペースト、2:油のにじ
んだ固形もしくはペースト、3:油層と水層が分離状
態。 石鹸化度 反応処理前の廃食用油のけん化価と反応処理後に得られ
た標品の酸性下におけるエーテル抽出分の酸価を測定
し、石鹸化度=エーテル抽出分の酸価/反応前の廃食用
油のけん化価、とした。その石鹸化度を次の基準で評価
した。すなわち、1:石鹸化度0.9以上、2:石鹸化
度0.5以上0.9未満、3:石鹸化度0.1以上0.
5未満、4:石鹸化度0.1未満。※トリオレインが1
00%石鹸になると石鹸化度1.05になる。
【0027】〔結果〕
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】実施例9〜18 女性パネラー10名に廃食用油の石鹸化の試作モニター
を行った。表6に示すような所定量の内包物を有した小
袋、蓋付き小容器(容量500ml)、蓋付き大容器(容
量1500ml)を用意し、下記の手順に従って試作を行
った。廃食用油は家庭で揚げ物をした後の使用済みの混
合廃食用油を使用した。
【0030】
【表6】
【0031】〔手順〕 1.小容器に、揚げカスをこして除いた廃食用油200
gおよび20℃の水200g、小袋の内容物を入れ、蓋
をした後、小容器を1分間手で振り、48時間20℃の
部屋で静置した。 2.小容器を軽く数回振った後、小容器の内容物全部を
大容器に移し、蓋をした後、大容器を数回振り、24時
間20℃の部屋で静置し、石鹸組成物を得た。
【0032】〔評価〕本発明品を以下に示す方法で評価
した。その評価結果を表7に示した。 性状 肉眼で観察し、その状態を次に示す基準で評価した。す
なわち、1:透明もしくは半透明の液状、2:白濁した
乳液状、3:油層と水層が分離状態。 石鹸化度 前記の実施例1〜8に準じて評価した。 洗浄力 パネラーにより、3日間食後の度に汚れた食器を洗浄し
てもらい、その汚れの落ち具合の結果を下記に示す基準
で評価した。すなわち、1:よく落ちる、2:落ちる、
3:あまり落ちない、4:落ちない。 処理の難易度 パネラーにより、下記に示す基準で評価した。すなわ
ち、1:非常に易しい、2:易しい、3:やや難しい、
4:難しい。
【0033】〔結果〕
【表7】
【0034】実施例19 30リットル容量の容器内に、40℃の水12kg、乳化
剤としてアラビアガム250g、シュードモナス エス
ピー(Pseudomonas sp. )由来のリパーゼ「リパーゼP
S」(天野製薬(株)製)100g、40℃の廃食用油
(菜種油、大豆油、魚油、ラード等の混合油)10kgを
入れ、泡立て器で3分間混合し、ラップフィルムで蓋を
した後、室温で2日間静置した。その後、泡立て器で均
一化し、その乳化液を2つの容器に同量ずつ分け、一方
に炭酸ナトリウム20重量%水溶液を5kg、グリセリン
2kg、ソルビトール2kg、EDTA−4Na200g、
もう一方にトリエタノールアミン20重量%水溶液を1
5kg、エタノール2kg、EDTA−4Na200gを添
加して、それぞれ泡立て器で均一になるように混合し、
1日静置し、それぞれ白色の固形石鹸と半透明均一な液
状石鹸を得た。
【0035】実施例20 実施例1において、リパーゼの代わりにペニシリウム
シクロピウム(Penicillium cyclopium 、ATCC 3
4613)およびグルコース2g、塩化アンモニウム1
g、酵母エキス0.5gを用い、30℃で3日間容器を
時々軽く振り、同様に処理し、本発明品を得た。このも
のは黄白色のペースト状で、石鹸化度1であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、一般家庭・
外食産業・各種団体・自治体等において、廃食用油から
簡便で安全な操作、すなわち性能の良い攪拌機や加熱操
作、劇物的強アルカリ物質を要さなくとも、短時間の簡
単な振盪あるいは攪拌操作で、石鹸分の多い良質の石鹸
を得ることが可能となる。よって、一部の家庭や自治体
だけで行われていた廃食用油の石鹸化による再利用が、
一般の家庭、各種団体、自治体等でも容易に行い易くな
り、ひいては資源の節約、環境負荷の軽減、ごみの減量
化の促進につながることになる。なお、あらかじめアル
カリ性物質を入れた容器に廃食用油の加水分解物を注入
し石鹸化する方式や、さらにそれを1つの容器内で可能
となるような形態状で工夫した方式を製品化することに
より、この処理方法の安全性、簡便性を更に高めること
が可能となる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、乳化剤の存在下で廃食用油にリパー
    ゼもしくはリパーゼ生産菌を作用させ加水分解した後、
    水溶液中においてアルカリ性物質で中和することによ
    り、脂肪酸石鹸をつくることを特徴とする廃食用油の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性物質が、弱酸のアルカリ金属
    塩、アンモニア、アミン誘導体、塩基性アミノ酸のいず
    れか1種もしくは2種以上を含有することを特徴とする
    請求項1記載の廃食用油の処理方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属がナトリウム、カリウムの
    いずれか1種もしくは両者の組合せであることを特徴と
    する請求項2記載の廃食用油の処理方法。
  4. 【請求項4】 弱酸が珪酸、炭酸、硼酸、有機酸のいず
    れか1種もしくは2種以上の組合せであることを特徴と
    する請求項2記載の廃食用油の処理方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ性物質が炭酸ナトリウム、炭酸
    カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、一
    般式Na2 O・nSiO2 ・xH2 Oでnが0.5より
    大きい珪酸ナトリウム、一般式K2 O・mSiO2 ・y
    2 Oでmが0.5より大きい珪酸カリウム、硼酸ナト
    リウム、硼酸カリウム、ホウ砂、ジエタノールアミン、
    トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ト
    リイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−
    1−プロパノール、アルギニン、クエン酸、リンゴ酸、
    コハク酸、乳酸の各有機酸のナトリウム又はカリウム塩
    のいずれか1種もしくは2種以上の組合せであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の廃食用油の
    処理方法。
  6. 【請求項6】 リパーゼの給源およびリパーゼ生産菌
    が、ジオトリクム(Geotrichum)属、シュードモナス
    (Pseudomonas )属、アクロモバクター(Achromobacte
    r )属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium
    )属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、ア
    ルカリゲネス(Alcaligenes )属、アルスロバクター
    (Arthrobacter)属、バチルス(Bacillus)属、アスペ
    ルギルス(Aspergillus )属、ペニシリウム(Penicill
    ium )属、プシニア(Puccinia)属、キャンディダ(Ca
    ndida )属、トルロプシス(Torulopsis)属の微生物、
    ヒマの種子、米ヌカ、エンバクのいずれか1種もしくは
    2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の廃食用油の処理方法。
  7. 【請求項7】 乳化剤が親水性高分子化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の廃食
    用油の処理方法。
  8. 【請求項8】 1価アルコールおよび/ないし多価アル
    コールを配合することにより、透明状の液状石鹸をつく
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の廃
    食用油の処理方法。
  9. 【請求項9】 蓋付きの容器(A)内でリパーゼもしく
    はリパーゼ生産菌の存在下に廃食用油を加水分解した
    後、得られた生成物を物の蓋付き容器(B)に移してア
    ルカリ性物質の存在下に中和するか、前記の容器(A)
    にアルカリ性物質を投入して中和することを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の廃食用油の処理方法。
  10. 【請求項10】 アルカリ性物質を含む水溶液を封入し
    た袋を備えた蓋付き容器内で、リパーゼもしくはリパー
    ゼ生産菌の存在化に廃食用油を加水分解した後、上記の
    袋からアルカリ性物質を含む水溶液を漏出させ、上記の
    容器内で中和することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載の廃食用油の処理方法。
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