JPH05301815A - 入浴剤 - Google Patents

入浴剤

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Publication number
JPH05301815A
JPH05301815A JP31720391A JP31720391A JPH05301815A JP H05301815 A JPH05301815 A JP H05301815A JP 31720391 A JP31720391 A JP 31720391A JP 31720391 A JP31720391 A JP 31720391A JP H05301815 A JPH05301815 A JP H05301815A
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JP
Japan
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solid granular
agent
bathing
colorant
saccharides
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Application number
JP31720391A
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English (en)
Inventor
Tadao Shiraishi
忠生 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KANSAI KOUSO KK
Original Assignee
KANSAI KOUSO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固形粒状の糖類に、着色剤や保湿成分や薬効
成分等の入浴剤成分を含有させ、さらには、高圧力気体
を固形粒状の糖類に封入して、入浴剤成分の安定性を良
好に確保して、使用時の発色や発音により入浴者を視覚
的、聴覚的に楽しませ、かつ保湿成分や有効成分の時差
溶解により入浴効果を高めることのできる入浴剤を提供
すること。 【構成】 入浴剤の組成物に固形粒状の糖類を配合し、
同糖類に着色剤や保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を
含有させたこと。また、溶解速度を異ならせた複数個の
固形粒状の糖類に、それぞれ異なる色の着色剤を含有さ
せたこと。さらには、固形粒状の糖類中に高圧力気体を
封入したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固形粒状の糖類に、着
色剤や保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を含有させ、
さらには、高圧力気体を固形粒状の糖類に封入して、入
浴剤成分の品質安定性を良好に確保して、使用時の固形
粒状の糖類の溶解による発色や発音により入浴者を視覚
的、聴覚的に楽しませるだけでなく、保湿成分や薬効成
分の時差溶解により、入浴効果を高めることのできる入
浴剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入浴剤として、粉末状の基剤に着
色剤を配合して、浴湯に溶解させた際に、着色剤によ
り、浴湯が発色して、入浴者を視覚的に楽しませるよう
にしたものがある。
【0003】また、入浴剤として、粉末状の基剤に炭酸
ガス含有粒状体を配合して、浴湯に溶解させた際に、炭
酸ガス含有粒状体が破裂してパチパチと音を発して、入
浴者を聴覚的に楽しませるようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した入
浴剤の場合、次のような課題を有していた。
【0005】すなわち、着色剤や炭酸ガス含有粒状体を
単に粉末状の基剤に配合しているだけであるために、こ
れら着色剤や炭酸ガス含有粒状体の安定性が悪く、使用
時には着色剤が退色していて充分な発色が得られなかっ
たり、使用時には音圧レベルが低下していて、充分な発
音力(音圧レベル)が得られず、入浴者に視覚的又は聴
覚的な満足感を与えることができない場合があった。
【0006】また、粉末剤形の入浴剤では、入浴剤成分
が酸化その他の影響により経時的に品質劣化を起し易
く、有効成分の安定性を良好に確保することができない
という課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した課
題を解決すべく開発を進めた結果、以下の構成により上
記課題を解決するにいたった。
【0008】すなわち、入浴剤に、 着色剤を含有させた固形粒状の糖類を一定量配合した
こと、 保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を含有させた固形
粒状の糖類を一定量配合したこと、 着色剤や保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を含有さ
せた固形粒状の糖類を一定量配合したこと、 溶解速度を異ならせた複数個の固形粒状の糖類を配合
し、同糖類にそれぞれ異なる色の着色剤を含有させたこ
と、 上記〜のいずれかの糖類を配合し、同糖類中に、
さらに高圧力気体を封入したこと、により、上記課題を
解決するにいたったものである。
【0009】ここで、糖類の成分組成としては、水飴、
デキストリン、砂糖、マルトース、マルチトール、ブド
ウ糖、乳糖、オリゴ糖等の糖類を少なくととも一種以上
使用すればよいが、好ましくは、水飴とその他の糖類組
成物とのバランスを9:1〜1:9好ましくは8:2〜
2:8のバランスに調整するのがよい。
【0010】そして、水飴としては、一般的には酸糖化
アメ又は麦芽アメがあり、酸糖化アメは、一般的にグル
コース35〜45%,デキストリン35〜45%,その他の組成
よりなるものであり、また、麦芽アメは、一般的にデキ
ストリン20〜25%,麦芽糖40〜60%,その他の組成より
なるものである。
【0011】上記した成分組成の糖類は、最終水分含量
を、5%以下、好ましくは3%以下の固形粒状とし、粒
径は0.5mm 以上、好ましくは1mm以上とする。なお、固
形粒状としては、粉砕抹や粉砕塊も含む。
【0012】糖類に含有させる着色剤としては、厚生省
令で定める医薬品等に使用することが出来るタール色素
別表(1) 、(2) 、(3) 、銅クロロフィリンナトリウム、
リボフラビン、クロレラ、紫根、カロットオイル等の合
成着色剤や天然着色剤その他の着色剤を適宜自由に組合
せることにより、目的とする色調を得ることが可能であ
る。
【0013】使用する高圧力気体としては、炭酸ガス、
酸素ガス、窒素ガス、空気等気体成分であれば使用可能
である。
【0014】糖類に含有させる保湿成分や薬効成分とし
ては、例えば、酵素、生薬末(エキス)、消炎剤、抗菌
成分、保湿成分、無機成分、その他の成分があり、さら
に具体的に例示すると、次の通りである。
【0015】酵素としては、蛋白分解酵素、セルラー
ゼ、多糖類合成酵素、デキストラナーゼ、ペクチン分解
酵素、ナリンギナーゼ、カタラーゼ、ウロキナーゼ、脂
肪分解酵素、澱粉分解酵素、パンクレアチン、塩化リゾ
チーム等がある。
【0016】生薬末(エキス)としては、チンピ、カミ
ツレ、センキュウ、ガイヨウ、トウキ、オウバク、ニン
ジン、ジュウヤク、ゲンノショウコ、ドクダミ、トウガ
ラシ、カンゾウ、ベニバナ、コウボク、ショウキョウ、
ハッカ、ハマボウフウ、アロエ、モクツウ等がある。
【0017】消炎剤としては、アラントイン、アズレ
ン、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸メチル、
グリチルレチン酸類等がある。
【0018】抗菌成分としては、グルコン酸クロルヘキ
シジン、塩化ベンザルコニウム、パラベン類、ヒノキチ
オール、感光素類、ジンクピリチオン、フェノキシエタ
ノール、デヒドロ酢酸類、トリクロロカルバニリド、ト
リクロロヒドロキシジフェニルエーテル、レゾルシン類
等がある。
【0019】保湿成分としては、ペパ−ミントエキス、
アロエエキス、モモノハエキス、シソエキス、ショウブ
エキス、ブドウ葉エキス、海藻エキス、レシチン、ホホ
バ油,オリブ油、米ハイガ油、シコンエキス、アカブド
ウエキス、オレンジエキス、アマチャエキス、アルニカ
エキス、ユーカリエキス、レモンエキス、ローズマリー
エキス、クロレラエキス、ヘチマ水、月見草油等の植物
性成分や、その他にコラ−ゲン、酵母エキス、DNA、
ヒアルロン酸、エラスチン、アルブミン、乳成分、ハチ
ミツ、ローヤルゼリー、ビフィズス菌エキス、海水濃縮
物、卵由来物質、スクワラン、真珠蛋白、キチン、キト
サン、シルク類等の成分がある。
【0020】無機成分としては、炭酸水素ナトリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸
ナトリウム、水酸化ナトリウムがある。
【0021】その他の成分としては、トコフェロ−ル類
やアスコルビン酸等のビタミン類、高分子化合物、抗酸
化剤、アミノ酸類、着香剤、有機酸類、ホルモン類、炭
化水素物、多価アルコール類、界面活性剤等がある。
【0022】そして、かかる糖類に含有させる保温成分
や薬効成分としては、これらに限定されるものではな
く、一般的に用いられる入浴剤の成分であればよいもの
であり、その含有量は固形粒状の糖類の重量の10%以
下、好ましくは5%以下がよい。
【0023】また、固形粒状の糖類の配合量は、入浴剤
全重量の25〜85%がよく、30〜60%が好ましい。
【0024】固形粒状の糖類を製造する方法は、従来用
いられている方法であれば可能であり、日局(11局)
製剤総則、顆粒剤、丸剤、錠剤の項に規定する製法が一
般的であるが、これに限定されるものではない。
【0025】そして、固形粒状の糖類中に、高圧力気体
を封入する方法としては、例えば、以下の三つの方法が
ある。
【0026】すなわち、第一の方法としては、糖類と入
浴剤成分を混合し、100 〜160 ℃の温度で溶融した後に
冷却固化し、破砕した後に炭酸ガスを導入した10〜70kg
/cm2 の加圧容器に収容して、100 〜160 ℃の温度で
全体的に溶融させる。この後に加圧容器を冷却して加圧
状態を解き、糖類を破砕して固形粒状の糖類を得る方法
がある。
【0027】第二の方法としては、糖類を、100 〜160
℃の温度で溶融した後に冷却固化し、破砕した後に入浴
剤成分と混合し、炭酸ガスを導入した10〜70kg/cm2
の加圧容器に収容して、100 〜160 ℃の温度で全体的に
溶融させる。この後に加圧容器を冷却して加圧状態を解
き、糖類を破砕して固形粒状の糖類を得る方法がある。
【0028】第三の方法としては、糖類と入浴剤成分を
混合し、炭酸ガスを導入した10〜70kg/cm2 の加圧容
器に収容して、100 ℃以上の温度で溶融し、シャフトを
400〜500rpmで回転して撹拌し、その後、冷却固化して
加圧状態を解き、破砕して固形粒状の糖類を得る方法が
ある。
【0029】この際、糖類成分組成の配合量を調整する
ことや、糖類の水分含量を調整すること、及び固形粒状
の糖類の粒度の調整、その他の製造条件の調整により、
浴湯中での溶解速度を異ならせた固形粒状の糖類を作る
ことができる。
【0030】従って、溶解速度を異ならせた各々の固形
粒状の糖類に、それぞれ異なった着色剤を含有させてお
き、これらを入浴剤に配合することにより、浴湯中で固
形粒状の糖類を時差を持たせて溶解させることができ
て、浴湯の色を経時的にかつ多段的に変化させることが
できる。
【0031】なお、固形粒状の糖類が配合される入浴剤
の基剤としては、通常入浴剤に使用されるものであれば
よく、上記した無機成分と酵素と生薬と消炎剤と抗菌成
分と保温成分と着色剤と着香剤等より組成することがで
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が得
られる。
【0033】固形粒状の糖類に着色剤を含有させてい
るために、糖類により着色剤が空気や香料その他の入浴
剤成分と接触せず、そのために空気酸化を始め、入浴剤
成分による酸化やその他の影響を受けないように保護す
ることができる。
【0034】従って、着色剤の退色を防止することがで
きて、使用時の着色剤の発色性を良好に安定化させるこ
とができる。特に不安定な天然色素の発色性を安定化す
ることが可能となる。
【0035】また、組成物のpHの影響による着色剤の退
色を防止することができるために、上記のような効果が
得られる。
【0036】固形粒状の糖類に保湿成分や薬効成分等
の入浴剤成分を含有させているために、糖類により入浴
剤成分が空気や他の入浴剤成分と接触せず、そのために
空気酸化や特に入浴剤成分間の反応を防止することがで
きる。
【0037】従って、入浴剤成分の経時的品質劣化を防
止することができて、有効成分を良好な状態に安定化さ
せて、効果の持続性を長期間確保することができる。
【0038】また、これら保湿成分や薬効成分等の入浴
剤成分を含有させた固形粒状の糖類の溶解速度を異なら
せることにより、浴湯中での保湿効果や温浴効果及び清
浄効果等の入浴効果が持続し、入浴効果を高めることが
でき、なおかつ入浴剤を投入した後の2人目以降の入浴
者に対しても入浴効果を高めることができる。
【0039】固形粒状の糖類に上記入浴剤成分に加え
て着色剤を含有させることにより、これらの機能・効果
の安定性を良好に保つことができる。
【0040】上記のように、着色剤を確実に発色させ
ることができるために、発色による視覚的楽しみを入浴
者に確実に提供することができると共に、それぞれ異な
る色の着色剤を含有している糖類の溶解速度をそれぞれ
異ならせることにより、浴湯の色が経時的にかつ多段的
に変化して、より一層入浴者を視覚的に楽しませること
ができる。
【0041】例えば、乳白色を呈する入浴剤の基剤に青
色と赤色の着色剤をそれぞれ含有する糖類を配合し、こ
の順序で5分毎の時差をもたせて溶解するように調整す
ると、乳白色→乳青色→乳紫色の順序で5分毎に浴湯の
色を変化させることができる。また、赤色の着色剤に替
えて黄色の着色剤を使用すると、乳白色→乳青色→乳黄
緑色の順序で5分毎に浴湯の色を変化させることができ
る。
【0042】このように、色々な色の着色剤を使用する
ことにより、最初に発色した色→その色とその直後に発
色する色との合成色→その合成色とその直後に発色する
色との合成色→…というように、浴湯の色を経時的にか
つ多段的に変化させることができる。
【0043】固形粒状の糖類の成分と粒径を調整して
高圧力気体を封入しているために、糖類により高圧力気
体の発音力(音圧レベル)を長期間持続させることが可
能となり、使用時の高圧力気体の発音性を良好に安定化
させることができて、入浴者を、上記視覚的楽しさに加
えて、聴覚的にも楽しませることができる。
【0044】固形粒状の糖類に封入した高圧力気体
が、使用時の糖類の溶解により破裂した際には、入浴剤
成分や着色剤が瞬間的に浴湯中へ分散され、スムーズに
溶解される。
【0045】また、このときに超音波や振動が発生し
て、入浴剤成分や着色剤が浴湯中へ溶解するのを助け、
入浴剤成分の効果や着色剤の発色性を助長して効能を高
めることができる。
【0046】特に、高圧力気体が破裂中に入浴すると、
破裂時の勢いや超音波及び振動波により、保湿成分や入
浴剤成分が直接入浴者の肌に即効的に働き、従来の入浴
剤では得られなかった高い作用をもたらす。
【0047】また、破裂時の超音波や振動波は、その高
周波及び低周波の音波により、入浴者の肌にやわらかな
刺激を与え、血行促進、代謝促進等の作用を現し、入浴
効果を助長してマッサージ作用を生起するために、荒れ
性、にきび、腰痛、肩のこり、冷え症、あせも、しっし
ん、ひび、あかぎれ等への効果をもたらす。
【0048】上記したように、固形粒状の糖類に着色
剤や保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を含有させて、
これらの品質劣化を防止して、安定性の維持を図ること
ができるようにしているために、入浴剤としての商品の
長期保存が可能となり、物流条件、陳列時の環境条件等
を緩和することができて、取扱いが容易になる。
【0049】
【実施例】本発明に係る入浴剤と、比較品の入浴剤との
比較に関し、実際使用することによる使用感の評価、高
温安定性の評価、経時的着色剤の退色防止効果、保湿成
分や薬効成分の経時的安定性等に関し実験を行った。以
下実験結果を示す。
【0050】〔実施例1〕表1に示す成分組成を有する
入浴剤に関し、実際使用することによる使用感の評価を
100人の評価により行った。
【0051】結果を表2に示すが、明らかに本発明に係
る入浴剤は、従来の入浴剤と比べ、使用者が商品を使用
する興味を注がれるものであり、且つ実際の効能効果に
関しても優れていることが明確である。
【0052】これは、従来の入浴剤が視覚的にのみ、又
は聴覚的にのみ入浴を楽しくするものであったのに対
し、本発明に係る入浴剤は、視覚的にも聴覚的にも入浴
の興味を注ぐものであるために、更に入浴を楽しくする
ものであることと、発音力(音圧レベル)と持続性とい
う面で入浴者は充分満足感が得られるものであること、
また、固形粒状の糖類に入浴剤成分を含有させることに
より、高圧力気体の破裂時に発生する超音波や振動波が
皮膚を刺激して末梢血管を拡張しながら、糖類から溶け
出た有効成分が直接的に皮膚へ浸透して、薬効効果を奏
することによるものである。
【0053】なお、表1中、炭酸水素ナトリウム、ブド
ウ糖、ニンジンエキス、B.sub タンパク分解酵素50000
単位、酸化チタン、プロピレングリコール、青色1号、
及び香料が入浴剤の基剤を組成するものである。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】〔実施例2〕表3及び表4に示す成分組成
を有する入浴剤に関し、実入浴における使用感評価を10
0 人で行なうと共に、60℃,75%RH,36時間保存時の
熱安定性について、固形粒状の糖類の形状維持及び溶解
時の音の安定性の評価を行った。また40℃,75%RH 180
日間保存時のチンピエキスの安定性について評価を行な
った。
【0057】固形粒状の糖類の形状維持に関する評価基
準は、[●:保存前と糖類の固形状態が変わらない。
○:保存前と糖類の固形状態がほとんど変わらない。
△:保存前と糖類の固形状態が変わったのがわかる。
×:保存前の糖類の固形状態を維持していない。]の4
段階評価とした。又、溶解時の音の安定性については、
普通騒音計により評価を行った。またチンピエキスの安
定性については、含有成分であるヘスペリジンの測定に
より評価を行なった。
【0058】使用感と固形粒状の糖類の形状維持に関し
て、結果を表5及び表6に示し、溶解時の音の安定性に
ついて図1のグラフ1に、チンピエキスの安定性につい
て図2のグラフ2に示す。
【0059】ここで、図1のグラフ1において、上記の
苛酷な条件下にない保存前の入浴剤と、上記の苛酷な条
件下においた保存後の入浴剤との結果についてみると、
比較品は保存後においては、音圧が保存前の半分以下に
低減しているにも拘らず、発明品3〜発明品7は保存前
も保存後も発生する音圧はほとんど変わりなく、これよ
り本発明品の発音性の経時的安定性の良いことが分っ
た。
【0060】これは、糖類を含む固形物の水分含量の調
整及び成分組成のバランス調整により封入された高圧力
気体のバリヤー性、いわゆる糖類固形物の強度が向上し
たことによるものであり、かつ入浴剤成分を固形粒状の
糖類に配合することによる効能効果の向上によるものと
思われる。
【0061】また、図2のグラフ2をみると、使用感、
効能効果、薬効成分であるチンピエキスの安定性及び高
温多湿時の安定性において、本発明品が比較品に比べて
優れていることが明確に分った。
【0062】これは、固形粒状の糖類中に含有させたチ
ンピエキスが、糖類に密封されて他の組成物のpHの影響
を受けることがないことと、糖類自体がチンピエキスに
pHの影響を与えることがないために、チンピエキスの経
時的品質劣化が防止されるものと思われる。
【0063】なお、表3中、硫酸ナトリウム、デキスト
リン、チンピエキス、プロピレングリコール、香料、青
色1号、及び黄色202 号の(1) が入浴剤の基剤を組成す
るものである。表4中、硫酸ナトリウム、デキストリ
ン、チンピエキス、プロピレングリコール、香料、青色
1号、及び黄色202 号の(1) が入浴剤の基剤を組成する
ものである。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】〔実施例3〕表7に示す成分構成を有する
入浴剤に関し、実入浴における使用感評価を100人で行
なうと共に、40℃,75%RH, 100日間保存時の着色剤
の安定性について評価を行った。
【0069】着色剤の種類は、比較的に安定性の悪い青
色1号と、黄色4号に関して、各々の着色剤の有する極
大波長を測定することによる吸光光度法で試験を行ない
スタート日を 100%とし 100日経過時点での着色剤残存
量を評価した。
【0070】結果は、表8、図3のグラフ3及び図4の
グラフ4に示すとおり、本発明に係る入浴剤は、明らか
に比較品の入浴剤を上回る使用感を示し、なおかつ色調
の経時的かつ多段的変化を楽しめるものであった。
【0071】すなわち、比較品は、投入直後に浴湯が緑
色になっただけであるが、発明品8は、投入直後に浴湯
が黄色になり、約5分後に緑色に変化し、また、発明品
9は投入直後に浴湯が青色になり、約5分後に緑色に変
化し、さらに、約5分後にうす茶色に変化して、入浴者
を楽しませるものであった。
【0072】また、本発明に係る入浴剤は、 100日経過
時点での着色剤の安定性に関しても優れていることが明
確にわかる。これは、固形粒状の糖類に着色剤を含有さ
せることで入浴基剤pHによる退色を防止することが可
能となったものである。
【0073】なお、表7中、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、コラーゲン、プロピレングリコール、青色1号、
黄色4号、及び香料が入浴剤の基剤を組成するものであ
る。
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】〔実施例4〕表9に示す成分組成を有する
入浴剤に関し、40℃,75%RH,180 日間保存時の着色剤
と保湿成分の安定性について評価を行なった。
【0077】着色剤は天然由来のリボフラビンを配合
し、リボフラビンの有する極大波長を測定することによ
る吸光光度法で行ない、スタート日を100 %とし、経過
時点での着色剤の残存量を評価した。
【0078】保湿成分としては、ヒアルロン酸を配合
し、液体クロマトグラフィーによる測定によって安定性
を評価した。
【0079】結果は図5のグラフ5及び図6のグラフ6
に示すとおり、本発明に係る入浴剤は、明らかに比較品
の入浴剤を上回る入浴剤成分の高い安定性を示した。
【0080】なお、表9中、炭酸水素ナトリウム、硫酸
ナトリウム、ヒアルロン酸、リボフラビン、脂肪分解酵
素1000単位、及び香料が入浴剤の基剤を組成するもので
ある。
【0081】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した棒グラフ。
【図2】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した折線グラフ。
【図3】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した折線グラフ。
【図4】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した折線グラフ。
【図5】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した折線グラフ。
【図6】本発明に係る入浴剤と比較品の入浴剤とを比較
した折線グラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤を含有させた固形粒状の糖類を一
    定量配合したことを特徴とする入浴剤。
  2. 【請求項2】 保湿成分や薬効成分等の入浴剤成分を含
    有させた固形粒状の糖類を一定量配合したことを特徴と
    する入浴剤。
  3. 【請求項3】 固形粒状の糖類に着色剤を含有させたこ
    とを特徴とする請求項2記載の入浴剤。
  4. 【請求項4】 溶解速度を異ならせた複数個の固形粒状
    の糖類に、それぞれ異なる色の着色剤を含有させたこと
    を特徴とする請求項1又は3記載の入浴剤。
  5. 【請求項5】 固形粒状の糖類中に高圧力気体を封入し
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の入
    浴剤。
JP31720391A 1990-11-30 1991-11-30 入浴剤 Pending JPH05301815A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34063990 1990-11-30
JP2-340639 1990-11-30

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JP (1) JPH05301815A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05331043A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Kao Corp 浴用剤組成物
JPH08291057A (ja) * 1995-02-22 1996-11-05 Yuutoku Yakuhin Kogyo Kk パップ剤
JP2015044781A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 花王株式会社 皮膚外用剤

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