JPH05301562A - 車両用ワイパ - Google Patents

車両用ワイパ

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JPH05301562A
JPH05301562A JP4109862A JP10986292A JPH05301562A JP H05301562 A JPH05301562 A JP H05301562A JP 4109862 A JP4109862 A JP 4109862A JP 10986292 A JP10986292 A JP 10986292A JP H05301562 A JPH05301562 A JP H05301562A
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JP
Japan
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wiping
wiper
blade
windshield glass
glass surface
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Pending
Application number
JP4109862A
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English (en)
Inventor
Wataru Sakamoto
渉 坂本
Toru Sekiguchi
徹 関口
Hiroshi Aoki
弘 青木
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05301562A publication Critical patent/JPH05301562A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ウインドシールドガラス等の被払拭面の湾曲状
態や車両の走行速度に拘わらず、払拭性能が大幅に向上
すると共に反転音も低減する車両用ワイパを得る。 【構成】ワイパ10では、流体潤滑理論を適用し、払拭
後の水膜厚さh、ブレードラバー24の長手方向各部位
における払拭速度U、接触圧W、接触幅B、接触角θと
すると、h(所望の一定値)∝√(U・B2 /W)、θ
=一定値 の関係が成り立つように、接触角θを均一に
保持しつつ、払拭速度Uに応じて接触圧W、接触幅Bを
設定している。したがって、払拭した後には被払拭面に
均一な薄い水膜を形成することができ、大幅な払拭性能
の向上を図ることができると共に反転音も低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のウインドシール
ドガラス等を払拭する車両用ワイパに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のウインドシールドガラス等を払
拭する車両用ワイパは、ブレードラバーがウインドシー
ルドガラス面に密着して確実に払拭できるように、ブレ
ードラバーを保持するワイパアームに引張スプリング等
を連結して所定のアーム圧(ウインドシールドガラス面
に対する接触圧)を付与している。
【0003】ところで、ワイパは当然のことながらブレ
ードラバーがウインドシールドガラス面に密着していな
ければ払拭することができない。このため、従来のワイ
パでは、ワイパブレードを保持して所定の剛性を付与す
るバッキングの形状等を工夫したり複数のレバー類の連
結構造を工夫することによって、湾曲したウインドシー
ルドガラス面にワイパブレードが均一なアーム圧(圧力
分布)で密着するようにしている。換言すれば、従来で
は、ブレードラバーのウインドシールドガラス面に対す
る接触圧は等分布になることが望ましいとされており、
これにより、払拭性能の向上を図っている(一例とし
て、特開昭55−132346号公報、特開昭61−1
46658号公報等)。
【0004】一方、車両の高速化が進むとワイパブレー
ドの浮き上がり現象が発生するため、ワイパブレードの
特に中央部分のアーム圧を更に大きく設定してワイパブ
レードをウインドシールドガラスに確実に密着させ、浮
き上がりを防止した対策も採られている(一例として、
特開昭55−123546号公報、特開昭57−552
44号公報等)。
【0005】しかしながら、現実的には、前述の如き払
拭性能向上のための従来の対策を講じても、依然として
拭き残し部分が存在する場合が多い等、満足する払拭性
能を得るには不充分であった。
【0006】一方、払拭性能を向上できる車両用ワイパ
装置として、実開昭63−98266号公報に示される
装置がある。このワイパ装置では、ブレードリップ部分
の長さ寸法をワイパブレード長手方向に沿って異ならせ
ることによって、このブレードリップ部分の剛性を長手
方向に沿って(先端部と後端部とで順次)変化させ、こ
れにより、ウインドシールドガラス面に対する接触圧
を、ワイパブレードの先端部では高くし後端部では低く
した構成としている。これにより、払拭性能の向上を図
っている。
【0007】しかしながら、前記公報に開示されたワイ
パ装置では、前述の構成とすることにより、ワイパブレ
ードによる払拭面で均一な水膜厚さが得られ部分的な払
拭性能自体はある程度向上するが、反面、ワイパの反転
音やこの反転部分の払拭性能は向上しない欠点がある。
【0008】すなわち、前述のワイパ装置では、ブレー
ドリップ部分が長手方向に沿って剛性が異なった構成で
あるため、必然的にこのブレードリップ部分の撓み量が
変化してウインドシールドガラス面に対する接触角が長
手方向に沿って異なる。換言すれば、このブレードリッ
プ部分のウインドシールドガラス面に対する接触角が、
ワイパブレードの先端部では小さく後端部では大きい。
したがって、ワイパブレードが反転する際に、このワイ
パブレードの後端部においてブレードリップ部分に大き
な捩じれを生じ、これに起因して大きな反転音が発生
し、さらにこの付近では結果的にウインドシールドガラ
ス面に対する接触圧が期待する値にならなくなって当初
の期待する払拭性能を得られない。
【0009】このように、従来のワイパ装置では、何れ
の場合も満足する払拭性能を得るには不充分であり、こ
のための更なる対策が切望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、ウインドシールドガラス等の被払拭面の湾曲状態
や車両の走行速度に拘わらず、払拭性能が大幅に向上す
ると共に反転音も低減する車両用ワイパを得ることが目
的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用ワイ
パは、ワイパブレードの長手方向の各部位における被払
拭面に対する接触角を均一に保持しつつ、前記ワイパブ
レードの長手方向の各部位における被払拭面に対する接
触圧及び被払拭面との接触幅のうち少なくとも一方を、
前記長手方向の各部位における被払拭面の払拭速度に応
じて設定し、払拭後の水膜厚さを一定にしたことを特徴
としている。
【0012】
【作用】上記構成の車両用ワイパでは、ワイパブレード
の長手方向の各部位における被払拭面に対する接触角が
均一に保持されつつ、ワイパブレードの長手方向の各部
位における被払拭面に対する接触圧及び被払拭面との接
触幅のうち少なくとも一方が、被払拭面の払拭速度に応
じて設定される。
【0013】ここで、軸周りに往復移動して被払拭面を
払拭する車両用ワイパでは、ワイパブレードの先端部分
と後端部分とでは当然ながら払拭速度(被払拭面に対す
る相対移動速度)が異なる。
【0014】この場合、払拭速度が遅いと(所謂、混合
潤滑領域における払拭では)ワイパブレードと被払拭面
との固体接触が大部分となって摩擦係数が大きくなり、
払拭後の水膜が薄くなり、一方、払拭速度が速いと(所
謂、流体潤滑領域における払拭では)ワイパブレードと
被払拭面との固体接触が少なくなって摩擦係数が小さく
なり、払拭後の水膜が厚くなる。
【0015】また、被払拭面との接触幅の大小も、払拭
後の水膜の厚さに密接に関係している。
【0016】ここで、ワイパブレード(ブレードラバ
ー)が被払拭面を払拭するということは、被払拭面上に
均一な極めて薄い水膜を形成することであり、完全に水
を除去することではない。したがって、従来のワイパの
如く、単にワイパブレードが均一なアーム圧(圧力分
布)で密着するようにした構成では、被払拭面上に均一
な極めて薄い水膜を形成することはできず、大幅な払拭
性能の向上を図ることはできない。
【0017】そこで、本出願人は、本発明において、こ
のようなワイパの作動時における払拭状態を流体潤滑理
論を適用して解析した。すなわち、通常のワイパの作動
速度は、前記流体潤滑領域とされるため、このようなワ
イパの作動時における払拭状態を流体潤滑理論を適用し
て解析すると、ワイパブレード(ブレードラバー)が被
払拭面を払拭した後の水膜の厚さは、ワイパブレードの
被払拭面に対する接触圧、被払拭面との接触幅、及び、
被払拭面の払拭速度の各要因によって決定される。
【0018】そこで、本発明に係る車両用ワイパでは、
前記構成、すなわち、ワイパブレードの長手方向の各部
位における被払拭面に対する接触角を均一に保持しつ
つ、ワイパブレードの長手方向の各部位における被払拭
面に対する接触圧及び被払拭面との接触幅の二つの要因
のうち少なくとも一方を、ワイパブレードの寸法や形状
によって一義的に決定されるワイパブレードの長手方向
の各部位における被払拭面の払拭速度に応じて設定して
いる。
【0019】したがって、被払拭面の湾曲状態や車両の
走行速度に拘わらず、払拭後の水膜の厚さを一定にする
ことができる。このため、被払拭面上には極めて薄い均
一な水膜が形成されることになり、大幅な払拭性能の向
上を図ることができる。さらにこの場合、ワイパブレー
ドの長手方向の各部位における被払拭面に対する接触角
は均一に保持されるため、ワイパブレードが反転する際
に不均一な捩じれを生じることがなく、反転音が大幅に
低減される。
【0020】
【実施例】図1には本発明に係る車両用ワイパ10の正
面図が示されており、図2には図1の2−2線に沿った
ワイパ10の断面図が示されている。
【0021】ワイパ10では、車体のピボツト軸に固定
されるアームヘツド(図示省略)にリテーナ12が連結
されており、さらにこのリテーナ12の先端部には、後
述するワイパブレード20を保持するアームピース14
が接続されている。アームピース14には図示しないス
プリングが連結されており、ワイパブレード20に被払
拭面としてのウインドシールドガラス(図示省略)への
所定の押え付け力を付与するようになっている。
【0022】一方、ワイパ10のワイパブレード20
は、ウインドシールドガラス面に接触して払拭するブレ
ードラバー24と、このブレードラバー24を保持する
複数の保持レバーとによって構成されている。
【0023】このワイパブレード20では、複数の保持
レバーのうちプライマリレバー26が、アームピース1
4の先端のクリップ18にリベツト28によって回転可
能に支持されている。ここで、プライマリレバー26の
支持位置は、その長手方向中央部よりも若干ワイパブレ
ード先端側へずれた位置となっており、したがって、プ
ライマリレバー26の両端部に付加される押え付け力が
異なる構成である。
【0024】プライマリレバー26の両端部には、断面
コ字状の連結部26A、26Bが形成されており、さら
にリベツト30によってセカンダリレバー32、34が
それぞれ回転可能に支持されている。このプライマリレ
バー26に連結されたセカンダリレバー32、34の支
持位置も、前記プライマリレバー26の支持位置と同様
に、その長手方向中央部よりも若干ワイパブレード先端
側へずれた位置となっており、したがって、セカンダリ
レバー32、34のそれぞれ両端部に付加される押え付
け力が異なる構成である。
【0025】プライマリレバー26に連結されたセカン
ダリレバー32、34のそれぞれ両端部には、断面コ字
状の連結部32A、32B、連結部34A、34Bが形
成されており、さらにリベツト38によってヨークレバ
ー40、42、ヨークレバー44、46がそれぞれ回転
可能に支持されている。これらのヨークレバー40、4
2、ヨークレバー44、46の支持位置も、前記プライ
マリレバー26やセカンダリレバー32、34の支持位
置と同様に、その長手方向中央部よりも若干ワイパブレ
ード先端側へずれた位置となっており、したがって、ヨ
ークレバー40、42、ヨークレバー44、46のそれ
ぞれ両端部に付加される押え付け力が異なる構成であ
る。
【0026】各ヨークレバー40、42、ヨークレバー
44、46のそれぞれ先端部は、ブレードラバー24に
対応しており、断面コ字状の保持部40A、40B、保
持部42A、42B、保持部44A、44B、及び保持
部46A、46Bがそれぞれ形成されている。これらの
保持部40A、40B、保持部42A、42B、保持部
44A、44B、及び保持部46A、46Bがブレード
ラバー24をバツキング36と共に挟み付けるようにし
て保持している。すなわち、ワイパブレード20は、プ
ライマリレバー26、セカンダリレバー32、34及び
ヨークレバー40、42、ヨークレバー44、46によ
って所謂トーナメント式のブレードラバー保持構造とな
っている。
【0027】ここで、前述した各レバーの連結支持位置
は、ワイパブレード先端側へそれぞれ若干ずれた位置と
なっており、各ヨークレバー40、42、ヨークレバー
44、46のそれぞれの保持部はワイパブレード先端側
へ向けて順次その間隔が狭くなっている。これによっ
て、ブレードラバー24(ブレードリップ部24A)の
ウインドシールドガラス面に対する接触圧を、ワイパブ
レード先端側へ向けて順次大きくなるように設定してい
る。
【0028】すなわち、 U:ブレードラバー24(ブレードリップ部24A)の
長手方向の各部位におけるウインドシールドガラス面の
払拭速度(相対移動速度) W:ブレードラバー24(ブレードリップ部24A)の
長手方向の各部位におけるウインドシールドガラス面に
対する接触圧 B:ブレードラバー24(ブレードリップ部24A)の
長手方向の各部位におけるウインドシールドガラス面と
の接触幅 h:払拭後の水膜の厚さ θ:ブレードラバー24(ブレードリップ部24A)の
長手方向の各部位におけるウインドシールドガラス面に
対する接触角 とすると、 h(所望の一定値)∝√(U/W) θ=一定値 なる関係式が成り立つように前述した各レバーの連結支
持位置を設定し、これにより、図3に示す如く、ブレー
ドラバー24の長手方向の各部位におけるウインドシー
ルドガラス面に対する接触圧Wをワイパブレード先端側
へ向けて順次大きくなるように設定しており、またさら
に、前述の如くトーナメント式の保持構造とされたブレ
ードラバー24は、そのブレードリップ部24Aの長手
方向の各部位におけるウインドシールドガラス面に対す
る接触角θが、均一な状態となるように設定されてい
る。
【0029】次に本実施例の作用を説明する。上記構成
のワイパ10では、ワイパブレード20の長手方向の各
部位におけるウインドシールドガラス面に対する接触圧
Wが、ウインドシールドガラス面の払拭速度Uに応じて
設定される。なお、ブレードラバー24の長手方向の各
部位におけるウインドシールドガラス面との接触幅Bは
極めて微小であるため、本実施例においては取敢えず一
定としている。
【0030】ここで、ピボット軸周りに往復移動して被
払拭面を払拭する車両用ワイパ10では、ワイパブレー
ド20(ブレードラバー24)の先端部分と後端部分と
では当然ながら払拭速度U(ウインドシールドガラス面
に対する相対移動速度)が異なる。
【0031】この場合、ワイパブレード20の払拭速度
が遅いと(所謂、混合潤滑領域における払拭では)ブレ
ードラバー24とウインドシールドガラス面との固体接
触が大部分となって摩擦係数が大きくなり、払拭後の水
膜が薄くなり、一方、払拭速度が速いと(所謂、流体潤
滑領域における払拭では)ブレードラバー24とウイン
ドシールドガラス面との固体接触が少なくなって摩擦係
数が小さくなり、払拭後の水膜が厚くなる。
【0032】ここで、ワイパブレード20(ブレードラ
バー24)がウインドシールドガラス面を払拭するとい
うことは、このウインドシールドガラス面上に均一な極
めて薄い水膜を形成することであり、完全に水を除去す
ることではない。したがって、従来のワイパの如く、単
にワイパブレードが均一なアーム圧(圧力分布)で密着
するようにした構成では、ウインドシールドガラス面上
に均一な極めて薄い水膜を形成することはできず、大幅
な払拭性能の向上を図ることはできない。
【0033】そこで、本出願人は、このようなワイパの
作動時における払拭状態を流体潤滑理論を適用して解析
した。すなわち、通常のワイパ(ワイパブレード)の作
動速度は、前記流体潤滑領域とされるため、車両用ワイ
パ10の作動時における払拭状態を流体潤滑理論を適用
して解析すると、ワイパブレード20(ブレードラバー
24)がウインドシールドガラス面を払拭した後の水膜
の厚さhは、ワイパブレード20のウインドシールドガ
ラス面に対する接触圧W、ウインドシールドガラス面と
の接触幅B、及び、ウインドシールドガラス面の払拭速
度Uの各要因によって決定される。
【0034】すなわち、 h∝√(U・B2 /W) なる関係式が成り立つ。
【0035】そこで、本発明に係る車両用ワイパ10で
は、前記構成、すなわち、ワイパブレード20の長手方
向の各部位におけるウインドシールドガラス面に対する
接触圧W、及びウインドシールドガラス面との接触幅B
の二つの要因のうち、極めて微小とされるウインドシー
ルドガラス面との接触幅Bは一定として捉え、ウインド
シールドガラス面に対する接触圧Wを、リテーナ12や
アームピース14あるいはワイパブレード20の寸法等
によって一義的に決定されるウインドシールドガラス面
の払拭速度Uに応じて設定し、 h(所望の一定値)∝√(U/W) なる関係式が成り立つようにしている(図3参照)。
【0036】したがって、ウインドシールドガラス面の
湾曲状態や車両の走行速度に拘わらず、払拭した後の水
膜の厚さhを一定にすることができる。このため、ウイ
ンドシールドガラス面上には極めて薄い均一な水膜が形
成されることになり、大幅な払拭性能の向上を図ること
ができる。
【0037】またさらに、車両用ワイパ10では、ブレ
ードリップ部24Aの長手方向の各部位におけるウイン
ドシールドガラス面に対する接触角θが、均一な状態と
なるように設定されているため、ワイパブレード20が
反転する際にこのブレードリップ部24Aの長手方向の
各部位において不均一な捩じれを生じることがなく、し
たがってワイパブレード20の反転音が大幅に低減され
る。
【0038】なお、前記実施例におけるワイパ10で
は、所謂トーナメント式のブレードラバー保持構造と
し、各レバーの連結支持位置をワイパブレード先端側へ
若干ずれた位置とし、これによって、ブレードラバー2
4のウインドシールドガラス面に対する接触圧Wをワイ
パブレード先端側へ向けて順次大きくなるように設定し
た構成としたが、これはウインドシールドガラス面が単
純な平面の場合に限らずウインドシールドガラス面が大
きく湾曲している場合であっても、当然に適用すること
ができる。すなわち、ウインドシールドガラス面が大き
く湾曲している場合であっても、前記 h(所望の一定
値)∝√(U/W) の関係式が成り立つように、ウイ
ンドシールドガラス面の湾曲度合に対応して各レバーの
連結支持位置等を変更することにより接触圧Wを設定す
ると共に、 θ=一定値 の関係式が成り立つようにブ
レードリップ部24Aを設ければよい。
【0039】この場合にも、払拭した後の水膜の厚さh
を一定にすることができ、このため、ウインドシールド
ガラス面上には極めて薄い均一な水膜が形成されること
になり、大幅な払拭性能の向上を図ることができ、さら
に、ワイパブレード20が反転する際の反転音が大幅に
低減される。
【0040】さらに、車両の高速化に伴うワイパブレー
ド20の浮き上がり現象の発生を防止する際には、ワイ
パブレード20の特に中央部分(ヨークレバー42の保
持部42A、42B、及びヨークレバー44の保持部4
4A、44Bの付近)の接触圧Wを、所望により更に大
きく設定することにより、浮き上がりを容易に防止する
こともできる。
【0041】また、前記実施例におけるワイパ10で
は、トーナメント式とされた各レバーの連結支持位置を
ワイパブレード先端側へ若干ずれた位置とし、ブレード
ラバー24のウインドシールドガラス面に対する接触圧
Wをワイパブレード先端側へ向けて順次大きくなるよう
に設定した構成としたため、ブレードラバー24とウイ
ンドシールドガラス面との摩擦力に起因する払拭移動の
際の荷重中心が、ワイパブレード20の長手方向中央部
からずれた位置となるが(ワイパブレード20の長手方
向中央部からずれた位置に払拭移動の際の荷重が作用す
るが)、この位置は、前述のプライマリレバー26の支
持位置、すなわちアームピース14のクリップ18によ
る支持位置と一致するため、ワイパブレード20に回転
モーメントが生じることがなく、ワイパブレード20が
不要に振動することがない。
【0042】なお、前記実施例におけるワイパ10で
は、ワイパブレード20の長手方向の各部位におけるウ
インドシールドガラス面の払拭速度Uに応じて、ウイン
ドシールドガラス面に対する接触圧Wを設定し、 h
(所望の一定値)∝√(U/W)なる関係式が成り立つ
ようにするために、車両用ワイパ10をトーナメント式
のブレードラバー保持構造とし、各レバーの連結支持位
置をワイパブレード先端側へ若干ずれた位置とし、これ
によって、ブレードラバー24のウインドシールドガラ
ス面に対する接触圧Wをワイパブレード先端側へ向けて
順次大きくなるように設定した構成としたが、各レバー
の連結支持位置をずらすことに限らず、他の手段によっ
て接触圧Wをワイパブレード先端側へ向けて順次大きく
なるように設定した構成としてもよい。
【0043】例えば、図4に示すワイパ50の如く、ワ
イパブレード52のブレードラバー54を複数のスプリ
ング56によって保持すると共に、このスプリング56
の配置間隔をワイパブレード先端側へ向けて順次狭くす
ることにより、接触圧Wをワイパブレード先端側へ向け
て順次大きくなるように設定した構成としてもよい。ま
た、このスプリング56自体の弾性力を異ならせて接触
圧Wを順次大きくなるように設定した構成としてもよ
い。さらに、ブレードラバー24、54に所定の剛性
(弾性)を付与するバツキング36のバネ力を調節する
ことにより、接触圧Wをワイパブレード先端側へ向けて
順次大きくなるように設定した構成としてもよい。ある
いは、ブレードラバー24、54自体のゴム弾性を変化
させて接触圧Wをワイパブレード先端側へ向けて順次大
きくなるように設定した構成としてもよい。
【0044】これらの場合であっても、ウインドシール
ドガラス面の払拭速度Uに応じてワイパブレード20、
52の長手方向の各部位におけるウインドシールドガラ
ス面に対する接触圧Wを設定することにより、ウインド
シールドガラス面の湾曲状態や車両の走行速度に拘わら
ず、払拭した後の水膜の厚さhを一定にすることがで
き、これにより、ウインドシールドガラス面上には極め
て薄い均一な水膜が形成されることになり、大幅な払拭
性能の向上を図ることができる。さらに、ワイパブレー
ド20、52が反転する際の反転音が大幅に低減され
る。
【0045】なお、前記実施例においては、ブレードラ
バー24のウインドシールドガラス面に対する接触圧W
をワイパブレード先端側へ向けて順次大きくなるように
設定した構成としたが、ブレードラバー24の先端側へ
向けて順次大きくされた接触圧Wに起因するブレードリ
ップ部の変形によって、ウインドシールドガラス面との
接触幅Bや接触角θに影響がでる場合には、図5(A)
乃至図5(C)に示す如く、ブレードリップ部24Aの
厚さを接触圧Wに対応して厚く形成すればよい。この場
合には、払拭した後の水膜の厚さhを一定にしてウイン
ドシールドガラス面上に均一な水膜を形成し大幅な払拭
性能の向上を図ることができるのみならず、ブレードラ
バー24の先端側へ向けて順次大きくされた接触圧Wに
起因するブレードリップ部24Aの変形が補正されて接
触幅Bや接触角θを均一にすることができ、より一層効
果的である。
【0046】さらに、前記実施例においては、ワイパブ
レード20、52の長手方向の各部位におけるウインド
シールドガラス面に対する接触圧W、及びウインドシー
ルドガラス面との接触幅Bの二つの要因のうち、極めて
微小とされるウインドシールドガラス面との接触幅Bは
一定として捉え、ウインドシールドガラス面に対する接
触圧Wを、ウインドシールドガラス面の払拭速度Uに応
じて設定する構成としたが、これに限らず、接触角θ及
び接触圧Wを一定とし(均一な荷重分布とし)ウインド
シールドガラス面との接触幅Bをウインドシールドガラ
ス面の払拭速度Uに応じて設定し、 h(所望の一定
値)∝√(U・B2 ) なる関係式が成り立つようにす
る構成(換言すれば、払拭速度Uに応じて接触幅Bをワ
イパブレード先端側へ向けて順次薄くなるように設定し
た構成)としてもよい。この場合であっても、払拭した
後の水膜の厚さhを一定にしてウインドシールドガラス
面上に均一な水膜を形成し、大幅な払拭性能の向上を図
ることができると共に反転音も大幅に低減される。
【0047】またさらに、ウインドシールドガラス面に
対する接触圧W、及びウインドシールドガラス面との接
触幅Bの二つの要因をそれぞれ個々に設定するに限ら
ず、これら二つの要因を共にウインドシールドガラス面
の払拭速度Uに応じて設定し、h(所望の一定値)∝√
(U・B2 /W) なる関係式が成り立つようにする構
成としてもよい。すなわち、ブレードラバー24、54
のウインドシールドガラス面に対する接触角θを一定に
保持しつつ、接触圧Wをワイパブレード先端側へ向けて
順次大きくなるように設定する共に接触幅Bをワイパブ
レード先端側へ向けて順次薄くなるように設定する構成
であってもよい。この場合にも、払拭した後の水膜の厚
さhを一定にしてウインドシールドガラス面上に均一な
水膜を形成し、大幅な払拭性能の向上を図ることができ
ると共に反転音も大幅に低減される。
【0048】なお、接触幅B及び接触角θは前述の如く
接触圧Wに起因するブレードリップ部24Aの変形によ
って大きく左右されるため、接触幅B及び接触角θの実
質的な値は接触圧Wと密接に関連付けながら設定するこ
とが好ましい。
【0049】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る車両用ワ
イパは、ウインドシールドガラス等の被払拭面の湾曲状
態や車両の走行速度に拘わらず、払拭性能が大幅に向上
すると共に反転音も低減するという優れた効果を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る車両用ワイパの正面図で
ある。
【図2】図1の2−2線に沿ったワイパの断面図であ
る。
【図3】ワイパブレード(ブレードラバー)の長手方向
各部位におけるウインドシールドガラス面に対する接触
圧Wの設定関係を示す線図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る車両用ワイパの正面
図である。
【図5】(A)は他の実施例に係るブレードラバーの正
面図であり、(B)はこのブレードラバーの裏面図であ
り、(C)はこのブレードラバーの断面図である。
【符号の説明】
10 ワイパ 20 ワイパブレード 24 ブレードラバー 24A ブレードリップ部 26 プライマリレバー 32 セカンダリレバー 34 セカンダリレバー 36 バッキング 40 ヨークレバー 42 ヨークレバー 44 ヨークレバー 46 ヨークレバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイパブレードの長手方向の各部位にお
    ける被払拭面に対する接触角を均一に保持しつつ、前記
    ワイパブレードの長手方向の各部位における被払拭面に
    対する接触圧及び被払拭面との接触幅のうち少なくとも
    一方を、前記長手方向の各部位における被払拭面の払拭
    速度に応じて設定し、払拭後の水膜厚さを一定にした車
    両用ワイパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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