JPH0530143U - 加熱炉用スキツドボタン - Google Patents
加熱炉用スキツドボタンInfo
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- JPH0530143U JPH0530143U JP8475991U JP8475991U JPH0530143U JP H0530143 U JPH0530143 U JP H0530143U JP 8475991 U JP8475991 U JP 8475991U JP 8475991 U JP8475991 U JP 8475991U JP H0530143 U JPH0530143 U JP H0530143U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被加熱鋼材のスキツドマークの軽減、炉の熱
経済性の改善等のために、スキツドボタンの高温使用を
可能にする。また、スキツドボタンの取替作業を容易に
する。 【構成】 スキツドボタンを、Cr−Ni−Fe合金
(Cr:70〜80%,Ni:10〜15%,残部F
e)からなる上部ブロツク20と、耐熱合金(従来のス
キツドボタン材料でよい)からなる下部ブロツク30が
ねじ嵌合21・31等で着脱可能に連結された積層体と
する。
経済性の改善等のために、スキツドボタンの高温使用を
可能にする。また、スキツドボタンの取替作業を容易に
する。 【構成】 スキツドボタンを、Cr−Ni−Fe合金
(Cr:70〜80%,Ni:10〜15%,残部F
e)からなる上部ブロツク20と、耐熱合金(従来のス
キツドボタン材料でよい)からなる下部ブロツク30が
ねじ嵌合21・31等で着脱可能に連結された積層体と
する。
Description
【0001】
本考案は、加熱炉内の被加熱鋼材支持部材であるスキツドボタンの改良に関す る。
【0002】
加熱炉内の被加熱鋼材移送手段であるスキツドビームは、スキツドパイプ(炭 素鋼管等)の周面頂部に、管軸方向に一定の間隔をおいてスキツドボタンを取付 けた構造を有している。図3において、Pはスキツドパイプ、10はパイプPに 溶接W1により取付けられているスキツドボタンである。スキツドボタン10は ニツケル・クロム系合金鋼(SCH 12,SCH 22等)に代表される耐熱 合金鋼からなる円柱・円錐台形状ないし角柱・角錐台形状を有するブロツクであ り、その頂面に被加熱鋼材Sが接触載置される。 スキツドパイプP内には冷却水が流送され、その冷却作用によりスキツドボタ ン10に対する炉内高温酸化性雰囲気の熱影響を緩和し、被加熱鋼材の荷重に耐 える強度を保持させると共に、その表面の酸化損傷を防止するようにしている。 また、スキツドボタン10の側周面には、炉内高温酸化雰囲気との接触を遮断す るための不定形耐火物層Rが塗設されるのが通常である。
【0003】
近時は加熱炉操業効率の向上等を目的として、1300℃ないしはそれを越え る高温操業が一般化しつつある。これに伴つてスキツドボタンは、被加熱鋼材の 荷重による圧縮変形や、表面の酸化損傷が加速され、耐用寿命の低下、メンテナ ンス負担の増大等が著しくなつている。 この高温操業下のスキツドボタンの強度低下や酸化損傷は、スキツドパイプ内 の冷却水による強制冷却作用を強化することによつてある程度抑制緩和すること も可能ではあるが、強制冷却を強化することは、それだけ冷却水により炉外に持 出される炉内熱量の損失増大を余儀なくされることであり、また被加熱鋼材の加 熱ムラ(スキツドボタンとの接触面に生じる局所的低温部である所謂スキツドマ ーク)の発生が助長され、その後の鋼材の圧延品質の低下を免れない。
【0004】 その対策として、セラミツクの焼結体ブロツクをスキツドボタンとして使用す る試みもなされている。しかし、セラミツクは脆性材料であるので、被加熱鋼材 の搬送操作過程で繰返し衝撃が加わることによる割れや欠損を生じ易く、未だ実 用化の例は見当らない。 本考案は上記問題点を解決するための改良されたスキツドボタンを提供する。
【0005】
本考案は、頂面を被加熱鋼材支持面としてスキツドパイプに取付けられるスキ ツドボタンにおいて、 頂面側の上部ブロツクと、これを担持してスキツドパイプに固定される下部ブ ロツクとからなり、 上部ブロツクは、Cr 70〜80%,Ni 10〜15%,残部実質的にF eおよび不純分であるCr−Ni−Fe合金からなるブロツクであり、 下部ブロツクは、耐熱合金からなるブロツクであつて、 上部ブロツクと下部ブロツクとは、ねじ嵌合等により着脱可能に連結されてい ることを特徴としている。
【0006】 以下、本考案について詳しく説明する。 本考案のスキツドボタンは、Cr−Ni−Fe合金からなる上部ブロツクと、 耐熱合金からなる下部ブロツクとの積層構造を有している。 図1において、20は上部ブロツク、30は下部ブロツクである。上部ブロツ ク20の頂面は被加熱鋼材が接触載置される載荷面であり、下部ブロツク30は スキツドパイプPにあてがわれ溶接Wにより固定されている。
【0007】 上部ブロツク20を構成するCr−Ni−Fe合金は、Cr:70〜80%, Ni:10〜15%,残部Feおよび不純分からなる。その上部ブロツクは、高 周波溶解等による所定組成のCr−Ni−Fe合金溶湯を鋳型に注入し凝固させ て得られる鋳造体のブロツク、あるいは所定組成のCr−Ni−Fe合金粉末を 焼結原料とし、熱間静水等方圧加圧焼結法等により製造される焼結体のブロツク であつてよい。
【0008】 上部ブロツク20の材種を前記Cr−Ni−Fe合金としたのは、このものが 1300℃を越える高温度の酸化性雰囲気において、被加熱鋼材の高荷重の反復 作用下にも殆んど変形を生じない高い圧縮変形強度と、長期に亘り殆んど酸化損 傷をうけない耐酸化性を有しているからである。 その化学組成について、Cr含有量を70%以上としているのは、約1600 ℃以上の高融点が得られ、1300℃を越えるような高温酸化性雰囲気炉中での 使用において従来の耐熱合金を大きく凌ぐ高温強度、および卓抜した耐酸化性が 確保されるからである。Cr含有量が多い程、上記材料特性が高められるが、反 面鋳造性、焼結性等が悪くなり、鋳造体または焼結体としてのブロツクの合金品 質の確保が困難となることを避けるため、80%を上限としている。 また、Niを10%以上含有しているのは、それによつて合金ブロツクの高温 域におけるラプチヤー強度および耐酸化性がより高いものとなり、また70〜8 0%のCrとの共存下に圧縮変形抵抗性が強化されるからであり、その含有量の 上限を15%としているのは、それをこえると、圧縮変形抵抗性やラプチヤー強 度が却つて低下するためである。 なお、上記Cr−Ni−Fe合金の原料に由来する不純分(代表的にはC,S i等)については、合金の高融点(約1600℃以上)が保持される範囲内で混 在して差支えなく、例えば0.8%以下のCや、1%以下のSiの混在によつて 本考案の趣旨が損なわれることはない。
【0009】 また、上部ブロツク20は、粗粒結晶組織(平均結晶粒径 約50μm以上) を有するものであるのが好ましい。組織が粗粒である程、高温圧縮強度やラプチ ヤー強度がより高いものとなるからである。 上部ブロツク20に粗粒組織をもたせることに困難はなく、鋳造体のブロツク では、その鋳造に砂型鋳型を使用し、比較的緩慢な冷却凝固を行わせるか、また は鋳造合金塊に加熱処理(例えば、1300〜1600℃に5〜20Hr保持) を施すことにより粗粒組織とすることができる。 また焼結体のブロツクの場合は、合金粉末として粗粒粉末(平均粒径 約20 0μm以上)を使用するか、または焼結後、前記と同様の加熱処理を施すことに より粗粒組織をもたせることができる。
【0010】 上記Cr−Ni−Fe合金ブロツク20の高温特性を、従来の代表的なスキツ ドボタン材料である高CoのCr−Ni合金鋼(40Co−27Cr−17Ni −Fe)と比較すると、例えば高温圧縮試験(温度:1350℃,垂直荷重:0 .5kgf/mm2 ,時間:50Hr)における変形速度D%/Hr〔変形量D %=(L0 −L)/L0 ×100(%),L0 :試験前の試片の高さ寸法,L: 試験後の試片の高さ寸法〕は、従来材の約0.5〜0.6%/Hrに対し、約0 .04〜0.07%/Hrと著しく高い圧縮変形抵抗性を有し、また高温酸化試 験(温度:1350℃,時間:100Hr,雰囲気:大気)における酸化減量( g/m2 hr)は、従来材の約70g/m2 hrに対し、約2g/m2 hrと、 卓抜した酸化抵抗性を示す。
【0011】 上部ブロツク20を担持する下部ブロツク30の材種は特別のものではなく、 従来よりスキツドボタン材料として使用されている耐熱合金、例えばSCH12 (0.2〜0.4C−8〜12Ni−18〜23Cr−Fe)、SCH22(0 .35〜0.45C−19〜22Ni−23〜27Cr−Fe)、あるいは0. 07〜0.15C−15〜19Ni−25〜29Cr−38〜42Co−Fe合 金鋼等からなる鋳造体ブロツクを使用すれば十分である。
【0012】 上部ブロツク20と下部ブロツク30とは、ねじ嵌合等の着脱可能な結合形式 により連結される。図1に示した例において、上部ブロツク20は、その下面中 央に下方に突出する雄ねじ21を有し、これに対応して下部ブロツク30に雌ね じ31が形設され、両者はそのねじ嵌合により安定に連結固定されている。 上部ブロツク20と下部ブロツク30に形成される雄ねじと雌ねじは、その凹 凸関係を上下反転してもむろん構わない。
【0013】 上部ブロツク20とこれを担持する下部ブロツク30の重ね合せ面は、水平面 であつても構わないが、図示のように周縁部から中心に向つて斜降する略擂鉢状 の斜面とすることにより、下部ブロツク30に対する上部ブロツク20の着座姿 勢の安定性が増し、上部ブロツク20に水平方向の荷重が作用した場合における 上部ブロツク20の水平方向のずれ・連結部の破損防止等に有効である。重ね合 せ面の傾斜方向を図示のそれとは逆に、中心から周縁部に向つて斜降する略傘状 斜面としても同様である。
【0014】 本考案のスキツドボタンは、所望により図2に示すように、上部ブロツク20 と下部ブロツク30との重ね合せ面に、ブロツク間の熱伝達を抑制するための断 熱材層40が介装される。断熱材層40は、例えばセラミツク繊維フエルト、石 綿フエルト等で形成することができ、その層厚は約2〜5mm程度であつてよい 。
【0015】 上部ブロツク20と下部ブロツク30とからなり、所望によりその重ね合せ面 間に断熱材層40が介装される本考案のスキツドボタンの高さ寸法は、従来のス キツドボタンと同様、概ね100〜200mmであればよい。上部ブロツク20 と下部ブロツク30の高さ方向の肉厚の比は、約3:7〜7:3としてよい。
【0016】 本考案のスキツドボタンは、前記積層構造を有している点を除き、例えばその 外観形態は、従来と同様の円柱ないし円錐台形状、あるいは角柱ないし角錐台形 状であり、また溶接によりスキツドパイプPに固定されて側周面に不定形耐火物 層50が塗設される態様も従来のそれと異ならない。
【0017】
本考案のスキツドボタンは、その頂面側がCr−Ni−Fe合金ブロツク20 で形成されているので、1300℃をこえる高温酸化性雰囲気においても、頂面 側に対して従来のような強い強制冷却を加える必要がなく、使用温度が約135 0℃程度までゞあれば、頂面側に対する強制冷却を省略してもさしつかえない。 下部ブロツク30は、スキツドパイプからの強制冷却作用と、不定形耐火物層 50とにより炉内の高温酸化性雰囲気から保護されるので、従来の耐熱合金から なるブロツクであつても、上部ブロツク20を安定に担持する。 上部ブロツク20と下部ブロツク30との界面に断熱材層40を介装すること により、下部ブロツク30に十分な強制冷却を加えながら、上部ブロツク20を 高温保持することが容易となる。 また、上部ブロツク20と下部ブロツク30との積層構造を有しているので、 スキツドボタンの取替えに際しては、上部ブロツク20だけを取替えればよい。
【0018】
本考案のスキツドボタンは、高温酸化性雰囲気炉中において従来のスキツドボ タンを凌ぐ安定な使用が可能であり、そのボタン頂部側に対する強制冷却を抑制 緩和することができるので、被加熱鋼材のスキツドマークが軽減し、より均一な 加熱を達成することができ、被加熱鋼材の品質が高められる。また、強制冷却緩 和効果として、冷却水により炉外に持ち出される熱損失量が減少し、熱経済性の 改善等の効果が得られる。 更に、本考案のスキツドボタンは、上部ブロツクと下部ブロツクの着脱可能な 積層構造を有しているので、スキツドボタンの取替は、上部ブロツクのみの取替 えで済み、材料の無駄が少く経済的であり、かつ取替作業も容易である。
【図1】本考案の実施例を示す縦断面図である。
【図2】本考案の実施例を示す縦断面図である。
【図3】従来のスキツドボタンを示す縦断面図である。
20:上部ブロツク,21:雄ねじ,30:下部ブロツ
ク,31:雌ねじ,40:断熱材層,50:不定形耐火
物層,P:スキツドパイプ。
ク,31:雌ねじ,40:断熱材層,50:不定形耐火
物層,P:スキツドパイプ。
Claims (2)
- 【請求項1】 頂面を被加熱鋼材支持面としてスキツド
パイプに取付けられるスキツドボタンにおいて、 頂面側の上部ブロツクと、これを担持してスキツドパイ
プに固定される下部ブロツクとからなり、 上部ブロツクは、Cr 70〜80%,Ni 10〜1
5%,残部Feおよび不純分であるCr−Ni−Fe合
金からなるブロツクであり、 下部ブロツクは、耐熱合金からなるブロツクであつて、 上部ブロツクと下部ブロツクとは、ねじ嵌合等により着
脱可能に連結されていることを特徴とする加熱炉用スキ
ツドボタン。 - 【請求項2】 上部ブロツクと、下部ブロツクとの重ね
合せ面間に断熱材層が介装されていることを特徴とする
請求項1に記載の加熱炉用スキツドボタン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991084759U JP2571640Y2 (ja) | 1991-09-20 | 1991-09-20 | 加熱炉用スキツドボタン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991084759U JP2571640Y2 (ja) | 1991-09-20 | 1991-09-20 | 加熱炉用スキツドボタン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0530143U true JPH0530143U (ja) | 1993-04-20 |
JP2571640Y2 JP2571640Y2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=13839615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991084759U Expired - Lifetime JP2571640Y2 (ja) | 1991-09-20 | 1991-09-20 | 加熱炉用スキツドボタン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2571640Y2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03162545A (ja) * | 1989-11-17 | 1991-07-12 | Kubota Corp | 加熱炉内の被加熱鋼材支持部材用耐熱合金 |
JP3022050U (ja) * | 1995-08-25 | 1996-03-12 | 杉戸株式会社 | 兜の鍬形 |
-
1991
- 1991-09-20 JP JP1991084759U patent/JP2571640Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03162545A (ja) * | 1989-11-17 | 1991-07-12 | Kubota Corp | 加熱炉内の被加熱鋼材支持部材用耐熱合金 |
JP3022050U (ja) * | 1995-08-25 | 1996-03-12 | 杉戸株式会社 | 兜の鍬形 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2571640Y2 (ja) | 1998-05-18 |
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