JPH0529749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はパチンコ機の裏側においてパチンコ球
に滞電した静電気を処理するように構成した静電
気処理装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のパチンコ機においては、パチンコ球に滞
電した静電気を処理する装置はなかつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

パチンコ機の裏側に設けた賞球貯留タンクへ賞
球補給装置より賞球が送られてくるが、賞球が送
られてくる途中において、合成樹脂の部品等に接
触したりして静電気が発生し賞球に滞電される。
多数の賞球が集まると静電気の圧力も大きくな
り、それがパチンコ機の裏側に設けた電気制御装
置や電気導線などに流れると、故障や誤動作を生
じるという問題点があつた。またパチンコ機の前
面へ排出された賞球の静電気によつて人体にシヨ
ツクを与えるなどの問題点もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の従来における問題点を解決する
ためにパチンコ機の裏側において、パチンコ球に
滞電している静電気をパチンコ機の表側の金枠に
伝導すべく、パチンコ機裏側の球が流動する部分
に導電部材を設け、一対のヒンジ部材を介して金
枠に伝導するように構成した静電気処理装置を提
供するものである。

〔実施例〕

図面に基づいて本考案の一実施例について説明
する。パチンコ機の木製の機枠１の前面には、同
じく木製の前枠２が一側を蝶着されて開閉可能に
設けられており、該前枠２の内側には、ほぼＬ型
断面を有する金属製の金枠３が嵌着され、前枠２
の前面に止めねじ７によつて固着されている。該
金枠３の内側の上部には金属製のガラス扉枠４が
一側を蝶着されて開閉可能に設けられており、さ
らにその下方には金属製の前板５が同じく開閉可
能に設けられている。

第３図に示すように機枠１の内側において前枠
２の裏面には、合成樹脂によつて形成された遊技
盤保持用の枠体６が、前記の金枠３固定用の複数
本の止めねじ７により前枠２を挟んで固着されて
おり、また該枠体６の裏面には、同じく合成樹脂
によるカバー体８が該枠体６に接して設けられ、
該カバー体８に固着された金属製の下ヒンジ部材
９と枠体６に固着された金属製の上ヒンジ部材１
０とがピン９Ａにより連結されて回動可能に設け
られている。また該上ヒンジ部材１０の上部に嵌
挿された止めねじ１１は、枠体６のボス部１２の
孔１３内に螺合されており、また前記金枠３を前
枠２に取り付けるための最上部の止めねじ７も該
ボス部１２の同一孔１３内に螺合されており、該
孔１３内に挿入された導電性を有する合成樹脂に
より形成された導電ピン１４は、前記止めねじ１
１と止めねじ７との先端部により挟まれて押圧さ
れている。

第１図および第２図に示すようにカバー体８裏
面の上部には賞球用の貯留タンク１５が設けら
れ、その直下には傾斜状の球通路を設けた球樋１
６が設けられ、該貯留タンク１５より球樋１６に
流下した賞球Ｐは、球樋１６上を図の右方へ流下
して賞球ケース（図示しない）へ至るようになつ
ている。また球樋１６の表側（カバー体８側）に
は、導電性を有する金属の薄板によつて形成され
た導電板１７が取り付けられており、該導電板１
７に一端を固着した導電線１８の他端が前記下ヒ
ンジ部材９に連結されている。またカバー体８の
上部の隅角部の近傍にはパチンコ機へ電源を連結
するためのコンセント１９が設けられている。

〔作用〕

本例のパチンコ機においては、パチンコ機上方
の賞球補給装置より送られてくる賞球は、貯留タ
ンク１５内に入り該タンク１５より下方の球樋１
６の端部（第１図における左端部）に流下する。
流下した賞球Ｐは、第４図に示すように球樋１６
の２本の球通路内へ別れて入り、さらにその球の
上にも流下し、賞球Ｐは互に接触し合つて各賞球
Ｐに滞電している静電気は一つにまとめられる。

しかし球樋１６の表側（カバー体８側）の賞球
が導電板１７に接触すると、賞球の静電気は導電
板１７より導電線１８を経て下ヒンジ部材９に流
れ、さらに上ヒンジ部材１０に流れ、さらにまた
上ヒンジ部材１０の止めねじ１１より導電ピン１
４を経て金枠３上部の止めねじ７に流れ金枠３に
導かれる。金枠３に導かれた静電気はガラス扉枠
４及び前板５にも流れて広い範囲に拡散される。
拡散された静電気は微少な電圧となり人の接触な
どによつて消滅する。なおこの場合において人体
にはシヨツクは感じない。このようにして補給源
から送られてくる賞球Ｐの静電気は消滅し、パチ
ンコ機の電気制御装置や電気導線に流れることが
なく、故障や誤動作を生ずることがない。またカ
バー体８を枠体６より取り外す場合は、上下ヒン
ジ部の結合を解いて取り外すので静電気の導線な
どを切り離す必要がない。

なお導電ピン１４は本例のものに限定するもの
ではなく、導電性を有する金属線材をコイル状に
巻いたスプリング状のものや、または柔軟性を有
する金属棒などとしてもよい。また導電板１７は
賞球の貯留タンク１５内に設けてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は賞球補給装置から送られてくる賞球に
滞電している静電気を、パチンコ機の裏側に入つ
た直後に誘導して機前の金枠に流して消滅するよ
うにしたので、裏側に設けた電気制御装置や電線
等に流れることがなく故障や誤動作を生ずること
がない。またパチンコ機の前面には静電気を除去
された賞球が排出されるので、人体が静電気のシ
ヨツクを受けることがない。

また静電気の伝導部材としてカバー体と枠体と
を結合してある一対のヒンジ部材を利用してある
ので、カバー体を取り外したり、取り付けたりす
る際に、静電気用の導線を切り離したり結合した
りする必要がなく、そのままの状態で行うことが
できるので便利である。さらにまたヒンジ部材の
止めねじと金枠の止めねじとの間に、導電性を有
する合成樹脂により形成された導電ピンを介在さ
せたので、前記両止めねじを締着すると該導電ピ
ンが両側から圧縮されて両止めピンに密着し、導
電性が良好となるとともに両止めねじの締着効果
を妨げない利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はパチ
ンコ機裏側の上部を示す一部省略背面図、第２図
はパチンコ機のカバー体上部を裏側より見た一部
破断正面図、第３図はパチンコ機上部の一部破断
側面図、第４図は球樋の拡大断面図、第５図は導
電ピンの側面図、第６図はパチンコ機の正面図、
第７図はパチンコ機の側面図である。 １……機枠、２……前枠、３……金枠、４……
ガラス扉枠、５……前板、６……枠体、７……止
めねじ、８……カバー体、９……下ヒンジ部材、
１０……上ヒンジ部材、１１……止めねじ、１４
……導電ピン、１６……球樋、１７……導電板、
１８……導電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パチンコ機の裏側において、パチンコ球に滞電
   している静電気をパチンコ機の表側の金枠に伝導
   すべく、パチンコ機裏側の球が流動する部分に導
   電部材を設け、一対のヒンジ部材を介して金枠３
   に伝導するように構成するとともに、ヒンジ部材
   の止めねじ１１と金枠の止めねじ７との間に、導
   電性を有する合成樹脂により形成された導電ピン
   １４を介在させ、上ヒンジ部材１０と金枠３とが
   通電可能となるように構成したことを特徴とする
   パチンコ機における静電気処理装置。