JPH05297317A - 双眼式視覚装置 - Google Patents

双眼式視覚装置

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Publication number
JPH05297317A
JPH05297317A JP10302392A JP10302392A JPH05297317A JP H05297317 A JPH05297317 A JP H05297317A JP 10302392 A JP10302392 A JP 10302392A JP 10302392 A JP10302392 A JP 10302392A JP H05297317 A JPH05297317 A JP H05297317A
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JP
Japan
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image
optical system
observed
concave
mirrors
Prior art date
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Withdrawn
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JP10302392A
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English (en)
Inventor
Yoichi Iba
陽一 井場
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05297317A publication Critical patent/JPH05297317A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型で不要な立体感を生じないようにすること
である。 【構成】観察者の左右の眼球直前に、軸上主光線に対し
て偏心した凹面反射ミラー22,23を位置させ、その
前側焦点位置近傍に、背面に光源20,21を置いた二
次元像表示素子18,19を配置する。各凹面反射ミラ
ー22,23は、夫々視野の中心を通過する軸上主光線
を含む複数の主光線が張る鉛直面に対して、その反射面
が対称になるように形成して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接眼光学系を通して両
眼で拡大像を観察できる視覚装置に関するものであっ
て、特に頭部に装着して個人的にテレビジョン等の映像
を拡大観察するための視覚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、臨場感を高めるために大画面のデ
ィスプレイが求められており、その一方で携帯性の良い
ディスプレイ或いは個人で使用するのに適した大きさの
ディスプレイが求められている。前者の場合は大型のデ
ィスプレイが必要となり、後者の場合は小型のディスプ
レイが必要となる。このような相いれない二つの要求を
同時に満たす装置として、小型の二次元像表示素子の像
を、接眼レンズを通して拡大像として両眼で観察できる
ようにした装置がある。そして、このような装置に偏心
光学系を採用することは、装置のコンパクト化を図ると
いう点で大変効果がある。
【0003】偏心光学系を採用した双眼式視覚装置の例
として、特開平3−188777号公報に記載のものが
ある。この装置は、図11に示されたように、ゴーグル
のような外観形状を呈したコンパクトなものであって、
観察者の頭部に装着されるようになっている。そしてこ
の装置の内部において、両眼の死角に位置する二次元像
表示素子1に表示された画像は、平面鏡2で反射され、
更に両眼の前面に拡がる単一の凹面鏡3によって拡大さ
れることで、観察者の観察可能な虚像が形成される。こ
れによって、観察者は仮想的な大画面ディスプレイを観
察することができる。
【0004】ところで、屈折力を有する光学素子は、特
殊な場合を除いて像歪み収差を有している。そのため、
多くの光学系は、複数の光学素子を用いて夫々の像歪み
収差が打ち消し合うように組み合わせ、全体として像歪
みが目立たないようにしてある。共軸光学系は、各光学
素子の発生する像歪み特性がレンズ系の中心軸に対して
軸対称であるため、このような組み合わせを比較的容易
に選択できるが、偏心した光学素子を含む光学系ではこ
れは困難である。偏心光学素子で生じる像歪み特性は、
それ自体軸対称であったとしても、その対称軸は他の偏
心していない光学素子で生じる像歪み特性の対称軸とは
一致しておらず、偏心していない光学素子をいかように
組み合わせても決して補正しきれない。尚、偏心光学素
子による像歪みは偏心方向と同じ方向であって、光軸に
対して非対称な成分を発生する。図11に示す視覚装置
においても、凹面鏡3は屈折力を有する偏心光学素子で
あり、これを用いて作られる虚像には、光軸に対して非
対称な像歪みが発生する。
【0005】次に、図12を用いて、偏心光学系の像歪
み特性について説明する。図12において、観察者の左
眼4,右眼5の前面には球面の凹面鏡6が配設され、両
眼4,5と凹面鏡6との間の両眼の死角位置には二次元
像表示素子7が配置されている。そして、二次元像表示
素子7で映し出される映像は、その光束が凹面鏡6の作
用によって反射されて両眼4,5に夫々入射すること
で、虚像8,9が両眼4,5への進入光路の延長上に拡
大されて遠方に投影される。そして、この光学系の観察
者は、左眼4,右眼5によって夫々二次元像表示素子7
の画像の投影像8,9を明瞭に観察することができるよ
うになっている。
【0006】次に、まず左眼4で観察される像8の像歪
み特性について説明する。二次元像表示素子7の中心点
Aに対し、点Aを挟んで水平方向両側に等間隔に配置さ
れた二点をB点,C点とする。中心点Aと、明るさ絞り
として作用する左眼4の眼球の瞳孔中心とを通過する光
線(軸上主光線)を光軸OA と定義し、この光軸OA
関して凹面鏡6は図示のように紙面と平行な方向で点S
を中心に軸OA ′から回転偏心していると見なすことが
できる。眼球4において、点Aが観測できる方位を基準
として点B,点Cを観測できる方位角をθ1,θ2とお
いた場合、もし本光学系に像歪みが無ければθ1=θ2
となる。しかし、本光学系では像歪みが生じ、θ1>θ
2となる。次に右眼5によって観察される像9の像歪み
について説明すると、点Aを観察できる方位OA ″を基
準として、点B,点Cが観察される方位角をθ1′,θ
2′とおくと、図12に示す視覚装置の光学系全体は二
次元像表示素子7の中心点Aを通過する両眼4,5間の
中央軸11に対して対称であることから、明らかにθ2
=θ1′,θ1=θ2′である。以上の結果により、θ
1>θ1′、θ2<θ2′となることが理解できる。
【0007】このように、左右眼4,5での同一点B,
Cの観察方位に差が生じる場合、両眼4,5からB点,
C点の像を見る視線は夫々点Aの視線よりも短い有限距
離で交わり、その交点位置に点B,Cがあるように見
え、いわゆる視差が生じて立体感が生じる。即ち、本
来、同一平面上に整列して観察されるべき点A,B,C
は、点Aに対して点B,Cが手前側に位置するように見
える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図11に示す視覚装置
も、屈折力を有する凹面鏡3の配置構成は基本的に図1
2に示す偏心光学系と同一であり、凹面鏡3が持つ像歪
み特性が悪影響して好ましくない立体感が生じることに
なる。このように、好ましくない立体感が生じる現象
は、上述した従来技術に固有の現象ではない。一般に偏
心光学系では、特殊な対策を講じない限り、誤った視差
をもたらす像歪みが発生するので、好ましくない立体感
が生じるという問題がある。又、この好ましくない立体
感は、僅かな視差からも感じるので、像歪みを極めて厳
密に補正する必要がある。しかしながら、上述したよう
に、偏心光学系で生じる像歪みは補正が困難であり、そ
の補正のためには例えば偏心光学素子として対称軸を持
たない複雑な面形状の非球面を使用する必要があるが、
このような非球面は製作性が悪く視覚装置のコストを上
昇させる欠点がある。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みて、小型
で、不要な立体感が生じることのない双眼式視覚装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による双眼式視覚
装置は、2次元表示素子と、この2次元表示素子から左
右の観察眼に至る光路中に軸上主光線に対して偏心した
光学素子が含まれ且つ2次元表示素子に表示された情報
の虚像を形成する左右一対の接眼光学系と、を備えた双
眼式視覚装置において、偏心した光学素子は、虚像上に
おいて軸上主光線を含む複数の主光線が張る鉛直面に対
して対称に形成されて、夫々各接眼光学系に配置されて
いることを特徴とするものである。又、偏心光学素子
は、1つの軸の周りに回転対称な形状であることを特徴
とするものである。
【0011】
【作用】鉛直面を境に左右の光線の経路が対称になるか
ら、左右の眼で観察される虚像は、夫々鉛直面に関して
左右対称になり、軸外位置での左右の眼による視差が生
じないから、視野全体が同じ距離の位置に見えるように
なる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の第一実施例を図1乃至図4に
基づいて説明する。図1は観察者の頭部に装着した状態
における本発明の第一実施例による双眼式視覚装置の外
観正面図、図2は図1の双眼式視覚装置の内部の光学系
を示す要部側面図、図3は図2に示す光学系の正面図、
図4は正方眼パターンの観察像を示す図である。図1に
おいて、本実施例による双眼式視覚装置は、装着状態で
観察者の左右眼部分に夫々位置する光学系を収納して保
持する一対の光学系保持部13,14と、両耳部分に位
置する一対の耳パット15,16と、両者を連結する連
結部17とから構成されている。光学系保持部13,1
4に保持される光学系は図2及び図3に示されており、
各眼で観察すべき映像がその表示面に表示される一対の
二次元像表示素子18,19は、この表示素子18,1
9を稼働制御する図示しない二次元像表示素子ドライブ
回路に接続され、この回路には図示しない外部の画像信
号発生装置から画像信号が入力するようになっている。
この二次元像表示素子18,19としては、例えばプラ
ズマディスプレイや液晶ディスプレイ等が適当であり、
図1には液晶ディスプレイが示されている。
【0013】二次元像表示素子18,19の背面には照
明用の白色光源20,21が配置されている。又、観察
者の左右の眼球直前に夫々配置された接眼光学系は、夫
々軸上主光線に対して偏心した凹面反射ミラー22,2
3で構成されており、この凹面反射ミラー22,23で
光路を屈曲させることで、装置のコンパクト化に寄与し
ている。そして、凹面反射ミラー22,23の前側焦点
位置近傍に二次元像表示素子18,19が各々位置して
おり、凹面反射ミラー22,23は、二次元像表示素子
18,19で表示される映像の拡大像を観察者の眼球で
観察し易い位置に虚像として投影するようになってい
る。更に、凹面反射ミラー22,23は光源20,21
の実像を左右の眼球の瞳孔に投影させるようになってお
り、これによって照明光は効率良く眼球に入射させられ
るので、光源20,21の出力が比較的小さくても明る
い像を観察できることになる。
【0014】次に、凹面反射ミラー22,23の構成と
それによる像歪み特性について、図2に示す左眼用接眼
光学系によって説明する。左眼25の瞳孔は開口絞りと
して機能するので、この中心を通る光源20からの光線
が主光線となる。図2には3本の主光線a,b,cが示
されており、その内の一つは左眼25で観察する視野の
中心(軸上像点)を通過する主光線a即ち軸上主光線で
あり、他の二つの光線は、軸上像点に対して鉛直方向に
ずれた位置に置かれた任意の点を夫々通過する軸外主光
線b,cである。このように設定された主光線a,b,
cのうち軸上主光線を含む2本の光線a,b又はa,c
を同時に含む平面即ち鉛直面(図2では、紙面に平行な
面)に関して、凹面反射ミラー22はその反射面が対称
になるように形成されて配置されている。このように配
置された凹面反射ミラー22が投影する像の歪み特性
は、必然的に視野中心を通過する鉛直線に対して対称と
なる。又、右眼用接眼光学系(図2では背後に隠れてい
る)は、図3に示すように、左眼用接眼光学系と左右対
称的に配置されており、そのため、右眼で観察される像
歪み特性は左眼で観察される像歪み特性を左右反転した
ものになる。
【0015】本実施例は上述のように構成されているか
ら、双眼式視覚装置が観察者の頭部に装着された状態
で、一対の二次元像表示素子18,19の表示画像を観
察する場合、外部の画像信号発生装置から送られる画像
信号を二次元像表示素子ドライブ回路で受信して、二次
元像表示素子18,19が稼働される。これにより、二
次元像表示素子18,19に表示された画像は、光源2
0,21からの照明光で透過され、偏心した凹面反射ミ
ラー22,23で反射された後、夫々左右の眼に効率良
く入射させられる。凹面反射ミラー22,23で投影さ
れた二次元像表示素子18,19の像は、瞳孔への入射
光の延長上に虚像として結像され、これを観察すること
ができる。
【0016】ところで、凹面反射ミラー22,23で投
影される像の歪み特性は、凹面反射ミラー22,23の
反射面が夫々軸外主光線aを含む鉛直面に対して対称に
形成されているから、視野中心を通過する鉛直面に対し
て対称になる。例えば、両二次元像表示素子18,19
が正方眼パターンを表示しているとすると、左眼用の凹
面反射ミラー22を介して左眼25で観察される像は、
歪みを誇張して示すと図4に示すような形状になり、正
方眼パターンの鉛直中心線kに対して対称な形状を呈す
ることになる。一方、右眼用の凹面反射ミラー23は左
眼用の凹面反射ミラー22と左右対称に配置されている
から、その像歪み特性は左眼25で観察される像歪み特
性を左右反転したものになる。しかし、左眼25で観察
される像歪み特性は左右対称であるから、左右反転した
としても、像歪み特性は反転前の像歪み特性と変わりは
ない。即ち、左右眼で観察される夫々の像の像歪み特性
は互いに向きも含めて等しい。例えば、正方眼パターン
の画像を右眼で観察しても、やはり図4に示すものと同
一の像が観察される。このように、左右眼で観察される
像の像歪み特性が同じ場合には、視差に狂いは生じない
ので、好ましくない立体感を生じない。
【0017】上述のように本実施例は、左右の像歪みを
揃えるようにしたから、好ましくない立体感を生じない
像を観察することができ、しかもそのための偏心光学系
として、複雑な面形状の非球面を使用する必要もなく、
装置が比較的小型であるという利点も有する。尚、二次
元像表示素子18,19に夫々互いに所定の視差を持つ
映像を表示させることで立体像を表示できるが、この場
合にも、本実施例による視覚装置では視差に狂いが生じ
ないので、観察者に正しい立体感を与えることができ
る。
【0018】次に、本発明の第二実施例を図5乃至図7
により説明する。図5は観察者に装着された状態におけ
る本第二実施例による双眼式視覚装置の外観図、図6及
び図7は双眼式視覚装置の光学系を示すものであって、
図6はその平面図、図7はその正面図である。図5にお
いて、双眼式視覚装置の外観構成は上述の第一実施例と
ほぼ同様であるが、一対の光学系保持部13,14に変
えて単一の光学系保持部27が両眼25,26の前面に
位置するようになっている。
【0019】光学系保持部27内に保持されている図6
及び図7に示す光学系において、両眼25,26の上方
の死角に位置する一対の二次元像表示素子29,30
は、夫々自家発光するプラズマディスプレイから成って
おり、そのため光源によって照明する必要はない。二次
元像表示素子29,30の前方に位置するリレーレンズ
31,32は、夫々表示素子29,30の映像の実像を
開口(明るさ)絞り33,34を挟んで凹面鏡35,3
6の前側焦点位置近傍に投影するようになっている。観
察者の直前に位置する平面鏡37,38は凹面鏡35,
36で屈曲された光束を反射して夫々左眼25及び右眼
26に入射させるようになっている。又、リレーレンズ
31,32及び凹面鏡35,36は軸上主光線に対して
偏心しており、凹面鏡35,36はリレーレンズ31,
32からの投影像を更に拡大して虚像として遠方に投影
するものである。又、偏心凹面鏡35,36は開口絞り
33,34の実像も左右の眼25,26の瞳孔位置に投
影する働きもするようになっている。尚、リレーレンズ
31,32,偏心凹面鏡35,36,平面鏡37,38
は一対の接眼光学系を構成する。
【0020】又、偏心光学系の配置とそれによる像歪み
特性について左眼用接眼光学系により説明する。図7で
示すように、明るさ絞り33,34の中心を通過する3
本の光線の内、一本は左眼25で観察する視野の中心
(軸上像点)を通過する主光線即ち軸上主光線dであ
り、他の二本は、軸上像点に対して鉛直方向に置かれた
任意の2点を夫々通過する軸外主光線e,fである。
尚、図6ではこれら3本の主光線d,e,fは上下方向
に重なって見える。そして、リレーレンズ31と偏心凹
面鏡35の反射面とは、軸外主光線dを含む2本の主光
線d,e又はd,fを同時に含む鉛直面(図6では紙面
に垂直な方向、図7では紙面に平行な方向に表れる)に
対し、対称な形状に配設されている。これについては、
右眼用接眼光学系についても同様である。
【0021】本実施例は上述のように構成されているか
ら、二次元像表示素子29,30が稼働されてその表示
面に夫々映像が表示されると、この映像はリレーレンズ
31,32を介して凹面鏡35,36の前側焦点位置近
傍に投影され、更にこの投影像が凹面鏡35,36で反
射された後、平面鏡37,38を介して左右眼25,2
6に入射される。これにより左右眼25,26で、凹面
鏡35,36によって拡大投影された虚像を明瞭に観察
することができる。しかも、明るさ絞り33,34の実
像も凹面鏡35,36によって左右の眼25,26の瞳
孔位置に投影されるから、明るさ絞り33,34を通過
した光束が効率良く眼球25,26に送り込まれること
になり、全視野に亘って明るい映像を観察できる。尚、
左右接眼光学系を通して観察される二次元像表示素子2
9,30の映像は、各表示素子29,30で表示される
像の方向に対して90°回転した状態で観察される。但
し、各光学系を通過する際に回転する像の回転方向は左
右で反対である。そのため、二次元像表示素子29,3
0には、各光学系で生じる像の回転と逆の回転を行わせ
た状態の映像を表示することで、観察者が正立像を観察
できることになる。
【0022】又、本実施例による光学系によって投影さ
れる像の歪み特性は、第一実施例と同様に必然的に視野
中心を通過する鉛直線に関して対称になる。又、右眼用
接眼光学系は左眼用接眼光学系と左右対称的に配置され
ているので、右眼26で観察される像歪み特性は左眼2
5で観察される像歪み特性と一致する。このように、左
右眼25,26で観察される像の歪み特性が同じ場合に
は、視差に狂いが生じないので、好ましくない立体感も
生じない。
【0023】ところで、上述の実施例で二次元像表示素
子29,30として、プラズマディスプレイに代えて液
晶ディスプレイを配設してもよい。この場合、液晶ディ
スプレイを背面から照明するための照明光学系が必要に
なる。次に、このような照明光学系の一例について、図
8乃至図10により説明する。図8は液晶ディスプレイ
とその照明光学系の正面図、図9は図8の側面図、図1
0は特殊プリズムの斜視図である。図8及び図9におい
て、光源40の前方に射出光束を平行光束にするコリメ
ータレンズ41が配設され、更にその前方にはビームス
プリッターとしての機能を有する特殊プリズム42が配
設されている。この特殊プリズム42は、図10に示す
ように、光束入射面42aが断面鋸歯状を呈する左右方
向に傾斜した複数の微小な長板状の面から構成されてお
り、この面42aから入射する光束はこの各斜面の傾斜
方向に応じて左右方向に屈折する。しかも、各斜面が微
細なために、光束全体としてみると実質上左右方向に分
割されることになる。又、特殊プリズム42で分割され
た各光路方向には、夫々液晶ディスプレイ43,44と
フィールドレンズ45,46が順次配設され、その前方
に更に図6及び図7に示すリレーレンズ31,32が配
設されるようになっている。
【0024】そのため、光源40から発せられた照明光
は、コリメータレンズ41によって平行光束にされ、特
殊プリズム42の入射面42aから入射させられて左右
方向に分割される。分割された各光束は液晶ディスプレ
イ43,44を背面から照明し、その透過光は夫々フィ
ールドレンズ45,46とリレーレンズ31,32との
作用により、明るさ絞り33,34に集光される。即
ち、光源40の像が明るさ絞り33,34の開口部に投
影されるので、光源を発した光は効率よく開口部を通過
するから、明るい像を観察することができる。
【0025】尚、上述した各実施例において、凹面敗者
ミラー22,23や、凹面反射鏡35,36及びリレー
レンズ31,32は1つの軸の周りに回転対称に形成す
るようにしてもよい。この場合、この回転対称の軸は、
上述した軸上主光線等複数の主光線を含む鉛直面上に設
置すればよい。このように偏心光学系を構成すれば、よ
り一層良好な投影像が得られる。又、像歪みの許容量も
上述の従来装置と比較して相当大きく設定することもで
きる。
【0026】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る双眼式視覚
装置は、軸上主光線に対して偏心した光学素子が、軸上
主光線を含む複数の主光線が張る鉛直面に対して対称に
形成されているから、光学系の像歪みが残っていても視
差に狂いが生じることはなく、そのために好ましくない
立体像が生じない像を観察でき、像を観察し易く疲労を
軽減できる。又、装置自体も像歪みを高度に補正する必
要がなくなるので、複雑な非球面を使用する必要もな
く、製造コストを低廉にすることができる。更に、立体
映像を観察する場合でも、その正しい立体感を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である双眼式視覚装置が観
察者に装着された状態を示す外観図である。
【図2】第一実施例による双眼式視覚装置の光学系を示
す要部側面図である。
【図3】図2の光学系の正面図である。
【図4】左眼によって観察できる方眼パターンの像を示
す図である。
【図5】本発明の第二実施例である双眼式視覚装置が観
察者に装着された状態を示す外観図である。
【図6】第二実施例による双眼式視覚装置の光学系を示
す要部平面図である。
【図7】図6の光学系の正面図である。
【図8】第二実施例に用いられ得る照明光学系の構成例
である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】特殊プリズムの斜視図である。
【図11】従来の双眼式視覚装置の要部光学系を透過状
態で示す斜視図である。
【図12】偏心光学系によって発生する像歪み特性を説
明するための原理図である。
【符号の説明】
18,19,29,30……二次元像表示素子、22,
23……凹面反射ミラー、31,32……リレーレン
ズ、35,36……凹面鏡、43,44……液晶ディス
プレイ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】次に、まず左眼4で観察される像8の像歪
み特性について説明する。二次元像表示素子7の中心点
Aに対し、点Aを挟んで水平方向両側に等間隔に配置さ
れた二点をB点,C点とする。この光学系では、二次元
像表示素子7の中心点Aと明るさ絞りとして作用する左
眼4の眼球の瞳孔の中心とを通る光線OA,即ち軸上主
光線が左眼4で表示像を観察する際の光軸となる。又、
光軸OA と凹面鏡6との交点Sを通る凹面鏡6の法線O
A ′は、凹面鏡6の光軸である。光学系の光軸OA と凹
面鏡6の光軸OA ′とは一致しておらず、一定の角度を
持ってS点で交差しているから、凹面鏡6は光軸OA
対して、S点を中心として紙面と平行な方向に回転偏心
していると見なすことができる。左眼4において、点A
が観測できる方位を基準として点B,点Cを観測できる
方位角をθ1,θ2とおいた場合、もし本光学系に像歪
みが無ければθ1=θ2となる。しかし、本光学系では
像歪みが生じ、θ1>θ2となる。次に右眼5によって
観察される像9の像歪みについて説明すると、点Aを観
察できる方位OA ″を基準として、点B,点Cが観察さ
れる方位角をθ1′,θ2′とおくと、図12に示す視
覚装置の光学系全体は二次元像表示素子7の中心点Aを
通過する両眼4,5間の中央軸11に対して対称である
ことから、明らかにθ2=θ1′,θ1=θ2′であ
る。以上の結果により、θ1>θ1′、θ2<θ2′と
なることが理解できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による双眼式視覚
装置は、二次元表示手段と、この二次元表示手段に表示
された画像の拡大された空中像を形成する接眼光学系
と、を備えた双眼式視覚装置において、接眼光学系は二
次元表示手段から観察者の右眼及び左眼に至る光路中の
各々に屈折力を有する光学素子を含み、且つ各光学素子
は前記二次元表示手段から観察者の右眼及び左眼に至る
軸上主光線に対して偏心して配置され、各光学素子は偏
心して配置された位置において軸上像点に対して鉛直方
向にずれた位置にある像点に至る主光線と軸上主光線と
が決定する平面に対し面対象な形状を有することを特徴
とするものである。又、本発明による双眼式視覚装置
は、二次元表示手段から観察者の右眼及び左眼に至る軸
上主光線に対して偏心して配置された光学素子が屈折面
又は反射面を有し、この屈折面又は反射面が一つの軸の
周りに回転対称な形状であることを特徴とするものであ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本実施例は上述のように構成されているか
ら、双眼式視覚装置が観察者の頭部に装着された状態
で、一対の二次元像表示素子18,19の表示画像を観
察する場合、外部の画像信号発生装置から送られる画像
信号を二次元像表示素子ドライブ回路で受信して、二次
元像表示素子18,19が稼働される。これにより、二
次元像表示素子18,19に表示された画像は、光源2
0,21からの照明光で透過され、偏心した凹面反射ミ
ラー22,23で反射された後、夫々左右の眼に効率良
く入射させられる。凹面反射ミラー22,23で投影さ
れた二次元像表示素子18,19の像は、瞳孔への入射
光の延長上に虚像として結像され、これを観察すること
ができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】次に、凹面反射ミラー22,23の構成と
それによる像歪み特性について、図2に示す左眼用接眼
光学系によって説明する。左眼25の瞳孔は開口絞りと
して機能するので、この中心を通る光源20からの光線
が主光線となる。図2には3本の主光線a,b,cが示
されており、その内の一つは左眼25で観察する視野の
中心(軸上像点)を通過する主光線a即ち軸上主光線で
あり、他の二つの光線は、軸上像点に対して鉛直方向に
ずれた位置に置かれた任意の点を夫々通過する軸外主光
線b,cである。このように設定された主光線a,b,
cのうち軸上主光線を含む2本の光線a,b又はa,c
を同時に含む平面即ち鉛直面(図2では、紙面に平行な
面)に関して、凹面反射ミラー22はその反射面が対称
になるように形成されて配置されている。このように配
置された凹面反射ミラー22が投影する像の歪み特性
は、必然的に視野中心を通過する鉛直線に対して対称と
なる。又、右眼用接眼光学系(図2では背後に隠れてい
る)は、図3に示すように、左眼用接眼光学系と左右対
称的に配置されており、そのため、右眼で観察される像
歪み特性は左眼で観察される像歪み特性を左右反転した
ものになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】例えば、両二次元像表示素子18,19が
正方眼パターンを表示しているとすると、左眼用の凹面
反射ミラー22を介して左眼25で観察される像は、歪
みを誇張して示すと図4に示すような形状になり、正方
眼パターンの鉛直中心線kに対して対称な形状を呈する
ことになる。一方、右眼用の凹面反射ミラー23は左眼
用の凹面反射ミラー22と左右対称に配置されているか
ら、その像歪み特性は左眼25で観察される像歪み特性
を左右反転したものになる。しかし、左眼25で観察さ
れる像歪み特性は左右対称であるから、左右反転したと
しても、像歪み特性は反転前の像歪み特性と変わりはな
い。即ち、左右眼で観察される夫々の像の像歪み特性は
互いに向きも含めて等しい。例えば、正方眼パターンの
画像を右眼で観察しても、やはり図4に示すものと同一
の像が観察される。このように、左右眼で観察される像
の像歪み特性が同じ場合には、視差に狂いは生じないの
で、好ましくない立体感を生じない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元表示素子と、該2次元表示素子から
    左右の観察眼に至る光路中に軸上主光線に対して偏心し
    た光学素子が含まれ且つ該2次元表示素子に表示された
    情報の虚像を形成する左右一対の接眼光学系と、を備え
    た双眼式視覚装置において、 前記光学素子は、虚像上において軸上主光線を含む複数
    の主光線が張る鉛直面に対して対称に形成されて、夫々
    前記各接眼光学系に配置されていることを特徴とする双
    眼式視覚装置。
  2. 【請求項2】前記光学素子は、1つの軸の周りに回転対
    称な形状であることを特徴とする請求項1に記載の双眼
    式視覚装置。
JP10302392A 1992-04-22 1992-04-22 双眼式視覚装置 Withdrawn JPH05297317A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012145787A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Quasar Technology Inc 立体表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012145787A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Quasar Technology Inc 立体表示装置

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