JPH0529640U - ねじ締め付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］実際のねじの締め付け量を検出でき、正確なね
じの締め付け作業を検出でき、正確なねじ締め付け作業
を行うことが可能なねじ締め付け装置を提供することを
目的とする。 ［構成］駆動軸６はナットランナ１０によって回転駆動
される回転体３と一体的に回転するとともに、回転体３
内部を摺動する。この駆動軸６の動きによりねじの締め
付けが行われ、この締め付け量を駆動軸６の変位量とし
て変位量センサ１４が検出することにより、ねじの締め
付け量を指標に正確な作業が行える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はねじを有する部品（以下「ねじ部品」と称する）の締め付けを行う際 のストロークを検出するストローク検出装置を備えたねじ締め付け装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のねじ締め付け装置には、特公平３−１９０３６に示される様なナットラ ンナがある。この技術によれば、ねじ部品の締め付けを行う際に作用する締め付 けトルクや締め付け時の駆動軸の回転数を検出することができ、これによってね じ部品の締め付け状態を確認しながら作業を行うことができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述したような技術では、ナットランナ駆動時におけるねじ部品の締 め付け量、即ち駆動軸の変位量を駆動軸の回転数として検出するために、ナット ランナ先端のソケットとねじ部品頭部との間に空回りが生じたり、かじり等のね じ部品の螺合不良が生じると実際のねじ部品の締め付け量と駆動軸の回転数が一 致しないために正確なねじ部品の締め付けを行うことができないという問題点が あった。

【０００４】 本考案は以上の問題点を解決するためになされたものであり、実際のねじ部品 の締め付け量を検出でき、正確なねじ部品の締め付け作業を行うことが可能なね じ締め付け装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のねじ締め付け装置は、上述した目的を達成する手段として、ねじを有 する部品の締め付け緩め作業を行う駆動モータと、この駆動モータに作用するト ルクを検出するトルク検出手段と、前記駆動モータの回転数を検出する回転数検 出手段とを備えたねじ締め付け装置において、前記駆動モータが固定されたハウ ジングと、このハウジングに回転可能に支持され前記駆動モータにより回転駆動 される回転体と、この回転体内部の前記駆動モータの回転軸線方向に形成された シリンダ室と、このシリンダ室内に前記回転体と一体的に回転可能かつ相対摺動 可能に嵌合されたピストンと、前記ハウジングと前記回転体とを前記回転体の円 周上に形成された溝を介して連通し前記ピストンを前記シリンダ室内で摺動させ る流体供給路と、先端にねじを有する部品と係合するソケットを有し前記ピスト ンに連結された駆動軸と、前記ハウジングに固定され前記駆動軸表面に付けられ た被検出部の変位量を測定する変位量測定器を備えたものである。

【０００６】

【作用】

駆動モータによりハウジング内部で回転体が回転駆動され、この回転体と一体 的にシリンダ室内のピストンが回転する。この時、流体供給路からシリンダ室に 供給される流体によりピストンは所定の圧力を受けるとともにシリンダ室内で摺 動する。この摺動とともに駆動軸は変位しながらソケットに係合したねじを有す る部品を締め付ける。変位量測定器は駆動軸とともに変位する被検出部の変位量 を測定する。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図１において１は図略のロボット等に取り付けられる固定部であり、この固定 部１の上面には駆動モータを内蔵する公知のナットランナ１０が固定されている 。このナットランナ１０は、駆動モータの回転数を検出する回転数検出手段およ び出力軸１１に作用するトルクを検出するトルク検出手段を内蔵している。固定 部１の下面にはナットランナ１０の出力軸１１と同軸線上に円筒ハウジング２の 末端が固定されている。また円筒ハウジング２内部には、ベアリング４，５を介 してナットランナ１０の出力軸１１と連結された回転体３が回転可能に支持され 、この回転体３内部には図２にも示すように弧状略三角形断面を有するシリンダ 室７が形成されている。さらにシリンダ室７内部には、末端にシリンダ室７と同 形状のピストン６ｃを有し、回転体３と一体的に回転可能であり、かつシリンダ 室７内部で摺動可能な駆動軸６が嵌合されている。この駆動軸６の先端には、締 め付けを行うねじ部品と係合するソケット６ｂが形成されている。上記円筒ハウ ジング２には、押し付け用エア供給口２ａおよび引っ張り用エア供給口２ｂが形 成されており、エアを外部より供給することによりピストン６ｃを上下動させ、 駆動軸６に押し付け力および引っ張り力を与えるようになっている。押し付け用 エア供給口２ａから供給されるエアは、回転体３の外周に形成された押し付け用 エア供給溝３ａおよび、この押し付け用エア供給溝３ａとシリンダ室７を連通す る押し付け用エア供給路３ｃを介してシリンダ室７上部に導かれるようになって おり、同様に引っ張り用エア供給口２ｂから供給されるエアは、引っ張り用エア 供給溝３ｂおよび、引っ張り用エア供給路３ｄを介してシリンダ室７下部に導か れるようになっている。

【０００８】 上述した駆動軸６は、円筒ハウジング２の先端でストロークベアリング１３を 介して上下方向に摺動可能に支持されている。また、この駆動軸６のストローク ベアリング１３により支持される部分とピストン６ｃの間には、着磁部６ａ（被 検出部）が形成されている。この着磁部６ａは、駆動軸６表面の軸線方向に目盛 りとしての帯状の磁性体を連続配置したものであり、円筒ハウジング２に取り付 けられ、着磁部６ａに対向する非接触型の変位量センサ１４（変位量測定器）に より、１目盛り分の磁性体が変位量センサ１４の測定部を通過する数をカウント することで駆動軸６の変位量を測定できるようになっている。

【０００９】 次に本実施例のねじ締め付け装置の作用を説明する。 ナットランナ１０の出力軸１１により伝達される回転力は、回転体３とそれに 嵌合された駆動軸６とを出力軸１１と同軸中心に回転させる。この時、ねじ部品 の締め付け作業を行う場合は、押し付け用エア供給口２ａ、押し付け用エア供給 溝３ａおよび押し付け用エア供給路３ｃを介してシリンダ室７上部から供給され るエアによりピストン６ｃを下方に移動させ、ねじ部品に押し付け力を与える。 また、逆にねじ部品の緩め抜き作業を行う場合は、締め付け時と逆方向にナット ランナ１０の出力軸１１を回転させるとともに、引っ張り用エア供給口２ｂ、引 っ張り用エア供給溝３ｂおよび、引っ張り用エア供給路３ｄを介してシリンダ室 ７下部から供給されるエアによりピストン６ｃを上方に移動させ、ねじ部品が緩 むことによって、駆動軸６が上方に移動する作用の補助を行う。また、シリンダ 室７下部から供給されるエアの量を増大させ、ピストン６ｃを上方に移動させる 力を増大させることにより、駆動軸６を素早く上昇させ、締め付けまたは緩めが 完了したねじ部品の頭部とソケット６ｂの係合を解除することも可能である。さ らに駆動軸６の上下動を行う手段として流体圧を利用しているためにねじ部品の 締め付け、および緩め抜き作業の全過程で同じ圧力を作用させることができ、安 定した作業を行うことができる。

【００１０】 締め付けまたは緩め抜き作業を行うに際に、ねじ締め付け装置は固定部１に連 結された図略のロボット等により移動されて、作業を行うねじ部品の頭部と駆動 軸６先端のソケット６ｂが係合するように位置決めされる。作業が開始されるに 当たり、変位量センサ１４はリセットされ、現在の駆動軸６の位置を原点として 駆動軸６の変位量のカウントを開始する。ここにおいてソケット６ｂとねじ部品 の頭部が空回りを起こしておらず、かつねじ部品がかじり等の螺合不良を起こし ていないならば、ナットランナ１０内部の回転数検出手段から検出される回転数 に対応するだけのねじピッチ量が変位量センサ１４から変位量として検出される 。従って本実施例のねじ締め付け装置は、ナットランナ１０が回転を開始すると 同時にねじ部品の締め付けまたは緩め抜きの進行状態を変位量センサ１４で確認 し、作業時に発生する螺合不良をすぐに発見することができる。

【００１１】 また、ねじ部品の締め付け作業が完了するとナットランナ１０内部のトルク検 出手段は、最も高いトルク値を示すが、同様に作業中にかじりが生じていても高 いトルク値が検出される。このような場合においても本実施例のねじ締め付け装 置は、トルク値と駆動軸６の変位量を対応させることにより、高いトルク値を示 した時に規定通りのねじの螺合量が駆動軸６の変位量として検出されているか否 かを確認することにより螺合不良の発見または作業完了の確認を行うことができ る。 さらに本実施例のねじ締め付け装置は、本装置を外部のロボット等の位置 決め手段により位置決めした後は、装置内部の駆動軸６を円筒ハウジング２に対 して移動させる構成となっているために、円筒ハウジング２を動かす必要がなく 、安全面、コスト面で優れた効果を有する。

【００１２】

【考案の効果】

以上、述べたように本考案のねじ締め付け装置は、ハウジング内の回転体に対 して駆動軸が摺動するようにし、この駆動軸の変位量を直接的に変位量測定器に よって検出できるようにしたために、ねじ部品の締め付け開始からの作業の進行 状態を駆動軸の変位量として検出でき、作業の途中にねじを有する部品の空回り や、かじり等の螺合不良をすぐに発見でき、迅速かつ確実な作業を行うことがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のねじ締め付け装置の全体図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１０ ナットランナ ３ 回転体 ７ シリンダ室 ２ 円筒ハウジング ６ 駆動軸 ６ｃ ピストン ６ｂ ソケット ６ａ 着磁部 ２ａ 押し付け用エア供給口 ３ａ 押し付け用エア供給溝 ３ｃ 押し付け用エア供給路 ２ｂ 引っ張り用エア供給口 ３ｂ 引っ張り用エア供給溝 ３ｄ 引っ張り用エア供給路 １４ 変位量センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ねじを有する部品の締め付け緩め作業を
   行う駆動モータと、この駆動モータに作用するトルクを
   検出するトルク検出手段と、前記駆動モータの回転数を
   検出する回転数検出手段とを備えたねじ締め付け装置に
   おいて、前記駆動モータが固定されたハウジングと、こ
   のハウジングに回転可能に支持され前記駆動モータによ
   り回転駆動される回転体と、この回転体内部に前記駆動
   モータの回転軸線方向に形成されたシリンダ室と、この
   シリンダ室内に前記回転体と一体的に回転可能かつ相対
   摺動可能に嵌合されたピストンと、前記ハウジングと前
   記回転体とを前記回転体の円周上に形成された溝を介し
   て連通し前記ピストンを前記シリンダ室内で摺動させる
   流体供給路と、先端にねじを有する部品と係合するソケ
   ットを有し前記ピストンに連結された駆動軸と、前記ハ
   ウジングに固定され前記駆動軸表面に付けられた被検出
   部の変位量を測定する変位量測定器を備えたことを特徴
   とするねじ締め付け装置。