JPH05296387A - ガラス繊維製断熱材 - Google Patents

ガラス繊維製断熱材

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JPH05296387A
JPH05296387A JP11976192A JP11976192A JPH05296387A JP H05296387 A JPH05296387 A JP H05296387A JP 11976192 A JP11976192 A JP 11976192A JP 11976192 A JP11976192 A JP 11976192A JP H05296387 A JPH05296387 A JP H05296387A
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Kyoeisha Chemical Co Ltd
Paramount Glass Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス繊維製断熱材の難燃性、撥水性に加え
て、優れた粉塵防止効果のあるガラス繊維製断熱材の提
供である。 【構成】 ガラス繊維製断熱材に、鉱物油、合成油及び
/又は天然油脂100重量部に対し、250℃以上で安定な耐
熱性を有するハロゲン化合物100〜10重量部及び界面活
性剤が前記油分と前記ハロゲン化合物合計100重量部に
対し、30〜5重量部並びに前記3成分合計10〜80重量部
と、水90〜20重量部からなる水性エマルジョンが含浸さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維製断熱材で
あって、不燃性、撥水性を有すると共に、防塵性を有す
るガラス繊維製断熱材並びに該ガラス繊維製断熱材に含
浸されている水性エマルジョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機質繊維製断熱材、特にガラス繊維製
断熱材を製造するに当たって、通常ある厚さに成形する
ため、未硬化のフェノール樹脂、尿素その他の副成分か
らなる添加剤を、フェルト生地ウェブを形成する前に、
水溶液の形で均一に吹き付けるか又は含浸し、所定の温
度、時間で焼き付けて硬化成形して製品化されている。
【0003】しかし、上記添加剤のみで処理した無機質
断熱材は、所定の寸法に切断するときに粉塵が発生し、
作業者或は施工業者等はマスクをかける等、それ相当の
対策を講じなければならない。従来この粉塵の対策とし
て上記添加剤に粉塵防止剤を併用して問題解決に当たっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、粉塵防
止剤は、ある程度粉塵防止効果が見られるが、 1)建設省告示第1828号による不燃材料試験の基材試験に
おいて、温度の判定基準値が50℃以下の処、49℃と判定
基準値に接近している(但し、2%付着、例えば鉱物油
をガラスウール1Kg当り0.5〜2.0%付着したものでは50
℃を超えてしまう)。 2)単独使用においては、撥水性のあるものがない。 3)従って、どうしてもシリコーン樹脂との併用が必要で
ある。
【0005】かかる実状に鑑み、本発明は従来撥水剤と
防塵剤とを別個に使用している点を改良し、1種の薬剤
で撥水性と防塵性を付与でき、かつ不燃性をも有するガ
ラス繊維製断熱材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ガラス繊
維製断熱材において、該ガラス繊維に、鉱物油、合成油
及び/又は天然油脂と、250℃以上で安定な耐熱性を有
するハロゲン化合物及び界面活性剤からなる水性エマル
ジョンが含浸されているガラス繊維製断熱材である。
【0007】第2の発明は、ガラス製断熱材に含浸され
ている水性エマルジョンが、鉱物油、合成油及び/又は
天然油脂(以下油分という)100重量部に対し、250℃以
上で安定な耐熱性を有するハロゲン化合物100〜10重量
部及び界面活性剤が、前記油分と前記ハロゲン化合物合
計100重量部に対し、30〜5重量部並びに前記3成分合計
10〜80重量部と、水90〜20重量部の組成からなるもので
ある。
【0008】第1の発明におけるガラス繊維製断熱材
は、特別のものではなく一般に使用されているものが用
いられる。
【0009】また、第2の発明における油分中、鉱物油
としては、例えばエッソ石油(社)、商品名 320、合成
油としては、例えば日本油脂(社)製のポリブテン、商
品名ポリビス、天然油脂としては、例えば公知の硬化ひ
まし油、ナタネ白絞油、ヤシ油又は牛脂硬化油等が使用
できる。
【0010】更に、第2の発明で使用している天然油脂
としては、精製ラノリン油が好ましく、またハロゲン化
合物としては、例えば外観が粘稠な液体で、250℃以上
で安定な耐熱性を有するハロゲン化合物、特に有機臭素
化合物が好ましく、また界面活性剤としては公知のノニ
オン、アニオン、カチオン、両性界面活性剤等各種のも
のが使用できる。
【0011】前記第2の発明における水性エマルジョン
は、これに未硬化フェノール樹脂、尿素樹脂、アンモニ
ア水、更に通常使用している副成分としてのバインダー
が併用できる。前記水性エマルジョンは、油分、ハロゲ
ン化合物、界面活性剤等の効果が夫々相乗されて撥水
性、難燃性に優れていると共に、更に粉塵の発生をほぼ
完全に防止することができる。
【0012】更に、第2の発明の水性エマルジョンは、
従来油分と未硬化フェノール樹脂、尿素樹脂等とのエマ
ルジョンが形成し難い点が改善され、未硬化フェノール
樹脂、尿素樹脂等を併用しても安定した水性エマルジョ
ンとすることができるという効果がある。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 実施例1 精製ラノリン油(新日本理化社製、商品名 リカランD
G)12部、ネオペンチルアルコールエステル油(日本油
脂社製、商品名 ニッサンユニスター H334R)4部、ハ
ロゲン化合物(Great Lakes Chemical Corp.製、商品名
RHT4-DIOL)6部、乳化剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェノールエーテル(H.L.B. 14)2.5部、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル(H.L.B.16)0.5部を均一
に混合し、乳化機ホモディスパーで激しく攪拌している
水70部に上記混合液を加えて粗乳化液を得た。これを高
圧ホモジナイザー圧力300Kgf/cm2に通して安定なエマル
ジョンを得た。
【0014】実施例2 実施例1と同一な精製ラノリン油及びハロゲン化合物を
夫々16部、10部及び乳化剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェノールエーテル(H.L.B.14)2部、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル(H.L.B.16)1部を混合し、
実施例1と同様にして水70部中に加えて安定なエマルジ
ョンを得た。
【0015】比較例1 実施例1と同一な精製ラノリン油18部、塩素化パラフィ
ン(東ソウ社製、商品名 トヨパラックスA40)12部及
びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(H.L.
B.10.9)2部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム
0.5部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1部を混合
し、実施例1と同様にして水70部中に加えてエマルジョ
ンを得た。
【0016】比較例2 比較例1と同一の精製ラノリンを30部とした以外は、比
較例1と同様にしてエマルジョンを得た。実施例1〜2
及び比較例1、2で得られたエマルジョンの性状を表1
に示す。
【0017】
【表1】
【0018】次に、前記実施例2、比較例1及び比較例
2のエマルジョンをガラスを繊維化した直後に噴霧し、
集綿してマットを形成し、このマットを200〜250℃の加
熱炉内を通過させてバインダーを硬化させ、所定の密度
と厚さに調整してフェルト又はボードを作成してガラス
繊維製断熱材を得た。得られたガラス繊維製断熱材の粉
塵発生率、撥水性及び不燃性を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】尚、粉塵発生率は、JIS A 9523の振動篩通
過率により、また不燃性は、建設省告示第1828号によ
り、撥水性は、試験片を50×50mmに切断し、水を入れた
容器(容量5リットル)の水中に5分間沈め、試験片が
浮上するか否かを調べて性能を評価する。
【0021】
【発明の効果】以上の如く本発明はガラス繊維製断熱材
に、油分、ハロゲン化合物及び界面活性剤を配合してい
る水性エマルジョンが含浸しており、これらの成分の効
果が夫々相乗され、建設省告示第1828号による基材試験
において、従来より20〜35℃と著しく抑えることがで
き、しかも難燃性、撥水性に加えて優れた防塵効果を発
揮することができる。また、従来の技術のように、特に
シリコーン樹脂を使用する必要がないという効果を奏す
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維製断熱材において、該ガラス
    繊維に、鉱物油、合成油及び/又は天然油脂と、ハロゲ
    ン化合物及び界面活性剤からなる水性エマルジョンが含
    浸されていることを特徴とするガラス繊維製断熱材。
  2. 【請求項2】 ガラス繊維製断熱材に含浸されている水
    性エマルジョンが、鉱物油、合成油及び/又は天然油脂
    100重量部に対し、250℃以上で安定な耐熱性を有するハ
    ロゲン化合物100〜10重量部及び界面活性剤が前記油分
    と、前記ハロゲン化合物合計100重量部に対し、30〜5重
    量部並びに前記3成分合計10〜80重量部と、水90〜20重
    量部の組成からなることを特徴とする請求項1記載の水
    性エマルジョン。
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