JPH05295431A - 高靭性厚板の製造方法 - Google Patents

高靭性厚板の製造方法

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JPH05295431A
JPH05295431A JP9993492A JP9993492A JPH05295431A JP H05295431 A JPH05295431 A JP H05295431A JP 9993492 A JP9993492 A JP 9993492A JP 9993492 A JP9993492 A JP 9993492A JP H05295431 A JPH05295431 A JP H05295431A
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JP
Japan
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steel
less
cooling
rolling
recuperation
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JP9993492A
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English (en)
Inventor
Hidesato Mabuchi
秀里 間渕
Hiroshi Takezawa
博 竹澤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部品質に優れ、かつ靭性に優れた厚鋼板を
経済的に製造する方法を提供する。 【構成】 重量%でC:0.03〜0.25%、Si:
0.01〜0.5%、Mn:0.6〜1.8%、Al:
0.005〜0.1%、N:0.001〜0.010
%、残部がFe及び不可避的不純物よりなる鋼の圧延に
際して、該鋼材の鋼材厚の2〜33%に対応する上下各
表層部の領域をAr3 点以上の温度から冷却速度2℃/
秒以上で冷却を開始し、Ar3 以下に冷却して該冷却を
停止した後に復熱させ、復熱が終了する迄の間に仕上げ
圧延を行い、該仕上げ圧延終了後の鋼板の前記上下各表
層域の復熱後の温度がAc3 点未満又はAc3 点以上或
はAc3 点の上下にまたがるように復熱させると共に、
板厚中心部の鋼中水素H(ppm)がH≦1.08−0.0
007σyとなる脱水素処理を施す高靭性厚板の製造方
法。 但し、σy:鋼板の常温における降伏応力(MPa)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた脆性亀裂伝播停止
性能と、板厚中心部の内質に優れた靭性を有する厚鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クリーンエネルギー需要に伴い液化ガス
や天然ガス等低温ガスのニーズが強まり、これらを運搬
する低温ガス運搬用船舶や、これを貯蔵するタンクに対
するニーズが近年特に強まっている。しかもこれらの運
搬用船舶や貯蔵タンクに対する安全性への要求は益々強
まる一方である。とりわけ亀裂の発生しにくい条件で設
計されている現状の構造物にあっては、万が一亀裂が発
生した場合でも、これを停止できる性能である亀裂伝播
停止性能に優れた鋼板に対する要求が極めて強くなって
いる。
【0003】このニーズに対し、発明者らの一部は既に
鋼材厚の2〜33%に対応する領域を特殊な圧延を施す
ことにより、極めて優れた亀裂伝播停止性能と板厚中心
部の特性に優れた鋼板に関する方法を提案した。ところ
が、本発明者らがさらに繰り返し実験を行ったところ、
まれに超音波探傷試験で合格しないものが発生すること
が認められた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の内質に関わる問題点を伴うことなく、高靭性厚板
の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%でC:
0.03〜0.25%、Si:0.01〜0.5%、M
n:0.6〜1.8%、Al:0.005〜0.10
%、N:0.001〜0.010%、さらに必要に応じ
てNb:0.05%以下、V:0.05%以下、Ti:
0.05%以下、Cu:0.7%以下、Ni:1.5%
以下、Mo:0.5%以下、Cr:1.0%以下、B:
0.002%以下の1種又は2種以上を含み、残部がF
e及び不可避的不純物よりなる鋼の圧延に際して、該鋼
材の鋼材厚の2〜33%に対応する上下各表層部の領域
をAr3 点以上の温度から冷却速度2℃/秒以上で冷却
を開始し、Ar3 以下に冷却して該冷却を停止した後に
復熱させ、復熱が終了する迄の間に仕上げ圧延を行い、
該仕上げ圧延終了後の鋼板の前記上下各表層域の復熱後
の温度がAc3 点未満又はAc3 点以上或はAc3 点の
上下にまたがるように復熱させると共に、板厚中心部の
鋼中水素H(ppm)がH≦1.08−0.0007σyと
なる脱水素処理を施すことを特徴とする。但し、σyは
鋼板の常温における降伏応力(MPa)である。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。Cは鋼を
強化するために不可欠の元素であって0.03%未満で
は所要の強度が得られず、又、0.25%を超えると溶
接部の靭性が損なわれるため、0.03%以上0.25
%以下の範囲に限定した。
【0007】Siは脱酸を促進しかつ強度上昇に有効な
元素であるため0.01%以上添加するが過度の添加は
溶接性を劣化させるため0.5%以下に限定した。
【0008】Mnは強度を上昇させ、かつ低温靭性を向
上させるため0.6%以上添加するが、1.8%超では
溶接割れを促進させる可能性があるので1.8%以下に
とどめる。
【0009】Alは脱酸材として有効であり、かつ鋼板
の靭性を向上させるため0.005%以上添加するが、
過量の添加は材質にとって有害な介在物を生成するため
0.010%以下とした。
【0010】NはAl等と共に窒化物を形成し結晶粒を
微細化し靭性向上に有効であるが過度の添加は溶接部の
靭性を損なうため0.001%以上0.010%以下に
限定した。
【0011】NbとVはいずれも微量の添加で結晶粒の
微細化に有効であり、又析出物の形成により強度上昇に
有効であるので溶接部の靭性を劣化させない範囲で添加
可能であり、上限を0.05%とする。
【0012】Tiは圧延のための加熱時の結晶粒の微細
化、又、溶接部の組織微細化ともに有効であるが、過度
の添加は鋼板の靭性を劣化させるので上限を0.05%
とした。
【0013】Cu,Ni,Cr,Moはいずれも強度を
上昇させ、又、焼入れ性を向上させる元素として有効で
あるか、いずれも高価であるため、上限をそれぞれ、C
uは0.7%、Niは1.5%、Crは1.0%、Mo
は0.5%以下とした。
【0014】Bは焼入れ性を向上させ、高強度化には極
めて有効な元素であるが、過度の添加は靭性を損なうた
め、上限を0.002%とした。
【0015】一方、シアリップの形成による亀裂伝播停
止性能を向上させるため、鋼の圧延に際して、該鋼材の
鋼材厚の2〜33%に対応する上下各表層部の領域を、
Ar3 点以上の温度から冷却速度2℃/秒以上で冷却を
開始し、Ar3 以下に冷却して該冷却を停止した後に復
熱させ、復熱が終了する迄の間に仕上げ圧延を行い、該
仕上げ圧延終了後の鋼板の前記上下各表層域の復熱後の
温度が、Ac3 点未満又はAc3 点以上或はAc3 点の
上下にまたがるように復熱させる。
【0016】
【作用】本発明は表層部を冷却し、その後復熱する途中
で仕上げ圧延を行うことを特徴とする圧延・冷却プロセ
スによる鋼板の製造に於て、まれに超音波探傷による成
績が不合格となる場合があり、その原因を子細に検討し
たところ各種の強度レベルのものについて、板厚中心部
の鋼中水素量との関係でUST不良が整理可能であるこ
とを知見し、本発明を完成したものである。
【0017】即ち、図1にその関係を示すが、板厚中心
部の水素は常温における鋼板の降伏強度σyとの関係に
おいて図1に示すごとく、H≦1.08−0.0007
σyの条件を満足させることにより鋼中水素に起因する
微小内部欠陥の生成を防止でき、その結果、超音波探傷
欠陥を防止できることが判明した。
【0018】本発明のように、圧延中に鋼板を冷却する
時は鋼中水素が放出され難くなる。従って、熱間圧延段
階において鋼中水素が高い場合には、水素に起因した欠
陥により鋼板の内質が損なわれ、超音波欠陥として検出
され、従って、鋼中水素の規制が必須となる。
【0019】水素による内部欠陥の発生度合が強度に依
存する理由は必ずしも明確でないが、強度が高いほど一
般に転位等の水素のトラップサイトが多く、水素を多く
吸収し、水素による割れに対する感受性が高まるためと
考えられる。
【0020】圧延後に加速冷却を適用する場合は、さら
に水素による感受性が高まり、制御すべき水素量が厳格
化することが想定されるが、実験からは圧延後の冷却パ
ターンによらず、空冷での加速冷却でも或は焼入れ焼戻
しでも、本発明の限定範囲で内質の良好な結果が得られ
たので、本発明の水素量の限定式はいずれの場合にも適
用可能である。
【0021】上記の鋼中水素の除去には従来公知の方
法、例えば、(イ)溶鋼の真空脱ガス、(ロ)鋼片徐
冷、(ハ)鋼片の均熱拡散、(ニ)鋼片の減厚(ブレー
クダウン、サイジング)、及びこれに続く脱水素徐冷、
(ホ)厚板圧延途中における水素放出、(ヘ)連続鋳造
鋳片最終凝固部の軽圧下等の1つまたは2つ以上を複合
して実施してよい。
【0022】
【実施例】表1の成分を有する連鋳スラブを表2に示す
圧延と冷却及び熱処理を施して、厚み30mmの厚鋼板を
製造した。表中の温度は本発明で規定した冷却後の復熱
中に圧延を受ける表層部の代表値である。機械的性質及
びUST成績を併せて表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明は圧延技術と冷却技術及び鋼板の
脱水素技術の組合せにより、亀裂伝播停止性能と内質に
優れた鋼板を経済的に製造可能ならしめたもので、厚板
を製造し、また、使用する分野にもたらす効果は甚大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板の常温強度と鋼板中心での水素濃度の関係
に於て、水素性欠陥の発生傾向を示した図表である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.03〜0.25% Si:0.01〜0.5% Mn:0.6〜1.8% Al:0.005〜0.1% N :0.001〜0.010% 残部がFe及び不可避的不純物よりなる鋼の圧延に際し
    て、該鋼材の鋼材厚の2〜33%に対応する上下各表層
    部の領域をAr3 点以上の温度から冷却速度2℃/秒以
    上で冷却を開始し、Ar3 以下に冷却して該冷却を停止
    した後に復熱させ、復熱が終了する迄の間に仕上げ圧延
    を行い、該仕上げ圧延終了後の鋼板の前記上下各表層域
    の復熱後の温度がAc3 点未満又はAc3 点以上或はA
    3 点の上下にまたがるように復熱させると共に、板厚
    中心部の鋼中水素H(ppm)がH≦1.08−0.000
    7σyとなる脱水素処理を施すことを特徴とする高靭性
    厚板の製造方法。 但し、σy:鋼板の常温における降伏応力(MPa)
  2. 【請求項2】 重量%で Nb:0.05%以下 V :0.05%以下 Ti:0.05%以下 Cu:0.7%以下 Ni:1.5%以下 Mo:0.5%以下 Cr:1.0%以下 B :0.002%以下 の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記
    載の高靭性厚板の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終圧延終了後、加速冷却することを特
    徴とする請求項1又は2記載の高靭性厚板の製造方法。
  4. 【請求項4】 最終圧延終了後、焼入れ焼戻し処理を行
    うことを特徴とする請求項1又は2記載の高靭性厚板の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995026424A1 (fr) * 1994-03-29 1995-10-05 Nippon Steel Corporation Tole grosse d'acier presentant d'excellentes caracteristiques sur le plan de la prevention de la propagation des criques et de la durete a basse temperature et procede d'elaboration de cette tole
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JPH0987799A (ja) * 1995-09-27 1997-03-31 Nippon Steel Corp 耐スケール剥離性に優れる厚鋼板、及びその製造方法
JP2008240097A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Jfe Steel Kk 表面品質および延性亀裂伝播特性に優れる熱延鋼板の製造方法

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