JPH05295381A - マンニッヒ反応生成物およびその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

マンニッヒ反応生成物およびその製造方法ならびにその用途

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JPH05295381A
JPH05295381A JP4334831A JP33483192A JPH05295381A JP H05295381 A JPH05295381 A JP H05295381A JP 4334831 A JP4334831 A JP 4334831A JP 33483192 A JP33483192 A JP 33483192A JP H05295381 A JPH05295381 A JP H05295381A
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宏明 甲嶋
Hirotaka Yamazaki
広隆 山崎
Masahisa Goto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温安定性に優れ且つ酸化安定性を有する清
浄分散剤として有用な物質並びにこれを含有する清浄分
散剤,その製造方法並びに燃料油,潤滑油組成物を提供
すること。 【構成】 (a)ポリアルケニルコハク酸又はその無水
物,(b)ポリアミン,(c)下記の一般式(I)で表
される硫化アルキルフェノール及び(d)アルデヒドを
好ましくはモル比(a):(b):(c):(d)=1
〜2:1:1〜2:1〜5の割合で反応させて得られる
反応生成物並びに該生成物を含む清浄分散剤である。一
般式(I)において、R2 は炭素数4〜25のアルキル
基を示し、mは1〜8、xは1又は2、zは1〜9の整
数を示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンニッヒ反応生成物
およびその製造方法ならびにその用途に関し、詳しくは
潤滑剤用清浄分散剤として有用なマンニッヒ反応生成
物,その製造方法,該生成物を含む清浄分散剤および該
清浄分散剤を含む潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の無灰型清浄分散剤には、一般にコ
ハク酸イミド系,ハイドロオキシベンジルアミン系など
があり、その顕著な微粒子分散作用が重視されてガソリ
ン,ディーゼルエンジン油等の添加剤として広範に使用
されている。そして、これらはジアルキルジチオリン酸
亜鉛や金属型清浄分散剤との相乗効果も認められ、極め
て重要な潤滑剤用添加物の一つとなっている。しかしな
がら、近年、高温における安定性が十分でないことが度
々指摘されている。
【0003】特公昭46−43631号公報には、油溶
性を改善した酸化安定性無灰型清浄分散剤として、アル
キルフェノール,ホルムアルデヒド及びポリアルキレン
ポリアミンの反応中間体をポリアルケニル無水コハク酸
と反応させて得られる反応生成物あるいは得られた反応
生成物を硼素含有化合物と反応させて得られる反応生成
物が開示されている。また、特開昭51−8304号公
報には、ポリアルケニル(無水)コハク酸とポリアルキ
レンポリアミンの反応中間体をアルデヒドの存在下に芳
香族アルコール(例えば、アルキルフェノール,フェノ
ール,チオジフェノール)を反応させて得られる反応生
成物が開示されている。しかしながら、これらの反応生
成物も高温安定性を満足することができなかった。
【0004】さらに、特開昭63−168492号公報
には、特公昭46−43631号公報に記載の硼素含有
化合物の替わりにグリコール酸と反応させて得られる反
応生成物が開示されているが、同様に高温安定性を満足
することができなかった。また、従来の内燃機関用潤滑
油は、基油にポリブテニルコハク酸イミド等の無灰型清
浄分散剤、アルカリ土類金属のスルホネート,フェネー
ト等の金属型清浄分散剤およびアルキルジチオリン酸亜
鉛等の耐摩耗剤から構成されているが、燃焼により添加
剤成分中の金属分が酸化物や硫酸塩等に化合され、環境
汚染等に関与する問題がある。近年、内燃機関のうち、
特にディーゼルエンジンにおいてパディキュレートおよ
びNOX 等の排ガス規制による環境汚染対策が重要な課
題となっている。これらの対策としてのパティキュレー
トトラップおよびNOX 等の排ガス除去触媒等の排ガス
浄化装置があるが、従来の内燃機関用潤滑油では燃焼に
より生成した金属酸化物や硫化物等による閉塞の問題が
あるため、これら金属酸化物や硫化物等の排出を最小限
に抑制可能な内燃機関用潤滑油が要求されている。この
要求に応えるべく、特開平1−163294号公報には
内燃機関用無灰分潤滑油組成物として、従来の無灰型清
浄分散剤,硫化アルキルフェノールおよび金属不活性剤
よりなるディーゼルエンジン用潤滑油組成物が開示され
ている。しかし、この組成物は灰分を含まないという特
徴を有するが、高温安定性を満足することができなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、高温安定性に優れ且つ酸化安定性を
有する清浄分散剤として有用な物質,その製造方法,そ
れを含有する清浄分散剤および潤滑油組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特公昭4
6−43631号公報及び特開昭51−8304号公報
に記載されている芳香族アルコールの代わりに特定の硫
化アルキルフェノールを用いることにより高温安定性に
優れた反応生成物が得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、ポリアルケニルコハ
ク酸あるいはポリアルケニル無水コハク酸とポリアミ
ン,アルデヒドおよび一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、R2 は炭素数4〜25のアルキル
基を示し、mは1〜8の整数を示し、xは1又は2を示
し、zは1〜9の整数を示す。〕で表される硫化アルキ
ルフェノールを反応させて得られるマンニッヒ反応生成
物、ならびにポリアルケニルコハク酸あるいはポリアル
ケニル無水コハク酸とポリアミン,アルデヒド,該一般
式(I)で表される硫化アルキルフェノールおよび硼素
含有化合物を反応させて得られるマンニッヒ反応生成物
を提供すると共に、これらマンニッヒ反応生成物を含む
清浄分散剤を提供するものである。また、本発明は、該
マンニッヒ反応生成物を製造するにあたり、ポリアミン
1モルに対し、該一般式(I)で表される硫化アルキル
フェノールを1モル以上反応させることを特徴とするマ
ンニッヒ反応生成物の製造方法を提供するものである。
【0010】本発明による反応生成物は、 (a)ポリアルケニルコハク酸又はポリアルケニル無水
コハク酸 (b)ポリアミン (c)硫化アルキルフェノール及び (d)アルデヒド をモル比(a):(b):(c):(d)=1〜10:
1:1〜10:1〜10の割合で、好ましくは、1〜
2:1:1〜2:1〜5の割合で反応させて得られる反
応生成物である。
【0011】本発明の反応生成物には、上記のように2
種類があり、その一つは、上記の(a)と(b)を反応
させて得られる中間体を(d)の存在下において(c)
と反応させて(この方法を方法Aと称する)得られる反
応生成物である。あるいは、上記の(c)と(d)と
(b)を反応させて得られる中間体を(a)と反応させ
て(この方法を方法Bと称する)得られる反応生成物で
ある。
【0012】方法Aにおける(a)と(b)の反応は、
約100〜250℃、好ましくは約150〜200℃で
行う。反応を行うに際して溶剤,例えば炭化水素油等の
有機溶剤を使用することもできる。得られた中間体と
(d)の存在下における(c)との反応は、約0〜20
0℃、好ましくは約50〜150℃で行う。
【0013】また、方法Bにおける(c)と(d)と
(b)の反応は、約0〜200℃、好ましくは約50〜
150℃で行う。得られた中間体と(a)との反応は約
100〜250℃、好ましくは約150〜200℃で行
う。
【0014】上記反応を、さらに具体的に説明するた
め、(a)のポリアルケニルコハク酸又はポリアルケニ
ル無水コハク酸として、ポリアルケニル無水コハク酸を
(b)のポリアミンとしてポリエチレンポリアミンを、
(d)のアルデヒドとしてホルムアルデヒドを用いる場
合を例にとって以下に示す。方法Aにおいては、(a)
成分である一般式(II)
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、R1 は炭素数2〜20のオレフィ
ンから誘導される重合体又は共重合体基あるいはそれら
の混合基を示す。〕で表されるポリアルケニル無水コハ
ク酸と(b)成分である一般式(III) H2N(CH2CH2NH)n H ・・・(III) 〔式中、nは1〜6の整数を示す。〕のポリエチレンポ
リアミンと反応させ、得られた一般式(IV)
【0017】
【化6】
【0018】〔式中、R1 およびnは前記と同じであ
る。〕で表されるポリアルケニルモノコハク酸イミド及
び/又は一般式(V)
【0019】
【化7】
【0020】〔式中、R1 およびnは前記と同じであ
る。〕で表されるポリアルケニルビスコハク酸イミドを
(d)ホルムアルデヒド及び(c)成分である一般式
(I)で表される硫化アルキルフェノールと反応させ
る。この場合に、ポリアルケニルモノコハク酸イミドと
の反応生成物は、一般式(VI)
【0021】
【化8】
【0022】〔式中、R2 ,m,xおよびzは前記と同
じである。〕で表される構造単位に一般式(VII)
【0023】
【化9】
【0024】〔式中、R1 およびnは前記と同じであ
る。〕で表される構造単位が、ベンゼン核1個に対して
1個又は2個結合したマンニッヒ硫化アルキルフェノー
ル結合ポリアルケニルモノコハク酸イミドである。ま
た、ポリアルケニルビスコハク酸イミドとの反応生成物
は、上記一般式(VI) で表される構造単位に一般式(VI
II)
【0025】
【化10】
【0026】〔式中、R1 およびnは前記と同じであ
る。〕で表される構造単位が、ベンゼン核1個に対して
1個又は2個結合したマンニッヒ硫化アルキルフェノー
ル結合ポリアルケニルビスコハク酸イミドである。一
方、方法Bでは、ホルムアルデヒドと一般式(I)で表
される硫化アルキルフェノール及び一般式(III)で表さ
れるポリエチレンポリアミンを反応させて、前記一般式
(VI)の構造単位に、一般式(IX) 〔NH2 ( CH2 CH2 NH) n −CH2 〕− ・・・(IX) の構造単位が、ベンゼン核1個に対して1個又は2個結
合した化合物を生成させる。この化合物にさらに一般式
(II)で表されるポリアルケニル無水コハク酸を反応さ
せて、一般式(VI) で表される構造単位に前記一般式
(VII)で表される構造単位が、ベンゼン核1個に対して
1個又は2個結合したマンニッヒ硫化アルキルフェノー
ル結合ポリアルケニルモノコハク酸イミドを得る。
【0027】上記反応に用いられる(a)成分のポリア
ルケニルコハク酸又はポリアルケニル無水コハク酸のア
ルケニル基R1 は、重量平均分子量(Mw)約200〜
4000、好ましくは約600〜2000を有し、エチ
レン,プロピレン,ブテン,ブタジエン,デセン,ヘキ
サデセン等の炭素数2〜約20のモノオレフィン,ジオ
レフィン等の重合物又は共重合物あるいはそれらの混合
物とマレイン酸又は無水マレイン酸とから導かれるもの
で公知の方法で製造したものでよい。(b)成分のポリ
アミンとしては、第一アミン類又は第二アミン類が挙げ
られ、通常、一般式(X)
【0028】
【化11】
【0029】で表される化合物である。この式におい
て、aは1〜8、好ましくは3〜6の整数であり、bは
0〜1である。R4 は水素,アルキル基,アラルキル
基,シクロアルキル基,アリール基,アルカリール基,
アルケニル基または不活性的に置換されている場合に
は、そのような基を含むアルキニル基よりなる炭化水素
基である。R4 がアルキル基である場合は、通常メチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチ
ル,イソブチル,sec−ブチル,アミル,オクチル,
デシル,オクタデシル等である。R4 がアラルキル基で
ある場合は、通常ベンジル,β−フェニルエチル等であ
る。R4 がシクロアルキル基である場合は、通常シクロ
ヘキシル,シクロヘプチル,シクロオクチル,2−メチ
ルシクロヘプチル,3−ブチルシクロヘキシル,3−メ
チルシクロヘキシル等である。R4 がアリール基である
場合は、通常フェニル,ナフチル等である。R4 がアル
カリール基である場合は、通常トリル,キシリル等であ
る。R4 がアルケニル基である場合は通常ビニル,アリ
ル,1−ブテニル等である。また、R4 がアルキニル基
である場合は、通常エチニル,プロピニル,ブチニル等
である。
【0030】R4 は不活性的に置換されていてもよく、
すなわちアルキル,アリール,シクロアルキル,エーテ
ル,ハロゲン,ニトロ等のような無反応性置換基を含ん
でいてもよい。不活性的に置換されたR4 基としては、
通常3−クロロプロピル,2−エトキシエチル,カルボ
エトキシメチル,4−メチルシクロヘキシル,p−クロ
ロフェニル,p−クロロベンジル,3−クロロ−5−メ
チルフェニル等が挙げられる。好ましいR4 基はアルキ
ル基、すなわち、炭素数1〜10個のアルキル基,例え
ばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,ブチ
ル類,アミル類,ヘキシル類,オクチル類,デシル類等
をはじめとする基である。R4 は水素であることが好ま
しい。
【0031】R3 が2価であり、水素以外のものを表す
という事実に従い、R3 はR4 と同じ群から選ばれる炭
化水素基である。R4 が水素であり、R3 が−CH2
2−であることが好ましい。使用されるアミンとして
は、通常次に示すものが挙げられる。 プロピレンジアミン(PDA) ジエチレントリアミン(DETA) トリエチレンテトラミン(TETA) テトラエチレンペンタミン(TEPA) ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)
【0032】(c)成分の硫化アルキルフェノールは、
通常、前記の一般式(I)で表されるものである。この
式において、mは1〜約8、好ましくは1〜約2であ
り、zは1〜約9、好ましくは1〜約3である。また、
xは1〜2、好ましくは1である。R2 は炭素数約4〜
25個、好ましくは炭素数約8〜22個の炭化水素基で
あり、例えばアルキル基,アルケニル基,アラルキル基
等であり、具体的にはブチル,アミル,ヘキシル,オク
チル,ノニル,デシル,ドデシル,ヘキサデシル等の炭
化水素基、あるいは流動パラフィン,ワックス,オレフ
ィン重合体(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテ
ン等)の石油炭化水素から誘導される基、又はこれらの
混合基である。
【0033】使用される硫化アルキルフェノールとして
は、通常次に示すアルキルフェノールと硫黄等から導か
れるもので公知の方法で製造したものでよい。 p−t−ブチルフェノール オクチルフェノール ノニルフェノール ドデシルフェノール ヘキサデシルフェノール エイコシルフェノール
【0034】(d)成分のアルデヒドは、通常一般式
(XI) R5 CHO ・・・(XI) によって表される。この式において、R5 は水素,アル
キル基,アラルキル基,シクロアラルキル基,アリール
基,アルカリール基,アルケニル基または不活性的に置
換されている場合には、そのような基を含むアルキニル
基よりなる炭化水素基である。R5 がアルキル基である
場合は、通常メチル,エチル,n−プロピル,イソプロ
ピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,アミ
ル,オクチル,デシル,オクタデシル等である。R5
アラルキル基である場合は、通常ベンジル,β−フェニ
ルエチル等である。R5 がシクロアルキル基である場合
は、通常シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオク
チル,2−メチルシクロヘプチル,3−ブチルシクロヘ
キシル,3−メチルシクロヘキシル等である。R5 がア
リール基である場合は、通常フェニル,ナフチル等であ
る。R5 がアルカリール基である場合は、通常トリル,
キシリル等である。R5 がアルケニル基である場合は、
通常ビニル,アリル,1−ブテニル等である。R5 がア
ルキニル基である場合は、通常エチニル,プロピニル,
ブチニル等である。
【0035】R5 は不活性的に置換されていてもよく、
すなわちアルキル,アリール,シクロアルキル,エーテ
ル,ハロゲン,ニトロ等のような無反応性置換基を含ん
でいてもよい。不活性的に置換されたR5 としては、通
常3−クロロプロピル,2−エトキシエチル,カルボエ
トキシメチル,4−メチルシクロヘキシル,p−クロロ
フェニル,p−クロロベンジル,3−クロロ−5−メチ
ルフェニル等が挙げられる。好ましいR5 はハロゲン又
はアルキル基、すなわち炭素数1〜10個のアルキル
基,例えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピ
ル,ブチル類,アミル類,ヘキシル類,オクチル類,デ
シル類等をはじめとする基である。R5 は水素であるこ
とが好ましい。使用されるアルデヒドは、具体的には、
ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,エタナー
ル,プロパナール,ブタナールなどである。
【0036】上記の反応によって得られるマンニッヒ硫
化アルキルフェノール結合ポリアルケニルモノコハク酸
イミドあるいはビスコハク酸イミドは、清浄分散剤とし
て有用であり、酸化安定性を有し、特に、高温安定性に
優れるものである。すなわち、これらの反応生成物から
なる清浄分散剤を提供することができる。
【0037】さらに、本発明によるもう一つの反応生成
物は、上記(a)〜(d)成分に、(e)硼素含有化合
物を(b)ポリアミンに対し、好ましくはモル比
(b):(e)=1:0.05〜10の割合で、特に好ま
しくは1:0.2〜2の割合で反応させて得られる反応生
成物からなる。この反応生成物は、上記(a)〜(d)
成分を反応させて得られる反応生成物と(e)成分を反
応させるか、または、前記ポリアルケニルコハク酸イミ
ドあるいはビスコハク酸イミドに(e)成分を反応させ
た後、アルデヒドおよび一般式(I)で表される硫化ア
ルキルフェノールを反応させて得ることができる。この
反応生成物からなる清浄分散剤は、酸化安定性を有し、
特に高温安定性に優れ、更に他の添加剤との共存性を改
善したものである。
【0038】上記(e)との反応は、約50〜250
℃、好ましくは約100〜200℃で反応させる。反応
を行うに際して溶剤、例えば炭化水素油等の有機溶剤を
使用することもできる。窒素原子1g原子当たり硼素1.
5原子まで反応し得るが、硼素対窒素(B/N)比が0.
05〜1.0の範囲が好ましく、(B/N)重量比が0.1
〜0.5の範囲であるのがより好ましい。(e)の硼素含
有化合物としては、例えば、酸化硼素,ハロゲン化硼
素,硼酸,硼酸無水物,硼酸エステルなどを使用するこ
とができる。
【0039】上記反応で得られたマンニッヒ反応生成物
は、清浄分散剤として有効に使用することができる。こ
の清浄分散剤を潤滑油基油である炭化水素油や合成油に
約0.1〜80重量%の割合で配合して潤滑油組成物を調
製することもできる。その際の好ましい配合量は約0.5
〜20重量%の範囲である。また、この清浄分散剤は燃
料油である炭化水素油に加えることもできる。
【0040】ここで、炭化水素油としては、ガソリン,
灯油,軽油等の燃料油又は潤滑油(例えば、パラフィン
系鉱油,ナフテン系鉱油,芳香族系鉱油等)等の留分の
いずれでもよく、溶剤精製,水素化精製又は水素化分解
等いかなる精製法を経たものでも使用することができ
る。合成油としては、ポリフェニルエーテル,アルキル
ベンゼン,アルキルナフタレン,エステル系,グリコー
ル系またはポリオレフィン系の合成油等を使用すること
ができる。潤滑油留分としては動粘度(100℃)は1
〜50cSt、好ましくは3〜10cStの範囲であ
る。エステル系合成油としては、一塩基酸又は二塩基酸
等とアルコールとのエステル、例えば炭素数約6〜16
の二塩基酸と炭素数約5〜20の直鎖状又は分岐状アル
コールを反応させて得られるエステルからなる合成油を
使用することができる。特にアジピン酸エステル,セバ
チン酸エステル,アゼライン酸エステル,トリメチロー
ルプロパンエステル,トリメチロールエタンエステル,
ペンタエリスリトールエステル,ネオペンチルグリコー
ルエステル等が好ましい。ポリオレフィン系合成油とし
ては、エチレン,プロピレン,ブチレン,オクテン,デ
セン,ドデセン等の低級オレフィンの低重合または共重
合による液状精製物およびそれらの混合物あるいはこれ
らを水素化精製したものが適当である。また二塩基酸,
グリコール及び一塩基酸等からなる複合エステルも使用
することができる。
【0041】また、上記清浄分散剤を炭化水素の燃料油
に配合したものは、内燃機関の気化器への夾雑物の付着
防止および付着物を除去する清浄剤として使用すること
ができる。さらに、上記洗浄分散剤を炭化水素油や合成
油の潤滑油留分、あるいはそれらの混合物に配合したも
のは、内燃機関用潤滑油組成物(例えば、ディーゼルエ
ンジン用潤滑油組成物),ギヤ油,軸受油,変速機油,
ショックアブソーバー油および工業用潤滑油として使用
することができる。本発明においては、潤滑油に通常配
合される酸化防止剤,耐摩耗剤,粘度指数向上剤,流動
点降下剤およびその他の添加剤を使用してもよく、本発
明の清浄分散剤の作用を阻害するものではない。
【0042】
【実施例】次に、参考例,実施例および比較例に基づい
て本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら
によって制限されるものではない。硫化アルキルフェノ
ールの製造例を参考例に示す。 参考例1(硫化ヘキサデシルフェノールの製造1) 1リットル(L)フラスコ中に、フェノールと直鎖1−
ヘキサデセンを反応させて得られたヘキサデシルフェノ
ール319g(1モル),硫黄16g( 0.5モル),水
酸化カルシウム37g( 0.5モル)及びエチレングリコ
ール31g( 0.5モル)を入れ、窒素気流下135℃で
4時間反応させた。160℃に昇温し、未反応のエチレ
ングリコールと生成水を減圧留去し、40℃に降温し
た。ヘキサン500mlを入れ、4N塩酸で中和した。
ヘキサン溶液を水洗し、ヘキサン及び未反応のヘキサン
デシルフェノールを減圧留去した。得られた硫化ヘキサ
ンデシルフェノール(収量170g)は、電界離脱イオ
ン化質量分析のピーク強度比の結果より、一般式(I)
におけるmが1〜3であり,zが1〜3であり,(z=
1):(z=2):(z=3)=84:13:2である
化合物で、硫黄分5.10重量%であった。
【0043】参考例2(硫化ヘキサデシルフェノールの
製造2) 窒素導入管および塩化水素スクラバーに接続した窒素排
出管を備えた1Lフラスコにヘキサデシルフェノール3
19g(1モル)とヘキサン200gを入れ、均一にな
るように攪拌した。窒素を100ml/minで吹き込
みながら、室温で一塩化硫黄41g(0.3モル)を約3
0分かけて添加し、2時間反応させた。そして、ヘキサ
ンおよび未反応のヘキサデシルフェノールを減圧留去し
た。得られた硫化ヘキサデシルフェノール(収量264
g)は、電界脱離イオン化質量分析のピーク強度比の結
果より、一般式(I)におけるmが1〜3であり、Zが
1〜3であり、(Z=1):(Z=2)=92:8であ
る化合物の混合物であり、硫黄分4.94重量%であっ
た。
【0044】参考例3(炭素数20〜22の硫化アルキ
ルフェノールの製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノールと直鎖
の1−エイコセンとドコセンを反応して得られたアルキ
ルフェノールの混合物389g(1モル)を使用した以
外は、参考例2と同様に反応を行った。蒸留精製は行わ
ないで得られた硫化アルキルフェノールの収量は403
gであり、硫黄分は4.88重量%であった。
【0045】参考例4(硫化ドデシルフェノール(直
鎖)の製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノールと直鎖
の1−ドデセンを反応して得られたドデシルフェノール
262g(1モル)を使用した以外は、参考例1と同様
に反応を行った。得られた硫化ドデシルフェノール(直
鎖)の収量は214gであり、硫黄分は7.22重量%で
あった。
【0046】参考例5(硫化ドデシルフェノール(分
岐)の製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノールとプロ
ピレンの4量体のドデセンを反応して得られたドデシル
フェノール262g(1モル)を使用した以外は、参考
例1と同様に反応を行った。得られた硫化ドデシルフェ
ノール(分岐)の収量は213gであり、硫黄分は7.2
8重量%であった。
【0047】参考例6(硫化ノニルフェノールの製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノールとプロ
ピレンの3量体のノネンを反応して得られたノニルフェ
ノール221g(1モル)を使用した以外は、参考例1
と同様に反応を行った。得られた硫化ノニルフェノール
の収量は179gであり、硫黄分は8.41重量%であっ
た。
【0048】参考例7(硫化フェノールの製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノール94g
(1モル)を使用した以外は、参考例1と同様に反応を
行った。得られた硫化フェノールの収量は76gであ
り、硫黄分は24.6重量%であった。
【0049】参考例8(炭素数26〜28の硫化アルキ
ルフェノールの製造) ヘキサデシルフェノールの代わりに、フェノールと直鎖
の1−ヘキサコセンとオクタコセンを反応して得られた
アルキルフェノールの混合物473g(1モル)を使用
した以外は、参考例2と同様に反応を行った。蒸留精製
は行わないで得られた硫化アルキルフェノールの収量は
480gであり、硫黄分は3.72重量%であった。
【0050】実施例1 1Lオートクレーブ中に、ポリブテン(Mw:987)
1100g,臭化セチル6.4g( 0.021モル),無水
マレイン酸115g( 1.2モル)を入れ、窒素置換し、
240℃で5時間反応させた。215℃に降温し、未反
応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し、140
℃に降温して濾過した。得られたポリブテニル無水コハ
ク酸の収量は1099g,ケン化価は80mgKOH/
gであった。2Lセパラブルフラスコ中に、得られたポ
リブテニル無水コハク酸500g,テトラエチレンペン
タミン(TEPA)64g( 0.34モル),鉱油300
gを入れ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。2
00℃に昇温し未反応のTEPAと生成水を減圧留去
し、140℃に降温して濾過した。得られたポリブテニ
ルコハク酸イミドの収量は784g、塩基価は78mg
KOH/g,動粘度(100℃)は147cStであっ
た。500mlセパラブルフラスコ中に、得られたポリ
ブテニルコハク酸イミド104g,参考例1で製造した
硫化ヘキサデシルフェノール37.1g及びパラホルムア
ルデヒド3.5g( 0.116モル)を入れ、120℃で4
時間、更に160℃で1時間反応させた。160℃で未
反応のパラホルムアルデヒドと生成水を減圧留去し、1
40℃に降温して濾過した。得られた反応生成物の収量
は127gであった。反応生成物の性状を第1表に示
す。
【0051】実施例2 500mlセパラブルフラスコ中に、実施例1で得られ
たポリブテニルコハク酸イミド107g(ポリブテニル
コハク酸とテトラエチレンペンタミンの比率を第3表に
示す。残部は鉱油である。),参考例2で製造した硫化
ヘキサデシルフェノール35.7g及びパラホルムアルデ
ヒド3.4g( 0.113モル)を使用した以外は、実施例
1と同様に反応を行った。得られた反応生成物の収量は
129gであった。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0052】実施例3 参考例3で得られた炭素数20〜22の硫化アルキルフ
ェノール45.4gを使用した以外は、実施例2と同様に
反応を行った。得られた反応生成物の収量は128gで
あった。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0053】実施例4 参考例4で得られた硫化ドデシルフェノール(直鎖)3
0.5gを使用した以外は、実施例2と同様に反応を行っ
た。得られた反応生成物の収量は113gであった。反
応生成物の性状を第1表に示す。
【0054】実施例5 参考例5で得られた硫化ドデシルフェノール(分岐)3
0.5gを使用した以外は、実施例2と同様に反応を行っ
た。得られた反応生成物の収量は112gであった。反
応生成物の性状を第1表に示す。
【0055】実施例6 参考例6で得られた硫化ノニルフェノール25.1gを使
用した以外は、実施例2と同様に反応を行った。得られ
た反応生成物の収量は107gであった。反応生成物の
性状を第1表に示す。
【0056】実施例7 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリブテン(M
w:800)914gを使用した以外は、実施例1と同
様に反応を行った。得られたポリブテニル無水コハク酸
の収量は943g、ケン化価は95mgKOH/gであ
った。次いで、得られたポリブテニル無水コハク酸50
0g,TEPA76.1g(0.40モル)および鉱油30
0gを使用し、実施例1と同様に反応を行った。得られ
たポリブテニルコハク酸イミドの収量は812g、塩基
価は85mgKOH/g、動粘度(100℃)は107
cStであった。さらに、得られたポリブテニルコハク
酸イミド107g,参考例2で得られた硫化ヘキサデシ
ルフェノール37.5gおよびパラホルムアルデヒド3.4
g(0.113モル)を使用した以外は、実施例1と同様
に反応を行った。得られた反応生成物の収量は130g
であった。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0057】実施例8 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリブテン(M
w:445)890g,臭化セチル11g(0.036モ
ル)および無水マレイン酸397g(2.1モル)を使用
した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた
ポリブテニル無水コハク酸の収量は991g、ケン化価
は141mgKOH/gであった。次いで、得られたポ
リブテニル無水コハク酸500g,TEPA113g
(0.60モル)および鉱油300gを使用し、実施例1
と同様に反応を行った。得られたポリブテニルコハク酸
イミドの収量は847g、塩基価は125mgKOH/
g、動粘度(100℃)は140cStであった。さら
に、得られたポリブテニルコハク酸イミド107g,参
考例2で得られた硫化ヘキサデシルフェノール59.0g
およびパラホルムアルデヒド3.4g(0.113モル)を
使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得ら
れた反応生成物の収量は143gであった。反応生成物
の性状を第1表に示す。
【0058】実施例9 1Lセパラブルフラスコ中に、実施例1で得られたポリ
ブテニルコハク酸イミド237gと硼酸28.0gを入
れ、窒素気流下150℃で4時間反応させた。150℃
で生成水を減圧留去し、140℃に降温して濾過した。
得られた反応生成物の収量は238g、塩基価は61m
gKOH/gであった。500mlセパラブルフラスコ
中に、得られた硼素系ポリブテニルコハク酸イミド11
1g,参考例2で製造した硫化ヘキサデシルフェノール
35.7g及びパラホルムアルデヒド3.4g( 0.113モ
ル)を入れ、120℃で4時間、更に160℃で1時間
反応させた。160℃で未反応のパラホルムアルデヒド
と生成水を減圧留去し、140℃に降温して濾過した。
得られた反応生成物の収量は125gであった。反応生
成物の性状を第1表に示す。
【0059】実施例10 1Lオートクレーブ中に、ポリデセン(Mw:203
8)240g,臭化セチル0.9g( 0.003モル),無
水マレイン酸63g( 0.64モル)を入れ、窒素置換
し、248℃で5時間反応させた。215℃に降温し、
未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し、1
40℃に降温して濾過した。得られたポリデセニル無水
コハク酸の収量は217g,ケン化価は42mgKOH
/gであった。1Lセパラブルフラスコ中に、得られた
ポリブテニル無水コハク酸200g,TEPA13g(
0.07モル),鉱油105gを入れ、窒素気流下150
℃で2時間反応させた。200℃に昇温し未反応のTE
PAと生成水を減圧留去し、140℃に降温して濾過し
た。得られたポリデセニルコハク酸イミドの収量は26
6g、塩基価は41mgKOH/g,動粘度(100
℃)は32cStであった。500mlセパラブルフラ
スコ中に、得られたポリデセニルコハク酸イミド225
g,参考例1で製造した硫化ヘキサデシルフェノール4
0g及びパラホルムアルデヒド3.8g( 0.125モル)
を入れ、120℃で4時間、更に160℃で1時間反応
させた。160℃で未反応のパラホルムアルデヒドと生
成水を減圧留去し、140℃に降温して濾過した。得ら
れた反応生成物の収量は216gであった。反応生成物
の性状を第1表に示す。
【0060】実施例11 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリデセン(M
w:909)909g,臭化セチル5.5g(0.018モ
ル)および無水マレイン酸103g(1.05モル)を使
用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られ
たポリデセニル無水コハク酸の収量は937g、ケン化
価は60mgKOH/gであった。次いで、得られたポ
リデセニル無水コハク酸500g,TEPA50.5g
(0.267モル)および鉱油300gを使用し、実施例
1と同様に反応を行った。得られたポリデセニルコハク
酸イミドの収量は782g、塩基価は52mgKOH/
g、動粘度(100℃)は48cStであった。さら
に、得られたポリデセニルコハク酸イミド107g,参
考例2で得られた硫化ヘキサデシルフェノール41.6g
およびパラホルムアルデヒド4.0g(0.132モル)を
使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得ら
れた反応生成物の収量は138gであった。反応生成物
の性状を第1表に示す。
【0061】実施例12 ポリブテン(Mw:987)の代わりにポリデセン(M
w:545)1090g,臭化セチル11g(0.036
モル)および無水マレイン酸397g(2.1モル)を使
用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られ
たポリデセニル無水コハク酸の収量は1153g、ケン
化価は116mgKOH/gであった。次いで、得られ
たポリデセニル無水コハク酸500g,TEPA98g
(0.519モル)および鉱油300gを使用し、実施例
1と同様に反応を行った。得られたポリデセニルコハク
酸イミドの収量は814g、塩基価は77mgKOH/
g、動粘度(100℃)は67cStであった。さら
に、得られたポリデセニルコハク酸イミド107g,参
考例2で得られた硫化ヘキサデシルフェノール59.1g
およびパラホルムアルデヒド5.6g(0.187モル)を
使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得ら
れた反応生成物の収量は153gであった。反応生成物
の性状を第1表に示す。
【0062】実施例13 参考例2で得られた硫化ヘキサデシルフェノール71.4
gを使用した以外は、実施例2と同様に反応を行った。
得られた反応生成物の収量は156gであった。反応生
成物の性状を第1表に示す。
【0063】実施例14 500mlセパラブルフラスコ中に、TEPA9.4g
(0.05モル)を入れ、パラホルムアルデヒド3.4g
(0.113モル)を添加した。さらに、参考例2で得ら
れた硫化ヘキサデシルフェノール35.7gを添加し、1
20℃で4時間反応させた。反応系を140℃に昇温
し、軽質分を減圧留去した。ポリブテニル無水コハク酸
69.9g(0.053モル)および鉱油37.1gを入れ、
140℃で2時間、さらに160℃で1時間反応させ
た。次いで、160℃で軽質分を減圧留去し、140℃
に降温して濾過を行った。得られた反応生成物の収量は
120gであった。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0064】比較例1 実施例1で得られたポリブテニルコハク酸イミド自体を
清浄分散剤として用いた。このポリブテニルコハク酸イ
ミドの性状を第1表に示す。
【0065】比較例2 硫化ヘキサデシルフェノールの代わりにヘキサデシルフ
ェノール15.9g(0.05モル)を使用した以外は、実
施例1と同様に反応を行った。得られた反応生成物の収
量は108gであった。反応生成物の性状を第1表に示
す。
【0066】比較例3 硫化ヘキサデシルフェノールの代わりに参考例6で得ら
れた硫化フェノール10.9g( 0.05モル)を用いた以
外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた反応生
成物の収量は81gであった。反応生成物の性状を第1
表に示す。
【0067】比較例4 硫化ヘキサデシルフェノールの代わりにフェノール4.7
g( 0.05モル)を用いた以外は、実施例1と同様に反
応を行った。得られた反応物にグリコール酸7.6g(0.
1モル)を入れ、窒素気流下160℃で4時間反応さ
せ、生成水を留去し、140℃に降温して濾過した。得
られた反応生成物の収量は94gであった。反応生成物
の性状を第1表に示す。
【0068】比較例5 参考例7で製造した炭素数26〜28の硫化アルキルフ
ェノール55.5gを使用以外は、実施例2と同様に反応
を行った。得られた反応生成物の収量は108gであっ
た。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0069】比較例6 ポリブテニルコハク酸イミドの代わりにドデセニルコハ
ク酸イミド107g,参考例2で得られた硫化ヘキサデ
シルフェノール112gおよびパラホルムアルデヒド1
0.7g(0.355モル)を使用した以外は、実施例2と
同様に反応を行った。得られた反応生成物の収量は19
3gであった。反応生成物の性状を第1表に示す。
【0070】比較例7 500mlセパラブルフラスコ中に、TEPA37.6g
(0.2モル)を入れ、パラホルムアルデヒド13.6g
(0.452モル)を添加した。さらに、参考例2で得ら
れた硫化ヘキサデシルフェノール142.8gを添加し、
120℃で4時間反応させた。さらに160℃で1時間
反応させた。次いで、160℃で軽質分を減圧留去し、
140℃に降温して濾過を行った。得られた反応生成物
の収量は150gであった。反応生成物の性状を第1表
に示す。
【0071】比較例8 参考例2で得られた硫化ヘキサデシルフェノール17.9
gを使用した以外は、実施例2と同様に反応を行った。
得られた反応生成物の収量は111gであった。反応生
成物の性状を第1表に示す。
【0072】次に、本発明の清浄分散剤の優秀な性能を
ホットチューブ試験,パネルコーキング試験,酸化安定
度試験および低温みかけ粘度試験をもって実証する。得
られた評価結果を第2表に示す。 実施例1〜12および比較例1〜7の試験 ホットチューブ試験,パネルコーキング試験及び酸化安
定度試験は、95重量%の500ニュートラル留分の鉱
油に上記の各実施例又は比較例の無灰清浄分散剤をそれ
ぞれ5重量%配合して試験油とした。
【0073】ここで、低温みかけ粘度試験は、90重量
%の150ニュートラル留分の鉱油に上記の各実施例又
は比較例の無灰清浄分散剤をそれぞれ10重量%配分し
て試験油とした。また、製造条件の違いによる本発明の
清浄分散剤の性能を、ホットチューブ試験,パネルコー
キング試験及び酸化安定度試験の試験例で実証する。用
いる原料の比率と評価結果を第3表に示す。
【0074】実施例2,13,14および比較例8の試
験 試験油の調製は、上記実施例1と同様に行った。
【0075】さらに、本発明の潤滑油組成物において、
内燃機関用潤滑油組成物として優秀な性能を有すること
をホットチューブ試験,パネルコーキング試験,酸化安
定度試験および簡易ディーゼルエンジン試験の試験例を
もって実証する。得られた評価結果を第4表に示す。
【0076】実施例15の試験 23重量%の150ニュートラル留分の鉱油および65
重量%の500ニュートラル留分の鉱油に、実施例9で
得られた清浄分散剤を12重量%配合して試験油とし
た。
【0077】実施例9の試験 実施例9の清浄分散剤の代わりに、実施例9の硼素系ポ
リブテニルコハク酸イミドを8.2重量%,参考例5の硫
化ノニルフェノールを3.5重量%および2,5−ビス
(ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールを0.3
重量%を配合して試験油とした。
【0078】各試験の条件は次の通りである。 (ホットチューブ試験)内径2mmのガラス管中に供試
油0.3ミリリットル/Hr,空気10ミリリットル/m
inをガラス管の温度を230℃あるいは290℃に保
ちながら16時間流し続けた。ガラス管中に付着したラ
ッカーと色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の
場合は0点として評点を付けた。あわせてガラス管中に
付着したラッカーの重量を測定した。
【0079】(パネルコーキング試験)Fed 791
B Method 3462(1969)に準拠し、パ
ネル温度300℃,油温度100℃,3時間の条件で行
った。 (酸化安定度試験)JIS K 2514に準拠し、1
65.5℃,48時間の条件で行った。なお、実施例15
と比較例9については72時間の条件で試験を行った。
【0080】(低温みかけ粘度試験)JIS K 22
15 4−15に準拠し、−20℃の条件で行った。 (簡易ディーゼルエンジン試験)ヤンマーディーゼル製
の280cc単気筒エンジンを用い、定格の130%
(回転数2600rpm,出力4.8kW)、油温および
水温120℃の条件で出力低下までの耐久時間を測定し
た。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【発明の効果】以上の如く、本発明のマンニッヒ反応生
成物は、酸化安定性を有し、特に優れた高温安定性を発
揮し、230℃におけるホットチューブ試験でも安定で
あり、従来に比べて約3倍向上した高温安定性を示し、
炭化水素油用及び合成油用の優れた清浄分散剤として有
用である。したがって、本発明のマンニッヒ反応生成物
は、その利用範囲が広く、実用的価値が極めて高いもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:24 125:26) C10N 30:04 30:10 40:25 60:14 (72)発明者 後藤 雅久 千葉県市原市姉崎海岸24番地4 出光興産 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルケニルコハク酸あるいはポリア
    ルケニル無水コハク酸とポリアミン,アルデヒドおよび
    一般式(I) 【化1】 〔式中、R2 は炭素数4〜25のアルキル基を示し、m
    は1〜8の整数を示し、xは1又は2を示し、zは1〜
    9の整数を示す。〕で表される硫化アルキルフェノール
    を反応させて得られるマンニッヒ反応生成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルケニルコハク酸あるいはポリア
    ルケニル無水コハク酸とポリアミン,アルデヒド,一般
    式(I) 【化2】 〔式中、R2 は炭素数4〜25のアルキル基を示し、m
    は1〜8の整数を示し、xは1又は2を示し、zは1〜
    9の整数を示す。〕で表される硫化アルキルフェノール
    および硼素含有化合物を反応させて得られるマンニッヒ
    反応生成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のマンニッヒ反応
    生成物を製造するにあたり、ポリアミン1モルに対し、
    一般式(I) 【化3】 〔式中、R2 は炭素数4〜25のアルキル基を示し、m
    は1〜8の整数を示し、xは1又は2を示し、zは1〜
    9の整数を示す。〕で表される硫化アルキルフェノール
    を1モル以上反応させることを特徴とするマンニッヒ反
    応生成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の反応生成物から
    なる清浄分散剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の清浄分散剤を含有する潤
    滑油組成物。
  6. 【請求項6】 鉱油および/または合成油からなる基油
    に請求項4記載の清浄分散剤を含有する内燃機関用潤滑
    油組成物。
  7. 【請求項7】 鉱油および/または合成油からなる基油
    に請求項4記載の清浄分散剤を含有するディーゼルエン
    ジン用潤滑油組成物。
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