JPH05295373A - 燃料組成物の製造法 - Google Patents
燃料組成物の製造法Info
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- JPH05295373A JPH05295373A JP13958292A JP13958292A JPH05295373A JP H05295373 A JPH05295373 A JP H05295373A JP 13958292 A JP13958292 A JP 13958292A JP 13958292 A JP13958292 A JP 13958292A JP H05295373 A JPH05295373 A JP H05295373A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は粘弾性流体燃料の貯蔵性、熱安定性及
び燃焼性の改良を目的とする。 【構成】混練中のアスファルトに、別途作成した水及び
アスァルトより構成される水中油分散型エマンジョン燃
料を投入し、曳糸性を示す条件の下で混練した。この組
成物は、構造が油中水分散型エマルジョンに転換されて
いた。 【効果】アスファルト等を素材とする水中油分散型エマ
ルジョン燃料は、素材が持つ付着性を制限する事により
輸送性を改善する事が出来るが、貯蔵の際の安定性、燃
焼装置内での燃焼性に問題があり、油中水分散型の方が
好適である。エマルジョン燃料の構造を、水中油分散型
あるいは油中水分散型と使い分ける事により、輸送、貯
蔵、燃焼の各段階に於いて処理が容易となる。これによ
り、アスファルト、コールタールピッチの様な粘弾性体
を素材とする流体燃料の、汎用燃料としての用途を拡大
することが可能となった。
び燃焼性の改良を目的とする。 【構成】混練中のアスファルトに、別途作成した水及び
アスァルトより構成される水中油分散型エマンジョン燃
料を投入し、曳糸性を示す条件の下で混練した。この組
成物は、構造が油中水分散型エマルジョンに転換されて
いた。 【効果】アスファルト等を素材とする水中油分散型エマ
ルジョン燃料は、素材が持つ付着性を制限する事により
輸送性を改善する事が出来るが、貯蔵の際の安定性、燃
焼装置内での燃焼性に問題があり、油中水分散型の方が
好適である。エマルジョン燃料の構造を、水中油分散型
あるいは油中水分散型と使い分ける事により、輸送、貯
蔵、燃焼の各段階に於いて処理が容易となる。これによ
り、アスファルト、コールタールピッチの様な粘弾性体
を素材とする流体燃料の、汎用燃料としての用途を拡大
することが可能となった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】近時、流体エネルギーが燃料とし
て利用されるようになり、液化ガス、COM、CWMと
いった具合にガスから石炭迄が流体化エネルギーとなっ
て利用されるようになった。 更に今回、天然アスファ
ルトと云われているビチュメンが、オリマルジョンと云
われる水中油分散型エマルジョン燃料として日本に上陸
してきた。この発明は、例えば天然アスファルトの如く
粘弾性を有する未利用の燃料資源に関し、輸送性に富む
水中油分散型エマルジョン(以下O/Wと略す)にて送
付された、含水量が多く燃焼性に乏しい資源を、廉価且
つ安定な燃焼性に富んだ資源、油中水分散型エマルジョ
ン(以下W/Oと略す)に変換する方法に関するもので
ある。此処に云う未利用の燃料資源とは、巷間原油究極
可採掘量の4倍の埋蔵量を持ちながら、天然アスファル
トという名称で容易に類推し得るようにアスファルトの
如き粘弾性を有し、その為に利用されなかった燃料資
源、或いは、同様に粘弾性が邪魔になって燃料用途で歓
迎されていないコールタールピッチ等をいう。種々の未
利用資源が、この物性により燃料としての利用の道を失
っている。従って、この未利用資源の粘弾性という物性
を制御し、これら未利用資源を燃料、化学原料に利用さ
れる道を見出す事は、価値有ることということができ
る。今回の発明は、未利用、或いは、貧利用粘弾性資源
を、主として汎用燃料として利用する方法に関する。
て利用されるようになり、液化ガス、COM、CWMと
いった具合にガスから石炭迄が流体化エネルギーとなっ
て利用されるようになった。 更に今回、天然アスファ
ルトと云われているビチュメンが、オリマルジョンと云
われる水中油分散型エマルジョン燃料として日本に上陸
してきた。この発明は、例えば天然アスファルトの如く
粘弾性を有する未利用の燃料資源に関し、輸送性に富む
水中油分散型エマルジョン(以下O/Wと略す)にて送
付された、含水量が多く燃焼性に乏しい資源を、廉価且
つ安定な燃焼性に富んだ資源、油中水分散型エマルジョ
ン(以下W/Oと略す)に変換する方法に関するもので
ある。此処に云う未利用の燃料資源とは、巷間原油究極
可採掘量の4倍の埋蔵量を持ちながら、天然アスファル
トという名称で容易に類推し得るようにアスファルトの
如き粘弾性を有し、その為に利用されなかった燃料資
源、或いは、同様に粘弾性が邪魔になって燃料用途で歓
迎されていないコールタールピッチ等をいう。種々の未
利用資源が、この物性により燃料としての利用の道を失
っている。従って、この未利用資源の粘弾性という物性
を制御し、これら未利用資源を燃料、化学原料に利用さ
れる道を見出す事は、価値有ることということができ
る。今回の発明は、未利用、或いは、貧利用粘弾性資源
を、主として汎用燃料として利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビチュメン、アスファルト、コールター
ルピッチの如き物質が資源として利用されなかった理由
は、常温、剪断力の掛かっていない状態の下では、粘弾
性(Visco−Elasticity)で代表される
ように、付着性に富み、高粘性であり、力が掛る場合に
変形するといった特性を持ち、取扱いにくい性質に起因
するところが多かった。 アスファルトの場合、低沸点
の液体油と混合して低粘性油とするか、又は温度を上昇
し流体化、燃料として利用してきた。 ビチュメンの場
合には、カナダ・シンクルードが合成原油を製造してい
るが、合成ガソリンならば兎も角、合成原油では競合相
手が原油であり、とても天然品との競合は難しいと考え
られる。
ルピッチの如き物質が資源として利用されなかった理由
は、常温、剪断力の掛かっていない状態の下では、粘弾
性(Visco−Elasticity)で代表される
ように、付着性に富み、高粘性であり、力が掛る場合に
変形するといった特性を持ち、取扱いにくい性質に起因
するところが多かった。 アスファルトの場合、低沸点
の液体油と混合して低粘性油とするか、又は温度を上昇
し流体化、燃料として利用してきた。 ビチュメンの場
合には、カナダ・シンクルードが合成原油を製造してい
るが、合成ガソリンならば兎も角、合成原油では競合相
手が原油であり、とても天然品との競合は難しいと考え
られる。
【0003】極く最近、オリマルジョンというビチュメ
ンを水中に乳化した物質が日本に上陸してきた。 この
発想は、COM、CWMの延長線上にあり、合成原油で
はなく、ただ粘弾性という厄介な物性を制御し、エマル
ジョン化することにより流体化、ハンドリングをよくし
たものである。 この技術の根幹は、アスファルト乳剤
として古くから利用されている技術であり、目新しいも
のではない。ただアスファルト乳剤は骨剤の如き無機物
質を大量に入れて混合し、加熱して塗装し、含有水分を
加熱、加圧状態で除去、固化しているところに独自の目
標と技術的特徴がある。この類似技術に関しては、エマ
ルジョン重合したビニリデンクロライドと塩化ビニルの
共重合塗料のシンターリングがある。 このものは加
熱、加圧ではなく、エマルジョン粒子間より水が蒸発す
るさいに生ずる圧力を利用して皮膜を合成しており、共
通した目的と技術思想がある。これら二つの技術には、
当初より目的が明確でありそれに対応する無駄のない技
術思想があるが、オリマルジョンに関しては、粘弾性を
殺して輸送可能な流体に変換するという以外に目的が見
当たらない。即ち、燃料として用いる場合の、温度、貯
蔵安定性、燃焼性についての疑問点が残っている。 エ
マルジョン燃焼に関しては、三菱石油、クリノダンが既
に流体油と水のエマルジョンで工業的に行っているが、
何れの場合も、W/O型を用いている。
ンを水中に乳化した物質が日本に上陸してきた。 この
発想は、COM、CWMの延長線上にあり、合成原油で
はなく、ただ粘弾性という厄介な物性を制御し、エマル
ジョン化することにより流体化、ハンドリングをよくし
たものである。 この技術の根幹は、アスファルト乳剤
として古くから利用されている技術であり、目新しいも
のではない。ただアスファルト乳剤は骨剤の如き無機物
質を大量に入れて混合し、加熱して塗装し、含有水分を
加熱、加圧状態で除去、固化しているところに独自の目
標と技術的特徴がある。この類似技術に関しては、エマ
ルジョン重合したビニリデンクロライドと塩化ビニルの
共重合塗料のシンターリングがある。 このものは加
熱、加圧ではなく、エマルジョン粒子間より水が蒸発す
るさいに生ずる圧力を利用して皮膜を合成しており、共
通した目的と技術思想がある。これら二つの技術には、
当初より目的が明確でありそれに対応する無駄のない技
術思想があるが、オリマルジョンに関しては、粘弾性を
殺して輸送可能な流体に変換するという以外に目的が見
当たらない。即ち、燃料として用いる場合の、温度、貯
蔵安定性、燃焼性についての疑問点が残っている。 エ
マルジョン燃焼に関しては、三菱石油、クリノダンが既
に流体油と水のエマルジョンで工業的に行っているが、
何れの場合も、W/O型を用いている。
【0004】本発明者等は、粘弾性流体としてアスファ
ルト、ビチュメン、コールタールに関し詳細な実験を行
い、特に燃焼性に関するW/O、O/Wの双方に関して
は、噴霧状態試験、実燃焼試験を詳細に行い、乳化粘弾
性燃料に関しては流体油の三菱石油、クリノダンの結論
は本発明者の粘弾性体にも適用しうることを確認した。
粘弾性体のO/Wエマルジョンに関しては、確かに輸送
面では好ましい結果が得られている。 然し、本発明者
等が得た知見では、燃焼性に関してはW/Oエマルジョ
ンの方が優れているという結論を崩す結果は得られてい
ない。この結果を総合し、現時点でのオリマルジョンは
流体輸送可能な状態となっているのであるから、既に商
業規模で消費されているCOM、CWMと同様に使用す
ればよいという思想ではないかと推定している。 即
ち、燃焼性に関する技術に尚、問題が残っているように
思われる。
ルト、ビチュメン、コールタールに関し詳細な実験を行
い、特に燃焼性に関するW/O、O/Wの双方に関して
は、噴霧状態試験、実燃焼試験を詳細に行い、乳化粘弾
性燃料に関しては流体油の三菱石油、クリノダンの結論
は本発明者の粘弾性体にも適用しうることを確認した。
粘弾性体のO/Wエマルジョンに関しては、確かに輸送
面では好ましい結果が得られている。 然し、本発明者
等が得た知見では、燃焼性に関してはW/Oエマルジョ
ンの方が優れているという結論を崩す結果は得られてい
ない。この結果を総合し、現時点でのオリマルジョンは
流体輸送可能な状態となっているのであるから、既に商
業規模で消費されているCOM、CWMと同様に使用す
ればよいという思想ではないかと推定している。 即
ち、燃焼性に関する技術に尚、問題が残っているように
思われる。
【0005】最近の燃料の傾向として、液化ガス、CO
M(Coal Oil Mixture),CWM(C
oal Water Mixture)の如く、気体、
固体を液化し輸送性を向上している例が多い。この延長
線上にオリマルジョンの如きビチュメンの混合燃料を位
置すればよいであろう。 従って、単価を石炭並みに考
えているのも妥当である。 一方、エマルジョン燃料の
如く混合燃料として眺める場合、COMは兎も角、CW
Mは熱量的に大きい無駄を運んでいることとなる。従っ
て、オリマルジョンを考える場合、CWMを想定し、技
術指向して行くのが妥当であろう。 既に、CWMは重
油と併焼していると云われ、その理由はカロリーを別と
すれば、廉価且つ安定に供給しうる輸送のみに留意した
組成物であるからである。 従って、オリマルジョンの
検討を行う場合、詳細にCWMの工業的、経済的価値に
ついての検討が必要であろう。 即ち、輸送性を向上
し、廉価且つ安定に供給されるようにはなったが、燃焼
を如何に廉価且つ安定に行うかのスキムが、オリマルジ
ョンには見当たらないからである。 その目的地は、通
常C−重油が用いられている汎用設備である。
M(Coal Oil Mixture),CWM(C
oal Water Mixture)の如く、気体、
固体を液化し輸送性を向上している例が多い。この延長
線上にオリマルジョンの如きビチュメンの混合燃料を位
置すればよいであろう。 従って、単価を石炭並みに考
えているのも妥当である。 一方、エマルジョン燃料の
如く混合燃料として眺める場合、COMは兎も角、CW
Mは熱量的に大きい無駄を運んでいることとなる。従っ
て、オリマルジョンを考える場合、CWMを想定し、技
術指向して行くのが妥当であろう。 既に、CWMは重
油と併焼していると云われ、その理由はカロリーを別と
すれば、廉価且つ安定に供給しうる輸送のみに留意した
組成物であるからである。 従って、オリマルジョンの
検討を行う場合、詳細にCWMの工業的、経済的価値に
ついての検討が必要であろう。 即ち、輸送性を向上
し、廉価且つ安定に供給されるようにはなったが、燃焼
を如何に廉価且つ安定に行うかのスキムが、オリマルジ
ョンには見当たらないからである。 その目的地は、通
常C−重油が用いられている汎用設備である。
【0006】ではオリマルジョンで燃焼時問題になる点
はどこにあるだろうか?カナダのオイルサンド、ビチュ
メンの経験から、(1).エマルジョンの貯蔵、熱安定
性、燃焼安定性、(2).O/W燃料の特性として見ら
れる完全燃焼性、以上が問題になるであろう。(1).
は、従来の経験では比重をほぼ同じくするエマルジョン
の安定性は良好であるはずであるが、本発明者が作成し
たカナダ・ビチュメンエマルジョンの安定性はよくな
く、特に温度に対する安定性に問題があった。次に、こ
れも本発明者の経験であるが、(2).に関し前述の如
く燃焼に関してはO/WよりW/Oが優れているという
結果を得ている。
はどこにあるだろうか?カナダのオイルサンド、ビチュ
メンの経験から、(1).エマルジョンの貯蔵、熱安定
性、燃焼安定性、(2).O/W燃料の特性として見ら
れる完全燃焼性、以上が問題になるであろう。(1).
は、従来の経験では比重をほぼ同じくするエマルジョン
の安定性は良好であるはずであるが、本発明者が作成し
たカナダ・ビチュメンエマルジョンの安定性はよくな
く、特に温度に対する安定性に問題があった。次に、こ
れも本発明者の経験であるが、(2).に関し前述の如
く燃焼に関してはO/WよりW/Oが優れているという
結果を得ている。
【0007】日本の原油依存度は、30〜35%まで低
下する必要があるだろう。 そのために石炭、ビチュメ
ン、或いは使い捨て、消費は美徳であるといった時代の
遺物を、エネルギーとして回収しなければならぬ時代
が、既に来ていると考える。川下直結技術に関しては得
意であるが、川上に関しては駄目な日本の特徴は、産業
廃棄物の如き、究極的末端な未利用資源の有効利用に関
し得意な領域と考えるが、如何なものだろうか?以上に
示した、ビチュメン燃料化に関する二つの廉価且つ安定
な解決が既に10年経過後も行われておらず、此処に、
この未利用資源が工業的に利用されていない理由がある
と考えても差し支えないであろう。
下する必要があるだろう。 そのために石炭、ビチュメ
ン、或いは使い捨て、消費は美徳であるといった時代の
遺物を、エネルギーとして回収しなければならぬ時代
が、既に来ていると考える。川下直結技術に関しては得
意であるが、川上に関しては駄目な日本の特徴は、産業
廃棄物の如き、究極的末端な未利用資源の有効利用に関
し得意な領域と考えるが、如何なものだろうか?以上に
示した、ビチュメン燃料化に関する二つの廉価且つ安定
な解決が既に10年経過後も行われておらず、此処に、
この未利用資源が工業的に利用されていない理由がある
と考えても差し支えないであろう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】粘弾性流体燃料の
(1)に示した貯蔵、熱安定性の改良、及び(2)燃焼
性の改良を行い、汎用燃焼設備による汎用燃料の製造。
(1)に示した貯蔵、熱安定性の改良、及び(2)燃焼
性の改良を行い、汎用燃焼設備による汎用燃料の製造。
【0009】
【課題を解決するための手段】現状では、(1)(2)
に示した欠陥を持つ物質は、輸送性良好な流体ではある
が、燃焼に際しては適当と考えられぬ点が多く、そのま
まではCWMの経過を辿るであろう。即ち、輸送性を向
上し燃料として必要な輸送費を廉価にしたのは事実であ
る。然し、10年間を経て燃料として利用されないの
は、何か大きい根本的な理由があると考えて差し支えが
ないと思う。 それは多分、燃焼性にあると考える。即
ち、輸送性良好な物質は、必ずしも燃焼性良好ではない
という事である。廉価且つ安定に供給される組成物を、
廉価且つ安定な燃料にする為の手段が必要であり、その
為には輸送性良好な組成物を更に燃焼適性を持つ組成物
に変換し、経常使用している汎用設備で普遍的に燃焼す
るようにすればよい。
に示した欠陥を持つ物質は、輸送性良好な流体ではある
が、燃焼に際しては適当と考えられぬ点が多く、そのま
まではCWMの経過を辿るであろう。即ち、輸送性を向
上し燃料として必要な輸送費を廉価にしたのは事実であ
る。然し、10年間を経て燃料として利用されないの
は、何か大きい根本的な理由があると考えて差し支えが
ないと思う。 それは多分、燃焼性にあると考える。即
ち、輸送性良好な物質は、必ずしも燃焼性良好ではない
という事である。廉価且つ安定に供給される組成物を、
廉価且つ安定な燃料にする為の手段が必要であり、その
為には輸送性良好な組成物を更に燃焼適性を持つ組成物
に変換し、経常使用している汎用設備で普遍的に燃焼す
るようにすればよい。
【0010】既に、本発明者は約10年前から、ビチュ
メン採取、燃料化に興味を持ち、主として粘弾性流体と
いう観点から、オイル・サンドよりのビチュメン回収、
燃焼、脱硫に関し、研究開発を行ってきた。この工業所
有権は、日本は勿論、先進国にて成立しているものであ
る。(例えば特許第1131774,USA−4455
149)既に、この技術の一部をカナダAOSTRAに
提案してあるが、たまたまオイル・ショックもあり、サ
イトされてはいるが実用化には至っていない状況にあ
る。
メン採取、燃料化に興味を持ち、主として粘弾性流体と
いう観点から、オイル・サンドよりのビチュメン回収、
燃焼、脱硫に関し、研究開発を行ってきた。この工業所
有権は、日本は勿論、先進国にて成立しているものであ
る。(例えば特許第1131774,USA−4455
149)既に、この技術の一部をカナダAOSTRAに
提案してあるが、たまたまオイル・ショックもあり、サ
イトされてはいるが実用化には至っていない状況にあ
る。
【0011】これらの問題の解決手段として、流体輸送
をそのままO/Wで行い、燃料として使用する場所で廉
価且つ安定にW/Oに相反転し、燃焼するのが合理的で
ある。これを実施することにより、W/Oエマルジョン
を恰かもガス燃焼の如き燃焼形態にて燃焼することが可
能になる。この方法は、実施例にて説明しているよう
に、先ずO/Wを廉価且つ安定にW/Oに変換し、この
W/Oエマルジョンを通常の炉中でC−重油と同様に燃
焼することにより行われる。 その際、燃料中に含有す
る微細粒子状の水が蒸発気化しその結果生ずる体積膨脹
により、ビチュメン等の粘弾性体が微細に粉砕され、そ
れに着火することにより、恰かもガス体の如くに燃焼す
るものである。この現象は、O/Wの場合には認められ
ない。
をそのままO/Wで行い、燃料として使用する場所で廉
価且つ安定にW/Oに相反転し、燃焼するのが合理的で
ある。これを実施することにより、W/Oエマルジョン
を恰かもガス燃焼の如き燃焼形態にて燃焼することが可
能になる。この方法は、実施例にて説明しているよう
に、先ずO/Wを廉価且つ安定にW/Oに変換し、この
W/Oエマルジョンを通常の炉中でC−重油と同様に燃
焼することにより行われる。 その際、燃料中に含有す
る微細粒子状の水が蒸発気化しその結果生ずる体積膨脹
により、ビチュメン等の粘弾性体が微細に粉砕され、そ
れに着火することにより、恰かもガス体の如くに燃焼す
るものである。この現象は、O/Wの場合には認められ
ない。
【0012】この方法は、輸送性に富んだO/Wを使用
場所まで輸送し、そこでW/Oに廉価且つ安定に転換す
る事により、貯蔵性良好な燃料組成物とし、なおかつ、
通常使用しているC−重油燃焼装置にて恰かもガス体の
如き燃焼形態で燃焼し得るものであり、必要ならば燃焼
時に生成するSOxを、予めW/Oに相変換する際に燃
料中に硫黄捕捉剤を添加しておくことによりSOxを乾
式で捕捉することも可能とする、汎用燃焼装置による世
界的な未利用資源のエネルギー化を可能にするものであ
る。
場所まで輸送し、そこでW/Oに廉価且つ安定に転換す
る事により、貯蔵性良好な燃料組成物とし、なおかつ、
通常使用しているC−重油燃焼装置にて恰かもガス体の
如き燃焼形態で燃焼し得るものであり、必要ならば燃焼
時に生成するSOxを、予めW/Oに相変換する際に燃
料中に硫黄捕捉剤を添加しておくことによりSOxを乾
式で捕捉することも可能とする、汎用燃焼装置による世
界的な未利用資源のエネルギー化を可能にするものであ
る。
【0013】以上に述べた方法により、先ず(1).の
貯蔵、加熱安定性に関する問題点は、O/WをW/Oに
変換することで解決される。そもそも、主として輸送性
を良好にする目的でO/Wにするのは、粘弾性を制御す
る最も常識的な方法であり、有効な方法の一つであると
は考えられるが、この方法で粘弾性を消滅した組成物
は、その構造を破壊する要因、例えば温度変化、或いは
水分率変化等の乳化物構造上の変化が生ずる場合、容易
にO/Wが破壊され、例えばW/OとO/Wの混合物に
変化する。従って、O/Wを安定に保存するためには水
分蒸発を起させず、温度を制御する等の配慮が必要であ
る。 燃料にこのような配慮が必要ということは、仮に
廉価な燃料組成物であっても決して好ましいことではな
い。
貯蔵、加熱安定性に関する問題点は、O/WをW/Oに
変換することで解決される。そもそも、主として輸送性
を良好にする目的でO/Wにするのは、粘弾性を制御す
る最も常識的な方法であり、有効な方法の一つであると
は考えられるが、この方法で粘弾性を消滅した組成物
は、その構造を破壊する要因、例えば温度変化、或いは
水分率変化等の乳化物構造上の変化が生ずる場合、容易
にO/Wが破壊され、例えばW/OとO/Wの混合物に
変化する。従って、O/Wを安定に保存するためには水
分蒸発を起させず、温度を制御する等の配慮が必要であ
る。 燃料にこのような配慮が必要ということは、仮に
廉価な燃料組成物であっても決して好ましいことではな
い。
【0014】このO/WとW/Oのエマルジョンの安定
性に関しては、本発明者は以下の如き方法にて検証し
た。カナダより送付されたアサバスカ・ビチュメンを試
料とし、高剪断力下、曳糸性を示しながら大変形してい
る状態で混練し、この中に徐々に水を添加しながらW/
Oを作成し、更にこのW/Oに乳化剤として部分鹸化ポ
リビニルアセテート水溶液を添加混練してO/Wを製造
した。この両者の水分量を等しく調整し、両者の安定性
を比較した。 O/Wは、常温にて2〜3日で上部に水
が分離してきたが、W/Oは既に9年目に入っているが
乳化状態の変化がないことを確認している。
性に関しては、本発明者は以下の如き方法にて検証し
た。カナダより送付されたアサバスカ・ビチュメンを試
料とし、高剪断力下、曳糸性を示しながら大変形してい
る状態で混練し、この中に徐々に水を添加しながらW/
Oを作成し、更にこのW/Oに乳化剤として部分鹸化ポ
リビニルアセテート水溶液を添加混練してO/Wを製造
した。この両者の水分量を等しく調整し、両者の安定性
を比較した。 O/Wは、常温にて2〜3日で上部に水
が分離してきたが、W/Oは既に9年目に入っているが
乳化状態の変化がないことを確認している。
【0015】この原因に関して完全には理由が判明して
いない。 多分、静的状態における粘度差は100倍程
度の差があり、O/Wの方の粘度が低い。 従って、乳
化している物質の移動はO/Wの方が容易で、100倍
程度大きく、温度変化に対しても鋭敏な筈である。 こ
れが乳化粒子の安定性を損なっている原因と考えてい
る。一方、静止状態にあるW/Oの粘度は確かに高く、
アスファルトを例にとる場合、沸点が360℃であり、
この中に存在する水は恰かもオートクレーブ中に存在す
る溶剤の如きもので、容易に沸騰、或いは蒸発しない。
これが水等の蒸発をも含む物質移動を妨げ、安定性に
寄与していることは確実である。然し、高剪断力下曳糸
性を示しながら大変形している、所謂、構造粘性が問題
となる領域では、粘度は1/40〜1/80程度に低下
し、O/Wの輸送時の粘度と大きな差があった状態から
は変わってくる。 静的状態における高粘度は、微細に
分散している水粒子の移動を妨げ、凝集を妨げる。 一
方、高剪断力が掛かる状態にあっては、静止状態の時に
形成していた構造を容易に破壊し、新しい安定状態に移
動する。 この安定状態は、高剪断力下、曳糸性を示し
ながら大変形している状態が続く限り継続する。
いない。 多分、静的状態における粘度差は100倍程
度の差があり、O/Wの方の粘度が低い。 従って、乳
化している物質の移動はO/Wの方が容易で、100倍
程度大きく、温度変化に対しても鋭敏な筈である。 こ
れが乳化粒子の安定性を損なっている原因と考えてい
る。一方、静止状態にあるW/Oの粘度は確かに高く、
アスファルトを例にとる場合、沸点が360℃であり、
この中に存在する水は恰かもオートクレーブ中に存在す
る溶剤の如きもので、容易に沸騰、或いは蒸発しない。
これが水等の蒸発をも含む物質移動を妨げ、安定性に
寄与していることは確実である。然し、高剪断力下曳糸
性を示しながら大変形している、所謂、構造粘性が問題
となる領域では、粘度は1/40〜1/80程度に低下
し、O/Wの輸送時の粘度と大きな差があった状態から
は変わってくる。 静的状態における高粘度は、微細に
分散している水粒子の移動を妨げ、凝集を妨げる。 一
方、高剪断力が掛かる状態にあっては、静止状態の時に
形成していた構造を容易に破壊し、新しい安定状態に移
動する。 この安定状態は、高剪断力下、曳糸性を示し
ながら大変形している状態が続く限り継続する。
【0016】以上により、(1).の問題点はO/Wを
W/Oに変換することにより解決されるようになった。
次に、(2).の燃焼状態の改良であるが、一般に燃
焼速度は燃料粒子の径の二乗に逆比例するといわれ、燃
料粒子径が小さければ小さい程燃焼速度が早くなる。
W/Oエマルジョンに於いては、燃焼時、燃料粒子中に
微細に分散した水は炉中で気化し、標準状態に於いても
1300倍に及ぶ急激な体積膨脹を生ずる。 この際、
水を取り巻いているビチュメンの如き粘弾性体は爆砕さ
れ、非常に細かい粒子となる。 この細かい粒子に着火
し、恰かもガス燃焼の如くに燃焼しているのである。こ
の状態にある燃焼に際しては、通常燃焼時に使用するア
トマイザーは必要ないと考えられた。 事実、外部を約
200〜280℃の加熱油にて過加熱した二重直管の内
部にW/Oを層流で沸騰を予防しながら移送し、大気開
放した管末より大気中に噴射する場合、ビチュメンは恰
かも霧の如く噴霧し、この状態を炉中にて造り出し着火
する場合、恰かもガス燃焼の如く燃焼させることが可能
となった。
W/Oに変換することにより解決されるようになった。
次に、(2).の燃焼状態の改良であるが、一般に燃
焼速度は燃料粒子の径の二乗に逆比例するといわれ、燃
料粒子径が小さければ小さい程燃焼速度が早くなる。
W/Oエマルジョンに於いては、燃焼時、燃料粒子中に
微細に分散した水は炉中で気化し、標準状態に於いても
1300倍に及ぶ急激な体積膨脹を生ずる。 この際、
水を取り巻いているビチュメンの如き粘弾性体は爆砕さ
れ、非常に細かい粒子となる。 この細かい粒子に着火
し、恰かもガス燃焼の如くに燃焼しているのである。こ
の状態にある燃焼に際しては、通常燃焼時に使用するア
トマイザーは必要ないと考えられた。 事実、外部を約
200〜280℃の加熱油にて過加熱した二重直管の内
部にW/Oを層流で沸騰を予防しながら移送し、大気開
放した管末より大気中に噴射する場合、ビチュメンは恰
かも霧の如く噴霧し、この状態を炉中にて造り出し着火
する場合、恰かもガス燃焼の如く燃焼させることが可能
となった。
【0017】以上の状態は、粘弾性を有するW/Oの場
合にのみ成立する。 即ち、W/Oの構造は、微細化水
粒子の外部周辺を静止状態にあっては流動しにくい特性
を有する粘弾性体で取り巻き、少々の変動があっても変
動に対抗する粘弾性と云う物性で保護している状態にな
っている。 所が、この状態に高剪断力をかける場合、
この物質の粘度が大幅に低下し、流動しやすい方向に構
造を変化する。所謂、構造粘性である。 燃焼時にこの
大きい変化が生ずる。 それまでタンク中で静止状態に
あったW/Oは頑なに状態の変化を拒み、最も存在しや
すい状態で存在していた。 所が燃焼する際、高剪断力
を与えられ、先ず移動する。更に燃焼ダイスにあって
は、細孔より大きい線速度で炉中に噴射する。 この
際、W/Oにかかる剪断力は、到底混練時の剪断力の比
ではない。
合にのみ成立する。 即ち、W/Oの構造は、微細化水
粒子の外部周辺を静止状態にあっては流動しにくい特性
を有する粘弾性体で取り巻き、少々の変動があっても変
動に対抗する粘弾性と云う物性で保護している状態にな
っている。 所が、この状態に高剪断力をかける場合、
この物質の粘度が大幅に低下し、流動しやすい方向に構
造を変化する。所謂、構造粘性である。 燃焼時にこの
大きい変化が生ずる。 それまでタンク中で静止状態に
あったW/Oは頑なに状態の変化を拒み、最も存在しや
すい状態で存在していた。 所が燃焼する際、高剪断力
を与えられ、先ず移動する。更に燃焼ダイスにあって
は、細孔より大きい線速度で炉中に噴射する。 この
際、W/Oにかかる剪断力は、到底混練時の剪断力の比
ではない。
【0018】この膨大な剪断力による粘度低下は、再生
繊維、合成繊維に於ける例より類推すれば、1/100
程度までになっていると想像される。 燃焼時、粘弾性
体が保有している構造粘性により粘度自体に大きい変化
を与え、大きい粘度低下が生じていると考えざるを得な
い状態となっており、静止状態における粘性より想像す
る設備を想定する必要はなく、燃焼装置自体をC−重油
と大幅に変更する必要はないと考えられるに至った。
事実、この実証は、ビチュメンのW/O燃焼を通常のC
−重油燃焼装置で恰かもC−重油同様に燃焼しうること
により確認された。 (2).の解決である。以上説明
したように、(1),(2)に示した問題点は、O/W
にて供給された輸送性良好な燃料組成物を、使用時にW
/Oに変換使用することにより解消することが判明し
た。
繊維、合成繊維に於ける例より類推すれば、1/100
程度までになっていると想像される。 燃焼時、粘弾性
体が保有している構造粘性により粘度自体に大きい変化
を与え、大きい粘度低下が生じていると考えざるを得な
い状態となっており、静止状態における粘性より想像す
る設備を想定する必要はなく、燃焼装置自体をC−重油
と大幅に変更する必要はないと考えられるに至った。
事実、この実証は、ビチュメンのW/O燃焼を通常のC
−重油燃焼装置で恰かもC−重油同様に燃焼しうること
により確認された。 (2).の解決である。以上説明
したように、(1),(2)に示した問題点は、O/W
にて供給された輸送性良好な燃料組成物を、使用時にW
/Oに変換使用することにより解消することが判明し
た。
【0019】更に、静止状態における高粘性を利用し、
この燃料組成物中に他の物質を添加し混合燃料としてい
ても、静止状態では容易に分離させることが不可能であ
ることが判明した。この種の燃料は硫黄含有量が大き
く、燃焼時最も温度の高い所で脱硫するのが理想的であ
るが(乾式脱硫)、燃料中に添加している比重の異なる
硫黄捕捉剤を安定に分散含有させるには、この物性を利
用することが好ましく、静的粘度の高いW/O中に添
加、タンク保存するのが好ましいことも実証されてい
る。以下、実施例で本発明を説明する。此処に示してい
る対象例とは、既に権利化されている方法により、O/
Wを製造した事例を示しており、実施例とは、本発明の
実施例を示している。
この燃料組成物中に他の物質を添加し混合燃料としてい
ても、静止状態では容易に分離させることが不可能であ
ることが判明した。この種の燃料は硫黄含有量が大き
く、燃焼時最も温度の高い所で脱硫するのが理想的であ
るが(乾式脱硫)、燃料中に添加している比重の異なる
硫黄捕捉剤を安定に分散含有させるには、この物性を利
用することが好ましく、静的粘度の高いW/O中に添
加、タンク保存するのが好ましいことも実証されてい
る。以下、実施例で本発明を説明する。此処に示してい
る対象例とは、既に権利化されている方法により、O/
Wを製造した事例を示しており、実施例とは、本発明の
実施例を示している。
【0020】対象例−1. 高粘度粘弾性体のO/W製造方法 針入度10〜15の重質油分解残査1kgを、内容15
l、混練容積1.5lの混練機中に入れ、外部より蒸気
で80℃に加温し、60rpmにて曳糸性を示す範囲で
混練し一旦混練可能となった時点で水を1l添加、混練
した。 30℃に内部温度を制御した後、余剰の水を系
外に排除した。 排除した水量は、約750ccであ
る。混練時の粘弾性体は、赤黒色であり、水の影響で表
面光沢がある。 この状態の粘弾性体は、W/Oであ
る。 これに重合度1000,鹸化度80モルパーセン
トの部分鹸化ポリビニルアセテート10%水溶液10m
lを添加、混合した。 混練機の電流値は混合直後から
低下し、遂にブランク状態の電流値に等しくなった。こ
の時の混練サンプルは容易に水中に分散し、O/Wに変
換していた事が判明した。
l、混練容積1.5lの混練機中に入れ、外部より蒸気
で80℃に加温し、60rpmにて曳糸性を示す範囲で
混練し一旦混練可能となった時点で水を1l添加、混練
した。 30℃に内部温度を制御した後、余剰の水を系
外に排除した。 排除した水量は、約750ccであ
る。混練時の粘弾性体は、赤黒色であり、水の影響で表
面光沢がある。 この状態の粘弾性体は、W/Oであ
る。 これに重合度1000,鹸化度80モルパーセン
トの部分鹸化ポリビニルアセテート10%水溶液10m
lを添加、混合した。 混練機の電流値は混合直後から
低下し、遂にブランク状態の電流値に等しくなった。こ
の時の混練サンプルは容易に水中に分散し、O/Wに変
換していた事が判明した。
【0021】対象例−2. ビチュメンのO/W製造方法 カナダ・アサバスカから送付されたビチュメンは、針入
度150〜200の低粘度のアスファルト相当品であ
る。 対象例−1に示した方法で、カナダ・アサバスカ
から送付されたビチュメンを、外部温度のみ30℃に変
え、他条件は全く対象例−1と同じ条件で、水分率35
%のO/Wを生成した。以上2つのO/Wを供試試料と
して、以下の実験を行った。
度150〜200の低粘度のアスファルト相当品であ
る。 対象例−1に示した方法で、カナダ・アサバスカ
から送付されたビチュメンを、外部温度のみ30℃に変
え、他条件は全く対象例−1と同じ条件で、水分率35
%のO/Wを生成した。以上2つのO/Wを供試試料と
して、以下の実験を行った。
【0022】実施例−1. 高粘性粘弾性体.O/WのW/Oへの変換(含有水分減
少による相反転) 対象例−1に示したO/Wを蒸発缶を用いて水分を蒸発
し、含有水分平均値を20%とした。 その際、O/W
は、部分的に凝集した表面がツルツルのレバ状物質を含
有する、不均一な組成物に変化した。 このレバ状物質
を選別し混練機中に入れ、30℃、60rpmの混練条
件で混練した。 レバ状物質の表面は平滑で付着性がな
く、当初不均一な状態はそのままでは解消されなかっ
た。 そこで少量のアスファルトを添加し、レバ状物質
の表面の平滑性を消失させた。 この操作を行った後
は、それまで表面平滑性のため滑っていた粘弾性体は付
着し、混練機の電流値が付加を示し出した。 当初フレ
が大きかった電流値は10〜15分にて一定値となり、
粘弾性体は赤黒色の均一体となった。 このサンプルは
全く水中に分散せず、W/Oエマルジョンである事が判
明した。この実験では、含有水分低下による不均一層を
作成する事により、少量の粘弾性体を引き金として、全
系を高剪力下曳糸性を示しながら大変形する状態とする
ことによって、O/WをW/Oに相反転することができ
た。
少による相反転) 対象例−1に示したO/Wを蒸発缶を用いて水分を蒸発
し、含有水分平均値を20%とした。 その際、O/W
は、部分的に凝集した表面がツルツルのレバ状物質を含
有する、不均一な組成物に変化した。 このレバ状物質
を選別し混練機中に入れ、30℃、60rpmの混練条
件で混練した。 レバ状物質の表面は平滑で付着性がな
く、当初不均一な状態はそのままでは解消されなかっ
た。 そこで少量のアスファルトを添加し、レバ状物質
の表面の平滑性を消失させた。 この操作を行った後
は、それまで表面平滑性のため滑っていた粘弾性体は付
着し、混練機の電流値が付加を示し出した。 当初フレ
が大きかった電流値は10〜15分にて一定値となり、
粘弾性体は赤黒色の均一体となった。 このサンプルは
全く水中に分散せず、W/Oエマルジョンである事が判
明した。この実験では、含有水分低下による不均一層を
作成する事により、少量の粘弾性体を引き金として、全
系を高剪力下曳糸性を示しながら大変形する状態とする
ことによって、O/WをW/Oに相反転することができ
た。
【0023】実施例−2. 高粘性粘弾性体のO/WのW/Oへの変換(粘弾性体添
加による相反転) 対象例−1に示したO/W中に、水分率20%になるよ
うに、60/80アスファルトを添加、30℃、60r
pmにて混練した。 当初フレの大きかった電流値は、
40分後一定となった。 少量のサンプルを採取し、水
中に滴下したが分散せす、W/Oに変換したことを示し
ている。 相対的に水分を低下させる目的でアスファル
トを添加、高剪断力下、曳糸性を示しながら大変形する
状態で相反転した実施例である。所が、このW/Oを実
炉で燃焼する場合、火炎の色相、並びに火炎長がばらつ
き、決して良好な燃料組成物とは考えられなかった。
加による相反転) 対象例−1に示したO/W中に、水分率20%になるよ
うに、60/80アスファルトを添加、30℃、60r
pmにて混練した。 当初フレの大きかった電流値は、
40分後一定となった。 少量のサンプルを採取し、水
中に滴下したが分散せす、W/Oに変換したことを示し
ている。 相対的に水分を低下させる目的でアスファル
トを添加、高剪断力下、曳糸性を示しながら大変形する
状態で相反転した実施例である。所が、このW/Oを実
炉で燃焼する場合、火炎の色相、並びに火炎長がばらつ
き、決して良好な燃料組成物とは考えられなかった。
【0024】実施例−3. 低粘性粘弾性体O/WのW/Oへの変換(粘弾性体添加
による相反転) 対象例−2に示した針入度150〜200水分率35%
のO/W中に、60/80アスファルトを添加しながら
30〜35℃、60rpmで混練した。 水分率20%
に到達した際、混練時の電流値が変動し始め、30分後
一定電流値になった。 この際の組成物は水中に分散せ
ず、W/Oになっていた。 水分20%、W/O組成物
を30℃、60rpmにて混練し、この中に水を徐々に
添加水分率を上昇していった。 水分含有量30〜33
重量%で表面光沢が出てき、これ以上の水分添加が難し
いようであった。この原因として、部分鹸化ポリビニル
アセテートの如き分散剤が存在しているためと考えられ
る。 粘弾性体の粘度変化には無関係にO/WをW/O
に変換可能な事を示す。このW/Oの燃焼テストの結果
は、実施例−2と比較し良好であった。 その理由とし
て一旦水分の少ない量での混練を行い、十分混合状態を
良好にした後に水を添加する場合、均一なW/Oが生成
することを示している。
による相反転) 対象例−2に示した針入度150〜200水分率35%
のO/W中に、60/80アスファルトを添加しながら
30〜35℃、60rpmで混練した。 水分率20%
に到達した際、混練時の電流値が変動し始め、30分後
一定電流値になった。 この際の組成物は水中に分散せ
ず、W/Oになっていた。 水分20%、W/O組成物
を30℃、60rpmにて混練し、この中に水を徐々に
添加水分率を上昇していった。 水分含有量30〜33
重量%で表面光沢が出てき、これ以上の水分添加が難し
いようであった。この原因として、部分鹸化ポリビニル
アセテートの如き分散剤が存在しているためと考えられ
る。 粘弾性体の粘度変化には無関係にO/WをW/O
に変換可能な事を示す。このW/Oの燃焼テストの結果
は、実施例−2と比較し良好であった。 その理由とし
て一旦水分の少ない量での混練を行い、十分混合状態を
良好にした後に水を添加する場合、均一なW/Oが生成
することを示している。
【0025】実施例−4. W/Oの製造(石油系) 80℃の60/80アスファルトを、60rpmにて運
転中のニーダ中に1kg入れて混練し、この中に等量の
対象例−2に示したO/Wを添加して曳糸性を示す条件
の下で混練した。 混練10分で電流値が一定となり、
混合物色相が暗赤色となった。この組成物はW/Oであ
り、含水量は18%、w粒子は1〜15μで均一分布を
していた。 この混練組成物中に徐々に水を添加する場
合、W/O中の水分は30%まで添加可能である。 こ
の場合の燃焼テストは、実施例−3より悪い。然し、添
加方法を変え、徐々に対象例−2に示したO/Wを添加
して生成したW/Oの燃焼性は優れていた。 工業的に
均一なエマルジョン組成物を廉価且つ安定に製造し燃料
とすることは難しいが、この方法は既にアスファルト燃
料として廉価且つ安定に入手可能な、粘弾性保有燃料組
成物の物性を利用し、そのものと相溶性を持つ、輸送性
良好なO/Wを混合し、曳糸性を示しながら大変形しう
る条件の下で混練することにより、安定性良好なW/O
を廉価に製造することが可能となったものである。
転中のニーダ中に1kg入れて混練し、この中に等量の
対象例−2に示したO/Wを添加して曳糸性を示す条件
の下で混練した。 混練10分で電流値が一定となり、
混合物色相が暗赤色となった。この組成物はW/Oであ
り、含水量は18%、w粒子は1〜15μで均一分布を
していた。 この混練組成物中に徐々に水を添加する場
合、W/O中の水分は30%まで添加可能である。 こ
の場合の燃焼テストは、実施例−3より悪い。然し、添
加方法を変え、徐々に対象例−2に示したO/Wを添加
して生成したW/Oの燃焼性は優れていた。 工業的に
均一なエマルジョン組成物を廉価且つ安定に製造し燃料
とすることは難しいが、この方法は既にアスファルト燃
料として廉価且つ安定に入手可能な、粘弾性保有燃料組
成物の物性を利用し、そのものと相溶性を持つ、輸送性
良好なO/Wを混合し、曳糸性を示しながら大変形しう
る条件の下で混練することにより、安定性良好なW/O
を廉価に製造することが可能となったものである。
【0026】実施例−5. W/Oの製造(石炭系) 80℃の中ピッチを、60rpmにて運転中のニーダー
中に1.5kg入れて混練し、この中に0.5kgの対
象例−1に示したO/Wを添加混練した。 混練10分
で電流値が一定となり、混合物色相は赤黄色がかった黒
色に変化した。この組成物はW/Oであり、水中には分
散しない。
中に1.5kg入れて混練し、この中に0.5kgの対
象例−1に示したO/Wを添加混練した。 混練10分
で電流値が一定となり、混合物色相は赤黄色がかった黒
色に変化した。この組成物はW/Oであり、水中には分
散しない。
【0027】実施例−6. W/Oの製造(樹脂系) 80℃、60rpmにて運転中のニーダー中に、1.0
kgのトールピッチを入れて混練し、この中に1.0k
gの対象例−2に示したO/Wを添加混練した。混練1
0分で電流値が一定となり、混合物色相は赤黒色となっ
た。 この組成物はW/Oであり水中には分散しない。
kgのトールピッチを入れて混練し、この中に1.0k
gの対象例−2に示したO/Wを添加混練した。混練1
0分で電流値が一定となり、混合物色相は赤黒色となっ
た。 この組成物はW/Oであり水中には分散しない。
【0028】実施例−7. W/Oの燃焼 実施例−4にて製造したW/Oを、問題点を解決するた
めの手段にて説明した二重管、並びに通常のC−重油燃
焼装置を用いて一週間の燃焼試験を実施した。双方とも
恰かもガス体の如き燃焼形態を示した。
めの手段にて説明した二重管、並びに通常のC−重油燃
焼装置を用いて一週間の燃焼試験を実施した。双方とも
恰かもガス体の如き燃焼形態を示した。
【0029】[参考特許] 国内特許 特公平1−57640 天然有機物を含有する燃料
用組成物 特開昭58−145785 燃料組成物 59−74187 重質油の微粒化方法 59−176392 有機物含有廃水の燃料化 60−63290 コールタールピッチを主体とする
流動性燃料の製造方法 56−166296 硫黄吸収剤を含有する液体燃料の
製造方法 実開平1−101603 粘弾性体による含水有機物
の脱水装置 外国特許 USP−4430230 Method for r
emoval of impurities from
liquid mixture USP−455140 Process for
the production of fuel co
mpositions.
用組成物 特開昭58−145785 燃料組成物 59−74187 重質油の微粒化方法 59−176392 有機物含有廃水の燃料化 60−63290 コールタールピッチを主体とする
流動性燃料の製造方法 56−166296 硫黄吸収剤を含有する液体燃料の
製造方法 実開平1−101603 粘弾性体による含水有機物
の脱水装置 外国特許 USP−4430230 Method for r
emoval of impurities from
liquid mixture USP−455140 Process for
the production of fuel co
mpositions.
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 燃料組成物の製造法
【特許請求の範囲】 粘弾性を示しうる疎水性高粘性有機物を水中に分散せし
めた系中の水分を調整して系が粘弾性を示しうる状態と
して、これを混練することにより高粘性有機物中に水を
微細に分散せしめることを特徴とする燃料組成物の製造
法
めた系中の水分を調整して系が粘弾性を示しうる状態と
して、これを混練することにより高粘性有機物中に水を
微細に分散せしめることを特徴とする燃料組成物の製造
法
【発明の詳細な説明】ここでは、アスファルトの如き高
粘性物質に混練の如き高剪断力を加えた場合、これが曳
糸性を示しながら大変形する性質を粘弾性と言い、この
粘弾性を示す物体を粘弾性体と言うことにする。
粘性物質に混練の如き高剪断力を加えた場合、これが曳
糸性を示しながら大変形する性質を粘弾性と言い、この
粘弾性を示す物体を粘弾性体と言うことにする。
【0001】
【産業上の利用分野】ビチュメン、アスファルト、コー
ルタールピッチ等、燃料価値はありながら利用度低き或
いは未利用の資源より、廉価で汎用可能な燃料の製造を
可能とし広く産業界で利用可能とする。
ルタールピッチ等、燃料価値はありながら利用度低き或
いは未利用の資源より、廉価で汎用可能な燃料の製造を
可能とし広く産業界で利用可能とする。
【0002】
【従来の技術】ビチュメン、アスファルト、コールター
ルピッチ等が燃料資源として広く利用されないのは、第
一にその高粘性、付着性の為取扱いにくいことにある。
例えばアスファルトの場合、低沸点の液体油を混合して
低粘性とするか又は温度を上昇し流動化して一部燃料に
利用されているにすぎない。未利用資源として世界に多
量存在するビチュメンのうち、最近ベネゼェラより「オ
リマルジョン」というビチュメンを水中に乳化したもの
が我国にも来た。 しかし、このものの乳化安定性、燃
焼性に問題があるようで、燃料として広く活用されるに
は至っていない。 このように、石炭でCWM(微粉炭
の水中分散物)として既に行われているように、高粘性
物を水中に細かく分散させて流動性をあたえることによ
り、その取扱性、輸送性をよくする一つの方法は提供さ
れたが、これが直ちにその燃料化には繋がっていない。
ルピッチ等が燃料資源として広く利用されないのは、第
一にその高粘性、付着性の為取扱いにくいことにある。
例えばアスファルトの場合、低沸点の液体油を混合して
低粘性とするか又は温度を上昇し流動化して一部燃料に
利用されているにすぎない。未利用資源として世界に多
量存在するビチュメンのうち、最近ベネゼェラより「オ
リマルジョン」というビチュメンを水中に乳化したもの
が我国にも来た。 しかし、このものの乳化安定性、燃
焼性に問題があるようで、燃料として広く活用されるに
は至っていない。 このように、石炭でCWM(微粉炭
の水中分散物)として既に行われているように、高粘性
物を水中に細かく分散させて流動性をあたえることによ
り、その取扱性、輸送性をよくする一つの方法は提供さ
れたが、これが直ちにその燃料化には繋がっていない。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】未利用又は利用
度の低い高粘性有機物を、廉価な汎用の燃料とするため
には、その取扱性、輸送性、汎用燃焼設備による燃焼性
を付与することが必要であると考えられる。 取扱性、
輸送性の付与方法については、これを水中に微細に分散
して低粘度、流動性とすることが、採用可能性のある安
価な方法であろう。 しかし、既に一部で行われている
この方法による流動性付与は取扱性、輸送性は改良出来
たかに見えるが、生成物の安定性、燃焼性には問題があ
る。 本発明の目的はこれらの点を解決して所期の燃料
を得ようとするところにある。
度の低い高粘性有機物を、廉価な汎用の燃料とするため
には、その取扱性、輸送性、汎用燃焼設備による燃焼性
を付与することが必要であると考えられる。 取扱性、
輸送性の付与方法については、これを水中に微細に分散
して低粘度、流動性とすることが、採用可能性のある安
価な方法であろう。 しかし、既に一部で行われている
この方法による流動性付与は取扱性、輸送性は改良出来
たかに見えるが、生成物の安定性、燃焼性には問題があ
る。 本発明の目的はこれらの点を解決して所期の燃料
を得ようとするところにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段及び作用】本発明者は、
上記の問題点を解決すべく種々検討した結果、水中高粘
性物質分散物(以下O/Wと略称)中の水分を適宜調整
して、これを混練すればこれを容易に粘弾性状態に戻す
ことが出来、その結果、高粘性有機物中に微細に水を分
散せしめた生成物(以下W/Oと略称)が得られること
を見出した。系の水分を調制するには系中の水分の一部
を蒸発せしめて除いてもよいが、新たに高粘性物を追加
して全体としての水分を調制することも出来る。このW
/OはO/Wのものに比べ格段の貯蔵安定性を有し、O
/Wが常温で貯蔵数日で上部に水が分離して来たのに対
し、水をよく微細に分散せしめたW/Oは数年間放置後
においても変化は見られない。
上記の問題点を解決すべく種々検討した結果、水中高粘
性物質分散物(以下O/Wと略称)中の水分を適宜調整
して、これを混練すればこれを容易に粘弾性状態に戻す
ことが出来、その結果、高粘性有機物中に微細に水を分
散せしめた生成物(以下W/Oと略称)が得られること
を見出した。系の水分を調制するには系中の水分の一部
を蒸発せしめて除いてもよいが、新たに高粘性物を追加
して全体としての水分を調制することも出来る。このW
/OはO/Wのものに比べ格段の貯蔵安定性を有し、O
/Wが常温で貯蔵数日で上部に水が分離して来たのに対
し、水をよく微細に分散せしめたW/Oは数年間放置後
においても変化は見られない。
【0005】W/OはO/Wに比べ静止状態では確かに
粘度は高いが、これを閉鎖系で加温しても水の蒸発はな
く、乳化状態に変化はない。 その上、粘弾性体の特徴
として高剪断力を与えて移動させれば大きい粘度低下を
起こす。従って、このW/Oは通常のC重油燃焼装置で
使用できる。 加熱状態で管中を移動したW/Oは燃焼
ダイスを通り炉内に噴射され、W/O中の水は急激に気
化膨脹して有機物を爆砕し非常に細かい粒子として着火
して、恰かもガス燃焼の如く燃焼する。 勿論、アトマ
イザーの使用は必要ではない。従って、W/Oの燃焼性
は完壁に近いといっても過言ではない。尚、このW/O
は安定性が良いため、必要ならば硫黄捕捉剤を安定に分
散含有させることが出来、問題としている高粘性有機物
に多い硫黄含有物は燃焼時高温脱硫(乾式脱硫)するこ
とができる。このように、粘弾性を示しうる高粘性有機
物の取扱性、輸送性を良好にするためのO/Wとする方
法と、O/Wの系の水分を調整することにより粘弾性を
発揮せしめW/Oに反転せしめる方法とを巧みに組み合
わせることにより、ビチュメン、アスファルト、コール
タールピッチの如き利用度の低い、又は未利用の燃料資
源を廉価で汎用性のある燃料として活用することを可能
にした。 以下実施例で本発明を説明する。
粘度は高いが、これを閉鎖系で加温しても水の蒸発はな
く、乳化状態に変化はない。 その上、粘弾性体の特徴
として高剪断力を与えて移動させれば大きい粘度低下を
起こす。従って、このW/Oは通常のC重油燃焼装置で
使用できる。 加熱状態で管中を移動したW/Oは燃焼
ダイスを通り炉内に噴射され、W/O中の水は急激に気
化膨脹して有機物を爆砕し非常に細かい粒子として着火
して、恰かもガス燃焼の如く燃焼する。 勿論、アトマ
イザーの使用は必要ではない。従って、W/Oの燃焼性
は完壁に近いといっても過言ではない。尚、このW/O
は安定性が良いため、必要ならば硫黄捕捉剤を安定に分
散含有させることが出来、問題としている高粘性有機物
に多い硫黄含有物は燃焼時高温脱硫(乾式脱硫)するこ
とができる。このように、粘弾性を示しうる高粘性有機
物の取扱性、輸送性を良好にするためのO/Wとする方
法と、O/Wの系の水分を調整することにより粘弾性を
発揮せしめW/Oに反転せしめる方法とを巧みに組み合
わせることにより、ビチュメン、アスファルト、コール
タールピッチの如き利用度の低い、又は未利用の燃料資
源を廉価で汎用性のある燃料として活用することを可能
にした。 以下実施例で本発明を説明する。
【0006】
【実施例】 試料−1の作成 針入度10〜15の重質油分解残査1kgを内容15
l、混練容積1.5lの混練機中に入れ、外部より蒸気
で80℃に加温し60rpmにて曳糸性を示しうる条件
で混練し、一旦混練状態が安定した時点で、水1lを添
加して混練を続けた。 次いで30℃に内部温度を制御
した後、余剰の水を系外に排除した。 排除した水量は
750ccである。 混練時の粘弾性体は赤黒色であ
り、水の影響で表面光沢がある。 この状態はW/Oで
ある。これに、重合度1000、鹸化度80モルパーセ
ントの部分鹸化ポリビニルアセテート10%水溶液10
mlを添加混合した。 電流値は混合直後から低下し、
ついにブランク状態の電流値に等しくなる。 この時
期、混練サンプルはO/Wに変換し、高粘性有機物は水
中に分散した。
l、混練容積1.5lの混練機中に入れ、外部より蒸気
で80℃に加温し60rpmにて曳糸性を示しうる条件
で混練し、一旦混練状態が安定した時点で、水1lを添
加して混練を続けた。 次いで30℃に内部温度を制御
した後、余剰の水を系外に排除した。 排除した水量は
750ccである。 混練時の粘弾性体は赤黒色であ
り、水の影響で表面光沢がある。 この状態はW/Oで
ある。これに、重合度1000、鹸化度80モルパーセ
ントの部分鹸化ポリビニルアセテート10%水溶液10
mlを添加混合した。 電流値は混合直後から低下し、
ついにブランク状態の電流値に等しくなる。 この時
期、混練サンプルはO/Wに変換し、高粘性有機物は水
中に分散した。
【0007】試料−2の作成 カナダ・アサバスカから送付されたビチュメンは、針入
度150〜200程度の低粘度のアスファルト相当品で
ある。 試料−1の作成で示した方法でこのビチュメン
のO/Wを作成した。 この場合、試料−1に用いた重
質油分解残査より粘度が大幅に低いため、ビチュメン中
の含水量が多く、排除水量は460ccが得られた。
含水率は35%である。以上2つを供試試料として以下
の実験を行った。
度150〜200程度の低粘度のアスファルト相当品で
ある。 試料−1の作成で示した方法でこのビチュメン
のO/Wを作成した。 この場合、試料−1に用いた重
質油分解残査より粘度が大幅に低いため、ビチュメン中
の含水量が多く、排除水量は460ccが得られた。
含水率は35%である。以上2つを供試試料として以下
の実験を行った。
【0008】
【実施例−1】試料−1を蒸発缶を用いて、その中の水
分を蒸発し含有水分を20%より16%とした。 その
際、試料は部分的に凝集し、凝集面がツルツルのレバ状
物質を含有する不均一な混合物に変化した。 このレバ
状物質を分別し、混練機中に入れ、30℃、60rpm
の混練条件で混練した。レバ状物質の表面が平滑で付着
性が無く当初の不均一な状態は、そのままでは解消され
なかった。 そこで試料1kgに対し少量づつ合計量5
gのアスファルトを混練下で添加した。 やがてレバ状
物質の表面の平滑性は消失した。 この操作を行った
後、それまで表面平滑性のため滑っていた試料は付着す
るようになり、混練機の電流値が増加し始めた。 当初
大きかった電流値の変動は10〜15分にて一定値とな
り、赤黒色の均一体となった。このサンプルは水中に分
散せず、水分は高粘性体中に分散しW/Oに変換してい
た。含有水分を低下させ不均一な層を作成、少量の粘弾
性体を引き金として全系を高剪断力下曳糸性を示しなが
ら大変形する状態とすることによりO/WをW/Oに相
反転することができた。
分を蒸発し含有水分を20%より16%とした。 その
際、試料は部分的に凝集し、凝集面がツルツルのレバ状
物質を含有する不均一な混合物に変化した。 このレバ
状物質を分別し、混練機中に入れ、30℃、60rpm
の混練条件で混練した。レバ状物質の表面が平滑で付着
性が無く当初の不均一な状態は、そのままでは解消され
なかった。 そこで試料1kgに対し少量づつ合計量5
gのアスファルトを混練下で添加した。 やがてレバ状
物質の表面の平滑性は消失した。 この操作を行った
後、それまで表面平滑性のため滑っていた試料は付着す
るようになり、混練機の電流値が増加し始めた。 当初
大きかった電流値の変動は10〜15分にて一定値とな
り、赤黒色の均一体となった。このサンプルは水中に分
散せず、水分は高粘性体中に分散しW/Oに変換してい
た。含有水分を低下させ不均一な層を作成、少量の粘弾
性体を引き金として全系を高剪断力下曳糸性を示しなが
ら大変形する状態とすることによりO/WをW/Oに相
反転することができた。
【0009】
【実施例−2】試料−1に、水分率18%になるように
60/80アスファルトを添加、30℃、60rpmに
て混練した。 当初変動の大きかった電流値は40分後
に一定となった。 少量のサンプルを採取し水中に分散
させようとしたが分散せずW/Oに変換したことを示し
た。 相対的に水分を低下させる目的でアスファルトを
添加し、高剪断力下曳糸性を示しながら大変形する状態
で混練して相反転させW/Oが得られたのである。
60/80アスファルトを添加、30℃、60rpmに
て混練した。 当初変動の大きかった電流値は40分後
に一定となった。 少量のサンプルを採取し水中に分散
させようとしたが分散せずW/Oに変換したことを示し
た。 相対的に水分を低下させる目的でアスファルトを
添加し、高剪断力下曳糸性を示しながら大変形する状態
で混練して相反転させW/Oが得られたのである。
【0010】
【実施例−3】針入度60/80アスファルトを30〜
35℃、60rpmで混煉し、その中に水分率35%の
試料−2を徐々に添加しながら混練を続けた。水分率2
0%に到達した際、混練時の電流値が変動し始め30分
後一定電流値になった。このものの燃焼テストの結果は
実施例−2のものと比較し良好であった。その理由とし
て、一旦水分の少ない量での混練を行い十分混合状態を
良好にした後に水を添加する場合、均一なW/Oが生成
する事を示している。
35℃、60rpmで混煉し、その中に水分率35%の
試料−2を徐々に添加しながら混練を続けた。水分率2
0%に到達した際、混練時の電流値が変動し始め30分
後一定電流値になった。このものの燃焼テストの結果は
実施例−2のものと比較し良好であった。その理由とし
て、一旦水分の少ない量での混練を行い十分混合状態を
良好にした後に水を添加する場合、均一なW/Oが生成
する事を示している。
Claims (1)
- 【請求項1】 多量に水を含有する粘弾性有機物を、高
剪断力下曳糸性を示す範囲で混練中の粘弾性体中に添
加、曳糸性を示す範囲で混練することを特徴とする燃料
組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13958292A JPH05295373A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 燃料組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13958292A JPH05295373A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 燃料組成物の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295373A true JPH05295373A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=15248622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13958292A Pending JPH05295373A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 燃料組成物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295373A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015000912A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | Jfeケミカル株式会社 | W/o型エマルジョン燃料 |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP13958292A patent/JPH05295373A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015000912A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | Jfeケミカル株式会社 | W/o型エマルジョン燃料 |
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