JPH0529413U - 宝飾指環 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 一つのリングで、多様な美観を示すことので
きる宝飾指環を実現する。 【構成】 宝飾指環のヘッドとリングを取り外し自在に
作製し、リングは多数のヘッドに対し組合せが可能であ
り、リングに設けた爪が各ヘッドの側穴に外側方向に差
し込まれることで、リングとヘッドが一体に固定され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、日常利用される宝飾指環の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、日常利用される宝飾指環は、時として、図５に示すが如く、宝飾を目的 とするヘッド１の側面に小穴２を有し、この小穴２に、開口環状のリング３の両 端に設けられた挿入部４ａ、４ｂを挿入して一体に構成された組み立て式の商品 が見られるものの、その多くは、宝飾を目的とするヘッド１と指を挿入させるリ ング３とが予め一体に成型されているか、もしくは、図３に示すが如く、リング ３の一部でリング３と一体に設けられた宝石受け台５にヘッド１を乗せ、その後 、宝石受け台５の上端部に設けられた複数の爪部６をヘッド１の上部に押し当て 、宝石受け台５と該宝石受け台５の端部に設けられた複数の爪部６とによってヘ ッド１を固定することにより製造されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図５に示すが如く、宝飾を目的とするヘッド１の側面に小穴２ を有し、この小穴２に、開口環状のリング３の両端に設けられた挿入部４ａ、４ ｂを挿入して構成された組み立て式の商品による場合には、リング３に指を通し て宝飾指環を使用する際に、指の挿入によってリング３が左右に拡げられるよう になる。このため、ヘッド１の側面に小穴２を有し、この小穴２に、開口付き環 状リング３の両端に設けられた挿入部４ａ、４ｂを挿入して一体に構成されてい た組み立て式の宝飾指環からリング３が外れることや、使用中にヘッド１が他の 物品に接触した場合に、そのはずみでヘッド１とリング３とが分離して、ヘッド １を紛失してしまうことが起きやすい。さらには、ヘッド１の中央側面に小穴２ が設けられている為、この小穴２に、開口付き環状リング３の両端に設けられた 挿入部４ａ、４ｂを挿入して構成された組み立て式の宝飾指環を利用する際には 、ヘッド１の一部が指に当たるようになって安定しにくくなると共に、指の当節 部分を加圧して痛めることもあり、さらにリング３のサイズを定めるのも容易で なかった。

【０００４】 また、従来の多くの宝飾指環に用いられているリング３の一部でリング３と一 体に設けられた宝石受け台５にヘッド１を乗せ、その後、宝石受け台５の上端部 に設けられた複数の爪部６をヘッド１の上部に押し当て、宝石受け台５と該宝石 受け台５の端部に設けられた複数の爪部６とによってヘッド１を固定することに より製造されている宝飾指環を利用する場合には、ヘッド１のみを簡単に取り替 えることは通常人には容易ではなく、もしヘッドを取り外せてもその折りにヘッ ドの宝石に疵をつけることが多く、これらを避けようとすればヘッド１を交換す るたびに高価な貴金属で製作されているリング３をも同時に買い求めなければな らず、その保管場所も余分な確保を必要としていた。

【０００５】 さらに、従来では、高価な指環ヘッド１を他の目的、例えば、ペンダント等の 一部として利用することは考えられていない。仮に、そのように利用しようとす る場合にも、リング３からヘッド１を取り外すことが容易ではないため、その目 的を達することはできなかった。

【０００６】 本考案は上記の課題を解決して、リング３とヘッド１の着脱が容易な宝飾指環 を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の宝飾指環は、上記の課題を解決するために、宝石又は貴金属等の装飾 材を加工してなり、側壁部１０に複数の小穴１４が設けられていると共に内側に は嵌合孔１２が設けられているヘッド１３と、前記ヘッド１３の嵌合孔１２の側 壁部１０に外側の一部もしくは全域が接触すると共に側面に複数の小穴１６が設 けられていて、この小穴１６のうち少なくとも２つがヘッド１３の小穴１４と重 ねられる位置関係にあり、さらに内側に挿入穴１７が設けられた環状のストッパ ー１５と、前記の環状のストッパー１５に設けられた挿入穴１７に挿入され、さ らに、ストッパーの側面２０に設けられた小穴１６に嵌着できるような一対の差 し込み爪部２２を首部２３の両端に有するギリシャ文字オメガ状のリング２４と によって構成されている。ヘッド１３の嵌合孔１２にストッパー１５が嵌合され た際に生じたヘッド１３とストッパー１５の接触部や隙間には、ろう付け、もし くは溶接されて、これによりヘッド１３とストッパー１５が一体に接合されてい る。ヘッド１３と一体に接合されたストッパー１５の挿入穴１７にリング２４の 弾性力に抗して挿入されたギリシャ文字オメガ状のリング２４の首部２３の差し 込み爪部２２が、リングの弾性力を利用してストッパーの小穴１６に着脱自由に 嵌着される。差し込み爪部２２は、ストッパーの小穴１６だけに挿入されてもよ く、さらにヘッド側壁部１０の小穴１４に入り込んでもよい。

【０００８】

【作用】

本考案は、宝石又は貴金属等の装飾材を加工してなり、その側面に複数の小穴 が設けられていると共にその内側には嵌合孔が設けられている中空のヘッドと、 内側に挿入穴が設けられた中空環状のストッパーとを構成の一部にしている。前 記ヘッドの嵌合孔の内側壁にストッパーの外側の一部もしくは全域が接触すると 共に、ストッパーの側面に複数の小穴が設けられていて、この小穴のうち少なく とも２つが同時に揃ってヘッドの小穴と重ねられる位置関係にある。これにより 、リングの爪がストッパーの小穴やヘッドの小穴に入り込むことで、リングとヘ ッドが一体に固定される。ストッパーが無くて、ヘッドだけであると、リングが ぐらついて安定しない。

【０００９】 本考案は、ヘッドとストッパーを一体とした上でリングを別仕立てとしている が、これは、必要に応じてヘッドを交換することを容易にすると共に、その際に 高価なリング部分への二重投資を必要とせず、一度自分の指の寸法に合ったリン グを求めておくことにより、次からはヘッドを買い求めるだけで済み、ヘッドの 購入の度にリングの寸法をあらためて合わせる手間を省くことを可能にする為の ものである。

【００１０】 また、本考案は、リングを弾性体で構成しているが、これは、リングの弾性力 に抗してリングを縮めた状態でリングの首部をストッパーの挿入口に挿入したの ち抗力を除去することにより、リングの首部に連接する差し込み爪部をストッパ ーの内側面に設けられた小穴に嵌合させて、ヘッドとリングとを固定させるため である。そして、この構成では、宝飾指環を指に装着した場合には、指の挿入に よる圧力が、ヘッドとリングとの結合度を高める方向に向いている。

【００１１】 ヘッドの嵌合孔の内側壁にストッパーの外側の一部もしくは全域が接触すると 共にその側面に複数の小穴が設けられていて、この小穴のうち少なくとも２つが 同時に揃ってヘッドの小穴と重ねられる位置関係にあることにより、リングから ヘッドを取り外し、ペンダント等の飾りにこのヘッドを利用する場合の鎖を通す ことができる。

【００１２】

【実施例】

ルビー、真珠、サファイヤをそれぞれ１８金製の台１０に埋め込んだ中空のヘ ッド１３を各種用意する。ヘッド台１０には嵌合孔１２が設けられていると共に 、その側面には小穴１４が設けられている。

【００１３】 図１に示すように、先ず、１８金製の台１０に真珠を埋め込んだ王冠型ヘッド １３の嵌合孔１２に、りん青銅で作られ、２ケの小穴１６を側面に設けた円筒形 のストッパー１５を嵌合する。ヘッド台１０の内壁とストッパー１５の外壁の接 触した箇所あるいは隙間をろう材でろう付けした。ストッパー１５の挿入口にり ん青銅で製作され、その表面に金めっきを施されたリング２４の首部２３を挿入 し、リング２４の首部２３に連接した差し込み爪部２２をストッパー１５の側壁 に設けられた小穴１６に嵌合させた。こうして作った宝飾指環は、薬指に装着す るのに適したものであった。

【００１４】 図１と同様に、ルビーを埋め込んだハート型ヘッド１３の嵌合孔１２に、りん 青銅で作られ、２ケの小穴１６を側面に設けた楕円筒形のストッパー１５を嵌合 し、ヘッド台１０の内壁とストッパー１５の外壁の接触した箇所あるいは隙間を ろう材でろう付けした。図１の宝飾指環からリング２４を取り外し、その首部２ ３をストッパー１５の挿入口に挿入し、リング２４の首部２３に連接した差し込 み爪部２２をストッパー１５の側壁に設けられた小穴１６に嵌合させた。こうし て作った宝飾指環は薬指に装着するのに適していた。

【００１５】 さらに、図１と同様に、サファイアを埋め込んだ菊の花型ヘッド１３の嵌合孔 １２に、りん青銅で作られ、２ケの小穴１６を側面に設けた楕円筒形のストッパ ー１５を嵌合し、ヘッド台１０の内壁とストッパー１５の外壁の接触した箇所あ るいは隙間をろう材でろう付けした。前記ハート型宝飾指環からリング２４を取 り外し、その首部２３をストッパー１５の挿入口に挿入し、リング２４の首部２ ３に連接した差し込み爪部２２をストッパー１５の側壁に設けられた小穴１６に 嵌合させた。こうして作った宝飾指環は薬指に装着するのに適していた。

【００１６】 前記実施例は、いずれも美麗な宝飾指環として安定した機能を発揮することが できた。

【００１７】 また、真珠を埋め込んだ１８金製のヘッド１３の嵌合孔１２に、りん青銅で作 られ、２ケの小穴１６を側面に設けた円筒形のストッパー１５を嵌合するに際し 、ストッパー１５の小穴１６がヘッド台１０の側壁の小穴１４と重合させると、 図４に示すように、ヘツド１０とストッパー１５の一体物の２つの小穴部に１８ 金製の鎖２５を通してペンダントとして十分に利用することができた。

【００１８】 鎖２５の止め具２６、２７は、通常使用されているものでよい。図示の場合、 止め具２６は、小穴を設けた環状部材であり、ヘッド台１０の側穴１４やストッ パー１５の側穴１６を通過する寸法になっている。止め具２６は、ヘッド台１０ やストッパー１５の側穴を通過した後に、二重環（図示せず）を取り付けて、止 め具２７に填め合わせるようになっている。一方、止め具２７は、バネ式に開閉 するスリットに前記二重環の環部を挿入可能となっている。

【００１９】 止め具２６、２７の実施例では、１．０ｍｍ×２．０ｍｍの側穴１４に対し、 止め具２６の外側が１．８ｍｍ、二重環の外径が４ｍｍで、二重環は０．５ｍｍ 径の線材をコイル状に二重に形成してある。止め具２６の穴に二重環の線材を通 して係止し、二重環の穴に止め具２７を係止する。

【００２０】

【考案の効果】

本考案はヘッドとリングを別体として構成したので、一つのリングを用意する だけで必要に応じたヘッドの交換により多数の宝飾指環を得ることが可能になる と共に、場合によっては、ペンダントとしても十分に利用することができて、一 つのリングで多様な美観を味わえると共に、保管場所の節減も可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る指環のヘッドを示す断面
図である。

【図２】図１のヘッドにストッパーを挿入したところを
示す断面図である。

【図３】図１のヘッドを使用した指環の分解斜視図であ
る。

【図４】図１のヘッドをペンダントに使用した実施例を
示す斜視図で、鎖の一部を省略してある。

【図５】従来の指環の例を示す断面図である。

【図６】従来の指環の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ヘッド ２ 小穴 ３ リング ４ａ、４ｂ 挿入部 ５ 宝石受け台 ６ 爪部 １０ ヘッド台 １２ 嵌合孔 １３ ヘッド １４ 小穴 １５ ストッパー １６ 小穴 １７ 挿入穴 ２０ ストッパー側面 ２２ 差し込み爪部 ２３ 首部 ２４ リング ２５ 鎖 ２６、２７ 止め具

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 宝石又は貴金属等の装飾材を加工してな
   り、側壁部に複数の小穴が設けられていると共に内側に
   は嵌合孔が設けられているヘッドと、前記ヘッドの側壁
   部に外側の一部もしくは全域が接触すると共に側面に複
   数の小穴が設けられていて、この小穴のうち少なくとも
   ２つがヘッドの小穴と重ねられる位置関係にあり、内側
   に挿入穴を設けられた環状のストッパーと、前記の環状
   のストッパーに設けられた挿入穴に挿入され、さらに、
   ストッパーの側面に設けられた小穴に嵌着できるような
   一対の差し込み爪部を首部の両端に有するギリシャ文字
   オメガ状のリングとによって構成されることを特徴とす
   る宝飾指環。
2. 【請求項２】 ヘッドの嵌合孔にストッパーが嵌合され
   た際に生じたヘッドとストッパーの接触部あるいは隙間
   がろう付け、もしくは溶接されていることを特徴とする
   請求項１記載の宝飾指環。
3. 【請求項３】 ヘッドと一体に接合されたストッパーの
   挿入穴にリングの弾性力に抗して挿入されたギリシャ文
   字オメガ状のリングの首部の差し込み爪部がリングの弾
   性力によってストッパーの小穴に着脱自由に嵌着されて
   いることを特徴とする請求項２記載の宝飾指環