JPH0529407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、自動変速機のシフトバルブ切換用の
ガバナ圧を与えるガバナ装置に関する。

［従来の技術］ 従来のガバナ装置としては、第３図に示すよう
なものが知られてる。

第３図において、１はガバナ本体となるスリー
ブ（ガバナシヤフト）であり、スリーブ１内に形
成したスプール穴２には、ガバナスプール３を軸
方向に摺動自在に装嵌している。また、スリーブ
１の外周にはギア４が設けられ、ギア４は車輪側
に対するオートマチツクトランスミツシヨンから
の出力回転伝達部のギアに噛合しており、車輪の
回転数に応じてスリーブ１を回転する。

スリーブ１の上側には、左右に開いた箱形のサ
ポート５が固定され、相対したサポート辺５Ａの
間には一対のガバナピン６を挿入して両端のカシ
メ等でつぶして抜け止めし、各ガバナピン６には
セカンダリーウエイト７及びプライマリーウエイ
ト８のそれぞれの一端を軸支しており、一対のセ
カンダリーウエイト７及び一対のプライマリーウ
エイト８のそれぞれが、ガバナピン６を回転軸と
して回転自在に装着されている。センカダリーウ
エイト７に一体成形した支持部７Ａとプライマリ
ーウエイト８に一体成形した支持部８Ａの間に
は、荷重設定用のスプリング９が設けられてお
り、スリーブ１の回転に伴つて発生する遠心力に
応じてプライマリーウエイト８及びセカンダリー
ウエイト７がスプリング９を介して相互に連係
し、ガバナピン６を回転軸として外側に拡がる方
向に回動してガバナスプール３を下側に押し下げ
る。

１０は所定のライン圧が与えられる入口室（ガ
バナイン）であり、スリーブ１の回転に伴う遠心
力でプライマリーウエイト８及びセカンダリーウ
エイト７を外側に拡がる方向に回動させてガバナ
スプール３を下側に押し込むことにより入口室１
０を調圧室１１に連通し、調圧室１１の液圧制御
を行なう。この調圧室１１の液圧は、ガバナ圧と
して出口室（ガバナアウト）１２を介して自動変
速機のシフトバルブ系に与えられる。

ここで、第４図に示すように、ケース１４とギ
ア４との間にはギア４のスラスト荷重を受けるた
めに、２枚のワツシヤー１５が入れられている。
なお、第３図の１３はロールピン、第４図の１６
はドライブギアである。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような従来のガバナ装置に
あつては、ギアのスラスト荷重受けとしてワツシ
ヤーをギアとケースとの間に組み込んでいるが、
ガバナシヤフトをケースから取り出すとき、ギア
の下側のガバナシヤフトに形成した２平面巾部
と、ワツシヤーの穴である２平面巾部の位相が合
つていると、ワツシヤーが脱落してしまうという
問題点があつた。

本考案は、このような問題点に鑑みてなされた
ものであつて、ギアの下端側のガバナシヤフトの
途中およびギアの下面側のガバナシヤフトにワツ
シヤーを入れる溝をそれぞれ形成し、ガバナシヤ
フトの途中の溝の両側に位相をずらして２平面巾
部をそれぞれ形成するとともに、各溝はワツシヤ
ーが回動自在な大きさとし、各２平面巾部はワツ
シヤーが回動不能な形状としたことにより、ワツ
シヤーの脱落を防止するようにしたガバナ装置を
提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本考案は、軸方向
に摺動自在なガバナスプールを内蔵するとともに
外周にギアを設けたガバナシヤフトの回転で揺動
するウエイトの力を前記ガバナスプールに加えて
なるガバナ装置において、前記ギアの下端側のガ
バナシヤフトの途中およびギアの下面側のガバナ
シヤフトにワツシヤーを入れる溝をそれぞれ形成
し、ガバナシヤフトの途中の溝の両側に位相をず
らして２平面巾部をそれぞれ形成するとともに、
前記各溝はワツシヤーが回動自在な大きさとし、
前記各２平面巾部はワツシヤーが回動不能な形状
としたものである。

［作用］ 本考案においては、ギアの下側のガバナシヤフ
トの途中にワツシヤーを入れる溝を形成し、溝の
両側に位相をずらした２平面巾部をそれぞれ形成
し、下側の２平面巾部、溝、上側の２平面巾部に
ワツシヤーを通した後に、ギアの下面に当接して
溝にワツシヤーを入れて90°ずらせて組み付ける。

ガバナシヤフトを保守、修理のためにケースか
ら取り出すときに、ガバナシヤフトの一方の２平
面巾部の位相とワツシヤーの挿入孔の２平面巾部
の位相が合つていても、ガバナシヤフトの他方の
２平面巾部の位相とは合わないため、ワツシヤー
はこの他方の２平面巾部に係止される。

したがつて、ワツシヤーの脱落を確実に防止す
ることができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
図である。なお、従来例と同一構成は同一符号を
付して説明する。

まず、構成を説明すると、第２図において、１
４はオートマチツクトランスミツシヨンケース
（以下、ケース）であり、このケース１４内には
ガバナシヤフト１が回転自在に収納されている。
ガバナシヤフト１には軸方向に摺動自在なガバナ
スプール３が内蔵されるとともに、その外周には
樹脂製ギア（以下、ギア）４がロールピン１３に
より固定されている。

ギア４はドライブギア１６と噛合しており、ド
ライブギア１６の回転はギア４を介してガバナシ
ヤフト１に伝達される。

また、ガバナシヤフト１の軸端にはサポート部
材５を固着し、サポート部材５にガバナシヤフト
１の遠心回転でガバナピン６を中心として外側に
揺動するプライマリーウエイト８およびセカンダ
リーウエイト７と、これらのウエイト７，８の間
にスプリング９を設け、ウエイト７，８の揺動に
よる力をガバナスプール３に加えてガバナ圧を生
成するようにしている（第３図、参照）。

ここで、第１図に示すように、ギア４の下側の
ガバナシヤフト１には位相をずらせて２平面巾部
１７，１８をそれぞれ形成してる。

２平面巾部１７，１８は、図示のようにガバナ
シヤフト１を平面となるように切り欠いてなる１
つの面と、その反対側に同様に平面となるように
切り欠いてなる他の面とで構成されている。ま
た、ワツシヤー１５にはこれらの２平面巾部１
７，１８に対応した２平面巾部１９を有する挿入
孔１９Ａが形成されている。

溝２０，２１はワツシヤー１５が回動自在な大
きさとし、２平面巾部１７，１８はワツシヤー１
５が回動不能な形状とした。

ギア４の下面４Ａ側のガバナシヤフト１にはワ
ツシヤー１５を挿入する溝２０が形成され、この
溝２０の径は２平面巾部１７，１８と同じ寸法と
してある。また、２平面巾分７と２平面巾部１８
との間にも溝２１が形成され、この溝２１の径も
２平面巾分１７，１８と同じ寸法としている。

次に、作用を説明する。

まず、ワツシヤー１５を２枚ギア４の下面４Ａ
に当接するまで入れて、溝２０に嵌入する。

そして、一方の２平面巾部１７に対して90°ず
らして組み付ける。この組み付けした状態は第２
図に示される。

保守や修理のためガバナシヤフト１をケース１
４から取り出すとき、ワツシヤー１５の２平面巾
部１９の位相とガバナシヤフト１の一方の２平面
巾分１７の位相が合つていても、他方の２平面巾
部１８の位相とは一致しないため、ワツシヤー１
５は他方の２平面巾部１８によつて係止される。
したがつて、ワツシヤー１５の脱落を確実に防止
することができる。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案によれば、ギ
アの下端側のガバナシヤフトの途中およびギアの
下面側のガバナシヤフトにワツシヤーを入れる溝
をそれぞれ形成し、ガバナシヤフトの途中の溝の
両側に位相をずらして２平面巾部をそれぞれ形成
するとともに、各溝はワツシヤーが回動自在な大
きさとし、各２平面巾部はワツシヤーが回動不能
な形状としたため、ガバナシヤフトをケースから
取り出すとき、ワツシヤーの脱落を防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す図、第２図は
ワツシヤーを組み付けた状態を示す図、第３図は
従来例を示す図、第４図はその要部を示す図であ
る。 図中、１……ガバナシヤフト（スリーブ）、３
……ガバナスプール、７，８……ウエイト、１４
……ケース、１５……ワツシヤー、１６……ドラ
イブギア、１７，１８……２平面巾部、１９……
２平面巾部、１９Ａ……挿入孔、２０，２１……
溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸方向に摺動自在なガバナスプールを内蔵する
   とともに外周にギアを設けたガバナシヤフトの回
   転で揺動するウエイトの力を前記ガバナスプール
   に加えてなるガバナ装置において、 前記ギアの下端側のガバナシヤフトの途中およ
   びギアの下面側のガバナシヤフトにワツシヤーを
   入れる溝をそれぞれ形成し、ガバナシヤフトの途
   中の溝の両側に位相をずらして２平面巾部をそれ
   ぞれ形成するとともに、前記各溝は前記ワツシヤ
   ーが回動自在な大きさとし、前記各２平面巾部は
   前記ワツシヤーが回動不能な形状としたことを特
   徴とするカバナ装置。