JPH05292975A - 担子菌の自律複製配列およびその利用 - Google Patents

担子菌の自律複製配列およびその利用

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JPH05292975A
JPH05292975A JP10121592A JP10121592A JPH05292975A JP H05292975 A JPH05292975 A JP H05292975A JP 10121592 A JP10121592 A JP 10121592A JP 10121592 A JP10121592 A JP 10121592A JP H05292975 A JPH05292975 A JP H05292975A
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dna
yeast
dna fragment
autonomous replication
function
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Yasushi Kojima
靖 小嶋
Yukio Kita
幸雄 喜多
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自律複製機能を持ち、かつ担子菌の形質転換
効率を上げる機能を持つDNA断片を提供する。 【構成】 白色腐朽菌アラゲカワラタケの染色体ライブ
ラリーより酵母内で自律複製機能を持つDNA断片をク
ローニングし、その塩基配列を決定した。本DNA断片
は担子菌の形質転換効率を上げる機能をも合わせ持って
いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自律複製機能または形
質転換効率を上げる機能を有する新規なDNA断片また
はこれらの機能を有するDNA断片を組換えて得られる
新規なプラスミド、および上記のDNA断片またはプラ
スミドを宿主に導入することを特徴とする宿主の形質転
換法ならびに新規な形質転換体生物に関するものであ
る。
【0002】更に詳しくは、フェノールオキシダーゼ、
リグニンパーオキシダーゼ、マンガンパーオキシダーゼ
等の酵素の分泌生産能に優れ、リグニン分解力の強力な
担子菌〔特に白色腐朽菌、例えばアラゲカワラタケ(Co
riolus hirsutus IFO 4917)など〕由来の自律複製機能
または形質転換効率を上げる機能を有するDNA断片ま
たはプラスミド、およびこれらのDNA断片またはプラ
スミドを利用した形質転換法ならびに形質転換体生物に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】今日までに遺伝子組換え技術を利用して
有用な蛋白質を大量に製造しようとする試みは、数多く
行なわれてきた。有用な蛋白質を大量に製造するための
遺伝子組換え技術は、基本的に宿主とベクターと有用蛋
白質をコードしている遺伝子から構成される。宿主とし
ては、大腸菌、枯草菌などの原核生物や酵母、動物細
胞、植物細胞などの真核生物など様々な宿主が用いられ
ており、発現させる蛋白質の性質やその用途に応じて適
切な宿主が選択されている。
【0004】また、同時に用いられているベクターにつ
いても現在までに膨大な数にのぼる様々なベクターが開
発されてきた。ベクターとして要求される基本的な機能
としては、 (1) 目的とする蛋白質をコードするDNAと試験管内組
換え体を作ることができる。 (2) 目的とする宿主ベクター内で増殖できる能力を持
つ。 (3) 目的とする宿主細胞へ導入することができる。 (4) 組換え体DNAを持つ細胞を特異的に検出できる。 の4つであるが、有用蛋白質を大量に生産するために
は、この他に、 (5) 強力なプロモーターおよびターミネーター(発現に
関するDNA配列)を持つ。 (6) シグナル配列(分泌に関するDNA配列)を持つな
どの条件が揚げられる。
【0005】さて、担子菌を宿主とした遺伝子組換え技
術は、まだ充分には確立されていない。担子菌類には食
用きのこ、生理活性物質を生産するきのこ、リグニンを
分解しバイオロジカルパルピングやバイオブリーチング
に用いられるきのこ、セルロースを分解し木質成分を糖
化するきのこなど有用なきのこ類が多く含まれている。
これらのきのこ類の特徴を改良強化し、育種しようとす
る試みは従来から交配による方法や変異株を取得する方
法や細胞融合法などにより行なわれてきた。もし遺伝子
組換え技術を用いる分子生物学的育種法が可能となれ
ば、容易に優良な品種が得られるようになるなどその意
義は非常に大きい。また、こうじ菌類と同様に食品とし
て安全性が認められていることから蛋白質の生産用宿主
としても利用価値が高い。
【0006】担子菌類のベクターとしては、シイタケ、
ヒラタケのミトコンドリア内の線状プラスミドDNAを
利用したもの(遺伝42巻、9号、p.20、掌華房;1988)
が、報告されているが宿主内での安定性に問題があるな
どまだ実用的でないことが知られている。担子菌の形質
転換法について最初に報告されたのは、スエヒロタケ
(Schizophyllum commune )のトリプトファン要求性株
とTRP1遺伝子を利用したものである(Munoz -Rivas
, A., Specht , C.A ., Drummond,B .J., Froeliger,E
.,Novotny , C.P .and Ullrich , R.C .(1986) Mol. G
en.Gent., 205, 103-106)。その後、同様の方法で遺伝
学的に最も研究が進んでいるネナガノヒトヨタケ(Copr
inus cinereus )についても報告された(D .M .Binnin
ger ,C .Skrzynia, P.J. Pukkila and L. A. Casselto
n, (1987) EMB O J. , 6, 835-840 )。
【0007】子実体を形成しない半担子菌に属し、トウ
モロコシに黒穂病をおこすUstilagomaydis において
は、形質転換体内でフリーのプラスミドとして存在でき
るようなARSが得られたと報告(T. Tsukuda, S. Car
leton, S. Fortheringham andW. K. Holloman, (1988)
Mol. Cell. Biol. , 8, 3703 )されている。しかし、
本ARSは酵母内ではARSとして機能せず、汎用性が
なく、さらにUstilago maydis が種子植物に寄生して黒
穂病をおこす病原菌であることから安全性の面から蛋白
質製造のための有用な宿主にはなり得ない。
【0008】日本では輸入有害菌にあたる白色腐朽菌
(Phanerochaete chrysosporium)については、G418
薬剤感受性株とカナマイシン耐性遺伝子を利用した形質
転換法(Randall, T. A. , T. R. Rao and C. A. Redd
y, (1989) Biochem. Biophys. Res. Commun. 161, 720-
725)やアデニン要求性株と Schizophyllum Commune由
来のADE2遺伝子またはADE5遺伝子を利用した遺
伝子組込み型の形質転換法(Alic, M. , E. K. Clark,
J. R. Kornegay and M. H. Gold, (1990) Curr. Genet.
17, 305-311, Alic, M. , J. R. Kornegay, D. Pribno
w and M. H. Gold,(1989) Appl. Environ. Microbiol.
, 55, 406-411)や P. chrysosporium 由来の自律複製
機能を持つDNA断片を利用した形質転換法が報告( T
homas Randall, C. A. Reddy and K. Boominathan, (19
91) J. Bacteriol. , 173, 776-782)されている。 P.
chrysosporium のリグニン分解能には優れたものがある
が蛋白質製造のための宿主としては性能の良いプロモー
ター等の開発が遅れていること、日本では輸入有害菌に
指定されていることなどの問題がある。
【0009】国産の白色腐朽菌アラゲカワラタケはリグ
ニン分解力に優れ、フェノールオキシダーゼやリグニン
パーオキシダーゼやマンガンパーオキシダーゼなどの酵
素の分泌生産能力に優れている。アラゲカワラタケは、
アルギニン要求性株とアラゲカワラタケ由来のオルニチ
ンカルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子(OCT遺伝
子)を利用した形質転換法も本発明者らのグループによ
って開発されている(特願平4−50513)。さら
に、アラゲカワラタケは液体培養することによりフェノ
ールオキシダーゼを構成的に大量に分泌生産するが、こ
のフェノールオキシダーゼの染色体遺伝子も既に本発明
者らによってクローニングされており、その大量発現と
分泌に関わるDNA(プロモーター、シグナル配列およ
びターミネーター)についてもクローン化している(Y.
Kojima, Y. Tsukuda, Y. Kawai, A. Tsukamoto, J. Su
giura, M. Sakaino and Y. Kita, (1990) J. Biol. Che
m. ,265, 15224-15230, 特開平3-15392 )。
【0010】すなわち、アラゲカワラタケは強力なプロ
モーターがクローニングされており、かつ栄養要求性株
を利用した安全な形質転換法が可能な蛋白質製造に適し
た白色腐朽菌ということができる。同じ Coriolus 属の
カワラタケについては、G418感受性とカナマイシン
耐性株を利用した形質転換法( N. Morohoshi and Y. K
atayama et al, (1991) 第41回日本木材学会大会研究
発表要旨)が報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】遺伝子組換え技術を利
用した分子生物学的育種法や有用蛋白質の製造法は急速
に発達し、その有用性も認められている。担子菌につい
ても同様であるが大腸菌や酵母等に比べ、形質転換効率
が低いという問題点を持っている。現在、この形質転換
効率が低いという問題点が研究開発速度を低下させ、育
種や有用蛋白質を製造することに支障を来たしている。
【0012】したがって、担子菌を宿主として遺伝子組
換え技術を利用する場合に、その形質転換効率を改良す
る方法が望まれていた。また、同時にシャトルベクター
は研究開発速度を揚げるために有効であるが、このシャ
トルベクターを作成するために必要な自律複製機能を持
つDNA断片も望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
探索および研究を行なった結果、本要望に答え得る発明
を完成した。すなわち、白色腐朽菌アラゲカワラタケの
染色体DNAライブラリーから自律複製機能を有し、さ
らに形質転換効率を向上させる機能を有する新規なDN
A断片を開発することに成功した。
【0014】従って本発明は、(1) 担子菌の染色体
ライブラリーから単離した自律複製機能または形質転換
効率を上げる機能を有するDNA断片を提供する。好ま
しくは、前記担子菌が白色腐朽菌アラゲカワラタケ(Co
riolus hirsutus)であることを特徴とする記載のDNA
断片であり、例えば配列番号1の配列の全部または一部
を含むことを特徴とする自律複製機能または形質転換効
率を上げる機能を有するDNA断片である。
【0015】本発明はさらに、上記記載のDNA断片を
組換えて得られる新規なプラスミドを提供する。本発明
はまた、上記のDNA断片、または上記の新規なプラス
ミドを宿主に導入することを特徴とする宿主の形質転換
法を提供し、さらにこの形質転換法によって得られる新
規な生物をも提供する。本発明者らは、担子菌を宿主と
した形質転換法において、その効率を改良する方法につ
いて鋭意探索および研究を行なった結果、自律複製機能
を有し、かつ形質転換効率を上げる機能を有するDNA
断片を得ることが肝要であると考えた。
【0016】さらに最も効果的なDNA断片は使用する
宿主の染色体ライブラリー由来のDNA断片がよいと考
えた。すなわち、担子菌の中でも強力なプロモーターが
クローニングされており、栄養要求性を利用した安全な
形質転換法が可能で、かつ酵素等の大量分泌能を有する
蛋白質製造に適した担子菌であり、リグニン分解力も優
れている白色腐朽菌アラゲカワラタケの染色体由来のD
NA断片が有効であると考えた。
【0017】また、その自律複製機能を利用してシャト
ルベクターを作成することを考慮すると、酵母等の細胞
内で自律複製する機能を有するDNA断片(ARS)と
して選抜し、その中から形質転換効率を同時に有するも
のを選抜する方法が最適である。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0018】ベクター 担子菌(特に白色腐朽菌アラゲカワラタケ)由来の自律
複製機能を有し、形質転換効率を上げる機能を有するD
NA断片を得るために必要な染色体DNAライブラリー
を構築するには、ベクターが必要である。このためのベ
クターとしては、パン酵母の染色体組み込み型のプラス
ミド(YIp1、YIp5、YIp25、YIp32、
YIp33等)が使用できる。
【0019】しかし、これらのプラスミドを利用してA
RSクローニングを行うとマーカー遺伝子の相同性組換
えによるバックグランドが出ると報告されている。目的
のDNA断片を得るためには、このバックグランドがな
いほうが望ましい。相同性組換えによるバックグランド
を避ける方法としては、パン酵母の染色体と相同性の低
いマーカー遺伝子を用いることが考えられる。すなわ
ち、パン酵母ではなくて他の生物種由来のマーカーがよ
い。
【0020】具体的には糸状菌や分裂酵母のマーカー遺
伝子がよい。図1に分裂酵母のマーカー遺伝子LEU1
を利用したベクターpYK41の作製方法を示す。染色体DNAの調製 本発明に使用するDNA断片はどの生物種由来のもので
あってもよいが、その目的が担子菌の形質転換効率を高
めることであるから担子菌の染色体DNAをその起源に
する方が望ましい。さらに、担子菌の中でも種が異なれ
ばその効果が異なることが予想されるので、最終的に宿
主とする生物由来のDNA断片が良いと思われる。すな
わち、蛋白質製造に適した白色腐朽菌、特にアラゲカワ
ラタケの染色体由来のDNA断片が望ましい。
【0021】白色腐朽菌を生育繁殖させる培地の組成
は、主炭素源としてグルコースを使用するが、白色腐朽
菌が資化可能な他の炭素源を使用してもよく、主窒素源
としては酵母エキス、ポリペプトンを使用するが、白色
腐朽菌が資化可能なアンモニウム塩、硝酸塩などの無機
窒素化合物、尿素、カゼインなどの有機窒素化合物も使
用することができる。その他、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩、カリウム塩、りん酸塩、マンガン塩、亜鉛塩、
鉄塩などの無機塩やコーンスティープリカー、ビタミン
類、アミノ酸類、核酸類などの栄養物質、成長促進物質
を添加することも可能である。
【0022】前記の培地に白色腐朽菌を接種し、培養す
る。培養後、集菌し、液体窒素中で凍結し、乳鉢中で破
砕後、フェノール抽出法により染色体DNAを抽出、精
製し、染色体DNAを得る。染色体DNAのフェノール
抽出の前に予めプロティナーゼ処理を行うと効率よく染
色体DNAを抽出することができる。染色体DNAライブラリーの構築 染色体DNAライブラリーは前記のベクターを使用すれ
ば良い。特に、相同性組換えによるバックグランドの低
いベクター(pYK41等)が適していると考えられ、
ここではこれを用いて説明する。
【0023】前記の染色体DNAを制限酵素 Sau3AI
〔宝酒造(株)製、1082A 〕で部分分解し、2〜10K
bの大きさの染色体DNA断片を得る。一方、プラスミ
ドベクターpYK41を制限酵素 BamHI〔宝酒造(株)
製、1010S 〕で完全分解し、脱リン酸化処理し、上記の
部分分解した染色体DNA断片を加え、T4DNAリガ
ーゼ〔宝酒造(株)製〕によってDNA鎖の結合反応を
行う。
【0024】得られた結合反応物を適当な大腸菌(カラ
ーセレクションが可能な大腸菌が望ましい)に形質転換
し、組換え体プラスミドを持つ大腸菌を1万個以上得
る。各大腸菌からアルカリ抽出法により組換え体プラス
ミドを抽出し、染色体ライブラリーとする。この時、30
0〜500個の組換え体大腸菌を1本の培地で増殖させ、ま
とめて組換え体プラスミドを抽出すると操作が簡便とな
る。
【0025】酵母内で自律複製機能を有するDNA断片の選抜 酵母内で自律複製機能を有するDNA断片を選抜する方
法は、酵母のARSクローニングと同様の方法( K. St
ruhl et al.,(1979) Proc. Natl. Acad. U.S.A. , 76,
1035)で行なえば良い。すなわち、染色体DNAライブ
ラリーで酵母を形質転換し、栄養要求性が相補された酵
母からプラスミドを抽出し、組込まれたDNA断片を回
収すれば良い。回収したDNA断片の解析は全て遺伝子
操作の慣用技術により行なえる。
【0026】酵母は適当な栄養要求性が付与されていれ
ばどのような種を使用してもよく、酵母の形質転換法
は、酵母のプロトプラストとPEGを利用した方法、プ
ロトプラストとDNAを封入したリポソームの融合によ
る方法、電気パルスによる方法、タングステン粒子にD
NAをコーティングし、高速度で酵母に射出するBiolis
tic 法、アルカリ1価カチオン処理した酵母を使用する
KU法等が報告されており、どの方法で行なっても良い
が、簡便なリチウムを使ったKU法が最も良い。
【0027】形質転換効率への影響 クローン化したDNA断片による形質転換効率への影響
については、既存の形質転換系を利用すればよく、本D
NA断片を付加した場合としない場合の形質転換効率を
比較すれば良い。形質転換する宿主には何を使用しても
問題はないが、形質転換効率の低い生物に応用する方が
効果的であることから、担子菌を宿主とした形質転換系
を利用する方が望ましい。
【0028】以上の遺伝子操作は全て慣用技術(例え
ば、Maniatis et al.,(1982) Molecular Cloninng ; A
Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory
参照)により行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例1ベクターの作製 酵母用選択マーカーには、分裂酵母由来のLEU1遺伝
子(Y.Kikuchi et al.,(1988) Curr.Genet.,14,375-37
9)を使用した。分裂酵母由来のLEU1遺伝子は宿主
に用いるパン酵母染色体と相同性がなく形質転換時に相
同性組換え等によるバックグランドがほとんどないとい
う利点を持つ。このLEU1遺伝子の必要部分である D
raI 断片をプラスミドpUC19の EcoO109制限酵素切
断部位に連結し、クローニングベクターpYK41(約
4.1Kb )を作製した(図1参照)。
【0030】pYK41は、(1) 多コピー(プラスミド
pUC19のori )で調製が容易、(2) バックグランド
が低い、(3) 遺伝子組換え体のカラーセレクションがで
きる、(4) サイズが小さいため(4.1Kb )比較的大きな
DNAを組込むことができる、(5) サイズが小さいため
取り扱いが容易、などの特徴を持っている。
【0031】実施例2染色体DNAの調製 アラゲカワラタケ(IFO4917 )を1LのYPD培地(酵
母エキス10g/l、ポリペプトン20g/l、グルコ
ース20g/l)が入った5L容三角フラスコに植菌
し、27℃、7日間培養した。培養後、集菌し、液体窒
素中で凍結させた結果、約20gの凍結菌体を得た。
【0032】10gの凍結菌体を液体窒素下で乳鉢を用
いて約15分間破砕した。あらかじめ42℃に保温した
緩衝液(0.1M NaCl 、0.1M Tris-HCl 、0.1M EDTA 、pH
8)10mlにプロテアーゼK(最終濃度、100 μg/ml
ベーリンガー・マンハイム山之内 161519)を加え、
その中に5gの破砕菌体を入れ穏やかに攪拌しながら2
時間反応させた。等量のTE(10mM Tris-HCl、1mM EDT
A、pH 8 )飽和フェノールで染色体DNAを抽出後、エ
タノール沈澱を行い、再び5mlのTEに溶かし、37
℃、30分間 RNaseA〔最終濃度 100μl、宝酒造(株)
製〕処理し、RNAを除いた。CsClを用いた平衡密
度勾配遠心分離(ベックマン、Vti80ローター、15
℃、50Krpm、16時間)を行い、精製した染色体DN
Aを1.5mg得た。
【0033】実施例3染色体DNAライブラリーの構築 上記の精製した染色体DNA50μgに4塩基認識の制
限酵素 Sau3AI を加え、37℃で部分分解し、2〜10
kbの大きさのDNA画分を回収した。回収方法は、ア
ガロースゲル電気泳動法でDNA分解物を分画後、2〜
10kbのDNA画分をDEAEメンブランNA−45
に吸着させ、回収する方法を用いた。回収後、2〜10
kbのDNA断片を10μg得た。
【0034】クローニングベクターpYK41(約10
μg)を制限酵素 BamHIで完全分解後、脱リン酸処理
し、供与ベクターとした。2〜10kbのDNA断片と
この供与ベクターをライゲーションし、大腸菌XL1−
blue( W. O. Bullock et al., (1987) Bio. Technique
s, 5, 376-378)に形質転換し、 X-gal、IPTG、アンヒ゜シリン
入りのL培地に撒くことにより、白色のコロニーとな
った組換え体大腸菌を12000個得た。
【0035】12000個の組換え体大腸菌を300個
づつ40組に分けた。組換え体大腸菌を1組ごと100
mlの アンヒ゜シリン入りL培地で1晩培養することによりプ
ラスミドを増幅させた。培養後、アルカリ抽出法により
大腸菌から全プラスミドを抽出した。40組の増幅した
プラスミドをもって組換えプラスミドの染色体ライブラ
リーとした。この中には、300×40=12000種
類のDNA断片が含まれていることになる。
【0036】実施例4酵母内で自律複製機能を有する
DNA断片の選抜 酵母への形質転換は、リチウム処理した酵母細胞を使用
する方法(H.Ito, Y.Fukuda, K. Murata and A. Kimur
a, (1983) J. Bacteriol. , 153, 163)で行なった。宿
主には、ロイシン要求性(leu- ) である3種類の株(NA
87−11A 、DKD−5D、SHY3)を使用した。
【0037】組換えプラスミドの染色体DNAライブラ
リー(1組ごと、約10μgづつ)を用いて酵母に形質
転換した結果、40組の中で3組の染色体DNAライブ
ラリーからロイシン要求性が相補された株を得た。これ
は自律複製機能を有するDNA断片が組込まれたプラス
ミドが酵母中での複製能力を獲得し、このプラスミドを
取り込んだ酵母がロイシン要求性を相補されることによ
り、ロイシンを含まない培地上で生育し、コロニーを形
成したものである。
【0038】3組の染色体DNAライブラリーを酵母に
形質転換することによって得られたロイシン要求性相補
株からプラスミドDNAの回収を試みたところ、1組に
ついては酵母の生育が途中で止まってしまい回収不能で
あった。残りの2組の酵母については、それぞれ常法
(F.Sherman et al.(1986)”Laboratory Course Manual
For Method in Yeast Genetics ”,Cold Spring Harbo
r Laboratory , p127)により全DNAを抽出した。
【0039】抽出した全DNAを再度大腸菌に形質転換
し、得られた組換え体大腸菌からアルカリ抽出法によっ
て組換え体プラスミド2種(pYK44、pYK46)
を回収した。2種のプラスミドに組込まれていたDNA
断片は約2.1kbと約1.9kbと大きさは少し異な
るがその制限酵素物理地図は等しく、アラゲカワラタケ
の染色体サザンハイブリダイゼーションでも同じ場所に
ハイブリダイズすることから染色体上の同一部分と判断
した。pYK44に組込まれたDNA断片の制限酵素物
理地図を第2図に示す。また、その塩基配列を配列表の
配列番号1に示す。この配列の中には、酵母のARSの
コンセンサス配列と一致する配列が1箇所、1個違いの
配列が5箇所存在した。なお、pYK44は、工業技術
院微生物工業研究所にFERM P−12695の受託
番号で寄託されている。
【0040】pYK44に組込まれたDNA断片を内部
の3箇所の HindIII部位とベクター上の HindIII部位で
切断し、3つのDNA断片に分けた。それぞれをpYK
41の HindIII部位にサブクローニングし、酵母へ形質
転換した結果、全てのプラスミドで形質転換体酵母(ロ
イシン要求性相補株)を得ることができた。このことか
ら、自律複製機能はpYK44に組込まれたDNA断片
全てを必要とするのではなく、1部でも可能であること
が証明された。
【0041】実施例5形質転換効率への影響 クローン化したDNA断片による担子菌の形質転換効率
への影響については、本発明者グループが既に開発した
アラゲカワラタケの形質転換系(特願平4−5051
3)を用いて試験した。本形質転換系は、アルギニン要
求性株を宿主とし、アルギニン要求性相補遺伝子(OC
T遺伝子;オルニチンカルハ゛モイルトランスフェラーセ゛遺伝子)をマーカー
として、種々の遺伝子をプロトプラスト−PEG法等に
よって導入する方法である。具体的には、次の(1) 〜
(4) のステップで行なった。
【0042】(1) 一核菌糸培養 直径6mm前後のガラスビーズを約30個入れた500m
l容の三角フラスコにSMY培地(シュークロース1
%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%)100ml
を分注し、滅菌する。アルギニン要求性株であるアラゲ
カワラタケOJI-1078(Coriolus hirsutus 、微工研受託
番号 FERM P-12677 )の平板寒天培地から直径5mmの菌
糸を含む寒天片をコルクボーラーで打ち抜き、上記SM
Y培地に植菌し、28℃、7日間静置培養した(前培
養)。ただし、菌糸が菌膜を作ったり、ペレットになら
ないように1日に1〜2回振り混ぜた。次に1L容の三
角フラスコに200mlのSMY培地と回転子を入れ、
滅菌し、本培養の培地とした。前培養菌糸をナイロンメ
ッシュ(孔径30μm)で濾別し、菌糸だけを本培養培
地に植菌した。スターラーで1日2回約30分攪拌しな
がら、28℃で4日間培養した。
【0043】(2) プロトプラストの調製 上記液体培養菌糸をナイロンメッシュで濾別し、100
mlの浸透圧調節溶液〔 0.5M MgSO4 、50mM マレイン
酸バッファー(pH 5.6)〕で洗浄した。次に湿菌体10
0mgあたり1mlの細胞壁分解酵素に懸濁し、緩やか
に浸透しながら28℃で3時間処理し、プロトプラスト
を遊離させた。細胞壁溶解酵素液はセルラーゼ・オノズ
カ(Cellulase ONOZUKA R-10、ヤクルト社製)5mgと
ノボザイム234(Novozyme 234、ノボ社製)10mg
を浸透圧調節溶液1mlに溶解し作製した。
【0044】(3) プロトプラストの精製 上記酵素反応液をナイロンメッシュで菌糸断片を除いた
後、遠心分離(1000xg、10分間)を行い、上清
を除去した。プロトプラストが含まれる沈澱に2mlの
浸透圧調節溶液を加え、再懸濁した。20mM、MOP
Sバッファー(pH 6.3)で調製した1Mシュークロース
溶液4mlを入れた別の遠心チューブに再懸濁したプロ
トプラスト液重層し、再度遠心分離(1000xg、5
分)し、上部の2mlを分取した。分取したプロトプラ
スト液に2倍量の1Mソルビトール溶液を加え、100
0xgで10分間遠心分離を行なった。上清を除去し、
沈澱物(プロトプラスト)に3mlの1Mソルビトール
溶液を加え、穏やかに懸濁後、再度遠心分離し、酵素類
を洗浄した。沈澱物に40mM塩化カルシウムを加えた
1Mソルビトール溶液500μlに懸濁し、プロトプラ
スト液とした。プロトプラスト液は、4℃で数日保存可
能である。
【0045】(4) 形質転換 107 個/100μl濃度のプロトプラスト液100μ
lに対し、図3に示すプラスミド(pUCR1、pYK
140、pUC18、pYK44)を2μg添加し、3
0分間氷冷した。次に液量に対し2/3のPEG〔25
% PEG4000、20mM MOPS( pH 6.4
)〕を加え、30分間氷冷した。さらに、60分間室
温で放置した後、0.5Mシュークロースを含むM軟寒
天培地(1%アガロース)に混合してプレートに撒き、
28℃で数日間培養し、形質転換体を得た。形質転換効
率はこの形質転換体を計数し、μgDNAあたりで算出
した。
【0046】この結果、pUCR1の形質転換効率は3
00コロニー/μgDNAであり、pYK140は10
00コロニー/μgDNAであった。したがって、クロ
ーン化したDNA断片を接続することにより、形質転換
効率が3.3倍に上昇することが証明された。また、対
象実験として用いたpUC18やpYK44では、形質
転換体は得られなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明により自律複製機能を有し、形質
転換効率を上げる機能を有するDNA断片を提供する。
本DNAは担子菌(特に白色腐朽菌アラゲカワラタケ)
で効果的に働く。本DNAが開発されたことで形質転換
効率が低い生物(特に担子菌)の形質転換効率が上昇
し、研究開発速度を上げることが可能となった。また、
研究開発速度が速まったことで育種や有用蛋白質の製造
を効律的に行なうことができるようになった。さらに、
本DNAは酵母の酵母内でも自律複製機能(ARS活
性)を持つことから、酵母とのシャトルベクター作製も
可能となった。
【配列表】(1)配列番号:1 配列の長さ:2097 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:アラゲカワラタケ( Coriolus hirsutus ) 株名:IFO 4917 直接の起源:pYK44 配列 GATCTATATA ATCCTCCATC GCTTAACATT ATACCTATTA ATATTGAGTT AAGTTCTAAT 60 CTAGATATAT TAGGAGGTAG CGAATTGTAA TATGGATAAT TATAACTCAA TTCAAGATTA 60 GGTAAATTAG TATTAATATT ATTCATTGTA TTATTATTAT TATTCATTGT ATTGTGTATT 120 CCATTTAATC ATAATTATAA TAAGTAACAT AATAATAATA ATAAGTAACA TAACACATAA 120 CTTTAATTAA AATATGTTAG CAGTATTAAT TTACACTTCT ATGATTAAGA ATAATTTTTA 180 GAAATTAATT TTATACAATC GTCATAATTA AATGTGAAGA TACTAATTCT TATTAAAAAT 180 TATTGTGTTA TTTAAACCCA ACTCGCGTAA CCTTTTAATC GGCGAACAGC CGAACCCTTC 240 ATAACACAAT AAATTTGGGT TGAGCGCATT GGAAAATTAG CCGCTTGTCG GCTTGGGAAG 240 CAAGCTTCTA CCCCCGGAGG ATAGGTTGAG TCGACATCGA GGTGCCAATC AGCCGGGACA 300 GTTCGAAGAT GGGGGCCTCC TATCCAACTC AGCTGTAGCT CCACGGTTAG TCGGCCCTGT 300 ATGTGTACTC TCACCAGCTA TCAGCCTGTT CAATTATGTT ATCGTAAACT ATTTAAAATT 360 TACACATGAG AGTGGTCGAT AGTCGGACAA GTTAATACAA TAGCATTTGA TAAATTTTAA 360 TACTTCTTAC CTTCACAGGT AAGTTCAGAC TATGTCATCG TCTTAAAATC TATAGTTCAA 420 ATGAAGAATG GAAGTGTCCA TTCAAGTCTG ATACAGTAGC AGAATTTTAG ATATCAAGTT 420 TTATAAAGGA AATTTAGGTA ATTTATATTT CATTTCTTCT ACCAAATAAG GTTTTATTGA 480 AATATTTCCT TTAAATCCAT TAAATATAAA GTAAAGAAGA TGGTTTATTC CAAAATAACT 480 TTGATAAAAT CTGGAATAAC TAGAATCTTT AATTACAATA ATTTTTCTAT TTTTGTTTGA 540 AACTATTTTA GACCTTATTG ATCTTAGAAA TTAATGTTAT TAAAAAGATA AAAACAAACT 540 TCGCACTTCA CATAATAAAT CAAATTTACT GCTTATTTGC TCACACAATT TTTCAACTTC 600 AGCGTGAAGT GTATTATTTA GTTTAAATGA CGAATAAACG AGTGTGTTAA AAAGTTGAAG 600 TAAGTCTGTG AAACTATGAG TATTTAATAC TACACTTCTA TTCTTAGAAT TTTTATTGTA 660 ATTCAGACAC TTTGATACTC ATAAATTATG ATGTGAAGAT AAGAATCTTA AAAATAACAT 660 ATCTAATTTT CCGCCATCAT CCATAAACCA ATATGCTAAA CCCCTAGAGT TAAATGATCT 720 TAGATTAAAA GGCGGTAGTA GGTATTTGGT TATACGATTT GGGGATCTCA ATTTACTAGA 720 TGTACAAGGT TTTCACTTAT ACCTTTTTTC CCTCCTTTTT CTAATAGAAA GAGTTCAGCC 780 ACATGTTCCA AAAGTGAATA TGGAAAAAAG GGAGGAAAAA GATTATCTTT CTCAAGTCGG 780 AAATAATTAA AAGCGTTATG ACTTAAAGTT TGAAAACCCC AATTAATAAT AAGGTTACCT 840 TTTATTAATT TTCGCAATAC TGAATTTCAA ACTTTTGGGG TTAATTATTA TTCCAATGGA 840 TTAGGAGCTT AATCTTTCTT TTTTATGTGG TTGACTTAAT ACCCATTCAT CAAAAAGGTT 900 AATCCTCGAA TTAGAAAGAA AAAATACACC AACTGAATTA TGGGTAAGTA GTTTTTCCAA 900 AAAGACATGA AATACATAAG CTTTATTTTT ATCTCCTCAT TCAAACTTAA TTCTATAGGT 960 TTTCTGTACT TTATGTATTC GAAATAAAAA TAGAGGAGTA AGTTTGAATT AAGATATCCA 960 TTTACCGTTA TTATCCTCCA CGAGGTCGGC GGAGATTGGA GATTAACATC ACCTAACATT 1020 AAATGGCAAT AATAGGAGGT GCTCCAGCCG CCTCTAACCT CTAATTGTAG TGGATTGTAA 1020 AAACCTATTA TTGCTTCTTT TTGTTCTATA GATAATTCAA TTAAACTATC TTTGTATTCT 1080 TTTGGATAAT AACGAAGAAA AACAAGATAT CTATTAAGTT AATTTGATAG AAACATAAGA 1080 TTAAGTTTAG AGCTATTTGC ACCTAAACCT ATGACTTCAT TTTTTAATAT TTTTTTCATT 1140 AATTCAAATC TCGATAAACG TGGATTTGGA TACTGAAGTA AAAAATTATA AAAAAAGTAA 1140 TATACAGATT TATTTTTTTT TTTAATTTAA AATATGTTAG CAGCAGATTT ATTATATTTT 1200 ATATGTCTAA ATAAAAAAAA AAATTAAATT TTATACAATC GTCGTCTAAA TAATATAAAA 1200 ATTTTTATTT ACAATGAACG TTTAAATGAA TTTAATTTTA AGACGCCGGG CGCTCGTGGA 1260 TAAAAATAAA TGTTACTTGC AAATTTACTT AAATTAAAAT TCTGCGGCCC GCGAGCACCT 1260 AAGGTTATTG TATACACTAC TCACTTTCTA GTCGTTGAAC GTTCTTACTC CGATAATTGT 1320 TTCCAATAAC ATATGTGATG AGTGAAAGAT CAGCAACTTG CAAGAATGAG GCTATTAACA 1320 GTAGAAGTAA GCTTCGCTGC AAATTTACTT TTTTAATAAA AGTGGTCTTT GCAATTCACC 1380 CATCTTCATT CGAAGCGACG TTTAAATGAA AAAATTATTT TCACCAGAAA CGTTAAGTGG 1380 CAGTTTATTA CTTCTATTTT CCAATAGAAG AGGACAACTA TTTTATCCCT AGCGTAACTT 1440 GTCAAATAAT GAAGATAAAA GGTTATCTTC TCCTGTTGAT AAAATAGGGA TCGCATTGAA 1440 TTATCGATTG ATCCCCGTCT ATTCCATATT ATAGCGAAGG GTCACTATGC CCTACTTACG 1500 AATAGCTAAC TAGGGGCAGA TAAGGTATAA TATCGCTTCC CAGTGATACG GGATGAATGC 1500 TATCTGTGCG ACTTCTAAGT CTTTCAGTTA GGCATGCTTT CCGCCATTAC GCCGATTACA 1560 ATAGACACGC TGAAGATTCA GAAAGTCAAT CCGTACGAAA GGCGGTAATG CGGCTAATGT 1560 ACCTTTCTCA TTGGTTGATT GATTTCCATT CAATTATCTA GCTCTACCTT ATGTTATTAA 1620 TGGAAAGAGT AACCAACTAA CTAAAGGTAA GTTAATAGAT CGAGATGGAA TACAATAATT 1620 AAAATATAAA TAACTTTTTT TTACAATTAT TACTTATATT TATACATAGT TTTTACTTTT 1680 TTTTATATTT ATTGAAAAAA AATGTTAATA ATGAATATAA ATATGTATCA AAAATGAAAA 1680 ACTATGATTT ATATTCTCTG ATAAGCCAAG AGGCTTAAAG AGTAAATAAA GAAATATCTT 1740 TGATACTAAA TATAAGAGAC TATTCGGTTC TCCGAATTTC TCATTTATTT CTTTATAGAA 1740 TGGATGTACT TTGCTACTTT ATCAAAGACG ACCGCCCCAG TCAAACTGCC AATTAGCCAC 1800 ACCTACATGA AACGATGAAA TAGTTTCTGC TGGCGGGGTC AGTTTGACGG TTAATCGGTG 1800 CTATCCCTTA AATTTTTTTA TAATTACAAG GTAAATATTA ACCCAACCAA AGTCAGAAGG 1860 GATAGGGAAT TTAAAAAAAT ATTAATGTTC CATTTATAAT TGGGTTGGTT TCAGTCTTCC 1860 TATTCCATCT TTCGTCTATC GACATCCCTA ATTCCTATTA ACTAAGGTTG TTGTAGATCA 1920 ATAAGGTAGA AAGCAGATAG CTGTAGGGAT TAAGGATAAT TGATTCCAAC AACATCTAGT 1920 ATATGATAGC TAACTACAGT AAAGCTGCAT AGGGTCTTCC CGTCCACCTG GAGGCAACCC 1980 TATACTATCG ATTGATGTCA TTTCGACGTA TCCCAGAAGG GCAGGTGGAC CTCCGTTGGG 1980 GCATCTGCAC GGGTAATTCA ATTTCACTGA GCAAGTTGTA GAGACAGTGA GACCATCGTT 2040 CGTAGACGTG CCCATTAAGT TAAAGTGACT CGTTCAACAT CTCTGTCACT CTGGTAGCAA 2040 ACACTATTGA TACCAGACCA CATTTAATGG CCAATTTATT TTGCTACCTT TGGATCC 2097 TGTGATAACT ATGGTCTGGT GTAAATTACC GGTTAAATAA AACGATGGAA ACCTAGG 2097
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、分裂酵母のマーカー遺伝子LEU1を
利用したクローニングベクターpYK41の構築方法を
示す。
【図2】図2は、pYK44に組込まれた自律複製機能
と形質転換効率を上げる機能を有するDNA断片の制限
酵素物理地図を示す。
【図3】図3は、実施例5で使用した各種プラスミドを
示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/80 //(C12N 15/31 C12R 1:645) (C12N 1/15 C12R 1:645) (C12N 15/53 C12R 1:645)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担子菌の染色体ライブラリーから単離し
    た自律複製機能または形質転換効率を上げる機能を有す
    るDNA断片。
  2. 【請求項2】 担子菌が白色腐朽菌アラゲカワラタケ(C
    oriolus hirsutus)であることを特徴とする請求項1記
    載のDNA断片。
  3. 【請求項3】 配列番号1の配列の全部または1部を含
    むことを特徴とする自律複製機能または形質転換効率を
    上げる機能を有するDNA断片。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のD
    NA断片を組換えて得られる新規なプラスミド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のD
    NA断片、または請求項4記載のプラスミドを宿主に導
    入することを特徴とする宿主の形質転換法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換法によって得ら
    れる新規な生物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005304424A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Taisei Corp 白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法

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