JP2005304424A - 白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた増殖速度を達成しつつ安価な、白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法を提供する。
【解決手段】 有機廃棄物を窒素源として含有する。ここで、有機廃棄物は、トウモロコシを酸に浸漬して得られる溶液であることが好ましい。また、酸としては、亜硫酸溶液を挙げることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイオキシン類等の有機塩素化合物及び/又は有機塩素化合物のハロゲン置換体の分解能を有する白色腐朽菌に好適な白色腐朽菌用培地及び当該白色腐朽菌の培養方法に関する。
ダイオキシン類やペンタクロロフェノール等のハロゲン置換体による生体影響が明らかとなり、現在ではその分解技術が数多く開発されている。この中でも、省エネルギーな処理方法として、特定の分解菌を用いた生物処理が注目されている。ダイオキシン類の生分解として、1966年にWilkesらによって1及び2塩素を置換するダイオキシン類を分解できるSphingomonas属細菌が報告された(非特許文献1参考)。ただし、この細菌では塩素置換数が3以上のダイオキシン類は分解されないことも報告されている。また、Kleckaらは、Pseudomonas属細菌による無塩素置換ダイオキシンの分解を報告している(非特許文献2参考)。
最近、低塩素置換ダイキオシン類を効率的に分解するPseudomonas属細菌も見出されているが、4塩素以上のダイオキシン類の分解は難しいと言われている。一方、細菌と同様に木材を腐朽する菌(木材腐朽菌)によるダイオキシン類の分解も勢力的に研究されている。木材腐朽菌は、木材中のセルロース及びヘミセルロースを主として分解する褐色腐朽菌と、リグニンも分解できる白色腐朽菌に大別される。中でも白色腐朽菌が生成するリグニン分解酵素は基質特異性が低いために、ダイオキシン類を始めとする様々な環境汚染物質の分解が期待されている。
白色腐朽菌によるリグニン分解には、リグニンペルオキシダーゼ(LIP)、マンガンペルオキシダーゼ(MnP)の2つの細胞外酵素が関与すると言われている。また、ダイオキシン類は単一の酵素では完全分解されないが、これらの複数の酵素が作用することによって完全分解に至る。Valliらは白色腐朽菌Phanarochaete chrysosporiumにより、2,7-ジクロロ-p -ジキシン(2,7-DCDD)が50%分解(25mM、27日間培養)できることを報告した(非特許文献3参考)。また、橘らは、数種の白色腐朽菌が2,7-DCDDおよび2,4,8-トリクロロジベンゾフラン(2,4,8-TCDF)を約80〜96%分解できることを報告している(非特許文献4、5、6及び7参考)。
以上のように、難分解性のダイオキシン類を効率的に生分解できる数多くの白色腐朽菌が報告されてはいるが、これらの菌の培養や酵素生産に用いる安価な培地および培養方法は見出されておらず、未だ実用化には至っていない。
H.Wilkes et al. ; Appl.Envron.Microbiol., 62(2), 367(1996) G.M.Klecka, D.T. Gilson ; Biochem.J., 180, 639(1979) K.Valli et.al. ; J.Bacteriology, 174(7), 231(1992) 橘 燐郎ら ; 紙パ技協誌, 53(8), 1054((1999) 伊藤和貴ら ; 紙パ技協誌, 51(11), 1759((1997) 大川浩樹ら ; 第41回リグニン検討会講演集, 名古屋, 1996, p.163 大川浩樹ら ; 紙パ技協誌, 53(8), 1054((1999)
そこで、本発明は、上述した実状に鑑み、優れた増殖速度を達成しつつ安価な、白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法を提供することを目的する。
上述した目的を達成するため、本発明者等は、培地組成につき鋭意検討した結果、特定の溶液を白色腐朽菌の窒素源として使用することによって、増殖速度に優れ、且つ、安価な培地となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る白色腐朽菌用培地は、有機廃棄物を窒素源として含有する。ここで、有機廃棄物は、トウモロコシを酸に浸漬して得られる溶液であることが好ましい。また、酸としては、亜硫酸溶液を挙げることができる。
本発明に係る白色腐朽菌用培地に含まれる上記有機廃棄物は0.04g/L以下であることが好ましい。また、本発明に係る白色腐朽菌用培地はシュクロースを炭素源として含有することが好ましい。上記有機廃棄物としてはコーンスティープリカーを挙げることができる。
また、本発明に係る白色腐朽菌の培養方法は、上記白色腐朽菌用培地で培養する方法である。すなわち、本発明に係る白色腐朽菌の培養方法は、有機廃棄物を窒素源として含有する培地で白色腐朽菌を培養する。白色腐朽菌としては受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌を対象とすることができる。
本発明よれば、優れた増殖速度を達成しつつ安価な、白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法を提供することができる。また、本発明に係る白色腐朽菌用培地及び白色腐朽菌の培養方法によれば、ダイオキシン等の有機塩素系化合物を分解する酵素群を効率よく生成させることもできる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明に係る白色腐朽菌用培地は、白色腐朽菌が消費する窒素源として有機廃棄物を含有する。有機廃棄物としては、例えば、トウモロコシから炭水化物成分を抽出した残査を挙げることができる。その他にも、有機廃棄物としては、家畜糞尿、生ゴミ、下水汚泥、わら、木材チップ、廃糖蜜、オカラ等を挙げることができる。
特に、トウモロコシを酸に浸漬して得られる溶液を窒素源として使用することができる。酸としては亜硫酸を使用することができる。亜硫酸以外にも酸としては、例えば、硫酸、塩酸、亜硝酸及び硝酸を使用することができる。
より具体的に有機廃棄物としては、トウモロコシを亜硫酸溶液に浸漬して得られた浸漬液(以下、トウモロコシ亜硫酸浸漬液)を使用することができる。トウモロコシ亜硫酸浸漬液はコーンスティープリカーと呼ばれることもある。なお、白色腐朽菌用培地は、窒素源として有機廃棄物(好ましくは、トウモロコシ亜硫酸浸漬液)以外の窒素源を含んでいてもよい。その他の窒素源としては、特に限定されないが、例えば、肉エキス、ペプトン、グルテンミール、大豆粉、乾燥酵母、酵母エキス、硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム塩、尿素、L-アスパラギン酸などが挙げられる。
また、白色腐朽菌用培地に含まれる有機廃棄物の量は、0.04g/L以下であることが好ましい。白色腐朽菌用培地に含まれる有機廃棄物の量が0.04g/Lを超える場合には、白色腐朽菌におけるリグニン分解酵素の生成が低下する虞がある。白色腐朽菌用培地に含まれる有機廃棄物の量が0.04g/L以下とすることによって、白色腐朽菌を効率的に培養することができるとともに、白色腐朽菌がリグニン分解酵素を効率的に生成することができる。
さらに、白色腐朽菌用培地は、各種の炭素源、無機塩類、ビタミン類を含んでいてもよい。炭素源としては、グルコース、シュクロース、フルクトース、マルトース、サッカロース、グリセリン、スターチ、糖蜜、廃糖蜜、マルツエキス、などの単糖類や多糖類が挙げられる。なかでも、炭素源としては、シュクロースを使用することが好ましい。シュクロースは非常に安価であるため、炭素源としてシュクロースを使用することによってコストを大幅に削減することができる。培地中には、上述した物質以外に、ナトリウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、カルシウム塩、リン酸塩などの他の無機塩類や、イノシトール、ビタミンB1塩酸塩、ビオチンなどのビタミン類を添加しても良い。
白色腐朽菌用培地で培養可能な白色腐朽菌としては、特に限定されないが、Bjerkandera sp.、Coriolus sp.、Ganoderma sp.、Inonotus sp.、Pleurotus sp.、Perenniporia sp.、Phanerochaete sp.、Phlebia sp.、Trametes sp.及びTyromyces sp.を挙げることができる。
特に、白色腐朽菌としては、日本国内(山口県岩国市岩国城)の森林土壌から、ダイオキシン類の分解活性を指標としてスクリーニングされ、MS-325と命名した白色腐朽菌を使用することが好ましい。この白色腐朽菌MS-325は、2002年6月7日付けで特許微生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1-1-1 中央第6)に受託番号FERM P-18877として寄託されている。受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌は、以下の菌学的性質を有する。
A.形態的性質
(1) 細胞の形及び大きさ:
糸状性であり、クランプコネクション及び分節型分生子を形成
(2) 細胞の多形性の有無:
なし
(3) 運動性の有無:
なし
(4) 胞子の有無:
なし
また、本発明に係る白色腐朽菌用培地は前培養に使用してもよいし本培養に使用してもよい。白色腐朽菌の培養条件としては、特に限定されないが、例えば、培養温度を10〜37℃の範囲、好ましくは25〜30℃とする。また培養時のpHは3〜7の範囲、好ましくは4〜6とする。なお、本培養においては、本発明に係る白色腐朽菌用培地をオートクレーブ滅菌、蒸気滅菌、フィルター滅菌を行っても良く、非滅菌で用いることもできる。
さらに、本発明に係る白色腐朽菌用培地を用いた白色腐朽菌の培養に際しては通気及び/又は撹拌を行ってもよい。通気量は、培養液1L当たり0.1〜5L/L/minの範囲であることが好ましく、また0.3〜2L/L/minであることがより好ましい。
本発明に係る白色腐朽菌用培地は以下のような利点がある。従来において、白色腐朽菌の多くが増殖を抑制した環境でLIPやMnPを細胞外に生成するため、培地中の炭素/窒素比の高い条件、すなわち窒素濃度を低くした培地が必要であった。今まで多くの研究で用いられてきた代表的な培地として表1、2、3に示すBasal IIIがある(表1は培地組成を示し、表2は表1における「Basal III」の組成を示し、表3は表1及び表2における「Trace elements」〔微量元素〕の組成を示している)。
Figure 2005304424
Figure 2005304424
Figure 2005304424
しかしながら、この培地は炭素源としてグルコースを用いており、その他、多様な成分を必要とする。また、チアミン等の高価な原料も必要である。さらに、滅菌にはオートクレーブは適用できずフィルター滅菌する必要があった。このように、培地そのものの組成が非常に複雑であり、さらに高価な原料を用いるため、実用に供するのは困難であった。
これに対して、本発明に係る白色腐朽菌用培地は、窒素源として有機廃棄物(例えば、トウモロコシを亜硫酸水に浸漬し得られた浸漬液)を使用することによって、非常に安価で且つ白色腐朽菌の増殖効率及び分解酵素の生成効率を高めることができる。また、本発明に係る白色腐朽菌用培地は、炭素源としてグルコースやシュクロース等の糖類を含有することによって、さらに安価なものとすることができる。
さらに、本発明に係る白色腐朽菌用培地は、蒸留水ではなく水道水で調整することも可能であることから、大幅な原料コストの削減とともに、培地作成の操作性の改善が図られる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕白色腐朽菌の増殖に及ぼす培地
液体培地として表4に示す5種類の培地を用いた(No.1〜3はpHを4.5に調整した)。各培地50mLを300mL三角フラスコに入れ滅菌した後、ポテトデキストロース寒天培地で前培養した白色腐朽菌(受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌MS-325株;28℃×10日間)を各液体培地に無菌的に植菌した。その後、28℃恒温のインキュベータ内で1週間静置培養を開始した。
Figure 2005304424
No.1〜5の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を、それぞれ順に図1〜5に示す。図1〜5を比較すると、検討した培地の中でもNo.1に示すシュクロースとトウモロコシ亜硫酸浸漬液とから成る培地では、白色腐朽菌MS325株の増殖が著しいことがわかった。
〔実施例2〕リグニン分解酵素の生成に及ぼす培地の検討
300mL三角フラスコ6本を用いて、表5に示す組成の培地を2本ずつ作成した(pH4.5)。
Figure 2005304424
なお、Basal IIIはフィルター滅菌を、2.4%ポテトデキストロースからなる培地並びにシュクロース及びトウモロコシ亜硫酸浸漬液からなる培地には121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。これらの培地に、Aシリーズには651nmでの吸光度が0.3になるように、フィルター滅菌した青色色素であるAzure Bを添加した。Bシリーズには431nmでの吸光度が1.2になるようにフィルター滅菌したフェノールレッドを添加した。なお、Azure Bは、LIP(リグニン分解酵素)活性のアッセイに用いられる色素であり、Azure Bの脱色性により培養液中のLIP活性を相対的に把握することができる。また、フェノールレッドはMnP(マンガンペルオキシターゼ)活性のアッセイに用いられる色素であり、431nmでの減少(黄色)をモニターすることにより、培養液中のMnP活性を把握することができる。
以上のように調整した各フラスコに、ポテトデキストロース寒天培地で前培養した白色腐朽菌(受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌MS-325株;28℃×10日間)を無菌的に植菌した。培養は28℃のインキュベータを用いて静置培養で行った。経時的に各フラスコから培養液を採取し、0.2μmメンブレンフィルターで濾過した後、濾液中の吸光度(Azure B;651nm、フェノールレッド;431nm)を各々測定した。
Azure Bの脱色性(651nmの減少)の経日変化を図6に示し、フェノールレッドの脱色性(431nmの減少)の経日変化を図7に示す。
図6に示すように、ポテトデキストロース(PD)からなる培地ではAzure Bの脱色はほとんど確認されなかった。一方、Basal III培地では、培養9日後からAzure Bの脱色が確認された。これらの培地に対して、シュクロースとトウモロコシ亜硫酸浸漬液からなる培地では、培養直後から急激にAzure Bの脱色が確認された。図7に示すように、フェノールレッドにおいてもAzure Bと同様に、PDやBasal IIIと比較して、シュクロースとトウモロコシ亜硫酸浸漬液からなる培地では培養直後から高速に脱色された。これらの結果より、シュクロースとトウモロコシ亜硫酸浸漬液からなる培地は、前述した白色腐朽菌MS325株の増殖とともに、LIPやMnPの生成に非常に効果的であることが判明した。
〔実施例3〕炭素源の影響
300mL三角フラスコ2本を用いて、表6に示す組成の培地を作成した(pH4.5)。No.Aは炭素源としてグルコースを10g/L、No.Bは炭素源としてシュクロースを10g/Lを含み、窒素源としては各々トウモロコシ亜硫酸浸漬液を0.4g/L含む培地とした。
Figure 2005304424
これらの培地を121℃で15分オートクレーブ滅菌した後、651nmでの吸光度が0.3になるように、フィルター滅菌した青色色素であるAzure Bを添加した。その後、ポテトデキストロース寒天培地で前培養した白色腐朽菌(受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌MS-325株;28℃×10日間)を各フラスコに無菌的に植菌した。28℃恒温のインキュベータ内で1週間静置培養を開始した。定期的に各フラスコから培養液を採取した後、651nmでの吸光度を測定し、Azure Bの脱色性を評価した。
本例で使用した各培地におけるAzure Bの脱色性を図8に示す。図8に示すように、グルコースを炭素源とした場合には、シュクロースを炭素源とした場合よりも速い段階でAzure Bの脱色が確認された。この結果から、炭素源としては、グルコース及びシュクロースのいずれを用いてもよいが、LIPの生成効率の点でシュクロースを用いることが好ましいことが判った。
〔実施例4〕リグニン分解酵素生成に及ぼすトウモロコシ亜硫酸浸漬液濃度
300mL三角フラスコ5本を用いた。各フラスコに炭素源としてグルコース10g/Lを含み、窒素源としてトウモロコシ亜硫酸浸漬液を表7に基づいて添加した(pH4.5)。
Figure 2005304424
これらを121℃で15分オートクレーブ滅菌した後、651nmでの吸光度が0.3になるように、フィルター滅菌した青色色素であるAzure Bを添加した。その後、ポテトデキストロース寒天培地で前培養した白色腐朽菌(受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌MS-325株;28℃×10日間)を各フラスコに無菌的に植菌した。28℃恒温のインキュベータ内で1週間静置培養を開始した。定期的に各フラスコから培養液を採取した後、651nmでの吸光度を測定し、Azure Bの脱色性を評価した。
本例で使用した各培地におけるAzure Bの脱色の経時変化を図9に示す。各培地ともに明確にAzure Bが脱色されており、LIPが液中に生成されていることがわかる。これらの結果から、各培地での培養1日目のAzure Bの脱色速度を算定すると共に、培地に添加したトウモロコシ亜硫酸浸漬液量との関係を検討した。その結果を図10に示す。
図9から判るように、トウモロコシ亜硫酸浸漬液が0.04g/L以下の範囲では、Azure Bの脱色速度が急激に上昇した。この結果、培地に添加するトウモロコシ亜硫酸浸漬液の添加量を0.04g/L以下とすることによって、非常に速い段階で高活性のリグニン分解酵素を生成させることができることがわかった。
表4中No.1の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を示す写真である。 表4中No.2の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を示す写真である。 表4中No.3の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を示す写真である。 表4中No.4の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を示す写真である。 表4中No.5の培地を用いた際の培養終了後における菌の繁殖の様子を示す写真である。 実施例2で使用した各培地におけるAzure Bの脱色性(651nmの減少)の経日変化を示す特性図である。 実施例2で使用した各培地におけるフェノールレッドの脱色性(431nmの減少)の経日変化を示す特性図である。 実施例3で使用した各培地におけるAzure Bの脱色性を示す特性図である。 実施例4で使用した各培地におけるAzure Bの脱色の経時変化を示す特性図である。 図8に示した結果から各培地における培養1日目のAzure Bの脱色速度を算定すると共に、培地に添加したトウモロコシ亜硫酸浸漬液量との関係を検討した結果を示す特性図である。

Claims (13)

  1. 有機廃棄物を窒素源として含有する、白色腐朽菌用培地。
  2. 上記有機廃棄物は、トウモロコシを酸に浸漬して得られる溶液であることを特徴とする請求項1記載の白色腐朽菌用培地。
  3. 上記酸は亜硫酸を含むことを特徴とする請求項2記載の白色腐朽菌用培地。
  4. 上記有機廃棄物は0.04g/L以下であることを特徴とする請求項1記載の白色腐朽菌用培地。
  5. シュクロースを炭素源として含有することを特徴とする請求項1記載の白色腐朽菌用培地。
  6. 上記有機廃棄物はコーンスティープリカーであることを特徴とする請求項1記載の白色腐朽菌用培地。
  7. 有機廃棄物を窒素源として含有する培地で白色腐朽菌を培養する、白色腐朽菌の培養方法。
  8. 上記有機廃棄物は、トウモロコシを酸に浸漬して得られる溶液であることを特徴とする請求項7記載の白色腐朽菌の培養方法。
  9. 上記酸は亜硫酸を含むことを特徴とする請求項8記載の白色腐朽菌の培養方法。
  10. 上記溶液は0.04g/L以下であることを特徴とする請求項7記載の白色腐朽菌の培養方法。
  11. シュクロースを炭素源として含有することを特徴とする請求項7記載の白色腐朽菌の培養方法。
  12. 上記有機廃棄物はコーンスティープリカーであることを特徴とする請求項7記載の白色腐朽菌の培養方法。
  13. 上記白色腐朽菌は受託番号FERM P-18877で特定される白色腐朽菌であることを特徴とする請求項7記載の白色腐朽菌の培養方法。
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