JPH05292838A - 玄米もやしの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

玄米もやしの製造装置及びその製造方法

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JPH05292838A
JPH05292838A JP10488592A JP10488592A JPH05292838A JP H05292838 A JPH05292838 A JP H05292838A JP 10488592 A JP10488592 A JP 10488592A JP 10488592 A JP10488592 A JP 10488592A JP H05292838 A JPH05292838 A JP H05292838A
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JP
Japan
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tank
hot water
water
germination
brown rice
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JP10488592A
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Yomoharu Miura
四方治 三浦
Masahiro Okazaki
雅裕 岡▲崎▼
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MARUSEI KK
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MARUSEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は安定且つ短時間で玄米もやしを収穫
できる玄米もやしの製造装置及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 発芽槽5内には玄米が均された籠7が入れて
あり、温水タンク15の温水が給水管27及び給水パイ
プ10,11を介して発芽槽5の上部より給水される。
発芽槽5内の水温は温水タンク15からの給水により2
5〜37℃に保たれる。温水タンク15内にはコンプレ
ッサ33により加圧された圧縮空気が供給されて温水を
曝気する。発芽槽5の底部に接続された還流配管37を
介して発芽槽5の温水が温水タンク15に戻されて循環
することにより発芽槽5内に流れを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は玄米もやしの製造装置及
びその製造方法に係り、特に玄米から発芽する玄米もや
しの育成時間を短縮するとともに水の使用量を減らすよ
うにした玄米もやしの製造装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】元来、米は良質の植物性タンパク質であ
るため主食として長年食されており、その食べ方は粒状
のごはんにして食べることが主流であった。ところが、
食生活の多様化とともに米の消費量が減少傾向になり、
特に米は硬いのでそのままでは消化されにくく利用法が
ごはんに限られていた。そこで、玄米を発芽させて玄米
もやしを育成させ、この玄米もやしを製粉して玄米もや
し粉に加工することが考えられている。
【0003】この玄米もやしとは、モミ殻を取り去った
玄米を発芽させてもやしを育成したものであるが、発芽
に伴って玄米の硬さがなくなるとともに玄米の中に含ま
れている炭水化物が還元糖になったり、タンパク質がア
ミノ酸に分解されたり、その他にも繊維やビタミン類が
作り出される。従って、玄米もやしを製粉することによ
り、玄米もやし粉が小麦粉と同じような多目的な食品と
して使用できる。
【0004】しかるに、玄米を発芽させる際、玄米が、
微生物により水中で腐敗したり、あるいは発芽してもも
やしが不揃いであったりして玄米もやしを製造すること
が難しかった。
【0005】従来の玄米もやし製造方法としては、特公
昭58−25419号公報に見られるような製造方法が
知られている。この公報の製造方法では、玄米を殿粉又
は寒天が溶解されたゼリー状液に浸し、玄米の表面にゼ
リー状の被膜を形成する。そして、ゼリー状で被膜され
た玄米が15〜20℃の殺菌水に浸され、且つ水温を2
0〜25℃に保温することにより玄米もやしが生育され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
製造方法では、玄米の腐敗するのを防止するため、玄米
の表面をゼリー状液で被覆しなければならず、そのため
にかなり労力を要するばかりか、大量の玄米もやしを生
産する際、すべての玄米を均一の膜圧で被覆することが
難しく、膜圧の薄い部分があるとそこから腐敗してしま
うおそれがあった。
【0007】さらに、従来は殺菌水を使用しているが、
玄米の表面を被覆した上殺菌水を15〜20℃に保つよ
うにしているため、発芽の生育に時間(例えば1週間程
度)がかかり、特に量産する場合に生産効率が大幅に低
下するおそれがある。又、従来は、発芽生育に時間がか
かる分殺菌水の交換回数が多くなり、水使用量が増大す
るといった課題もある。
【0008】そこで、本発明は上記課題を解決した玄米
もやしの製造装置及びその製造方法を提供することを目
的とする
【0009】
【課題を解決するための手段】上記請求項1の発明は、
玄米を均らせた籠が浸される発芽槽と、該発芽槽へ給水
される温水を貯溜する温水タンクと、該温水タンク内の
水温を発芽させやすい適温に加温する加温手段と、前記
温水タンク内の温水を前記発芽槽の上部に給水する給水
管路と、前記発芽槽の下部より排出された温水を前記温
水タンクに還流させる還流管路と、前記温水タンク内に
酸素を供給する酸素供給手段と、よりなることを特徴と
する。
【0010】又、請求項2の発明は、水洗いされた玄米
を籠内に均した後、該籠を発芽槽内の温水中に浸し、次
いで温水タンク内の温水を加温するとともに該温水タン
ク内に酸素を供給しながら前記温水タンク内の温水を前
記発芽槽の上部へ給水し、同時に前記発芽槽内の下部よ
り温水を前記温水タンクへ還流させて前記発芽槽内の水
温を25〜37℃に保つとともに前記籠内に少量の流れ
を生じせしめ、前記籠内の玄米よりもやしを発芽させる
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】発芽槽内の水温を25〜37℃に設定すること
により玄米の発芽を促進して収穫までの時間を短縮化
し、且つ発芽槽の温水を温水タンクへ還流させて温水タ
ンク内に酸素を供給することにより玄米及び水の醗酵、
腐敗を防止する水使用量を減らして水を節約できる。
【0012】
【実施例】図1乃至図3に本発明になる玄米もやしの製
造装置及びその製造方法の一実施例を示す。図1は玄米
もやし製造装置の全体の構成図で、図2,図3は発芽槽
の構成を示す図である。
【0013】各図中、玄米もやし製造装置は大略発芽槽
ユニット1と、発芽槽ユニット1へ温水を供給する温水
供給ユニット2とよりなる。発芽槽ユニット1は空調装
置3により室温が所定の温度(約24〜27℃)に調整
される発芽室4内に発芽槽5を設置してなる。尚、発芽
槽5の容量は本実施例では500リットルとする。
【0014】発芽槽5は図2,図3に示す如く、底部に
一対の支持台6が設置されており、この支持台6上には
玄米Rを収納するための籠7が5個積み重ねられてい
る。各籠7は図4に示すようにステンレス製の金網8に
より箱状に形成されており、上部開口7aの四隅の縁部
には積み重ねられた籠7の底部が載置される載置部9が
取付けられている。尚、籠7に使用される金網8は、玄
米の粒より目の細いメッシュで形成されている。又、金
網8の代わりに玄米の粒より小さい小孔が多数穿設され
たステンレス板等により籠7を作成しても良い。
【0015】発芽槽5の上端縁部5aには給水用の給水
パイプ10,11が取付けられている。この給水パイプ
10,11は温水供給ユニット2からの給水配管27に
接続されており、給水パイプ10,11の内側には図5
に示すように一定間隔毎に給水孔10a,11aが複数
穿設されている。
【0016】そのため、温水供給ユニット2から送水さ
れた温水は発芽槽5の両側の縁部に延在する給水パイプ
10,11の給水孔10a,11aから発芽槽5内に給
水される。従って、給水パイプ10,11から給水され
た温水はシャワーのように発芽槽5の全体に分散して供
給される。
【0017】又、発芽槽5の底部には排水管12が接続
されており、排水管12の途中に排水量を調整する排水
弁13が配設されている。尚、排出弁13は通常閉弁さ
れており、発芽槽5の水を入れ替えるときに開弁され
る。
【0018】発芽室4内は外部の気温の変化(季節及び
昼夜の温度差)に影響されないように密閉されており、
発芽槽5内の水温を安定させるため、空調装置3により
ほぼ一定の温度に維持される。
【0019】14は温度センサで、発芽槽5内の水温を
測定し、その測定値に応じた信号を出力する。
【0020】ここで、温水供給ユニット2について説明
する。
【0021】図1において、温水供給ユニット2は、温
水タンク15と、温水タンク15内の水を加温する温水
ボイラ16(加温手段)と、温水タンク15内の水を攪
拌する攪拌器17と、温水タンク15に水を補給する用
水タンク18とよりなる。さらに、温水タンク15には
上限液位と下限液位とを検出する液面計19と温水タン
ク15内の水温を測定する温度センサ20とが設けられ
ている。
【0022】21はマイクロコンピュータ等よりなる制
御部で、上記温度センサ14,20、液面計19からの
信号が入力されると、温水タンク15の水温が目標値と
なるように温水ボイラ16の加熱量を制御する。尚、温
水ボイラ16では燃料噴射器より重油又はガス噴射させ
て燃焼させるため、制御部21は重油又はガスの噴射量
を制御して温水タンク15の水温を加温する。
【0023】温水タンク15と発芽槽5の給水パイプ1
0,11とは給水管27により接続されており、給水管
27にはポンプ22と、給水量を制御する流量調整弁2
3と、が配設されている。
【0024】又、用水タンク18に接続された配管24
はその先端部が温水タンク15の上部開口に延在してお
り、配管24にはポンプ25と開閉弁26とが配設され
ている。
【0025】28は操作盤で、スタートスイッチ、停止
スイッチ、温度設定スイッチ(共に図示せず)等が配設
されている。
【0026】29は醗酵防止剤としての酢酸が貯溜され
た薬剤タンクで、配管31を介してポンプ25の下流側
の配管24に接続されている。この配管31には定量ポ
ンプ30が配設されている。
【0027】定量ポンプ30は用水タンク18の水が温
水タンク15へ給水されるとき駆動され、一定量の酢酸
を配管24に注入して温水タンク15へ供給する。温水
タンク15では攪拌器17が温水を対流させているた
め、注入された酢酸は温水タンク15内の温水と混合さ
れる。
【0028】尚、酢酸は玄米及び温水の腐敗を防止する
殺菌作用があり、これにより発芽槽5内の温水が汚染さ
れることを抑制し、ひいては発芽完了までの温水使用量
を大幅に節約することができる。又、醗酵防止剤として
は酢酸以外の薬剤(例えば食品保存用添加剤としての安
息香酸、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム等)を使用し
ても良い。
【0029】32は温水タンク15内の温水を曝気する
酸素供給ユニット(酸素供給手段)で、コンプレッサ3
3と、コンプレッサ33により圧縮された空気を貯める
空気タンク34と、空気タンク34の空気を温水タンク
15へ送る空気配管35と、空気配管35に配設された
開閉弁36とよりなる。
【0030】コンプレッサ33は空気タンク34内の圧
力が所定圧力(約4kg/cm2 )となるように起動し
ており、空気タンク34の圧縮空気は開閉弁36の開弁
により温水タンク15内に圧送される。開閉弁36は通
常開弁されたままであり、温水タンク15の温水を交換
する際に開弁される。
【0031】空気配管35はその先端が温水タンク15
の底部中央まで延在し、攪拌器17のプロペラ17aの
下方で圧縮空気を放出する。従って、温水タンク15の
底部中央に供給された圧縮空気(酸素)は気泡となって
上昇し、さらに攪拌器17のプロペラ17aの回転によ
り生ずる水流によって温水タンク15の全域に拡散され
より効果的に曝気処理が行なわれる。そのため、温水タ
ンク15内の温水は空気中に含まれている酸素が供給さ
れることにより浄化される。
【0032】このようにして浄化された温水は後述する
ように温水タンク15と発芽タンク5との間で循環させ
て使用することが可能となり、温水を交換する方法より
も水を節約することができる。
【0033】37は還流配管で、一端が排出弁13より
上流側の排水管12に接続され、他端が温水タンク15
の上部開口に挿入されている。この還流配管37には開
閉弁38、ポンプ39、濾過器40が配設されている。
通常、開閉弁38は開弁され、且つポンプ39が起動さ
れており、発芽槽5内の温水は排水管12、還流配管3
7を介して温水タンク15へ還流される。又、発芽槽5
からの温水には玄米の発芽に伴う腐敗物が含まれている
が、濾過器40を通過する際に温水中の腐敗物が除去さ
れる。
【0034】そして、温水タンク15に戻された使用済
みの温水は酸素供給により浄化されるとともに温水ボイ
ラ16により加温され、再び給水管27を通って発芽槽
5へ給水される。このように温水が発芽槽5と温水タン
ク15との間を循環することにより水を有効に利用でき
るとともに、温水を加温すれば良いので温水ボイラ16
の燃料も節約できる。
【0035】本実施例では、温水タンク15内に温水を
曝気させるようにしたが、発芽槽5に空気を供給するよ
うにした場合、発芽槽5内の玄米が気泡によって動かさ
れないようにしなければならず、あるいは曝気により玄
米が影響を受けないように発芽槽5を充分に大きくしな
ければならない。従って、温水タンク15で曝気を行う
方が玄米の生育上好ましい。
【0036】制御部21は操作盤28に設けられスター
トスイッチ(図示せず)がオン操作されると、上記給水
管27に設けられたポンプ22、流量調整弁23、及び
配管24に設けられたポンプ25、開閉弁26、定量ポ
ンプ30を制御する。即ち、制御部21には予め制御プ
ログラムが入力されており、例えば液面計19が液位下
限値を検出するとポンプ25を起動するとともに開閉弁
26を開弁する。同時に定量ポンプ30が駆動されて微
量の酢酸が添加される。そして、用水タンク18の水が
温水タンク15に注入され、温水タンク15の液面が液
位上限値に達すると、開閉弁26を閉じてポンプ25を
停止させる。本実施例では後述する理由により温水タン
ク15内の酢酸濃度が50〜70ppmとなるようにす
る。
【0037】又、制御部21は、用水タンク18からの
注水により温水タンク15の水温低下が温度センサ20
により検出されると温水ボイラ16により温水タンク1
5内の水を加温して予め設定された目標値まで水温を上
昇させ、常に温水タンク15の水温を一定値に保つ。そ
して、所定時間間隔毎にポンプ22を起動させるととも
に流量調整弁23の弁開度を制御して酢酸が添加された
温水タンク15の温水を発芽槽5へ送水する。
【0038】尚、温水タンク15内の温水は攪拌器17
のプロペラ17aがモータ17bにより回転駆動されて
いるため、温水ボイラ16により加温された温度の高い
温水を底部から上部へ対流させて温水タンク15内の水
温が平均化される。従って、温水タンク15から発芽槽
5へ給水される温水は常に一定の温度に加温されてい
る。
【0039】ここで、本出願人が実験により発芽槽5の
水温と玄米もやしの成長との関係を調べた結果、図6に
示すように25〜37℃のときもやしが著しく成長する
ことがわかった。特に、玄米もやしが大きく成長するた
めの最適条件が水温28〜35℃であることがわかる。
【0040】但し、図6の実験結果は、水道水を任意の
温度23〜38℃に加温して玄米を96時間浸したとき
のデータである。
【0041】図7は温水タンク15に供給される空気量
と玄米もやしの成長との関係を示した実験結果である。
同図中、玄米が水温34℃の温水に96時間浸されたと
き、空気量が多いほど玄米もやしが長く成長することが
わかる。特に、水1m3 当り0.2m3 /分以上の空気
量を供給した場合玄米もやしの成長が最大となる。この
ことから、温水タンク15に空気量(酸素)を供給する
ことにより温水を浄化させるだけでなく、玄米もやしの
生育も促進できるといった効果が得られる。
【0042】又、図8は空気供給とともに醗酵防止剤と
しての酢酸を温水に添加した場合の実験結果である。同
図中、温水に空気を供給しただけの場合よりも微量の酢
酸を添加した方が玄米もやしの生育がより促進されるこ
とがわかる。
【0043】又、図9は温水に空気供給しながら、酢酸
を添加した場合のpH(ペーハ)の変化を示す実験結果
である。
【0044】同図中、温水に空気(酸素)を供給しただ
けの場合よりも微量の酢酸を添加した場合の方がpH変
化がゆるやかであることがわかる。
【0045】又、温水に空気供給しただけの場合だと温
水交換直後のpHが7で72時間後にはpHが4.6ま
で変化する。しかし、酢酸濃度が30ppmの場合96
時間かかってpHが6.2から4.8に変化し、60p
pmの場合も96時間かかってpHが5から5.5に変
化した後4.7に変化する。さらに、酢酸濃度が120
ppmの場合には96時間かかって4.5から5.5に
変化した後4.6に変化している。従って、微量の酢酸
を添加することによりpHを5程度に保つことができ
る。
【0046】上記実験結果により、本実施例では酢酸濃
度を50〜70ppmに設定することにする。
【0047】次に、上記構成になる玄米もやし製造装置
を用いた玄米もやしの製造方法について図10に示す作
業手順を参照して説明する。
【0048】まず、手順1でモミ殻を取り去った玄米を
計量して籠7の大きさに応じた量(本実施例では4kg
とする)の玄米を用意する。次の手順2で玄米を水洗い
して玄米に付着した雑菌、汚れ、砂等を荒い落す。次の
手順3では、図4に示す籠7に水洗いした玄米を入れ、
玄米が籠7の底面で均一の厚さとなるように均す。尚、
玄米は殺菌により腐敗しやすく、特に水温が高くなるに
つれその傾向が強まる。そのため、籠7に玄米を入れ過
ぎると玄米の槽が厚くなって粒間のすき間がなくなり下
側の玄米が腐敗してしまうことがある。従って、本実施
例では、玄米の1粒1粒に水が供給されるように籠7の
底面に平均3粒が重なる程度の厚さにする。
【0049】このように玄米を洗っている間に、図1に
示す温水ボイラ16により微量の酢酸が添加された温水
タンク15内の水を加温する。
【0050】その際、温水タンク15から発芽槽5へ給
水する間の水温の低下を見込んで、温水タンク15の水
温を約31℃に加温する。
【0051】そして、手順4ではポンプ22を起動する
とともに流量調整弁23を開弁させ、温水タンク15の
酢酸が添加された温水を給水配管27、給水パイプ1
0,11を介して発芽槽5へ供給する。発芽槽5がほぼ
満水となったとき、図2,図3に示すように玄米が均さ
れた籠7を発芽槽5内に入れ、5段に積み重ねる(手順
5)。このように籠7を積み重ねることにより玄米もや
しの収穫量を増大することが可能となる。
【0052】次の手順6では温水タンク15と発芽槽5
内の温水を循環させて発芽槽5内の水温が28〜35℃
になるようにする。本実施例では温水タンク15の水温
が31℃であるので、発芽槽5内の水温は約28〜30
℃程度になる。
【0053】このように温水を循環させながら玄米を発
芽槽5内の温水に浸したまま発芽するのを待つ。しか
し、そのままでは発芽槽5内の水温が下がるため、水温
の低下に応じて流量調整弁23の弁開度を調整して水温
が約28〜30℃となるようにする。その際の給水量は
500リットルの容量に対して1分間当り5リットルと
する。
【0054】これは、玄米がきわめて傷つきやすいため
であり、急激な給水を行うと、玄米が籠7内でぶつかり
合ったりあるいは籠7の一方に玄米が片寄ってもやしの
成長を遅らせる原因となったり、あるいは発根の原因と
もなる。
【0055】そのため、給水量はなるべく少量として、
且つ給水パイプ10,11の孔10a,11aより発芽
槽5の全体に行うようにする。
【0056】この給水とともに還流配管37の開閉弁3
8を開き、ポンプ39を起動させる。
【0057】図3に示す如く、給水パイプ10,11の
複数の孔10a,11aから給水された温水は上方から
下方に向う流れとなって各籠7内を通過して排水管1
2、還流配管37を通って温水タンク15へ戻される。
この温水の循環による流れが各玄米の表面を少しずつ洗
うことにより玄米の表面の雑菌等が下方へ流される。特
に水温が高くなるにつれて玄米の成長が高まる反面腐敗
しやすくなるが、醗酵防止剤としての酢酸が添加された
温水の流れによって腐敗が防止される。
【0058】そして、温水に酸素が供給されて曝気され
るとともに、微量の酢酸が添加されているので、温水、
玄米が腐敗しにくくなるため、1日目は温水タンク15
と発芽槽5内の温水を循環させる(手順7)。
【0059】又、時間の経過とともに、醗酵が進みやす
くなり、それだけ水の汚れも進むため、pHが低下す
る。本実施例では温水のpHが5以下にならないよう
に、2回目終了後(48時経過後)は温水タンク15及
び発芽槽5内の温水を交換する(手順8)。つまり、開
閉弁38を閉じポンプ39を停止させて循環を止めると
ともに排水弁13の開弁により発芽槽5の全量排水す
る。排水の流量は1分間当り50リットル程度に設定
し、排水により玄米が傷つかないようにする。
【0060】排水完了後、温水タンク15からの給水
(給水流量25リットル/分)を開始して新しい温水が
給水パイプ10,11を介して発芽槽5に供給される。
【0061】次の手順9では、用水タンク18から温水
タンク15へ新しい水を供給するとともに定量ポンプ3
0により酢酸を温水タンク15に添加する。そして、温
水タンク15の水を温水ボイラ16により31℃に加温
する。
【0062】さらに、3日目は手順6,7を再び行う
(手順10)。つまり、温水タンク15と発芽槽5の温
水を循環させて発芽槽5内の水温を28〜30℃に保
つ。
【0063】次の手順11では醗酵がさらに進むため、
4日目以降は1日1回発芽槽5の全量を新しい水と交換
する。
【0064】そして、手順9,10を行う(手順1
2)。つまり、新しい水を31℃に加温して発芽槽5、
温水タンク15間で循環させる。
【0065】このように、発芽槽5内の水温を28〜3
0℃に保ちながら循環させて発芽槽5内に少量の流れを
発生させることにより、成長が促進されるとともに腐敗
を防止できるので、24時間で発芽して4〜5日目には
もやしが3〜4cmに成長して玄米もやしを収穫できる
(手順13)。
【0066】本実施例では、温水に醗酵防止剤としての
酢酸が添加されているので温水の使用時間が延びて交換
回数が温水のみの場合よりも少なくて済み、大幅な節水
が可能となる。例えば500リットルの発芽槽を使用し
て温水のみの場合だと玄米もやしを収穫するのに5日間
で約8.5トンの温水が必要となる。
【0067】これに対し、酢酸を添加した場合には20
kgの玄米を発芽させるのに使用される水量は6トンに
減少する。さらに、空気供給により温水の循環が可能と
なり、水使用量を5日間で1.5トンに減らすことがで
きる。従って、微量の酢酸を添加することにより水を節
約できるとともに水使用量の減少に伴って温水ボイラ1
6の燃料も節約でき、製造コストを低減することができ
る。
【0068】図11に本発明の玄米もやしの製造方法の
変形例を示す。同図中、手順11〜13までは図10の
手順1〜3と同じなので、その説明は省略する。
【0069】手順14では、温水槽15で曝気され、且
つ31℃まで加温された温水を発芽槽5へ給水する。そ
の際定量ポンプ30は作動させず、温水タンク15への
酢酸添加は行なわない。従って、発芽槽5には曝気され
た温水が供給される。
【0070】次の手順15では玄米が均された籠7を図
2,図3に示すように発芽槽5へ挿入する。続いて、温
水タンク15で曝気され、且つ31℃まで加温された温
水を発芽槽5へ循環させて発芽槽の水温が28〜35℃
を保つようにする(手順16)。
【0071】そして、1日目は、酢酸の添加を行なわ
ず、曝気された31℃の温水を発芽槽5へ供給して温水
を温水タンク15との間で循環させる。1日目以降1日
に1回(24時毎)発芽槽5から500リットルの温水
を排水管13を介して玄米が動かないようにゆっくりと
排水する。
【0072】そして、用水タンク18から温水タンク1
5に新しい水を500リットル供給して水を交換する
(手順18)。
【0073】続いて、交換された新しい水を曝気しなが
ら31℃に加温して発芽槽5へ供給する。そして、発芽
槽5への給水完了後は再び温水タンク15と発芽槽5と
の間で温水タンクを循環させる(手順19)。
【0074】この手順18,19は5日目まで繰り返し
行う。5日目には3〜4cmに生育した玄米もやしが収
穫できる(手順20)。この場合、曝気のみで醗酵防止
剤を使用しない分水交換回数が多くなるが5日間の水の
使用量は2.5トンに減少させることができる。
【0075】尚、上記実施例では温水タンク15へ空気
を供給するようにしたが、例えば酸素ボンベから温水タ
ンク15へ直接酸素を供給するようにしても良いのは勿
論である。
【0076】又、温水の循環の流量あるいは水の交換回
数は上記実施例に限らず、又発芽槽5の容量、籠7の積
み重ね方法、籠7の数は上記実施例に限るものではない
のは言うまでもない。
【0077】又、酢酸濃度の最適値としては50〜70
ppmであるが醗酵防止剤に酢酸を使用する場合、、酢
酸濃度を10〜250ppmの範囲内となるように設定
しても良い。
【0078】又、醗酵防止剤に安息香酸を使用する場合
には、濃度を5〜30ppmの範囲内となるように設定
すれば上記実施例と同様な効果が得られる。尚、安息酢
酸の最適濃度は10〜20ppmである。
【0079】又、上記実施例では用水タンク18の水が
温水タンク15に供給されるとき定量ポンプ30が醗酵
防止剤を添加するようにしたが、これに限らず、例えは
醗酵防止剤が温水タンク15又は発芽槽5に直接添加さ
れるようにしても良いのは勿論である。
【0080】
【発明の効果】上述の如く、本発明になる玄米もやしの
製造装置及びその製造方法によれば、発芽槽内の水温を
25〜37℃に設定することにより玄米の発芽を促進す
ることができ、より短時間で収穫することが可能になる
とともに、温水タンク内で加温された温水に酸素を供給
して浄化させることができるので、温水を発芽槽と温水
タンクとの間で循環させることが可能となり、収穫まで
の水使用量を削減することができ、さらには、水を加温
するのに使用される燃料を節約して製造コストをより安
価に抑えることができ、しかも、曝気された温水の流れ
により玄米の醗酵が防止され玄米もやしを安定的に生育
させることができる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる玄米もやし製造装置の構成図であ
る。
【図2】発芽槽の斜視図である。
【図3】発芽槽の縦断面図である。
【図4】籠の斜視図である。
【図5】給水パイプを拡大して示す斜視図である。
【図6】もやしの成長と水温との関係を示す線図であ
る。
【図7】空気量と玄米もやしの成長との関係を示す線図
である。
【図8】曝気された温水に酢酸を添加した場合の成長を
示す図である。
【図9】酢酸濃度とpH変化との関係を示す線図であ
る。
【図10】玄米もやしの製造手順を示す工程図である。
【図11】玄米もやしの製造手順の変形例を示す工程図
である。
【符号の説明】
1 発芽槽ユニット 2 温水供給ユニット 4 発芽室 5 発芽槽 7 籠 10,11 給水パイプ 12 排水管 13 排水弁 15 温水タンク 16 温水ボイラ 17 攪拌器 18 用水タンク 21 制御部 27 給水管 28 操作盤 29 薬剤タンク 30 定量ポンプ 32 酸素供給ユニット 33 コンプレッサ 34 空気タンク 35 空気配管 37 還流配管 40 濾過器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 玄米を均らせた籠が浸される発芽槽と、 該発芽槽へ給水される温水を貯溜する温水タンクと、 該温水タンク内の水温を発芽させやすい適温に加温する
    加温手段と、 前記温水タンク内の温水を前記発芽槽の上部に給水する
    給水管路と、 前記発芽槽の下部より排出された温水を前記温水タンク
    に還流させる還流管路と、 前記温水タンク内に酸素を供給する酸素供給手段と、 よりなることを特徴とする玄米もやしの製造装置。
  2. 【請求項2】 水洗いされた玄米を籠内に均した後、該
    籠を発芽槽内の温水中に浸し、次いで温水タンク内の温
    水を加温するとともに該温水タンク内に酸素を供給しな
    がら前記温水タンク内の温水を前記発芽槽の上部へ給水
    し、同時に前記発芽槽内の下部より温水を前記温水タン
    クへ還流させて前記発芽槽内の水温を25〜37℃に保
    つとともに前記籠内に少量の流れを生じせしめ、前記籠
    内の玄米よりもやしを発芽させることを特徴とする玄米
    もやしの製造方法。
JP10488592A 1992-04-23 1992-04-23 玄米もやしの製造装置及びその製造方法 Pending JPH05292838A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001006838A1 (fr) * 1998-01-23 2001-02-01 The Hisho Inc. Dispositif de production de riz cargo
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KR100679848B1 (ko) * 2005-02-28 2007-02-07 장사창 상황버섯성분이 함유된 곡물의 발아방법 및 발아장치
CN106488700A (zh) * 2014-04-28 2017-03-08 王永成 在植物栽培管理机中通过延长食用植物的收获期间使收获量最大化的装置及方法
KR20210044972A (ko) * 2019-10-16 2021-04-26 최보규 발아현미 연속 제조장치

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