JPH0529273Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は回転切削式のマルチプルステージビ
ツトを構成するリーマビツトに関するものであ
る。

［従来の技術］ 第５図に例示する如く、先端部にパイロツトビ
ツト１をそなえ、中間部に複数（図では３個）の
リーマビツト２、…をそなえたマルチプルステー
ジビツトと呼ばれる回転切削式の多段式拡孔ビツ
トが使用されている。この多段式拡孔ビツトは、
第６図ｃに示すようなビツトアダプター３の軸部
３ａに同図ｂに例示するような外径の異なる３個
のリーマビツト２、…を順に嵌着し、先端部に同
図ａに例示するようなパイロツトビツト１を螺着
してなるもので、ビツトアダプター３の胴部３ｂ
に設けられた中空部３ｃの内面には、さく岩機に
連結されたさく孔ロツドに螺着するための雌ねじ
３ｄが設けられている。また、この中空部３ｃの
先端部から前記軸部３ａの先端面に貫通する通孔
３ｅが穿設されており、さく孔中にさく孔ロツド
の水孔を通してさく岩機から供給される繰粉排出
用の圧縮空気または圧縮空気と水が、この通孔３
ｅを通してパイロツトビツト１に導かれ、その台
金に設けられた水孔１ａから吐出されるようにな
つている。

パイロツトビツト１は、鋼材でつくられた台金
４の先端部に前向きに突出する３本の切削アーム
６を一体に設け、これら切削アームの切刃となる
部分にそれぞれ超硬チツプ５をろう接してなる。
この超硬チツプ５の先端面と外側面にはそれぞれ
切刃５ａ，５ｂが形成されており、さく孔中はパ
イロツトビツト１が岩盤に押し付けられた状態で
強制回転させられるので、上記切刃５ａ，５ｂに
よつて岩盤が削られてゆくのである。この場合、
リーマビツト２はパイロツトビツト１によつて穿
設された孔の内径を順次拡大する働きをなす。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来のリーマビツトは、第５図、第６図ｂ
に示されているように、超硬チツプ５′の刃先を
有するウイング部７が外周に沿つて60度間隔で３
個設けられているのが一般的であるが、ビツトの
径が大きくなると各刃先に負荷がかかり過ぎて超
硬チツプやウイング部が破損したり、穿孔能率が
低下することがあつた。

このため、ウイング部の数を増やして負荷を分
散させる試みがなされているが、ウイング数を増
やすと各ウイングの体積を比較的小さくしなけれ
ばならないので、所望の強度が得られなかつた
り、ウイングの占める体積が大きくなりすぎて繰
粉の排出がうまく行なわれなくなるという問題点
があつた。

本考案はこれらの問題点を解決し、強度的にす
ぐれ繰粉の排出も良好なリーマビツトを提供する
ものである。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため本考案は次のような構
成を採用した。

すなわち、本考案にかかるリーマビツトは、芯
部に通孔が設けられた正五角形状の基部と、該基
部の各辺から外方に突設された５個のウイング部
とを備え、各ウイング部は五角形の基部のコーナ
ー部から辺の中央部にかけて形成され、該辺の中
央部から突出するウイング部の前面部側先端部に
は切刃を形成する超硬チツプがろう接されるとと
もに、ウイング部の背面は隣接する辺の外面と同
一平面として形成されていることを特徴としてい
る。

［作用］ ５個のウイング部が設けられているので、各ウ
イング部の刃先にかかる負荷を比較的小さくする
ことができる。ウイング部が突出する基部が五角
形に形成され、各ウイング部の前面側は基部の辺
の中央部から外方へ突出し、背面側は基部のコー
ナー部から突出して隣接する回転方向後側の辺と
同一平面として形成されているので、前後のウイ
ング部の間に平面視概略Ｖ状に切り込まれた形の
凹部が形成されることになり、繰粉がこの凹部を
通つて良好に排出される。

［実施例］ 以下、図面にあらわされた実施例について説明
する。

第１図乃至第４図は本考案の１実施例をあらわ
すもので、このリーマビツト１０は平面視正五角
形の基部１１と該基部と一体に形成された５個の
ウイング部１２、…を備えている。基部１１の中
心部には前記ビツトアダプターの軸部３ａが挿通
される円形の通孔１３が形成されている。また、
基部１１の上面側と下面側には、ピン穴１５，１
５′が穿設されている。下面側のピン穴１５′には
第３図に示すような回り止め用のピン１６が嵌着
され、このピン１６はビツトアダプター３の切欠
部３ｃ又は当該リーマの下側に重ねられる他のリ
ーマの上面側のピン穴１５に嵌合させられる。

ウイング部１２は基部１１の辺２０の中央部か
らコーナー部２１にかけて形成されている。そし
て前面１２ａが基部１１の辺２０の中央部から外
方へ突出しており、背面１２ｂは隣接する回転方
向後側の辺と同一平面として形成されている。ウ
イング部１２の外周面１２ｃは基部１１の辺に対
し回転方向前面側が外方に突出する角α＝20°の
傾斜面として形成されており、前面側先端部に超
硬チツプ２３がろう接されている。なお、ウイン
グ部１２の上面１２ｄには角β＝10°の逃げ角が
設けられている。

このリーマビツト１０は、第５図、６図に示す
従来品と同様なビツトアダプタ３にパイロツトビ
ツト１とともに取り付けて使用される。このリー
マビツト１０は例えば115mmφ以上の大口径のリ
ーマビツトとして適したものであり、重ね合わせ
る複数のリーマビツトのうち最下段に使用するの
が好ましい。それよりも上に重ね合わされる小径
のリーマビツトとしては従来のウイング部３個の
リーマビツトを使用することができる。

このリーマビツト１０は、切刃を有するウイン
グ部１２が５個設けられているので１個当りの切
刃にかかる負荷を小さくすることができる。この
ため、大きな負荷のかかる大口径の穴のさく孔に
使用することができる。また、基部が五角形に形
成され、各ウイング部の背面側の面が回転方向後
側の隣接辺の外面と同一平面として形成されてい
るとともに、ウイング部の前面側は基部の辺の中
央部から外方へ突出しているので、ウイング部の
前面側に平面視概略Ｖ状の凹部が形成される。使
用中は、この凹部が破砕された繰粉の排出路とな
るので、繰粉の排出が良好に行なわれる結果、効
率よい穿孔を行なうことができるのである。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案にかか
るリーマビツトは、従来のものに較べて耐用性に
すぐれ、大口径の穴の穿孔に適したものとなると
ともに、さく孔中における繰粉の排出を良好に行
なうことが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるリーマビツトの平面
図、第２図はその一部を断面であらわした正面
図、第３図はピンの外観図、第４図ａ，ｂは組立
て状態をあらわす側面図および平面斜視図、第５
図は従来のリーマビツトの使用例をあらわす斜視
図、第６図ａはパイロツトビツト１の斜視図、同
図ｂは従来のリーマビツトの斜視図、同図ｃはビ
ツトアダプタの一部を断面であらわした正面図で
ある。 ２，１０……リーマビツト、１１……基部、１
２……ウイング部、２０……辺、２１……コーナ
ー部、２３……超硬チツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯部に通孔が設けられた正五角形状の基部と、
   該基部の各辺から外方に突設された５個のウイン
   グ部とを備え、各ウイング部は五角形の基部のコ
   ーナー部から辺の中央部にかけて形成され、該辺
   の中央部から突出するウイング部の前面部側先端
   部には切刃を形成する超硬チツプがろう接される
   とともに、ウイング部の背面は隣接する辺の外面
   と同一平面として形成されていることを特徴とす
   るリーマビツト。