JPH05291710A - フレキシブルプリント基板およびその製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント基板およびその製造方法

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JPH05291710A
JPH05291710A JP12417492A JP12417492A JPH05291710A JP H05291710 A JPH05291710 A JP H05291710A JP 12417492 A JP12417492 A JP 12417492A JP 12417492 A JP12417492 A JP 12417492A JP H05291710 A JPH05291710 A JP H05291710A
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polyimide resin
resin layer
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layer
linear expansion
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JP12417492A
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Shu Mochizuki
周 望月
Kazumi Azuma
一美 東
Masako Maeda
雅子 前田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的に銅箔とポリイミド樹脂層とからな
り、耐薬品性や耐カール性、外部基板への接着性および
接着信頼性に優れたフレキシブルプリント基板およびそ
の製造方法を提供する。 【構成】 金属層1の片面に低線膨張性ポリイミド樹脂
層2および熱可塑性ポリイミド樹脂層3を順次形成した
構造からなる。ポリイミド樹脂層はポリイミド前駆体溶
液として塗布することによって、各樹脂層界面で樹脂成
分の混在領域が形成できて層間接着性が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外部基板などに搭載する
ために接着性を付与したフレキシブルプリント基板およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器が軽量化や薄型化、小型
化するのに伴い、配線基板を薄型化や高密度化する必要
があり、フレキシブルプリント基板も高性能化が図られ
ている。このような高性能化に対応すべくフレキシブル
プリント基板は、銅箔と絶縁性フィルムとを積層するに
際して接着剤を用いない片面基板および両面基板が多く
上市されるようになっている。そして、さらに高密度や
高性能化を図るために、外部リジッド基板やリードフレ
ームへのフレキシブルプリント基板の搭載、実装をハイ
ブリッド化する要望も高まっている。
【0003】しかし、現状ではフレキシブルプリント基
板を外部基板に搭載するために外部基板側に接着剤層を
予め形成しておくか、もしくはフレキシブルプリント基
板に接着剤層を形成する方法が採用されている。前者の
方法では外部基板上の接着領域に形状に合わせた接着性
フィルムを別途準備する必要があり、また、外部基板に
直接接着剤を塗布する場合には精密塗工の技術が必要と
なり、いずれの方法でも工程が煩雑となる。一方、後者
の方法では通常、プリント基板形成時から接着剤層を形
成する必要があるので、従来から使用されているエポキ
シ系樹脂やマレイミド系樹脂からなる熱硬化性の接着剤
では、配線回路のパターニングやメッキ工程の際の酸や
アルカリなどの薬液との接触によって樹脂劣化を起こし
て接着特性が低下するおそれがある。特に、上記熱硬化
性の接着剤ではこのような傾向が強く、搭載時および搭
載後の信頼性の低下を招く重大な要因となる。
【0004】一方、耐熱性や耐薬品性が上記従来からの
接着剤よりも良好な樹脂としてポリイミド樹脂がある
が、この中でも熱可塑性ポリイミド樹脂が接着機能を有
することは特開昭61−22937号公報に開示されて
いる。しかしながら、同号公報に記載の方法では銅箔に
熱可塑性ポリイミド樹脂層が直接接しているので、配線
回路をパターニングする際などに耐薬品性の面で若干の
問題を有し、また、通常、ポリイミド樹脂層表面は不活
性であるので、熱硬化性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポ
リイミド樹脂層を積層した場合、その界面での接着性は
乏しく、接着力向上のためには表面処理が必要となり、
製造工程が煩雑となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題に鑑みてなされたものであって、実質的にポリイミド
樹脂層と銅箔などの金属層とからなるフレキシブルプリ
ント基板であって、しかも外部基板への接着作業性およ
び接着信頼性に優れたフレキシブルプリント基板の提
供、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、配線回
路のパターニングを行う金属層に接する側の絶縁性樹脂
に低線膨張性ポリイミド樹脂を用い、その上に外部基板
への接着機能を付与するための熱可塑性ポリイミド樹脂
層を形成し、両樹脂層の界面で樹脂成分の混在領域を形
成することによって上記目的を達成するフレキシブルプ
リント基板が得られることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。また、混在領域を形成するにあたってポリ
イミド前駆体溶液を用いることによって、両樹脂層の接
着性が極めて良好となることも見い出した。
【0007】即ち、本発明は低線膨張性ポリイミド樹脂
層の片面に金属層が形成されてなるフレキシブルプリン
ト基板の上記低線膨張性ポリイミド樹脂層の他面に、熱
可塑性ポリイミド樹脂層が形成されていると共に、低性
膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層の
界面において各ポリイミド樹脂成分の混在領域が形成さ
れていることを特徴とするフレキシブルプリント基板の
提供することを第1の要旨とする。
【0008】さらに、本発明は金属箔上に低線膨張性ポ
リイミド前駆体溶液を塗布、乾燥する工程と、該塗布面
に熱可塑性ポリイミド前駆体溶液を塗布、乾燥する工程
と、前駆体層を加熱してイミド樹脂層とする工程とを含
むことを特徴するフレキシブルプリント基板の製造方法
を提供することを第2の要旨とするものである。
【0009】本発明のフレキシブルプリント基板におい
て金属層に積層される絶縁性樹脂層は実質的にポリイミ
ド樹脂層からなるものであって、電気的絶縁性を有する
ものである。この絶縁性樹脂層は低線膨張性ポリイミド
樹脂層/熱可塑性ポリイミド樹脂層の積層構造を有する
ものであって、低線膨張性ポリイミド樹脂層の他面側に
銅箔などの金属層が形成されて本発明のフレキシブルプ
リント基板となる。
【0010】本発明にて金属層と接する低線膨張性ポリ
イミド樹脂層は、線膨張係数が2.0×10-5cm/c
m/℃以下の値を有するポリイミド樹脂から形成され、
得られるフレキシブルプリント基板の熱収縮などによる
回路パターンのズレや、銅箔をエッチングした後のカー
ルや反りを防止する役割を果たす。
【0011】一方、上記低線膨張性ポリイミド樹脂層の
他面側に形成される熱可塑性ポリイミド樹脂層は、ガラ
ス転移温度が200℃以上で、しかもガラス転移温度よ
り100℃高い温度での溶融粘度が1×108 ポイズ以
下の性質を有するポリイミド樹脂から形成され、加熱圧
着によって接着性を発揮するものである。
【0012】上記低線膨張性ポリイミド樹脂および熱可
塑性ポリイミド樹脂は、塗工作業性や各樹脂層間の接着
性を向上させるためにポリイミド前駆体溶液として塗布
工程に供したのち、加熱、脱水閉環してイミド化するこ
とが好ましい。
【0013】上記低線膨張性ポリイミド樹脂および熱可
塑性ポリイミド樹脂は、上記物性値を有するものであれ
ば特に制限されないが、低線膨張性ポリイミド樹脂とし
てはテトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一種を用
い、ジアミン成分としてはp−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレ
ンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノビフェニルの少なくとも一種を用いて重合反応さ
せたものを用いることが好ましい。
【0014】一方、熱可塑性ポリイミド樹脂としてはテ
トラカルボン酸成分としてビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ジフルオロメタン二無水物の少なくとも一種を
用い、ジアミン成分としてはビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’−ジア
ミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノベンゾフ
ェノンの少なくとも一種を用いて重合反応させたものを
用いることが好ましい。
【0015】上記各ポリイミド樹脂の調製には、有機溶
媒としてN−メチル−2−ピロリドンや、N,N’−ジ
メチルアセトアミド、N,N’−ジメチルホルムアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルフィド、ジメチルスルホ
ン、ピリジン、テトラメチルウレア、ジグライム、トリ
グライムなどを用いて上記各成分(テトラカルボン酸成
分およびジアミン成分)を略等モル量配合してポリイミ
ド前駆体溶液を作製し、これを加熱して脱水閉環し、イ
ミド化処理を行なう。
【0016】本発明のフレキシブルプリント基板を製造
する方法としては、具体的には以下の方法が挙げられ
る。
【0017】まず第1の工程として上記のようにして調
製した低線膨張性ポリイミド前駆体溶液を銅箔上にロー
ルコーターやコンマコーター、ナイフコーター、ドクタ
ーブレードなどを用いて塗布乾燥する。この工程におけ
る乾燥では、有機溶媒の除去のみを行い脱水閉環による
イミド化が進行しない乾燥条件、例えば60〜180℃
程度の温度に設定して乾燥し、低線膨張性ポリイミド前
駆体層が形成するようにすることが好ましい。
【0018】次いで、第2の工程として上記のようにし
て形成した低線膨張性ポリイミド前駆体層の表面に熱可
塑性ポリイミド前駆体溶液を塗布乾燥し、銅箔/低線膨
張性ポリイミド前駆体層/熱可塑性ポリイミド前駆体層
の構造を有するフレキシブルプリント基板を作製する。
なお、このときの乾燥条件も上記乾燥条件にて行うこと
が好ましく、有機溶媒除去のみを行なうようにしてポリ
イミド前駆体の脱水閉環、イミド化が進行しないように
する。また、このように熱可塑性ポリイミド前駆体溶液
を重ね塗りすることによって、先に塗布乾燥した低線膨
張性ポリイミド前駆体層の表層部が有機溶媒によって溶
解し、層界面において各ポリイミド前駆体成分が混合し
て混在領域が形成されることになり、後の工程で加熱イ
ミド化した場合に充分な界面接着力が得られるのであ
る。
【0019】第3の工程として上記のようにして得られ
た銅箔/低線膨張性ポリイミド前駆体層/熱可塑性ポリ
イミド前駆体層の構造を有するフレキシブルプリント基
板を、好ましくは不活性ガス雰囲気下で400℃以上の
温度に加熱することによって、ポリイミド前駆体層を脱
水、閉環してイミド化して本発明のフレキシブルプリン
ト基板を得ることができる。加熱手段としては熱風循環
式加熱炉、遠赤外線加熱炉などの装置が用いられる。加
熱温度が400℃以下であると、充分にイミド化が進行
せずにポリイミド特有の特性が充分に発揮できないこと
があり、また、イミド化時に酸素が存在すると銅箔表面
が酸化されるだけでなく、熱可塑性ポリイミド樹脂が熱
分解を起こす恐れがあるので、好ましくは窒素ガスなど
の不活性ガス雰囲気下、もしくは真空条件下で加熱す
る。通常、加熱イミド化時の酸素濃度は4%以下、好ま
しくは2%とする。
【0020】以上のようにして得た本発明のフレキシブ
ルプリント基板は、熱可塑性ポリイミド樹脂層が接着性
を有するので、搭載すべき外部基板の接着領域に位置合
わせしたのち、ラミネートロールや熱圧プレスなどを用
い、熱可塑性ポリイミド樹脂のガラス転移温度より30
〜150℃程度高い温度にて約1〜500kg/cm2
の圧力を加えて加熱圧着することによって簡単に搭載、
実装することができるのである。
【0021】以下に本発明の両面基板およびその製造方
法を図面を用いて説明する。
【0022】図1は本発明のフレキシブルプリント基板
の断面図であり、銅箔1の片面に低線膨張性ポリイミド
樹脂層2と、熱可塑性ポリイミド樹脂層3が順次形成さ
れている。低線膨張性ポリイミド樹脂層2と熱可塑性ポ
リイミド樹脂層3との界面では両樹脂層のポリイミド成
分が混在した領域が形成されている。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例にて具体的に説明す
る。
【0024】実施例1 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物と、p−フェニレンジアミンの略等モルを、N−メ
チル−2−ピロリドン中で重合して低線膨張性ポリイミ
ド前駆体溶液を得、これを圧延銅箔(厚み35μm)上
にコンマコーターを用いて均一に流延塗布し、100℃
で乾燥した。
【0025】次に、上記前駆体層の上に、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物とビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンの略等
モルを、N−メチル−2−ピロリドン中で重合して得た
熱可塑性ポリイミド前駆体溶液を上記と同様の方法にて
流延塗布して100℃で乾燥して熱可塑性ポリイミド前
駆体層を形成した。
【0026】このようにして得られたフレキシブルプリ
ント基板を、窒素ガス置換によって酸素濃度を1.5%
以下にした連続加熱炉にて450℃に加熱して脱水閉環
を行いポリイミド前駆体層のイミド化処理を行ない本発
明のフレキシブルプリント基板を作製した。得られた低
線膨張性ポリイミド樹脂層(線膨張係数1.0×10-5
cm/cm/℃)の厚みは35μm、熱可塑性ポリイミ
ド樹脂層(ガラス転移温度275℃、400℃での溶融
粘度4×106 ポイズ)の厚みは15μmであった。
【0027】以上のようにして得られたフレキシブルプ
リント基板の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、低線膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド
樹脂層との界面は明瞭に存在せず、各樹脂成分が界面で
混合していることが確認できた。また、このフレキシブ
ルプリント基板の銅箔の引き剥がし強度は、1.6kg
/cmであり、剥離は銅箔との界面で起こり、ポリイミ
ド樹脂層間では起こらなかった。
【0028】さらに、このフレキシブルプリント基板を
熱圧プレスを用いて380℃、100kg/cm2 の条
件でリードフレームに接着した。これを引き剥がし試験
に供したところ、熱可塑性ポリイミド樹脂層とリードフ
レームとの間で剥離せず、銅箔と低線膨張性ポリイミド
樹脂層との間で剥離し、接着性が良好であることが判明
した。
【0029】実施例2 低線膨張性ポリイミド樹脂層形成用に、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フ
ェニレンジアミン/4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル(60/40モル比)からなるポリイミド前駆体溶
液を用い、熱可塑性ポリイミド樹脂層形成用に、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物と
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ンからなるポリイミド前駆体溶液を用いた以外は、実施
例1と同様の方法によって本発明のフレキシブルプリン
ト基板を作製した。なお、低線膨張性性ポイミド樹脂層
(線膨張係数1.6×10-5cm/cm/℃)の厚みは
25μm、熱可塑性ポリイミド樹脂層(ガラス転移温度
208℃、350℃での溶融粘度1×106 ポイズ)の
厚みは6μmであった。
【0030】以上のようにして得られたフレキシブルプ
リント基板の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、低線膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド
樹脂層との界面は明瞭に存在せず、各樹脂成分が界面で
混合していることが確認できた。また、このフレキシブ
ルプリント基板の銅箔の引き剥がし強度は、1.6kg
/cmであり、剥離は銅箔との界面で起こり、ポリイミ
ド樹脂層間では起こらなかった。
【0031】さらに、このフレキシブルプリント基板を
熱プレスを用いて350℃、50kg/cm2 の条件で
リードフレームに接着した。これを引き剥がし試験に供
したところ、熱可塑性ポリイミド樹脂層とリードフレー
ムとの間で剥離せず、銅箔と低線膨張性ポリイミド樹脂
層との間で剥離し、接着性が良好であることが判明し
た。
【0032】実施例3 低線膨張性ポリイミド樹脂層形成用に、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フ
ェニレンジアミンからなるポリイミド前駆体溶液を用
い、熱可塑性ポリイミド樹脂層形成用に、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物とビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロ
プロパンからなるポリイミド前駆体溶液を用いた以外
は、実施例1と同様の方法によって本発明のフレキシブ
ルプリント基板を作製した。なお、低線膨張性性ポイミ
ド樹脂層(線膨張係数1.0×10-6cm/cm/℃)
の厚みは35μm、熱可塑性ポリイミド樹脂層(ガラス
転移温度239℃、350℃での溶融粘度5×106
イズ)の厚みは15μmであった。
【0033】以上のようにして得られたフレキシブルプ
リント基板の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、低線膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド
樹脂層との界面は明瞭に存在せず、各樹脂成分が界面で
混合していることが確認できた。また、このフレキシブ
ルプリント基板の銅箔の引き剥がし強度は、2.5kg
/cmであり、剥離は銅箔との界面で起こり、ポリイミ
ド樹脂層間では起こらなかった。
【0034】さらに、このフレキシブルプリント基板を
熱プレスを用いて350℃、50kg/cm2 の条件で
リードフレームに接着した。これを引き剥がし試験に供
したところ、熱可塑性ポリイミド樹脂層とリードフレー
ムとの間で剥離せず、銅箔と低線膨張性ポリイミド樹脂
層との間で剥離し、接着性が良好であることが判明し
た。
【0035】比較例1 実施例1において低線膨張性ポリイミド前駆体層をイミ
ド化処理したのち、熱可塑性ポリイミド前駆体層を形
成、イミド化した以外は、同様にしてフレキシブルプリ
ント基板を作製した。
【0036】以上のようにして得られたフレキシブルプ
リント基板の断面を走査型電子顕微鏡にして観察したと
ころ、低線膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミ
ド樹脂層との界面が明瞭に観察でき、各樹脂成分の混在
領域が存在しなかった。また、このフレキシブルプリン
ト基板の銅箔の引き剥がし試験、および実施例1と同様
にリードフレームに接着後の引き剥がし試験を行ったと
ころ、低線膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミ
ド樹脂層との界面で剥離が生じた。
【0037】比較例2 実施例1において銅箔上に形成する低線膨張性ポリイミ
ド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層との形成順を逆に
した以外は、実施例1は同様の操作によってフレキシブ
ルプリント基板を作製した。
【0038】このようにして得られたフレキシブルプリ
ント基板は、各ポリイミド樹脂層の界面は明瞭に観察さ
れず、各樹脂成分が混在していたが、リードフレームへ
の接着性が全くなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のフレキシブルプリント基板は、
金属層とポリイミド樹脂層からなるものであり、ポリイ
ミド樹脂層が低線膨張性ポリイミド樹脂層および熱接着
性ポリイミド樹脂層との積層体であり、しかもその界面
において各ポリイミド樹脂成分が混合されているので層
間接着強度が高い。しかも接着層として不純物が少なく
耐熱性や耐薬品性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂層を
形成しているので、加熱圧着するだけで容易に外部基板
への接着、搭載を行うことができるものである。従っ
て、接着作業性および接着信頼性に優れたものであり、
LSI実装の高密度化やハイブリッド基板などにも使用
することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフレキシブルプリント基板の断面図
である。
【符号の説明】
1 銅箔 2 低線膨張性ポリイミド樹脂層 3 熱可塑性ポリイミド樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低線膨張性ポリイミド樹脂層の片面に金
    属層が形成されてなるフレキシブルプリント基板の上記
    低線膨張性ポリイミド樹脂層の他面に、熱可塑性ポリイ
    ミド樹脂層が形成されていると共に、低性膨張性ポリイ
    ミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層の界面において
    各ポリイミド樹脂成分の混在領域が形成されていること
    を特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 【請求項2】 金属箔上に低線膨張性ポリイミド前駆体
    溶液を塗布、乾燥する工程と、該塗布面に熱可塑性ポリ
    イミド前駆体溶液を塗布、乾燥する工程と、前駆体層を
    加熱してイミド樹脂層とする工程とを含むことを特徴す
    るフレキシブルプリント基板の製造方法。
JP12417492A 1991-09-19 1992-04-15 フレキシブルプリント基板およびその製造方法 Pending JPH05291710A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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