JPH05290796A - 表面分析装置 - Google Patents

表面分析装置

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JPH05290796A
JPH05290796A JP4094508A JP9450892A JPH05290796A JP H05290796 A JPH05290796 A JP H05290796A JP 4094508 A JP4094508 A JP 4094508A JP 9450892 A JP9450892 A JP 9450892A JP H05290796 A JPH05290796 A JP H05290796A
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JP
Japan
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sample
light source
laser
analysis
analyzer
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JP4094508A
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Yoshinori Iketaki
慶記 池滝
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非破壊で試料表面の元素を二次元分析できる。 【構成】YAGレーザー光源23を真空容器24内のタ
ーゲット25に照射して白色のX線を発生させること
で、レーザープラズマ光源を構成する。このX線は分光
器36で波長選別されて、軟X線結像素子28により、
試料27に集光する。試料表面で発生する2次イオンの
軌道上に質量分析器30又は飛行時間分析器を配置し、
2次電子増倍管で2次イオンを検出して質量分析を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外光,真空紫外光,
X線等のマイクロビームを用いて非破壊又は破壊で試料
表面の元素を分析する表面分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造技術の発展に伴い、半
導体材料等の評価手段として各種の表面分析法が注目さ
れて来ている。とりわけ、シリコンウエハー表面の汚染
状態を調べる分析技術は、半導体製造プロセスにおいて
必要不可欠な技術となっている。その中でも、シリコン
ウエハー等のサンプル表面の吸着物質を脱離させ、発生
したイオンを質量分析して、サンプルの炭素化合物や水
分子の汚染状況を調べる方法は、有力な評価手段となっ
ている。具体的には、Secondary Ion Mass Spectrometr
y(SIMS), Electron Stimulated Desorption(ESD), Photon Stimulated Desorption(PS
D)が分析手段としてよく知られている。
【0003】例えば、試料表面を高速イオンで照射する
と、その表面から構成原子が2次イオンとなって放出さ
れる。この2次イオンを質量分析する方法がSIMSで
ある。図6にSIMSの概念図が示されている。図にお
いて、イオン銃1から放出されたCs等のイオンビーム
は、コンデンサーレンズ2及び対物レンズ3を介して、
試料4の表面上にφ1μm以下に集束される。又、イオ
ンビームは、コンデンサーレンズ2と対物レンズ3の間
に配置された偏向電極5を通過する際に偏向させられる
ため、この偏向電極5を制御することによって、イオン
ビームを試料4上で二次元走査させることができる。イ
オンビームが照射されることによって試料表面から放出
される2次イオンは、質量分析器6を介して質量分析法
により2次電子増倍管7で検出される。イオンビームを
2次元走査しながら質量分析を行えば、2次元の空間マ
ッピングができる。
【0004】図6におけるSIMSでは、2次イオンの
他に、試料表面上から放出される2次電子や可視光も観
察できるようになっているので、多角的分析が可能であ
る。又、2次イオンの分析法として、飛行時間分析法を
用いる場合もある。この方法は、試料面の微小領域の分
析ができる点では電子線をプローブとするX線マイクロ
アナライザーと似ているが、同位元素の分析が可能であ
る点と、分析感度が高く、特に軽元素に対する検出感度
が高い等の点とで、X線マイクロアナライザーより優れ
ている。上述のようなSIMSと同様な構成で、電子ビ
ームで試料面を走査して分析する手段についてはES
D、SR光源や水銀ランプを用いて紫外光より短波長の
光で試料を照射して分析する手段についてはPSDと呼
ばれる。
【0005】次に、代表的な2次イオン分析法である質
量分析法と飛行時間分析法について説明する。まず、質
量分析法について説明する。図7は質量分析器6を示す
概念図であり、試料4(図6参照)の表面から発生した
2次イオンは、2次イオン引き出し電極9で加速され、
集光用補正レンズ10で集束されて、入射スリット11
を介して同軸円筒型のセクター電極12及びセクター磁
場13で選別される。即ち、入射スリット11を通過し
てセクター電極12に入射させられたイオンは特定の速
度,質量,電荷を持つので、電極12に特定の電圧が印
加された場合のみセクター電極12の軌道を通るよう偏
向させられ、この電極12を通り抜けることができる。
そして、セクター電極12を通過できたイオンは、更に
2枚のスリット14,15を介してセクター磁場13で
選別される。セクター磁場13では、2次イオンの軌道
平面に垂直に磁力が印加され、ローレンツ力によって2
次イオンの軌道を変える作用を有する。図7に示す構成
によれば、セクター磁場13が存在する領域の入口と出
口に2枚のスリット15,16が設けられ、これによっ
てセクター磁場13内を2次イオンが通過するときの円
弧型軌道を規定できるようになっている。従って、磁束
密度を選択することにより、特定の速度,質量,電荷を
持つ2次イオンが、スリット16を通過することができ
る。そして、このようにして選別されたイオンは2次電
子増倍管7で検出される。
【0006】このようにして得られる2次イオンの質量
分析結果の定量的な演算方法について説明する。まず、
セクター電極12において、セクター電場の印加電圧を
E,セクター電極の軌道半径をR1とし、セクター磁場
13において、セクター磁場の磁束密度をB,セクター
磁場の軌道半径をR2とする。又、入射イオンの質量を
m,イオン価数をn,素電荷をe,入射速度をuと規定
する。この場合、セクター電場について、2次イオンが
R1の円弧軌道を通り抜けることのできる条件は、セク
ター電場内での静電力と遠心力が釣り合うことである。
従って、そのためには次式が成立つする。 enE=m・u2 /R1 (1) 又、同様に、セクター磁場13について、2次イオンが
R2の円弧軌道を通り抜けることのできる条件は、セク
ター磁場13内でのローレンツ力と遠心力とが釣り合う
ことである。従って、そのためには次式が成立する。 enuB=mu2 /R2 (2) (1)式と(2)式からuを消去すると、以下の関係式
が得られる。 en/m=(R1/R22 )・(E/B2 ) (3) 従って、(3)式からセクター電場とセクター磁場の強
さによって、任意のイオンの質量分析ができることにな
る。
【0007】次に、飛行時間分析法について説明する。
飛行時間分析器は質量分析器よりもシステム構成が簡単
であり、その概念図を図8に示す。図中、試料18は電
極19の一様な電界中に置かれており、レーザービーム
を照射することによって発生する2次イオンを引き込み
電極20に向かって加速させる。引き込み電極20を通
過することで速度uまで加速されたイオンは、引き込み
電極20の位置から距離Lだけ飛行した後に、2次電子
増倍管21で検出されるようになっている。次に、飛行
時間分析法による質量分析結果の定量的な演算方法につ
いて説明する。2次イオンは電圧Vで加速されるとする
と、速度uとの関係はエネルギー保存則により、次のよ
うに書くことができる。 enV=(1/2)・mu2 (4) 又、二つの電極19,20間の間隔をkとすると、2次
イオンが電極19から引き込み電極20まで到達する時
間Toは、 To=√(m/〔2enV〕)・k (5) で与えられる。
【0008】又、引き込み電極20から2次電子増倍管
21までの距離がLであるから、2次イオンが引き込み
電極20から2次電子増倍管21に到達するまでの飛行
時間T1は、 T1=L/u (6) となる。この(6)式を(4)式との関係で書き直す
と、 T1=L/√(2enV/m) (7) と書くことができる。従って、試料18で2次イオンが
発生してから検出器である2次電子増倍管21にたどり
つく時間Tは、To+T1であるから、Tを測定してV
を決定すれば、en/mを決定することができる。一般
的には、イオンが発生した時間を特定できる場合は、飛
行時間法の方が構成が簡単であるから、便利な方法であ
るといえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、SI
MS,PSD,ESDは表面分析において有力な手段で
あるが、いくつかの問題点がある。即ち、SIMSとE
SDの場合には、プローブが粒子線であるので、基本的
には破壊分析手段であるという問題がある。しかも、S
IMSの場合にはイオン源が不安定で、イオンビームの
入射エネルギーにばらつきが大きい等の問題もある。
又、イオンや電子等の粒子線を作ってビーム形を制御す
る為には、複雑な磁場或いは電場型のレンズが必要であ
り、数10KV以上の高圧電源が多数必要となる等大変
に複雑で高価なシステムであった。一方、PSDは、非
破壊分析手段であるが、従来技術においては、数100
A以下の軟X線領域では有効な結像素子の導入を行わな
いで分析を行っていたので、マイクロビームによる2次
元マッピングが不可能であった。その上、光源として、
大規模で高価なSR光源か、或いは強度が低く数10n
m以上の長波長の光しか発光しない水銀ランプを利用す
るしかなかったので、これらの光源を利用したシステム
はあまり実用的でなかった。
【0010】本発明は、このような課題に鑑みて、非破
壊で且つマイクロビームにより試料表面における元素の
分布を二次元に分析することができる表面分析装置を提
供することを目的とする。又、本発明の他の目的は、粒
子線,X線等を用いない安定した光学的マイクロビーム
により、試料表面における元素の分布を二次元に分析す
ることができる表面分析装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】まず始めに、レーザープ
ラズマ光源を用いた、非破壊で二次元的に表面分析する
表面分析装置について、説明する。近年、SR光源の出
現により、軟X線領域の光の利用技術が身近になってお
り、それに伴い、軟X線領域の結像素子、検出器、フィ
ルター等の開発が進行している。又、光源もSR光源の
他にも、レーザープラズマ光源の実用化が始まってい
る。ここで、本発明で重要な役割を演じるレーザープラ
ズマ光源と軟X線結像素子について説明する。まず、レ
ーザープラズマ光源について説明する。真空中で高出力
レーザー光がターゲット上に集光すると、高温・高蜜度
のプラズマが発生し、数Aより長い白色のX線が10%
前後の高い変換効率で発生する。この光源がレーザープ
ラズマ光源であり、SR光源やX線管と比較すると、以
下のような魅力ある幾つかの特徴がある。 1)基本的には高輝度の白色光源である。 2)SR光源と異なり、発散光源である。 3)パルス幅がレーザーのパルス幅(10nm sec以下)
と同じであり、理想的なパルス光源である。 4)廉価でコンパクトであり、理想的なラボラトリーユ
ース(即ち実験室等のレベルでの使用に適する)のX線
光源である。
【0012】次に、軟X線結像素子について説明する。
現在、X線顕微鏡の分野等で有力なツールとなっている
軟X線結像素子は、図9に示すようなウォルタータイプ
等斜入射反射鏡を用いた光学系と、図10に示すような
回折を用いたゾーンプレートと、図11に示すような反
射鏡の表面に多層膜をコートしたホフナーやシュワルツ
シルド光学系等の直入射光学系との、3つのタイプがあ
る。この3種類の光学系は、夫々異なった特徴を有して
おり、斜入射反射鏡を用いた光学系は、白色光を50n
m程度の高い解像度で結像することができる。ゾーンプ
レートは結像性能と共に分光性能を持ち、各波長に応じ
て異なる場所に集光する。従って、集光点を選ぶことに
より、任意の単色の波長を結像させることができる。
又、直入射光学系は、球面鏡に波長分散性のある多層膜
をコートするために特定の波長のX線しか結像できない
が、大きなNAを持つので視野が広く、しかも数10n
m程度の高い分解能で結像できる。
【0013】本発明は、このようなレーザープラズマ光
源と軟X線結像素子を利用して、優れた表面分析用の2
次イオン分析器である表面分析装置の実現を可能にした
ものである。即ち、本発明の基本構成を示すと、図1の
ようになる。本発明による表面分析装置は、YAGレー
ザー光源23からのレーザー光が入射される光学窓24
aを有する真空容器24内には、光源23からの光が照
射されると一部が融けてプラズマ化して紫外光,真空紫
外光,X線を発生させる回転ターゲット25が設けら
れ、更にこのレーザープラズマ光源から発せられた光を
受けて単色化させる分光器26と、この光を試料27表
面に集光させる集光光学系28が設けられている。集光
光学系28は、回転ターゲット25で発生するX線等を
試料28上に例えば0.1μm以下の大きさのスポット
径で集光させる軟X線結像素子から構成されている。試
料28が載置されるサンプルステージ29は二次元走査
されるようになっている。又、この試料27から発せら
れた2次イオンを検出する質量分析器30又は飛行時間
分析器が、このイオンの軌道上に備えられている。尚、
図1の構成では、イオン検出器として質量分析器30が
用いられているが、レーザープラズマ光源は理想的なパ
ルス光源であるから、2次イオンの発生時刻を特定で
き、これにより構成のより簡単な飛行時間分析器でも飛
行時間分析法によって高感度でイオン分析ができる。
【0014】次に、安定した光学的マイクロビームを用
いて表面分析を行う本発明による表面分析装置について
説明する。真空中でレーザー光を試料上に集光させる
と、表面に吸着した物質や物質表面の一部が溶解してア
ブレーションを起こす。この飛散物質を2次イオン分析
すれば、SIMS,PSD,ESDと同様の表面分析が
可能である。本発明による表面分析装置はこの原理を用
いたものであり、レーザー光源と、このレーザー光源よ
り発せられたレーザー光を偏向して真空中に配置された
試料上に照射するための偏向光学系と、試料表面から発
生した2次イオンを質量分析するための質量分析器又は
飛行時間分析器とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0015】
【作用】レーザープラズマ光源を用いた本発明において
は、レーザープラズマ光源から発生した光は、分光器2
6で単色化され、集光光学系によって試料27上に集光
され、しかもサンプルステージ29を二次元走査させる
ことで、この光は試料29上を二次元走査することにな
る。この時、プローブとしてのX線等は全く試料29の
表面を傷つけない。又、X線等の波長を分光器26又は
集光光学系28で選択することにより、分析者等が関心
を持つ分子を選択的に解離させることができるので、高
い感度で分析できる。そして、試料29表面から発生し
た2次イオンは質量分析器30又は飛行時間分析器を通
過して、光電子増倍管やMCP等の2次電子増倍管によ
り検出され、二次元マッピングされる。
【0016】又、レーザー光源を用いた本発明による表
面分析装置では、真空外の大気中に例えばポリゴンミラ
ー等の偏向光学系を用いてレーザー光源からのレーザー
光を偏向させることで、レーザー光をプローブとして、
試料表面を簡易に二次元走査できる。しかも、レーザー
光のパワーを調整することにより試料表面のダメージを
極力小さくし、試料表面の吸着物質のみを解離させるこ
とが可能であり、反対に試料表面を徐々に融解させるこ
とにより、SIMS,ESDと同様な深さ方向の成分分
析も可能である。又、レーザー光源は理想的なパルス光
源であることから、2次イオンの発生時刻を特定でき、
質量分析器に代えて構成のより簡単な飛行時間分析器を
用いても、飛行時間分析法により高感度でイオン分析を
できる利点がある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて説明する。図2は本発明の第一実施例を示す表面
分析装置の概略構成図である。図において、Nd:YA
Gレーザー光を射出するYAGレーザー32とその前方
に位置する集光レンズ33は、大気中に配設されてい
る。光学窓34aからNd:YAGレーザー光を入射さ
せる真空容器34内には、このレーザー光が照射される
とその一部が融けて蒸発してプラズマ化され、この高温
・高密度のプラズマから例えば白色の軟X線が発生する
回転ターゲット35が設けられている。尚、このターゲ
ット35は一部が蒸発して凹んだら回転させられて新し
い面にレーザー光が当たるようになっている。これらに
よってレーザープラズマ光源が構成される。
【0018】発生した軟X線は斜入射分光器36で単色
に分光されるが、この分光器36として例えば瀬谷−波
岡型の定偏角型分光器が用いられている。この斜入射分
光器36では軟X線の波長を選別することができ、特定
の分子の結合エネルギーに対応した光子エネルギーの光
を試料に照射させるようにすることで、興味のある2次
イオンを選択的に検出することができるようになってい
る。又、斜入射分光器36の光路方向前方に集光光学系
として配置されたウォルターレンズ37は、斜入射分光
器36で分光された軟X線をXYステージ38上の試料
39表面に0.1μm前後のスポット径で集光させるも
のであり、これにより試料表面で2次イオンが発生す
る。XYステージ38はXY方向に走査されることによ
って、試料39に対して軟X線を二次元走査させること
になる。
【0019】試料39で発生する2次イオンの軌道上に
は、上述のような質量分析器41が配設されており、質
量分析器41には、2次イオン引き出し電極42,補正
レンズ43,特定の速度,質量,電荷を持つ2次イオン
を選別するセクター電極44及びセクター磁場45が順
次配設され、そして、選択された2次イオンを検出する
2次電子増倍管46に接続される。
【0020】本実施例は上述のように構成されているか
ら、YAGレーザー32から射出されたレーザー光は集
光レンズ33を介して真空容器34内に進入し、回転タ
ーゲット35に照射されることで、ターゲット35の一
部が融けてプラズマ化され、このプラズマから軟X線が
発生する。このレーザープラズマ光源から発生した白色
の軟X線は斜入射分光器36で単色に分光され、ウォル
ターレンズ37によって試料39上に集光されること
で、試料表面から2次イオンが発生する。この2次イオ
ンは、2次イオン引き出し電極42で加速された後、静
電型補正レンズ43を介してセクター電極44及びセク
ター磁場45で選別され、2次電子増倍管46で検出さ
れる。
【0021】特に、斜入射分光器36で波長を選別する
ことで、特定の結合エネルギーに対応した光子エネルギ
ーの光を試料39に照射でき、興味のある2次イオンを
選択的に検出できる。これによって、質量分析の際にS
/N比がよく検出できる。又、XYステージ38をXY
方向に移動させることで、試料39を二次元走査させれ
ば、サブμmレベルの非常に高い空間分解能で表面分析
が可能である。更に、特定の分子に限定せずに分析を行
う場合には、分光器36を介さずに直接白色光をウォル
ターレンズ37を介して試料表面に集光させればよい。
その他、本実施例による表面分析装置は、通常のSIM
Sのように、蛍光X線、光電子、オージェー電子をモニ
ターすることで、より情報量の多い分析器にもなる。
【0022】上述のように、本実施例は、非破壊で試料
表面の吸着物質を高解像度で二次元分析することがで
き、しかも光源としてレーザープラズマ光源を用いたの
で、装置を廉価で小型化できる。又、光電子やオージェ
ー電子等も同時に分析できるので、多角的な分析が可能
である。
【0023】次に、本発明の第二実施例を図3により説
明するが、第一実施例と同様の部材又は部分には同一の
符号を用いてその説明を省略する。図3は、2次イオン
の質量分析を飛行時間分析法で行うようにした表面分析
装置の概略構成図を示すものである。本実施例では、上
述の斜入射分光器36及びウォルターレンズ37に代え
てシュワルツシルド光学系48が配設されており、この
光学系48によってレーザープラズマ光源で発生した白
色の軟X線が単色化され、0.1μm以下のスポット径
で試料39上に集光される。又、試料39で発生する2
次イオンの軌道上には、飛行時間分析器49が配設され
ており、この飛行時間分析器49は、2次イオンを一定
の印加電圧で加速させる2次イオン引き出し電極50
と、この電極50から一定距離Lだけ離間していて2次
イオンを検出する2次電子増倍管46から構成されてい
る。
【0024】レーザープラズマ光源はレーザーのパルス
幅が10nmsec以下であることから、理想的なパル
ス光源であるといえる。そのため、レーザーパルスの発
生とほとんど同時に発生した2次イオンは、引き出し電
極50によりそのイオン価数と質量数に応じた速度で飛
行を始め、距離Lだけ飛行後に2次電子増倍管46で検
出されることになる。よって、レーザーパルスが発信さ
れた時刻を原点にして、検出器である2次電子増倍管4
6で検出される時刻と信号強度を測定すれば、どんなイ
オンがどれぐらい放出されたかを検出できる。
【0025】上述のように、本実施例ではレーザープラ
ズマ光源が理想的なパルス光源であることを利用して飛
行時間計測が可能であるから、検出系を極めて簡素化で
きる。その点、SR光源を光源とすると、ビームを機械
的にチョップしてパルス光を作るために理想的なパルス
光を作れず、そのために飛行時間分析法による分析を行
うと飛行時間の分解能が劣化するので、飛行時間分析法
を利用することはできない。又、通常のSIMSでは、
プローブの電子ビームを磁場或いは電場を印加して制御
することで、理想的なパルスを作ることが可能ではある
が、破壊分析になってしまうという欠点がある。このよ
うに、本実施例によれば、非破壊で試料表面の吸着物質
を高解像度で二次元分析できる上に、装置の構成が非常
に簡素化され、装置を小型化することができる。尚、集
光光学系として、図10に示すようなゾーンプレートを
用いてもよいことはいうまでもない。
【0026】次に、本発明の第三実施例について図4に
より説明する。本実施例は光源としてNd:YAGレー
ザー光源32を用いており、この光源32から出力され
るレーザー光は集光レンズ33を介して偏向光学系であ
るポリゴンミラー52に照射される。ポリゴンミラー5
2はレーザー光を反射させる複数の回転面52aとその
回転軸52bを有していて、このミラー52の回転とこ
の回転方向に直交する方向への回転軸52bの偏向とに
よって、レーザー光を真空容器34内の試料34表面に
集光させて、二次元走査させることができるようになっ
ている。真空容器34内の試料34表面で発生する2次
イオンの軌道上には、2次イオン引き込み電極50及び
2次電子増倍管46を有する飛行時間分析器49が配設
されている。
【0027】本実施例は上述のような構成を備えている
から、Nd:YAGレーザー光源32からレーザーパル
スが発信されると、レーザー光は集光レンズ33を介し
てポリゴンミラー52で反射され、真空容器34内の試
料39上に集光される。ポリゴンミラー52の回転面5
2aで反射されるレーザー光は、ミラー52の回転角度
と偏向に応じてその照射ポイントが試料表面上で二次元
走査される。そして、Nd:YAGレーザー光源32は
レーザーのパルス幅が10nmsec以下であることか
ら、理想的なパルス光源であるといえるために、レーザ
ーパルスの発信とほとんど同時に試料39表面で2次イ
オンが発生することになる。この2次イオンは飛行時間
分析器49の引き出し電極50により、そのイオン価数
と質量数に応じた速度で飛行を始め、距離Lだけ飛行後
に2次電子増倍管46で検出される。そのため、レーザ
ーパルスが発信された時刻を原点にして2次電子増倍管
46で検出される時刻と信号強度を測定すれば、どんな
イオンがどれくらい放出されたかを検出できる。
【0028】又、試料表面に照射されるレーザー光の強
度を十分弱めれば非破壊で表面の吸着物質を解離して、
分析できる。これとは反対に、レーザー光の強度を調整
した上で、試料39上の同一位置でレーザー光を照射し
続けて分析を行えば、試料39の深さ方向の情報が得ら
れる。このように本実施例は、SIMSやESDと比較
すると、分析のためのシステム構成が極めて簡素化さ
れ、その上、PSDのように非破壊分析もできる。従っ
て、非破壊及び破壊で試料表面の吸着物質を高解像度で
二次元分析することができる。又、レーザー光源が理想
的なパルス光源なので、精度の良い飛行時間分析法によ
るイオン分析が可能である。
【0029】図5は本発明の第四実施例の概略構成図で
あり、レーザー光源を用いた第三実施例と同様の構成を
有すると共に、飛行時間分析器49に代えて質量分析器
41が真空容器34内に配設されたものであり、これに
より質量分析を行うことができる。
【0030】尚、上述の各実施例においても、蛍光X線
や光電子やオージェー電子等も同時に発生するので、こ
れらの情報をモニターすることで、より情報量の多い表
面分析装置が得られることになる。
【0031】
【発明の効果】上述のように本発明に係る表面分析装置
は、レーザープラズマ光源と、この光源から発せられた
光を試料表面に集光する集光光学系を備えているから、
非破壊で試料表面の吸着物質を高解像度で二次元分析で
き、装置を小型にすることができる。又、飛行時間分析
器を用いた場合には、飛行時間分析法による精度の良い
イオン分析が可能になり、検出系が一層簡素化される。
又、本発明による表面分析装置は、レーザー光源と、レ
ーザー光を偏向させて試料に照射する偏向光学系を備え
ているから、非破壊及び破壊で試料表面の吸着物質を高
解像度で二次元分析でき、しかもプローブがレーザー光
であるから、従来のこの種装置と比較して構成を簡単に
することができる。又、飛行時間分析器を用いた場合に
は、より簡単な構成で、飛行時間分析法による精度の良
いイオン分析が可能になる。その上、光電子やオージェ
ー電子も同時に分析できるので、多角的な分析が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザープラズマ光源を用いた本発明の概念図
である。
【図2】本発明の第一実施例を示す構成図である。
【図3】本発明の第二実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第三実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の第四実施例を示す構成図である。
【図6】SIMSの概念図である。
【図7】質量分析器の概念図である。
【図8】飛行時間分析器の概念図である。
【図9】ウォルター光学系の原理図である。
【図10】ゾーンプレートの原理図である。
【図11】シュワルツシルド型光学系の原理図である。
【符号の説明】
23,32……YAGレーザー光源、25,35……回
転ターゲット、27,39……試料、28……軟X線結
像光学素子、30,41……質量分析器、37……ウォ
ルターレンズ、48……シュワルツシルド光学系、49
……飛行時間分析器、52……ポリゴンミラー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザープラズマ光源と、該レーザープラ
    ズマ光源より発せられた紫外光,真空紫外光又はX線を
    試料表面に集光させる集光光学系と、該試料から発せら
    れた2次イオンを検出する質量分析器又は飛行時間分析
    器とを備えた表面分析装置。
  2. 【請求項2】レーザー光源と、該レーザー光源より発せ
    られたレーザー光を偏向して真空中に配置された試料上
    に照射するための偏向光学系と、該試料から発せられた
    2次イオンを検出するための質量分析器又は飛行時間分
    析器とを備えた表面分析装置。
JP4094508A 1992-04-14 1992-04-14 表面分析装置 Pending JPH05290796A (ja)

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JP4094508A JPH05290796A (ja) 1992-04-14 1992-04-14 表面分析装置
US08/390,352 US5650616A (en) 1992-04-14 1995-02-16 Apparatus and method for analyzing surface

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091292A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 試料分析方法及び装置
JP2014053192A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Toshiba Corp アトムプローブ測定装置およびアトムプローブ測定方法

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