JPH05289457A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH05289457A
JPH05289457A JP3150345A JP15034591A JPH05289457A JP H05289457 A JPH05289457 A JP H05289457A JP 3150345 A JP3150345 A JP 3150345A JP 15034591 A JP15034591 A JP 15034591A JP H05289457 A JPH05289457 A JP H05289457A
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JP
Japan
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toner
developing
amount
image
potential
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Pending
Application number
JP3150345A
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English (en)
Inventor
Takayuki Maruta
貴之 丸田
Noboru Sawayama
昇 沢山
Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE4126457A priority patent/DE4126457C2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、感光体の地肌電位に誤検知が
生じた場合のトナ−濃度の暴走を防止し、かつ、感光体
を含む作像系に異常が生じた場合を検知することのでき
る画像形成装置を得ることにある。 【構成】本発明は、光学センサ101を入力側に接続さ
れ、出力側には上記現像バイアス102、帯電電位103、露
光量106を設定するための駆動部および上記現像剤中の
トナ−の補給量を調整するための駆動部104がそれぞれ
接続してある制御部100を備え、上記制御部100は、現像
スリ−ブ25が停止していて感光体14が動作しているとき
に光学センサから得られる感光体14の非画像部での反射
光量に対応した検出値を用いる検知出力(VSG+)と上記
現像スリ−ブが動作しているとき感光体の反射光量に応
じた検知出力(VSG)とに対し、これら検知出力の大きい
方を基準として上記顕像パタ−ンの上記基準値(VTC)を
演算して算出し、この基準値と顕像パタ−ンのトナ−付
着量を基に上述した現像バイアス、帯電電位および露光
量のうちの少なくとも1つを変化させることを特徴と

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に関し、
さらに詳しくは、フルカラ−複写機における潜像坦持体
上でのトナ−濃度を一定化させるための制御構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、電子写真式複写機等の画
像形成装置にあっては、感光体上に形成される静電潜像
を現像するのに用いられる現像剤中のトナ−濃度を一定
に保ことが階調再現性にとって重要とされている。この
ため、感光体上に濃度検知用の顕像パタ−ンを画像部と
同様な処理により形成し、この顕像パタ−ンを光学セン
サにより検知することで、トナ−の補給量あるいは、ト
ナ−の帯電量を制御することが行なわれている。
【0003】しかしながら、上述した現像剤は、例え
ば、キャリアにトナ−を付着させた2成分現像剤を用い
る場合の現像システムの一般的性質を考えると、図4に
示すような関係が得られる。すなわち、図4において、
感光体表面電位と現像電極電位所謂、現像バイアス電位
との差で表される現像ポテンシャル(Vp)の増加に伴い、
現像量mが直線的に増加する線形領域と、線形領域の直
線からずれてある限界現像量LLIMへ漸近的に近付く飽
和領域とからなる。ここに、線形領域の勾配dm/dV
pは一般に現像γと称される。この現像γと限界現像量
LIMとは、図5に示すように、トナー濃度の増加とと
もに増加するというトナー濃度依存特性を持つ。このよ
うな2成分現像システムでは、限界現像量LLIMを、そ
のシステムの現像ポテンシャルの最大値での現像量m
MAXより十分に大きくなるように設計することが、階調
の再現性を保証するために必要な条件となる。即ち、階
調性再現のためには線形領域で使用することが必要であ
り、トナー濃度の下限を何らかの手段、方法により制限
する必要がある。
【0004】一方、トナー濃度がある値TC(地)より高
くなると、図6に示すように地汚れ(地肌部にトナーが
付着する現象や)トナー飛散(現像剤中からトナーが遊離
して現像器外に飛散する現象)が顕著となる。これは、
2成分現像剤の場合、キャリアとトナーとの表面が互い
に接触することにより相互帯電するために、キャリアの
有効な帯電領域に対してトナーが過剰に存在する場合に
はトナーを十分に帯電させることができない。この結
果、帯電量の不足したトナーがキャリアから遊離して飛
散したり、現像電界に依存しないために地肌部に付着す
ることになる。よって、トナー濃度の上限も何らかの手
段、方法により制限する必要がある。
【0005】ところで、このような2成分現像剤の現像
特性や地汚れは、使用環境や使用枚数、放置環境、放置
時間等に応じて刻々と変化する。これは、例えば温・湿
度によりトナー及びキャリアの表面へのの水分子の吸着
量が変化したり、使用時間によってキャリア表面への異
物の付着量が変化したり、トナー(及びキャリア)電荷の
充・放電量が変化するためと考えられる。
【0006】そこで、現像特性の特徴的な点を決めるト
ナー濃度が、使用環境や経時によってどのように変化す
るかを測定したところ、図7および図8に示すような特
性が得られたものである。図7は環境変動、例えば湿度
変動のみに対する特性を示し(経時の変動は伴わず、図
8中にで示す使用枚数に固定)、図8は経時変動、例
えば使用枚数を増加させた場合のみに対する特性を示す
(環境の変動は伴わず、図7中にで示す湿度環境に固
定)。従って、現実には、これらの2つの変動要素が一
緒に加わるものであり、さらには使用モード(例えば、
原稿の面積率、1枚の原稿から何枚の連続コピーを取る
か、1回の操作で何枚のコピーをとるか、今回のコピー
に際して前回コピー時からの休止時間はどの位か、な
ど)による変動も加わることになる。
【0007】なお、図5、図7及び図8中、各曲線は以
下のものを表す。 TC(mMIN):現像システムの最大ポテンシャルでの現
像量mMINがシステムに求められている現像量の最少値
を下回らないトナー濃度。 TC(γ):現像γが目標値となるトナー濃度。 TC(γ上):システムに求められている現像γの上限値
であり、これ以上のトナー濃度となると文字の太りや解
像度不足となる。 TC(γ下):システムに求められている現像γの下限値
であり、これ以下になると画像濃度の低下が許容範囲を
越えてしまう。もっとも、これは現像特性の直線部分を
用いて推定したものであり、実際には、前述したような
飽和現象を伴うため、画像濃度は一層低下するものとな
る。
【0008】何れにしても、このような2成分現像シス
テムでは、トナー濃度が現像特性に大きく関与するた
め、現像剤中のトナー濃度を適正に維持する必要があ
り、従来から多種多様の方式が提案されているが、それ
らは大別すると、次の2通りに分けられる。
【0009】A.トナー濃度又はその代用特性を検知
し、トナー濃度を一定にする方式。 B.現像剤の現像能力又はその代用特性を検知し、現像
能力が一定となるようにトナー濃度を制御する方式。
【0010】Aの方式のものとしては、例えば現像剤の
嵩密度の変化を検知するもの(特開昭47ー5487号
公報)、現像剤の嵩密度の変化を、透磁率→リアクタン
ス変化として検知するもの(特開昭47ー5138号公
報)、現像剤の体積変化を検知するもの(特開昭59ー1
9459号公報)、現像剤の体積変化をトルク変化によ
り検知するもの(特開昭47ー6589号公報)、現像剤
に色調変化を検知するもの(特開昭48ー69527号
公報)、現像剤の電気抵抗変化を検知するもの(特開昭4
48ー38157号公報)、現像されたトナーのカウン
タチャージ(キャリアにある)による誘電電圧を検知する
ようにしたもの(特開昭48ー57638号公報、特開
昭48ー42739号公報)等がある。
【0011】Bの方式としては、例えば特開昭48ー2
9448号公報に示されるように、光導電体に左右され
ない電荷パターンを作成しこれを現像した後のトナー像
の濃度を光学的に検知するようにしたものがある。
【0012】ところが、前述したような2成分現像シス
テムの特性によると、このようなAの方式又はBの方式
によるトナー濃度の制御では、不十分であり、次のよう
な欠点がある。先ず、図7や図8に示したように使用環
境や使用枚数等の経時によって、目標とする現像特性を
得るためのトナー濃度は変化する。よって、Aの方式の
ように、基本的にトナー濃度を常に一定値に制御するも
のでは、そのトナー濃度では環境、使用枚数等によって
現像特性が変化してしまうことになる。従って、中間調
の再現性を重視するカラー印字装置には不向きな制御方
式と言える。このような欠点を補うため、環境条件をも
検知して光像の露光量を変えるようにしたもの(特開昭
63ー177153号公報)や、複数の電位パターンで
現像されたトナー像の濃度を光学的に検知し、この検知
信号を予め種々の環境で測定されているデータ中から適
正な露光電位を選択設定するようにしたもの(特開昭6
3ー296061号公報)等が提案されている。
【0013】しかし、このような方法によっては、経時
(使用枚数)での現像剤の帯電特性の変化に対応できない
ものである。もちろん、経時変動と環境変動との双方を
組合せたデータで網羅するようにすれば対応不可能では
ないが、これでは膨大なデータをとる必要があり、現実
的でない。また、実際には使用モードによる変動も加わ
るので、上記の対策方式によって検知して最適化するこ
とは現実には不可能である。これらは、現像特性の最適
化という観点のみから考察した場合であるが、適正トナ
ー濃度と言う観点から考察してもAの方式の場合、不都
合がある。即ち、図7や図8に示したように地汚れやト
ナー飛散が急激に増加する限界となるトナー濃度TC
(地)も、環境や使用枚数によって変化する。従って、A
方式のようにトナー濃度が常に一定の場合、環境の変動
や経時によって地汚れやトナー飛散が発生しやすいもの
となる。この結果、トナー濃度を適正に調整すれば、ま
だ十分に使用できる現像剤状態にあっても現像剤交換時
と判断されてしまうことが多々ある。
【0014】一方、Bの現像能力を一定に制御する方式
の場合、現像剤の環境変動や経時変動が全てトナー濃度
にフィードバックされるためにトナー濃度の変動幅が大
きくなる。この結果、高湿時や経時条件中では現像剤の
現像能力が高くなるので、この現像能力が標準的な値に
なるようにトナー濃度を下げた場合、トナー濃度が低く
なりすぎてしまい、最大現像量、即ち飽和画像濃度が低
くなってしまう。よって、この場合も画像濃度や階調再
現性が不十分となってしまう。
【0015】そこで、本発明者は、先にこのような問題
を解決するために、作像に関する帯電電位、現像バイア
スおよび露光量の少なくとも一つを調整して感光体上で
のトナ−濃度を一定にするための方法を提案したので、
これについて以下に説明する。
【0016】先ず、提案方法が適用される電子写真方式
のデジタルカラー画像形成装置(カラー複写機)の概略
構成を図9により説明する。この装置の構成を大別する
と、原稿読取り用のスキャナ部1と、このスキャナ部1
よりデジタル信号として出力される画像信号を電気的に
処理する画像処理部2と、画像処理部2により処理され
た各色毎の画像記録情報に基づいて画像を転写紙上に形
成するプリンタ部3とよりなる。スキャナ部1は原稿載
置台4上の原稿を露光走査するランプ、例えば蛍光灯5
を有する。蛍光灯5により露光照明された原稿からの反
射光は、ミラー6,7,8により反射され結像レンズ9
に入射する。
【0017】その後、この結像レンズ9によりダイクロ
イックプリズム10に結像され、例えばレッドR,グリ
ーンG,ブルーBの3種類の波長光に分光される。分光
された各波長毎の光は、個別の受光器、例えばCCD1
1R, 11G, 11Bに各々入射される。これらのCCD
11R, 11G,11Bは入射した光をデジタル信号に変換
して出力し、その出力は画像処理部2において必要な処
理が施され、各色の記録色情報、例えばブラックBK,
イエローY,マゼンタM,シアンCの各色の記録形成用
の信号に変換される。図9中には、各色BK,Y,M,
Cの4色を形成する例で示すが、3色だけでカラー画像
を形成することもできる。この場合には、図中の記録装
置を1組減らせば良い。画像処理部2からの信号は、プ
リンタ部3に入力され、各々の色のレーザ光出射装置1
2BK,12c, 12M, 12Yに送られる。
【0018】プリンタ部3には図示例では4組の記録装
置13BK, 13c,13M, 13Yが併設されている。各
記録装置13は各々同じ構成部材よりなっており、説明
を簡略化させるため、ここでは例えばシアンC用の記録
装置について説明し、他の色については省略する。な
お、各色用については、同一部分には同一符号を付し、
添字BK,M,Yにより各色用を区別するものとする。
【0019】記録装置13cはレーザ光出射装置12c
の他に例えばドラム状の感光体14cを有する。感光体
14cの周囲には、周知のように、帯電チャージャ15
c、レーザ光出射装置12cによる露光位置、現像装置
16c、帯電チャージャ17c等が順に設けられてい
る。
【0020】帯電チャージャ15cにより一様に帯電さ
れた感光体14c上には、レーザ光出射装置12cによ
る露光により、シアン光像の潜像が形成され、現像装置
16cによる現像で顕像が形成される。給紙コロ18に
より給紙部19、例えば2つの給紙カセットの何れかか
ら給紙される転写紙は、レジストローラ20により先端
を揃えられ、タイミングを合わせて転写ベルト21に送
られる。転写ベルト21により搬送される転写紙は、各
々顕像が形成された感光体14BK,14C,14M,14
Yに順次送られ、転写チャージャ17の作用により顕像
が転写される。顕像が転写された転写紙は定着ローラ2
2による定着を受けた後、排紙ローラ23により排紙さ
れる。このような動作に際して、転写紙は転写ベルト2
1に静電吸着され、ベルトに従い精度良く搬送される。
また、各感光体14BK,14C,14M,14Yに対して
は、後述するトナー像パターンの付着トナー量を光学的
に検知する光学センサとして反射型フォトセンサ(以下
Pセンサという)24BK,24C,24M,24Yが設けら
れている。
【0021】このような構成において、提案方法では、
Pセンサ24(各感光体14BK〜14Yにおいて同様の
動作が行われるため、以下、符号24のように添字を省
略して説明する)による検知対象となるトナー像パター
ンも、通常の画像形成時と同じく、帯電チャージャ1
5、レーザ光出射装置12及び現像装置16をセンサパ
ターン形成手段として形成するが、提案方法では、2種
類の異なる画像濃度のトナー像パターンを作像させるも
のである。
【0022】具体的には、レーザ光出射装置12による
露光光量を2段階に可変切換えして異なる電位の静電潜
像パターン(異種の静電潜像パターン)を形成し、感光
体14に近接又は接触させた現像スリーブ25の電位、
即ち現像バイアスは同一として、2種類の異なる画像濃
度のトナー像パターンを像するようにしている。もっと
も、これとは逆に、レーザ光出射装置12による露光光
量は同一として同一電位の静電潜像パターン(同種の静
電潜像パターン)を形成し、現像スリーブ25の現像バ
イアスを2段計に可変切換えして、2種類の異なる画像
濃度のトナー像パターンを作像するようにしても良い。
【0023】さらには、2段階に異なる電位の静電潜像
パターンを各々異なる現像バイアスで現像して、2種類
の異なる画像濃度のトナー像パターンを作像するように
しても良い。また、トナー像パターンはベタ像に限ら
ず、任意の階調を想定した網点状又は線状のパターン像
であっても良い。
【0024】ここに、このような2つの静電潜像パター
ンの表面電位と現像バイアスとの差による現像ポテンシ
ャルを各々PL,PH(ただし、PL<PHであり、階
調0〜7の内、PL側は階調3が割当てられ、PH側は
階調7が割当てられているものとする)とする。また、
静電潜像のダイナミックレンジ(静電潜像が作る感光体
表面電位の最大値と最少値との差)Iが、ある大きさの
時に最適の現像特性が図10中に示す特性G(1a)であ
ったとする。この時の現像ポテンシャルPLなるパター
ンの現像量はm(L1)であり、現像ポテンシャルPHな
るパターンの現像量はm(H1a)である。この環境の
ままで(即ち、同じ時期に)、トナー濃度が上がれば現像
特性は図10中において特性G(2a)のように少し起き
た状態になり、現像ポテンシャルPL,PH対応の現像
量も各々m(L2),(H2a)となる。逆に、トナー濃度
が下がれば現像特性は図10中において特性G(3a)の
ように少し倒れた状態になり、現像ポテンシャルPL,
PH対応の現像量も各々m(L3),(H3a)となる。
【0025】従って、図10に示す現像ポテンシャル−
現像量対応の現像特性によれば、2つの現像ポテンシャ
ルPL,PHに対応するパターンについて何れか一方の
現像量をPセンサ24で検知し、現像特性が目標とする
現像特性G(1a)に近付くようにトナー濃度を制御する
ことができる。すなわち、通常のPセンサ方式による場
合と同様である。提案方法では、低い方の現像ポテンシ
ャルPLのパターン像にて、この制御を行うものとす
る。
【0026】以上の説明は、同一環境・同一時点を前提
としたものであり、次に環境変動が加わる場合を考察す
る。
【0027】例えば、現像ポテンシャルPL対応のパタ
ーンの現像量をPセンサ24により検知して、これが一
定となるように制御しながら、環境を高湿にした場合を
考える。
【0028】図7に示したように、高湿環境になると現
像γを適正に維持させるためのトナー濃度が低下するた
め、図5に示したように飽和現像量が低下する。従っ
て、現像特性は図5中に示す特性G(1b)のように屈曲
が大きくなる状態に倒れ、現像ポテンシャルPHの現像
量m(H1b)は常温の場合の現像量m(H1a)より少な
くなる。そこで、この変化分を検出することにより、静
電潜像のダイナミックレンジIを調整することができ
る。このダイナミックレンジIの調整につき、判り易く
するため、ここでは光像の最大光量と現像ポテンシャル
PHとが同じである場合を想定する(実際には、同じに
する必要はない)。
【0029】図11に示すように、現像特性がG(1a)
からG(1b)に変化すると、階調再現性が劣化するとと
もに、最大付着量(=m(1b))が低下する。そこで、現
像ポテンシャルPL,PHの比率を一定に保ちながら、
静電潜像のダイナミックレンジを小さくする。ここに、
第3図においてトナー濃度はm(L1)が常に一定となる
ように制御されているので、対応する現像ポテンシャル
PL→PL’が小さくなるに従いトナー濃度が上昇し、
現像特性のカーブもG(1b)の状態から立ってくる。
【0030】このような調整を、現像ポテンシャルPH
→PH’対応のパターンについてのPセンサ24による
検知動作により、現像料m(Hlb)が目標値m(Hla)
に等しくなるまで、即ち現像特性G(1b’)の状態にな
るまで続けることにより、画像信号に対する現像量を常
に一定に保つことができる。従って、図9に示したよう
なカラー複写機の場合においては、重視される中間調の
再現が良好に行われることになる。つまり、提案方法
は、図11において目標とする現像特性G(1a)から高
湿環境により破線で示す現像特性G(1b)のように変動
した場合、同図中の現像特性G(1b')となるように制
御することを特徴とする。
【0031】なお、低湿時には、逆の動きとなる。ま
た、経時変動の場合も高湿環境への変動時と同様とな
る。また、本提案例では露光手段12の露光光量を可変
させてダイナミックレンジを変化させているが、帯電チ
ャージャ15による帯電電位を可変させてダイナミック
レンジを変化させ、又は、露光光量と帯電電位との双方
を可変させてダイナミックレンジを変化させるようにし
てもよい。
【0032】ちなみに、図12に本提案例方式と従来の
A,B方式とによるトナー濃度の推移を模式的に示す。
図12は図8と同様に使用枚数による経時変動に伴う特
性を示すものであるが、図8の常湿環境時と異なり、図
7中にで示す高湿環境での推移特性を示す。まず、ト
ナー濃度一定制御方式(Aの方式)の場合、トナー濃度T
C(γ)上に一致するトナー濃度となった時点T1で現像
剤を交換しないと良好なる画質が得られなくなり、現像
剤が無駄となる(もっとも、カラーでなく白黒の印字装
置にあっては、トナー濃度TC(地)に一致するトナー濃
度となる時点T2まで使用し得るようにしたものもあ
る)。また、現像剤能力一定制御方式(Bの方式)の場
合、破線で示すように、トナー濃度TC(γ)がトナー濃
度TC(mMIN)になる時点T3の時点で現像剤の寿命と
判断し、現像剤を交換しなければならないものである。
しかるに、トナー濃度TC(γ)が初期値以下となること
なく一定に制御する本提案例方式によれば(時点T4から
静電潜像のダイナミックレンジを小さくしている場合を
示す)、トナー濃度TC(地が目標のトナー濃度)TC
(γ)に一致する時点T5まで使用可能となる。即ち、従
来方式に比して良好なる画質を長期に渡って維持でき、
現像剤寿命が伸びるものとなる。
【0033】つづいて、第2の提案方法を図13乃至図
15により説明する。前記実施例で示した部分と同一部
分は同一符号を用い、説明も省略する。本提案方法は、
前記方法を改良したもので、トナー像パターンにおい
て、ベタ像とライン像とではPセンサ24による応答特
性が異なることを利用して、現像特性の変化を正確に把
握するようにしたものである。
【0034】まず、本提案方法の背景を説明する。前記
方法において、最大現像量として感光体表面上を1層以
上のトナーが覆うように制御する必要がある場合には、
現像特性の正確な把握が困難である。これは、Pセンサ
24の検知特性を考えた場合、図14に示すように、ト
ナーが感光体上に1層付着するあたり(0.5mg/cm2)から
飽和しそれ以上は殆ど感度を持たないことによる、即
ち、Pセンサ24は感光体表面による正反射がトナー付
着により遮られることにより減少する光の量(割合)を検
知しているため、感光体表面が1層のトナーにより覆わ
れるところまでが検知可能範囲だからである。また、ト
ナーがPセンサ24の検出光を十分に吸収できない場合
も問題である。カラートナー使用時が該当し、Pセンサ
24の検知可能範囲である900数+nmの検出光の吸収
率が30%以下である。即ち、カラートナーの場合、カ
ラートナーによる乱反射光がトナーの付着量とともに増
加するため、図14中に示すようにトナー付着量が増加
すると検知光量(反射光量)も増加する領域(やや右上が
りの領域)を持つからである。
【0035】さらに、感光体がPセンサ24の検出光を
半分以上拡散又は吸収する層(例えば、レーザプリンタ
用の感光体にあっては感光層表面と基体との間でレーザ
光が多重反射して干渉縞ができるのを防止するため、乱
反射層を設けたものがある)を持つ場合も問題である。
このような場合、感光体の正反射光量がトナ−の乱反射
光量と比較して相対的に少なくなり、図14中に「乱反
射層あり」で示すように、S/N比が低下して誤検知の
可能性が高くなってしまうからである。
【0036】これらの要因により、現像特性の変化を正
確に把握できないことがある。このような課題に対して
本提案方法では、少なくとも2種類のトナ−像パタ−ン
について、一つはベタ像を含み、一つはベタ像以外、具
体的にはライン像を含むようにしたものである。ここで
は、トナ−像パタ−ンとして、中間濃度のベタ像パタ−
ン(Pセンサ出力VSP)と、中間濃度のライン像パタ−ン
(Pセンサ出力VL)と、最高濃度のライン像パタ−ン(P
センサ出力VLH)との3種類とする。また、トナ−補給
の制御はある定数VSP0に対してベタ像パターンについ
ての測定値VSPが、VSP<VSP0の場合にトナー補給を
行ない、VSP>VSP0の場合にはトナー補給を停止させ
るものとする。
【0037】また、本提案方法における作像条件の制御
は、表1に示すような帯電電位V0、現像バイアス電圧
B、トナー像パターン部電位VP及びトナー制御定数V
SP0を一組としたコラムからなるメモリ上の表と、各コ
ラムのメモリ上の位置を示すポインタPとともに、 VD0:VLL−VLHの目標値、 P1:ポインタの下限、 P2:ポインタの上限、 P0:P1<P0<P2なるある定数、 Di (=0,1,2) : ポインタの増減量(D0≦D1≦D2)、 VDN:ポインタの不変領域を決める定数、 VDA:測定値VLL,VLHの差の移動平均 より、第2表に従って制御するものである。ここに、ト
ナー補給の制御は、コピー毎に毎回行うが、作像条件の
制御は、一連のコピー動作が終了し、次にコピー釦が押
された時に行う。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】図13は、黒トナーの場合についての提案
方法によるPセンサ24の応答特性を、現像量 -Pセン
サ出力、露光エネルギ− -Pセンサ出力、露光エネルギ
ー -感光体表面電位、現像量 - 感光体表面電位の各関
係により示すものである。
【0041】この特性図において、まず、ベタ像パター
ンについて検討する。ベタ像パターンの現像量を決める
のは、現像剤の現像能力(=トナーの帯電量Q/M)
と、現像ポテンシャル(=パターン部電位と現像バイア
スとの差)のみであり、現像ポテンシャルさせ一定に保
てば、現像剤の現像能力を容易に把握できる長所を持
つ。すなわち、中間濃度のベタ像パターンについてのP
センサ出力がVSP≒Vsp”となる。
【0042】しかし、トナー付着量の高いところではP
センサの感度がなくなったり(黒トナーの場合であり、
図13中に示すVSP≒VSP’なる状態)、図13に対応
してカラートナーの場合のPセンサ応答特性を示す図1
5のように逆の感度(トナー付着量が増すほどセンサ出
力が大きくなる)を持ったりしてしまう短所がある。
【0043】次に、ライン像パターンを検討する。ライ
ン像パターンにあっては、トナー付着量が高くなって
も、VLH≠VLH'となりPセンサ24の感度が維持され
る長所を持つ。反面、現像ポテンシャル以外に、地肌ポ
テンシャル(=地肌部電位と現像バイアスとの差)や、
ライン像パターンの潜像の質(アナログの場合はピン
ト、フレア、レーザ書込みのデジタルの場合にはレーザ
スポットの広がりやオン/オフの立上り/立下がり時の
リンギング、液晶シャッタ方式の場合には遮光量や開閉
速度、光束の絞り具合やフレア光等により影響される)
により、現像量が変化し(VLL≠VLL"や、VLH≠VLH"
となって現れる)、センサ出力の絶対値の信頼性が低い
短所を持つ。
【0044】しかるに、提案方法ではこれらのベタ/ラ
イン像の2種類のセンサ応答特性の長所を各々利用して
表2に示したように、現像特性の変化を正確に把握し、
トナー濃度とダイナミックレンジとの可変制御に供する
ものである。即ち、トナー付着量の大きい露光エネルギ
ーの相対値「7」においては最高濃度のライン像パター
ンの検出出力VLHにより環境変動を検知する一方、露光
エネルギーの相対値「3」においては中間濃度のベタ像
パターン及び中間濃度のライン像パターンによりトナー
濃度を検知するものである(以下、この方法をDIF制
御という)。この方法については、本出願人の出願に係
る特願平1−238107号の明細書に詳細が開示されてい
る。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したト
ナ−濃度のダイナミックレンジの制御を行う場合も含
め、トナ−補給の制御を行う場合には、現像剤の環境等
に起因する特性の変動その他の要因により、トナ−像パ
タ−ンのトナ−付着量が突発的に増加してしまうことが
ある。殊に、カラ−トナ−の場合、トナ−の乱反射光が
トナ−付着量に応じて増加するため、光学センサにより
検知される光量も増加することにより、付着トナ−が少
ないと誤検知されてしまうことがある。このような検知
結果によると、トナ−補給が継続されトナ−濃度が上昇
するというトナ−濃度の暴走が生じる。
【0046】そこで、このような不具合を解消するた
め、例えば、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作
しているときの感光体からの反射光量に応じた地肌検知
電圧(VSG+)と現像スリ−ブが動作しているときの地肌
検知電圧(VSG)とを求め、VSG+<VSGの時には、 (I) VSP×4/VSG+>VSP目標値 (II) VSP×4/VSG+<VSP目標値 のいずれかの関係にあるかを判断し、(II)の関係にある
ときには、トナ−の補給を行うようにしていた。
【0047】しかしながら、上述したトナ−濃度の暴走
防止方法にあっては、例えば、現像スリ−ブが動作して
いるときの検知電圧(VSG)の方が現像スリ−ブ停止時の
検知電圧(VSG+)よりも高くなり、上記(II)に該当して
トナ−の補給が継続されてトナ−濃度の暴走を防ぐこと
ができなくなる虞れがある。つまり、上述した検知電圧
の逆転現象は、例えば、感光体のクリ−ニング不良やト
ナ−濃度が異常に高くなったときに、地肌部へのトナ−
の残留付着量が多くなることに原因している。
【0048】また、上述したような原因とは別に、感光
体を含む、作像システム系での異常が生じた場合には、
上述したトナ−の濃度制御ができなくなる場合もあっ
た。
【0049】そこで、本発明の目的は、上述したような
感光体の地肌電位に誤検知が生じた場合のトナ−濃度の
暴走を防止し、かつ、感光体を含む作像系に異常が生じ
た場合を検知することのできる画像形成装置を得ること
にある。
【0050】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、潜像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜
像を少なくともトナ−を含む現像剤により現像して潜像
担持体上に顕像を形成する画像形成装置であって、上記
潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを形成してこのパタ
−ンを光学センサに読み取らせ、該光学センサからの反
射光検出信号と基準値とを比較して現像バイアス、帯電
電位または露光量のうち少なくとも1つを変化させるよ
うにした画像形成装置において、上記光学センサを入力
側に接続され、出力側には上記現像バイアス、帯電電
位、露光量を設定するための駆動部および上記現像剤中
のトナ−の補給量を調整するための駆動部がそれぞれ接
続してある制御部を備え、上記制御部は、現像スリ−ブ
が停止していて感光体が動作しているときに光学センサ
から得られる感光体の非画像部での反射光量に対応した
検出値を用いる検知出力(VSG+)と上記現像スリ−ブが
動作しているとき感光体の反射光量に応じた検知出力
(VSG)とに対し、これら検知出力の大きい方を基準とし
て上記顕像パタ−ンの上記基準値(VTC)を演算して算出
し、この基準値と顕像パタ−ンのトナ−付着量を基に上
述した現像バイアス、帯電電位および露光量のうちの少
なくとも1つを変化させることを特徴としている。
【0051】また本発明は、潜像担持体に静電潜像を形
成し、この静電潜像を少なくともトナ−を含む現像剤に
より現像して潜像担持体上に顕像を形成する画像形成装
置であって、上記潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを
形成してこのパタ−ンを光学センサに読み取らせ、該光
学センサからの反射光検出信号と基準値とを比較して現
像バイアス、帯電電位または露光量のうち少なくとも1
つを変化させるようにした画像形成装置において、上記
光学センサを入力側に接続され、出力側には上記現像バ
イアス、帯電電位、露光量を設定するための駆動部およ
び上記現像剤中のトナ−の補給量を調整するための駆動
部がそれぞれ接続してある制御部を備え、上記制御部
は、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作している
ときに光学センサから得られる感光体の反射光量に応じ
た検知出力(VSG+)と上記現像スリ−ブが動作している
とき感光体の反射光量に応じた検知出力(VSG)とに対
し、これら検知出力が所定値以上に変化した場合に、そ
の変化の傾きを判別して、傾きが所定値以上にあるとき
に異常状態発生と判断することを特徴としている。
【0052】
【作用】本発明によれば、感光体の地肌汚れによる反射
光量が変化した場合には、現像スリ−ブが停止している
ときに得られた感光体の地肌検知電圧を基準としてトナ
−の補給制御を行い、妄りにトナ−の補給が継続される
のを防止する。
【0053】また本発明によれば、感光体の地肌汚れに
よる反射光量が変化した場合には、感光体の地肌検知出
力の変化が光学センサや一次的なトナ−の付着による誤
検知によるものでないことを判別することで、トナ−濃
度制御に関する異常が発生したことを判断する。
【0054】
【実施例】以下、図1乃至図3において本発明実施例の
詳細を説明する。
【0055】図1は本発明実施例による画像形成装置に
用いられる制御部を示すブロック図である。図1におい
て、制御部100は、本体100Aを演算制御処理を行うマイ
クロコンピュ−タにより構成してあり、この本体100Aに
は、演算制御処理のための基礎プログラムおよびこれら
処理のための基礎デ−タを蓄積しているROM100Bおよび
各種デ−タを取り込むためのRAM100Cが接続してあ
る。
【0056】そして、このRAM100Cには、I/Oイン
タ−フェ−ス100Dを介して外部機器が接続してあり、I
/Oインタ−フェ−ス100Dの入力側には、各現像装置
(図5参照)に付設された発行素子および受光素子との組
合せからなるフォトセンサ101(図9に示した各センサ24
BK、24C、24M、24Yに相当)が接続してあり、このフォト
センサ101は、感光体上に形成された顕像パタ−ンのト
ナ−付着量すなわち、顕像のトナ−濃度(TC)を検出す
るようになっている。また、I/Oインタ−フェ−ス10
0Dの出力側には、現像バイアス制御ユニット102、帯電
制御ユニット103、トナ−補給部のクラッチ駆動部104、
トナ−補給部のバイアス電位制御ユニット105および露
光ランプ制御ユニット106がそれぞれ接続してある。上
述した外部機器において、I/Oインタ−フェ−ス100D
の出力側に接続されている現像バイアスユニット102は
現像スリ−ブ上でのトナ−に対するバイアス電位を設定
するための駆動部であり、帯電制御ユニット103は感光
体の地肌部に対する帯電電位を設定するための駆動部で
ある。
【0057】一方、トナ−補給部のクラッチ駆動部104
は前述した感光体の顕像パタ−ンの濃度(ベタ像パタ−
ンの濃度VSP)がある定数(VSP0)に対しVSP×4/VSG+>
VSP0(VSG+>VSGの時)、あるいは、VSP×4/VSG>VSP0(V
SG+<VSGの時)の場合に、補給パドルを回転させるため
のクラッチを駆動するためのものであり、また、トナ−
補給部のバイアス電位制御ユニット105は補給トナ−へ
のバイアス印加を行う際の電位設定部であり、さらに、
露光ランプ制御ユニット106は、露光ランプの光量を調
整するためのものである。上述した制御部本体100Aにお
いては、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作して
いるときの地肌検知電位(VSG+)と現像スリ−ブが共に
動作しているときの感光体の地肌検知電圧(VSG)を取り
込んで、トナ-の補給制御を行うようになっている。
【0058】すなわち、図2(A)において、感光体の地
肌部に付着するトナ−の量に応じて光学センサからの地
肌検知電圧は変化するが、通常、この地肌検知電圧は、
トナ−の付着がない場合に4Vに設定されている。そし
て、この地肌検知電圧を基準として、感光体上に顕像パ
タ−ンが形成され、この顕像パタ−ンのトナ−濃度を検
出することで感光体上でのトナ−濃度の制御が行われる
ようになっている。本実施例においては、上述した顕像
パタ−ンのトナ−濃度は、センサ出力(VSP)が1Vを基
準とする所定の範囲において制御されるようになってい
る。
【0059】ところで、上述した地肌検知電位は、図2
(B)に示すように、現像スリ−ブが停止しているときに
得られる値(VSG+)に対して、現像スリ−ブが動作して
いるときの値(VSG)の方が、現像スリ−ブの回転により
トナ−が付着して低くなるが、例えば、前述したよう
に、例えば、画像形成処理後に行われる感光体のクリ−
ニングが良好でない場合、あるいはトナ−濃度が異常に
高く設定された場合には、感光体表面に残留するトナ−
の量も多くなり、このことが上記地肌検知電圧(VS G+)
を低下させる要因となる。このため、このような事態が
生じた場合には、基準値として設定される現像スリ−ブ
動作時の感光体地肌検知電圧を、感光体のトナ−濃度制
御とダイナミックレンジ制御に適用するようになってい
る。
【0060】以下、図3に示した制御部の動作に関する
フロ−チャ−トにより、本実施例の動作を説明する。
【0061】すなわち、図3(A)は複写機の全体動作の
ためのシ−ケンス制御を示すフロ−チャ−トであり、始
動後、複写開始スイッチ、所謂、プリントスタ−トスイ
ッチがオンされたかを判別して後述するポインタ制御に
基づく感光体ドラムの地肌電位設定が実行される。
【0062】上述したポインタ制御は、図3(B)に示す
ように現像バイアスのシフト量(VBS)が所定値以下であ
るかどうかを判別し、所定値以下の場合には、その状態
のフラグがセットされているかを判別した上でVBS制御
に移行する。また、上述したフラグがセットされていな
い場合には、表3に示すDIF制御によるダイナミック
レンジ用のポインタをポインタを23番目に固定し、そし
て、表4に示したサブポインタを64に固定する。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】VBS制御は図3(C)に示すように、ポイン
タ−VBS表からΔSPを選択し、このサブポインタが「1
28」以上であるかを判別することでポインタの更新並び
にサブポインタの更新を行い、サブポインタがゼロ以下
であるかを判別した上でゼロ以下の場合には1段低いポ
インタに更新すると共にサブポインタもこれに応じたも
のに更新する。ところで、このVBS制御において、例え
ば、最初の複写(ファ−ストコピ−)を実行する場合に、
現像バイアスのシフトが行われる場合には、通常、この
シフト量の限界量である例えば、8Vの範囲を無視し
て、例えば20V程度の範囲でシフト量を設定する。これ
により、所定のトナ−濃度に達するまでの時間を早める
ようになっている。
【0066】一方、現像バイアスのシフト量(VBS)が所
定値以下でない場合には、この状態のフラグがセットさ
れているかを判別し、フラグがセットされている場合に
はDIF制御が実行され、また、フラグがセットされて
いないときには上述したVBS制御の場合と同様に、ポイ
ンタおよびサブポインタを固定する。そして、上述した
DIF制御は、図3(D)に示すように、前述したVLL
LHにより求められるDIF検出値とDIF設定値との
差を求め、この差(α)が例えば、黒現像の場合は0.24
V、カラ−現像の場合は0.12V以下であるかを判別し、
以下である場合には、検出値と設定値との大小関係を判
別してサブポインタを繰下げ更新若しくは繰上げ更新の
いずれかを選択し、また、上述した差が所定値にない場
合にも検出値と設定値との大小関係を判別した上でサブ
ポインタの繰下げあるいは繰上げ更新をし、更新された
サブポインタが「128」以下若しくは以上であるかにより
ポインタおよびサブポインタの補正を行う。
【0067】上述したDIF制御におけるDIF検出は
図3(E)に示すように、過去のDIFデ−タを設定した
上で、上述したVLL−VLHを更新し、初期値も更新した
上で、各階調全てについての検出が完了したかを判別し
て、完了した場合には顕像パタ−ンからの検出値と目標
値との差を求め、この差と所定値との関係を判別する。
この判別において、所定値以下であるときには、DIF
検知を実行したとしてそのデ−タを入力し、出力デ−タ
の総和を算出してDIF制御の際のポインタ設定に供す
る。
【0068】上述したVBS制御あるいはDIF制御によ
り、現像バイアスのシフト量あるいは帯電電位の補正量
が設定されると、図3(B)において、ポインタテ−ブル
による標準現像バイアス、標準帯電電位および標準露光
量が選択され、それぞれの値を実効値に補正する。
【0069】そして、このようなポインタによる現像バ
イアス、帯電電位および露光量がそれぞれ選択される
と、これに関係するチャ−ジャあるいは現像スリ−ブの
駆動部がオンされ感光体の駆動も開始されて感光体への
画像形成が実行され、感光体上に形成された顕像パタ−
ンの濃度がフォトセンサにより検出され、現像バイアス
の補正制御、所謂VK制御が実行される。すなわち、VK
制御は、トナ−像の濃度を読み取るフォトセンサの出力
K(微小ポテンシャル時の検出電位)が一定になるよう
に現像バイアスVBをシフトさせる制御であり、本実施
例においては、このシフト量(VBS)を実効現像バイアス
と出力現像バイアスとのずれとして考え、これを作像時
での現像バイアスに上乗せするようにしてある。
【0070】つまり、現像バイアスVB(目標値)と実効
現像バイアスとのシフト分をキャンセルするための値V
BSとの和として考え、感光体ドラムの地肌電位V0を基
準として実効バイアスのシフト分を求めると、 VB=VB(目標値)+VBS・・・・・・・・・(1) VB(目標値)=V0+VBK・・・・・・・・・(2) VB=V0+VBK+VBS・・・・・・・・・・(3) 但し、V0:感光体ドラムの地肌電位 VBK:VK作像ポテンシャル(例えば、24V) このときのフォトセンサの出力VKとして、このフォト
センサ出力VKがその目標値VK0となるようにVBをシフ
トすると、実効現像バイアスのずれ分、換言すれば、最
適なシフト量が判る。なお、この実施例の場合、VK
8個分の移動平均を取ってVK0と比較し、VKとVK0
の差が、0.1V(黒現像の場合には0.2V)以下のときに
は、制御しないようにして帯電ムラ等の影響を受けにく
くしてある。 |VK−VK0|<0.1V・・・・・・・・・・・(4) すなわち、トナ−濃度TCの制御パタ−ン部目標電位を
SP、バイアスシフト量目標電位をVSP目標値とし、フ
ォトセンサのn回目の検出電位を、 TC制御パタ−ン部検出電位:VSP(I) バイアスシフト量検出電位 :VK(I) とすると、通常のトナ−濃度制御状態の場合には、ほと
んど全てのIに対して次式が成立する。 |VSP目標値−VSP|<0.1V・・・・・・・(5) (黒現像の場合は0.4V) この場合、バイアスシフト量検出電位V(I)の移動
平均をシフト量VKとして、例えば、次式により計算す
る。
【0071】
【数1】
【0072】一方、トナ−濃度制御状態が異常の場合に
は、(4)式が成立せず、あるIまたは全てのIについ
て、 |VSP(I)−VSP目標値|<0.1V・・・・・(7) (黒現像の場合は0.4V) となる。この場合には、不等式(7)が成立するIについ
てVK(I)の代わりにVKの目標値であるVK0を代入す
る。 VK(I)=VK0・・・・・・・・・・・・・(8) そして、このVK(I)でシフト量VKの移動平均を(6)式
より計算する。
【0073】なお、この制御においては、最初のVK
正にあたっては、通常の作像時に印加される微小電位差
を無視したそれ以上の電位差を印加してトナ−濃度の偏
差を早くなくすようにしてあり、この処理が終わると、
通常の作像時でのVK補正処理に復帰させるようになっ
ている。
【0074】一方、このような作像時のダイナミックレ
ンジの制御に基づき、本実施例の特徴であるトナ−補給
の制御が実行される。すなわち、図3(G)において、感
光体の地肌電位の検出および感光体状の地肌部に形成さ
れた顕像パタ−ンの濃度がそれぞれ所定タイミングを以
って検出され、この所定タイミングで得られた地肌検知
電圧(VSG)が、現像スリ−ブの停止時に検出された地肌
検知電圧(VSG+)と比較される。
【0075】上述した比較において、VSG+>VSGの関
係にある場合には現像スリ−ブ停止時に地肌汚れが生じ
ていないといえ、この場合には、まず、VSGをセット
し、また、VSG+>VSGの関係にない場合には現像スリ
−ブ停止時に地肌汚れが生じているといえ、この場合に
は、現段階での地肌検知電圧VSG+を上述したVSGに置
き換え、この地肌検知電圧と顕像パタ−ンの濃度検知電
圧との比が所定係数以上、換言すれば、トナ−補給が必
要であるかどうかを判別してその結果に応じた処理を実
行する。
【0076】なお、上述したVSGの入力処理において
は、図3(G−1)に示すように、VK制御の場合と同様
に、8個のデ−タを求め、この平均値を基にして、地肌
検知電圧VSG+との比較に供しても良い。
【0077】そして、このようなトナ−の補給制御が実
行されると、図3(A)において、複数回の複写であるか
を判別し、複写終了に相当する場合には、最終段階での
ダイナミックレンジ設定のための処理を行うと共に、V
SG+の検知が行われる。すなわち、VSG+検知は、図3
(H)において、複写ボタンのオン、オフの動作毎に地肌
検知電圧を入力として取り込み、それらデ−タの平均値
を演算した上で、平均値を地肌検知電圧としてメモリす
る。
【0078】ところで、上述した地肌検知電位は、第2
図(B)に示すように、現像スリ−ブが停止しているとき
に得られる値(VSG+)に対して、現像スリ−ブが動作し
ているときの値(VSG)の方が、現像スリ−ブによるクリ
−ニング効果によるトナ−付着量の低減によって高くな
るが、例えば、画像形成処理後に行われる感光体のクリ
−ニングが良好でない場合、あるいは一時的にトナ−濃
度が異常に高く設定された場合には感光体からの反射光
量が変化してしまう。さらに、このような反射光量の変
化を来す場合としては、感光体の表面状態が劣化したし
たり傷が生じた場合があり、このことが上記地肌検知電
圧(VSG)を低下させる要因となる。このため、このよう
な事態が生じた場合には、基準値として設定される現像
スリ−ブ停止時の感光体地肌検知電圧と現段階での地肌
電位との差に基づいて、異常事態であるかを判別すると
ともに、感光体のトナ−濃度制御のためのダイナミック
レンジを補正して地肌汚れをなくすようになっている。
すなわち、このための処理は、図3(H−1)において、地
肌電位の検出を開始すると、前回の地肌電位(VSG+)が
2V以上であるかを判別し、この値以下であるときに
は、光学センサの出力を4Vに補正する。この判別に用
いられる地肌電位(VSG+)は、例えば、現像スリ−ブが
停止していて、感光体ドラムが動作しているときの感光
体の非画像部の表面電位が用いられうようになってい
る。
【0079】そして、光学センサの出力が2V以上であ
る場合には、地肌電位VSG(n)を読み取り、この値が4.2
V以下であるかを判別し、その値以上である場合には、
光学センサあるいは感光体の交換若しくは清掃が実行さ
れた結果感度が上昇したと判断して光学センサの出力を
上述した4Vに補正する。このようにして補正された光
学センサの出力により、常に一定した光学センサの出力
に対し、顕像パタ−ンからの反射光量の変化を検出する
ことで、感光体上のトナ−の付着量を知ることができ
る。
【0080】上述した光学センサに体する出力の制御が
終わると、基準地肌電位に対する検出地肌電位の大きさ
を差により求め、その差が所定値以下であるかを判別
し、所定値以上である場合には、その変化が継続して生
じているかを検出値の傾き(GRD)を求めることで判断す
る。つまり、地肌電位の検出値を5個取り込み、この値
の傾きが所定値であるかを判別することで、例えば、光
学センサの汚れや一時的に感光体に付着したトナ−によ
る地肌電位の変化であるかを判別し、この傾きが継続し
ている場合に感光体側に異常が生じていることを判断
し、このことを例えば、サ−ビスマンコ−ルとして処理
する。このように、地肌電位の変化を数個のデ−タの傾
きとして求めることにより、実際の異常事態と光学セン
サの誤検知とを区別して判断することができる。
【0081】上述した異常判断処理がなされない場合、
つまり、地肌電位の検出値の差が所定値以下である場合
には、地肌電位の検出出力の8個分のデ−タから、その
出力の傾き(GRD)を求め、この傾きが所定値以下である
かを判別して以下にないときには、上述したサ−ビスマ
ンコ−ルの処理を実行し、また、所定値以下であるとき
には、7階調分に相当する地肌検出電位の平均値を求め
てこれをメモリに格納する。
【0082】これらの処理は画像形成に合わせて毎回実
行される。
【0083】一方、図3(H−2)に示すように、上記出力
の傾きの8個の和をもとめ、この和が所定値以下である
かを判別する。この判別は、8枚の複写処理毎に行なわ
れることで、比較的長いサイクルでの地肌状態の検知処
理とされる。すなわち、上述した傾きの8個分の和が所
定値以下でない場合には、その和を上記所定値にセット
し、前述したダイナミックレンジのポイントを1ポイン
ト広げる。このポイントの拡張により現像ポテンシャル
(感光体の表面電位と現像電極電位との差)が大きくされ
ることになり、結果として、感光体上でのトナ−濃度が
下げられることで、地肌汚れを抑えることになる。ま
た、この処理に続いて上述した8個分の和が所定値より
も大きい状態が3回継続したかを判別し、継続した場合
には、制御不能と判断してサ−ビスマンコ−ルの処理を
行なう。
【0084】一方、上述した8個分の和をさらに8個加
え、この値が所定値に対して大小いずれの関係にあるか
に応じて、サ−ビスマンコ−ルおよびポイントの更正を
実行して、地肌汚れを抑える処理が行なわれる。
【0085】
【発明の効果】以上、本発明によれば、感光体上に現像
スリ−ブ停止中に生じた地肌汚れにより地肌検知電圧が
変化した場合、現像スリ−ブが動作しているときに得ら
れた地肌検知電圧を基準として作像のためのダイナミッ
クレンジ制御およびトナ−補給制御を設定するようにし
たので、このダイナミックレンジの設定の際に上記変化
した地肌検知電圧と顕像パタ−ンからの濃度検知電圧と
で判断されるトナ−濃度の補正時に生じる虞れのあるト
ナ−の過剰補給によるトナ−濃度の暴走を未然に防止す
ることができる。
【0086】また本発明によれば、感光体の地肌電圧が
変化した場合、その変化が光学センサの誤検知でないこ
とを判別することで、感光体上での表面状態の変化ある
いは作像のためのシステム系の異常による作像処理のた
めの制御が不能になることを検知することができるの
で、トナ−濃度の補正時に生じる虞れのあるトナ−の過
剰補給等によるトナ−濃度の暴走を未然に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による画像形成装置の制御部を説
明するためのブロック図である。
【図2】(A)は光学センサの検出出力とトナ−付着量と
の関係を説明するための線図、(B)は上記センサの検出
出力の経時変化を説明するための線図である。
【図3】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図4】現像量と現像ポテンシャルとの関係を説明する
ための線図である。
【図5】現像特性のトナ−濃度依存性を説明するための
線図である。
【図6】地汚れ等のトナ−濃度依存性を説明するための
線図である。
【図7】環境変動によるトナ−濃度依存性を説明するた
めの線図である。
【図8】経時変動によるトナ−濃度依存性を説明するた
めの線図である。
【図9】現像特性制御に関する従来方法を適用される複
写機の構造を説明するための概略構成図である。
【図10】2種の顕像パタ−ン部の現像量と現像ポテン
シャルによる現像特性を説明するための線図である。
【図11】静電潜像のダイナミックレンジ調整による現
像特性の変化の様子を説明するための線図である。
【図12】従来方式とトナ−濃度推移に関し対比した結
果を説明するための線図である。
【図13】フォトセンサ応答特性を説明するための線図
である。
【図14】フォトセンサのトナ−付着量による特性変化
を説明するための線図である。
【図15】カラ−トナ−の場合のフォトセンサの応答特
性を説明するための線図である。
【符号の説明】
1 スキャナ部 2 画像処理部 3 プリンタ部 100 制御部 100A 制御部本体 101 フォトセンサ(24BK,24C,24M,2
Yに相当) 102 現像バイアス制御ユニット 103 帯電制御ユニット 104 トナ−補給部のクラッチ駆動部 105 トナ−補給部の帯電制御ユニット 106 露光ランプ制御ユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に関し、
さらに詳しくは、フルカラ−複写機における潜像坦持体
上でのトナ−濃度を一定化させるための制御構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、電子写真式複写機等の画
像形成装置にあっては、感光体上に形成される静電潜像
を現像するのに用いられる現像剤中のトナ−濃度を一定
に保ことが階調再現性にとって重要とされている。この
ため、感光体上に濃度検知用の顕像パタ−ンを画像部と
同様な処理により形成し、この顕像パタ−ンを光学セン
サにより検知することで、トナ−の補給量あるいは、ト
ナ−の帯電量を制御することが行なわれている。
【0003】しかしながら、上述した現像剤は、例え
ば、キャリアにトナ−を付着させた2成分現像剤を用い
る場合の現像システムの一般的性質を考えると、図14
に示すような関係が得られる。すなわち、図14におい
て、感光体表面電位と現像電極電位所謂、現像バイアス
電位との差で表される現像ポテンシャル(Vp)の増加に伴
い、現像量mが直線的に増加する線形領域と、線形領域
の直線からずれてある限界現像量LLIMへ漸近的に近付
く飽和領域とからなる。ここに、線形領域の勾配dm/
dVpは一般に現像γと称される。この現像γと限界現
像量LLIMとは、図15に示すように、トナー濃度の増
加とともに増加するというトナー濃度依存特性を持つ。
このような2成分現像システムでは、限界現像量LLIM
を、そのシステムの現像ポテンシャルの最大値での現像
量mMAXより十分に大きくなるように設計することが、
階調の再現性を保証するために必要な条件となる。即
ち、階調性再現のためには線形領域で使用することが必
要であり、トナー濃度の下限を何らかの手段、方法によ
り制限する必要がある。
【0004】一方、トナー濃度がある値TC(地)より高
くなると、図16に示すように地汚れ(地肌部にトナー
が付着する現象や)トナー飛散(現像剤中からトナーが遊
離して現像器外に飛散する現象)が顕著となる。これ
は、2成分現像剤の場合、キャリアとトナーとの表面が
互いに接触することにより相互帯電するために、キャリ
アの有効な帯電領域に対してトナーが過剰に存在する場
合にはトナーを十分に帯電させることができない。この
結果、帯電量の不足したトナーがキャリアから遊離して
飛散したり、現像電界に依存しないために地肌部に付着
することになる。よって、トナー濃度の上限も何らかの
手段、方法により制限する必要がある。
【0005】ところで、このような2成分現像剤の現像
特性や地汚れは、使用環境や使用枚数、放置環境、放置
時間等に応じて刻々と変化する。これは、例えば温・湿
度によりトナー及びキャリアの表面へのの水分子の吸着
量が変化したり、使用時間によってキャリア表面への異
物の付着量が変化したり、トナー(及びキャリア)電荷の
充・放電量が変化するためと考えられる。
【0006】そこで、現像特性の特徴的な点を決めるト
ナー濃度が、使用環境や経時によってどのように変化す
るかを測定したところ、図17および図18に示すよう
な特性が得られたものである。図17は環境変動、例え
ば湿度変動のみに対する特性を示し(経時の変動は伴わ
ず、図18中にで示す使用枚数に固定)、図18は経
時変動、例えば使用枚数を増加させた場合のみに対する
特性を示す(環境の変動は伴わず、図17中にで示す
湿度環境に固定)。従って、現実には、これらの2つの
変動要素が一緒に加わるものであり、さらには使用モー
ド(例えば、原稿の面積率、1枚の原稿から何枚の連続
コピーを取るか、1回の操作で何枚のコピーをとるか、
今回のコピーに際して前回コピー時からの休止時間はど
の位か、など)による変動も加わることになる。
【0007】なお、図15、図17及び図18中、各曲
線は以下のものを表す。 TC(mMIN):現像システムの最大ポテンシャルでの現
像量mMINがシステムに求められている現像量の最少値
を下回らないトナー濃度。 TC(γ):現像γが目標値となるトナー濃度。 TC(γ上):システムに求められている現像γの上限値
であり、これ以上のトナー濃度となると文字の太りや解
像度不足となる。 TC(γ下):システムに求められている現像γの下限値
であり、これ以下になると画像濃度の低下が許容範囲を
越えてしまう。もっとも、これは現像特性の直線部分を
用いて推定したものであり、実際には、前述したような
飽和現象を伴うため、画像濃度は一層低下するものとな
る。
【0008】何れにしても、このような2成分現像シス
テムでは、トナー濃度が現像特性に大きく関与するた
め、現像剤中のトナー濃度を適正に維持する必要があ
り、従来から多種多様の方式が提案されているが、それ
らは大別すると、次の2通りに分けられる。
【0009】A.トナー濃度又はその代用特性を検知
し、トナー濃度を一定にする方式。 B.現像剤の現像能力又はその代用特性を検知し、現像
能力が一定となるようにトナー濃度を制御する方式。
【0010】Aの方式のものとしては、例えば現像剤の
嵩密度の変化を検知するもの(特開昭47ー5487号
公報)、現像剤の嵩密度の変化を、透磁率→リアクタン
ス変化として検知するもの(特開昭47ー5138号公
報)、現像剤の体積変化を検知するもの(特開昭59ー1
9459号公報)、現像剤の体積変化をトルク変化によ
り検知するもの(特開昭47ー6589号公報)、現像剤
に色調変化を検知するもの(特開昭48ー69527号
公報)、現像剤の電気抵抗変化を検知するもの(特開昭4
48ー38157号公報)、現像されたトナーのカウン
タチャージ(キャリアにある)による誘電電圧を検知する
ようにしたもの(特開昭48ー57638号公報、特開
昭48ー42739号公報)等がある。
【0011】Bの方式としては、例えば特開昭48ー2
9448号公報に示されるように、光導電体に左右され
ない電荷パターンを作成しこれを現像した後のトナー像
の濃度を光学的に検知するようにしたものがある。
【0012】ところが、前述したような2成分現像シス
テムの特性によると、このようなAの方式又はBの方式
によるトナー濃度の制御では、不十分であり、次のよう
な欠点がある。先ず、図17や図18に示したように使
用環境や使用枚数等の経時によって、目標とする現像特
性を得るためのトナー濃度は変化する。よって、Aの方
式のように、基本的にトナー濃度を常に一定値に制御す
るものでは、そのトナー濃度では環境、使用枚数等によ
って現像特性が変化してしまうことになる。従って、中
間調の再現性を重視するカラー印字装置には不向きな制
御方式と言える。このような欠点を補うため、環境条件
をも検知して光像の露光量を変えるようにしたもの(特
開昭63ー177153号公報)や、複数の電位パター
ンで現像されたトナー像の濃度を光学的に検知し、この
検知信号を予め種々の環境で測定されているデータ中か
ら適正な露光電位を選択設定するようにしたもの(特開
昭63ー296061号公報)等が提案されている。
【0013】しかし、このような方法によっては、経時
(使用枚数)での現像剤の帯電特性の変化に対応できない
ものである。もちろん、経時変動と環境変動との双方を
組合せたデータで網羅するようにすれば対応不可能では
ないが、これでは膨大なデータをとる必要があり、現実
的でない。また、実際には使用モードによる変動も加わ
るので、上記の対策方式によって検知して最適化するこ
とは現実には不可能である。これらは、現像特性の最適
化という観点のみから考察した場合であるが、適正トナ
ー濃度と言う観点から考察してもAの方式の場合、不都
合がある。即ち、図17や図18に示したように地汚れ
やトナー飛散が急激に増加する限界となるトナー濃度T
C(地)も、環境や使用枚数によって変化する。従って、
A方式のようにトナー濃度が常に一定の場合、環境の変
動や経時によって地汚れやトナー飛散が発生しやすいも
のとなる。この結果、トナー濃度を適正に調整すれば、
まだ十分に使用できる現像剤状態にあっても現像剤交換
時と判断されてしまうことが多々ある。
【0014】一方、Bの現像能力を一定に制御する方式
の場合、現像剤の環境変動や経時変動が全てトナー濃度
にフィードバックされるためにトナー濃度の変動幅が大
きくなる。この結果、高湿時や経時条件中では現像剤の
現像能力が高くなるので、この現像能力が標準的な値に
なるようにトナー濃度を下げた場合、トナー濃度が低く
なりすぎてしまい、最大現像量、即ち飽和画像濃度が低
くなってしまう。よって、この場合も画像濃度や階調再
現性が不十分となってしまう。
【0015】そこで、本発明者は先にこのような問題を
解決するために、作像に関する帯電電位、現像バイアス
および露光量の少なくとも一つを調整して感光体上での
トナ−濃度を一定にするための方法を提案したので、こ
れについて以下に説明する。
【0016】先ず、提案方法が適用される電子写真方式
のデジタルカラー画像形成装置(カラー複写機)の概略
構成を図19により説明する。この装置の構成を大別す
ると、原稿読取り用のスキャナ部1と、このスキャナ部
1よりデジタル信号として出力される画像信号を電気的
に処理する画像処理部2と、画像処理部2により処理さ
れた各色毎の画像記録情報に基づいて画像を転写紙上に
形成するプリンタ部3とよりなる。スキャナ部1は原稿
載置台4上の原稿を露光走査するランプ、例えば蛍光灯
5を有する。蛍光灯5により露光照明された原稿からの
反射光は、ミラー6,7,8により反射され結像レンズ
9に入射する。
【0017】その後、この結像レンズ9によりダイクロ
イックプリズム10に結像され、例えばレッドR,グリ
ーンG,ブルーBの3種類の波長光に分光される。分光
された各波長毎の光は、個別の受光器、例えばCCD1
1R, 11G, 11Bに各々入射される。これらのCCD
11R, 11G,11Bは入射した光をデジタル信号に変換
して出力し、その出力は画像処理部2において必要な処
理が施され、各色の記録色情報、例えばブラックBK,
イエローY,マゼンタM,シアンCの各色の記録形成用
の信号に変換される。図19中には、各色BK,Y,
M,Cの4色を形成する例で示すが、3色だけでカラー
画像を形成することもできる。この場合には、図中の記
録装置を1組減らせば良い。画像処理部2からの信号
は、プリンタ部3に入力され、各々の色のレーザ光出射
装置12BK,12c, 12M, 12Yに送られる。
【0018】プリンタ部3には図示例では4組の記録装
置13BK,13c,13M,13Yが併設されている。各
記録装置13は各々同じ構成部材よりなっており、説明
を簡略化させるため、ここでは例えばシアンC用の記録
装置について説明し、他の色については省略する。な
お、各色用については、同一部分には同一符号を付し、
添字BK,M,Yにより各色用を区別するものとする。
【0019】記録装置13cはレーザ光出射装置12c
の他に例えばドラム状の感光体14cを有する。感光体
14cの周囲には、周知のように、帯電チャージャ15
c、レーザ光出射装置12cによる露光位置、現像装置
16c、帯電チャージャ17c等が順に設けられてい
る。
【0020】帯電チャージャ15cにより一様に帯電さ
れた感光体14c上には、レーザ光出射装置12cによ
る露光により、シアン光像の潜像が形成され、現像装置
16cによる現像で顕像が形成される。給紙コロ18に
より給紙部19、例えば2つの給紙カセットの何れかか
ら給紙される転写紙は、レジストローラ20により先端
を揃えられ、タイミングを合わせて転写ベルト21に送
られる。転写ベルト21により搬送される転写紙は、各
々顕像が形成された感光体14BK,14C,14M,14
Yに順次送られ、転写チャージャ17の作用により顕像
が転写される。顕像が転写された転写紙は定着ローラ2
2による定着を受けた後、排紙ローラ23により排紙さ
れる。このような動作に際して、転写紙は転写ベルト2
1に静電吸着され、ベルトに従い精度良く搬送される。
また、各感光体14BK,14C,14M,14Yに対して
は、後述するトナー像パターンの付着トナー量を光学的
に検知する光学センサとして反射型フォトセンサ(以下
Pセンサという)24BK,24C,24M,24Yが設けら
れている。
【0021】このような構成において、提案方法では、
Pセンサ24(各感光体14BK〜14Yにおいて同様の
動作が行われるため、以下、符号24のように添字を省
略して説明する)による検知対象となるトナー像パター
ンも、通常の画像形成時と同じく、帯電チャージャ1
5、レーザ光出射装置12及び現像装置16をセンサパ
ターン形成手段として形成するが、提案方法では、2種
類の異なる画像濃度のトナー像パターンを作像させるも
のである。
【0022】具体的には、レーザ光出射装置12による
露光光量を2段階に可変切換えして異なる電位の静電潜
像パターン(異種の静電潜像パターン)を形成し、感光
体14に近接又は接触させた現像スリーブ25の電位、
即ち現像バイアスは同一として、2種類の異なる画像濃
度のトナー像パターンを像するようにしている。もっと
も、これとは逆に、レーザ光出射装置12による露光光
量は同一として同一電位の静電潜像パターン(同種の静
電潜像パターン)を形成し、現像スリーブ25の現像バ
イアスを2段階に可変切換えして、2種類の異なる画像
濃度のトナー像パターンを作像するようにしても良い。
【0023】さらには、2段階に異なる電位の静電潜像
パターンを各々異なる現像バイアスで現像して、2種類
の異なる画像濃度のトナー像パターンを作像するように
しても良い。また、トナー像パターンはベタ像に限ら
ず、任意の階調を想定した網点状又は線状のパターン像
であっても良い。
【0024】ここに、このような2つの静電潜像パター
ンの表面電位と現像バイアスとの差による現像ポテンシ
ャルを各々PL,PH(ただし、PL<PHであり、階
調0〜7の内、PL側は階調3が割当てられ、PH側は
階調7が割当てられているものとする)とする。また、
静電潜像のダイナミックレンジ(静電潜像が作る感光体
表面電位の最大値と最少値との差)Iが、ある大きさの
時に最適の現像特性が図20中に示す特性G(1a)であ
ったとする。この時の現像ポテンシャルPLなるパター
ンの現像量はm(L1)であり、現像ポテンシャルPHな
るパターンの現像量はm(H1a)である。この環境の
ままで(即ち、同じ時期に)、トナー濃度が上がれば現像
特性は図20中において特性G(2a)のように少し起き
た状態になり、現像ポテンシャルPL,PH対応の現像
量も各々m(L2),(H2a)となる。逆に、トナー濃度
が下がれば現像特性は図20中において特性G(3a)の
ように少し倒れた状態になり、現像ポテンシャルPL,
PH対応の現像量も各々m(L3),(H3a)となる。
【0025】従って、図20に示す現像ポテンシャル−
現像量対応の現像特性によれば、2つの現像ポテンシャ
ルPL,PHに対応するパターンについて何れか一方の
現像量をPセンサ24で検知し、現像特性が目標とする
現像特性G(1a)に近付くようにトナー濃度を制御する
ことができる。すなわち、通常のPセンサ方式による場
合と同様である。提案方法では、低い方の現像ポテンシ
ャルPLのパターン像にて、この制御を行うものとす
る。
【0026】以上の説明は、同一環境・同一時点を前提
としたものであり、次に環境変動が加わる場合を考察す
る。
【0027】例えば、現像ポテンシャルPL対応のパタ
ーンの現像量をPセンサ24により検知して、これが一
定となるように制御しながら、環境を高湿にした場合を
考える。
【0028】図17に示したように、高湿環境になると
現像γを適正に維持させるためのトナー濃度が低下する
ため、図15に示したように飽和現像量が低下する。従
って、現像特性は図15中に示す特性G(1b)のように
屈曲が大きくなる状態に倒れ、現像ポテンシャルPHの
現像量m(H1b)は常温の場合の現像量m(H1a)より
少なくなる。そこで、この変化分を検出することによ
り、静電潜像のダイナミックレンジIを調整することが
できる。このダイナミックレンジIの調整につき、判り
易くするため、ここでは光像の最大光量と現像ポテンシ
ャルPHとが同じである場合を想定する(実際には、同
じにする必要はない)。
【0029】図21に示すように、現像特性がG(1a)
からG(1b)に変化すると、階調再現性が劣化するとと
もに、最大付着量(=m(1b))が低下する。そこで、現
像ポテンシャルPL,PHの比率を一定に保ちながら、
静電潜像のダイナミックレンジを小さくする。ここに、
図21においてトナー濃度はm(L1)が常に一定となる
ように制御されているので、対応する現像ポテンシャル
PL→PL’が小さくなるに従いトナー濃度が上昇し、
現像特性のカーブもG(1b)の状態から立ってくる。
【0030】このような調整を、現像ポテンシャルPH
→PH’対応のパターンについてのPセンサ24による
検知動作により、現像料m(Hlb)が目標値m(Hla)
に等しくなるまで、即ち現像特性G(1b’)の状態にな
るまで続けることにより、画像信号に対する現像量を常
に一定に保つことができる。従って、図19に示したよ
うなカラー複写機の場合においては、重視される中間調
の再現が良好に行われることになる。つまり、提案方法
は、図21において目標とする現像特性G(1a)から高
湿環境により破線で示す現像特性G(1b)のように変動
した場合、同図中の現像特性G(1b')となるように制
御することを特徴とする。
【0031】なお、低湿時には、逆の動きとなる。ま
た、経時変動の場合も高湿環境への変動時と同様とな
る。また、本提案例では露光手段12の露光光量を可変
させてダイナミックレンジを変化させているが、帯電チ
ャージャ15による帯電電位を可変させてダイナミック
レンジを変化させ、又は、露光光量と帯電電位との双方
を可変させてダイナミックレンジを変化させるようにし
てもよい。
【0032】ちなみに、図22に本提案例方式と従来の
A,B方式とによるトナー濃度の推移を模式的に示す。
図22は図18と同様に使用枚数による経時変動に伴う
特性を示すものであるが、図18の常湿環境時と異な
り、図17中にで示す高湿環境での推移特性を示す。
まず、トナー濃度一定制御方式(Aの方式)の場合、トナ
ー濃度TC(γ)上に一致するトナー濃度となった時点T
1で現像剤を交換しないと良好なる画質が得られなくな
り、現像剤が無駄となる(もっとも、カラーでなく白黒
の印字装置にあっては、トナー濃度TC(地)に一致する
トナー濃度となる時点T2まで使用し得るようにしたも
のもある)。また、現像剤能力一定制御方式(Bの方
式)の場合、破線で示すように、トナー濃度TC(γ)が
トナー濃度TC(mMIN)になる時点T3の時点で現像剤
の寿命と判断し、現像剤を交換しなければならないもの
である。しかるに、トナー濃度TC(γ)が初期値以下と
なることなく一定に制御する本提案例方式によれば(時
点T4から静電潜像のダイナミックレンジを小さくして
いる場合を示す)、トナー濃度TC(地が目標のトナー濃
度)TC(γ)に一致する時点T5まで使用可能となる。即
ち、従来方式に比して良好なる画質を長期に渡って維持
でき、現像剤寿命が伸びるものとなる。
【0033】つづいて、第2の提案方法を図23乃至図
25により説明する。前記実施例で示した部分と同一部
分は同一符号を用い、説明も省略する。本提案方法は、
前記方法を改良したもので、トナー像パターンにおい
て、ベタ像とライン像とではPセンサ24による応答特
性が異なることを利用して、現像特性の変化を正確に把
握するようにしたものである。
【0034】まず、本提案方法の背景を説明する。前記
方法において、最大現像量として感光体表面上を1層以
上のトナーが覆うように制御する必要がある場合には、
現像特性の正確な把握が困難である。これは、Pセンサ
24の検知特性を考えた場合、図24に示すように、ト
ナーが感光体上に1層付着するあたり(0.5mg/cm2)から
飽和しそれ以上は殆ど感度を持たないことによる、即
ち、Pセンサ24は感光体表面による正反射がトナー付
着により遮られることにより減少する光の量(割合)を検
知しているため、感光体表面が1層のトナーにより覆わ
れるところまでが検知可能範囲だからである。また、ト
ナーがPセンサ24の検出光を十分に吸収できない場合
も問題である。カラートナー使用時が該当し、Pセンサ
24の検知可能範囲である900数+nmの検出光の吸収
率が30%以下である。即ち、カラートナーの場合、カ
ラートナーによる乱反射光がトナーの付着量とともに増
加するため、図24中に示すようにトナー付着量が増加
すると検知光量(反射光量)も増加する領域(やや右上が
りの領域)を持つからである。
【0035】さらに、感光体がPセンサ24の検出光を
半分以上拡散又は吸収する層(例えば、レーザプリンタ
用の感光体にあっては感光層表面と基体との間でレーザ
光が多重反射して干渉縞ができるのを防止するため、乱
反射層を設けたものがある)を持つ場合も問題である。
このような場合、感光体の正反射光量がトナ−の乱反射
光量と比較して相対的に少なくなり、図24中に「乱反
射層あり」で示すように、S/N比が低下して誤検知の
可能性が高くなってしまうからである。
【0036】これらの要因により、現像特性の変化を正
確に把握できないことがある。このような課題に対して
本提案方法では、少なくとも2種類のトナ−像パタ−ン
について、一つはベタ像を含み、一つはベタ像以外、具
体的にはライン像を含むようにしたものである。ここで
は、トナ−像パタ−ンとして、中間濃度のベタ像パタ−
ン(Pセンサ出力VSP)と、中間濃度のライン像パタ−ン
(Pセンサ出力VL)と、最高濃度のライン像パタ−ン(P
センサ出力VLH)との3種類とする。また、トナ−補給
の制御はある定数VSP0に対してベタ像パターンについ
ての測定値VSPが、VSP<VSP0の場合にトナー補給を
行ない、VSP>VSP0の場合にはトナー補給を停止させ
るものとする。
【0037】また、本提案方法における作像条件の制御
は、表1に示すような帯電電位V0、現像バイアス電圧
B、トナー像パターン部電位VP及びトナー制御定数V
SP0を一組としたコラムからなるメモリ上の表と、各コ
ラムのメモリ上の位置を示すポインタPとともに、 VD0:VLL−VLHの目標値、 P1:ポインタの下限、 P2:ポインタの上限、 P0:P1<P0<P2なるある定数、 Di (=0,1,2) : ポインタの増減量(D0≦D1≦D2)、 VDN:ポインタの不変領域を決める定数、 VDA:測定値VLL,VLHの差の移動平均 より、第2表に従って制御するものである。ここに、ト
ナー補給の制御は、コピー毎に毎回行うが、作像条件の
制御は、一連のコピー動作が終了し、次にコピー釦が押
された時に行う。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】図23は、黒トナーの場合についての提案
方法によるPセンサ24の応答特性を、現像量 -Pセン
サ出力、露光エネルギ− -Pセンサ出力、露光エネルギ
ー -感光体表面電位、現像量 - 感光体表面電位の各関
係により示すものである。
【0041】この特性図において、まず、ベタ像パター
ンについて検討する。ベタ像パターンの現像量を決める
のは、現像剤の現像能力(=トナーの帯電量Q/M)と、
現像ポテンシャル(=パターン部電位と現像バイアスと
の差)のみであり、現像ポテンシャルさせ一定に保て
ば、現像剤の現像能力を容易に把握できる長所を持つ。
すなわち、中間濃度のベタ像パターンについてのPセン
サ出力がVSP≒Vsp”となる。
【0042】しかし、トナー付着量の高いところではP
センサの感度がなくなったり(黒トナーの場合であり、
図23中に示すVSP≒VSP’なる状態)、図23に対応
してカラートナーの場合のPセンサ応答特性を示す図1
5のように逆の感度(トナー付着量が増すほどセンサ出
力が大きくなる)を持ったりしてしまう短所がある。
【0043】次に、ライン像パターンを検討する。ライ
ン像パターンにあっては、トナー付着量が高くなって
も、VLH≠VLH'となりPセンサ24の感度が維持され
る長所を持つ。反面、現像ポテンシャル以外に、地肌ポ
テンシャル(=地肌部電位と現像バイアスとの差)や、
ライン像パターンの潜像の質(アナログの場合はピン
ト、フレア、レーザ書込みのデジタルの場合にはレーザ
スポットの広がりやオン/オフの立上り/立下がり時の
リンギング、液晶シャッタ方式の場合には遮光量や開閉
速度、光束の絞り具合やフレア光等により影響される)
により、現像量が変化し(VLL≠VLL"や、VLH≠VLH"
となって現れる)、センサ出力の絶対値の信頼性が低い
短所を持つ。
【0044】しかるに、提案方法ではこれらのベタ/ラ
イン像の2種類のセンサ応答特性の長所を各々利用して
表2に示したように、現像特性の変化を正確に把握し、
トナー濃度とダイナミックレンジとの可変制御に供する
ものである。即ち、トナー付着量の大きい露光エネルギ
ーの相対値「7」においては最高濃度のライン像パター
ンの検出出力VLHにより環境変動を検知する一方、露光
エネルギーの相対値「3」においては中間濃度のベタ像
パターン及び中間濃度のライン像パターンによりトナー
濃度を検知するものである(以下、この方法をDIF制
御という)。この方法については、本出願人の出願に係
る特願平1−238107号の明細書に詳細が開示されてい
る。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したト
ナ−濃度のダイナミックレンジの制御を行う場合も含
め、トナ−補給の制御を行う場合には、現像剤の環境等
に起因する特性の変動その他の要因により、トナ−像パ
タ−ンのトナ−付着量が突発的に増加してしまうことが
ある。殊に、カラ−トナ−の場合、トナ−の乱反射光が
トナ−付着量に応じて増加するため、光学センサにより
検知される光量も増加することにより、付着トナ−が少
ないと誤検知されてしまうことがある。このような検知
結果によると、トナ−補給が継続されトナ−濃度が上昇
するというトナ−濃度の暴走が生じる。
【0046】そこで、このような不具合を解消するた
め、例えば、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作
しているときの感光体からの反射光量に応じた地肌検知
電圧(VSG+)と現像スリ−ブが動作しているときの地肌
検知電圧(VSG)とを求め、VSG+<VSGの時には、 (I) VSP×4/VSG+>VSP目標値 (II) VSP×4/VSG+<VSP目標値 のいずれかの関係にあるかを判断し、(II)の関係にある
ときには、トナ−の補給を行うようにしていた。
【0047】しかしながら、上述したトナ−濃度の暴走
防止方法にあっては、例えば、現像スリ−ブが動作して
いるときの検知電圧(VSG)の方が現像スリ−ブ停止時の
検知電圧(VSG+)よりも高くなり、上記(II)に該当して
トナ−の補給が継続されてトナ−濃度の暴走を防ぐこと
ができなくなる虞れがある。つまり、上述した検知電圧
の逆転現象は、例えば、感光体のクリ−ニング不良やト
ナ−濃度が異常に高くなったときに、地肌部へのトナ−
の残留付着量が多くなることに原因している。
【0048】また、上述したような原因とは別に、感光
体を含む、作像システム系での異常が生じた場合には、
上述したトナ−の濃度制御ができなくなる場合もあっ
た。
【0049】そこで、本発明の目的は、上述したような
感光体の地肌電位に誤検知が生じた場合のトナ−濃度の
暴走を防止し、かつ、感光体を含む作像系に異常が生じ
た場合を検知することのできる画像形成装置を得ること
にある。
【0050】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、潜像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜
像を少なくともトナ−を含む現像剤により現像して潜像
担持体上に顕像を形成する画像形成装置であって、上記
潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを形成してこのパタ
−ンを光学センサに読み取らせ、該光学センサからの反
射光検出信号と基準値とを比較して現像バイアス、帯電
電位または露光量のうち少なくとも1つを変化させるよ
うにした画像形成装置において、上記光学センサを入力
側に接続され、出力側には上記現像バイアス、帯電電
位、露光量を設定するための駆動部および上記現像剤中
のトナ−の補給量を調整するための駆動部がそれぞれ接
続してある制御部を備え、上記制御部は、現像スリ−ブ
が停止していて感光体が動作しているときに光学センサ
から得られる感光体の非画像部での反射光量に対応した
検出値を用いる検知出力(VSG+)と上記現像スリ−ブが
動作しているとき感光体の反射光量に応じた検知出力
(VSG)とに対し、これら検知出力の大きい方を基準とし
て上記顕像パタ−ンの上記基準値(VTC)を演算して算出
し、この基準値と顕像パタ−ンのトナ−付着量を基に上
述した現像バイアス、帯電電位および露光量のうちの少
なくとも1つを変化させることを特徴としている。
【0051】また本発明は、潜像担持体に静電潜像を形
成し、この静電潜像を少なくともトナ−を含む現像剤に
より現像して潜像担持体上に顕像を形成する画像形成装
置であって、上記潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを
形成してこのパタ−ンを光学センサに読み取らせ、該光
学センサからの反射光検出信号と基準値とを比較して現
像バイアス、帯電電位または露光量のうち少なくとも1
つを変化させるようにした画像形成装置において、上記
光学センサを入力側に接続され、出力側には上記現像バ
イアス、帯電電位、露光量を設定するための駆動部およ
び上記現像剤中のトナ−の補給量を調整するための駆動
部がそれぞれ接続してある制御部を備え、上記制御部
は、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作している
ときに光学センサから得られる感光体の反射光量に応じ
た検知出力(VSG+)と上記現像スリ−ブが動作している
とき感光体の反射光量に応じた検知出力(VSG)とに対
し、これら検知出力が所定値以上に変化した場合に、そ
の変化の傾きを判別して、傾きが所定値以上にあるとき
に異常状態発生と判断することを特徴としている。
【0052】
【作用】本発明によれば、感光体の地肌汚れによる反射
光量が変化した場合には、現像スリ−ブが停止している
ときに得られた感光体の地肌検知電圧を基準としてトナ
−の補給制御を行い、妄りにトナ−の補給が継続される
のを防止する。
【0053】また本発明によれば、感光体の地肌汚れに
よる反射光量が変化した場合には、感光体の地肌検知出
力の変化が光学センサや一次的なトナ−の付着による誤
検知によるものでないことを判別することで、トナ−濃
度制御に関する異常が発生したことを判断する。
【0054】
【実施例】以下、図1乃至図13において本発明実施例
の詳細を説明する。
【0055】図1は本発明実施例による画像形成装置に
用いられる制御部を示すブロック図である。図1におい
て、制御部100は、本体100Aを演算制御処理を行うマイ
クロコンピュ−タにより構成してあり、この本体100Aに
は、演算制御処理のための基礎プログラムおよびこれら
処理のための基礎デ−タを蓄積しているROM100Bおよび
各種デ−タを取り込むためのRAM100Cが接続してあ
る。
【0056】そして、このRAM100Cには、I/Oイン
タ−フェ−ス100Dを介して外部機器が接続してあり、I
/Oインタ−フェ−ス100Dの入力側には、各現像装置
(図5参照)に付設された発行素子および受光素子との組
合せからなるフォトセンサ101(図19に示した各センサ
24BK、24C、24M、24Yに相当)が接続してあり、このフォ
トセンサ101は、感光体上に形成された顕像パタ−ンの
トナ−付着量すなわち、顕像のトナ−濃度(TC)を検出
するようになっている。また、I/Oインタ−フェ−ス
100Dの出力側には、現像バイアス制御ユニット102、帯
電制御ユニット103、トナ−補給部のクラッチ駆動部10
4、トナ−補給部のバイアス電位制御ユニット105および
露光ランプ制御ユニット106がそれぞれ接続してある。
上述した外部機器において、I/Oインタ−フェ−ス10
0Dの出力側に接続されている現像バイアスユニット102
は現像スリ−ブ上でのトナ−に対するバイアス電位を設
定するための駆動部であり、帯電制御ユニット103は感
光体の地肌部に対する帯電電位を設定するための駆動部
である。
【0057】一方、トナ−補給部のクラッチ駆動部104
は前述した感光体の顕像パタ−ンの濃度(ベタ像パタ−
ンの濃度VSP)がある定数(VSP0)に対しVSP×4/VSG+>
VSP0(VSG+>VSGの時)、あるいは、VSP×4/VSG>VSP0(V
SG+<VSGの時)の場合に、補給パドルを回転させるため
のクラッチを駆動するためのものであり、また、トナ−
補給部のバイアス電位制御ユニット105は補給トナ−へ
のバイアス印加を行う際の電位設定部であり、さらに、
露光ランプ制御ユニット106は、露光ランプの光量を調
整するためのものである。上述した制御部本体100Aにお
いては、現像スリ−ブが停止していて感光体が動作して
いるときの地肌検知電位(VSG+)と現像スリ−ブが共に
動作しているときの感光体の地肌検知電圧(VSG)を取り
込んで、トナ-の補給制御を行うようになっている。
【0058】すなわち、図2(A)において、感光体の地
肌部に付着するトナ−の量に応じて光学センサからの地
肌検知電圧は変化するが、通常、この地肌検知電圧は、
トナ−の付着がない場合に4Vに設定されている。そし
て、この地肌検知電圧を基準として、感光体上に顕像パ
タ−ンが形成され、この顕像パタ−ンのトナ−濃度を検
出することで感光体上でのトナ−濃度の制御が行われる
ようになっている。本実施例においては、上述した顕像
パタ−ンのトナ−濃度は、センサ出力(VSP)が1Vを基
準とする所定の範囲において制御されるようになってい
る。
【0059】ところで、上述した地肌検知電位は、図2
(B)に示すように、現像スリ−ブが停止しているときに
得られる値(VSG+)に対して、現像スリ−ブが動作して
いるときの値(VSG)の方が、現像スリ−ブの回転により
トナ−が付着して低くなるが、例えば、前述したよう
に、例えば、画像形成処理後に行われる感光体のクリ−
ニングが良好でない場合、あるいはトナ−濃度が異常に
高く設定された場合には、感光体表面に残留するトナ−
の量も多くなり、このことが上記地肌検知電圧(VSG+)
を低下させる要因となる。このため、このような事態が
生じた場合には、基準値として設定される現像スリ−ブ
動作時の感光体地肌検知電圧を、感光体のトナ−濃度制
御とダイナミックレンジ制御に適用するようになってい
る。
【0060】以下、図3乃至図13に示した制御部の動
作に関するフロ−チャ−トにより、本実施例の動作を説
明する。
【0061】すなわち、図3は複写機の全体動作のため
のシ−ケンス制御を示すフロ−チャ−トであり、始動
後、複写開始スイッチ、所謂、プリントスタ−トスイッ
チがオンされたかを判別して後述するポインタ制御に基
づく感光体ドラムの地肌電位設定が実行される。
【0062】上述したポインタ制御は、図4に示すよう
に現像バイアスのシフト量(VBS)が所定値以下であるか
どうかを判別し、所定値以下の場合には、その状態のフ
ラグがセットされているかを判別した上でVBS制御に移
行する。また、上述したフラグがセットされていない場
合には、表3に示すDIF制御によるダイナミックレン
ジ用のポインタをポインタを23番目に固定し、そして、
表4に示したサブポインタを64に固定する。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】VBS制御は図5に示すように、ポインタ−
BS表からΔSPを選択し、このサブポインタが「128」
以上であるかを判別することでポインタの更新並びにサ
ブポインタの更新を行い、サブポインタがゼロ以下であ
るかを判別した上でゼロ以下の場合には1段低いポイン
タに更新すると共にサブポインタもこれに応じたものに
更新する。ところで、このVBS制御において、例えば、
最初の複写(ファ−ストコピ−)を実行する場合に、現像
バイアスのシフトが行われる場合には、通常、このシフ
ト量の限界量である例えば、8Vの範囲を無視して、例
えば20V程度の範囲でシフト量を設定する。これによ
り、所定のトナ−濃度に達するまでの時間を早めるよう
になっている。
【0066】一方、現像バイアスのシフト量(VBS)が所
定値以下でない場合には、この状態のフラグがセットさ
れているかを判別し、フラグがセットされている場合に
はDIF制御が実行され、また、フラグがセットされて
いないときには上述したVBS制御の場合と同様に、ポイ
ンタおよびサブポインタを固定する。そして、上述した
DIF制御は、図6に示すように、前述したVLL−VLH
により求められるDIF検出値とDIF設定値との差を
求め、この差(α)が例えば、黒現像の場合は0.24V、カ
ラ−現像の場合は0.12V以下であるかを判別し、以下で
ある場合には、検出値と設定値との大小関係を判別して
サブポインタを繰下げ更新若しくは繰上げ更新のいずれ
かを選択し、また、上述した差が所定値にない場合にも
検出値と設定値との大小関係を判別した上でサブポイン
タの繰下げあるいは繰上げ更新をし、更新されたサブポ
インタが「128」以下若しくは以上であるかによりポイン
タおよびサブポインタの補正を行う。
【0067】上述したDIF制御におけるDIF検出は
図7に示すように、過去のDIFデ−タを設定した上
で、上述したVLL−VLHを更新し、初期値も更新した上
で、各階調全てについての検出が完了したかを判別し
て、完了した場合には顕像パタ−ンからの検出値と目標
値との差を求め、この差と所定値との関係を判別する。
この判別において、所定値以下であるときには、DIF
検知を実行したとしてそのデ−タを入力し、出力デ−タ
の総和を算出してDIF制御の際のポインタ設定に供す
る。
【0068】上述したVBS制御あるいはDIF制御によ
り、現像バイアスのシフト量あるいは帯電電位の補正量
が設定されると、図4において、ポインタテ−ブルによ
る標準現像バイアス、標準帯電電位および標準露光量が
選択され、それぞれの値を実効値に補正する。
【0069】そして、このようなポインタによる現像バ
イアス、帯電電位および露光量がそれぞれ選択される
と、これに関係するチャ−ジャあるいは現像スリ−ブの
駆動部がオンされ感光体の駆動も開始されて感光体への
画像形成が実行され、感光体上に形成された顕像パタ−
ンの濃度がフォトセンサにより検出され、現像バイアス
の補正制御、所謂VK制御が実行される。すなわち、VK
制御は、図8示のように、トナ−像の濃度を読み取るフ
ォトセンサの出力VK(微小ポテンシャル時の検出電位)
が一定になるように現像バイアスVBをシフトさせる制
御であり、本実施例においては、このシフト量(VBS)を
実効現像バイアスと出力現像バイアスとのずれとして考
え、これを作像時での現像バイアスに上乗せするように
してある。
【0070】つまり、現像バイアスVB(目標値)と実効
現像バイアスとのシフト分をキャンセルするための値V
BSとの和として考え、感光体ドラムの地肌電位V0を基
準として実効バイアスのシフト分を求めると、 VB=VB(目標値)+VBS・・・・・・・・・(1) VB(目標値)=V0+VBK・・・・・・・・・(2) VB=V0+VBK+VBS・・・・・・・・・・(3) 但し、V0:感光体ドラムの地肌電位 VBK:VK作像ポテンシャル(例えば、24V) このときのフォトセンサの出力VKとして、このフォト
センサ出力VKがその目標値VK0となるようにVBをシフ
トすると、実効現像バイアスのずれ分、換言すれば、最
適なシフト量が判る。なお、この実施例の場合、VK
8個分の移動平均を取ってVK0と比較し、VKとVK0
の差が、0.1V(黒現像の場合には0.2V)以下のときに
は、制御しないようにして帯電ムラ等の影響を受けにく
くしてある。 |VK−VK0|<0.1V・・・・・・・・・・・(4) すなわち、トナ−濃度TCの制御パタ−ン部目標電位を
SP、バイアスシフト量目標電位をVSP目標値とし、フ
ォトセンサのn回目の検出電位を、 TC制御パタ−ン部検出電位:VSP(I) バイアスシフト量検出電位 :VK(I) とすると、通常のトナ−濃度制御状態の場合には、ほと
んど全てのIに対して次式が成立する。 |VSP目標値−VSP|<0.1V・・・・・・・(5) (黒現像の場合は0.4V) この場合、バイアスシフト量検出電位VK(I)の移動平
均をシフト量VKとして、例えば、次式により計算す
る。
【0071】
【数1】
【0072】一方、トナ−濃度制御状態が異常の場合に
は、(4)式が成立せず、あるIまたは全てのIについ
て、 |VSP(I)−VSP目標値|<0.1V・・・・・(7) (黒現像の場合は0.4V) となる。この場合には、不等式(7)が成立するIについ
てVK(I)の代わりにVKの目標値であるVK0を代入す
る。 VK(I)=VK0・・・・・・・・・・・・・(8) そして、このVK(I)でシフト量VKの移動平均を(6)式
より計算する。
【0073】なお、この制御においては、最初のVK
正にあたっては、通常の作像時に印加される微小電位差
を無視したそれ以上の電位差を印加してトナ−濃度の偏
差を早くなくすようにしてあり、この処理が終わると、
通常の作像時でのVK補正処理に復帰させるようになっ
ている。
【0074】一方、このような作像時のダイナミックレ
ンジの制御に基づき、本実施例の特徴であるトナ−補給
の制御が実行される。すなわち、図9において、感光体
の地肌電位の検出および感光体状の地肌部に形成された
顕像パタ−ンの濃度がそれぞれ所定タイミングを以って
検出され、この所定タイミングで得られた地肌検知電圧
(VSG)が、現像スリ−ブの停止時に検出された地肌検知
電圧(VSG+)と比較される。
【0075】上述した比較において、VSG+>VSGの関
係にある場合には現像スリ−ブ停止時に地肌汚れが生じ
ていないといえ、この場合には、VSGをセットし、ま
た、VSG+>VSGの関係にない場合には現像スリ−ブ停
止時に地肌汚れが生じているといえ、この場合には、現
段階での地肌検知電圧VSG+を上述したVSGに置き換
え、この地肌検知電圧と顕像パタ−ンの濃度検知電圧と
の比が所定係数以上、換言すれば、トナ−補給が必要で
あるかどうかを判別してその結果に応じた処理を実行す
る。
【0076】なお、上述したVSGの入力処理において
は、図10に示すように、VK制御の場合と同様に、8
個のデ−タを求め、この平均値を基にして、地肌検知電
圧VSG+との比較に供しても良い。
【0077】そして、このようなトナ−の補給制御が実
行されると、図3において、複数回の複写であるかを判
別し、複写終了に相当する場合には、最終段階でのダイ
ナミックレンジ設定のための処理を行うと共に、VSG+
の検知が行われる。すなわち、VSG+検知は、図11に
おいて、複写ボタンのオン、オフの動作毎に地肌検知電
圧を入力として取り込み、それらデ−タの平均値を演算
した上で、平均値を地肌検知電圧としてメモリする。
【0078】ところで、上述した地肌検知電位は、第2
図(B)に示すように、現像スリ−ブが停止しているとき
に得られる値(VSG+)に対して、現像スリ−ブが動作し
ているときの値(VSG)の方が、現像スリ−ブによるクリ
−ニング効果によるトナ−付着量の低減によって高くな
るが、例えば、画像形成処理後に行われる感光体のクリ
−ニングが良好でない場合、あるいは一時的にトナ−濃
度が異常に高く設定された場合には感光体からの反射光
量が変化してしまう。さらに、このような反射光量の変
化を来す場合としては、感光体の表面状態が劣化したし
たり傷が生じた場合があり、このことが上記地肌検知電
圧(VSG)を低下させる要因となる。このため、このよう
な事態が生じた場合には、基準値として設定される現像
スリ−ブ停止時の感光体地肌検知電圧と現段階での地肌
電位との差に基づいて、異常事態であるかを判別すると
ともに、感光体のトナ−濃度制御のためのダイナミック
レンジを補正して地肌汚れをなくすようになっている。
すなわち、このための処理は、図12において、地肌電
位の検出を開始すると、前回の地肌電位(VSG+)が2V
以上であるかを判別し、この値以下であるときには、光
学センサの出力を4Vに補正する。この判別に用いられ
る地肌電位(VSG+)は、例えば、現像スリ−ブが停止し
ていて、感光体ドラムが動作しているときの感光体の非
画像部の表面電位が用いられうようになっている。
【0079】そして、光学センサの出力が2V以上であ
る場合には、地肌電位VSG(n)を読み取り、この値が4.2
V以下であるかを判別し、その値以上である場合には、
光学センサあるいは感光体の交換若しくは清掃が実行さ
れた結果感度が上昇したと判断して光学センサの出力を
上述した4Vに補正する。このようにして補正された光
学センサの出力により、常に一定した光学センサの出力
に対し、顕像パタ−ンからの反射光量の変化を検出する
ことで、感光体上のトナ−の付着量を知ることができ
る。
【0080】上述した光学センサに対する出力の制御が
終わると、基準地肌電位に対する検出地肌電位の大きさ
を差により求め、その差が所定値以下であるかを判別
し、所定値以上である場合には、その変化が継続して生
じているかを検出値の傾き(GRD)を求めることで判断す
る。つまり、地肌電位の検出値を5個取り込み、この値
の傾きが所定値であるかを判別することで、例えば、光
学センサの汚れや一時的に感光体に付着したトナ−によ
る地肌電位の変化であるかを判別し、この傾きが継続し
ている場合に感光体側に異常が生じていることを判断
し、このことを例えば、サ−ビスマンコ−ルとして処理
する。このように、地肌電位の変化を数個のデ−タの傾
きとして求めることにより、実際の異常事態と光学セン
サの誤検知とを区別して判断することができる。
【0081】上述した異常判断処理がなされない場合、
つまり、地肌電位の検出値の差が所定値以下である場合
には、地肌電位の検出出力の8個分のデ−タから、その
出力の傾き(GRD)を求め、この傾きが所定値以下である
かを判別して以下にないときには、上述したサ−ビスマ
ンコ−ルの処理を実行し、また、所定値以下であるとき
には、7階調分に相当する地肌検出電位の平均値を求め
てこれをメモリに格納する。
【0082】これらの処理は画像形成に合わせて毎回実
行される。
【0083】一方、図13に示すように、上記出力の傾
きの8個の和をもとめ、この和が所定値以下であるかを
判別する。この判別は、8枚の複写処理毎に行なわれる
ことで、比較的長いサイクルでの地肌状態の検知処理と
される。すなわち、上述した傾きの8個分の和が所定値
以下でない場合には、その和を上記所定値にセットし、
前述したダイナミックレンジのポイントを1ポイント広
げる。このポイントの拡張により現像ポテンシャル(感
光体の表面電位と現像電極電位との差)が大きくされる
ことになり、結果として、感光体上でのトナ−濃度が下
げられることで、地肌汚れを抑えることになる。また、
この処理に続いて上述した8個分の和が所定値よりも大
きい状態が3回継続したかを判別し、継続した場合に
は、制御不能と判断してサ−ビスマンコ−ルの処理を行
なう。
【0084】一方、上述した8個分の和をさらに8個加
え、この値が所定値に対して大小いずれの関係にあるか
に応じて、サ−ビスマンコ−ルおよびポイントの更正を
実行して、地肌汚れを抑える処理が行なわれる。
【0085】
【発明の効果】以上、本発明によれば、感光体上に現像
スリ−ブ停止中に生じた地肌汚れにより地肌検知電圧が
変化した場合、現像スリ−ブが動作しているときに得ら
れた地肌検知電圧を基準として作像のためのダイナミッ
クレンジ制御およびトナ−補給制御を設定するようにし
たので、このダイナミックレンジの設定の際に上記変化
した地肌検知電圧と顕像パタ−ンからの濃度検知電圧と
で判断されるトナ−濃度の補正時に生じる虞れのあるト
ナ−の過剰補給によるトナ−濃度の暴走を未然に防止す
ることができる。
【0086】また本発明によれば、感光体の地肌電圧が
変化した場合、その変化が光学センサの誤検知でないこ
とを判別することで、感光体上での表面状態の変化ある
いは作像のためのシステム系の異常による作像処理のた
めの制御が不能になることを検知することができるの
で、トナ−濃度の補正時に生じる虞れのあるトナ−の過
剰補給等によるトナ−濃度の暴走を未然に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による画像形成装置の制御部を
説明するためのブロック図である。
【図2】(A)は光学センサの検出出力とトナ−付着量と
の関係を説明するための線図、(B)は上記センサの検出
出力の経時変化を説明するための線図である。
【図3】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図4】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図5】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図6】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図7】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図8】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図9】図1に示した制御部の動作を説明するためのフ
ロ−チャ−トである。
【図10】図1に示した制御部の動作を説明するための
フロ−チャ−トである。
【図11】図1に示した制御部の動作を説明するための
フロ−チャ−トである。
【図12】図1に示した制御部の動作を説明するための
フロ−チャ−トである。
【図13】図1に示した制御部の動作を説明するための
フロ−チャ−トである。
【図14】現像量と現像ポテンシャルとの関係を説明す
るための線図である。
【図15】現像特性のトナ−濃度依存性を説明するため
の線図である。
【図16】地汚れ等のトナ−濃度依存性を説明するため
の線図である。
【図17】環境変動によるトナ−濃度依存性を説明する
ための線図である。
【図18】経時変動によるトナ−濃度依存性を説明する
ための線図である。
【図19】現像特性制御に関する従来方法を適用される
複写機の構造を説明するための概略構成図である。
【図20】2種の顕像パタ−ン部の現像量と現像ポテン
シャルによる現像特性を説明するための線図である。
【図21】静電潜像のダイナミックレンジ調整による現
像特性の変化の様子を説明するための線図である。
【図22】従来方式とトナ−濃度推移に関し対比した結
果を説明するための線図である。
【図23】フォトセンサ応答特性を説明するための線図
である。
【図24】フォトセンサのトナ−付着量による特性変化
を説明するための線図である。
【図25】カラ−トナ−の場合のフォトセンサの応答特
性を説明するための線図である。
【符号の説明】 1 スキャナ部 2 画像処理部 3 プリンタ部 100 制御部 100A 制御部本体 101 フォトセンサ(24BK,24C,24M,2
Yに相当) 102 現像バイアス制御ユニット 103 帯電制御ユニット 104 トナ−補給部のクラッチ駆動部 105 トナ−補給部の帯電制御ユニット 106 露光ランプ制御ユニット
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図16】
【図3】
【図5】
【図7】
【図10】
【図17】
【図6】
【図9】
【図15】
【図18】
【図8】
【図22】
【図11】
【図14】
【図19】
【図20】
【図12】
【図24】
【図13】
【図21】
【図23】
【図25】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/29 G 9186−5C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像担持体に静電潜像を形成し、この静電
    潜像を少なくともトナ−を含む現像剤により現像して潜
    像担持体上に顕像を形成する画像形成装置であって、上
    記潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを形成してこのパ
    タ−ンを光学センサに読み取らせ、該光学センサからの
    反射光検出信号と基準値とを比較して現像バイアス、帯
    電電位または露光量のうち少なくとも1つを変化させる
    ようにした画像形成装置において、 上記光学センサを入力側に接続され、出力側には上記現
    像バイアス、帯電電位、露光量を設定するための駆動部
    および上記現像剤中のトナ−の補給量を調整するための
    駆動部がそれぞれ接続してある制御部を備え、 上記制御部は、現像スリ−ブが停止していて感光体が動
    作しているときに光学センサから得られる感光体の非画
    像部での反射光量に対応した検出値を用いる検知出力
    (VSG+)と上記現像スリ−ブが動作しているとき感光体
    の反射光量に応じた検知出力(VSG)とに対し、これら検
    知出力の大きい方を基準として上記顕像パタ−ンの上記
    基準値(VTC)を演算して算出し、この基準値と顕像パタ
    −ンのトナ−付着量を基に上述した現像バイアス、帯電
    電位および露光量のうちの少なくとも1つを変化させる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】潜像担持体に静電潜像を形成し、この静電
    潜像を少なくともトナ−を含む現像剤により現像して潜
    像担持体上に顕像を形成する画像形成装置であって、上
    記潜像担持体上に所定の顕像パタ−ンを形成してこのパ
    タ−ンを光学センサに読み取らせ、該光学センサからの
    反射光検出信号と基準値とを比較して現像バイアス、帯
    電電位または露光量のうち少なくとも1つを変化させる
    ようにした画像形成装置において、 上記光学センサを入力側に接続され、出力側には上記現
    像バイアス、帯電電位、露光量を設定するための駆動部
    および上記現像剤中のトナ−の補給量を調整するための
    駆動部がそれぞれ接続してある制御部を備え、 上記制御部は、現像スリ−ブが停止していて感光体が動
    作しているときに光学センサから得られる感光体の反射
    光量に応じた検知出力(VSG+)と上記現像スリ−ブが動
    作しているとき感光体の反射光量に応じた検知出力(V
    SG)とに対し、これら検知出力が所定値以上に変化した
    場合に、その変化の傾きを判別して、傾きが所定値以上
    にあるときに異常状態発生と判断することを特徴とする
    画像形成装置。
JP3150345A 1990-08-10 1991-06-21 画像形成装置 Pending JPH05289457A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/742,896 US5293198A (en) 1990-08-10 1991-08-08 Image forming apparatus for controlling the dynamic range of an image
GB9117299A GB2249992B (en) 1990-08-10 1991-08-09 Image forming equipment
DE4126457A DE4126457C2 (de) 1990-08-10 1991-08-09 Elektrofotografische Bilderzeugungsvorrichtung

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-213340 1990-08-10
JP21334090 1990-08-10
JP2-219807 1990-08-20
JP21980790 1990-08-20
JP30142190 1990-11-07
JP2-301421 1990-11-07

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006227192A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006227192A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP4597697B2 (ja) * 2005-02-16 2010-12-15 株式会社リコー 画像形成装置

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