JPH05288749A - 発光標識方法、発光標識構造、発光免疫測定方法およびその装置 - Google Patents

発光標識方法、発光標識構造、発光免疫測定方法およびその装置

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JPH05288749A
JPH05288749A JP9316492A JP9316492A JPH05288749A JP H05288749 A JPH05288749 A JP H05288749A JP 9316492 A JP9316492 A JP 9316492A JP 9316492 A JP9316492 A JP 9316492A JP H05288749 A JPH05288749 A JP H05288749A
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luminescent
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Mutsuyuki Sugimura
睦之 杉村
Masakazu Yoshida
雅一 吉田
Ryuji Akiyama
竜司 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エバネッセント波成分に依存して発光物質が
発する光強度に基づく免疫反応の程度の測定感度、測定
精度を向上させる。 【構成】 スラブ型光導波路4に抗体4bを固定してお
き、抗体4bに対して抗原抗体反応により結合した抗原
4cに対して、架橋剤としてのポリアリルアミン4fを
介して蛍光物質としてのFITC4eが結合された抗β
−2マイクログロブリン抗体4dを抗原抗体反応により
結合させ、偏光板27により得られた平面偏光を励起光
としてスラブ型光導波路4に導入してエバネッセント波
成分により光導波路4の表面近傍に拘束されたFITC
4eを励起し、スラブ型光導波路4から出射される光か
ら偏光板33により上記平面偏光の偏光面と直交する偏
光成分を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は発光標識方法、発光標
識構造、発光免疫測定方法およびその装置に関し、さら
に詳細にいえば、発光免疫測定装置等に適用される発光
被標識物質の製造に適した発光標識方法、発光標識構
造、および導入された励起光を全反射させながら伝播さ
せる光導波路の表面において抗原抗体反応を行なわせ、
さらに励起光に依存して発光する発光物質で標識された
被標識物質を反応させ、上記励起光のエバネッセント波
成分により励起される発光物質が発する光を光導波路に
導入し、全反射させながら伝播させ、光導波路から出射
される光に基づいて免疫反応の程度を測定する発光免疫
測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光導波路に励起光を導入し、励
起光を全反射させながら光導波路中を伝播させることに
より生じるエバネッセント波成分を用いて、抗原抗体反
応により光導波路の表面近傍に拘束された蛍光物質を励
起し、励起された蛍光を光導波路を通して全反射させな
がら伝播させ、光導波路から出射させ、出射した蛍光の
強度を測定することにより間接的に免疫反応の程度を測
定する蛍光免疫測定装置の研究が行なわれている。
【0003】具体的には、光導波路として合成樹脂によ
り一体成型されたものを用いるとともに、蛍光物質とし
てフルオレインイソチオシアネート(以下、FITCと
略称する)を用い、励起光として450〜550nmの波
長領域(可視光領域)のものを用いていた。また、FI
TCを直接抗体の所定位置に結合させることにより蛍光
標識抗体を得、抗原抗体反応により光導波路の表面近傍
に拘束された抗原と結合させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の蛍光免疫測
定装置においては、励起光のエバネッセント波成分によ
り免疫反応の程度に対応する蛍光物質が励起されるだけ
でなく、光導波路自体に含まれる蛍光物質も励起されて
しまうため、光導波路から出射される蛍光の強度は免疫
反応の程度に対応する蛍光強度と光導波路自体からの蛍
光強度とが重畳された値になってしまう。そして、光導
波路の表面近傍に拘束された蛍光物質はエバネッセント
波成分のみによって励起されるのに対して光導波路中の
蛍光物質は励起光そのものによって励起されるのである
から、光導波路中に含まれる蛍光物質の量が少ないにも
拘らず、光導波路自体から到底無視し得ない蛍光が励起
され、免疫反応の程度の測定精度が低下するという不都
合がある。さらに、入射光が反応容器内で散乱し、信号
の波長領域における散乱光成分もノイズとなり、免疫反
応の程度の測定精度が一層低下してしまう。
【0005】また、光導波路を石英ガラスで構成すれば
光導波路自体から発生する蛍光を殆ど皆無にできるので
あるが、この場合には光導波路が高価になってしまうと
ともに、合成樹脂と比較して割れ等が発生しやすいので
保管、取扱いに細心の注意を払わなければならず、作業
性が低下するという不都合がある。尚、以上には励起光
に依存して蛍光を発生させる蛍光物質を用いた場合につ
いて説明したが、励起光に依存して燐光等を発生させる
科学発光物質を用いる場合にも同様の不都合が生じる。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、発光免疫測定等に好適な発光標識方法お
よび発光標識構造を提供することを第1の目的とし、合
成樹脂からなる光導波路を用いた場合において光導波路
自体から発生する光の測定に及ぼす影響を大幅に低減
し、ひいては免疫反応の程度の測定感度、測定精度を大
幅に向上できる発光免疫測定方法およびその装置を提供
することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための、請求項1の発光標識方法は、被標識物質に
対して、元素が3個以上介在する架橋剤を用いて励起光
に依存して発光する発光物質を結合させる方法である。
請求項2の発光標識構造は、所定の物質に対して特異的
に結合反応する被標識物質の所定位置に、元素が3個以
上介在する架橋剤を介して励起光に依存して発光する発
光物質が結合されている構造である。
【0008】請求項3の発光標識構造は、架橋剤とし
て、所定の基準面に対する発光物質の自由な運動を許容
するものを採用した構造である。上記の第2の目的を達
成するための、請求項4の発光免疫測定方法は、発光標
識物質として、励起光に依存して発光する発光物質が、
元素が3個以上介在する架橋剤を介して被標識物質の所
定位置に結合されたものを用いるとともに、平面偏光を
励起光として光導波路に導入し、光導波路から出射され
る光から励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出し
て、抽出された偏光面成分の強度に基づいて免疫反応の
程度を測定する方法である。
【0009】請求項5の発光免疫測定装置は、発光標識
物質として、励起光に依存して発光する発光物質が、元
素が3個以上介在する架橋剤を介して被標識物質の所定
位置に結合されてなるものを採用しているとともに、励
起光が平面偏光であり、光導波路から出射される光から
励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出する偏光成
分抽出手段をさらに有している。
【0010】これらの場合において、被標識物質として
は抗体、抗原、オリゴ核酸等が例示でき、発光物質とし
ては分子量が約3,000以下の蛍光物質、化学発光物
質等が例示でき、架橋剤としては架橋助剤の有無に関わ
らず発光物質と被標識物質との間に元素が3個以上介在
するものであって、アミノ基、カルボキシル基、水酸
基、チオール基、アルデヒド基の少なくとも1種を少な
くとも1つ含む、分子の重合度2以上の重合体が例示で
きる。
【0011】
【作用】請求項1の発光標識方法であれば、所定の物質
に対して特異的に結合反応する被標識物質を励起光に依
存して発光する発光物質により標識するに当って、被標
識物質に対して、元素が3個以上介在する架橋剤を用い
て発光物質を結合させるのであるから、被標識物質に対
して発光物質を直接標識する場合と比較して、被標識物
質に対する発光物質の自由度を高めることができる。
【0012】請求項2の発光標識構造であれば、所定の
物質に対して特異的に結合反応する被標識物質の所定位
置に、元素が3個以上介在する架橋剤を介して励起光に
依存して発光する発光物質が結合されているので、被標
識物質に対して発光物質を直接標識した発光標識構造と
比較して、被標識物質に対する発光物質の自由度を高め
ることができる。
【0013】請求項3の発光標識構造であれば、架橋剤
が、所定の基準面に対する発光物質の自由な運動を許容
するものであるから、被標識物質に対して発光物質を直
接標識した発光標識構造と比較して、被標識物質に対す
る発光物質の自由度を著しく高めることができる。請求
項4の発光免疫測定方法であれば、導入された励起光を
全反射させながら伝播させる光導波路の表面において抗
原抗体反応を行なわせ、さらに励起光に依存して発光す
る発光物質で標識された物質を反応させ、上記励起光の
エバネッセント波成分に依存して発光物質が発する光を
光導波路に導入し、全反射させながら伝播させ、光導波
路から出射される光に基づいて免疫反応の程度を測定す
る場合において、発光標識物質として、発光物質が、元
素が3個以上介在する架橋剤を介して被標識物質の所定
位置に結合されたものを用いるとともに、平面偏光を励
起光として光導波路に導入し、光導波路から出射される
光から励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出し
て、抽出された偏光面成分の強度に基づいて免疫反応の
程度を測定するのであるから、励起光および励起光に起
因して光導波路において励起される蛍光が共に等しい平
面偏光となり、この平面偏光の偏光面と直交する偏光面
成分を抽出することにより励起光および光導波路におい
て励起される蛍光を効率よく遮断できる。これに対して
架橋剤を介して被標識物質に結合された発光物質は上記
偏光面に対して自由に運動できるのであるから、発光物
質から発生される光は無偏光に近似できる状態になり、
上記平面偏光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出する
ことにより、免疫反応の程度に対応する強度の光を得る
ことができる。したがって、励起光、光導波路において
励起される蛍光等のノイズ成分を大幅に低減して、高感
度かつ高精度の発光免疫測定を達成できる。
【0014】請求項5の発光免疫測定装置であれば、導
入された励起光を全反射させながら伝播させる光導波路
の表面において抗原抗体反応を行なわせ、さらに励起光
に依存して発光する発光物質で標識された被標識物質を
反応させ、上記励起光のエバネッセント波成分に依存し
て発光物質が発する光を光導波路に導入し、全反射させ
ながら伝播させ、光導波路から出射される光に基づいて
免疫反応の程度を測定する場合において、発光標識物質
として、発光物質が、元素が3個以上介在する架橋剤を
介して被標識物質の所定位置に結合されたものを用いる
とともに、平面偏光を励起光として光導波路に導入し、
偏光成分抽出手段により、光導波路から出射される光か
ら励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出して、抽
出された偏光面成分の強度に基づいて免疫反応の程度を
測定するのであるから、励起光および励起光に起因して
光導波路において励起される蛍光が共に等しい平面偏光
となり、この平面偏光の偏光面と直交する偏光面成分を
偏光成分抽出手段によって抽出することにより励起光お
よび光導波路において励起される蛍光を効率よく遮断で
きる。これに対して架橋剤を介して被標識物質に結合さ
れた発光物質は上記偏光面に対して自由に運動できるの
であるから、発光物質から発生される光は無偏光に近似
できる状態になり、偏光成分抽出手段によって上記平面
偏光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出することによ
り、免疫反応の程度に対応する強度の光を得ることがで
きる。したがって、励起光、光導波路において励起され
る蛍光等のノイズ成分を大幅に低減して、高感度かつ高
精度の発光免疫測定を達成できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の発光免疫測定装置の一実施
例としての蛍光免疫測定装置を示す概略図であり、He
Neレーザ1から出射される励起光をf=50のレンズ
系21、ニュートラル・デンシティ・フィルタ(以下、
NDフィルタと略称する)22、絞り23、チョッパ2
4、f=160のレンズ系25、カット波長が633nm
の干渉フィルタ26、レーザ光の偏光面とほぼ一致する
偏光面を有する偏光板27、口径4mmの絞り28、シリ
ンドリカルレンズ29およびビームスプリッタ30を通
して合成樹脂からなるスラブ型光導波路4に入射させ、
スラブ型光導波路4の入射面から出射される蛍光をビー
ムスプリッタ30で反射させ、f=80のレンズ系3
1,32、上記偏光板27の偏光面と直交する偏光面を
有する偏光板33およびシャープカットフィルタ34を
通して受光素子としての光電子増倍管5に導いている。
尚、6はビームスプリッタ30により反射された励起光
を図示しない受光素子に導く反射ミラーであり、HeN
eレーザ1から出力される励起光強度の変化を受光素子
により検出してHeNeレーザ1をフィードバック制御
することにより励起光強度を一定に保持できる。また、
HeNeレーザ1に対する偏重周波数を440Hzに設
定し、光電子増倍管5からの出力に対してロックイン増
幅法に基づいて信号処理を行なっている。上記NDフィ
ルタ22は回転角度に依存して透過率が変化するととも
に一意に定まるものであり、ガラス中に光吸収物質をコ
ロイド状に分散させた光吸収型のものであってもよく、
ガラスのクロム膜をコーティングし、コーティング膜の
厚みを制御することにより入射光の一部を透過させる光
反射型のものであってもよい。また、偏光板27をHe
Neレーザ1の偏光面とほぼ一致させているのでレーザ
光を効率よく励起光としてスラブ型光導波路4に導入で
きるが、効率の低下を許容できる場合には、レーザ光の
偏光面と一致しないように偏光板27を配置してもよ
い。
【0016】さらに、上記スラブ型光導波路4は、例え
ば図2に示すように、表面の所定範囲を包囲するように
溶液収容部4aが形成されてあり、溶液収容部4aに含
まれる光導波路本体の表面に予め抗体4bが固定されて
いる。尚、スラブ型光導波路本体を水平方向を向くよう
に配置する代わりに垂直方向を向くように配置して両面
に溶液収容部4aを形成してもよく、この場合には励起
される蛍光の強度を倍増できるので、高感度化、高精度
化に有利である。また、4cは抗原、4dは被標識抗
体、4eは蛍光物質、4fは蛍光物質4eを被標識抗体
4dに結合するための架橋剤をそれぞれ示している。こ
こで、蛍光物質としては分子量が約3,000以下の蛍
光物質、燐光等を発する化学発光物質等が例示でき、架
橋剤としては架橋助剤の有無に関わらず標識物質と被標
識物質との間に元素が3個以上介在するものであって、
アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アル
デヒド基の少なくとも1種を少なくとも1つ含む、分子
の重合度2以上の重合体が例示できる。そして、長さが
約150オングストロームの被標識物質4dに対して長
さが約100オングストロームの架橋剤4fを介して蛍
光物質4eを結合することが好ましい。即ち、被標識物
質4dの長さを越えない範囲で可能な限り長い架橋剤4
fを介して蛍光物質4eを結合することが好ましく、励
起される蛍光を無偏光状態に近づけることができる。
【0017】上記構成の蛍光免疫測定装置を用いて被検
溶液の測定を行なう場合には、先ず、溶液収容部4aに
そのままの濃度の被検溶液または所定倍率に希釈した被
検溶液を注入することにより、スラブ型光導波路本体の
表面に固定されている抗体との間で抗原抗体反応を行な
わせる。次いで、溶液収容部4aから被検溶液を排出
し、HeNeレーザ1を駆動し、被検溶液の代わりに蛍
光物質で標識された蛍光標識抗体を含む溶液を溶液収容
部4aに注入し、抗原抗体反応により光導波路本体の表
面近傍に拘束された抗原との間で再び抗原抗体反応を行
なわせる。尚、ここで用いられる蛍光標識抗体として
は、例えば、以下のようにして調整されたものが用いら
れる。即ち、架橋剤としてのポリアリルアミンとスクシ
ミジルトランス−4−(N−マレイミジルメチル)−シ
クロヘキサン−1−カルボキシレート(以下、SMCC
と略称する)を所定の割合で混合してSMCC化ポリア
リルアミンを調整し、蛍光物質としてのFITCとSM
CC化ポリアリルアミン(−CH2CH(CH2CH2
2)−n)を所定の割合で混合してFITC化ポリアリ
ルアミンを調整する。そして、抗β−2マイクログロブ
リン抗体を予めジチオスレイトールで活性化させた後、
FITC化ポリアリルアミンを上記活性化させた抗β−
2マイクログロブリン抗体と反応させることにより蛍光
標識抗体(抗β−2マイクログロブリン抗体−ポリアリ
ルアミン−FITC)を調整する。
【0018】したがって、蛍光標識抗体(抗β−2マイ
クログロブリン抗体−ポリアリルアミン−FITC)に
基づく抗原抗体反応の進行に伴なって励起される蛍光の
強度が増加し、最終的に免疫反応の程度に対応する蛍光
強度になる。この蛍光強度曲線に基づいて検量線を得た
ところ図3(A)のとおりであり、3×10-11Mの測
定感度を達成できた。
【0019】比較例として、図4に示すように、図1の
装置から偏光板27,33を省略した装置を用いるとと
もに、FITCと抗β−2マイクログロブリン抗体を所
定の割合で混合し、互に直接結合させた蛍光標識抗体
(抗β−2マイクログロブリン抗体−FITC)を調整
した。この比較例により得られた検量線は図3(B)の
とおりであり、1×10-1 0Mの測定感度を達成でき
た。
【0020】以上から明らかなように、FITCを抗β
−2マイクログロブリン抗体に直接結合させる代わりに
ポリアリルアミンを介して結合させ、しかも偏光板27
を用いて、光導波路4に導入される励起光を所定の平面
偏光とし、さらに偏光板33によって、光導波路4から
出射される光から上記平面偏光と直交する平面偏光成分
を抽出することにより測定感度を30倍向上できた。
【0021】尚、この発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、光導波路の表面に抗体を固定す
る代わりに抗原またはハプテン(hapten)を固定し、蛍
光物質を架橋剤を介してを抗原またはハプテンと結合さ
せることが可能であるほか、FITC以外の蛍光物質、
ポリアリルアミン以外の架橋剤を用いることが可能であ
り、さらに、架橋剤の複数箇所に蛍光物質を結合させる
ことにより励起される蛍光強度を高めることが可能であ
るほか、蛍光物質に代えて燐光等の化学発光を行なう物
質を標識物質として採用することが可能であり、その
他、この発明の要旨を変更しない範囲内において種々の
設計変更を施すことが可能である。
【0022】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、被標識
物質に対して、元素が3個以上介在する架橋剤を用いて
発光物質を結合させるのであるから、被標識物質に対し
て発光物質を直接標識する場合と比較して、被標識物質
に対する発光物質の自由度を高めることができるという
特有の効果を奏する。
【0023】請求項2の発明も、被標識物質に対して、
元素が3個以上介在する架橋剤を用いて発光物質を結合
させているのであるから、被標識物質に対して発光物質
を直接標識した発光標識構造と比較して、被標識物質に
対する発光物質の自由度を高めることができるという特
有の効果を奏する。請求項3の発明は、架橋剤が、所定
の基準面に対する発光物質の自由な運動を許容するもの
であるから、被標識物質に対して発光物質を直接標識し
た発光標識構造と比較して、被標識物質に対する発光物
質の自由度を著しく高めることができるという特有の効
果を奏する。
【0024】請求項4の発明は、励起光の偏光面と直交
する偏光面成分を抽出することにより励起光および光導
波路において励起される蛍光を効率よく遮断できる反
面、架橋剤を介して被標識物質に結合された発光物質は
上記偏光面に対して自由に運動できるのであるから、発
光物質から発生される光は無偏光に近似できる状態にな
り、励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出するこ
とにより、免疫反応の程度に対応する強度の光を得るこ
とができ、この結果、励起光、光導波路において励起さ
れる蛍光等のノイズ成分を大幅に低減して、高感度かつ
高精度の発光免疫測定を達成できるという特有の効果を
奏する。
【0025】請求項5の発明も、励起光の偏光面と直交
する偏光面成分を抽出することにより励起光および光導
波路において励起される蛍光を効率よく遮断できる反
面、架橋剤を介して被標識物質に結合された発光物質は
上記偏光面に対して自由に運動できるのであるから、発
光物質から発生される光は無偏光に近似できる状態にな
り、励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出するこ
とにより、免疫反応の程度に対応する強度の光を得るこ
とができ、この結果、励起光、光導波路において励起さ
れる蛍光等のノイズ成分を大幅に低減して、高感度かつ
高精度の発光免疫測定を達成できるという特有の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の発光免疫測定装置の一実施例として
の蛍光免疫測定装置を示す概略図である。
【図2】スラブ型光導波路の構成を示す縦断面図であ
る。
【図3】得られた検量線を示す図である。
【図4】比較例としての蛍光免疫測定装置を示す概略図
である。
【符号の説明】
4 スラブ型光導波路 4d 標識抗体 4e 蛍
光物質 4f 架橋剤 33 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/543 L 9217−2J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の物質に対して特異的に結合反応す
    る被標識物質(4d)を励起光に依存して発光する発光
    物質(4e)により標識する方法において、被標識物質
    (4d)に対して、元素が3個以上介在する架橋剤(4
    f)を用いて発光物質(4e)を結合させることを特徴
    とする発光標識方法。
  2. 【請求項2】 所定の物質に対して特異的に結合反応す
    る被標識物質(4d)の所定位置に、元素が3個以上介
    在する架橋剤(4f)を介して励起光に依存して発光す
    る発光物質(4e)が結合されていることを特徴とする
    発光標識構造。
  3. 【請求項3】 架橋剤(4f)が、所定の基準面に対す
    る発光物質(4e)の自由な運動を許容するものである
    請求項2に記載の発光標識構造。
  4. 【請求項4】 導入された励起光を全反射させながら伝
    播させる光導波路(4)の表面において抗原抗体反応を
    行なわせ、さらに励起光に依存して発光する発光物質
    (4e)で標識された被標識物質(4d)を反応させ、
    上記励起光のエバネッセント波成分に依存して発光物質
    (4e)が発する光を光導波路(4)に導入し、全反射
    させながら伝播させ、光導波路(4)から出射される光
    に基づいて免疫反応の程度を測定する発光免疫測定方法
    において、発光物質(4e)が、元素が3個以上介在す
    る架橋剤(4f)を介して被標識物質(4d)の所定位
    置に結合されているとともに、平面偏光を励起光として
    光導波路(4)に導入し、光導波路(4)から出射され
    る光から励起光の偏光面と直交する偏光面成分を抽出し
    て、抽出された偏光面成分の強度に基づいて免疫反応の
    程度を測定することを特徴とする発光免疫測定方法。
  5. 【請求項5】 導入された励起光を全反射させながら伝
    播させる光導波路(4)の表面において抗原抗体反応を
    行なわせ、さらに励起光に依存して発光する発光物質
    (4e)で標識された被標識物質(4d)を反応させ、
    上記励起光のエバネッセント波成分に依存して発光物質
    (4e)が発する光を光導波路(4)に導入し、全反射
    させながら伝播させ、光導波路(4)から出射される蛍
    光に基づいて免疫反応の程度を測定する発光免疫測定装
    置において、発光物質(4e)が、元素が3個以上介在
    する架橋剤(4f)を介して被標識物質(4d)の所定
    位置に結合されているとともに、励起光が平面偏光であ
    り、光導波路(4)から出射される光から励起光の偏光
    面と直交する偏光面成分を抽出する偏光成分抽出手段
    (33)をさらに有していることを特徴とする発光免疫
    測定装置。
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