JPH05288697A - 高温観察・熱膨張同時測定装置 - Google Patents

高温観察・熱膨張同時測定装置

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JPH05288697A
JPH05288697A JP2387492A JP2387492A JPH05288697A JP H05288697 A JPH05288697 A JP H05288697A JP 2387492 A JP2387492 A JP 2387492A JP 2387492 A JP2387492 A JP 2387492A JP H05288697 A JPH05288697 A JP H05288697A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】加熱炉内で試料を加熱しながら状態変化や化学
変化の観察を行うと同時に試料の寸法の変化等の物理的
変化の測定を同一条件の下において行うことができるよ
うにする。 【構成】顕微鏡の対物レンズ8に隣接しかつその光軸を
囲んで形成された炉内で顕微鏡の対物レンズの光軸上に
試料16を試料支持棒14で保持し、また観察用の顕微鏡27
が熱膨張や収縮による試料の観察面の移動に応じて焦点
を移動させる焦点調整装置26を設け、さらにこの焦点調
整装置による焦点移動量を試料の熱膨張及び収縮量とし
て検出する回路装置を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の素材特に電子材
料の焼成や焼結に利用される高温観察・熱膨張同時測定
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の高温顕微鏡における加熱装置の一つ
として、赤外線イメージ加熱による高温観察炉が特開平
1−163594号に提案されている。この高温観察炉では、
炉内を透明な仕切り用石英板によって光源室と加熱室と
に仕切り、上記加熱室を気密構造にすると共に、上記透
明な仕切り用石英板を光源室内の赤外線光源からの赤外
線密度の低い位置に位置決めし、そして顕微鏡の対物レ
ンズの光軸の通る炉壁部分に観察窓を設けている。そし
て顕微鏡により物質の状態変化や化学変化を、温度や雰
囲気を可変にして観察するようにされている。このよう
な高温顕微鏡における加熱装置においては、加熱により
試料の温度が変化して熱膨張や収縮が生じると、観察面
が移動することになり、その結果顕微鏡の対物レンズの
焦点がずれ、CCD カメラ等によるビデオ電気信号で得ら
れる画像が暈けることになる。また、材料の焼成や焼結
においては状態変化や化学変化の観察と共に深さ方向の
寸法の変化等の情報が必要となる場合が多く、観察画面
からの二次元的な寸法計測では、熱膨張率の測定のよう
に変化率の測定は0.1 %(10-3)が限界とされている。
そのため、一般には熱膨張測定は、測定試料に検出棒を
接触して測定する押し棒式のものが用いられている。こ
の押し棒式のものでは、支持台上に試料の一端を固定
し、他端に押し棒を当て、この押し棒の先端を炉外に延
ばし、またこの押し棒と同一材質の基準棒を支持台に当
て、基準棒の先端を炉外に延ばして変位の基準位置と
し、押し棒の先端の測定位置と基準棒の先端の基準位置
との変位の差から試料の熱膨張率を測定するようにされ
ている。その他従来の熱膨張測定法としては、試料の長
さの変化を直接測定する方法として、直視法、X線回折
法、光干渉法、電気容量法があり、直視法は試料の長さ
の変化を直接測定する方法であり、位置検出精度があま
りよくなく、1μm程度が限界である。X線回折法は、
試料を加熱しながらX線回折を行い、格子定数を求める
方法であり、光干渉法は、試料または試料を挾む石英板
等の干渉板に単色平行光線を投射して試料の両端面か二
枚の干渉板で反射した光の位相差で生ずる干渉縞を観測
し、その間隔から試料の厚さや長さを測定するものであ
る。また、電気容量法は、低温域で用いられ、試料の変
位を電気容量の変化として検出するもので、高い分解能
をもち、測長感度が10−14m程度まで可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来熱膨張
率の測定のような変化率の測定に用いられている押し棒
式のものでは、正確さは基準棒の精度に依存されること
になり、検出棒自体の熱膨張が測定に影響を及ぼすだけ
でなく、測定圧等の問題も伴うことになる。特にガラス
のような溶融状態では非接触で測定する必要がある。ま
た従来技術では、状態変化や化学変化の観察と変化率の
測定とはそれぞれ別個の装置を用いて行われているた
め、溶融や焼結等で要求される同一試料の同一条件の下
での状態変化や化学変化の観察と変化率の測定との同時
実施を行うことができない。ところで、最近の顕微鏡で
は半導体デバイス等の自動観察用に自動焦点調整機構を
備えたものが知られている。
【0004】そこで上記問題を解決するのため、本発明
では高温顕微鏡に自動焦点調整機構を設け、この自動焦
点調整機構の焦点移動量が試料の熱膨張や収縮量に比例
することを利用して変化率の測定を同時に行うようにす
ることを解決すべき課題としている。従って本発明の目
的は、高温顕微鏡における自動焦点調整機構の焦点移動
量を利用して高温観察と同時に試料の熱膨張や収縮を測
定できるようにした高温観察・熱膨張同時測定装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による高温観察・熱膨張同時測定装置にお
いては、顕微鏡の対物レンズに隣接しかつその光軸を囲
んで形成された炉内を透明な仕切り用石英板によって光
源室と加熱室とに仕切り、加熱室を気密構造にすると共
に、顕微鏡の対物レンズの光軸の通る石英板の部位に試
料支持棒を通す穴を設け、この穴を通して下から試料支
持棒により試料を加熱室内に保持し、顕微鏡の対物レン
ズの光軸の通る炉壁部分に観察窓を設け、また試料の温
度変化による膨張、収縮に応じて顕微鏡の対物レンズの
焦点ずれを調整する焦点調整装置を設け、さらにこの焦
点調整装置による焦点移動量に基き試料の熱膨張及び収
縮を検出する装置を設けたことを特徴としている。本発
明による装置では、焦点調整装置による焦点移動量に基
き試料の熱膨張及び収縮を検出する装置は、焦点調整装
置による焦点移動量をデジタル信号に変換する焦点調整
装置おける変換回路と表示装置とから成り得る。
【0006】
【作用】このように構成した本発明による装置において
は、試料を顕微鏡の対物レンズの光軸上に位置決めされ
たで試料支持棒で支持するように構成しているので、試
料の底面は基準面となり、顕微鏡の対物レンズに対向し
た試料の上面すなわち観察面が加熱による熱膨張または
収縮で移動することになる。この観察面の移動に応じて
顕微鏡に設けられた焦点調整装置が焦点調整を行うこと
により、試料の観察面を常時焦点の合った状態で観察す
ることができる。一方焦点調整装置による焦点の移動量
は熱膨張または収縮による試料の観察面の移動量に相当
することになるので、この焦点の移動量をデジタル量に
変換することにより試料の熱膨張や収縮を同時に検出す
ることができる。
【0007】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。第1図には本発明の装置に用いられる
赤外線イメージ加熱による高温観察炉の一例を概略的に
示し、1は炉本体であり、この炉本体1は例えばアルミ
ニュームから成ることができ、その内部には楕円の一方
の焦点を通り、楕円の長軸と交わる線を回転軸として得
られる回転体状の炉室2が形成され、その内壁には金め
っきが施されている。また炉本体1には炉室2を囲んで
冷却媒体流路3、4が設けられ、これらの冷却媒体流路
3、4は図示してない適当な冷却媒体供給源に連結さ
れ、炉本体1を冷却する。炉室2の上方壁の中央部分は
平面状に形成され、その中心開口部5に石英から成る観
察窓6が外側から取付け部材7によって気密に取付けら
れており、この観察窓6は図示したように顕微鏡の対物
レンズ8に対向してしかも顕微鏡の光軸に対して偏心し
て回動可能に位置決めされている。また上方壁の中央部
分における中心開口部5と反対側の下方壁の中央部分に
は外部にのびる開口9が設けられている。炉室2内の下
方部分には楕円の他方の焦点が描く軌跡上にリング状の
赤外線光源10が配置され、この赤外線光源10は外部から
付勢されて、直接または炉室2の内壁で反射して後で説
明する試料に向かって全方向から赤外線を入射する。
【0008】赤外線光源10の直ぐ上には顕微鏡の光軸に
直交して透明な仕切り用石英板11が挿置され、炉室2を
赤外線光源10の配置された光源室2aと上方の加熱室2bと
に仕切っている。この場合、仕切り用石英板11は、好ま
しくは赤外線光源10からの赤外線の密度の低い位置に位
置決めされ得る。仕切り用石英板11の中央部には試料挿
入開口12を備え、この開口12の縁部から下方壁の中央部
分に設けられた開口9の内壁に沿ってのびる石英製の筒
状伸長部13が一体的に形成されている。この筒状伸長部
13と開口9の内壁との間は図示したように真空シールが
施されている。また仕切り用石英板11は当然、加熱室2b
を真空排気する際に生じ得る差圧に耐える構造にされて
いる。また、仕切り用石英板11の中央部の筒状伸長部13
内には試料支持棒14が通され、この試料支持棒14は熱膨
張が少なくしかも熱伝導率の少ない材料例えば透明な石
英で構成され、試料支持棒14の下端は取付けブロック15
で支持され、この取付けブロック15は炉本体1の外底面
に真空シールを介して取付けられる。さらに、図面には
示されてないが外側には所要のガスを加熱室2b内に充填
するためのガス導入口が筒状伸長部13内に連通させて設
けられている。試料支持棒14はその先端に観察すべき試
料16を保持し、そして筒状伸長部13内を通って加熱室2b
内に挿入したり加熱室2bから引出すことができるように
されている。また試料支持棒14は加熱室2b内に挿入した
時、試料16が顕微鏡の光軸上に位置し、しかも試料16の
近傍を除いて加熱されないようにされている。また試料
支持棒14内には温度測定用の熱電対17が取付けられ、こ
の熱電対17は試料16の温度を測定し、その出力信号は図
2に示すプログラマブル温度指示調節計21に送られ、そ
して図2に符号24で示されるSCR出力ユニユットを介
して光源室2a内の赤外線光源10の付勢を制御するのに用
いられ得る。なお、図1において符号18は加熱室2bを真
空排気するための真空排気通路を示している。
【0009】図2には本発明の一実施例による装置の全
体構成を概略的に示し、22はプログラマブル温度指示調
節計21の出力に接続され、カーソルライン発生回路、キ
ャクター変換回路及びスパーインポーズ回路から成る回
路装置で、その出力にはカラーモニタ23が接続されてい
る。また25はCCDビデオカメラコントローラ、26は自
動焦点調整装置、27は観察用の高温顕微鏡、そして28は
図1に示す加熱炉である。CCDビデオカメラコントロ
ーラ25は高温顕微鏡27に組み込まれ、高温顕微鏡27で観
察される加熱炉28内の試料16(図1参照)の観察面の撮
像信号を回路装置22へ供給すると共に高温顕微鏡27に組
み込まれた自動焦点調整装置26へ観察面の移動による焦
点ずれを表す信号を高温顕微鏡27に組み込まれた自動焦
点調整装置26へ供給するようにされている。自動焦点調
整装置26はこの焦点ずれを表す信号に基いた焦点移動量
に応じて高温顕微鏡27の焦点調整ノブを例えばパルスモ
ータ等により回転させて自動的に調整し、試料の観察面
が熱膨張や収縮によって移動しても観察面を常に焦点の
合った状態で観察できるようにしている。この観察と同
時に、自動焦点調整装置26で得られた焦点移動量ΔLは
回路装置22に供給され、デジタル量に変換され、そして
他のデジタル計測値、例えば温度、時間等と共にスパー
インポーズされて表示装置を成すカラーモニタ23に試料
の熱膨張、収縮量として表示される。この場合、試料16
は高温顕微鏡27の光軸上に沿って配置され、そして試料
16を保持する試料支持棒14は熱膨張の少ない材料で構成
されしかも試料近傍を除いて加熱されないので試料16の
みの変化を検出することができる。なお試料の熱膨張、
収縮量を大きな値で得るためには試料の長さを長くすれ
ば良いが、その場合には試料は均熱ゾーンからずれない
ようにする必要がある。
【0010】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
装置においては、顕微鏡の対物レンズに隣接しかつその
光軸を囲んで形成された炉内で顕微鏡の対物レンズの光
軸上に試料を試料支持棒で保持し、試料を顕微鏡で観察
するように構成すると共に、顕微鏡に焦点調整装置を設
け、そして焦点調整装置による焦点移動量を試料の熱膨
張及び収縮量として検出する装置を設けているので、試
料の状態変化や化学変化の観察を常に焦点の合った状態
で行うことができるだけでなく、それと同時に同一条件
の下における試料の深さ方向の寸法の変化等の情報を得
ることができ、同一試料に関しての状態変化や化学変化
の観察及び物理的変化の測定を同一条件の下において同
時に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の装置の要部を成す高温観察炉の一例
を示す概略断面図。
【図2】:本発明の一実施例による装置の構成を示す概
略ブロック線図。
【符号の説明】
1:炉本体 2:炉室 6:観察窓 8:対物レンズ 9:開口 10:赤外線光源 11:仕切り用石英板 12:試料挿入開口 13:筒状伸長部 14:試料支持棒 16:試料 17:熱電対 21:プログラマブル温度指示調節計 22:回路装置 23:表示装置 25:CCDビデオカメラコントローラ 26:自動焦点調整装置 27:顕微鏡 28:加熱炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 21/30 7246−2K H05B 3/00 345 8918−3K

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕微鏡の対物レンズに隣接しかつその光
    軸を囲んで形成された炉内を透明な仕切り用石英板によ
    って光源室と加熱室とに仕切り、上記加熱室を気密構造
    にすると共に、顕微鏡の対物レンズの光軸の通る石英板
    の部位に試料支持棒を通す穴を設け、この穴を通して下
    から試料支持棒により試料を加熱室内に保持し、顕微鏡
    の対物レンズの光軸の通る炉壁部分に観察窓を設け、ま
    た試料の温度変化による膨張、収縮に応じて顕微鏡の対
    物レンズの焦点ずれを調整する焦点調整装置を設け、さ
    らにこの焦点調整装置による焦点移動量に基き試料の熱
    膨張及び収縮を検出する装置を設けたことを特徴とする
    高温観察・熱膨張同時測定装置。
  2. 【請求項2】 焦点調整装置による焦点移動量に基き試
    料の熱膨張及び収縮を検出する装置が焦点調整装置によ
    る焦点移動量をデジタル信号に変換する焦点調整装置お
    ける変換回路と表示装置とから成る請求項1に記載の高
    温観察・熱膨張同時測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012181080A (ja) * 2011-03-01 2012-09-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 超高温熱膨張試験装置
CN114280096A (zh) * 2021-12-14 2022-04-05 西北工业大学 跨温域双向热膨胀/收缩变形精确测试装置及测试方法

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CN114280096B (zh) * 2021-12-14 2023-07-28 西北工业大学 跨温域双向热膨胀/收缩变形精确测试装置及测试方法

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