JPH05287291A - 電気粘性流体及びその製造方法 - Google Patents

電気粘性流体及びその製造方法

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JPH05287291A
JPH05287291A JP14648991A JP14648991A JPH05287291A JP H05287291 A JPH05287291 A JP H05287291A JP 14648991 A JP14648991 A JP 14648991A JP 14648991 A JP14648991 A JP 14648991A JP H05287291 A JPH05287291 A JP H05287291A
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silica sol
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particles
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JP14648991A
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English (en)
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Yoshiki Fukuyama
良樹 福山
Yuichi Ishino
裕一 石野
Tasuku Saito
翼 斎藤
Yoshiyasu Kashima
吉恭 鹿島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】電気粘性効果が大きく、電力消費が小さく、か
つ分散相の沈降が少なく、安定性に優れた電気粘性流体
の提供。 【構成】平均粒子径4〜50nmのコロイダルシリカ粒
子が結合した偏平大粒子シリカゾルの乾燥粉末で且つア
ルミニウム化合物及びジルコニウム化合物からなる群よ
り選ばれる化合物をその酸化物換算で0.1〜5重量%
並びに水分を1〜10重量%含有する平均粒子径0.0
1〜100μmの粒子よりなる分散相を100重量部中
1〜60重量部及び室温における粘度0.65〜100
0センチトークス(cSt)の電気絶縁油よりなる液相
を100重量部中40〜99重量部含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧の印加によって粘
性を増大する電気粘性流体と、その製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は、疎水性で非導電性の油
の中に微細に分割した親水性の固体が分散している懸濁
液で、十分に強い電場の作用の下で極めて速やかに、し
かも可逆的に粘度が増加する流体である。
【0003】粘度を変化させるためには直流の電場だけ
でなく交流の電場も使用することができ、必要な電流は
非常に小さく、少ない電力によって強力な力を与えるの
で、例えば、クラッチ、バルブ、ショックアブソーバ
ー、バイブレーター、各種防振ゴム、アクツエーター、
ロボットアーム、制振材などの装置や部品を制御するた
めの構成要素として、電気粘性流体は検討されてきた。
【0004】電気粘性流体の分散相としてはUSP3,047,5
07号明細書に多くの物質が提案されており、その中で好
適な物質としてシリカゲルが挙げられている。又、分散
媒体としてはシリコーンオイルのような電気絶縁油が用
いられる。しかし、分散相としてシリカゲルを用いた電
気粘性流体は電気粘性効果が小さく、長期に保存すると
分散相であるシリカ粒子が沈降し、沈降物の再分散が不
可能となるので、実用のためには不十分なものであっ
た。
【0005】また、電気粘性効果の改良を目的として、
特開昭53−93186号明細書に分散相微粒子として
ポリアクリル酸リチウムが提案されたが、この電気粘性
効果には粒子が多量の水を含有しているか或は意図的に
含有させることが不可欠であり、そのため水による過度
の導電性が避けられず、消費電力の点で不利である。
【0006】特開昭62−95397号明細書には表面
上のAl/Si原子比が0.15〜0.80で、1〜2
5重量%の水分を有する珪酸アルミニウムを分散相とし
て用いる電気粘性流体が開示されている。しかし、この
組成の珪酸アルミニウムは親水性で、粉体中に多量の水
を含んでいる。したがって、電気粘性効果は大きいもの
の、その水により過度の導電性が生じるため、この電気
粘性流体も消費電力の点で不利である。
【0007】さらにUSP4,744,914号明細書(特開昭63
−185812)には、上記の水の問題点を解決すべ
く、一般式:M(X/n)[(AlO2)X(SiO2)y]・wH2O (式中Mは
平均電価数nの金属陽イオンまたは金属陽イオンの混合
物、xおよびyは整数であり、xに対するyの比は約1
〜約5であり、そしてwは不定である)で、吸着水を実
質的に含まない結晶化ゼオライトを分散相として用いる
電界反応性流体が開示されている。吸着水を除く手段と
して、同明細書中には、非導電性流体および粒状結晶化
ゼオライトを、使用中こうむるであろう温度よりも高い
温度のもとで十分なガス抜きと水分除去するに必要な時
間処理することが記載されている。しかし結晶化ゼオラ
イトは水分の存在下で大きな電気粘性効果を発現するた
め、上記のような十分な水分除去をした場合、電気粘性
効果の低下は避けられない。また、もともと含水量の多
い親水性の結晶化ゼオライトを水分除去処理をすると、
ゼオライト粒子表面が非常に活性となり、二次凝集を形
成し易くなる。そして、凝集により二次粒子径が大きく
なるため沈降が速くなり、その結果分散相と液相が短時
間で分離する問題が生じる。さらに、上記電界反応性流
体が大気中に放置されると、電気絶縁油を介して分散相
である結晶化ゼオライト粒子が水を再吸着し、電気粘性
効果及び電流特性の十分な安定性が得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気粘性効
果が大きく、電力消費が小さく、かつ分散相の沈降が少
なく、安定性に優れた電気粘性流体の開発を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、平均粒子径4〜50nmのコロイダルシリ
カ粒子が結合した偏平大粒子シリカゾルの乾燥粉末で且
つアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物からなる
群より選ばれる1種又は2種以上の化合物をその酸化物
換算で0.1〜5重量%並びに水分を1〜10重量%含
有する平均粒子径0.01〜100μmの粒子よりなる
分散相を100重量部中1〜60重量部及び室温におけ
る粘度0.65〜1000センチトークス(cSt)の
電気絶縁油よりなる液相を100重量部中40〜99重
量部含有することを特徴とする電気粘性流体によって上
記の課題を解決した。
【0010】このような偏平大粒子シリカゾルを製造す
る方法として、米国特許第2801902号明細書に記
載されているような粒子径5〜100nmの負帯電球状
コロイダルシリカのゾルに陽イオン界面活性剤を加えた
後加熱する方法、特開昭62−278114号公報に記
載されている、アルミナ、チタニア、ジルコニア、トリ
アなどで被覆された正帯電のコロイダルシリカのゾルに
陰イオン界面活性剤を加えた後加熱する方法などがある
が、界面活性剤を含まず、加熱過程を必要としない点か
ら下記の製造法が好ましい。
【0011】本発明における偏平大粒子シリカゾルは、
酸性水性の負帯電シリカゾルに、アルミニウムの塩基性
塩及びジルコニウムの塩基性塩からなる群より選ばれる
1種又は2種以上の金属塩基性塩の水溶液を、この塩を
構成する金属の酸化物として上記シリカゾル中のSiO2
対し0.01〜10重量%量、好ましくは0.1〜5重
量%量混合することにより得られる正帯電のシリカゾル
をSiO2として100重量部と、平均粒子径4〜50nm
の負帯電シリカの酸性水性ゾルをSiO2として10〜20
0重量部混合することにより得られる。
【0012】金属塩基性塩として、はチタン、錫、イン
ジウム、セリウム等の塩基性塩も用い得るが、特にアル
ミニウムの塩基性塩またはジルコニウムの塩基性塩が好
ましく、その例としてはAl(OH)2Cl 、Al2(OH)5Clなどの
塩基性塩化アルミニウム、Al(OH)2(CH3COO)・1/3H3BO3
どの塩基性酢酸アルミニウム、Al2(OH)5NO3 、Al(OH)(N
O3)2などの塩基性硝酸アルミニウム、Al(OH)2(HCOO) な
どの塩基性蟻酸アルミニウム、ZrOCl2・8H2O 等のオキシ
塩化ジルコニウム、ZrO(NO3)2・nH2O等のオキシ硝酸ジル
コニウム、ZrO(CH3COO)2等のオキシ酢酸ジルコニウム等
が挙げられ、特に好ましい例としてはAl2(OH)5Clが挙げ
られる。これら金属塩基性塩は、2種以上混合して用い
てもよく、その水溶液としては、通常1〜50重量%程
度のものが好ましい。
【0013】平均粒子径4〜50nmの負帯電シリカの
酸性水性ゾルは公知の方法で容易に製造され、そのコロ
イダルシリカ粒子の形状としては、球状、非球状のいず
れでも良いが、球状のものが好ましい。好ましい例とし
ては、平均粒子径4〜50nmの球状コロイダルシリカ
のアルカリ性水性ゾルを水素型陽イオン交換樹脂で処理
することにより得られるpH2〜5、SiO22〜50重量%
程度の安定な酸性水性ゾルが挙げられる。さらに好まし
くは、SiO2濃度5〜30重量%、平均粒子径7〜20n
m、pH2〜5の水性ゾルが挙げられる。
【0014】本発明において上記塩基性塩と混合される
酸性水性の負帯電シリカゾルとしては、上記平均粒子径
4〜50nmの負帯電シリカの酸性水性シリカゾルの
他、本発明の方法により得られた偏平大粒子シリカゾル
も用いることができる。特に、この酸性水性の負帯電シ
リカゾルとして、本発明の方法により得られた偏平大粒
子シリカゾルを繰り返し用いるときは、粒子径がさらに
拡大された偏平大粒子シリカゾルを得ることができる。
【0015】正帯電のシリカゾルは公知の方法により製
造することができ、上記酸性水性の負帯電シリカゾルに
上記塩基性塩の水溶液をこの塩の金属の酸化物、すなわ
ち、Al2O3 、ZrO2又はこの両者として、上記酸性水性の
負帯電シリカゾル中のSiO2に対し、0.01〜10重量
%量、好ましくは0.1〜5重量%量混合することによ
り得られる。この混合は、常温〜100℃で行うことが
できるが、強撹拌下常温で行うのが好ましい。
【0016】偏平大粒子シリカゾルは、上記正帯電のシ
リカゾルをSiO2として100重量部と、上記平均粒子径
4〜50nmの負帯電シリカの酸性水性ゾルをSiO2とし
て10〜200重量部混合することにより得られる。こ
の場合も、常温〜100℃程度、好ましくは強撹拌下常
温で行うことができる。そして混合液のpHが4〜7を
示す範囲で行うのが好ましい。このpHを4〜7に調整
することは、上記正帯電のシリカゾルにあらかじめアル
カリ性物質を加えておくか、あるいは、上記正帯電のシ
リカゾルと上記平均粒子径4〜50nmの負帯電シリカ
の酸性水性シリカゾルとの混合直後にアルカリ性物質を
加えることにより行うことができる。
【0017】使用するアルカリ性物質としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等ア
ルカリ金属水酸化物;アルミン酸ナトリウム、亜鉛酸ナ
トリウムなどのナトリウム塩;水酸化アンモニウム、水
溶性第4級アンモニウム水酸化物、水酸化グアニジン;
エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミ
ン等水溶性のアルキルアミン;モノエタノールアミン、
トリエタノールアミン等水溶性アルカノールアミン;ベ
ンジルアミン、ピペリジン等が例示される。これらアル
カリ性物質は水溶液として用いるのが好ましく、20重
量%以下の濃度が良い。これらアルカリ性物質をM2O
(但し、Mはアルカリ金属原子、アンモニウム基、第4
級アンモニウム基またはアミン分子を表す。)で表すと
き、この加えられるアルカリ性物質の量は、上記粒子径
4〜50nmの負帯電シリカの酸性水性シリカゾルのSi
O2に対し、 M2O/SiO2として0.005〜5重量%程度
である。
【0018】上記の如くして正帯電のシリカゾルと平均
粒子径4〜50nmの負帯電シリカの酸性水性ゾルとの
混合により生じた偏平なコロイダルシリカゾルは負に帯
電しているから、これを再び上記正帯電のシリカゾルを
造るための原料として用いることができる。このように
して、本発明の方法による偏平大粒子シリカゾルを数回
繰り返して用いることにより、厚みは原料シリカゾルの
コロイダルシリカの径5〜50nmにほぼ等しいか、若
干それより厚いが平面方向の径は100〜1000nm
程度の大きさの偏平な形状のシリカゾルを得ることがで
きる。この粒子は、動的光散乱法により測定すると、平
均粒子径200〜600nmである。
【0019】上記の方法により得られた偏平大粒子シリ
カゾルに、さらにアルカリ性物質を加えることにより、
pH7〜12の安定なアルカリ性水性の偏平大粒子シリ
カゾルを得ることができる。また、このようにして得ら
れた偏平大粒子シリカゾルを水素型陽イオン交換樹脂で
処理し、さらに水酸基型陰イオン交換樹脂で処理するこ
とにより、pH2〜4の安定な酸性水性の偏平大粒子シ
リカゾルを得ることができる。
【0020】上記の偏平大粒子シリカゾルは、SiO2濃度
2〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の水性ゾ
ルとして得られる。濃度の薄いゾルからは、これを蒸発
法、限外濾過法などで濃縮することにより高濃度のゾル
を得ることができる。また、上記本発明による水性ゾ
ル、特に酸性水性ゾルの媒体の水を、親水性有機溶媒で
置換することにより、オルガノシリカゾルを得ることが
できる。この置換方法としては、蒸溜法、限外濾過法な
どが挙げられ、また、親水性有機溶媒の例としては、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホ
ルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、エチル
セロソルブ、エチレングリコールなどが挙げられる。
【0021】更に、上記水性ゾルに、前記アルミニウム
の塩基性塩、ジルコニウムの塩基性塩を加えることによ
り、正帯電の偏平大粒子シリカゾルを得ることができ
る。
【0022】上記のようにして得られたシリカの偏平大
粒子を含む水性ゾルやオルガノゾルの媒体である水や有
機溶媒を、スプレードライヤー法、常圧乾燥、真空乾燥
などで取り除き、粉末にした後、含水量を調整し、電気
絶縁性油に分散させる方法、水性ゾルやオルガノゾルの
媒体の水や有機溶媒を蒸溜、限外濾過法などで溶媒置換
を繰り返し、最終的に電気絶縁性油に溶媒置換すること
によりシリカ粒子を電気絶縁性油に分散させる方法など
により電気粘性流体を得ることができる。
【0023】このようなゾルの媒体である水や有機溶媒
を取り除く乾燥などの過程でシリカ粒子が二次凝集を形
成し、さらに大きな粒子を形成することがあるが、ボー
ルミル、サンドミルなど最終的に分散相粒子を電気絶縁
性油に均一に分散させる過程で所望の粒子径まで解砕す
ることが望ましい。
【0024】このようにして得られた偏平大粒子シリカ
ゾルの乾燥粉末であるシリカ粒子の電気粘性流体の分散
相として適当な平均粒子径は0.1〜100μmであ
り、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。0.1
μm未満では電場のない状態で初期粘度が著しく大きく
なりデバイスに適用できない。また100μmを越える
と沈降が早くなり流体の分散相としての十分な安定性が
得られない。
【0025】偏平大粒子シリカゾルの乾燥粉末であるシ
リカ粒子の電気粘性流体の分散相として適当な水分含有
量は1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の範囲
で、1重量%未満では大きな電気粘性効果が得られず、
10重量%を越えると水分による導電性のため消費電力
が大きくなる。
【0026】液相を構成する電気絶縁油としては、炭化
水素油、エステル系油、ハロゲン化炭化水素油やシリコ
ーン油などを例示することができる。これらは単独で用
いることができ、また2種以上を併用することもでき
る。これらの電気絶縁油の中でもポリジメチルシロキサ
ンやポリメチルフェニルシロキサンなどのシリコーン油
が、ゴム状の弾性を有する材料と直接接触する状態でも
使用できるという点で優れている。
【0027】電気絶縁油の粘度は25℃において0.6
5〜1000センチストークス(cSt)、好ましくは
5〜50cStの粘度を有するものを用いる。液相の粘
度が低すぎると揮発分が多くなり、また電気粘性効果に
よる粘度変化が小さくなる。一方、液相の粘度が高すぎ
ると流体の粘度が高くなり、高すぎるとデバイスの要求
特性に合致しない。適度に低粘度の気絶縁油を液相とす
ることによって分散相を効率よく懸濁させることができ
る。
【0028】本発明の電気粘性流体を構成する分散相と
液相の割合は、偏平大粒子シリカゾルの乾燥粉末である
シリカ粒子からなる分散相の含有量が1〜60重量%、
好ましくは10〜40重量%で、前記電気絶縁油からな
る液相の含有量が40〜99重量%、好ましくは60〜
90重量%である。分散相の量が1重量%未満では電気
粘性効果が小さく、60重量%を越えると電場がない時
の初期粘度が著しく大きくなる。
【0029】電気粘性流体中のアルカリ物質はM2
(M:アルカリ金属、アミン、第4級アンモニウム等)
として0.005〜5.0重量%、好ましくは0.02
〜1.0重量%、酸(塩酸、硝酸、ギ酸、シュウ酸等)
は0.005〜5.0重量%、好ましくは0.02〜
1.0重量%である。また、本発明の電気粘性流体には
本発明の効果を損なわない範囲で他の分散相や界面活性
剤、分散剤、無機塩等の添加剤を配合することもでき
る。
【0030】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるも
のではない。
【0031】
【実施例1】平均粒子径(BET法による測定値)1
2.5nmの酸性水性の負帯電シリカゾル(日産化学工
業(株)製スノーテック−O:比重1.127,pH
2.8,粘度2.0cP,SiO2 含有量20.2重量
%)1300gと水790gの混合液に、塩基性塩化ア
ルミニウム水溶液(多木化学(株)製タキバイン:比重
1.35,pH4.0,粘度50cP,Al23 換算
のAl含有量23.0重量%,Cl含有量8.0重量
%)26g(SiO2 に対するAl23 の重量割合は
2.3重量%)及び10%NaOH水溶液17.6gを
添加して得た正帯電のシリカゾルに、上記負帯電シリカ
ゾル1200g(正帯電シリカゾルのSiO2100重
量部に対する負帯電シリカゾルのSiO2 の割合は9
2.3重量部)を添加し、次いで10%NaOH水溶液
27.8gを添加することにより平均粒子径12.5n
mのコロイダルシリカ粒子が平面方向に結合した負帯電
の偏平大粒子シリカゾルを得た。
【0032】このゾルは比重1.091,pH7.6
4,粘度2.8cP,SiO2 含有量15.0重量%,
Al23 換算Al含有量0.178重量%,Na2
含有量0.105重量%,Cl含有量0.0618重量
%,平均粒子径0.305μmであった。
【0033】このゾルをスプレードライヤーで乾燥し、
シリカの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末は平均粒子径
4.0μm,SiO2 含有量95.5重量%,Al2
3 換算のAl含有量1.13重量%,Na2 O含有量
0.66重量%,Cl含有量0.39重量%,水分含有
量2.34重量%であった。
【0034】この乾燥粉末102.3g(25.6重量
部)を25℃における粘度10cStのシリコーン油
(東芝シリコーン(株)製TSF−451−10)29
7.6g(74.4重量部)に分散した後、サンドグラ
インダーにて1時間撹拌し実施例1の電気粘性流体を得
た。この電気粘性流体における分散相の平均粒子径(遠
心沈降法による測定値)は1.4μmであった。
【0035】
【実施例2】実施例1で使用したのと同じ負帯電シリカ
ゾル1300gと水1480gの混合液に、実施例1で
使用したのと同じ塩基性塩化アルミニウム水溶液19.
1g(SiO2 に対するAl23 の重量割合は1.7
重量%)及びアルミン酸ソーダ水溶液(日本軽金属
(株)製SA−20:Al23 換算Al含有量20重
量%,Na2 O含有量18.2重量%)の水稀釈液(A
23 換算Al含有量2.0重量%)40gを添加し
て得た正帯電のシリカゾルに上記負帯電のシリカゾル1
000g(正帯電シリカゾルのSiO2 100重量部に
対する負帯電シリカゾルのSiO2 の割合は76.9重
量部)を添加し、ついで上記アルミン酸ソーダ水溶液の
水稀釈液40gを添加することにより平均粒子径12.
5nmのコロイダルシリカ粒子が平面方向に結合した負
帯電の偏平大粒子シリカゾルを得た。
【0036】このゾルは比重1.061,pH5.7,
粘度4.5cP,SiO2 含有量12.0重量%,Al
23 換算のAl含有量0.155重量%,Na2 O含
有量0.0376重量%,Cl含有量0.0395重量
%、平均粒子径0.350μmであった。
【0037】このゾルをスプレードライヤーで乾燥し、
シリカの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末は平均粒子径
3.9μm,SiO2 含有量94.9重量%,Al2
3 換算のAl含有量1.23重量%,Na2 O含有量
0.30重量%,Cl含有量0.31重量%,水分含有
量3.29重量%であった。
【0038】この乾燥粉末82.7g(20.7重量
部)を実施例1で使用したものと同じシリコーン油31
7.7g(79.3重量部)に分散した後、実施例1と
同様に処理して実施例2の電気粘性流体を得た。この電
気粘性流体における分散相の平均粒子径(遠心沈降法に
よる測定値)は1.51μmであった。
【0039】
【実施例3】実施例2と同様にして得られた偏平大粒子
シリカゾルの乾燥粉末82.7g(20.7重量部)に
水0.36gを滴下し良く混合したもの(水分3.71
重量%)を実施例1で用いたものと同じシリコーン油3
17.3g(79.3重量部)に分散した後、実施例1
と同様に処理して実施例3の電気粘性流体を得た。この
電気粘性流体における分散相の平均粒子径(遠心沈降法
による測定値)は1.50μmであった。
【0040】
【実施例4】平均粒子径(BET法による)8.0nm
の酸性水性の負帯電シリカゾル(日産化学工業(株)製
スノーテック−O:比重1.128,pH2.7,粘度
2.8cP,SiO2 20.2重量%)1200gと水
2080gの混合液に実施例1で用いたのと同じ塩基性
塩化アルミニウム水溶液36.5g(SiO2 に対する
Al23 の重量割合は3.5重量%)及び10%Na
OH水溶液23.4gを添加して得た正帯電のシリカゾ
ルに上記負帯電のシリカゾル1400g(正帯電シリカ
ゾルのSiO2 100重量部に対する負帯電シリカゾル
のSiO2 の割合は116.7重量部)を添加し、次い
で10%NaOH水溶液30.6gを添加することによ
り平均粒子径8.0nmのコロイダルシリカ粒子が平面
方向に結合した負帯電の偏平大粒子シリカゾルを得た。
【0041】このゾルは比重1.054,pH7.0
4,粘度4.2cP,SiO2 含有量11.0重量%,
Al23 換算Al含有量0.176重量%,Na2
含有量0.0877重量%,Cl含有量0.0612重
量%,平均粒子径0.380μmであった。
【0042】このゾルをスプレードライヤーで乾燥し、
シリカの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末は平均粒子径
4.6μm,SiO2 94.0重量%,Al23 換算
のAl含有量1.50重量%,Na2 O含有量0.75
重量%,Cl含有量0.52重量%,水分含有量3.2
0重量%であった。
【0043】この乾燥粉末82.6g(20.7重量
部)を実施例1で使用したものと同じシリコーン油31
7.4g(79.3重量部)に分散した後、実施例1と
同様に処理して実施例4の電気粘性流体を得た。この電
気粘性流体における分散相の平均粒子径(遠心沈降法に
よる測定値)は1.23μmであった。
【0044】
【比較例1】シリカゲル(日本シリカ(株)製:ニブシ
ルVN−3)の水分量を6重量%に調節したもの13重
量部を、液相成分である25℃における粘度20cSt
のシリコーン油(東芝シリコーン(株)製TSF−45
1−20)87重量部に分散、懸濁させて比較例1の電
気粘性流体を得た。
【0045】
【比較例2】平均粒子径1μm、Si/Alの原子比
2.5(水分含有量20重量%)のNa−Y型結晶化ゼ
オライト粒子(触媒化成工業(株)製)30重量部を液
相成分である25℃における粘度20cStのシリコー
ン油(東芝シリコーン(株)製TSF−451−20)
70重量部に良く分散し、懸濁液として比較例2の電気
粘性流体を得た。
【0046】
【比較例3】平均粒子径1μm、Si/Alの原子比1
の3A型結晶化ゼオライト粒子(ユニオン昭和(株)
製)を真空下、275℃で10時間乾燥した後、真空中
で15時間冷却し室温まで戻した。このとき粒子の水分
保有量は0.02重量%であった。この乾燥粒子40重
量部を実施例1で使用したものと同じシリコーン油60
重量部に良く分散し、懸濁液として比較例3の電気粘性
流体を得た。
【0047】
【比較例4】実施例1で使用したのと同じ負帯電シリカ
ゾルをスプレードライヤーで乾燥しシリカゾルの乾燥粉
末を得た。この乾燥粉末は平均粒子径4.0μm,Si
297.75重量%,水分2.25重量%であった。
【0048】この乾燥粉末20重量部を実施例1で使用
したものと同じシリコーン油80重量部に良く分散し懸
濁液として比較例4の電気粘性流体を得た。この電気粘
性流体における分散相の平均粒子径(遠心沈降法による
測定値)は1.5μmであった。
【0049】実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた
各電気粘性流体について、電気粘性効果の測定を行っ
た。電気粘性効果は二重円筒型回転粘度計を使用して、
内外円筒間に0〜2kV/mmの直流電圧を印加した時
の剪断速度366sec-1、温度25℃の剪断力で評価
し、同時に内外円筒間に流れる電流を測定した。表1に
電圧をかけない場合の剪断力T0 、電圧2kV/mmを
印加した時の剪断力T、ダイナミックレンジ(T−T0)
/T0 及び電圧2kV/mmを印加した時の電流密度を
示す。
【表1】
【0050】また、実施例1〜4及び比較例2〜4の各
電気粘性流体については沈降安定性の評価も行った。沈
降安定性は内径14mm、長さ165mmの試験管に各
電気粘性流体を容積V0 入れ、垂直に立てて50日間放
置した後、沈降相の容積Vを測定し、沈降安定性の指標
として第1表に沈降容積比(%)=(V/V0)×100
の値を示した。沈降容積比の値は大きい程沈降が遅く、
分散安定性が良いことを表している。
【0051】表1に示されるように、本発明による偏平
大粒子シリカゾルの乾燥粉末を分散相とする実施例1〜
4で得られた各電気粘性流体は電気粘性効果が大きく、
消費電力が小さく、沈降容積比が大きく安定性が良い。
【0052】これに対して、シリカゲル分散相を用いた
比較例1の電気粘性流体は電気粘性効果が小さいし、水
分含有量の多い結晶化ゼオライトを用いた比較例2の電
気粘性流体は電気粘性効果は非常に大きいが、消費電力
が極めて大きい。
【0053】一方、結晶化ゼオライト粒子を乾燥して水
分を除去した粒子を用いた比較例3の電気粘性流体は水
分の除去により消費電力は小さくなるものの、電気粘性
効果が小さくなり、また沈降容積比が小さく安定性に欠
ける。
【0054】さらに、アルミニウム化合物を含まないシ
リカゾルを出発原料として用いた比較例4の電気粘性流
体は沈降容積比が小さいばかりでなく、応答性が悪いと
言う問題もあった。
【0055】
【発明の効果】電気粘性効果が大きく、電力消費が小さ
く、且つ分散相粒子の沈降容積比が大きく安定性に優れ
た電気粘性流体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:20) C10N 10:06 10:08 20:02 20:06 Z 8217−4H 40:14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径4〜50nmのコロイダルシ
    リカ粒子が結合した偏平大粒子シリカゾルの乾燥粉末で
    且つアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物からな
    る群より選ばれる1種又は2種以上の化合物をその酸化
    物換算で0.1〜5重量%並びに水分を1〜10重量%
    含有する平均粒子径0.01〜100μmの粒子よりな
    る分散相を100重量部中1〜60重量部及び室温にお
    ける粘度0.65〜1000センチトークス(cSt)
    の電気絶縁油よりなる液相を100重量部中40〜99
    重量部含有することを特徴とする電気粘性流体。
  2. 【請求項2】 酸性水性の負帯電シリカゾルに、アルミ
    ニウムの塩基性塩及びジルコニウムの塩基性塩からなる
    群より選ばれる1種又は2種以上の金属塩基性塩の水溶
    液を、この塩を構成する金属の酸化物として上記シリカ
    ゾル中のSiO2に対し0.01〜10重量%量混合するこ
    とにより得られる正帯電のシリカゾルをSiO2として10
    0重量部と、平均粒子径4〜50nmの負帯電シリカの
    酸性水性ゾルをSiO2として10〜200重量部混合する
    ことによって得られる平均粒子径4〜50nmのコロイ
    ダルシリカ粒子が結合した偏平大粒子シリカゾルの乾燥
    粉末で且つアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物
    からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物をそ
    の酸化物換算で0.1〜5重量%並びに水分を1〜10
    重量%含有する平均粒子径0.01〜100μmの粉末
    粒子1〜60重量%量を、室温における粘度0.65〜
    1000センチトークス(cSt)の電気絶縁油40〜
    99重量%量に均一に分散することを特徴とする電気粘
    性流体の製造方法。
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