JPH05286650A - 紡機におけるぺッグトレイ搬送装置 - Google Patents

紡機におけるぺッグトレイ搬送装置

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JPH05286650A
JPH05286650A JP9124292A JP9124292A JPH05286650A JP H05286650 A JPH05286650 A JP H05286650A JP 9124292 A JP9124292 A JP 9124292A JP 9124292 A JP9124292 A JP 9124292A JP H05286650 A JPH05286650 A JP H05286650A
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peg
tray
conveyor belt
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Hiroshi Nagae
博司 長江
Takamasa Morita
隆征 森田
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Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガイド部材の摩耗の進行を抑制するととも
に、ガイド部材とペッグトレイとの摩擦力を低減するこ
とにより、長期間にわたってぺッグトレイを確実に搬送
する。 【構成】 無端状の搬送ベルト10と線状のガイド部材
11との協働作用によりぺッグトレイ4の搬送を行う。
ガイド部材11の断面形状をペッグトレイ4の姿勢変更
箇所と対応する部分以外の部分は多角形とする。ペッグ
トレイ4及び前記姿勢変更箇所と対応する部分以外のガ
イド部材11の材質をポリアセタール及びナイロンの組
合せとする。ガイド部材11がぺッグトレイ4と面接触
となり、ガイド部材11の摩耗が減少する。ガイド部材
11とぺッグトレイ4の摩擦係数が小さくなり、ガイド
部材11に対してぺッグトレイ4が相対移動し易くな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紡機におけるぺッグトレ
イ搬送装置に係り、詳しくは無端状の搬送ベルトと線状
のガイド部材との協働作用によりぺッグトレイの搬送を
行うぺッグトレイ搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紡績工場においては精紡工程とワ
インダ工程とを搬送手段で連結し、精紡工程で玉揚げさ
れた満ボビンをワインダ工程へ搬送するとともに、ワイ
ンダ工程で糸が巻き取られた後の空ボビンを再び精紡工
程へ搬送して循環使用する方法が多く採用されている。
ボビンの搬送方法としてはボビンが装着されたペッグト
レイを搬送ベルトに乗せて搬送する方法が、ベルトコン
ベアを使用する方法に比較して機構簡素化上有利であ
る。
【0003】そして、精紡機における移動型の管替装置
として、ペッグトレイを管替装置内に取り入れ、空ボビ
ンと満ボビンとの交換を行う装置が特開昭63−275
725号公報、特開平1−321266号公報等に提案
されている。これらの管替装置には1本の無端状の搬送
ベルト及び2条のガイド部材によりペッグトレイを弾性
的に挟圧し、搬送ベルトの移動とともにぺッグトレイを
搬送する搬送装置が装備されている。又、特開平1−3
14737号公報、特開平1−321268号公報等に
は精紡機とワインダとの間で、ボビンが装着されたペッ
グトレイを搬送する装置として、無端状の搬送ベルト及
び2条のガイド部材の協働作用によりぺッグトレイを搬
送する搬送装置が提案されている。
【0004】これらの搬送装置においては、図7(a)
に示すようにガイド部材41は搬送ベルト42の走行経
路に沿って適宜間隔で固定された支持ブラケット43
に、ペッグトレイ44のペッグ44aを挾むように止着
されている。搬送ベルト42はガイド片45にガイドさ
れるとともに、板バネ46によりガイド部材41側へ押
圧付勢されている。そして、ガイド部材41を搬送ベル
ト42に対して捻った状態に配置することにより、ガイ
ド部材41と搬送ベルト42間に挟持されたペッグトレ
イ44の姿勢を自由に変更することが可能となってい
る。又、ペッグトレイ44の円滑な姿勢変更を可能とす
るため、ガイド部材41は円形断面の線材により形成さ
れている。円形断面のガイド部材41の所定位置に正確
にねじ穴をあけるのが難しいため、ガイド部材41は支
持ブラケット43に溶接で固定され、材質には鋼(ステ
ンレス鋼)が使用されていた。一方、ペッグトレイ44
は軽量化、製造コストの観点から合成樹脂製となってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】搬送ベルト42が上方
へ向かって走行する箇所では、ペッグトレイ44には図
7(b)に示すように、ペッグトレイ44とボビンBの
重量Wが下方に作用する。又、板ばね46の力による押
圧力Pが搬送ベルト42を介して、ペッグトレイ44の
底面にペッグトレイ44をガイド部材41に押圧する方
向に作用する。ペッグトレイ44の上面には押圧力Pの
反力がガイド部材41から作用する。そして、ぺッグト
レイ44の上面にはガイド部材41との摩擦力F1 が、
底面には搬送ベルト42との摩擦力F2 がそれぞれ作用
する。ガイド部材41とペッグトレイ44の摩擦係数を
μ1 、搬送ベルト42とペッグトレイ44の摩擦係数を
μ2とすると、摩擦力F1 ,F2 は次式で表される。
【0006】F1 =μ1 P F2 =μ2 P そして、ペッグトレイ44が搬送ベルト42の走行に伴
って一体的に移動するためには、次式が成立する必要が
ある。
【0007】F1 +W<F2 ところが、前記従来装置ではガイド部材41の断面形状
が円形のため、ガイド部材41とペッグトレイ44とが
線接触となり、接触部に荷重が集中して当該箇所におけ
る摩耗が進行しやすい。ペッグトレイ44の姿勢が変更
される部分では、ガイド部材41とペッグトレイ44と
の接触位置が変化するため、常に一定の姿勢でペッグト
レイ44が移動する箇所に比較して摩耗し難い。
【0008】ポリアセタール製のペッグトレイ44を使
用した場合、ペッグトレイ44の姿勢が変更されない箇
所では、ステンレス鋼製のガイド部材41に図7(c)
に示すように、1年間で摩耗により幅1mmの平坦部4
1aが形成された。又、摩耗量Hは0.3mmであっ
た。このように摩耗が進行すると、板ばね46の力によ
る押圧力Pが低下し、搬送ベルト42の摩擦力F2 すな
わち搬送力が低下する。その結果、ペッグトレイ44の
上昇部においてペッグトレイ移送力が低下し、ペッグト
レイ44の詰まりが発生するという問題があった。
【0009】ガイド部材41の摩耗に伴う搬送力低下へ
の対応として、板ばね46の力を強くすることが考えら
れる。しかし、板ばね46の力を強くすると、搬送力と
なる摩擦力F2 が増大するとともに、抵抗となる摩擦力
F1 も増大し移送力を向上させるのには適さない。又、
ガイド部材41の摩耗が激しくなるという問題もある。
【0010】又、ガイド部材41を鋼製とし、ペッグト
レイ44をポリアセタール製とした場合は、その摩擦係
数がほぼ0.13で、摩擦力F1 が大きくなる。その結
果、搬送ベルト42の走行時に搬送ベルト42とペッグ
トレイ44間に滑りが発生し、ペッグトレイ44の移送
に支障を来す場合がある。ぺッグトレイ44の材質を他
の樹脂とした場合にも、一般に摩擦係数がポリアセター
ルの場合より大きくなるので同様な問題がある。
【0011】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はガイド部材の摩耗の進行を抑制
するとともに、ガイド部材とペッグトレイとの摩擦力を
低減することにより、長期間にわたってぺッグトレイを
確実に搬送することができる紡機におけるペッグトレイ
搬送装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明においては、無端状の搬送ベルトと線状のガイ
ド部材との協働作用によりぺッグトレイの搬送を行うぺ
ッグトレイ搬送装置において、前記ガイド部材の断面形
状をペッグトレイの姿勢変更箇所と対応する部分以外の
部分は多角形とし、ペッグトレイ及び前記姿勢変更箇所
と対応する部分以外のガイド部材の材質としてポリアセ
タール及びナイロンの組合せ、あるいはこの組合せの場
合の摩擦係数と同等以下の摩擦係数となる組合せの樹脂
を用いた。
【0013】
【作用】ぺッグトレイは無端状の搬送ベルトと、線状の
ガイド部材との協働作用により搬送ベルトの移動に伴っ
て搬送ベルトと一体的に移動にする。ペッグトレイが一
定の姿勢で移動する箇所と対応する部分では、ガイド部
材の断面形状が多角形のため、ガイド部材はペッグトレ
イに対して面接触となる。従って、ガイド部材に作用す
る単位面積当たりの荷重が減少し、ガイド部材の摩耗が
減少する。又、ガイド部材とペッグトレイの摩擦係数
が、従来の鋼と合成樹脂との組合せによる場合の摩擦係
数より小さいため、ガイド部材とペッグトレイ間の摩擦
力が小さくなる。その結果、搬送ベルトの搬送力が向上
し、ペッグトレイの搬送が円滑に行われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を精紡機機台に沿って連続的に
走行する管替機の搬送装置に具体化した一実施例を図1
〜図6に従って説明する。この管替機はスピンドルレー
ル下部に延設されたコンベア装置上に載置された空ボビ
ンを、ペッグトレイごと管替機内に取り入れて管替作業
を行うようになっている。
【0015】管替機1は本願出願人が先に提案したもの
(例えば特開平1−321266号公報等)と基本的に
同様な構成である。図5に示すように精紡機のスピンド
ルレール2の下方にはコンベア装置3が延設されてい
る。コンベア装置3は管替作業に先立って空ボビンeが
装着されたペッグトレイ4をスピンドル5とほぼ対応す
る位置に搬入し、管替作業終了後に満ボビンfが装着さ
れたペッグトレイ4を搬出する。管替機1はレール6に
所定間隔で突設されたピン7と係合するスクリューロー
ラ8の作用により、レール6に沿って走行するようにな
っている。
【0016】管替機1の精紡機と対向する側にはぺッグ
トレイ搬送装置としての捻り搬送装置9が配設されてい
る。捻り搬送装置9はペッグトレイ4を搬送する搬送ベ
ルト10と、該搬送ベルト10の走行経路に沿って配設
された一対の線状のガイド部材11とを備えている。搬
送ベルト10はその走行経路がコンベア装置3とほぼ平
行に走行する部分と、スピンドル5の下部と同一高さ位
置で平行に走行する部分と、スピンドル5上に挿入され
た満ボビンfより上方においてスピンドルレール2と平
行に走行する部分とを有するように多数のガイドプーリ
12間に巻き掛けられるとともに、駆動プーリ13に巻
き掛けられている。駆動プーリ13は管替機1の下部に
配設されたモータ14の駆動軸に嵌着され、搬送ベルト
10の搬送装置3と平行に走行する部分が管替機1の管
替時進行方向と一致する方向に駆動されるようになって
いる。
【0017】モータ14を挟んで管替機1の走行方向の
前後両側にはペッグトレイ取入れプレート15及びペッ
グトレイ受渡しプレート16が配設されている。ペッグ
トレイ取入れプレート15及びペッグトレイ受渡しプレ
ート16は、コンベア装置3上のペッグトレイ4と係合
可能な作用位置と、係合不能な待機位置とに回動配置さ
れるようになっている。
【0018】管替機1の壁面には搬送ベルト10を所定
の搬送経路に沿って走行させるように案内する各一対の
ガイド片17が適宜間隔をおいて支持プレート18を介
して固定されている。搬送ベルト10を構成する平ベル
トは図1及び図3(b)に示すように、摩擦係数の大き
い一対のゴム層10aと、ゴム層10aの間に配置され
た摺接層10bとにより3層構造に形成されている。摺
接層10bは摩擦係数が小さくて硬いナイロン等の材質
で形成されている。搬送ベルト10が垂直方向に走行す
る箇所には、板バネ18aが摺接層10bに圧接された
状態で前記ガイド片17に形成された凹部17aと対応
する位置で支持プレート18上に固定配置されている。
板バネ18aは搬送ベルト10をその幅方向、すなわち
ガイド部材11側へ所定の力で押圧付勢するようになっ
ている。板ばね18aは直接摺接層10bに接触するの
ではなく、セラミックスなどの耐摩耗性部材で形成され
た接触部(図示せず)において摺接層10bと接触する
ようになっている。
【0019】前記ガイド部材11はペッグトレイ4のペ
ッグ4aを挾むように、かつ搬送ベルト10とガイド部
材11との間にペッグトレイ4が挾持されるように配設
されている。そして、搬送ベルト10の走行に伴ってペ
ッグトレイ4が搬送ベルト10と一体的に移動され、ガ
イド部材11を搬送ベルト10に対して捻った状態に配
置することにより、ペッグトレイ4の姿勢を自由に変更
することができるようになっている。
【0020】ガイド部材11は複数に分割され、図6に
示すように直線部と曲線部とが別々に形成されている。
ガイド部材11は管替機1の壁面に搬送ベルト10の走
行経路に沿って固定されたブラケット19及び連結具2
0に固定されている。ぺッグトレイ4の姿勢変更箇所と
対応する部分、すなわち図3のA,B,C,Dに配設さ
れるガイド部材11は断面形状が従来装置と同様に円形
に形成され、その他の部分に配設されるガイド部材11
は断面形状が四角形に形成されている。なお、ぺッグト
レイ4は後記する空ボビン抜取り挿入装置23と対応す
る箇所においては、装着された空ボビンeが若干下降傾
斜する状態に配置される。しかし、その程度が小さいた
めその前後における姿勢変更箇所のガイド部材11の断
面形状は四角形で差し支えない。
【0021】断面四角形のガイド部材11はぺッグトレ
イ4と接触する側と反対側の面がブラケット19の裏面
に当接する状態でネジ21により固定される。断面円形
のガイド部材11は図4(a)に示すように側面に嵌合
溝11aが形成され、嵌合溝11aにブラケット19が
差し込まれた状態でネジ21により固定される。断面四
角形のガイド部材11と断面円形のガイド部材11とを
連結する場合は、図4(b)に示すようにガイド部材1
1端部に形成された嵌合溝11aに連結具20が差し込
まれた状態でネジ21により固定される。断面円形のガ
イド部材11にはネジ穴は形成されずにネジ21が挿入
される穴が形成され、ネジ21が螺合するネジ穴はブラ
ケット19に形成される。
【0022】一方、断面四角形のガイド部材11同士を
連結する場合は、図4(c)に示すようにブラケット1
9に固定する場合と同様に、ガイド部材11が連結具2
0の裏面に当接する状態でネジ21により固定される。
なお、断面形状が異なるガイド部材11同士を連結する
場合と同様に、嵌合溝11aに連結具20が差し込まれ
た状態でネジ21により固定してもよい。
【0023】ガイド部材11とぺッグトレイ4間の摩擦
抵抗を小さくするため、ぺッグトレイ4の材質にはポリ
アセタールが、ガイド部材11の材質にはナイロンが使
用されている。この場合の動摩擦係数は0.092とな
り、ぺッグトレイの材質にポリアセタールを、ガイド部
材の材質に鋼をそれぞれ使用した従来の場合の動摩擦係
数0.129に比較して充分小さくなる。ただし、動摩
擦係数の値はいずれも、圧力0.83kgf /cm2 、移動
速度6.2cm/sec における文献値(プラスチック材料
の潤滑性、その特性と摺動部への応用:山口章三郎著,
日刊工業新聞社昭和56年5月30日発行)である。
【0024】管替機1の中央部には走行体22が管替機
1の走行方向にスライド可能に支持されている。走行体
22には空ボビン抜取り挿入装置23及び満ボビン抜上
げ挿入装置24が装備されている。空ボビン抜取り挿入
装置23はスピンドル5上の満ボビンfより上方に搬送
された空ボビン付ペッグトレイ4Aから空ボビンeを抜
取るとともに、満ボビンfが抜上げられたスピンドル5
に空ボビンeを挿入する作用をなす。満ボビン抜上げ挿
入装置24はスピンドル5から満ボビンfを抜上げると
ともに、スピンドル5下部と同一高さ位置に搬送された
ペッグトレイ4のペッグ4aに満ボビンfを挿入する作
用をなす。走行体22は管替機1の走行方向に往復動さ
れ、空ボビン抜取り挿入装置23及び満ボビン抜上げ挿
入装置24は走行体22の往復動に同期して駆動される
ようになっている。
【0025】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。精紡機が満管指令により停止すると、機台の
一端側から管替機1が一定速度で走行を開始するととも
に、捩り搬送装置9のモータ14が駆動を開始し、搬送
ベルト10が図5,図6の矢印方向に走行を開始する。
又、ペッグトレイ取入れプレート15及びペッグトレイ
受渡しプレート16がコンベア装置3と交差する作用位
置に配置される。コンベア装置3上の空ボビン付ペッグ
トレイ4Aは隣接する空ボビン付ペッグトレイ4Aと互
いに当接する状態で配置されている。又、管替作業中は
機台の他端に配置された空ボビン付ペッグトレイ4Aが
規制部材(図示せず)により管替機1の進行方向に対し
て移動不能に規制されている。
【0026】この状態で管替機1の走行にともないペッ
グトレイ取入れプレート15がコンベア装置3上の空ボ
ビン付ペッグトレイ4Aのペッグ4aと係合する。ペッ
グトレイ取入れプレート15がペッグ4aと係合した状
態において、管替機1の走行に伴い空ボビン付ペッグト
レイ4Aが管替機1内に取入れられるとともに、その底
面が搬送ベルト10と係合する位置に案内される。管替
機1内に取入れられた空ボビン付ペッグトレイ4Aはペ
ッグトレイ取入れプレート15の近傍に配置されたガイ
ド部材11間にペッグ4aが導入される。そして、搬送
ベルト10と一体的に移動され、ガイド部材11の捻り
形状に従って空ボビンeが垂立姿勢からほぼ水平姿勢へ
変更されて管替機1の上方へと搬送される。以下、同様
にしてコンベア装置3上の空ボビン付ペッグトレイ4A
が順次捩り搬送装置9上に移載される。
【0027】空ボビン抜取り挿入装置23の上方に搬送
された空ボビン付ペッグトレイ4Aは位置規制片25の
位置規制作用を受け、この状態のもとに空ボビン付ペッ
グトレイ4A上の空ボビンeが空ボビン抜取り挿入装置
23によりペッグ4aから抜取られる。そして、走行体
22が管替機1の進行方向と反対側へ移動する間に、ス
ピンドル5上の満ボビンfが満ボビン抜上げ挿入装置2
4により抜上げられ、空ボビン抜取り挿入装置23によ
り抜取られた空ボビンeがスピンドル5上に挿入され
る。この間に空ボビンeが抜取られたペッグトレイ4は
搬送ベルト10とガイド部材11との協働によりスピン
ドルレール2と対応する高さ位置へ搬送される。そし
て、走行体22上の位置規制片26の位置規制作用を受
け、満ボビン抜上げ挿入装置24により抜上げられた満
ボビンfがペッグ4aに挿入される。この満ボビン付ぺ
ッグトレイ4Bは位置規制片26の規制が解除された
後、捻り搬送装置9によりぺッグトレイ受渡しプレート
16と対応する位置まで搬送される。そして、満ボビン
付ぺッグトレイ4Bはその付近のガイド部材11及びペ
ッグトレイ受渡しプレート16の作用により満ボビンf
の姿勢が水平状態から垂立状態に変更され、コンベア装
置3上へ1個ずつ受渡される。
【0028】ぺッグトレイ4がその姿勢を変更せずに搬
送される箇所に配置されたガイド部材11は、ぺッグト
レイ4との接触部が常に同じ部分となる。ガイド部材1
1の断面形状が円形の場合は、ぺッグトレイ4と線接触
となり荷重が特定箇所に集中し摩耗し易い。しかし、こ
の実施例ではガイド部材11の断面が四角形のため、ガ
イド部材11はぺッグトレイ4と面接触となる。従っ
て、ぺッグトレイ4とガイド部材11の接触部単位面積
当たりに作用する荷重が小さくなり、ガイド部材11が
摩耗し難くなる。その結果、長期間使用した場合も板ば
ね18aの変位量が所定の押圧力を発生する値に保持さ
れ、ぺッグトレイ4と搬送ベルト10間の摩擦力が所定
の値に保持されてぺッグトレイ4の搬送が確実に行われ
る。
【0029】ガイド部材11をナイロン製とし、ぺッグ
トレイ4をポリアセタール製としたため、ぺッグトレイ
4がガイド部材11に対して摺接状態で移動する際の摩
擦力が減少する。一方、ぺッグトレイ4と搬送ベルト1
0間の摩擦力は従来と同様に大きいため、結果として搬
送ベルト10の移送力が向上する。その結果、ぺッグト
レイ4は搬送ベルト10に確実に追随した状態で搬送さ
れる。又、ぺッグトレイ4とガイド部材11間の摩擦力
が減少することにより、ガイド部材11の摩耗抑制の効
果もある。
【0030】ガイド部材11の断面を多角形(この実施
例では四角形)としたことにより、ガイド部材11の所
定位置に正確にネジ穴を形成することが容易となり、ガ
イド部材11がブラケット19に対してネジ21により
固定されている。そして、この実施例ではガイド部材1
1が直線部と曲線部とが別々になるように分割形成され
ているため、直線部だけを曲線部と独立にブラケット1
9及び連結具20から取り外すことができる。従って、
長期使用によりぺッグトレイ4との摺接面が摩耗したと
き、摩耗面及び摩耗面と対向する面以外の別の面が摺接
面となるように、ガイド部材11の固定状態を変更する
ことにより容易にガイド部材11を再使用できる。又、
ガイド部材11がネジ21によりブラケット19あるい
は連結具20に固定されるため、組付け時の位置合わせ
等が溶接の場合に比較して容易となる。
【0031】又、ぺッグトレイ4の姿勢変更箇所と対応
する部分に配設されたガイド部材11も樹脂(ナイロ
ン)製としたので、ガイド部材11に嵌合溝11aやネ
ジ21が挿入される穴を形成するのが鋼の場合に比較し
て容易となる。従って、ガイド部材11の断面形状が円
形であっても、ネジによる組付けが容易となる。
【0032】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、ガイド部材11の断面形状を四角
形に代えて五角形、六角形等他の多角形としてもよい。
又、ぺッグトレイ4とガイド部材11との材質として、
ポリアセタールとナイロンの組合せに代えて、ぺッグト
レイ4をナイロン製にガイド部材11をポリアセタール
にしたり、ぺッグトレイ4及びガイド部材11の両者と
もナイロン製としてもよい。又、その他ポリアセタール
及びナイロンの組合せの場合の摩擦係数以下の摩擦係数
となる組合せの樹脂、例えばフッ素系樹脂、ポリエチレ
ン等を用いてもよい。又、ガイド部材11全体を樹脂で
形成する代わりに金属の芯を樹脂で被覆した構成として
もよい。又、ぺッグトレイ4の姿勢変更箇所と対応する
部分は摩耗し難いので、その材質として従来と同様にス
テンレス鋼を用いてもよい。又、ガイド部材11の直線
部と曲線部とを別々に形成する代わりに、断面形状が同
じガイド部材11の場合は直線部と曲線部とを一体的に
連続形成してもよい。さらには、特開平1−31473
7号公報、特開平1−321268号公報等に開示され
た精紡ワインダにおけるボビン搬送装置に適用してもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ぺ
ッグトレイに対する接触箇所が一定となるガイド部材
が、ぺッグトレイに対して面接触するのでガイド部材の
接触部に作用する荷重が分散され、ガイド部材の摩耗が
減少し長期間にわたってぺッグトレイの搬送が確実にな
される。又、ぺッグトレイとガイド部材間の摩擦力が小
さくなるので、ぺッグトレイがガイド部材に対して滑り
易くなり、搬送ベルトによる移送力が向上し、ぺッグト
レイの詰まりが起こり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】捻り搬送装置のガイド部材と搬送ベルトによる
ぺッグトレイの挟持状態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】(a)はぺッグトレイが上方へ搬送される箇所
におけるガイド部材の支持状態を示す正面図、(b)は
搬送ベルトの断面図である。
【図4】(a)は円形断面のガイド部材の支持状態を示
す概略斜視図、(b)は円形断面のガイド部材と多角形
断面のガイド部材の接続状態を示す概略斜視図、(c)
は多角形断面のガイド部材の支持状態を示す概略斜視図
である。
【図5】本発明の装置が装備された管替機の概略斜視図
である。
【図6】管替機に装備された捻り搬送装置の配置を示す
概略正面図である。
【図7】(a)は従来装置におけるガイド部材の支持状
態を示す断面図、(b)はぺッグトレイが上方へ搬送さ
れる際に作用する力の関係を示す側面図、(c)はガイ
ド部材の摩耗状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…管替機、4…ぺッグトレイ、4a…ペッグ、9…ぺ
ッグトレイ搬送装置としての捻り搬送装置、10…搬送
ベルト、11…ガイド部材、11a…嵌合溝、19…ブ
ラケット、20…連結具、21…ネジ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状の搬送ベルトと線状のガイド部材
    との協働作用によりぺッグトレイの搬送を行うぺッグト
    レイ搬送装置において、前記ガイド部材の断面形状をペ
    ッグトレイの姿勢変更箇所と対応する部分以外の部分は
    多角形とし、ペッグトレイ及び前記姿勢変更箇所と対応
    する部分以外のガイド部材の材質としてポリアセタール
    及びナイロンの組合せ、あるいはこの組合せの場合の摩
    擦係数以下の摩擦係数となる組合せの樹脂を用いた紡機
    におけるぺッグトレイ搬送装置。
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